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IT業でファクタリングが人気の理由とは?活用の事例も紹介

近年、新しい資金調達方法として、ファクタリングが注目されています。
とりわけ普及が著しいのはIT業です。
IT業は、他の業種に比べて資金繰りが難しく、資金調達に苦しんでいるIT業者も少なくありません。
融資よりも簡単に、柔軟に資金調達できるファクタリングは、IT業と非常に相性の良い資金調達方法といえます。
この記事では、IT業の資金繰りの特徴を踏まえて、IT業の資金調達、IT業でファクタリングを利用するメリットと注意点を解説し、IT業におけるファクタリングの事例も紹介します。
これからファクタリングを取り入れていくIT業者は、この記事の事例も含めてぜひ参考にしてみてください。

IT業の構造と資金繰りの特徴

 
IT業は、最も成長力の高い産業のひとつであり、また経営が難しい業種でもあります。
IT業が他の業種に比べて経営が難しいことは、廃業率からも明らかです。
中小企業庁が公表している小規模企業白書(2021年)によると、IT業(情報通信業)廃業率は4.0%となっています。
IT業の廃業率は、宿泊業・飲食サービス業(5.9%)、生活関連サービス業・娯楽業(4.8%)、小売業(4.4%)に次ぐ第4位の高さであり、全業種の平均(3.4%)よりも高い水準です。
IT業の廃業率が高い理由は色々考えられますが、大きな理由のひとつは資金繰りの難しさにあります。
IT業に限らず、会社が倒産する理由は「資金繰りが回らなくなること」です。
どれだけ赤字が続いても、資金繰りが回るうちは倒産することはありません。
逆に、どれだけ黒字であっても、資金繰りが回らなくなれば倒産します(黒字倒産)。
IT業の構造は特殊であり、他の業種よりも資金繰りが難しいため、資金繰りが回らなくなって倒産するIT業者が多いということです。
具体的には、IT業の資金繰りはなぜ難しいのでしょうか。
ここでは、IT業の構造と資金繰りの特徴を解説します。

IT業の構造

 
まず知っておきたいのが、IT業の構造です。
IT業は元請けと下請けによって成り立っています。
いわゆる「多重下請構造」であり、これが他の業種と大きく異なる点です。
基本的に、大手IT業者が元請けとなり、中小のIT業者が下請けとなります。
システム開発を例にすると、クライアントからシステム開発の発注を直接請けるのが元請けです。
ただし、元請けのIT業者は自社で全ての開発をこなすわけではありません。
多くの場合、作業・工程によって複数の下請けIT業者に委託し、元請け自身はプロジェクトを統括します。
元請けから直接委託を受けるIT業者を一次下請け、一次下請けのIT業者からさらに委託を受けるIT業者を二次下請けと呼び、大規模なプロジェクトであれば三次下請け以下に委託される場合もあります。
このように、「クライアント→元請け→一次下請け→二次下請け→三次下請け・・・」という形で仕事が流れていく構想が「多重下請構造」というわけです。
多重下請構造であることは、IT業者の資金繰りに様々な影響をもたらし、IT業の資金繰りの特徴にもなっています。
具体的な特徴は以下の通りです。

回収サイトが長いIT業

 
IT業の資金繰りが難しい大きな理由として、回収サイトの長さが挙げられます。
回収サイトとは、売掛先に請求書を発行してから、売掛金が支払われるまでの期間のことです。
IT業に限らず、回収サイトが長いほど資金繰りは悪化します。
そもそも信用取引は、取引先の信用を担保として、代金の後払いを認める取引です。
売掛先に商品やサービスを提供すると、後日(支払期日に)代金を受け取る権利として売掛金が発生します。
ただし、売掛金は権利であると同時に義務でもあります。
売掛金があることによって、自社は「支払期日まで代金の受け取りを待つ義務」を負うのです。
すでに商品・サービスの提供は完了し、それに伴い様々なコストを負担しているわけですが、支払期日までは代金を回収できません。
その期間中も資金繰りを回していくのですから、回収サイトが長いほど資金繰りが苦しくなります。
そして、IT業は他の業種よりも回収サイトが長いのです。
令和元年の中小企業実態基本調査によれば、IT業(情報通信業)の回収サイトは1.78ヶ月となっています。
回収サイトが最も長いのは製造業(2.09ヶ月)、二番目に長いのは卸売業(1.83ヶ月)、そしてIT業が三番目というわけです。
全業種平均の回収サイトが1.23ヶ月であることを考えると、IT業の回収サイトは平均よりも約0.5ヶ月も長いことが分かります。
なぜIT業の回収サイトが長いかといえば、多重下請構造が原因です。
多重下請構造においては、元請けがクライアントから発注を受けるところが出発点となります。
元請けにも資金繰り事情がありますから、できるだけ負担の少ない形で一次下請けに発注したいと考えます。
手っ取り早いのは、元請けに有利な支払条件で発注することであり、それによって一次下請けの回収サイトは長期化します。
二次下請けに発注する際、一次下請けはできるだけ有利な支払条件を設定するため、二次下請けの回収サイトはさらに長期化。
三次下請け以下でも同様の流れが発生し、結果的に「元請け<一次下請け<二次下請け<三次下請け<・・・」というように回収サイトが長くなっていくのです。

入金サイクルが特殊

 
資金繰りに影響するのは、回収サイトだけではありません。
業種によっては入金サイクルも資金繰りに影響します。
一般的な業種であれば、入金サイクルは単純です。
例えば、毎月一定の商品を納入し、月末請求・翌月末払いとする場合、入金サイクルは一定しています(毎月1回、一定額を入金)。
しかし、IT業は入金サイクルが特殊です。
というのも、IT業の入金サイクルは案件によって変化し、時に複雑化するためです。
これは、ソフトウェア開発を考えると分かりやすいでしょう。
開発の内容にもよりますが、開発期間が数ヶ月に及ぶ事例も珍しくありません。
この場合、入金サイクルは受注先との契約によって決まります。
数ヶ月後の納品に合わせて一括払い、開発の進捗に応じて分割払い、開発の着手に伴い一部を前払い(残りは一括または分割で支払い)など、様々な入金サイクルが考えられます。
受注側のIT業者としては、完成後の一括払いは避けたいところ。
そのような契約になると、数ヶ月間は収入がない状況が続くため、資金繰りが非常に厳しくなります。
とはいえ、IT業は多重下請構造ですから、受注先は基本的に自社よりも立場が上です。
受注先との関係悪化を防ぐため、あるいは売上を確保するためなど、様々な理由によって不利な条件を飲まざるを得ないこともあります。
その結果、入金サイクルが厳しくなり、資金繰りが困難になるのです。
また、自社に有利な入金サイクルになったとしても安心はできません。
なぜならば、想定していた入金サイクルがずれ込む場合があるためです。
進捗に応じて支払いを受ける場合、人手不足や開発トラブルによって工期が伸びてしまうことがあります。
IT業は労働集約型の産業であり、人手不足に悩むIT業者が非常に多いです。
そのようなIT業者では、人手不足が開発の遅れを招き、入金サイクルがずれ込んで資金繰りが狂う事例が少なくありません。
また、バグの多発によって開発が遅れたり、受領を拒否されたりする事例もしばしばです。
IT業では、他の業種よりも入金サイクルが厳しいこと、入金サイクルのズレが生じやすいことを織り込み、資金繰り・資金調達に取り組む必要があります。

