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給料ファクタリングとは?違法性と問題点を分かりやすく解説

近年、「給料ファクタリング」が社会問題になっています。ファクタリングに関心のある経営者の中には、給料ファクタリングのイメージから、通常のファクタリングを躊躇してしまう人もいます。そこで本稿では、給料ファクタリングの基礎知識、違法性や問題点について分かりやすく解説します。

給料ファクタリングとは?

給料ファクタリングとは、その名の通り給料をファクタリングするものです。「給与ファクタリング」と呼ばれることもあります。
一般的にファクタリングといえば、No.1をはじめとするファクタリング会社が提供している「買取ファクタリング」をイメージする人が多いでしょう。
しかし、給料ファクタリングと買取ファクタリングは全く異なるものです。

給料ファクタリングと買取ファクタリングの違い

買取ファクタリングは、売掛金の売却による資金調達のことです。これに対し給料ファクタリングは、給料の売却による資金調達を意味します。具体的にいえば、

  • 買取ファクタリング:売掛債権(売掛先から支払い期日に代金を受け取る権利)をファクタリング会社に売却する方法
  • 給料ファクタリング:給与債権(勤務先から給料日に給料を受け取る権利)を給料ファクタリング業者(※)に売却する方法

のことです。

※後述の通り、給料ファクタリングは違法であり、その実態はほとんどが違法業者です。したがって、「給料ファクタリング業者」という呼称は正確ではありませんが、本稿では便宜上「ファクタリングを装う違法業者=給料ファクタリング業者」として記述しています。
 
売掛金は、自社と売掛先の取引によって生じます。一方、給与債権は個人が勤務先に労働力などを提供することで生じるものです。したがって、

  • 買取ファクタリング:会社が資金調達のために利用するもの
  • 給料ファクタリング:個人が資金調達のために利用するもの

という点でも大きな違いがあります。

給料ファクタリングの仕組み

給料ファクタリングの仕組みは、買取ファクタリングと似ています。給料ファクタリングの基本的な仕組みは以下の通りです。

    1. 給料を受け取る権利のある個人が、給料ファクタリング業者に買い取りを依頼する
    2. 給料ファクタリング業者が条件を設定し、契約後に買取代金を支払う
    3. 後日、依頼者は給料日に勤務先から給料を受け取り、買い取ってもらった金額を給料ファクタリング業者に支払う

買取ファクタリングの流れも、「商品やサービスの提供(売掛金発生)→ファクタリング会社に売却→後日支払い」の流れですから、給料ファクタリングとほとんど変わらないことが分かるでしょう。

給料ファクタリングが広まった背景

給料ファクタリングが急速に広まり、社会問題のひとつになった背景には、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響が考えられます。コロナによって経済が急速に悪化した結果、労務費削減や休業に踏み切る会社が多数出ました。
休業した会社では休業手当の支払い義務があるため、労働者は最低でも基本給の60%を受け取れます。とはいえ、所得が40%も低下すれば生活は苦しくなります。
 
収入の減少分を賄うために、クレジットカードでの買い物が増えたり、消費者金融から借入れたりする人も多いです。しかし、このようなやりくりを続けることは困難ですから、生活は確実に苦しくなっていきます。
生活が苦しくなるということは、返済能力の低下を意味します。当然、資金調達の選択肢は減っていきます。そのような人が、

  • 個人でも利用でき、
  • 審査が甘く、
  • 勤務先などに知られない

といった都合の良い方法を探すと、最終的には非合法なものにたどりつきます。そのひとつが給料ファクタリングです。
給料ファクタリングは、個人の給与債権を対象とするファクタリングですから、個人でも利用できます。働いて給与を得ている事実さえあれば、そこから回収できる可能性が高いため審査も甘いです。そして、個人として利用するため勤務先に知られることもありません。
 
