カテゴリー: ファクタリング
そのファクタリング会社は大丈夫?法的観点でみたファクタリング会社の選び方
ファクタリングには多くのメリットがあり、近年ではファクタリングを「経営改善の特効薬」と考える専門家も増えています。
ただし、ファクタリングのメリットを享受するには、ファクタリング会社の選び方が極めて重要です。
ファクタリング会社の選び方を知らずに利用すれば、悪質業者に騙される恐れがあり、自社に適したファクタリング会社を選ぶことも困難です。
だからこそ、初めてファクタリングを利用する会社様や、現在のファクタリングに満足できない会社様は、ファクタリング会社の選び方を学びましょう。
この記事では、法的観点からみたファクタリング会社の選び方を詳しく解説します。
ファクタリングとは?
ファクタリングは、会社が所有している売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却する資金調達方法です。
売掛金は信用取引によって発生する金銭債権であり、支払期日に代金を受け取る権利を意味します。
売掛先の支払能力にもよりますが、基本的には額面金額に近い価値を有するため、売掛債権(売掛金)を譲渡・売買することで柔軟に資金を調達できるのです。
融資や出資など、外部から資金を調達するのではなく、売掛債権(売掛金)という自社の内部留保から資金を調達するため、外部に依存することなく資金を調達できるのが大きなメリットです。
ファクタリングは債権譲渡取引
一口にファクタリングと言っても色々な形態があり、必ずしも売掛債権(売掛金)を売却するものではありません。
しかし現在、日本で最も普及しているのは売掛債権(売掛金)を買い取るファクタリングであり、「ファクタリング=売掛債権(売掛金)の売却」というのが一般的なイメージです。
しかしながら、厳密には(法的には)ファクタリングは債権譲渡取引です。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ファクタリングは債権(売掛債権、売掛金)の売却を通して、ファクタリング会社に譲渡する取引です。
実際、ファクタリングによって債権者が自社からファクタリング会社へと変わります。
このように考えると、ファクタリングが債権譲渡取引であることは明らかです。
「ファクタリング=債権譲渡取引」ということは、ファクタリングの法的根拠を裏付ける大きな要素であり、なおかつファクタリング会社の選び方にも関わってきます(詳しくは後述します)。
ファクタリングの方式は?
ファクタリングにはいくつかの方式があり、方式によってファクタリングの流れや売掛先の関与、ファクタリング会社の選び方などが変わります。
大まかな分類は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
- オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社の2社間だけで取引し、売掛先が一切関与しない方式です。
売掛先が関与しないため手続きが簡素であり、スピーディに資金調達できるのがメリットです。
また、売掛先に知られず資金を調達できるため、売掛先の信用が悪化する心配もありません。
ファクタリング会社の選び方として、利便性や資金調達スピード、秘匿性などを重視する場合には、2社間ファクタリングを選ぶのがポイントです。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社に加えて、売掛先が必ず関与する方式です。
書類や契約を3社間で行うため、手続きが煩雑になる、資金調達に時間がかかるといった問題があります。
もちろん、売掛先の信用が悪化したり、売掛先の協力を得られずに3社間ファクタリングが成立しない(資金を調達できない)ことも考えられます。
手数料の安さや安全性が魅力ではあるものの、利用のハードルは高い方式です。
実際、ファクタリングを利用する会社の多くは、3社間ファクタリングではなく2社間ファクタリングを選んでいます。
この事実も、ファクタリング会社の選び方の参考になるでしょう。
オンラインファクタリング
ファクタリング会社の選び方を知る上で、ぜひ押さえておきたいのがオンラインファクタリングです。
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングの手続きを全てオンラインで完結する方式です。
したがって、2社間ファクタリングの一種といえます。
しかしながら、従来の2社間ファクタリングよりも手数料が安く、安全性も高く、よりスピーディに利用できるのが特徴です。
現在、オンラインファクタリングを導入しているのは、No.1をはじめとする一部の優良ファクタリング会社に限られます。
ファクタリング会社の選び方に迷った場合には、オンラインファクタリングを検討してみると良いでしょう。
ファクタリング会社の系列
ファクタリング会社は、いくつかの系列に分類されます。
系列によって方針が大きく異なるため、ファクタリング会社の選び方にも少なからず影響します。
銀行系ファクタリング
銀行系ファクタリングは、その名の通り銀行系列のファクタリング会社です。
メガバンクなどが業務の一環としてファクタリングを提供しているケースや、大手金融機関の子会社がファクタリングを提供しているケースがあります。
