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スタートアップの資金調達はファクタリングで!メリットと注意点も徹底解説
近年、中小企業を中心に普及しているファクタリング。
もちろん中小企業だけではなく、個人事業主や大企業、そしてスタートアップでも活用が広がっています。
スタートアップは成長力が旺盛であり、資金繰りには多額の現金を必要とします。
しかし事業立ち上げ時には、過去の業績による裏付けがなく、銀行融資などの外部資金調達が困難です。
そこで、内部資金調達であるファクタリングが役に立ちます。
この記事では、スタートアップの資金繰り・資金調達の特徴、スタートアップがファクタリングを利用するメリット、注意点などを詳しく解説します。
ファクタリングとは?
近年、徐々に普及している資金調達方法にファクタリングがあります。
世界的にみると歴史のある資金調達方法ですが、日本で普及が本格したのはつい最近のことです。
ここ数年、ファクタリングの普及には目覚ましいものがあり、業歴の長い会社からスタートアップ企業まで浸透しつつあります。
ファクタリングに関する知識も広がってきましたが、まだまだファクタリングを知らない人も多いことでしょう。
そこで、まずはファクタリングの基礎について簡単にお伝えします。
ファクタリングの定義
一口にファクタリングといっても、具体的なサービス内容は多岐にわたります。
日本において最も普及しているのは、会社が所有している売掛金を売却し、資金を調達する買取型のファクタリングです。
金融庁の公式HPでも、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
単に「ファクタリング」と表現する場合、多くは金融庁の定義にある「債権譲渡としてのファクタリング」を指します。
本稿でも、基本的にはこの定義に基づき解説していきます。
ファクタリングは債権譲渡取引
金融庁の定義からも分かる通り、ファクタリングは債権譲渡取引です。
これは、ファクタリングで売却する売掛金の性質を考えるとよく分かります。
信用取引では、取引先の信用に基づいて事前に商品・サービスを提供し、後日代金を受け取ります。
商品・サービスの提供後、売掛先に請求することで発生するのが、売掛債権の一種である売掛金です。
以下の通り、売掛金(売掛債権)の譲渡は民法によって認められています。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
一般的に、ファクタリングは「売掛金の売却」といわれますが、厳密には「売掛金の譲渡によって対価を受け取る債権譲渡取引」です。
もちろん、債権譲渡が民法で認められている以上、ファクタリングが合法であることは言うまでもありません。
スタートアップ企業でも安心して利用できます。
ファクタリングのビジネスモデル
ファクタリングで資金調達する際、売掛金の買い手となるのはファクタリング会社です。
ファクタリング会社は、企業から買い取りを依頼された売掛金を審査します。
審査は主に売掛金の支払人である売掛先に対して行われ、売掛先の支払能力に応じてファクタリングの可否と、手数料その他の条件を決定します。
売掛金の額面金額から手数料を差し引いて割安に買い取り、支払期日に満額回収することで利益を得る、これがファクタリングのビジネスモデルです。
したがって、ファクタリングによって調達できるのは、あくまでも手元に所有している売掛金の総額が上限となります。
もちろん、売掛金によっては買い取りを拒否されたり、手数料が高くなったりすることもあるため、額面金額からいくらか目減りするものと考えてください。
とはいえ、売掛金という資産(流動資産)を売却することで資金を調達するのですから、ファクタリングは内部留保による資金調達、すなわち「内部資金調達」にほかなりません。
融資や出資など、外部機関から資金を調達する「外部資金調達」とは根本的に異なる方法です。
後述の通り、スタートアップ企業は銀行融資を受けることが困難ですが、ファクタリングならば問題なく資金調達できます。
実際に、融資の代替手段としてファクタリングを活用するスタートアップ企業が増えています。
2種のファクタリング方式
なお、ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つの方式があります。
2社間ファクタリングは、ファクタリングを利用する会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式です。
売掛先が一切関与しないため、手続きの流れが簡素であり、資金調達のスピードにも優れています。
ファクタリング会社の多くは「即日対応」「翌日対応」などスピーディな対応を謳っていますが、これは基本的に2社間ファクタリングと考えてください。
一方、3社間ファクタリングは利用会社とファクタリング会社、そして売掛先も交えて取引します。
売掛先に対して債権譲渡通知を行う必要があり、資金調達にやや時間を要するのが難点です。
その反面、2社間ファクタリングよりも安い手数料で利用できます。
また、銀行系のファクタリングサービスでは3社間ファクタリングを基本としていることから、健全性の高さも特徴です。
この2種の方式のうち、スタートアップ企業では2社間ファクタリングの利用が一般的です。
スタートアップとファクタリング
スタートアップとファクタリングの関係を知るためにも、まずはスタートアップの資金繰り・資金調達の特徴をみていきましょう。
スタートアップとは?
