カテゴリー: ファクタリング
手集金だとファクタリングの利用は難しい?ファクタリングの審査に通りやすくするための工夫と合わせて徹底解説!
「手集金の売掛金もファクタリングできる?」
「手集金はファクタリングできないって聞いたけど、どうして?」
「手集金でもファクタリングするにはどうすればいい?」
手集金を行っている会社から、このような問い合わせをいただくことがあります。
この疑問を解消するには、ファクタリングの仕組みに手集金を当てはめて考えていくことがポイントです。
この記事では、手集金ではファクタリングが難しい理由について、ファクタリングの流れや審査基準を通して解説します。
結論:手集金で売掛金を回収しているとファクタリングの審査に通りづらくなる
結論からいえば、手集金で売掛金を回収している会社は、ファクタリング審査に通りづらくなります。
「通りづらくなる」というよりも、「審査に通らない可能性が極めて高く、ファクタリングの利用は現実的ではない」と言ったほうが正確かもしれません。
そもそも手集金とは何なのでしょうか。
多くの会社は、売掛先から売掛金を回収するとき、自社の銀行口座に振り込んでもらいます。
売掛先に対して請求書を発行する必要がありますが、それさえやっておけば支払期日に売掛先が振り込んでくれるため、特に働きかける必要はありません。
一見すると直接的ですが、売掛先は銀行を介して支払うため間接的な方法であり、銀行には取引の明細も残ります。
手集金は、読んで字のごとく「手ずから(直接)集金すること」。
支払日になると、自社の集金スタッフが売掛先を訪問して集金したり、売掛先が自社まで出向いて売掛金の支払いをします。
手集金ではファクタリングが利用できない理由について、以下で詳しくみていきましょう。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、売掛金を用いた資金調達方法です。
具体的には、会社が保有している売掛金をファクタリング会社や銀行に売却することで、資金を調達できるサービス。
売掛金は売掛債権の一種ですが、これまで売掛債権を活用した資金調達方法といえば「手形割引」が主流でした。
しかし現在、手形交換高はピーク時(1990年代)の5%以下に減少しており、将来的には手形取引そのものが廃止される見通しとなっています。
資金調達においても、手形割引は徐々に利用しにくいものになっていくでしょう。
手形の減少に伴い、相対的に売掛金が増加している昨今、売掛金を売却することでスムーズに資金調達できるファクタリングの重要性が高まっています。
なお、ファクタリングの方式には2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があります。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式。
ポイントは、売掛先が関与せずに取引が完了する点。
売掛先が関与しないことから、資金調達スピードや利便性に優れ、売掛先に知られることなくファクタリングできます。
手続きを簡単に進めることができるため、最短即日で資金調達できることがほとんど。
最近では、すべての手続きがオンラインで完結する「オンラインファクタリング」も普及しつつあり、オンラインファクタリングも2社間ファクタリングを採用していることが多いです。
オンライン契約やAI審査などによって、手続きがさらにスピーディになるため、最短数時間でファクタリングできるケースも増えています。
中小企業のファクタリングでは、2社間ファクタリングの利用が圧倒的に多いため、中小ファクタリング会社は2社間ファクタリングに力を入れているのです。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社に加えて、売掛先も含めた3社間で取引するファクタリング方式。
利用会社がファクタリング会社と契約したのち、利用会社から売掛先に対して債権譲渡通知を送付するため、売掛先にファクタリングの利用を必ず知られます。
この時に混乱を避けるため、事前に売掛先に内諾を得たうえでファクタリングに申し込むのが一般的。
ファクタリング会社としては、売掛先が関与することによって売掛金の実在を確認でき、売掛先から売掛金を直接回収できるなど、3社間ファクタリングのほうがリスクは低くなります。