銀行系ファクタリングの特徴は、信用力・安全性が高いこと、資金量が豊富なこと、金融業務に長けていることです。
中でも、売掛債権(売掛金)の支払いを保証する保証ファクタリングや、海外企業に対する売掛債権(売掛金)を取り扱う国際ファクタリングなどは、銀行系ファクタリングの得意分野といえます。
特に国際間取引の売掛債権(売掛金)を取り扱う場合、海外の金融機関との連携が不可欠となるため、海外にもコネクションのあるメガバンクでなければ対応できません。
海外向けに輸出を行っている会社は、銀行系ファクタリングを利用するのが選び方のポイントです。
なお、銀行系ファクタリングは2社間での買取ファクタリングに対応していないため注意が必要です。
ノンバンク系ファクタリング
消費者金融業者や信販会社の系列に属するファクタリング会社を、ノンバンク系ファクタリングといいます。
銀行系ファクタリングには劣るものの、信用と安全に長け、資金量や金融業務にも優れているのが特徴です。
また、消費者金融系のファクタリング会社では、2社間ファクタリングに対応していることもあるため、3社間ファクタリングを避けたい場合にも利用できます。
独立系ファクタリングよりも手数料がやや安い傾向がありますが、審査のハードルが高めに設定されており、資金調達スピードにも若干の問題があります。
ファクタリング会社の選び方としては、優良債権を所有している、資金調達に余裕があるといった場合には、ノンバンク系ファクタリングを検討してみると良いでしょう。
独立系ファクタリング
独立系ファクタリングは、銀行やノンバンクの系列に属さないファクタリング会社のことです。
現在、ファクタリング会社のほとんどを独立系が占めており、No.1などの優良ファクタリング会社も独立系に属しています。
後述の通り、現在、ファクタリングに関する法整備が不十分な状況です。
例えば、新規にファクタリング業を開業する場合にも、登録や免許などは一切不要です。
このため、ファクタリング業界は悪質業者が紛れ込みやすい環境といえます。
銀行やノンバンクは金融庁の監督下にあるため、銀行・ノンバンク系列のファクタリング会社には悪質業者が存在しません。
したがって、ファクタリングにおける悪質業者は、ほぼ例外なく独立系のファクタリング会社です。
独立系ファクタリングは、他の系列よりも利便性が高く、審査の柔軟性や資金調達スピードなど、多くの点で優れています。
2社間ファクタリングの際には、基本的には独立系のファクタリング会社から選ぶことになるでしょう。
それだけに、悪質業者を避けることが選び方の基本となります。
活用の肝はファクタリング会社の選び方にあり!
近年、政府が推奨していることもあり、ファクタリングの活用が広がっています。
今後、ファクタリングに関する法整備が進み、またスタンダードなファクタリングが徐々に形成され、益々普及率が高まることでしょう。
逆に言えば、現時点ではファクタリングに対する法整備が不十分であり、スタンダードな形も定まっていません。
したがって、ファクタリングを活用するためには、ファクタリング会社の選び方を知ることが重要です。
まずは、ファクタリング会社の選び方について大まかに見ていきましょう。
ファクタリングと法規制
銀行や信用金庫、ノンバンクや消費者金融など世の中にある金融機関は国が定めた法律によって規制を受けています。
その中でもノンバンクや消費者金融など第三者に資金を融資することを業務としている企業は「貸金業法」によって規制を受けています。
しかしファクタリング会社はどうでしょうか。
一見すると資金を融通する訳ですから貸金業のように見られがちです。
しかしファクタリングはあくまで「売掛債権を売買する取引」であり貸金業の規制を受ける融資ではありません。
つまり政府の許認可を得た貸金業者でなくても、資金さえあれば誰でもファクタリングの仕事ができてしまうのです。
それゆえに反社会的勢力など不適切な業者も参入してしまうこともあります。
それだけに利用する側も以下の法的な知識をしっかり身につけておくことをおすすめします。
ファクタリングの法的根拠
ファクタリングの法的根拠は、民法第466条に明記されています。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
ここにある通り、債権譲渡は法律で認められた取引です。
近年、ファクタリングの促進を見据えた法改正も徐々に進んでいます。
例えば、民法第466条2項にあるように、売掛先が譲渡を禁止している場合でも譲渡が認められるようになったのはごく最近のことです。
今後の法改正によって、ファクタリングの法的根拠はますます明確になるでしょう。
さて、金融庁はファクタリングを債権譲渡取引であると定義しています。
つまり、
- 1.ファクタリングは債権譲渡取引である
- 2.債権譲渡取引は民法で認められている
- 3.債権譲渡取引であるファクタリングは100%合法である
という論理によって、ファクタリングの法的根拠は明らかです。
この法的根拠が、ファクタリング会社の選び方にも大きく影響します。
ファクタリングが合法であるのは、あくまでも「債権譲渡取引」だからです。
取引の条件次第では、「実質的にはファクタリング(債権譲渡)とは言えない」とみなされることがあり、その場合には悪質業者の危険が高まります。
「ファクタリングは債権譲渡取引だからこそ合法」という視点が、ファクタリング会社の選び方の基本になります。
そのファクタリング会社はきちんとした会社か?
