売掛先に知られにくい!迅速な資金調達につながる債権譲渡登記不要のファクタリングとは?
ファクタリングは迅速で手続きが簡便な資金調達方法として知られています。「即日資金化」も可能なファクタリング会社があります。
そのような中では、こちらが書類を揃えてファクタリング会社に出せば、すぐに審査を行い、審査を通過次第、資金化され口座へ買取代金が振り込まれる、というイメージを持つ方も多いはずです。
しかし、ファクタリング会社の中には、債権譲渡登記を求めるところがあります。登記が必要になれば、その分の費用や手間がかかってしまい、資金化までに時間がかかる可能性があります。
今回は債権譲渡登記不要のファクタリングにはどのようなものがあるのか解説していきます。
ファクタリングの債権譲渡登記とは?
ファクタリングでは、契約内容によって債権譲渡登記を求められることがあります。ここからは、登記の基本知識と、ファクタリングにおける債権譲渡登記の目的や役割について解説します。
そもそも登記とは何か?
登記とは、一定の事項を広く公に示すため、登記記録に記載する制度を指します。登記簿に情報を登録することで、一定の範囲の情報を確認でき、これにより現在の権利状態がどのようになっているかが分かります。
取引において、第三者が不測の損害を被ることがないようにする制度です。第三者は事前に登記簿謄本の写しを取得することで、取引先の会社情報(商業登記簿謄本)や不動産の抵当権設定情報(不動産登記簿謄本)、債権譲渡登記の有無などが分かります。
登記簿謄本では、融資を受けている場合の借入金額や返済状況、過去の返済事故など「信用情報」は分かりません。これらは信用情報機関が管理している情報で、登記情報とは異なります。
あくまで登記簿からわかる情報は限られていて、そこから取引先、第三者などは情報を得て、経営判断に役立てることになります。
債権譲渡登記の目的と役割
ファクタリングの際に重要になる登記は「債権譲渡登記」です。ファクタリングは、売掛債権(売掛金)をファクタリング会社へ有償で譲渡する仕組みです。
例えば、A社が持っていた「〇月〇日に△△△万円を売掛先から受け取る権利」をファクタリング会社に買い取ってもらいます。
その際、「〇月〇日に△△△万円を売掛先から受け取る権利」(売掛債権)がA社からファクタリング会社に移ったことについて、債務者である売掛先以外の第三者に対する対抗要件を備える方法の一つが債権譲渡登記です。
債権譲渡登記はファクタリングにおいて必須ではなく、登記不要で契約できる場合もあります。しかし、登記不要のまま取引すると、特にA社に悪意あるいは過失があった場合、ファクタリング会社が被害を受けかねません。
債権譲渡登記には、売掛債権がファクタリング会社へ譲渡されたことを第三者に対して主張できるようにする役割があります。
債権譲渡登記していれば、同じ売掛債権について別の譲受人などが権利を主張した場合に、登記の時期などをもとに優先関係を判断できます。債権譲渡登記不要のまま進めると、そうした場合に、ファクタリング会社が第三者に対して権利を主張しにくくなり、トラブルになってしまう可能性があります。
ただし、債権譲渡登記だけでは、売掛先に対する対抗要件は備わりません。売掛先に対して債権譲渡を主張するには、登記事項証明書を交付して通知する、または売掛先の承諾を得るなどの手続きが必要です。
しかし、債権譲渡登記には時間とお金がかかります。「即日資金化」「数日で振り込みます」と謳っていて、早期買取がメリットであるファクタリングにとって、債権譲渡登記は費用の負担を増やし、資金化までの時間に影響する可能性があります。
一方、債権譲渡登記不要で進めると、ファクタリング会社が二重譲渡などによる損失を受ける可能性もあります。
ファクタリングで債権譲渡登記が必要になるケース
ファクタリングの場合、債権譲渡登記不要で契約すると、特に2社間ファクタリングの場合、ファクタリング会社側に一定のリスクが生じることがあります。