そのため、手続きは煩雑ですが、3社間ファクタリングは2社間ファクタリングに比べて、手数料が大幅に安くなるというメリットも。
売掛先の理解を得られる場合には、3社間ファクタリングの活用も検討してみましょう。
ファクタリングの契約の流れ
2社間ファクタリングを例に、ファクタリング契約の流れをみていきましょう。
ファクタリング会社やファクタリング方式などによって、細かい流れは変わりますが、大まかな流れは同じです。
- 利用会社と売掛先の間で、代金後払いの条件で売買契約を結ぶ。商品の納入後、請求書を発行することで売掛金が発生する。
- 支払期日前の段階で、利用会社が資金調達のためにファクタリングを利用する。ファクタリング会社に2社間ファクタリングを申し込む。
- 利用会社は、ファクタリング会社から説明を受け、代表者の身分証明書、請求書、入出金明細書などの必要書類を提出する。
- ファクタリング会社は、必要書類をもとに売掛金を審査する。信用に問題がなければ買い取り可能と判断し、ファクタリング条件を決め、利用会社に通知する
- ファクタリング条件に問題がなければ、利用会社とファクタリング会社の間でファクタリング契約を結ぶ。
- ファクタリング会社が利用会社に買取代金を振り込む。
手集金ではファクタリング審査に通りづらくなる理由
上記の流れに手集金を当てはめると、ファクタリング審査に通らない理由がよく分かるでしょう。
売掛金とは、将来のある時期に代金の支払いを受ける権利のことであり、権利の内容は回収方法に左右されません。
また、手集金で売掛金を直接回収する場合にも、資金繰り的にはお金が入ってくる流れであり、この点でも銀行振込と変わりません。
しかし、手集金は直接回収するため、銀行の入出金明細のように第三者によって入金を証明できないことが問題となります。
上記の流れでは、3のタイミングで必要書類を提出しています。
このとき、ほとんどのファクタリング会社が「会社が持っている全銀行口座の入出金明細(通帳コピー)」を求めます。
提出する期間は3ヶ月分や6ヶ月分など様々ですが、通帳コピーの提出は高確率で求められるでしょう。
手集金は、銀行振込ではなく直接回収しているため、入出金明細がありません。
これは、売掛金が実在していても、それを証明することが困難ということになるのです。
手集金がファクタリング審査に通りづらい理由はここにあると言えるでしょう。
ファクタリング会社の事情から考える
ファクタリングは、手数料で稼ぐビジネス。
例えば、100万円の売掛金を手数料率20%で買い取る場合、手数料である20万円がファクタリング会社の売上となります。
もっとも、これは売掛金を回収できることが前提です。
仮に回収できなかった場合には、買取金額として利用会社に支払った80万円が損失になります。
ファクタリングは償還請求権※無しの契約ですから、回収不能になったからといって利用会社に売掛金の買い戻しを請求することはできません。
このため、ファクタリング会社は、「買い取った売掛金を支払期日にしっかり回収できるかどうか」を重視します。
特に、架空債権(実在しない売掛金)や不良債権(支払期日を過ぎている売掛金)の買い取りは、何としても避けなければなりません。
ファクタリング会社が、銀行の入出金明細を求めるのも、売掛金の実在を確かめるため。
銀行の明細によって売掛先の入金履歴が確認できれば、利用会社と売掛先が確かに取引しており、売掛金と売掛先が実在していることがわかります。
このようなファクタリング会社の事情を考えると、入出金明細から売掛金・売掛先の実在を証明できない以上、手集金の売掛金を買い取れないことは明らかです。
※回収不能などを理由として、利用会社に売掛金の買い戻しを求める権利
ファクタリング審査時に見られるポイント
手集金の問題と合わせて、ファクタリング審査のポイントを解説します。
ファクタリング会社が審査で重視するポイントは、以下の4つです。
売掛先の信用力
ファクタリング審査では、売掛先の信用力が最も重視されます。
会社の信用力を示す指標のうち、わかりやすいのは業績と財務でしょう。
ファクタリングの場合、業績はあまり重要ではなく、財務を重視します。
ファクタリング会社は、支払期日に代金を確実に支払ってもらうことで収益を得ています。
売掛金の回収サイト※は数ヶ月間であり、多くは1~2ヶ月程度。
売掛先の財務さえしっかりしていれば、業績がどうであろうと、数ヶ月後の支払期日に回収不能に陥る可能性は低いです。