IT業の売上は不安定

 
売上が不安定なことも、IT業の特徴です。
基本的に、売上が不安定なほど資金繰りの難易度は高まります。
売上が安定していれば資金繰りの見通しもつけやすいのですが、売上が不安定なほど計画的な資金繰りが難しくなります。
IT業の売上が不安定なのも、やはり多重下請構造が原因です。
ここで参考になるのが、下請け業者の受注方法です。
公正取引委員会の資料(ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書[2022年])によると、下請けIT業者(資本金3億円以下)の受注方法は、主にふたつあります。
ひとつは、特定のベンダーの協力会社として受注する方法、もうひとつは、代表者や従業員などのコネによって受注する方法です。
IT業者の75.1%が、このいずれかによって受注しています。
ベンダーの協力会社として受注する場合、ベンダー次第で受注環境が変化するため、関係悪化によって売上が急減したり、不利な契約を強いられて資金繰りや利益率の悪化を招くこともあります。
コネによって受注する場合、売上はさらに不安定です。
企業(ベンダー)と企業(下請けIT業)の関係よりも、個人と個人の関係のほうがはるかに脆弱であり、安定した売上は期待できません。
IT業者の75%がいずれの方法で受注しており、なおかついずれの方法も売上が不安定となれば、もはや「IT業は売上が不安定」といっても過言ではないでしょう。
これも、IT業の大きな特徴であり、資金繰りが難しい理由となっています。

IT業は資金調達が難しい

 
IT業では信用取引が基本であり、信用取引であれば掛売りとなります。
収入と支出のタイミングが異なるだけではなく、大抵は支出が先行します。
手元資金が潤沢であればよいのですが、そのようなIT業者は少数派でしょう。
不足資金をうまく調達しながら、資金繰りを回していくのが基本です。
資金調達さえうまくいけば、たとえIT業でも資金繰りに困ることはありません。
ところが、IT業は資金調達の難易度が高く、これが資金繰りの難しさでもあります。
IT業の資金調達が難しいのも、やはり多重下請構造が原因です。

IT業の売上格差

 
IT業は、格差が非常に大きい業種です。
このことは、大手IT業者と中小IT業者の売上を比較するとよくわかります。
2016年度、IT業全体の売上高は68.8兆円であり、その内訳は大手IT業者が51.5兆円、中小IT業者が17.3億円です。
1社あたりの売上高を比較すると、この差は一層明確となります。
大手IT業者の平均売上高が158.34億円であるのに対し、中小IT業者の平均売上高は1.59億円に過ぎません。
つまり、売上に100倍もの格差があるのです。
売上は稼ぎ出す力、つまり収益力を表すものであり、資金調達の際にも重視されます。
特に融資の場合、返済原資とみなすのは本業で稼ぎだしたお金だけです。
売上が低い中小IT業者は、稼ぐ力(=返済力)が乏しいと評価され、資金調達に苦労するでしょう。

IT業は利益率が低い

 
さらに深刻なのが、IT業者の利益率の低さです。
2016年度、IT業全体の経常利益は6.9兆円でした。
このうち大手IT業者が6.1兆円を占め、中小IT業者の経常利益は0.8兆円に過ぎません。
1社あたりの経常利益を比較すると、大手IT業者の平均経常利益は18.6億円、中小IT業者の平均経常利益は7500万円。
大手と中小の経常利益の差は250倍であり、売上格差以上に深刻といえます。
IT業は多重下請構造のため、元請けから一次下請け、一次下請けから二次下請け・・・となるにつれて利益率が低くなっていきます。
その結果、大手と中小では利益率に大きな差が生じるのです。
利益率も資金調達に大きく影響します。
融資の場合、銀行が返済原資として認めるのは本業からの稼ぎであり、ここでいう「稼ぎ」とは「売上」ではなく「利益」のことです。
売上がなければ利益もないため、売上があることが前提となり、売上が大きいほどプラスの評価となります。
しかしながら、いくら売上があっても、利益がマイナス(赤字)では無意味です。
利益がなければ返済原資もなく、最悪の場合には債務不履行に陥ります。
中小IT業者の中には、採算を度外視して受注したことにより、売上はあるものの利益率が極端に低くなったり、マイナスになったりする事例が珍しくありません。
基本的には、利益率が低いほど資金調達に苦労すると考えてください。
つまり、IT業の資金調達は難しいということです。

IT業の資金調達方法

 
ここまで詳しく見てきたように、IT業には多重下請構造という特殊な構造があり、これによって資金繰り・資金調達を複雑かつ困難になっています。
それでも、経営を続けるには資金を調達しなければなりません。
IT業の資金調達方法として、よく挙げられるのは融資、出資、助成金などです。
ただし、出資を受けられるIT業者はごく一部であり、資金調達のハードルは極めて高いといえます。
また、助成金は成果に対して支払われる報奨金のようなものですから、「不足資金を調達して資金繰りを回す」という意味では、全く役に立ちません。
上記のうち、IT業者が現実的に利用できる資金調達方法は融資でしょう。
これに加えて、近年IT業で急速に広がっているのがファクタリングによる資金調達です。
ここでは、IT業の二大調達方法として、融資とファクタリングを解説します。

銀行融資

 
一口に融資といっても、借入先は色々あります。
都市銀行や地方銀行、信用金庫などのいわゆる銀行融資、日本政策金融公庫などの公的金融機関による融資、地方自治体・信用保証協会・銀行が連携して行う制度融資、そしてノンバンクのビジネスローン。
ここでは、最も身近といえる銀行融資を取り上げます。

