カテゴリー: ファクタリング
ファクタリングはどのくらいの値段で買い取ってもらえるのか?相場や買い取りの計算法を紹介!
ファクタリングは融資と異なり、売掛債権の買い取りによる資金調達方法です。
融資の場合は利息がいくらになるのかが重要な要素ですが、ファクタリングは融資ではなく売買なので、その値段が重要になります。
売掛債権に高い値段が付けば、みなさんが手にする現金も高額になります。なるべく高い値段で売るのがファクタリングで資金調達する際の最重要要素です。
ファクタリングには利息、金利が存在しません。だから何よりも買い取りの値段、買い取り価格が重要になるのです。
今回はファクタリングによる買い取りの値段やその相場、少しでも高い値段で買い取ってもらえるようなポイントについて解説していきます。
ファクタリングによる買い取りの値段はこう決まる!
まずファクタリングによっていくらで買い取ってもらえるのか、値段の付き方について解説します。
ファクタリングの値段は以下の公式で決まります。
ファクタリングの値段=(ファクタリングする売掛金の値段×掛け目)-(ファクタリングする売掛金の値段×掛け目)
になります。
ここでまず知っていただきたいのが「掛け目(かけめ)」です。掛け目は買取率のことを指します。
ファクタリング会社がファクタリングで買い取っても、一定の可能性で回収不能になるリスクがあります。
また、初回利用者など「信用」がまだない人に対しては、満額に近い値段で買い取っても、返済しない、そのまま消えてしまうというリスクがあります。
十分な信用を得るまでは、買取率を下げて、ファクタリング会社が負うリスクを減らしていきます。これは融資には信用情報照会がありますが、ファクタリングには信用情報照会がないことも影響しています。
ファクタリングは融資のように共通の信用情報データベースがないので、それぞれのファクタリング会社がリスク判断しなければならず、買取率の設定はそのリスクヘッジの方法として考えられたものです。
もちろん、利用者からすれば買取率(掛け目)が高い方が、高い買い取りの値段がつくのでおすすめとなりますが、そこはファクタリング会社もシビアになります。最初買取率が低くても、利用していくとどんどん高くなるファクタリング会社は、お客様を見る目や売掛債権に対する審美眼があり有能な会社と言えるでしょう。
実際に買い取りの値段を計算してみましょう。この事例は後段でも触れますので覚えておいてください。
-
A社はB社に原料を販売して、掛売をしています。
売掛金200万円、手数料率10%、掛け目(買取率)90%のファクタリングの場合、ファクタリングの値段は
(200万円×90%)-(200万円×90%×10%)=180万円-18万円=162万円
になります。
売掛金入金日が到来すると、A社はファクタリング会社C社に200万円を振り込みます。しかし買取率90%なので、買い取らなかった200万円×10%=20万円についてはC社からA社へ返還されます(あるいは最初から180万円の支払いとなります)。
ファクタリング利用者A社は、200万円の売掛金を162万円の値段で売って、18万円の手数料を支払い、掛け目額の20万円は自分のものにできる、というシステムになります。
手数料率が高くなれば、当然手数料の値段も大きくなり、売掛金の額面から実際に資金調達できる値段は安くなります。
重要なのは手数料(ファクタリングの儲け)の多寡、そして買取率の高低になることがわかります。
ファクタリングの手数料を決めるもの
ファクタリング手数料がファクタリングの値段を決める重要なファクターになります。
ファクタリング手数料の相場
ここで手数料率の相場を見てみましょう。
2社間ファクタリング:10%~20%(20%超の場合要注意)
3社間ファクタリング:1%~9%(10%超の場合要注意)
2社間ファクタリングで手数料率20%超、3社間ファクタリングで手数料率2桁の場合、要注意です。悪徳ファクタリング会社の可能性があるので、その基準を超えて提示された場合、ファクタリング契約をしないほうがいいかも知れません。
特に2社間ファクタリングで手数料率30%などになれば、年利に直すと数百%相当になります。こうなると実際にファクタリングで買い取る値段は大きく下がります。
基本的にファクタリング会社が儲かる可能性が高いものは手数料を低く(買い取る値段が高く)、回収できないリスクのあるものは手数料を高く(買い取る値段は低く)設定しています。
ファクタリングの種類によっても手数料率が異なります。通常の2社間ファクタリング、3社間ファクタリングは「買取ファクタリング」というカテゴリになります。
ファクタリングの種類 | 手数料率 |
---|---|
内容 | 詳細 |
買取ファクタリング | 2社間ファクタリング 10%~20% |
3社間ファクタリング 1%~9% | |
診療報酬ファクタリング | 0%台~2% |
国際ファクタリング | 1%~2% |
保証ファクタリング | 2%~15% |
ファクタリングの手数料を決める要因
・2社間、3社間以外のファクターでもファクタリング手数料額は上下する
・要因としては「売掛先の信用度」「利用者の評判、経営内容」「売掛金額」「償還請求権の有無」「債権譲渡登記の有無」「利用回数」などがある
2社間ファクタリング、3社間ファクタリングの違いも大きいのですが、それ以外にもファクタリング手数料を決める要因、要素があります。これにより手数料が高くなればファクタリングの値段が下がり、手数料が低くなればファクタリングの値段が上がります。
売掛金の信用力
売掛先が大企業や行政機関であれば倒産の可能性はほぼゼロなので手数料が低くなります。
一方、個人事業主や聞いたことがない中小企業が売掛先の場合、回収できない可能性があるため、ファクタリング会社はリスクヘッジのために手数料を高くします。
利用者の評判、経営実態
ファクタリングは依頼主(債権者)側の事情をあまり審査で考慮しないのがメリットとして挙げられますが、それでもまったく審査に影響しないというわけではありません。