前述したようにファクタリング業界には、特別の許認可はもとより明確な法規制がないのが現状です。
ファクタリングを事業としていく上で、社会的な信用を得たり、投資家などから一時的な融資を得たり、さらには「正しい企業」として納税も行う必要もあります。
そのためには株式会社などの法人化を行なっている方が望ましいですし、インターネット上にホームページを公開する場合もあるでしょう。
しかしながら必ずしもこのような「正しい運営」を行なっているファクタリング会社ばかりではありません。
反社会的勢力の資金を利用してファクタリング事業を行なっている場合、このような適切な企業運営をしていないケースも考えらえるのです。
例えば携帯電話だけで営業しているような場合や事務所の所在地を明らかにしない、さらにはファクタリングの取引に際して面談等を行わない業者は要注意です。
このような業者に遭遇しないために、ファクタリング会社を選ぶ際には
- ホームページや帝国データバンク、東京商工リサーチ等で企業情報を調べる
- 警察、金融庁、国土交通省等のデータベースを調べて反社会的勢力に属する相手先かどうかを調査する
- 可能であれば実際にその企業の所在地に行ってみてどういう会社か自分の目で確かめる
といった事前の調査も必要ではないでしょうか。
その条件、本当にファクタリングなのか? ヤミ金の隠れミノ業者に注意
ファクタリングはあくまで自社の売掛債権を第三者であるファクタリング会社に売却する「売買取引」です。
しかしながらこの売買取引には、第三債務者である企業等の社会的信用や倒産等の貸倒リスクさらには登記費用等の経費も発生するため手数料を高額に設定せざるをえないのが現状です。
そしてこれらを加味した手数料は一般的には売掛債権額の10%から30%といわれています。
(2社間ファクタリングの場合の手数料です。)
つまりこれ以上の手数料を取るような業者は少々疑ってかかった方がいいかもしれません。
また、契約の金額が売掛債権(売掛金)の金額よりも多いようなケースも要注意です。
このような取引を行うような業者はひょっとしたら元ヤミ金融業者が隠れミノとしてファクタリングを装い営業を行なっているのかもしれません。
このような業者から身を守るためには、「契約書にしっかり目を通す」「手数料等の条件で不明な点は業者に確認した上で契約する」といったことを行うことが重要です。
悪質業者を避ける選び方5選
ファクタリング会社の選び方には2つのステップがあります。
一つ目は悪質業者を避けること、二つ目は自社に適したファクタリング会社を選ぶことです。
自社に適したファクタリング会社を選ぶことももちろん大切ですが、悪質業者を避けることはそれ以上に重要です。
金融庁は、「ファクタリング業を装う悪質業者=ヤミ金」と断定しています。
ヤミ金業者を選んでしまうと、ファクタリングするはずが超高金利での借金を背負ったり、違法な取り立てによって業務に支障をきたしたりする恐れがあります。
悪質業者を避けなければ、ファクタリングを経営に活かすことも不可能です。
ファクタリングを活用するためにも、まずは悪質業者を避ける選び方を解説します。
選び方のポイント①償還請求権なし
悪質業者を避ける選び方には、いくつかのポイントがあります。
特に、償還請求権の有無は分かりやすいポイントです。
償還請求権とは、ファクタリングした売掛金が回収できなくなった場合、ファクタリング会社から利用会社に買い戻しを求める権利のことです。
ファクタリングは「償還請求権なし(ノンリコース)」が原則となります。
償還請求権がある場合、ファクタリング会社は回収不能リスクをほとんど負いません。
業者側のリスク負担は、悪質業者かどうかを判断する基準のひとつであり、業者側がほとんどリスクを負わない契約は「実質的に貸金業」とみなされます。
貸金業であれば、貸金業者としての規制を受けることになりますが、悪質業者は規制を守っていません。
特に、金融庁の貸金業登録を受けていないため、無登録営業の貸金業者(=ヤミ金業者)となります。
これが、金融庁が「ファクタリングの悪質業者=ヤミ金業者」と断定する理由です。
したがって、悪質業者を避けるためにも「償還請求権の有無」が選び方のポイントとなります。
正規のファクタリング会社は必ず「償還請求権なし」です。
契約書に償還請求権について明記しない場合や、「償還請求権あり」の契約になっている場合には、その時点で契約を見送るのが賢明な選び方といえます。