融資の審査基準

 
銀行でも貸金業者でも、融資の審査基準は必ず融資先です。
IT業であれば、融資を希望しているIT業者の経営状況を詳しく審査します。
このとき重視されるのは業績と財務です。
直近の決算書をみれば、融資先のIT業者が現在どのような状況であるか、特に「売上はどうなっているか?」「売上は安定しているか?」「利益は得られているか?」といったことが分かります。
それなりの売上があり、利益も上がっている場合、その返済力の範囲内であれば融資を受けられる可能性が高いです。
逆に、売上や利益が悪化しており、返済力に問題があると判断すれば、銀行は決して融資しません。
とはいえ、銀行は中長期の決算書を分析し、業績・財務の推移も考慮します。
現在、売上や利益に多少の問題があっても、過去の推移から「売上・利益の低下は一過性のもの」「業務改善が奏功して売上・利益が徐々に回復している」などと判断すれば、融資を前向きに検討できます。
逆に、業績が長期的に悪化していれば、「返済力が長期的に低下している」と判断するかもしれません。
特に長期融資であれば、「返済力が長期的に低下している→長期的に安定した返済が見込めない→長期・多額の融資は不可」と判断するでしょう。
このように、融資は融資先を基準に審査します。
銀行は貸倒れリスクに敏感ですから、売上が不安定で利益率が低いIT業者は、資金調達に苦労することが多いです。

担保・保証を重視

 
銀行は担保・保証を重視します。
これは、融資は法的に消費貸借だからです。
消費貸借について、民法では以下のように定めています。

(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
ここに書かれている通り、融資には返済義務があります。
現金(本業からの利益)で返済するのが基本ですが、「種類、品質及び数量の同じ物」で返済することも可能です。
つまり、担保資産の処分や信用保証協会の弁済による返済を認めています。
銀行としては、担保・保証によって貸倒れリスクを大幅に軽減できるのですから、担保・保証を重視するのも当然です。
端的に言えば、担保・保証に余裕があるIT業者は融資を受けやすく、担保・保証が不足しているIT業者は融資に苦労します。
帝国データバンクの資料によれば、無担保・無保証で融資を受けられる会社は全体の9.8%だけです。
IT業を含むサービス業全体では、無担保・無保証の割合は14.1%となっています。
しかし、業種の構造や資金繰りの特徴から考えて、IT業単体での割合はもっと低くなるでしょう。
とはいえ、売上や利益率に多少問題があるIT業者でも、担保・保証があれば融資を引き出せることは間違いありません。
実際に担保・保証を活用する場合、IT業では保証の活用がポイントとなります。
極端な話、IT業はパソコンさえあれば成り立ち、個人でも簡単に開業できます。
つまり、IT業は経営のために多くの資産を必要としません。
製造業における機械設備、運輸業における車両、不動産業における不動産のような資産は必要なく、担保にできる資産をあまり持っていないのです。
したがって、IT業は担保付融資で資金を調達することが難しく、信用保証協会の保証付融資で調達することが多くなります。
実際、IT業を含むサービス業の融資状況をみても、保証付融資が31.9%(全業種平均は25%)、担保付融資が53.9%(全業種平均は65.3%)となっており、保証の重要性がよくわかります。

業歴を重視

 
業歴を重視するのも、銀行融資の特徴です。
業歴は信用に直結する要素であり、業歴が長いIT業者ほど融資を受けやすくなります。
逆に、業歴が短いIT業者は容易に融資を受けられません。
2021年、IT業の開業率は6.1%でした。
廃業率の4.0%を大幅に上回っており、IT業者の数が増え続けていることがわかります。
見方を変えれば、業歴が短いIT業者、つまり業歴の短さによって資金調達に苦労するIT業者が増えているということです。
開業後間もないIT業者は、銀行融資はまず不可能と考えてください。
銀行は書類審査を重視します。
開業後間もない場合、十分な書類を提出できず、それだけで「融資不可」となることが多いです。
日本政策金融公庫ならば、現状だけではなく将来性も考慮してくれるため、開業後間もないIT業者でも融資を受けられる可能性があります。
とはいえ、創業計画書や事業計画書を厳しく審査されるため、その意味では銀行融資以上に難しいといえるでしょう。
実際に、業歴が短いIT業者が、銀行はもとより日本政策金融公庫でも融資を断られる事例が多々あるのです。

ビジネスローンも厳しい

 
銀行がダメならノンバンクで・・・と考える人もいるでしょう。
確かに、ノンバンクのビジネスローンは銀行融資よりも調達しやすいです。
無担保で融資を受けられるものが多く、業歴もさほど重視されません。
とはいえ、ビジネスローンも融資である以上、融資先を基準に審査すること、返済力を重視することは同じです。
業績・財務に問題を抱えるIT業者であれば、ビジネスローンでも融資を受けられない事例が多々あります。
銀行融資もビジネスローンも、同じ理由で審査に落ちることがあるのです。
実際に、赤字決算のIT業者が、銀行融資で「返済力不足」で審査に落ち、ビジネスローンも「返済力不足」で審査に落ちる、といった事例が珍しくありません。

ファクタリング

 
次にファクタリングについてみていきましょう。
ファクタリングは、IT業と相性が良いとされています。
ファクタリングと融資の特徴を比較することで、その理由がよくわかります。

ファクタリングとは?

 
簡単にいうと、ファクタリングは売掛金を売却する資金調達方法です。
IT業者の多くは信用取引を行っており、取引の度に売掛金が発生します。
この売掛金をファクタリング会社に売却し、早期資金化することで資金を調達するのがファクタリングです。
もっとも、ファクタリングにも色々な種類があり、必ずしも「ファクタリング=売掛金の売却」とは限りません。
とはいえ、現在、日本で最も普及しているのは売掛金の買取ファクタリングであり、単に「ファクタリング」という場合には売掛金の早期資金化サービスを意味します。
IT業で広がっているのも買取ファクタリングです。
金融庁では、ファクタリングを以下のように定義しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ここにある通り、ファクタリングは法的に債権譲渡です。
したがって、上記の「ファクタリング=売掛金の売却」というのは、厳密には「売掛金の有償譲渡」といえます。
すでに解説した通り、IT業は売掛金の回収サイトが長く、資金繰りの負担になっています。
売掛金を早期資金化すれば資金繰りの負担を軽減できるため、ファクタリングを取り入れるIT業者が増えているのです。

