カテゴリー: ファクタリング
銀行でファクタリングするってアリ?ナシ?銀行系ファクタリングを徹底解説
皆さんは、ファクタリング会社にも色々なタイプがあることをご存知でしょうか?
大多数は、No.1のような中小規模のファクタリング会社ですが、中には大手グループ系列のファクタリング会社もあります。
特に、銀行系列のファクタリング会社になると、メガバンクの傘下であるだけに業容も大きく、「ファクタリング会社のサービス」というよりも「銀行のサービス」といった雰囲気があります。
現在、ファクタリング業界には違法業者も存在するため、安心感のある銀行系ファクタリングを利用したいと考える人も多いことでしょう。
実際のところ、銀行系ファクタリングは中小企業に役立つのでしょうか?
この記事では、銀行系ファクタリングの基礎知識、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
ファクタリングとは?
銀行からの借入、ノンバンクからの借入、手形割引、出資、私募債、クラウドファンディング…
色々な資金調達方法がある中で、最近特に注目されているのがファクタリングです。
ファクタリングは、会社の所有する売掛金をファクタリング会社に売却することで資金を調達します。
売掛債権を担保に銀行融資を受ける「売掛債権担保融資」、売掛金をファクタリング会社に売却する「ファクタリング」など、売掛債権の活用による資金調達方法を取り入れることによって、会社の資金繰りが安定します。
このため、ファクタリングは政府も推奨する資金調達方法です。
主に中小企業の間で普及が進んでいますが、コロナ禍以降は個人事業主の間でも活用が広がっており、今後ますます普及していくと考えられます。
ファクタリング会社の種類
ファクタリングといえば、中小の様々なファクタリング会社が提供しているイメージがあるでしょう。
その中には、違法な取引をしている業者も…というイメージを抱く人も少なくありません。
確かに、日本で営業しているファクタリング会社のほとんどは中小規模です。
また、ファクタリングに関する法整備が不十分なため、ファクタリング業界に違法業者が紛れ込んでいることも事実。
しかし、ファクタリング会社といっても色々な会社があります。
ファクタリング会社の種類を大別すると、以下の3種類です。
銀行系ファクタリング
銀行系ファクタリングは、その名の通り銀行系列のファクタリング会社です。
誰もが名前を知っているメガバンク系列のファクタリング会社や、地方銀行系列のファクタリング会社があります。
例えば、メガバンク系列のファクタリング会社には、以下の3つがあります。
三菱UFJフィナンシャルグループに属する「三菱UFJファクター」
みずほフィナンシャルグループに属する「みずほファクター」
三井住友フィナンシャルグループに属する「SMBCファイナンスサービス」
銀行系ファクタリング会社の特徴は、提供しているファクタリングの種類が豊富であること、金融庁の監督を受けているため安全性が高いこと、安い手数料で利用できることなどです。
独立系ファクタリング
一般的にイメージされるファクタリング会社は、ほとんどの場合「独立系ファクタリング会社」に分類されます。
「独立系」とは、金融機関の系列に属さず、独立して営業しているファクタリング会社のことです。
インターネット検索などで皆さんが目にするファクタリング会社の多くは独立系ファクタリングに属すると考えてください。
もちろん、独立系ファクタリング会社にも色々です。
独立系は独立系でも、非銀行系の大手グループに属するファクタリング会社もあります。
例えば、マネーフォワードグループに属する「MoneyForward Early Payment」や、GMOグループに属する「GMO BtoB 早払い」などがあります。
このほか、様々な銀行と提携する「OLTA」、銀行と独立系ファクタリング会社の共同事業である「anew」なども有名です。
No.1も独立系ファクタリング会社のひとつであり、優良ファクタリング会社も色々あります。
ファクタリング会社によって条件が異なるため、自社に最適なファクタリング会社を選べるのが魅力です。
ノンバンク系ファクタリング
ノンバンク系ファクタリング会社は、消費者金融業者や信販会社など、ノンバンク系列のファクタリング会社です。
独立系ファクタリング会社と銀行系ファクタリング会社の中間的な存在、と考えると分かりやすいでしょう。
どちらかと言えば、銀行系ファクタリングに近い存在です。
独立系ファクタリング会社が取り扱っていないファクタリングを提供しており、金融庁の監督を受けているため安全性も高く、比較的安い手数料で利用できます。
系列によるファクタリング方式の違い
ファクタリングには色々な種類がありますが、もっとも普及しているのは、売掛金を買い取ってもらうことで資金を調達する「買取ファクタリング」です。
買取ファクタリングの方式には、以下の3種類があります。
2社間ファクタリング
3社間ファクタリング
オンラインファクタリング
銀行系・独立系・ノンバンク系という系列の違いによって、ファクタリング方式の取り扱いも大きく異なります。
銀行系ファクタリングを理解する上でも重要なため、ここで詳しく見ていきましょう。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式です。
最大のポイントは、売掛先が関与しないことです。
このため、売掛先にファクタリングの利用を知られることがありません。
売掛先にファクタリングの利用を知られると、資金繰り難を疑われる危険があります。
また、ファクタリングに対して良い印象を持っていない売掛先もまだまだ多いものです。
売掛先からの信用悪化を避けるには、2社間ファクタリングが非常に役立ちます。
また、スピーディにファクタリングできることも大きな特徴であり、最短即日での資金調達も可能です。
上記で紹介した3種類のうち、2社間ファクタリングを取り扱っているのは独立系ファクタリング会社だけです。
銀行系・ノンバンク系のファクタリング会社では利用できないため注意しましょう。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式です。