基本的に債権譲渡登記が必要になるのは2社間ファクタリングであり、3社間ファクタリングの場合は売掛先への通知や承諾によって対抗要件を備えるため、登記を省略できることが多いです。
ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
3社間ファクタリングでは登記を省略できることが多い
ファクタリングの際に絶対に債権譲渡登記しなければならないということはありません。3社間ファクタリングでは、登記を省略できることがあります。
3社間ファクタリングの手続きを考えてみましょう。3社間ファクタリングでは、契約の際に売掛先の承諾を得るのが一般的です。そのため、売掛債権の存在や金額を売掛先に確認しやすくなります。
また、売掛先が取引に関与するため、2社間ファクタリングと比べて、架空債権や二重譲渡などのリスクを抑えやすくなります。
3社間ファクタリングの場合、売掛先の承諾を得る、または確定日付のある証書によって通知するなどの方法で対抗要件を備えます。そのため、債権譲渡登記を省略できることが多いです。
2社間ファクタリングで債権譲渡登記を行う理由
債権譲渡登記について、すべてのファクタリング契約で行うよう法律で義務付けられているわけではありません。ファクタリングは当事者間の契約に基づいて行われるため、債権譲渡登記不要のファクタリング契約もあります。
しかし、債権譲渡登記をしない場合は二重譲渡などのトラブルが生じる可能性があることから、2社間ファクタリングではファクタリング会社が債権譲渡登記を求めることがあるのです。
3社間ファクタリングについては上記のとおり、売掛先への通知や承諾によって対抗要件を備えられるため、債権譲渡登記を省略できることがあります。
2社間ファクタリングで債権譲渡登記が必要な理由は、以下のとおりです。
二重譲渡のリスクに備える
上の例で債権者が「〇月〇日に△△△万円を売掛先から受け取る権利」をファクタリング会社に譲渡するのがファクタリングです。
もし債権者が同じ「〇月〇日に△△△万円を売掛先から受け取る権利」を別のファクタリング会社にも譲渡した場合、売掛債権の二重譲渡になります。
二重譲渡は故意に複数の会社をだまして買取代金を受け取った場合、詐欺罪に問われる可能性があります。
結果的に「〇月〇日に△△△万円を売掛先から受け取る権利」をファクタリング会社2社が持っていることになり、どちらかのファクタリング会社は期日に支払いを受けられないかもしれません。
債権譲渡登記不要だと、そうした問題が起きる可能性があります。債権譲渡登記があれば、後から契約を検討するファクタリング会社が、一定の登記情報を確認し、すでに債権譲渡登記がされていることを把握できる場合があります。
このような売掛債権の二重譲渡に備えるため、債権譲渡登記によって、ファクタリング会社は債務者以外の第三者に対する対抗要件を備えます。
第三者への対抗要件として債権譲渡登記は有効です。債権譲渡登記をしていない場合、同じ売掛債権について別の譲受人などが権利を主張した際に、最初に契約したファクタリング会社が優先的な権利を主張できない可能性があります。
債権譲渡登記を行っても、二重譲渡そのものを100%防げるわけではありませんが、複数の者が権利を主張した場合の優先関係を明確にすることができます。
債権譲渡登記を行うかどうかは、ファクタリング会社がどの程度のリスク対策を必要とするかによって異なります。
なお、債権譲渡登記は、売掛債権が実際に存在することを審査・保証する制度ではありません。そのため、登記を行うだけで架空債権のリスクを排除できるわけではなく、ファクタリング会社が請求書や契約書、入出金履歴などをもとに債権の存在を確認することになっています。
債権譲渡登記することで、特に2社間ファクタリングにおいて、ファクタリング会社が受ける二重譲渡などのリスクに備える効果が期待できます。
もちろん、ファクタリング会社がリスクを許容する場合は、債権譲渡登記不要のファクタリング契約もあるでしょう。
債権譲渡登記は、すべてのファクタリング契約において義務ではありません。
債権譲渡登記の情報は誰にどこまで公開される?