ファクタリングの法的根拠

 
IT業者がファクタリングを利用する際、気になるのが法的根拠でしょう。
IT業をはじめ、あらゆる業種でファクタリングの普及が進んでいる中、法整備が追い付いていません。
特に、ファクタリング業に関する規制がほとんどないため、悪質業者が紛れ込んでいる状況です。
悪質業者が摘発された事例や、裁判で有罪判決を受けた事例も少なくありません。
実際の被害のうち、詳細を確認できる事例は少ないものの、IT業者が被害に遭った事例もあると考えてよいでしょう。
このような状況ですから、ファクタリングは違法なもの、危険なものというイメージが根強く残っています。
しかしながら、ファクタリングは合法的な仕組みです。
ファクタリングの法的根拠は、金融庁の定義にある「ファクタリング=債権譲渡」という点にあります。
以下の通り、民法では債権譲渡を認めているのです。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
これをみれば、ファクタリングが合法であることがよくわかります。
「債権(売掛金)は譲り渡すことができる(債権譲渡は合法)」と明記されていますから、IT業者からファクタリング会社に売掛金を譲渡することも何ら問題ありません。
IT業の場合、元請けと下請けのパワーバランスが悪いため、契約の際に譲渡禁止特約(売掛金の譲渡を禁止する特約)が設けられることもあります。
その場合でさえ、民法第466条の2項によってファクタリングは合法なのです。
実際に、ファクタリングを利用したIT業者が、違法になった事例はありません。
同様に、IT業者の売掛金を買い取っているファクタリング会社が摘発された事例もありません。
ファクタリング業界に潜む悪質業者とは、「ファクタリング業を営む悪質業者」ではなく「ファクタリング業を装って違法な貸し付けを行う悪質業者」のことです。
債権譲渡であるかぎりファクタリングは合法であり、安全に利用できます。
近年、政府がファクタリングの活用を推奨していることからも、合法であることは明らかです。

IT業でも利用しやすいファクタリング

 
ファクタリングは、IT業者に利用しやすい資金調達方法です。
詳しくは後述(IT業でファクタリングを利用するメリット)しますが、融資と比較した場合、ファクタリングは以下のような点で優れています。

  • 融資は融資先を基準に審査するのに対し、ファクタリングは売掛金を基準に審査する。そのため、経営に問題を抱えているIT業者でも審査に通る。
  • ファクタリングは原則として無担保・無保証で利用できるため、担保・保証が不足しているIT業者でも利用しやすい。
  • ファクタリングは業歴不問のため、業歴が短いIT業者も資金を調達できる。

これらをまとめると、ファクタリングは融資を受けられないIT業者でも資金を調達できるということです。
実際に、融資を受けられないIT業者がファクタリングで調達できた事例がたくさんあります。
もちろん、融資を受けられるIT業者が、ファクタリングを積極的に活用する事例も多いです。
融資とファクタリングを組み合わせることで資金調達が多様化し、資金繰りの安定につながります。
IT業は資金調達が難しいため、ファクタリングを取り入れるかどうかによって、資金繰りが大きく変わってくるでしょう。

IT業でファクタリングを利用する流れ

 
IT業でファクタリングを利用する場合、どのような流れになるのでしょうか。
ここからは、IT業のファクタリングの流れを解説します。

IT業のファクタリング方式

 
一口にファクタリングといっても、ファクタリングにはいくつかの方式があります。
大きく分けると2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのふたつです。
最近では、2社間ファクタリングの派生形としてオンラインファクタリングも徐々に普及しており、IT業者からの人気が高まっています。
それぞれの方式を簡単に説明すると、以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:ファクタリングを利用するIT業者(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
  • オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式

方式による違い

 
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの大きな違いは、売掛先の関与にあります。
2社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社の2社間で取引し、売掛先が一切関与しない方式です。
オンラインファクタリングも2社間ファクタリングの一種ですから、売掛先は関与しません。
一方、3社間ファクタリングは売掛先が必ず関与します。
売掛先が関与するかどうかによって、ファクタリングの流れは変わってきます。
2社間ファクタリングは売掛先が関与しないため、手続きの流れが簡素です。
3社間ファクタリングは、売掛先が関与することにより流れが複雑化します。
例えば、3社間ファクタリングは売掛先に対する債権譲渡通知・承諾手続きが必須です(2社間ファクタリングは不要)。
実際にファクタリングを利用する際には、自社の目的に合わせてファクタリング方式を選びましょう。

IT業者におすすめの方式は?

 
利用会社の多くは、売掛先に知られないために2社間ファクタリングを選びます。
IT業者も、基本的には2社間ファクタリングをおすすめします。
特に下請けであれば、3社間ファクタリングは元請け(売掛先)の協力が必要となるため、避けた方が無難です。
元請けがファクタリングに悪い印象を持っていたり、契約に譲渡禁止特約をつけたりしている場合、信用悪化になりかねません。
実際に、3社間ファクタリングを選んだことで元請けの信用が悪化し、その後の受注に影響した事例があります。
とはいえ、IT業は他の業種ほど保守的ではないため、ファクタリングに寛容なIT業者も多いです。
売掛先との関係も含めて、自社に最適なファクタリング方式を選んでください。

IT業で2社間ファクタリングを利用する流れ

 
ファクタリングの流れを大きく左右するのは方式です。
ファクタリング会社によって細かな流れは異なりますが、方式が同じであれば大まかな流れは変わりません。
ここでは、多くの事例に共通する、2社間ファクタリングの基本的な流れを紹介します。

    1. 取引先と契約を結び、信用取引を行う。取引後、売掛先に請求を行うことで、売掛金が発生する。
    2. ファクタリング会社を選び、2社間ファクタリングを申し込む。
    3. ファクタリング会社から案内を受ける。2社間ファクタリングの流れや必要書類について説明を受ける。
    4. ファクタリング会社に必要書類を提出する。書類が揃った時点でファクタリング審査を実施し、買い取りの可否と条件を決定する。
    5. 審査結果の通知を受ける。条件に合意すればファクタリング契約を結ぶ。
    6. 契約締結後、買取代金が入金される。
    7. 支払期日になると、売掛先は利用会社に代金を支払う。この代金をファクタリング会社に振り込み、2社間ファクタリングの手続きは完了となる。

以上の流れからも分かる通り、2社間ファクタリングの手続き(申し込みから入金まで)には売掛先が一切関与しません。
後述の通り、2社間ファクタリングは資金調達スピードに優れており、最短即日で調達できた事例も多いです。
資金調達を急いでいるIT業者は、2社間ファクタリングを利用しましょう。