2社間ファクタリングとは異なり、売掛先が関与することに注目しましょう。
3社間ファクタリングでは、売掛先から売掛金の譲渡承諾を取り付ける必要があります。
このため、債権譲渡通知や債権譲渡承諾など、売掛先も関与しつつ手続きを進めていきます。
売掛先にファクタリングの利用を知られるのはもちろんのこと、売掛先が関与するため資金調達に時間がかかるのが難点です。
3社間ファクタリングは、銀行系が得意とするファクタリング方式で、手数料も安く利用できます。
もっとも、銀行系ファクタリングの専売特許というわけではなく、No.1をはじめ、独立系ファクタリングの中にも3社間ファクタリングを取り扱っている会社は少なくありません。
オンラインファクタリング
通常、ファクタリング方式は「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」の2種類に分類されますが、このほかに「オンラインファクタリング」もあります。
厳密に言えば、オンラインファクタリングは2社間ファクタリングの一形態です。
とはいえ、オンラインファクタリングは、通常の2社間ファクタリングとは取引の流れが大きく異なり、メリットも非常に大きいため、別の方式と捉えて差し支えないでしょう。
オンラインファクタリングは、申し込みから契約まで、全ての手続きをオンラインで完結できる方式です。
オンラインの活用により、さらにスピーディに、安く利用できるため、徐々に人気が高まっています。
オフラインのファクタリングよりも優れているため、オンライン専業のファクタリング会社も徐々に増加中です。
オンラインファクタリングは2社間ファクタリングの一形態ですから、利用できるのは独立系ファクタリングだけです。
銀行系・ノンバンク系ファクタリング会社は3社間ファクタリング一択であり、オンラインファクタリングも利用できません。
銀行系ファクタリングのメリット
銀行系・独立系・ノンバンク系と、ファクタリング会社にも様々あることがわかりました。
これらのうち、特に銀行系ファクタリングを利用するメリットを紹介します。
手数料が安い
まず、何といっても銀行系ファクタリングは手数料が安いのが特徴です。
これは、主に以下の理由によるものです。
銀行系ファクタリングでは3社間ファクタリングしか利用できないこと
審査能力が高いこと
銀行系ファクタリングは3社間のみ
既に解説した通り、銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングしか取り扱っていません。
基本的に、2社間ファクタリングに比べて3社間ファクタリングは手数料が安くなります。
それぞれの手数料相場を比較すると、2社間ファクタリングは額面金額に対して10~30%であるのに対し、3社間ファクタリングは額面金額に対して1~10%です。
3社間ファクタリングは、売掛先を含めて取引するため、銀行系ファクタリング会社は架空債権詐欺のリスクを避けることができます。
また、2社間ファクタリングの場合、買い取った売掛金を「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」の流れで回収しますが、3社間ファクタリングは「売掛先→ファクタリング会社」の流れで直接回収できるため、利用会社の使い込みなどによる回収トラブルも起こりません。
このようなリスクの低さから、3社間ファクタリングは手数料が安いのです。
銀行系ファクタリング会社は審査能力が高い
経営者ならば誰しも、銀行融資の際に「審査が厳しい」と感じたことがあるはずです。
銀行は審査能力が高く、融資先の返済能力を厳しく審査するため、審査に落ちる会社も多いことから「審査が厳しい」といえます。
銀行の系列であるだけに、銀行系ファクタリング会社は審査能力に優れています。
グループ内で信用情報などのデータも共有していますから、リスクの高い売掛金のファクタリングには応じません。
逆に言えば、銀行系ファクタリング会社はリスクが低い売掛金だけを買い取ることに長けているのです。
全てのビジネスは、リスクとリターンのバランスで成り立っています。
独立系ファクタリング会社は、銀行系ファクタリング会社に比べて審査の精度が低いため、回収不能リスクを高く見積もって買い取る必要があり、その分だけ手数料が高くなりがちです。
審査能力の高い銀行系ファクタリング会社だからこそ、精度の高い審査によってリスクが低い売掛金だけを買い取ることができ、手数料を安く設定してもビジネスが成り立ちます。
手数料を安く抑えたい場合には、銀行系ファクタリングがおすすめです。
安全に利用できる
全ての銀行は、金融庁の監督を受けて営業しています。
融資先の管理や審査の方法に問題があれば、金融庁から指導を受け、営業活動を制限されることもあります。
かつて、アパートローン問題で処分を受けたスルガ銀行が良い例です。
銀行だからといって、全く問題がないとは限らないものの、少なくとも違法業者が入り込む余地はなく、安全性が高いことは間違いありません。
同様に、銀行系ファクタリング会社も安全性の高さが大きなメリットです。
銀行系以外、特に独立系ファクタリングでは、違法業者の存在が問題視されています。
現在、ファクタリングに関する法律の整備が不十分であり、ファクタリング業を営むにあたって免許や登録は不要です。
誰でもファクタリング業を始めることができ、違法業者が紛れ込みやすい環境にあります。
したがって、ファクタリング会社を選ぶ際には、違法業者を避けることが最低限の条件です。
この点において、金融庁の監督を受ける銀行の傘下ですから、銀行系ファクタリングは極めて安全性が高いといえます。
ファクタリングの種類が豊富
ここまで、主に売掛金の買取ファクタリングを中心に解説してきましたが、ファクタリングにも色々な種類があります。
独立系やノンバンク系に比べて、銀行系ファクタリングはファクタリングの種類が豊富です。
どのようなファクタリングがあるか、簡単に見ていきましょう。
買取ファクタリング
メガバンク傘下の銀行系ファクタリングでは、売掛金の買取ファクタリングを取り扱っています。
ただし、2社間ファクタリングやオンラインファクタリングを取り扱っている銀行系ファクタリング会社はなく、必ず3社間ファクタリングの利用となります。