したがって、ファクタリング審査で重視する「信用力」とは、「支払期日に売掛金を支払える能力」とイコールと言えるでしょう。
これを確認する最も簡単な方法は、入出金明細を確認すること。
例えば、売掛先が過去6ヶ月間にわたって、毎月遅れることなく支払っていることが分かれば、7ヶ月目、8ヶ月目も問題なく支払える可能性が高く、ファクタリング会社は安心して買い取れます。
手集金では入出金明細が確認できないため、ファクタリング会社はこの安心感が得られず、審査に通すことも困難なのです。
※売掛先から代金を回収するまでの期間
売掛先との取引期間
次に、売掛先との取引期間が重要です。
取引期間が短い会社と長い会社では、どちらの信用が高いでしょうか。
当然、取引期間が長い会社です。
「取引期間が長い」ということは、「長期間にわたって、大きなトラブルが発生しなかった」ということであり、「結果的に取引期間が長期化している」と言えるのです。
延いては、「今後も長期間にわたって、問題なく取引できる可能性が高い」とも言えるでしょう。
これは、ファクタリング会社にとっても同じこと。
これまで、長期間にわたって問題なく支払ってきた売掛先は信用が高く、安心して買い取ることができます。
売掛先ごとの取引期間は、売買契約書などによって確認します。
手集金の場合も、売買契約書を提出することで取引期間を証明することができますが、それだけでは不十分。
やはり、入出金明細によって直近の取引を示さなければなりません。
重要なのは「売掛先との取引期間が長く、最近も問題なく入金している」ことであって、最近の取引状況がわからなければ意味がないのです。
回収サイト
回収サイトも審査に影響します。
これは、回収サイトの長短によって、ファクタリング会社の負うリスクが変わってくるから。
当然ながら、ファクタリング会社は売掛金を買い取った後、支払期日までは代金を回収できません。
回収サイト3ヶ月、額面1000万円の売掛金を900万円で買い取ったとすれば、買取資金の900万円が3ヶ月間にわたって拘束された後、初めて100万円の利益が得られます。
では、回収サイト1ヶ月、額面1000万円の売掛金を900万円で買い取った場合はどうでしょうか。
買取資金の拘束期間は1ヶ月間ですから、回収サイト3ヶ月の場合に比べると資金効率は3倍にアップします。
このように、回収サイトによって資金効率が大きく変わってくるため、ファクタリング審査では回収サイトも考慮されます。
一般的に、手集金の回収サイトは短いですが、残念ながら審査に通りやすくなるほどのインパクトはありません。
ファクタリング金額
基本的に、ファクタリング会社は少額の利用を嫌います。
数万円~数十万円の少額ファクタリングに対応しているファクタリング会社もありますが、その場合には手数料が割高になるのが一般的。
これは、ファクタリング金額が収益性に影響するためです。
ファクタリングを請け負う際、ファクタリング会社には申込の受付、売掛金の審査、ファクタリング契約などの業務負担が生じます。
この負担は、ファクタリング金額とは無関係に生じるものです。
もちろん、金額によってファクタリング会社のリスクが変動するため、「少額ならば簡易審査だけ」「多額の場合には念入りに審査する」といった違いはあるでしょう。
しかし、それ以外の部分で生じる負担はほとんど変わりません。
一定の業務負担が生じるのですから、ファクタリング金額によって収益性も異なります。
1000万円を手数料10%でファクタリングすれば100万円の売上ですが、10万円を手数料10%でファクタリングすれば1万円の売上にしかなりません。
このような収益性の違いがあるため、ファクタリング金額も審査の材料となります。
手集金で回収する売掛金の多くは少額。
数百万円、数千万円といった多額の売掛金を、従業員が直接回収することはありません。
数千円~数十万円の少額取引だからこそ、手集金できるのです。
売掛金の額面金額が小さいことも、手集金がファクタリング審査に通りにくい理由といえます。
ファクタリングの審査に通りやすくなるためのコツ
ファクタリング審査に通りやすくなるために、いくつかのコツを紹介します。
もちろん、手集金を行っている会社では、銀行振込に切り替えることが前提です。
信用力の高い売掛先を選ぶ
ファクタリング審査に通りやすくなる確実な方法は、信用力の高い売掛先(の売掛金)を選ぶこと。
既に解説した通り、ファクタリング会社にとって最も重要なのは「売掛先が支払期日に売掛金を支払うこと」です。