近年、「スタートアップ」という言葉をよく聞くようになりました。
簡単に言えば、スタートアップとは革新的なテクノロジーやアイデアなどによって新たなビジネスモデルを生み出し、社会にイノベーションをもたらす企業のことをいいます。
スタートアップには以下の2通があります。
- 既存の企業が、革新的な新規事業を展開していくこと
- 新規開業の企業が、革新的なビジネスを展開していくこと
ただし、これは広義のスタートアップであり、一般的にはスタートアップといえば後者を指すことが多いです。
また、スタートアップと混同しやすい概念に「ベンチャー」があります。
ベンチャーとは、新規事業開拓を目的に起業した企業のことであり、スタートアップもベンチャーの一形態といえます。
強いて違いを挙げるならば、企業の成長速度です。
ベンチャーは幅広く使われる言葉ですから、成長速度のいかんにかかわらず「ベンチャー企業」と表現することも少なくありません。
これに対し、特に「スタートアップ企業」という場合には、新規開業後に短期間で急速に成長していく企業を指します。
スタートアップ企業の資金繰りの特徴
スタートアップの定義が分かると、スタートアップ企業の資金繰りの特徴も見えてきます。
資金需要が旺盛
資金需要が旺盛であることが、スタートアップの資金繰りの大きな特徴です。
上記の通り、スタートアップ企業は短期間で急速に成長していきます。
企業における「成長」とは、事業規模が拡大していくことにほかなりません。
事業規模が拡大するほど、スタートアップ企業の資金需要は活性化します。
売上が伸びるにつれて必要な運転資金は大きくなっていき、また成長力を持続するための投資も欠かせません。
それなりに業歴を重ねた会社であれば、すでに成長期を終えて安定期に入っているため、業績は安定するものです。
急速に売上が伸びていくことは少なく、ある程度定まった経常運転資金を調達すれば資金繰りは回ります。
しかしスタートアップ企業は、運転資金の増加分を絶えず調達し、旺盛な資金需要を満たしていかなければなりません。
逆に言えば、この資金需要に応えることができなければ成長が鈍ります。
後述の通り、スタートアップ企業の資金調達では出資がカギになることが多いです。
「短期間で急速な成長」という特性を失うと、スタートアップとしての魅力を大きく損ないます。
これによって出資離れを引き起こすと、資金繰りが困難になり、スタートアップ事業が破綻する可能性もあります。
手元資金が乏しい
手元資金が乏しいことも、スタートアップ企業の特徴といえるでしょう。
打ち出すテクノロジーやアイデアが革新性に優れているほど、スタートアップは成功しやすいかといえば、必ずしもそうとは言い切れません。
あまりにも革新的すぎる場合、理解を得られず資金を集めが難しくなるからです。
実際、歴史を変えた技術革新の中には、常識では測ることができなかったために資金繰りに苦労したケースが少なくありません。
資金集めに苦労すると、手元資金が乏しい中でスタートアップを始めることとなります。
単なる起業でさえ、創業時の手元資金が潤沢であるか、あるいは不足しているかによって、明暗が大きく分かれます。
ましてやスタートアップは成長力が最大の特徴であり、資金需要が旺盛なのです。
手元資金が不足していると、革新性が認められないうちに資金繰りが破綻し、スタートアップが頓挫する可能性が高いです。
計画のズレが生じやすい
良くも悪くも計画がずれやすいことも、スタートアップの資金繰りに影響します。
スタートアップの革新的なテクノロジーやアイデアは、その価値を認められるかどうかによって資金調達が大きく左右されます。
優れた投資家に価値を見出されたスタートアップは、多額の資金を調達できるでしょう。
この場合、従来の計画よりもスピーディに軌道に乗り、より積極的な成長戦略を採ることができます。
しかし、なかなか価値を見出されないスタートアップでは、資金調達に苦労して成長力が鈍り、計画の下方修正が続くことになります。
また、当初はスムーズに資金調達できても、その後の展開が計画通りに進まないことも珍しくありません。