一般的な売掛金(一般企業に対する売掛金)はもちろんのこと、銀行系ファクタリングでは特殊な売掛金に対応しているのがメリットです。
例えば、医療機関が診療を行った際に発生する診療報酬債権を買い取る「診療報酬ファクタリング」があります。
これにより、介護報酬・調剤報酬などのファクタリングも可能です。
もっとも、一部の独立系ファクタリング会社でも診療報酬ファクタリングを取り扱っているため、必ずしも銀行系ファクタリングのみというわけではありません。
No.1でも、診療報酬ファクタリングを取り扱っています。
保証ファクタリング
保証ファクタリングとは、売掛金を買い取るのではなく、売掛金の支払いを保証するファクタリングです。
売掛先の倒産などにより、保証を依頼した売掛金が回収不能になった場合、保証限度額を上限として売掛金の支払いが保証されます。
売掛金に保険を掛けるようなものと考えると分かりやすいでしょう。
保証ファクタリングも、調査能力の高い銀行系ファクタリングの得意分野です。
一括ファクタリング
一括ファクタリングは、主に地方銀行系のファクタリング会社が取り扱っているものです。
普通、ファクタリングは納入企業(売掛金を所有する会社)の資金調達や保証などに活用します。
これに対し、一括ファクタリングは支払企業(売掛先)のメリットが大きいのが特徴です。
一括ファクタリングを利用することによって、支払企業の決済事務を合理化でき、経営効率化に役立ちます。
納入企業の方から積極的に利用するものではないため、活用の機会は限定的です。
国際ファクタリング
国際ファクタリングは、国際間取引に利用するファクタリングです。
利用会社(国内)・売掛先(海外)・国内のファクタリング会社(銀行系)・海外のファクタリング会社の4社間で取引します。
国際ファクタリングは、売掛金の買取ファクタリングと保証ファクタリングの両方の機能を兼ね備えているため、海外企業と取引している会社にとって心強い味方です。
国際ファクタリングは、銀行系の中でもメガバンク系列のファクタリング会社しか取り扱っていません。
メガバンクは、海外にも支店や出資先、販路などを持っており、海外の銀行やファクタリング会社との連携もお手の物です。
地方銀行は国内事業だけしか行っておらず、海外事業に疎いため、地方銀行系列のファクタリング会社は国際ファクタリングを提供していません。
国際ファクタリングを利用したい場合には、銀行(メガバンク)系ファクタリング一択となります。
大口債権のファクタリングに便利
銀行系ファクタリングは、多額の資金調達にもおすすめです。
中小企業がファクタリングを利用する場合、短期的な資金調達に活用することが多く、売却する売掛金の金額もさほど大きくありません。
しかし、年商10億円以上の中小企業、あるいは大企業であれば、多額の売掛金をファクタリングすることもあるでしょう。
そのような場合には、銀行系ファクタリングが便利です。
独立系ファクタリング会社は、中小規模の会社がほとんどであり、資金量も限られています。
実際、独立系ファクタリング会社のファクタリング上限額を見ると、数千万円に設定されているケースがほとんどです。
それ以上の買い取りを可能とするファクタリング会社もありますが、自社の資金量を越えるファクタリングを依頼された場合、ファクタリング会社自身が資金を調達する必要が生じることも多く、対応が難しくなるのが普通です。
これに対し、銀行は資金量が非常に大きく、日常的に数千万円、数億円の融資を実行しています。
ファクタリングにあたっても、額面金額の大きい売掛金への対応力が高く、数千万円~数億円、あるいはそれ以上の売掛金を、安い手数料でファクタリングできます。
銀行系ファクタリングのデメリット
銀行系ファクタリングには、デメリットも多いので注意が必要です。
銀行系ファクタリングの主なデメリットを紹介します。
審査が厳しい
銀行系ファクタリングの大きなデメリットとして挙げられるのが、審査が厳しいことです。
メリットに挙げた通り、銀行系ファクタリングは手数料が安いことで知られますが、このメリットは審査の精度が高く、なおかつ判断がシビアであることに裏付けられています。
厳しく審査し、回収不能リスクの低い売掛金に限ってファクタリングするからこそ、手数料が安いのです。
逆に言えば、回収不能リスクが高い売掛金は審査に落ち、買い取ってもらえない可能性が高いです。
銀行系ファクタリングの審査に通る売掛先は信用力が高く、独立系でも安い手数料でファクタリングできます。
それでもあえて銀行系を利用するかどうか、使い分けが難しいところです。
資金調達に時間がかかる
銀行系ファクタリングは、資金調達に時間がかかります。
その理由は、以下の2つです。
3社間ファクタリングしか利用できないこと
審査が厳しいこと
2社間ファクタリングは、最短即日でファクタリングできることも多く、オンラインファクタリングに至っては最短数時間で資金調達できることも多いです。
これに対し、3社間ファクタリングは売掛先を含めて多くの手続きが必要となり、最短でも1週間はかかります。
また、「最短でも1週間」という目安は、あくまでも独立系ファクタリングの目安であるため注意が必要です。
銀行系ファクタリングでは、銀行ならではの厳しい審査が実施されるため、より多くの時間を要するものと考えてください。
早急に資金調達したい会社には不向きです。
信用リスクに要注意
3社間ファクタリングしか利用できない銀行系ファクタリングは、売掛先の信用リスクにも注意する必要があります。
3社間ファクタリングを利用する際には、
ファクタリング申し込み前に、売掛先から3社間ファクタリングの内諾を受けること
ファクタリング審査後に、利用会社から売掛先へ債権譲渡通知を送付すること
債権譲渡通知後、売掛先から債権譲渡承諾を取り付けること
など、売掛先の協力が不可欠です。
売掛先が協力を渋った場合、利用会社・売掛先・銀行系ファクタリング会社の3社間取引が成立せず、資金調達もできません。
売掛先にファクタリングの利用を知られ、資金繰り難を疑われる可能性があるため、信用上のリスクをよく考える必要があります。
少額ファクタリングに利用できない
銀行は、少額の案件には消極的です。
規模の大きい銀行であればあるほど、この傾向は顕著です。
銀行の採算を考えると、理由がよく分かります。