IT業で3社間ファクタリングを利用する流れ

 
次に、3社間ファクタリングの流れを紹介します。
売掛先の関与に注目しながらみていきましょう。

    1. 信用取引によって売掛金が発生する。
    2. 売掛先にファクタリングの利用を伝え、事前に内諾を得ておく。
    3. ファクタリング会社を選び、3社間ファクタリングを申し込む。
    4. ファクタリング会社から、3社間ファクタリングの流れや必要書類について説明を受ける。
    5. 必要書類を提出すると、ファクタリング会社は審査を開始する。審査の際、ファクタリング会社から売掛先に直接連絡し、売掛金の内容を照会することも多い。
    6. 審査結果に問題がなければ、利用会社とファクタリング会社の間でファクタリング契約を結ぶ。
    7. 契約締結後、売掛先に対して債権譲渡通知・承諾手続きを行う。債権譲渡通知書は内容証明郵便で送付。
    8. 債権譲渡通知・承諾手続き完了後、買取代金が振り込まれる。
    9. 支払期日になると、売掛先はファクタリング会社に直接決済し、3社間ファクタリングの手続きは完了となる。

以上のように、3社間ファクタリングは売掛先が関与します。
事前の内諾、売掛金の照会、債権譲渡通知・承諾手続きなど、売掛先の協力なしには成立しません。
売掛先の協力を得られない場合、3社間ファクタリングは利用できないのが難点です。
実際の事例でも、譲渡禁止特約などを理由に売掛先が協力を拒み、3社間ファクタリングが利用できない事例もあります。
利便性や秘匿性を重視するIT業者は、3社間ファクタリングは避けてください。

IT業でファクタリングを利用するメリット

 
IT業でファクタリングの人気が高まっている理由は、IT業者に役立つメリットが多いためです。
ここからは、IT業でファクタリングを利用するメリットを解説します。

融資よりも調達しやすい

 
ファクタリングの最大のメリットは、融資よりも資金調達しやすいことです。
IT業の構造、資金繰りの特徴からも分かる通り、IT業者が融資を受けるのは容易ではありません。
融資先を基準に審査するため、業績が悪いIT業者は融資を断られる可能性が高く、そのような事例も多いです。
ファクタリングならば、融資を受けられないIT業者でも資金を調達できます。
というのも、ファクタリングと融資では審査基準が異なるためです。
ファクタリングは、利用会社ではなく売掛金を基準に審査します。
そもそもファクタリングは、利用会社の売掛金を額面金額よりも安く買い取り、支払期日に売掛先から満額回収することで、差額を儲けるビジネスです。
ファクタリング会社にとって重要なのは「売掛金を回収できるかどうか」であって、利用会社の経営状況はたいして問題になりません。
だからこそ、経営悪化によって融資を受けられないIT業者でも、売掛金に問題がなければファクタリングで資金を調達できるのです。
実際に、銀行から融資を受けられず、ビジネスローンさえ審査に落ちてしまうIT業者が、ファクタリングで調達した事例はたくさんあります。
特にファクタリングと相性が良いのは、下請けのIT業者です。
IT業の多重下請構造では、階層が上のIT業者ほど規模が大きくなります。
例えば一次下請けの場合、ファクタリングする売掛金の支払人(売掛先)は元請けです。
元請けは大手IT業者ですから、業容が大きく、業績・財務は安定しており、売掛金の健全性も高い傾向があります。
つまり、元請けの売掛金は優良債権であり、審査に通りやすく好条件でファクタリングしやすいというわけです。
融資を受けられないIT業者は、ファクタリングの活用をおすすめします。
ファクタリングならば、以下のような状況でも審査に通った事例が数多くあります。

  • 長期にわたる業績悪化により融資を断られた。
  • 2期以上の連続赤字によりメインバンクから支援を打ち切られ、どこからも融資を受けられなくなった。
  • 債務超過状態に陥っており、追加融資が絶望的。
  • 税金や社会保険料を滞納しているため、100%融資を受けられない。
  • リスケジュール中のため、長期にわたって融資を受けられない。
  • 返済の遅延によって期限の利益を喪失し、一括返済を求められている。

無担保・無保証で調達できる

 
ファクタリングは、原則として無担保・無保証で利用できます。
これも、IT業者には大きなメリットです。
IT業者の多くは担保資産が乏しく、担保付融資を受けられないケースが多いです。
かといって、信用保証協会の保証を受けられるとも限りません。
保証付融資を受けるには、信用保証協会の審査に通る必要があり、経営内容と返済力が厳しく審査されます。
売上が不安定であること、利益率が低いことを理由に、IT業者が保証審査に落ちる事例は少なくありません。
この場合、担保・保証が不足するため、融資での調達が難しくなります。
担保・保証に悩んでいるIT業者はファクタリングを利用しましょう。
金融庁の定義にもある通り、ファクタリングは法的に債権譲渡です。
債権譲渡の場合、融資(消費貸借)のような返済義務がなく、返済不能に備えるための担保・保証は必要ありません。
不動産や売掛債権による担保、信用保証協会や保証会社による機関保証、第三者や代表者個人による連帯保証などは一切不要です。
なお、担保・保証付きのファクタリングは実質的に貸金業とみなされます。
したがって、担保・保証を求められる事例もありますが、そのような業者は「ファクタリング業を装う違法な貸金業者(ヤミ金)」の可能性が高いため、利用は避けてください。
正規のファクタリングであれば、担保・保証を要求されることはなく、担保・保証不足のIT業者でも安心して利用できます。

業歴不問

 
IT業は他の業種よりも開業率が高く、起業も活発です。
したがって、開業したばかりのIT業者や、業歴が短いIT業者も多いです。
業歴が短く、資金調達に苦労しているIT業者はファクタリングを利用しましょう。
ファクタリングは、業歴を問わず利用できます。
というのも、利用会社の業歴は売掛金の価値に何ら影響しないためです。
インターネット黎明期から経営を続けている老舗のIT業者でも、売掛先の経営に問題がある(売掛金の回収不能リスクが高い)場合にはファクタリング審査に落ちます。
逆に、開業したばかりのIT業者でも、売掛先の経営が健全であれば(売掛金の回収不能リスクが低ければ)簡単に審査に通るのです。
開業後、事業が軌道に乗るまでは業績が安定せず、財務も脆弱なため資金調達に苦労します。
そんな時、ファクタリングがあれば安心です。
実際に、業歴2~3年のIT業者、さらには創業1年未満のIT業者が、ファクタリングで創業期を乗り切る事例が増えています。
ただし、業歴に対する考え方は、ファクタリング会社によって微妙に異なります。
基本的には業歴不問としつつも、創業1年未満に限って利用できない事例もしばしばです。
したがって、創業1年未満のIT業者は、ファクタリング会社に確認した上で申し込むのが良いでしょう。
No.1のファクタリングサービスは、創業1年未満でもご利用いただけます。