選び方のポイント②無担保・無保証
担保・保証の設定も選び方のポイントです。
ファクタリングは、例外なく無担保・無保証で利用できます。
これは、担保・保証の目的を考えるとよく分かります。
担保・保証は、借入金を返済できなくなった場合に備えるものであり、いわば保全が目的です。
返済義務を負っているからこそ、担保・保証の必要が生じるといえます。
逆に、返済義務がなければ、保全のための担保・保証も一切不要となります。
ファクタリングは債権譲渡であり、借入れではありません。
実際に、ファクタリングの際に交わすのは債権譲渡契約です(借入れの際に交わすのは金銭消費貸借契約)。
さらに、上記の通りファクタリングには償還請求権がありません。
ファクタリングは、借入れでないため返済義務もなく、買い戻し請求への備えも不要なのです。
このため、そもそもファクタリングには「返済不能に備えて担保・保証を取る」という概念がありません。
したがって、ファクタリングは例外なく無担保・無保証で利用できます。
担保・保証を求めた場合、返済不能に備えていること、つまり返済義務を伴う貸付けであることは明らかです。
したがって、担保・保証を求める業者も「ファクタリングを装う悪質業者=ヤミ金業者」と断定できます。
選び方の具体的なポイントとして、以下のような担保・保証を求められた場合には契約を見送ってください。
- 担保として、ファクタリングに関係のない売掛債権(売掛金、手形、小切手など)を求められた
- 代表者個人の連帯保証を求められた
- 代表者の家族・親族・友人などの連帯保証を求められた
- 保証人とは明言せず、家族・親族・友人などの連絡先を求められた
選び方のポイント③手数料が高すぎない
悪質業者を避ける選び方のうち、「償還請求権の有無」と「担保・保証の有無」は、契約書などから確認できます。
しかし、この2つだけでは安心できません。
「償還請求権なし」「無担保・無保証」を明言しているファクタリング会社でも、条件次第で悪質業者の危険があるためです。
そこで「手数料が高すぎないこと」も、選び方のポイントとなります。
ファクタリングの手数料は、ファクタリング方式によって変わります。
相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
- オンラインファクタリング:額面金額の10%以下
既に解説した通り、ファクタリングにはほとんど規制がなく、手数料はファクタリング会社の裁量で決めることができます。
審査を実施し、その売掛金を買い取ることでファクタリング会社が負うリスクを踏まえて、手数料を設定するのが一般的です。
とはいえ、手数料があまりにも高すぎる場合には問題が生じます。
契約上では「償還請求権なし」「無担保・無保証」となっていても、高すぎる手数料は償還請求権・担保・保証と同等の機能を持つため、実質的に貸金業とみなされる可能性があるのです。
極端な例でいえば、額面金額100万円の売掛金を手数料率95%でファクタリングするならば、手数料は95万円、買取価格は5万円となります。
この場合、売掛金が回収不能になっても、ファクタリング会社の損失はわずか5万円に過ぎません。
つまり、ファクタリング会社がほとんどリスクを負担しておらず、償還請求権あり・有担保・有保証とほとんど同じです。
このような契約は、ファクタリングではなく貸付けとみなされます。
したがって、手数料が高すぎるファクタリング会社は悪質業者の危険があるため、契約は見送るべきです。
ファクタリング手数料の相場を知ること、相場に照らして手数料の妥当性を検討することは、ファクタリング会社の選び方の重要なポイントです。
選び方のポイント④給与ファクタリングに要注意
悪質業者を避ける選び方として、ついでに給与ファクタリングも解説しておきましょう。
給与ファクタリングとは、被雇用者が雇用主に対して有する給与債権を買い取るファクタリングです。
金融庁は給与ファクタリングを違法としているため、給与ファクタリングを提供している時点で悪質業者と断定できます。
したがって、給与ファクタリングを提供しているかどうかも、悪質業者を避ける選び方のポイントです。
もっとも、実際に給与ファクタリングが問題になることはほとんどないでしょう。