例えば、メガバンクや都市銀行は資金量が大きいため、多額の資金をまとめて取り扱った方が採算が高まります。
中小企業1000社に100万円を貸し付けるよりも、大企業1社に10億円を貸し付けた方が効率的であることは明らかです。
銀行系ファクタリングは、三大メガバンクを筆頭に、比較的規模の大きい地方銀行が提供しており、運営元は資金量が大きい銀行ばかりです。
このため、少額のファクタリングには消極的であり、数十万円~数百万円程度の少額ファクタリングを申し込んでも受け付けてもらえません。
中小企業であれば数十万円~数百万円、個人事業主ならば数万円~数十万円の少額ファクタリングの利用がほとんど。
銀行系ファクタリングは、中小企業には不向きといえます。
個人事業主は対象外
近年、個人事業主の間でもファクタリングの活用が広がっていますが、銀行系ファクタリングは個人事業主を対象外としています。
なぜならば、個人事業主には以下の問題があるからです。
個人事業主の資金需要とミスマッチであること
個人事業主は信用力が低いこと
個人事業主でも、業容が大きくなれば法人化します。
ほとんどの個人事業主は事業規模が小さく、資金需要も小さければ、所有している売掛金の額面金額も小さいのが普通です。
実際、数万円~10万円程度を調達するために、ファクタリングを利用する個人事業主も非常に多いのです。
銀行系ファクタリングは、このような少額のファクタリングに対応していないため、個人事業主は利用できません。
また、個人事業主は個人としての性格が強く、法人に比べて信用力が低いとみなされます。
銀行は信用力を重んじるため、その傘下である銀行系ファクタリングでも個人事業主は対象外です。
ファクタリング会社選びが困難
それぞれのファクタリング会社は、得意な業種、審査の方針、手数料の設定などが異なります。
自社の業種や売掛先の経営状況、売掛金の額面金額など、様々な要素を考慮しつつ、自社に適したファクタリング会社を選ぶことが重要です。
銀行系ファクタリングでは、ファクタリング会社選びにも問題があります。
まず、利用できるファクタリング会社が極めて少ないです。
2022年5月現在、買取ファクタリングを提供しているのはメガバンク系列の3社(三菱UFJファクター、みずほファクター、SMBCファイナンスサービス)に限られます。
地方銀行系のファクタリング会社は、一括ファクタリングしか提供していないため、資金調達には利用できません。
メガバンクは、金融機関の中でも特に社会的・経済的影響が大きく、金融庁からの監督も厳しいため、どうしても営業方針が横並びになりがちです。
ファクタリングサービスを比較しても、さほど大きな違いはありません。
したがって、この3社の中から「自社に最適な銀行系ファクタリング会社」を選ぶのは困難です。
さらに、銀行系ファクタリング会社は、ファクタリング条件をはじめとする詳細な情報を非公開としています。
これも、ファクタリング会社選びが困難な理由です。
銀行でファクタリングする流れ
実際に銀行でファクタリングする場合、どのような流れになるのでしょうか。
銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングが基本です。
ここでは、銀行で3社間ファクタリングを利用する流れを解説します。
1.売掛金の発生
銀行でファクタリングするには、手元に売掛金があることが前提です。
ただし、銀行が買い取ってくれる売掛金は、確定債権が基本となります。
確定債権とは、請求内容が確定している売掛金のことです。
売掛先に商品を納入した後に請求書を発行し、売掛先がそれを受理することによって請求内容が確定します。
請求内容が確定していない売掛金(将来債権など)は、銀行では買い取ってくれないため注意しましょう。
また、支払期日前の売掛金であることもポイントです。
支払期日を過ぎた売掛金は不良債権となり、銀行系・独立系を問わずファクタリングできません。
銀行系ファクタリングに利用できる売掛金は、「確定債権であること」「支払期日前であること」が条件です。
逆にいえば、請求内容が確定してから支払期日を迎えるまでの間であれば、いつでも銀行でファクタリングできます。
2.売掛先の内諾を取り付ける
銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングであり、売掛先の関与が必須です。
このため、銀行でファクタリングする際には、申し込みの前段階で売掛先の内諾が必要になる場合があります。
これは、申し込み後の手続きを滞りなく進めるためです。
以下の流れにもある通り、銀行のファクタリングでは必ず債権譲渡通知・承諾手続きを行います。
売掛先が債権譲渡を拒否した場合、3社間ファクタリングが成立しません。
債権譲渡の通知・承諾は終盤の手続きですから、この段階で売掛先が債権譲渡を認めないという事態に陥ると、それまでの手続きが全て無駄になります。
銀行にとっては、事務コストの分だけマイナスが生じます。
それを避けるためにも、銀行は事前に売掛先の内諾を求める場合があるのです。
売掛先の内諾が必要かどうかについては、銀行に問い合わせて確認してください。
3.銀行にファクタリングを申し込む
売掛先の内諾を取り付けたら、いよいよ銀行にファクタリングを申し込みます。
上記の通り、ファクタリングに対応している銀行は限られます。
ただし、どの銀行も申し込みの具体的な流れや手続き、必要書類などは公開していません。
まずはWEBから問い合わせ、話を聞いてみるのが確実です。
4.銀行が審査を実施する
銀行のファクタリングも審査が必要です。
審査は必要書類が全て揃った上で実施するため、書類の提出がスムーズかどうかによって、全体の資金調達スピードが変わってきます。
銀行が審査するのは、売掛金の内容と売掛先の健全性です。
これにより、採算や回収不能リスクを測り、問題がなければ買い取ります。
必要書類だけで審査する場合もありますが、売掛先に請求内容を照会するケースもあるようです。
審査中、銀行から追加書類を求められることもあるため、柔軟に対応しましょう。
5.銀行と債権譲渡契約を結ぶ
審査後、銀行から審査結果(買取の可否と条件)が通知されます。