スピーディに調達できる

 
IT業の資金繰りは機動性を求められます。
素早く資金を調達しなければならないシーンも多いです。
銀行は、融資実行までに少なくとも数週間、大抵は1ヶ月程度を要します。
即日融資を謳うビジネスローンも、数営業日を要するケースがほとんどです。
したがって、資金調達を急ぐ場合、融資では間に合わない可能性が高いです。
そんな時にはファクタリングが役立ちます。
ファクタリングは、あらゆる資金調達方法の中で最もスピーディに調達できます。
方式別の資金調達スピードの目安は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:最短即日
  • 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
  • オンラインファクタリング:最短数時間

資金調達を急ぐ場合、最短即日で調達できる2社間ファクタリングがおすすめです。
ただし、「“最短”即日」であって「100%即日」ではないため、必ず即日で調達できるとは限りません。
とはいえ、ファクタリング会社の多くは2社間ファクタリングの即日対応に力を入れており、実際に即日で調達できる事例もたくさんあります。
さらに、オンラインファクタリングであれば最短数時間での調達も可能です。
No.1のオンラインファクタリングサービス(Easy factor)では、最短60分入金の事例が多数ございます。
3社間ファクタリングを選ぶ場合、即日で調達することはできません。
債権譲渡通知を郵送で行うため、この手続きだけでも数日を要します。
とはいえ、1週間程度で調達できるのですから、銀行融資よりもはるかにスピーディといえるでしょう。

利便性が高い

 
ファクタリングは、利便性にも優れています。
特に、必要書類が少ないこと、オンラインでファクタリングできることによって、利便性を高めています。

必要書類が少ない

 
どのような方法で調達するにせよ、何らかの書類を提出しなければなりません。
多くの書類を求められたり、内容が複雑な書類を求められたりした場合、書類の作成・取得に手間がかかるため利便性を損ないます。
IT業者が銀行から融資を受ける場合を考えると分かりやすいです。
長期の決算書、資金繰り表、試算表、経営計画書などのほか、投資資金の調達であれば投資計画書なども求められます。
これらの書類によって融資判断が左右されるため、専門家に依頼して書類を作成し、融資対策を行うことも多いです。
必要書類だけを考えても、銀行融資の利便性が低いことがよくわかります。
これに対し、ファクタリングは必要書類が少なく、簡単な書類だけで申し込むことができます。
No.1の場合、ご提出いただく書類は以下の4点です。

  • 直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
  • 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
  • 成因資料(請求書・発注書・納品書など)
  • 取引先企業との基本契約書

以上の書類は、すでに手元にあるものばかりですから、改めて取得・作成する必要はありません。
資金調達が必要なタイミングですぐに申し込むことができ、資金繰りの柔軟性が高まります。
ただし、必要書類の内容はファクタリング会社によって異なります。
多くの書類を求められた事例や、経営計画書などの手間がかかる書類を求められた事例もないわけではありません。
ファクタリング会社を選ぶ際には、必要書類もしっかりチェックしましょう。

ITの活用

 
近年、ファクタリング業界でもIT化が進んでいます。
これもIT業とファクタリングの相性が良い理由のひとつです。
すでに解説した通り、ファクタリングの方式のひとつにオンラインファクタリングがあります。
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングの手続きを全てオンラインで行います。
従来の2社間ファクタリングは、利便性に欠けることがしばしばありました。
特に契約の際、対面または郵送での手続きが基本となるため、移動に手間がかかったり、郵送に時間がかかったりすることが多かったのです。
しかし、オンラインファクタリングはオンラインで契約します。
No.1ならば、弁護士ドットコム株式会社のクラウド契約システム「CLOUDSIGN」を利用します。
これにより、対面や郵送の手続きが一切不要となり、利便性が格段に向上したのです。
オンラインファクタリングに必要なものは、ネット環境だけです。
他業種の場合、普段からインターネットを利用しておらず、手続きに戸惑う事例もあります。
しかし、IT業者であればそのような心配もないでしょう。
実際に、IT業は他の業種に比べて、オンラインファクタリングを活用する事例が多いです。

回収不能リスクを軽減できる

 
ファクタリングは回収不能リスクの軽減に役立ちます。
これも、IT業者にとって見逃せないメリットです。
ファクタリングは、原則的に「償還請求権なし」で契約します。
償還請求権とは、譲渡した売掛金が回収できなくなった場合、譲受人が譲渡人に買い戻しを求める権利のことです。
ファクタリングには償還請求権がないため、ファクタリングした売掛金が回収不能になったとしても、利用会社が責任を負うことはありません。
回収実務や貸倒損失など、回収不能による一切の損失はファクタリング会社が負担します。
本来、IT業者が背負うべき回収不能リスクを、ファクタリング会社が肩代わりしてくれるのです。
中小企業の多くは回収不能リスクに悩んでいるため、これが大きなメリットとなります。
ただし、IT業の場合、他の業種以上にメリットが大きいといえるでしょう。
というのも、IT業は多重下請構造であり、特定の売掛先(一次下請けならば元請け、二次下請けならば一次下請け)に依存している事例が多いためです。
売上の比率が一部の売掛先に偏っている場合、回収不能リスクは高くなります。
売掛金1件あたりの損失が大きく、1回の回収不能が致命傷になりかねないのです。
例えば、小さなIT業者が大型の案件を受注する場合、その案件に注力することとなります。
数ヶ月かけて案件をこなし、ようやく売掛金が発生したものの、その売掛金が回収不能になれば損失は計り知れません。
回収不能による損失で倒産に追い込まれることも十分に考えられます。
ファクタリングを活用すれば、回収不能リスクを大幅に軽減できます。
IT業者では、ファクタリングで回収不能リスクに対応することで、与信管理の負担を軽減し、経営効率化に成功した事例も多いです。