金融庁や警視庁が給与ファクタリングを問題視し、厳しく取り締まった結果、給与ファクタリング業者は軒並み廃業に追い込まれました。
現在では、ファクタリング会社の選び方として、「給与ファクタリングを提供していないこと」はあまり重視されていません。
とはいえ、給与ファクタリングを提供していた悪質業者自体が無くなったわけではなく、悪質業者は悪質業者として、異なる悪質行為に切り替えたと考えるべきです。
現在も目立たない形で給与ファクタリングを行ったり、「ツケ払いファクタリング」などと称して違法性の高いサービスを行ったりするケースが見られます。
今後も、新種の違法なファクタリングが登場する可能性があります。
悪質業者を避ける選び方として、給与ファクタリングに注意するだけではなく、ファクタリングに見せかけた新種の違法サービスにも注意が必要です。
自社に適したファクタリング会社の選び方
悪質業者を避けるための選び方を知っておけば、悪質業者の危険はほとんどありません。
しかし、悪質業者を避けるだけでは不十分です。
ファクタリング市場の拡大に伴い、違法業者だけではなく、合法のファクタリング会社も増え続けています。
ファクタリング会社によって得意な業種やファクタリング方式、手数料、調達可能額、利便性などが異なるため、自社に適したファクタリング会社の選び方を知る必要があります。
ファクタリング会社の選び方を誤ると、本来ならば好条件でファクタリングできるはずの売掛債権(売掛金)でも条件が悪くなったり、審査に落ちやすくなったりするのです。
ここからは、自社に適したファクタリング会社の選び方をみていきましょう。
選び方①売掛債権(売掛金)の種類で選ぶ
自社に適したファクタリング会社は、売掛金の種類によって変わります。
したがって、「どのような売掛金をファクタリングしたいか?」が選び方のポイントとなります。
取引先で選び方が変わる
分かりやすいのが、取引先によってファクタリング会社の選び方が変わるケースです。
例えば、同じ売掛債権(売掛金)でも、国内取引の売掛債権(売掛金)と国際取引の売掛債権(売掛金)とがあり、利用すべきファクタリングが変わります。
国内取引であれば、ほぼすべてのファクタリング会社が選択肢になるでしょう。
しかし国際取引の場合、国際ファクタリングでなければ対応できないため、選択肢は自ずと銀行系ファクタリングに限定されます。
売掛債権(売掛金)の種類で選び方が変わる
また、国内取引の売掛債権(売掛金)の種類も様々であり、これもファクタリング会社の選び方に影響します。
一般的に、ファクタリングに利用できるのは確定債権だけです。
確定債権とは、売掛先が請求書を受理し、請求内容(請求先・請求金額・支払期日)などが確定している売掛金のことです。
確定債権であれば大抵のファクタリング会社が対応しているため、No.1などの優良ファクタリング会社から選ぶことをおすすめします。
確定債権以外の場合、ファクタリング会社の選び方は以下のようになります。
- 将来債権…取引契約が成立しており、将来的に確定債権が発生するものの、現時点では請求内容が確定していない売掛金。将来債権を専門とするファクタリング会社を選ぶ必要がある。
- 不良債権…請求内容が確定しているものの、既に支払期日を超過している(回収不能に陥っている)売掛金。ファクタリング会社は対応していないため、債権回収業者に売却する必要がある。
売掛金が特殊な場合の選び方
このほか、売掛債権(売掛金)が特殊な場合にもファクタリング会社の選び方が変わります。
例えば、医療事業者が所有する診療報酬債権や、介護事業者が所有する介護報酬債権をファクタリングする場合、普通のファクタリングでは対応できません。
このような売掛債権(売掛金)は、公的機関(社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会)が売掛先となり、一般的な取引とは請求・支払いの仕組みが異なります。
したがって、「診療報酬や介護報酬に対応しているか」が選び方のポイントとなります。
基本的には、No.1をはじめとする一部の優良ファクタリング会社や、銀行系・ノンバンク系のファクタリング会社を選ぶことになるでしょう。
契約が特殊な場合の選び方
最後に、契約内容によって選び方が変わることもしばしばです。
ファクタリングの法的根拠(民法第466条)にもある通り、契約で譲渡を禁止されている売掛債権(売掛金)も、法的にはファクタリングが認められています。