買取可能であり、なおかつ手数料などの条件に異存がなければ、利用会社と銀行の間でファクタリング契約を結びます。
銀行の3社間ファクタリングで結ぶ契約は、債権譲渡契約が基本です。
ただし、銀行は通常の買取ファクタリングだけではなく、保証ファクタリングや国際ファクタリングも取り扱っており、利用するサービスによって契約が変わってきます。
銀行系ファクタリングは安全性が高く、悪質業者の契約のような危険はありませんが、契約内容はしっかりと把握することが大切です。
6.売掛先に債権譲渡通知を行う
債権譲渡契約を締結した時点で、売掛金の所有権は利用会社から銀行に移ります。
それに伴い、利用会社単独あるいは銀行との連名で、売掛先に対して債権譲渡通知を行います。
すでに内諾を得ているため、売掛先が債権譲渡に異議を唱えることは基本的にありません。
銀行が売掛先に債権譲渡承諾書への署名を求める場合もありますが、ここでもトラブルにはならないでしょう。
7.銀行から買取代金が入金される
債権譲渡通知・承諾手続きが完了すれば、3社間での取引が成立します。
その後、銀行はできるだけ速やかに、利用会社に買取代金を入金します。
利用会社としては資金調達が完了するわけですが、3社間ファクタリングの手続きが全て完了というわけではありません。
その後の流れ次第で、新たな手続きが生じる可能性があります。
例えば、売掛先の経営が急変した場合に利用会社は銀行に対して報告する、売掛金が回収不能になった場合に銀行の求めに応じて協力する、といった義務があるのです。
もっとも、追加の手続きを求められる可能性は低いでしょう。
審査能力が高い銀行ですから、そのような危険な売掛金であれば買い取りを避けるのが普通です。
8.売掛先が銀行に決済する
債権譲渡通知・承諾手続きの際、売掛先は債権者が利用会社から銀行に変わることを認めると同時に、支払先が銀行に変わることにも承諾しています。
したがって、支払期日になると、売掛先は銀行に直接決済します。
売掛金の回収にあたり、利用会社が関与することは基本的にありません。
銀行が売掛金を回収すれば、3社間ファクタリングの手続きは終わりです。
なお、一定期間にわたる継続的な買い取り、複数の売掛先に対する包括的な買い取り、保証ファクタリング・国際ファクタリングなど、通常の買取ファクタリングと異なる場合、手続きの流れも変わると考えてください。
実際の流れについては、銀行に問い合わせることをおすすめします。
中小企業には独立系ファクタリングがおすすめ!
銀行系ファクタリングのメリット・デメリットから、以下の結論を導き出すことができます。
一部の(年商10億円以上の)中小企業や大企業など、大規模な会社にはメリットが大きい
一般の中小企業や個人事業主など、中小規模の会社(事業者)にはデメリットが大きい
現在、ファクタリングを利用しているのは、一般の中小企業や個人事業主がほとんどです。
これらの会社には、銀行系ファクタリングの活用が難しいため、独立系ファクタリングの利用をおすすめします。
中小企業や個人事業主に独立系ファクタリングが向いている理由を、簡単に見ていきましょう。
審査が柔軟
独立系ファクタリングは、銀行系に比べて審査が柔軟です。
銀行系に比べて審査の精度が低いことは否めませんが、逆に言えば、「回収不能リスクをやや高く見積もり、手数料に転嫁することで買取可能」という判断にもつながります。
売掛先の信用力に問題がある場合、銀行系ではすぐに「買取不可」となるのですが、独立系ファクタリングでは条件を柔軟に設定し、「買取可能」となることも多いです。
スピーディに資金調達できる
独立系ファクタリングでは、2社間ファクタリングやオンラインファクタリングを利用できます。
2社間ファクタリングは、最短即日で対応しているケースがほとんどです。
オンラインファクタリングの場合、最短数時間で資金調達できることもあります。
ただし、ファクタリング会社によって、2社間ファクタリングでも「最短翌日」「最短5営業日」などに設定するケースがあるため、利用の際には注意が必要です。
なお、No.1の2社間ファクタリングは「最短即日」、オンラインファクタリングは「最短60分」で対応しています。
信用リスクを回避できる
2社間ファクタリングやオンラインファクタリングを利用できることから、独立系ファクタリングは信用リスクの回避にも役立ちます。
これらのファクタリング方式は、売掛先が一切関与しないため、ファクタリングの利用を知られることもありません。
ただし、債権譲渡登記の有無には気をつけてください。
2社間ファクタリングを利用した際には、原則的に債権譲渡登記が必要です。
ファクタリングによって売掛金の権利が変わる(債権者が利用会社からファクタリング会社に変わる)ため、それを登記所で公示する必要があるのです。
売掛先や関係者も登記内容を閲覧できるため、バレる可能性もゼロとは言い切れません。
No.1など、一部のファクタリング会社では債権譲渡登記の留保にも対応しています。
信用リスク回避のためにも、債権譲渡登記を留保できる会社がおすすめです。
手数料を抑えることも可能
ファクタリング会社の選び方次第では、独立系でも手数料を抑えることができます。
優良ファクタリング会社の多くは、相場よりも安い手数料を設定しており、中でもオンラインファクタリングの手数料は魅力的です。
No.1のオンラインファクタリングサービスは、額面金額に対して2~8%の手数料で提供しており、銀行系ファクタリングに劣らない安さでご利用いただけます。
少額ファクタリングに利用できる
独立系ファクタリングは、少額ファクタリングにも役立ちます。
多くの会社は、利用額の下限を数十万円に設定しているため、中小企業の資金繰りにも便利です。
中には、少額債権に強いファクタリング会社もあり、No.1のように10万円程度からファクタリングできる会社もあります。
個人事業主向けのファクタリングでは、最低1万円からファクタリングできるサービスも増えてきました。
短期・少額の資金調達には、独立系ファクタリングが非常に役立ちます。
コンサルティングを利用できる
コンサルティングは、独立系ファクタリングならではのサービスといえます。
銀行系ファクタリング会社を利用する場合、コンサルティングは受けられない、あるいは全くの別サービスになることがほとんどです。