回収サイトを短縮できる

 
冒頭で解説した通り、IT業の回収サイトは長く、資金繰りの負担になっています。
全業種平均の回収サイトが1.23ヶ月であるのに対し、IT業の回収サイトは1.78ヶ月です。
回収サイトが0.5ヶ月も長いということを、IT業者は重く捉えるべきでしょう。
なぜならば、回収サイトは資金繰りに大きな影響を与えるからです。
原則的に、回収サイトが長くなるほど資金繰りが悪化し、回収サイトが短くなるほど資金繰りが改善します。
手形ならば、裏書譲渡によって現金と同じように利用できますが、売掛金はそのような活用ができません。
売掛金はあくまでも売掛金であり、回収して現金になるまでは資金繰りに活用できないのです。
つまり、回収サイトが長いということは、「売掛金が現金に変わらず、手元に滞留する期間が長い」ということです。
このように考えると、「回収サイトの長期化=資金繰り悪化」の理由がわかるでしょう。
逆にいえば、回収サイトを短縮できれば資金繰りがラクになります。
回収サイトを短縮するには、売掛先に交渉することで支払い条件を見直すのが一般的です。
しかし、IT業にはそれができません。
特に下請けの場合、売掛先は自社よりも立場が上ですから、交渉によって有利な条件を引き出すことは困難です。
むしろ、自社に不利な条件を強いられやすいからこそ、IT業者の回収サイトは長期化しているのです。
IT業者が回収サイトを短縮するには、ファクタリングが役立ちます。
ファクタリングは債権譲渡であり、売掛金の債権者は利用会社からファクタリング会社に変わります。
ファクタリングした売掛金は、利用会社の財務から切り離され、現金に変わるのです。
手数料の分だけ目減りするものの、財務的には売掛金が減少して現金が増えるのですから、早期回収したことにほかなりません。
つまり、実質的な回収サイトが短くなり、資金繰りが改善するというわけです。
回収サイトに問題を抱えており、資金繰りが悪化しているIT業者は、ぜひファクタリングを活用してください。

多額の資金調達も可能

 
近年、DXをはじめ、ITは国策となっています。
今後もIT業界は成長を続け、技術も加速度的に向上していくことでしょう。
技術の革新によって、IT業者でも様々な投資が必要になるはずです。
投資活動には多額の資金が必要となりますが、その際にもファクタリングが役立ちます。
一般的に、ファクタリングは短期的・少額の資金繰りに活用されています。
しかし、ファクタリングが多額の資金調達に利用できないわけではありません。
ファクタリングは、数千万円~数億円の資金調達にも対応しているのです。
No.1の場合、売掛金1件当たりの買取上限額は以下の通りです。

  • 法人向けファクタリング…50万円~5000万円
  • 診療報酬ファクタリング…50万円~5000万円
  • 介護報酬ファクタリング…50万円~5000万円
  • 建設業特化型ファクタリング…50万円~5000万円
  • 個人事業主向けファクタリング…10万円~5000万円

もちろん、ご相談いただくことで5000万円以上の買い取りにも対応いたします。
もっとも、ファクタリングで調達できる金額は、手元の売掛金によって決まります。
手元に1000万円の売掛金があるならば、その売掛金から手数料を差し引いた金額が調達限度額です。
IT業者は回収サイトが長いため、手元の売掛金も多くなる傾向があります。
特に、大型の案件を完了した直後など、タイミングによって多額の売掛金を抱えることも多いです。
つまり、IT業者はファクタリングで多額の資金を調達しやすいといえます。
実際に、IT業者がファクタリングで投資資金を調達する事例が増加傾向にあります。
利用の事例をみると、投資資金を全額ファクタリングで調達する事例もあれば、銀行融資とファクタリングを組み合わせて調達する事例など様々です。
まとまった資金を調達したい場合も、ファクタリングを活用しましょう。

IT業でファクタリングを利用する際の注意点

 
上記の通り、ファクタリングはIT業者にとって様々なメリットがあります。
しかし、実際に利用する際には、いくつかの点に注意が必要です。
ここでは、IT業者が注意すべき点をふたつ紹介します。

手数料負担に注意

 
ファクタリングの際、IT業者が最も注意しなければならないのは手数料です。
ファクタリングには必ず手数料がかかります。
手数料によって利益が目減りするため、無計画なファクタリングを繰り返していると、資金繰りが悪化してしまいます。
特に、IT業者は利益率が低いため、手数料率が高くなると利益がほとんどなくなったり、赤字になったりする事例が少なくありません。

ファクタリング手数料の相場

 
実際の手数料は、ファクタリング会社の方針、ファクタリングの方式、売掛金の内容などによって変化します。
手数料率の目安は、方式別に以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
  • オンラインファクタリング:額面金額の10%以下

この相場をみると、方式によって手数料率が大きく変化することが分かります。
できるだけ安い手数料でファクタリングするには、まずは適切な方式を選びましょう。
IT業者は、売掛先への配慮から3社間ファクタリングを利用できない事例が多いです。
その場合、同じ2社間ファクタリングでも、オンラインファクタリングを選ぶことで手数料は安くなります。

優良ファクタリング会社の手数料

 
もっとも、上記の相場は一般的に流布しているものの、明確な根拠があるわけではなく、情報自体も古いです。
ファクタリング会社の数が増加し、業者間の競合が激しくなったことにより、手数料は年々安くなっています。
中でも、優良ファクタリング会社は手数料を安く設定する傾向があります。
一例として、No.1の手数料設定は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
  • オンラインファクタリング:額面金額の2~8%

IT業者がファクタリング手数料を抑えるには、優良ファクタリング会社を選ぶことをおすすめします。

IT業者のファクタリング手数料は?