しかし、これはあくまでも法的に認められているだけであって、売掛先が承諾するかどうかは別問題です。
特に3社間ファクタリングを希望する場合、譲渡禁止特約付きの売掛債権(売掛金)は利用できません。
売掛先が譲渡禁止特約を理由に譲渡を認めない場合、3社間での取引が成立しないからです。
また2社間ファクタリングでも、回収時のトラブルを避けるために、譲渡禁止特約付きの売掛債権(売掛金)を嫌うファクタリング会社が少なくありません。
この場合、「譲渡禁止特約付きの売掛債権(売掛金)でも対応しているか?」が選び方の軸になるでしょう。
選び方②手数料で選ぶ
ファクタリング会社の選び方で特に重要なのが手数料です。
ファクタリング手数料は、ファクタリング会社によって基本設定が異なります。
ファクタリング会社に支払う手数料の分だけ利益が目減りし、資金繰りの負担になるのです。
手数料負担のシミュレーション
どの程度の負担になるか、具体的に計算してみるとよく分かります。
日本の製造業の粗利率は、平均20%程度です。
信用取引によって額面金額1000万円の売掛金が発生した場合、そのうちの800万円が売上原価となり、200万円が粗利となります。
ファクタリングの手数料は原価に含まれないため、粗利から支払うこととなります。
2社間ファクタリングの手数料の相場は10~30%です。
中間をとって手数料率20%でファクタリングする場合、額面金額1000万円のうち200万円が手数料となります。
つまり、ファクタリングによって粗利が全て吹き飛んでしまうのです。
最悪の場合には倒産も
このようなファクタリングを繰り返していると、次第に経営が悪化していくでしょう。
原価の高騰によって利益率が低くなっても、ファクタリングの手数料が安くなるとは限りません。
審査の結果次第で手数料率が高くなることもあるでしょう。
その場合、赤字になる恐れがあります。
赤字分は手元資金から補填する必要があるため、「手元資金の流出→資金繰り悪化」という流れが容易に想像できます。
延いては、以下のように倒産に至ることも珍しくありません。
- 1.赤字補填のためにファクタリングを繰り返す。
- 2.慢性的な赤字体質となる。
- 3.赤字決算により銀行の評価が低下し、融資を受けられなくなる。
- 4.悪条件でもファクタリングせざるを得なくなる。
- 5.経営悪化の末、倒産に至る。
手数料が安いファクタリング会社の選び方
経営悪化を避けるためにも、手数料負担に注意してください。
手数料が安いファクタリング会社の選び方のポイントは、優良ファクタリング会社を選ぶことです。
優良ファクタリング会社は業歴が長いため、新興のファクタリング会社よりも実績が多く、ノウハウやデータの蓄積も豊富です。
手続きの簡素化・効率化によるコスト削減にも取り組み、手数料の引き下げ余地が大きいことも特徴といえます。
さらに、スタッフの実務経験・審査能力も高く、リスク測定の精度が高いため、リスクに応じて過不足ない手数料を設定することが多いです。
逆に、新興のファクタリング会社の場合、ノウハウ・データ・審査能力などの不足により、リスク測定の精度が低くなります。
このため、安全性に余裕を見積もって、手数料を高めに設定することが少なくありません。
以上の理由から、優良ファクタリング会社ほど手数料が安い傾向があります。
実際に、No.1のファクタリングサービスは、以下の条件でご利用いただけます。
- 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%(相場は10~30%)
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%(相場は1~10%)
- オンラインファクタリング:額面金額の2~8%(相場は10%程度)
「手数料設定の比較」は、ファクタリング会社の選び方の基本です。
選び方③調達可能額で選ぶ
3つ目の選び方は、調達可能額です。
ファクタリング会社によって対応できる金額には差があります。
この違いは、以下のように比較するとよく分かります。
- 資金力が弱い新興ファクタリング会社と、資金力が豊富な優良ファクタリング会社
- 独立系のファクタリング会社と、銀行系のファクタリング会社
- 個人事業主専門のファクタリング会社と、法人専門のファクタリング会社