このように、コロナ禍の時代と給料ファクタリングの仕組みがうまくかみ合ったことで、給料ファクタリングが急速に普及したのです。

給料ファクタリングの違法性

しかし、給料ファクタリングは違法です。
給料ファクタリングの実態や金融庁などの発表により、給料ファクタリングの違法は明らかです。

勧誘方法の違和感

給料ファクタリングの違法性は、個人が利用に至る経緯をみてもおおよそ分かります。
給料ファクタリングを利用する際、多くの人が以下のような流れで利用します。

  • 給料ファクタリング業者から電話やFAX、DMなどで勧誘を受けて利用する
  • SNSなどで給料をファクタリングできることを知って利用する

SNSが普及している現代では、ツイッターなどを通して利用に至るケースも多いようです。現在も、給料ファクタリングを勧誘する投稿が多くみられます。例えば、
 
「給料日までのつなぎ融資致します。#個人融資 #ファクタリング」
 
といった投稿です。給料ファクタリングが大きな問題になっていることを意識してか、「#給料ファクタリング」ではなく「#ファクタリング」などの表現が用いられています。
 
そもそも、なぜ電話やFAX、SNSなどで勧誘しているのでしょうか。それは、給料ファクタリング業者自身が違法性を認識しており、堂々とした営業活動ができないからです。特にSNSなど、あえて匿名性のある媒体で勧誘活動を行っていることから、まともな業者ではないと考えるのが常識的です。

給料ファクタリングへの注意喚起

具体的な違法性については、金融庁などの注意喚起をみるとよく分かります。
関係各所の見解をみてみましょう。

金融庁の見解

まず、金融庁の見解です。金融庁は、金融の安定や預金者の保護、金融業関係者の保護などを目的としています。金融の安定に深くかかわっている金融業者(銀行や貸金業者など)を監督・指導する役割も担っています。
闇金融などの違法業者は、金融庁の取り締まりをかいくぐりながら違法活動をしており、金融の安定を脅かす存在です。給料ファクタリングを行っている違法業者についても同様です。
 
したがって、給料ファクタリングの捉え方は、金融庁の見解が基本となります。金融庁は、給料ファクタリングについて以下のように述べ、「給料ファクタリング業者=闇金融業者」との前提で注意を促しています。

「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します。
貸金業登録を受けていないヤミ金融業者により、年率換算すると数百~千数百%になる手数料を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった私生活の平穏を害するような悪質な取立ての被害を受けたりする危険性があります。
また、高額な手数料を支払ってしまうと、本来受け取る賃金よりも少ない金額の金銭しか受け取れなくなるため、経済的生活がかえって悪化し、生活が破綻するおそれがあります。
ヤミ金融業者を絶対に利用しないでください。

出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

警視庁の見解

コロナ拡大に伴い、給料ファクタリングの被害や相談が急増しました。金融庁も正式に違法と見なしたことで、警視庁の取り締まりも活発化しています。
取り締まりの強化により摘発が増えていくにつれて、反社会的勢力が給料ファクタリングを手掛けているケースも出てきました。実際に、給料ファクタリングで逮捕された人物が中国系ギャングのメンバーであったり、暴力団組員であったりしたケースが報じられています。
 
警視庁は、反社会的勢力を厳しく取り締まっています。反社会的勢力の撲滅のためには資金源を断つことが重要です。最新の“シノギ”である給料ファクタリングについても、厳しく取り締まる必要があります。
警視庁は、給料ファクタリングについて以下のように発表しています。

「給与ファクタリング」とは、企業の資金調達手段の一つであるファクタリングの仕組みを利用したもので、個人の給与を債権とみなし、その給与債権を給与ファクタリング業者に買い取ってもらう資金調達方法を言い、手数料を差し引かれた額を給料日よりも前に現金で手に入れることができます。
しかし、貸金業登録を受けずに給与ファクタリングを行うことは違法であり、こうした無登録業者(ヤミ金融業者)を利用した場合、高額な手数料を支払わされることになります。

出典:警視庁「無登録の給与ファクタリング業者に注意!」

日本貸金業協会の見解

最後に、金融業者の立場から見解をみてみましょう。
日本貸金業協会は、日本の貸金業者(金融庁の貸金業登録を受けている正規業者)を対象とする業界団体です。貸金業界の健全化を目的としています。給料ファクタリング業者は実質的に闇金業者ですから、日本貸金業協会は厳しく対応しています。

「給与ファクタンリング」とは、個人の賃金債権を買い取ると称して手数料を差し引いて金銭を提供し、個人から手数料を含めた金額を回収するもので、これを行う業者は「債権の買い取りなので金銭の貸付けではない」とうたっていますが、実態は貸付けです。年率にすると数百パーセントにもなる手数料を要求されたり、強引で執拗な取り立てをされたりする被害が発生しています。個人の給与を買い取って金銭を交付し、個人を通じて資金を回収する「給与ファクタリング」を営む場合は、貸金業登録が必要です。無登録業者による違法な貸付けの被害に遭うことのないよう、十分にご注意ください。