 
また、上記の相場は業種による影響も考慮していません。
IT業のファクタリング手数料は、相場よりも安くなることが多いです。
例えば、一次下請けのIT業者がファクタリングする場合、元請けの売掛金をファクタリングします。
元請けの多くは大手IT業者ですから、支払い能力は高いです。
このような売掛金であれば、回収不能リスクは低く、ファクタリング会社としても安心して買い取ることができます。
リスクとリターンは基本的に連動するため、元請けの売掛金(ローリスク)は安い手数料(ローリターン)で買い取れるというわけです。
No.1でも、IT業者の売掛金は好条件でファクタリングできる事例が多いです。

悪質業者に注意

 
このほか、悪質業者にも注意してください。
現在、ファクタリング業への規制がほとんどなく、悪質業者が紛れ込みやすい状況となっています。
悪質業者によって法人が被害を受けた事例もあれば、給与ファクタリングなどの違法なスキームによって個人が被害を受けた事例もあります。
当然、悪質業者が摘発される事例も後を絶ちません。
これを受けて、金融庁は以下のように注意を喚起しています。

中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

悪質業者=ヤミ金

 
金融庁の注意喚起には「貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付けを行っている」とあります。
貸金業を営むには貸金業登録が必要であり、無登録で営業すれば貸金業法に違反します。
つまり、ヤミ金にほかなりません。
金融庁は、「ファクタリングを装う悪質業者=ヤミ金」と断定しているわけです。
実際の事例を見ても、手口はヤミ金そのものです。
年利数百~千%超の超高金利で貸し付け、支払わなければ違法な取り立てを行います。
このほか、担保・保証を求めたり、償還請求権付きで契約したりする事例も多いです。
悪質業者でファクタリングすれば、ファクタリングのメリットはほとんど得られず、経営が悪化する危険があります。
IT業者がファクタリングを活用する際、悪質業者を避けることが大前提と考えて下さい。

悪質業者の避け方

 
もっとも、悪質業者を避けるのは難しくありません。
一番簡単なのは、優良ファクタリング会社を選ぶことです。
優良ファクタリング会社は、ファクタリング業界を牽引する存在であり、業界のクリーン化を目指しています。
当然ながら、法律を守って営業しており、悪質性・違法性とは全くの無縁です。
優良ファクタリング会社としての評価を得ている業者は、No.1をはじめごく一部に過ぎません。
たくさんの業者の中から「悪質業者か、普通の業者か」を判断するのは大変ですから、最初から選択肢を優良ファクタリング会社に絞るのが良いでしょう。
それだけで、悪質業者は確実に回避できます。

IT業(SES)を営むE社長のファクタリング事例
IT業界でもファクタリングによる資金調達が実施されています。

伸びしろがある業界としても知られているのがIT業界であり、新興企業も少なくありません。

しかしライバルが多いことも事実であり、業況によっては資金難になることもしばしば。

長期的な契約があれば利益は安定するのですが、都度契約となることも少なくありません。

資金難になりやすい業種とも言えます。

今回は兵庫県でIT業(SES)を営むE社長のファクタリング事例を紹介します。

なぜE社長の会社は資金調達が必要になったのでしょうか?

ファクタリングによる資金調達後にどうなったのかについてもお伝えします。

今回のファクタリングの基礎情報

 
・経営者の年齢・・・45歳
・会社の経営年数・・・8年
・会社所在地・・・兵庫県
・業種・・・IT業(SES)
・年商・・・8千万
・決算状況・・・赤字決算
・資金調達成功額・・・300万円
・ファクタリング取引の方法・・・2社間取引
・資金調達目的・・・人件費の確保のため

なぜ資金調達が必要になったのか?

 
まずSESがなんであるのかを説明しなければならないかもしれません。

SESとはシステム・エンジニアリング・サービスのことを指しています。

簡単に説明すれば「派遣」のことを指している言葉なのです。

IT業(SES)ということであれば「IT系の人材派遣業」ということになります。

E社長はIT系の会社を30代の頃に設立し、IT系の技術者を様々な会社に派遣しています。

E社長の会社の商品は、要は人材なのです。

その人材を確保していくことが極めて重要ということになるのです。

IT関連に関しては、様々な業界で人材が求められています。

E社長の会社としても順調に売上を伸ばしているのですが、ここで大手との取引が舞い込んでくることになったのです。

しかし今の人員ではどうしても対応できません。

対応するためには、新たに5名から6名を増員しなければならなくなったのです。

増員するケースですが、会社に利益が入ってくるまでには時間がかかります。

人員を雇って派遣した場合には、翌月には給与を支払わなければなりませんよね。

しかし派遣先企業から支払われるのは2ヶ月後や3ヶ月後になってしまうわけです。

最初に出費がくるので、派遣業はかなり厳しいわけです。

さらに人材を募集するにしても、求人会社などへの支払いも行わなければなりません。

コストがかなり掛かってしまうことに。

IT業界の人材も平均年齢が高くなっており、一人あたりにかかるコストも増えているのです。

そこでE社長は人材を獲得するための費用として200万円から300万円程度の資金調達を計画したのです。

E社長は利息率の高いビジネスローンの利用は避け、全額ファクタリングによる資金調達を計画しました。

E社長が利用したファクタリングの中身

 
E社長はファクタリングにより300万円の資金調達に成功しました。

取引先との関係を重視し、取引先への通知がない2社間ファクタリングを利用することにしたのです。

2社間取引なので手数料率については少し高めの15%となってしまいましたが、通知があるリスクを考えるとやむを得ない、と判断したそうです。

当初の計画通りに300万円の資金調達ができたので、ビジネスローンを利用せずに済みました。

2社間ファクタリングについての詳しい説明はこちら

ファクタリング利用後にE様の会社はどうなったのか?

 
調達した300万円をもとにして、まずは求人を出しました。

求人を出して面接などを行い、5人を雇い入れることに成功。

早速派遣をして給与の支払いがあったわけですが、資金調達したおかげで対応できました。

雇い入れてから3ヶ月目以降は派遣先から順次入金があり、人件費をまかなえるようになったそうです。

ファクタリングを契機として人員を増やしたのはE社長の会社としても大きなことになりました。

取引先の様々な要望に応えられるようになったのです。

ファクタリングのおかげで会社として一歩成長したわけです。

まとめ:IT業のファクタリングはNo.1におまかせください

この記事では、IT業とファクタリングの関係について詳しく解説しました。
IT業者のファクタリング事例から、具体的な活用イメージもつかめたことと思います。
近年、業種を問わずファクタリングの活用が広がっています。
中でも、IT業とファクタリングの相性は非常に良く、普及率も高いです。
ファクタリングを活用すれば、融資の問題、回収サイトの問題、回収不能リスクの問題など、IT業特有の問題を一気に解決できます。
IT業で初めてファクタリングを利用する方や、現在ご利用中のファクタリングに満足してない方は、No.1までお気軽にご相談ください。
No.1は、IT業での買取実績も多く、IT業に精通したコンサルタントも在籍しています。
単発のファクタリングから、経営改善を見据えたファクタリングの活用まで、柔軟に対応いたします。
また、現在、No.1では初回利用のお客様(他社からのお乗り換えも含む)に対して、「初回買取手数料50%割引」または「他社より高額買取保証」のキャンペーンを実施しています。
この機会にぜひご利用ください。

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