- 少額債権に特化したファクタリング会社と、それ以外のファクタリング会社
いずれの場合も、前者よりも後者の方が調達可能額は大きくなります。
実際、銀行や大企業の系列のファクタリング会社では数億円の買い取りに対応しているケースや、上限なしに設定しているケースが多いです。
もちろん、No.1のように「上限額の基本設定は5000万円、相談に応じてそれ以上の買い取りも可能」といったファクタリングもあります。
設備投資や新規事業展開など、多額の資金調達を必要としている場合には、買取の上限額を選び方の軸とし、「必要調達額<調達(買取)可能額」のファクタリング会社を選びましょう。
また、上限額だけではなく下限額も選び方のポイントです。
法人でも事業規模が小さい会社や個人事業主は、資金繰りの規模も小さく、必要調達額も少額になる傾向があります。
この場合、資金力が豊富なファクタリング会社は、「100万円~」「300万円~」など、買取額の下限を高く設定するケースが多いため不向きです。
したがって、少額のファクタリングを希望する際には、「調達可能額の下限」が選び方の軸となります。
No.1のように、優良ファクタリング会社でも買取額の下限を10万円程度に設定しているファクタリング会社があります。
個人事業主の選び方としては、個人事業主に強いファクタリング会社を選ぶことによって、数万円単位での資金調達も可能です。
選び方④資金調達スピードで選ぶ
ファクタリングに限らず、資金調達方法の選び方では「資金調達スピード」も重要です。
基本的に、ファクタリングは他の資金調達方法に比べて資金調達スピードに優れています。
銀行融資は、融資実行までに数週間~1ヶ月程度を要します。
即日融資を謳っているビジネスローンでも、数日を要するのが普通です。
これに対し、ファクタリングは最短即日で資金を調達できます。
ファクタリング方式別の目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:最短即日
- 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
- オンラインファクタリング:最短数時間
ただし、これはあくまでも目安にすぎません。
大抵のファクタリング会社は、2社間ファクタリングならば最短即日を謳っていますが、必ず即日で資金調達できるとは限らないのです。
ファクタリング会社によって審査の方針や仕組み、処理能力(スタッフの数や事務能力)は異なります。
比較的慎重に審査するファクタリング会社や、業歴が短いために処理能力が低いファクタリング会社では、即日で対応できないこともしばしばです。
実際に、大手グループのファクタリング会社は慎重に審査を行う傾向があり、2社間ファクタリングでありながら「最短翌営業日」「最短3~5営業日」などに設定するケースがみられます。
資金調達を急いでいる会社では、即日対応を受けられないことによって資金ショートを引き起こす危険があります。
さほど資金調達を急いでいない場合にも、素早く資金調達できるに越したことはありません。
「スピーディに資金調達できる」というファクタリングのメリットを損なわないためにも、資金調達スピードは選び方のポイントとなります。
選び方⑤債権譲渡登記の有無で選ぶ
ファクタリング会社の選び方を左右する要素として、見落としやすいのが「債権譲渡登記の有無」です。
ファクタリングは債権譲渡取引であるため、ファクタリングすることで債権者が「自社→ファクタリング会社」に変わります。
ファクタリング会社が債権を主張するには、債務者対抗要件または第三者対抗要件を具備する必要があります。
債務者対抗要件を具備するには、譲渡人(利用会社)から債務者(売掛先)に対して債権譲渡通知を行う、もしくは債務者からの譲渡承諾が必要です。
第三者対抗要件は、債権譲渡登記を行い、債権の移転を公示することで具備します。
債務者対抗要件を具備できる場合には債権譲渡登記は必要なく、第三者対抗要件を具備できる場合には売掛先への債権譲渡通知・承諾は必要ありません。
これにより、ファクタリング方式によって債権譲渡登記の有無が変わります。
- 2社間ファクタリング…売掛先が関与しない(債権譲渡通知・承諾を行わない)ため、債権譲渡登記によって第三者対抗要件を具備する必要がある。