しかし、独立系ファクタリングの一部では、ファクタリングとコンサルティングの両方を手掛けており、セットで提供している会社も多いです。
No.1にも、資金繰り・資金調達専門のコンサルタントが複数在籍しています。
ご希望に応じて、コンサルタントがヒアリングを行い、最適なファクタリングプランの提案、資金繰り改善を見据えたトータルサポートなども可能です。
銀行系ファクタリングの利用に成功した事例
ここまでの内容から、銀行系ファクタリングの利用を前向きに検討している人もいれば、銀行系と独立系で迷っている人もいることでしょう。
そこで、銀行系ファクタリングの利用に成功した会社の事例をいくつか紹介します。
自社の目的や状況に合わせて、参考にしてみてください。
銀行系ファクタリングで手数料を削減
最初に紹介するのは、銀行系ファクタリングを選ぶことで手数料の削減に成功したA社の例です。
A社は、銀行系ファクタリングを利用する以前からファクタリングを活用していました。
ただし、A社が利用していたのは独立系ファクタリング会社の2社間ファクタリングだけです。
2社間ファクタリングは手数料が高いものですが、A社は特に不満を抱いていました。
複数の売掛先の売掛金を選んでみたものの、相場からみて割高な手数料でしかファクタリングできず、利益の確保が困難になることも。
また、同じファクタリング会社を利用し続けることで手数料が徐々に下がるのが一般的ですが、A社がそれを実感したことはありません。
資金調達スピードや利便性などにメリットがあるため、手数料に目をつぶってきたのです。
あるとき、借入先の銀行員とファクタリングの話題になり、手数料が高すぎることを指摘されました。
同時に、その銀行が取り扱っているファクタリングサービスを提案され、利用することを決めました。
必要書類を提出し、銀行のファクタリング審査を受けたところ、手数料率はこれまでよりもはるかに安い5%に。
これにより、A社は手数料負担の大幅な削減に成功しました。
銀行系ファクタリングで投資資金を調達
次に、銀行系ファクタリングで投資資金を調達したB社の例です。
メリットでも紹介したように、銀行系ファクタリングは多額の資金調達に対応しています。
独立系ファクタリングでも数千万円のファクタリングに対応しているケースが多いのですが、銀行と一般業者では資金力が圧倒的に違います。
銀行系ファクタリングは、数千万円~数億円単位の資金調達にも容易に対応できるのです。
B社では、投資資金の調達のために銀行系ファクタリングを利用しています。
製造業のB社は、製造力強化のために5000万円の投資資金を必要としていました。
当初、全額を銀行から借り入れようとしたのですが、銀行の反応は芳しくありません。
多額の資金を融資する場合、銀行は担保・保証によって保全を図るのが普通です。
B社は特に優良企業というわけでもなく、銀行は5000万円を無担保・無保証で融資するのは難しいと考えました。
とはいえ、B社は5000万円を借りるために十分な担保・保証を持っていません。
不動産担保に余力はなく、信用保証協会の保証枠は3000万円しか残っていない状況です。
3000万円の保証付融資だけでは足りないため、2000万円の調達を模索していたところ、銀行から売掛金の活用を提案されました。
銀行が提案したのは、売掛金を担保とする売掛債権担保融資、もしくはファクタリングの二択です。
検討の結果、B社は銀行でファクタリングすることに決めました。
手元の売掛金の中から、特に信用のあるものを選んで銀行に提示したところ、額面金額3000万円に対して手数料率5%でファクタリングすることになりました。
これにより、銀行に150万円のファクタリング手数料を支払って2850万円を調達。
同時に2150万円を信用保証協会の保証付きで借入れ、5000万円の投資資金を調達できました。
B社のように、銀行系ファクタリングを利用する場合、ファクタリングと融資を組み合わせることで多額の資金を調達しやすいことも魅力です。
売掛先との連携でスムーズに資金調達
銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングが基本ですから、売掛先の協力が欠かせません。
売掛先の協力を得ることで、スムーズにファクタリングしたC社の例を紹介しましょう。
銀行系ファクタリングを利用するにあたって、C社は売掛先を慎重に選びました。
まず行ったのが、売買契約書の精査です。
契約に譲渡禁止特約が含まれている場合、売掛先が債権譲渡(ファクタリング)に好意的でないことは明らかです。
そのような売掛先を除外することが、銀行系ファクタリングの第一歩となります。
次に、C社の方が優位にある売掛先、C社と関係の深い売掛先を検討しました。
C社は技術力に定評があり、「ぜひC社でなければ」と考える売掛先が少なくありません。
また、長期にわたって取引を続けており、C社に好意的な売掛先も多いです。
様々に検討した結果、C社は先代のころから取引を続けている売掛先の売掛金を選びました。
銀行に3社間ファクタリングを依頼する前に、C社は売掛先に3社間ファクタリングの利用を相談。
すると、売掛先も日常的に銀行系ファクタリングを利用していることが分かりました。
売掛先はファクタリングのメリットをよく理解しており、ファクタリングへの協力を快諾してくれたのです。
内諾を得た後、銀行に3社間ファクタリングを依頼。
依頼先の銀行と売掛先の間に融資取引があり、銀行が売掛先の状況をすでに把握していたことも幸いしました。
偶然が重なったことで、C社のファクタリングは非常にスムーズに進みました。
申し込みと審査がすぐに完了し、売掛先への債権譲渡通知・承諾手続きも難なく完了。
銀行がC社に買取代金を振り込んだのは、1週間後のことでした。
銀行系ファクタリングは売掛先の協力がなければ利用できず、安易に利用すれば売掛先の信用悪化を招くことも多いです。
しかし、C社のように売掛先の協力を得られるならば、銀行系ファクタリングのメリットは大きいといえます。
銀行系ファクタリングで債権譲渡登記を回避
次に紹介するのは、銀行系ファクタリングを利用することで債権譲渡登記を回避したD社の例です。
銀行系ファクタリングに限らず、ファクタリングは法的に債権譲渡取引です。