債権譲渡登記によって確認できる情報は、証明書の種類や請求する人によって異なります。ファクタリングを利用した理由や、債権者に関するすべての情報が公開されるわけではありません。
債権譲渡登記に関する証明書には、誰でも請求できる「登記事項概要証明書」と、請求できる人が限定される「登記事項証明書」があります。
「登記事項概要証明書」には、主に以下の情報が記載されます。
- 1.譲渡人(依頼主)の商号・住所
- 2.譲受人(ファクタリング会社など)の商号・住所
- 3.登記の原因とその日付
- 4.債権の総額・登記の存続期間
- 5.登記番号・登記年月日時
これには、債務者である売掛先の名称や、個々の債権の金額・発生日など、特定の債権を識別するための情報は記載されません。
一方、個々の債権に関する登記事項の全部が記載された「登記事項証明書」を請求できるのは、債権譲渡の当事者や売掛先、その他の利害関係人に限られます。登記事項証明書では、債務者の名称や債権の種類、金額、発生日などを確認できる場合があります。
いずれの証明書にも、売掛債権(売掛金)をファクタリングした理由や、関係各社の返済状況、過去の返済事故などの信用情報は記載されません。
また、債権譲渡登記があるからといって、必ずファクタリングを利用したと判断できるわけではありません。債権譲渡登記は、ファクタリング以外の債権譲渡や担保取引などで利用されることもあるためです。
債権譲渡登記をすれば2社間ファクタリングの場合でも、売掛先がその事実を知る可能性があります。売掛先は譲渡された債権の債務者に当たるため、利害関係人として登記事項証明書を請求できる場合があるからです。
ただし、売掛先が日常的に登記情報を確認するとは限らず、登記をしただけで直ちにファクタリングの利用を知られるわけではありません。また、登記情報からファクタリング利用であると断定できるとも限りません。
それでも、売掛先に知られた場合には、資金繰りに問題があるのではないかと懸念され、取引関係に影響する可能性があります。
そう考えると、ファクタリング会社が求めないのであれば、売掛先に知られる可能性を抑えるため、債権譲渡登記不要の契約を選択肢として検討してもよいでしょう。
債権譲渡登記不要で利用できる2社間ファクタリングもある
3社間ファクタリングは債権譲渡登記を省略できることが多い一方、2社間ファクタリングはファクタリング会社のリスクヘッジのため、債権譲渡登記を求めることがあると述べました。
しかし、債権譲渡登記をすると登記費用がかかるほか、手続きによって資金化までに時間がかかる傾向があります。ファクタリングにおいて債権譲渡登記は一律に義務付けられていないため、2社間ファクタリングでも登記不要で契約することが可能です。
2社間ファクタリングは、原則として売掛先への通知や承諾を必要としないため、3社間ファクタリングと比べて手続きを簡略化しやすい特徴があります。
その迅速性を活かすため、債権譲渡登記不要でできる2社間ファクタリングを提供しているファクタリング会社も増えています。
一方で、債権譲渡登記不要の場合は、ファクタリング会社が二重譲渡などのリスクを負うことになるため、登記を求める契約と比べて手数料が高く設定される傾向です。
また、2社間ファクタリングは、売掛先が契約に関与する3社間ファクタリングよりもファクタリング会社の回収リスクが高いため、一般的に手数料が高くなる傾向もあります。
個人事業主は債権譲渡登記を利用できない
債権譲渡登記不要、必要の判断は、2社間ファクタリングではファクタリング会社の契約条件によって異なりますが、実は個人事業主のファクタリングは事情が異なります。
個人事業主の場合、債権譲渡登記不要なのではなく、譲渡人として債権譲渡登記ができません。
つまり、個人事業主のファクタリングは2社間ファクタリングも3社間ファクタリング問わず、債権譲渡登記を行わない契約となります。
これにより個人事業主のファクタリングは選択肢がなくなってしまうわけではなく、個人事業主に対応したファクタリング会社もあります。
こうしたサービスでは、債権譲渡登記を求められることなく、個人事業主も2社間ファクタリングを利用できます。
クラウドソーシングサイトには提携している個人事業主向けファクタリングサービスもあるので、利用条件を確認したうえで検討するとよいでしょう。
債権譲渡登記不要と混同されやすい「償還請求権なし」とは?