出典:日本貸金業協会「悪質な金融業者にご注意!」

給料ファクタリングの問題点

金融庁・警視庁・日本貸金業協会の見解に共通するのは、

  • 給料ファクタリングは、ファクタリングではなく貸し付けである
  • 貸金業を営むには貸金業登録が必要だが、給料ファクタリング業者は無登録である
  • 高金利で貸し付け、取り立てにも違法性がある

といった内容です。
特に問題になるのが金利設定です。給料ファクタリングを貸し付けとみなした場合、上限金利をはるかに上回るのです。上限金利は、出資法によって以下のように定められています。

貸金業者の場合

貸金業を事業として行う場合、以下の通り「年利20%」が上限となります。

金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年20パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

出典:法令リード「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」

個人間の場合

事業として貸し付けるのではなく、個人が貸し付ける場合には「年利109.5%」が上限です。

金銭の貸付けを行う者が、年109.5パーセント(2月29日を含む1年については年109.8パーセントとし、1日当たりについては0.3パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

出典:法令リード「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」

給料ファクタリングの金利は法外

給料ファクタリング業者の金利設定が、上限金利からどれほどかけ離れているか、具体例でみてみましょう。
2020年3月24日、東京地方裁判所は、給料ファクタリング業者のミナミ実業の請求を棄却しました。ミナミ実業は、給料ファクタリング後の支払いに応じない債務者を訴えたものの、逆に無登録業者の認定を受けて刑事罰の対象となったのです。
問題となった訴訟では、ミナミ実業が個人から7万円の給与債権を4万円で買い取り、4日後に買い戻す契約を結んでいました。
契約内容を整理すると、

  • 借入額:4万円
  • 返済総額:7万円
  • 利息:3万円
  • 借入期間:4日間

となります。4日で4万円が7万円になる、つまり75%の利息がつくのです。闇金漫画で有名な「トイチ=10日で1割(10%)」や「トゴ=10日で5割(50%)」など足許にも及ばない、非常に高い金利設定です。
 
これを年利換算すると、6843.75%にもなります。判決では、ミナミ実業は貸金業とみなされたわけですが、貸金業者の上限金利20%をはるかに超えています。もちろん、いくら個人での融資だと言い張ったところで、個人間の上限金利は109.5%ですから話になりません。
 
あくまでも一例ですが、給料ファクタリングの実態と違法性を知るには良い例です。

個人事業主やフリーランスは通常のファクタリングを

経営者の多くは、給料ファクタリングと無縁だと思います。売掛金の買取ファクタリングは、給料ファクタリングとは全く異なるものであり、違法性もないため安心して利用してください。
もし、従業員の中に給料ファクタリングを利用している人がいた場合には、給料ファクタリングの危険性を教え諭し、給料の前借りに応じるなどの配慮も必要です。
 
注意したいのは、個人事業主やフリーランスです。働き方が多様化している昨今、またコロナ禍の影響もあり、副業を始める人が増えています。
副業を始めた人の中には、お金のやりくりができない場合に本業の給料を給料ファクタリングしたいと考えることがあります。しかし、上記の通り給料ファクタリングは違法であり、危険なため避けてください
 
それよりも、買取ファクタリングの利用をおすすめします。最近では、個人事業主やフリーランス向けのファクタリングも増えており、No.1でも個人事業主・フリーランスに特化したファクタリングサービスを提供しています。
 
個人事業主・フリーランス向けのファクタリングは、一般的な買取ファクタリングと基本的に同じ仕組みであり、健全な取引が可能です。給料ファクタリングを利用するよりもはるかに条件が良く、違法性・危険性もありません。
給料ファクタリングは避け、No.1にご相談ください。
フリーランスでファクタリングを利用したい方はこちらをお読みください

個人事業主でファクタリングを利用したい方はこちらをお読みください

まとめ

本稿では、給料ファクタリングの基礎知識から違法性、問題点まで詳しく解説しました。金融庁や警視庁の見解、反社会的勢力の資金源になっていること、金利があまりにも高いことなどをみれば、給料ファクタリングがいかに危険なものであるかが分かったと思います。
 
現在、金融庁はファクタリング業者に対しても事業者登録の義務付けを検討しています。そのようになれば、違法業者はファクタリングを隠れ蓑にできなくなるため、ファクタリング業界の一層の健全化が期待できます。
経営者にとっても活用の機会は広がってくることでしょう。ファクタリングをご利用の際には、ぜひNo.1にご相談ください。
No1でファクタリングを利用したい方はこちらをお読みください

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