このような計画のズレによって、資金繰りが回らなくなるスタートアップ企業は多いです。
スタートアップの資金調達方法
資金需要が旺盛、しかし手元資金が不足しがち…
スタートアップ企業がこの困難を乗り越えるためには、絶えず資金を調達しなければなりません。
では、スタートアップ企業の資金調達方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
考えられるのは以下の5つです。
出資
スタートアップの代表的な資金調達方法といえば出資です。
ごく普通な起業、例えば小さな飲食店を開いたり、自動車一台で軽運送業を始めたりする場合、起業家自身の貯金、縁故者からの借り入れ、金融機関の創業融資などによって資金を調達します。
このような事業には何ら革新性はなく、出資での調達は現実的ではありません。
事業が軌道に乗るまでの間は、開業時に調達した自己資金によって資金繰りを回していきます。
これに対し、スタートアップには革新性がありますから、出資による資金調達が可能です。
ベンチャーキャピタルから革新性を認められれば、起業家の貯金や金融機関の創業融資よりも多額の資金を調達できます。
しかし実際には、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けられるスタートアップはごく一握りです。
100件のスタートアップのうち、出資を受けられるのはせいぜい2~3件でしょう。
もちろん、ベンチャーキャピタルから出資を受けられずとも、エンジェル投資家から出資を受けられる可能性があります。
ただし、エンジェル投資家ではスタートアップの資金繰りに十分な資金を調達できない可能性があります。
機関投資家であるベンチャーキャピタルと、個人投資家であるエンジェル投資家では投資資金の規模が大きく異なるためです。
このように、スタートアップだからといって出資を受けられるわけではなく、十分な金額を調達できる保証もありません。
したがって、出資による資金調達を軸としつつも、他の資金調達方法を広く取り入れていくことが重要となります。
融資
出資以外の資金調達方法として、真っ先に思い浮かぶのが融資です。
スタートアップ企業が融資で調達する場合、民間金融機関からの資金調達は困難と考えてください。
というのも、民間金融機関は営利を目的としており、採算や貸し倒れリスクを測った上で判断するからです。
銀行は、本業から得られる利益を返済原資とみなすため、業績が安定しており、しっかりと利益が出ているかどうかを重視します。
いかに将来性があるスタートアップでも、事業を立ち上げる時点では何ら実績がなく、返済能力を証明することはできません。
さらに、上記のようにスタートアップの資金繰りは難しいのですから、銀行は「貸し倒れリスクが高い」と判断して融資を拒否する可能性が高いです。
そこで、スタートアップには日本政策金融公庫の創業融資や、地方自治体の制度融資などの公的融資が向いています。
日本政策金融公庫は、政府が100%出資する公的金融機関です。
民間金融機関のように営利を目的としておらず、社会的・経済的に有意義であればスタートアップ企業にも融資します。
制度融資は、地方自治体と信用保証協会が連携して債務を保証し、民間金融機関から保証付融資を受ける制度です。
スタートアップ企業が倒産して返済不能に陥っても自治体や信用保証協会が弁済するため、銀行は低リスクで融資することができます。
日本政策金融公庫の創業融資と、地方自治体の制度融資には色々な違いがありますが、特にスタートアップに影響するのは融資限度額でしょう。
日本政策金融公庫の創業融資は自己資金の9倍まで融資するのに対し、地方自治体の制度融資は自己資金と同額までしか融資しません。
例えば、出資によって既に500万円を調達しているスタートアップであれば、創業融資ならば4500万円、制度融資ならば500万円が調達上限となります。
融資上限だけを見ると創業融資の方が優れていますが、優遇措置は制度融資の方が優れています。
自治体によって異なりますが、制度融資は金利や保証料の補助を受けられることが多く、実質無利子で融資を受けられることも。