債権譲渡登記不要と混同されがちなのは償還請求権なし(ノンリコース契約)です。両者は別物です。
償還請求権があると、売掛先から回収できなかった場合のリスクを利用者が負うことになります。例えば、譲渡した売掛債権を100万円の回収できない場合、契約内容に基づいて利用者が債権の買い戻しや金銭の支払いを求められる可能性があります。
それが不要なのがノンリコース契約ですが、その契約は債権譲渡登記とは無関係です。
一般的なファクタリングでは、償還請求権がないノンリコース契約が採用されています。償還請求権や買戻し義務が定められている場合は、契約内容を十分に確認することが大切です。
「債権譲渡登記不要」&「償還請求権がない(ノンリコース契約)」はそれぞれ意味が異なるため、登記の要否だけでなく、売掛先が支払わなかった場合の負担についても確認しましょう。
債権譲渡登記の有無を踏まえたファクタリングの選び方
- 3社間ファクタリングは登記を省略できることが多い
- 2社間ファクタリングの中に債権譲渡登記が必要なものもある
- 2社間ファクタリングで債権譲渡登記不要で利用できる会社がある
- 個人事業主は譲渡人として債権譲渡登記を利用できない(登記不要ではなく「できない」
債権譲渡登記不要で利用できるファクタリングがある一方、2社間ファクタリングの中には債権譲渡登記を求めるところもあります。
ファクタリングによる資金調達の迅速性を考えると、債権譲渡登記不要の契約は選択肢の一つですが、登記を行う場合と比べて手数料が高くなる可能性もあります。
かといって登記不要の3社間ファクタリングは、時間がかかる(売掛先の同意手続き)傾向があり、ファクタリングの利用を知られることになります。
売掛先に知られる可能性を抑えたいならば2社間ファクタリングが選択肢になりますが、2社間ファクタリングで債権譲渡登記すると、登記情報を確認されて知られることになるかもしれません。
知られたくない場合は「債権譲渡登記不要の2社間ファクタリング」を検討するとよいでしょう。
「売掛先に知られる可能性」「資金調達のスピード」「手数料」など、何を優先するかで、選ぶファクタリングが変わります。それぞれの契約条件を比較したうえで選びましょう。
【補足】法人がファクタリングを利用する際の商業登記
ここまで債権譲渡登記について登記不要かどうか解説しましたが、そのほかにもファクタリングでは、会社の商業登記簿謄本の提出が求められることがあります。
商業登記簿謄本は主に法人が提出する書類であり、登記制度がない個人事業主の場合、商業登記簿謄本はありません。個人事業主の場合は、開業届などの提出を求められることがあります。
会社の場合、設立登記によって法人が成立するため、登記が完了して商業登記簿謄本を取得する前の利用はできない可能性があります。
個人事業主からの法人成りや、新たに会社を設立するケースでは、設立登記の完了前後で申し込み時の事業形態が異なります。
法人としてファクタリングを申し込む場合は、会社設立登記が完了し、商業登記簿謄本など、法人の存在や代表者を確認できる書類を提出できることが利用条件となる場合があります。
必要書類はファクタリング会社によって異なるため、設立登記が完了して間もない場合や法人成りの直後に申し込む場合は、事前に確認しましょう。
まとめ:債権譲渡登記不要のファクタリングならNo.1のファクタリングへ相談
3社間ファクタリング、売掛先への通知や承諾によって対抗要件を備えられるため、債権譲渡登記を省略できることが多いです。
2社間ファクタリングの一部に債権譲渡登記が必要なものがありますが、登記不要で利用できるサービスもあります。
とはいえ、2社間ファクタリングにおいて債権譲渡登記不要で契約すると、ファクタリング会社が二重譲渡などのリスクを負うため、登記を行う場合と比べて手数料が高くなる可能性があります。
一方、債権譲渡登記不要のファクタリングは、登記にかかる費用や手続きを省略できるため、資金化までの時間を短縮しやすい点がメリットです。
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