ファクタリングの際には、利用会社と銀行の間で債権譲渡契約を結びます。
このとき、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を求めるケースが多いです。
もちろん、2社間ファクタリングでも債権譲渡登記の留保は可能ですが、業者によって対応は異なります。
D社も、当初は独立系の2社間ファクタリングを考えていました。
しかし、独立系ファクタリング会社に申し込んだところ、債権譲渡登記が必須であると告げられました。
債権譲渡登記を求められた場合、司法書士報酬や登記手数料によって10万円程度のコストが発生します。
また、登記情報からファクタリングの利用が露見し、売掛先の信用を損なうリスクもあります。
特に手数料負担を危惧したD社は、ファクタリングの利用を一旦見合わせることにしました。
D社が独自に調べたところ、ファクタリング方式によって債権譲渡登記の有無が変わることがわかりました。
2社間ファクタリングで債権譲渡登記を求めるのは、ファクタリング会社が第三者対抗要件を具備するためです。
債権譲渡登記以外では、売掛先に対する債権譲渡通知・承諾手続きによっても第三者対抗要件を具備できます。
銀行は3社間でファクタリングし、債権譲渡通知・承諾手続きが必須です。
これにより、銀行は第三者対抗要件を具備できるため債権譲渡登記は必要ありません。
したがって、高額な登記コストが発生しないことも、銀行系ファクタリングの手数料が安い理由といえます。
また、銀行系ファクタリングを利用する際、売掛先の理解を得ていることが前提ですから、売掛先の選定に間違いがなければ信用悪化リスクもありません。
これを知ったD社は、さっそく銀行に問い合わせてファクタリングを申し込みました。
債権譲渡登記を回避したことで、想定通りの安い手数料でファクタリングすることに成功しました。
銀行の保証ファクタリングで貸倒れリスクを回避
A社~D社は全て、銀行で買取ファクタリングを利用した例です。
ここで視点を変えて、銀行の保証ファクタリングで貸倒れリスクを回避したE社の例をみてみましょう。
当時、E社は新規取引先の開拓に力を入れていました。
営業の成果は好調で、多数の新規取引先の獲得に成功しました。
しかし、ここで問題になったのが与信管理です。
新規取引先は、既存の取引先に比べて情報が乏しく、取引実績がないだけに信用もありません。
貸倒れリスクを避けるためにも与信限度額を小さく設定し、取引に応じて徐々に与信額を増やしていくのが定石です。
とはいえ、与信額の設定は小さければよいというものではありません。
与信限度額が小さく、十分な供給を確保できないと判断すれば、取引先は契約を見送るでしょう。
ある程度は新規取引先の希望も汲みながら、与信額を設定する必要があるのです。
これに加えて、E社は短期間で多くの新規取引先を獲得したこともあり、大きな貸倒れリスクを抱えることになりました。
貸倒れリスクを回避するため、E社は銀行の保証ファクタリングを利用することにしました。
新規取引先のうち、与信限度額の設定が過大と思われる売掛先を選び、銀行に保証を依頼。
銀行が対象の売掛先を調査したところ、信用に問題はなく額面金額に対して十分な保証枠を確保できました。
幸い、保証先の売掛金が貸し倒れになることはなく、保証が履行されたこともありません。
それでも、新規取引に伴う与信管理の負担を軽減でき、引き続き積極的な営業が可能となったため、E社は銀行系ファクタリングの利用に満足しているとのことです。
海外展開に銀行系ファクタリングを活用
国際ファクタリングは、銀行系ファクタリングならではのサービスです。
銀行で国際ファクタリングを活用したF社の例をみてみましょう。
製造業のF社は、国内での展開に行き詰まりを感じ、海外展開を検討していました。
海外展開には多額の資金が必要となり、商習慣や法律の違いも障害となります。
F社も、海外展開のための資金調達、為替取引、売掛金の取り扱いなどに苦慮していました。
他の問題はさておき、資金調達について銀行に相談したところ、銀行の姿勢は積極的でした。
銀行としても、F社のような事業展開は好ましいといえます。
海外に展開することでF社が成長していけば、銀行が貸付けによって利息収入を得る機会も増えるでしょう。
為替取引などの融資外取引も、銀行にとっては貴重な収益となります。
さらに、海外取引で発生する売掛金をファクタリングできれば、銀行はファクタリングでも儲けることができます。
F社の海外展開は、銀行にとって利息・為替手数料・ファクタリング手数料をもたらし、まさに一石三鳥です。
銀行は、為替取引を一手に引き受けること、国際ファクタリングを利用することを条件に融資を決定しました。
海外企業との取引は、取引先の信用調査が困難であること、商習慣の違いにより回収サイトが長期化しやすいことが大きな問題です。
この問題の解決に、銀行の国際ファクタリングが大いに役立ちました。
国際ファクタリングは、海外企業の売掛金に対して保証・買取の両方の機能を有するファクタリングです。
これにより、保証を受けることで貸倒れリスクを回避しつつ、必要に応じて早期資金化することで回収サイトの長期化も避けられます。
F社の海外展開が順調に進んだのは、銀行の国際ファクタリングに負うところが大きいといえるでしょう。
銀行系ファクタリングの利用に失敗した事例
逆に、銀行系ファクタリングの利用に失敗するケースもあります。
代表的な失敗例をみていきましょう。
手数料のメリットを得られなかった
銀行でファクタリングしたとき、よくあるのが手数料に関する失敗です。
確かに銀行系ファクタリングは手数料が安いのですが、これは銀行が3社間ファクタリングを基本とするためであり、独立系ファクタリングよりも必ず安くなるとは限りません。
No.1のように、独立系ファクタリング会社でも3社間ファクタリングを取り扱っている場合があります。
銀行系・独立系を問わず、3社間ファクタリングであれば手数料が大きく変わることはありません。
むしろ、独立系でオンラインファクタリングを利用したほうが安いこともあるのです。
その一例として、G社のケースをみてみましょう。
G社は元々、銀行系ファクタリングをよく利用していました。
銀行系ファクタリングを選ぶ理由は、主に「銀行のファクタリングは手数料が安い」「悪質業者の危険もない」という二点です。