この信用さえ問題なければ、ファクタリング会社は「低いリスクで収益を確保できる=優良案件」と考えます。
取引期間が長くない、回収サイトが長い、ファクタリング金額が少ないなどの問題を抱えていても、審査に通りやすくなるでしょう。
コツとしては、法人の売掛先を選ぶことです。
これまで手集金をしてきた会社では、個人の顧客(売掛先)も多いでしょう。
個人に対する売掛金を買い取ってくれるファクタリング会社もありますが、基本的には個人の売掛金は敬遠されます。
個人は法人に比べて情報や支払い能力を把握しにくいため、手集金から銀行振込に切り替えたとはいえ、審査が厳しくなったり、ファクタリング条件が悪くなったりする可能性が高いでしょう。
ファクタリングの際には、法人の売掛金を選んだほうが審査に通りやすくなります。
取引の長い売掛先を選ぶ
売掛先の信用力の高さは、売掛先の経営状況や、最近の取引状況など様々な情報によって判断されます。
中でも、取引期間は重要です。
取引期間が長く、なおかつ最近の取引も安定しているならば、その売掛先は「長期間にわたって問題なく支払いを継続しており、経営安定性も高く、今後の支払いにも問題がない」と判断できます。
いくら取引期間が長くとも、支払いでトラブルを起こしながら取引を続けてきた売掛先は、審査に落ちる可能性が高いでしょう。
あくまでも、「取引期間が長い+直近の取引状況も良好」であることが大切です。
回収サイトが短い売掛金を選ぶ
回収サイトが短い売掛金は、ファクタリング会社の負担が軽いため買い取りやすくなります。
したがって、できるだけ回収サイトが短い売掛金を選ぶことも、審査に通りやすくなるコツです。
また、ファクタリングの際に回収サイトを意識することによって、経営全般に良い影響が出ることもあります。
ファクタリングの活用に対して意識の高い経営者は、単に「回収サイトの短い売掛金はファクタリングしやすい」と考えるだけではなく、「好条件でファクタリングするために、売掛金の回収サイトを短縮すべきだ」と考えます。
- 既存の売掛先に対しては、回収サイト短縮を求めて交渉する
- 新規の売掛先に対しては、回収サイトの短い条件で契約を結ぶ
などの取り組みを実施することで、回収サイトの短い売掛金を増やしていくのです。
この取り組みには時間がかかりますが、ファクタリング条件は確実に良くなりますし、ファクタリング審査にも通りやすくなります。
まとまった金額をファクタリングする
手集金を行う会社では、1件当たりの売掛金額が小さい傾向にあります。
手集金から銀行振込に切り替えても、売掛金額は変わりません。
この場合、ファクタリング会社は採算が取りにくいため審査に落ちやすくなるでしょう。
そこで、複数の売掛金をまとめてファクタリングすることが大切。
1件当たりの額面は小さくとも、依頼当たりの金額を大きくすれば、ファクタリング会社の採算は改善され、審査も通りやすくなります。
もちろん、1件当たりの額面ができるだけ大きいものを選ぶことも大切です。
ファクタリングの利用に迷っているならNo. 1にご相談ください!
手集金を行っている会社は、ファクタリング審査に落ちる可能性が非常に高く、まずは銀行振込に切り替えることが大切です。
しかし、それだけでファクタリング審査に通りやすくなるとは限りません。
手集金を行うビジネスでは、一般的なビジネスとは異なる特色を持っていることが多く、この違いが売掛金に表れることも多いです。
このため、ファクタリング会社選びが非常に難しく、会社選びに失敗してファクタリングのメリットが大幅に損なわれる可能性も。
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まとめ
現代でも、業種・業態によっては手集金を行っている場合があります。
ファクタリングの普及が広がるにつれて、「手集金でもファクタリングできるかな?」と考える会社も増えていることでしょう。
この記事で解説した通り、手集金ではファクタリング審査に通ることが難しく、ファクタリングでの資金調達は困難です。
しかし、手集金から銀行振込に切り替えることで、ファクタリングできる可能性が高まるため、まずはここから取り組むのが良いでしょう。
そのうえでファクタリングを利用する際には、ぜひNo.1にご相談ください。
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