明らかに倒産しそうな場合は、その売掛金を裁判所から差し押さえられてしまうかもしれません。当然リスクが高くなり手数料も高くなります。
また経営者の人となりも影響します。検索すると過去の犯罪歴が出てくるような人だと、信用情報照会しなくても「信用」は得にくいです。
そうした属人的な事情も影響します。
売掛金額の多い、少ない
償還請求権の有無償還請求権がないのがファクタリングの原則ですが、今でも償還請求権付きのファクタリング契約をしているところがあります。
償還請求権があれば貸し倒れになっても、そのリスクは債権者(依頼主)に行くのでファクタリング会社のリスクは低くなります。そのため、手数料率が低くなることがあります。
しかし、ファクタリングの多くは償還請求権のないノンリコース契約です。したがって、値段に影響するような要素にはならないかもしれません。
いくら手数料率が低くても、償還請求権付きのファクタリング契約は、ファクタリングのメリットを消してしまうものなのでやめた方が無難です。
債権譲渡登記の有無
ファクタリングの利用回数初回は手数料が高くなります。そして何度も利用して「お得意様」になるほど、手数料率が下がります。また買取率も高くなります。
優良顧客にサービスするのは当たり前ですね。
ファクタリングの掛け目(買取率)を決める要因
ファクタリングの手数料を決める要因については以上になりますが、もう1つ、ファクタリングの値段を決める要素として「掛け目」(買取率)の基準を紹介します。買取率が高ければ、ファクタリングの値段も上がり、資金調達額が増えます。
ファクタリングの種類による掛け目
どのファクタリングがどのくらいの掛け目なのか以下になります。あくまで相場ですが、売掛先からの売掛金回収ができなくなった(貸し倒れになった)場合の「保険」として機能する国際ファクタリングと保証ファクタリングの掛け目が100%であることに注意してください。
逆にこれらのファクタリングは、売掛先から回収不能にならない限り、1円も値段がつかず、手数料を「保険料」として支払い続けることになります。
- 2社間ファクタリング:65%~80%
- 3社間ファクタリング:80%~90%
- 診療報酬ファクタリング:90%~95%
- 介護報酬ファクタリング:80%前後
- 国際ファクタリング:100%
- 保証ファクタリング:100%
初回は掛け目が低く、2回目以降掛け目が上がる
初回は実績がない=信用がないので、少ない値段での買い取りになります。つまり掛け目の数字が低くなります。
その後、どんどん利用していき信用を得ていくにつれて高い値段で買い取りできるようになり買取率が上がっていきます。
2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が掛け目が高い
3社間ファクタリングはファクタリング会社が売掛先から直接売掛金を回収します。事例ならば、C社がB社から売掛金を回収しますので、債権者A社は間に入りません。
貸し倒れリスクが低くなるため、買取率が高くなり、高い値段で買い取ってもらえるようになります。
売掛先が大企業や行政機関の場合掛け目が高い
手数料と同じく、売掛先の信用度が高いと貸し倒れになるリスクが下がるので、掛け目(買取率)は高くなります。高い値段で買い取っても、回収できる可能性が高いからです。
高い値段で買い取れば、ファクタリング会社の掛け目も上がりますが利益が出ます。
具体的には誰もが知っている大企業や行政機関であれば貸し倒れになるリスクが小さい(あるいはない)ので掛け目が高くなります。
診療報酬ファクタリングの場合は、国民健康保険や社会保険組合が売掛先になり、倒産リスクがないので高い買取率で値段が上がります。
個人事業主や知らない零細企業の場合は、リスクのため掛け目が下がります。
ファクタリングにより買い取りの値段は余計な諸費用がかからないことも重要
最初に
ファクタリングの値段=(ファクタリングする売掛金の値段×掛け目)-(ファクタリングする売掛金の値段×掛け目)
と書きましたが、それ以外の費用を請求してくるファクタリング会社があれば、買い取りの値段は下がってしまいます。
「事務手続き費用」「着手金」など、通常のファクタリング手数料以外に請求をするファクタリング会社はあまり見かけることはなくとも未だに存在しているでしょう。10年前、15年前には請求できたこれらの費用は、現在ではすべて手数料に含まれています。「着手金」は手数料ではない名目で手数料を取る目的です。
それなら最初から手数料だけで勝負している方が分かりやすく、内容も不明瞭であることから、これを請求するファクタリング会社については注意してください。
別途請求は悪徳ファクタリング会社の指標になります。
また、ファクタリング取引は法律で「非課税取引」になっています。つまり、ファクタリング手数料が安くても、別途消費税を請求するのは違法です。
「198円!(税込218円)」みたいな表記はよくありますが、ファクタリング手数料の値段は非課税であり、消費税は絶対にかかりません。ここは要チェックです。
ファクタリングの値段は手数料と掛け目(買取率)によって決まり、それはどのファクタリングを行うのか、売掛先の信用力、売掛先の額面など多様な要素によって左右されます。
少しでも高い値段で買い取ってもらうにはファクタリング会社の選定が重要! No.1のファクタリングで資金調達しよう
ファクタリングの値段は、手数料と掛け目(買取率)の関数です。関数を決める各種パラメーターはさまざまな要素が関係します。
したがって、信用できるファクタリング会社に依頼すべきです。信用できないファクタリング会社は手数料に消費税を含むなど(ファクタリングは非課税なので違法!)、あの手この手で諸経費の値段を吊り上げようとします。
これは不適切であり、手数料が低い、掛け目が高い、が優良なファクタリング会社になります。少しでも高い値段で買い取ってもらうため、ファクタリング会社を吟味してください。
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