- 3社間ファクタリング…売掛先が関与する(債権譲渡通知・承諾が必須)ため、債権譲渡登記は不要。
実際に、2社間ファクタリングを利用する際には、債権譲渡登記を求められるのが一般的です。
これにより、2つのデメリットが生じます。
ひとつは、ファクタリングの利用を売掛先に知られる可能性があること。
登記内容は公示されるため、誰でも閲覧可能です。
このため、登記内容からファクタリングの利用が露見することがあり、「売掛先に知られず利用できる」という2社間ファクタリングのメリットを損ないます。
もうひとつは、登記コストがかかることです。
債権譲渡登記には、司法書士報酬と登録免許税で10万円程度の費用がかかるため、資金繰りの負担となります。
2社間ファクタリングを利用し、なおかつ債権譲渡登記を避けるための選び方は、債権譲渡登記の留保に対応しているファクタリング会社を選ぶことです。
No.1をはじめ、一部のファクタリング会社では債権譲渡登記の留保に対応しています。
選び方⑥必要書類で選ぶ
ファクタリングは利便性の高い資金調達方法です。
このメリットを享受するには、「必要書類の点数」が選び方のポイントとなります。
必要書類の具体例
ファクタリング会社によって必要書類は異なります。
優良ファクタリング会社の場合、必要書類の取得・作成にほとんど手間がかからないことが多いです。
例えば、No.1にお申し込みいただく際には、以下の書類が必要となります。
- 直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
- 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
- 成因資料(請求書・発注書・納品書など)
- 取引先企業との基本契約書
基本的には、既に手元にある書類だけで申し込むことができるため、必要書類の取得・作成に手間がかかりません。
しかしながら、ファクタリング会社によっては長期間の通帳コピーや決算書を求めたり、試算表や事業計画書など、作成に手間のかかる書類を求めることがあります。
ファクタリングの利便性を損なわないためにも、必要書類を考慮するのが賢明な選び方といえます。
オンラインファクタリングでさらに便利に
おすすめの選び方は、オンラインファクタリングを選ぶことです。
オンラインファクタリングは、申し込みから契約まで全てオンラインで行うだけではなく、必要書類も少ないことが多いです。
実際に、No.1のオンラインファクタリングでは、以下の3点のみでお申し込みいただけます。
- 直近の決算書
- 請求書
- 通帳のコピー
選び方⑦業種別の対応力で選ぶ
最後に、業種別の対応力による選び方を解説します。
ファクタリングに申し込むための要件は、売掛債権(売掛金)の請求内容が確定していること、支払期日前であることの2点です。
基本的には業種を問いません。
しかしながら、ファクタリング会社によって得意な業種と不得意な業種があります。
したがって、「自社の業種に強いかどうか」が選び方のポイントとなります。
また近年、ファクタリングの普及に伴い、特定の業種を専門とするファクタリング会社も徐々に増えてきました。
2023年8月現在、建設業・運送業の2業種で専門のファクタリング会社があります。
No.1でも、一般的な法人向けファクタリング、個人事業主向けファクタリングに加え、建設業特化型ファクタリングを提供しています。
今後、ファクタリングが普及するにつれて、特定業種特化型のファクタリングサービスは増えていくでしょう。
ファクタリング会社を選ぶ際には、業種別の対応力も考慮してみてください。
ファクタリング会社の選び方まとめ
いまや経済産業省や金融庁もファクタリングは正当な資金調達手段と述べています。
しかしながら、現状としてファクタリングに関わる法整備は十分とはいえません。
そのため利用する場合、その点をしっかりと理解した上で、業者選びと契約に関する最低限の法律に関する知識を身につけておいた方がいいでしょう。
ファクタリング会社の選び方にお悩みの方は、No.1までお気軽にお問い合わせください。
No.1は、ファクタリング黎明期である2016年に創業し、老舗・優良ファクタリング会社として高い評価を得ています。
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