銀行がG社に提示するファクタリング手数料は平均で5%程度。
3社間ファクタリングの手数料相場は1~10%ですから、G社は特に不満もなく利用を続けていました。
しかしある時、G社は緊急の資金調達が必要になりました。
3社間ファクタリングは調達に時間がかかるため、銀行ではファクタリングできません。
G社は、2社間ファクタリングを利用するために、No.1に問い合わせました。
ヒアリングを行ったところ、G社がこれまで銀行でファクタリングしてきたことから、手数料を抑えたい意図があることは明白です。
そこで、3社間ファクタリング並みの手数料で利用できるオンラインファクタリングをご提案。
審査の結果、手数料率4%での買い取りで合意・契約に至りました。
G社が銀行でファクタリングしてきた最大の理由は、手数料を抑えるためです。
オンラインファクタリングの方が安く、なおかつ資金調達スピードや利便性も銀行より優れています。
G社の社長は「銀行でのファクタリングは失敗だった」と悟りました。
それ以降、G社が銀行でファクタリングすることはなくなり、全てNo.1にご依頼いただいています。
必要以上にファクタリングしてしまった
少額のファクタリングを希望する場合、銀行系ファクタリングでは失敗しやすいです。
独立系ファクタリングに比べて、銀行系ファクタリングは買取額の下限を高く設定しています。
業容が小さい会社が少額のファクタリングを希望する場合や、業容に関係なく調達希望額が小さい場合には、銀行系ファクタリングの買取可能額を下回る可能性があります。
それでも銀行系ファクタリングにこだわるならば、必要以上に売掛金をファクタリングしなければなりません。
当然ながら、無駄な手数料を支払うことになります。
銀行のファクタリングは手数料が安いためあまり気にならないかもしれませんが、そのようなファクタリングを繰り返せば、長期的には大きなマイナスです。
もちろん、資金繰り的には失敗といえるでしょう。
H社が好例です。
あるときH社では、売上が予想以上に伸びたことによって、一時的に運転資金が増加しました。
もっとも、H社は元々業容が小さく、資金繰りもコンパクトです。
増加運転資金が発生したとはいえ、必要な調達額はさほど大きくありません。
銀行にファクタリングを申し入れたところ、少額のため利用対象外とのこと。
そこでH社は、複数の売掛金をまとめてファクタリングしました。
まとまった資金を調達できたとはいえ、色々と疑問が残ります。
「果たして本当に銀行でファクタリングすべきだったかどうか…」
「ファクタリングが必要になった場合、今後も銀行でファクタリングしてよいものか…」
「無駄な手数料を支払ったのは失敗だったのでは…」
そんな疑問を抱えたH社は、No.1に相談することにしました。
相談していくうちに、No.1ならば銀行よりも少額からファクタリングできること、銀行と同じく3社間ファクタリングを利用できることを知り、さっそく切り替えを決意。
No.1では数十万円からファクタリングに対応しているため、H社のニーズにもピッタリでした。
売掛先の信用悪化を招いた
繰り返す通り、銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングが基本です。
売掛先の協力を得られるかどうかが、銀行でファクタリングするための最大のポイントといってよいでしょう。
売掛先の選定を誤ると、単に資金を調達できないだけではなく、売掛先の信用を損なうリスクがあります。
I社も、銀行でファクタリングしようとしたばかりに、取り返しのつかない信用悪化を招きました。
I社が銀行系ファクタリングを選んだ理由は、資金調達に猶予があるため3社間ファクタリングに堪えられること、そして手数料が安いことです。
売掛先の選定にはあまり気を使いませんでした。
「どの売掛先も銀行から資金調達している。ファクタリングだって銀行の提供しているのだから、売掛先に悪印象を与えることはないだろう。協力を得るのも容易だろう」
そう考えたのです。
しかし、内諾を得るために相談してみると、売掛先の反応は予想外でした。
売掛先の経営者は保守的であり、「会社は銀行から調達すべし」という考え方です。
ファクタリングなどの新しい資金調達方法にはあまり信頼をおいていません。
むしろ、銀行融資以外の方法で資金を調達する会社に対して、「なぜ銀行から借りないのか?」「銀行から融資を断られたのか?」「経営が悪化しているのではないか?」などと疑う傾向があったようです。
I社は、それを知らずに3社間ファクタリングを打診したのですから大変です。
当然というべきか、売掛先から経営悪化を疑われることになりました。
この時、I社では実際に経営が悪化していたのですから、タイミングも悪かったというべきでしょう。
疑いを抱いた売掛先はI社に対して信用調査を行い、経営悪化の事実を掴みました。
売掛先は、今後もI社の経営悪化が続き、倒産に至ることも想定して仕入先を分散することに。
I社と売掛先の取引は半減し、売上の減少を招きました。
この失敗は、I社が売掛先を慎重に選ばず銀行系ファクタリングを利用したためです。
銀行でファクタリングしたために経営難を疑われ、業界内で悪い噂が広まり、連鎖的に信用悪化を招くケースもあります。
信用リスクを避けたい会社は、銀行系ファクタリングよりも独立系ファクタリングをおすすめします。
まとめ:中小企業や個人事業主は独立系ファクタリングを使おう
銀行系ファクタリングは、ファクタリングの種類の豊富さ、手数料の安さ、安全性などに優れています。
国際ファクタリングなどは、銀行系ファクタリング会社でなければ利用できないため、海外企業と大規模な取引をしている会社はぜひ利用すべきです。
しかし、一般の中小企業や個人事業主など、事業規模がそれほど大きくない場合には、銀行系ファクタリングはおすすめできません。
資金調達の難易度が高く、柔軟性や資金調達スピードにも問題があるため、中小企業のニーズには合いません。
中小企業は、独立系ファクタリングの活用をおすすめします。
ファクタリングをご利用の際には、ぜひNo.1におまかせください。
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