ただし、起業後の旺盛な資金需要を考えると、スタートアップには日本政策金融公庫の創業融資が適しているでしょう。
日本政策金融公庫が創業向けに行っている「新規開業資金」では、最大7200万円(運転資金は4800万円)まで融資しています。
まずは出資で調達を図り、ある程度まとまった自己資金を確保した上で最大9倍のレバレッジを効かせて、できるだけ大きく借り入れることを目指しましょう。
なお、新規開業資金は事業開始後7年以内のスタートアップ企業が対象となるため、起業後の資金調達にも利用できます。
クラウドファンディング
クラウドファクタリングは、インターネット上で出資を募り、不特定多数から資金を調達する仕組みです。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家に出資を募るよりもハードルが低いのが特徴です。
ただし、クラウドファンディングで出資を募るのは一般の個人ですから、個人は個人でもエンジェル投資家とは異なります。
大規模な案件では数千万円の調達に成功するケースもありますが、これは例外中の例外です。
クラウドファンディングの調達額の平均は150万円。
日本政策金融公庫の調べによると、創業融資の平均調達額は600~800万円が最頻値となっていますから、クラウドファンディングで調達できるのは開業資金のごく一部に過ぎません。
したがって、多額の資金調達を要するスタートアップ企業にとって、クラウドファンディングはあくまでも補助的な位置づけになるでしょう。
公的融資とクラウドファンディングを組み合わせることで調達額を増やせるほか、不特定多数に出資を募る過程でプロモーション効果も期待できます。
助成金・補助金
経済産業省の補助金制度の中には、特にスタートアップ企業を対象とする制度があります。
例えば、スタートアップチャレンジ推進補助金は、スタートアップ企業が成長過程で直面する課題(戦略立案・事業提携・海外展開・組織整備など)にかかる費用の一部を補助する制度です。
このほかにも、調べてみると色々な補助金が見つかることと思います。
注意したいのは、補助金は公募によって採択したスタートアップ企業に支給する点です。
公募にあたっては様々な資料の提出、専門家との面接などを行うため、それなりに負担になります。
一方、厚生労働省が実施している助成金制度は、要件を満たした全ての会社に支給する制度です。
スタートアップの立ち上げ後、人材確保や社内制度の整備などに要するコストの一部を、助成金によってカバーできる可能性があります。
助成金・補助金は起業時の資金調達ではなく、起業後の折々に積極的に活用していきましょう。
ファクタリング
スタートアップ立ち上げ後の資金繰りに最も役立つのがファクタリングです。
ファクタリングは、会社が所有している売掛金を早期資金化し、資金を調達する仕組みです。
スタートアップ企業が急速に成長し、売上がぐんぐんと伸びていく時、それに応じて手元の売掛金も増えていきます。
売掛金は信用取引によって生じる金銭債権で、「支払期日に売掛先から代金を受け取る権利」です。
逆に言えば、売掛金を持っていることによって、「支払期日まで売掛先の支払いを待つ義務」を負うともいえます。
売上が伸びるにつれて仕入費用や外注費用、宣伝広告費なども増加していき、手元資金はどんどん流出していきます。
しかし、手元の売掛金が現金に変わるには、支払期日を待たなければなりません。
このため、売掛金が増加するほど資金繰りが悪化していきます。
早急に手を打たなければ、収支のズレが資金ショートを引き起こし、最悪の場合には黒字倒産に至ります。
ファクタリングは、スタートアップの短期的な資金繰りに非常に効果的です。
売却できる売掛金が手元にたくさんあるのですから、それをファクタリングすることで手元資金を簡単に確保でき、資金ショートの危険を回避できます。
また下記の通り、ファクタリングにはスタートアップに役立つ多くのメリットを備えています。
スタートアップの資金調達は、開業資金は出資や融資で調達、開業後の運転調達はファクタリングで調達、と考えましょう。
スタートアップでファクタリングを利用するメリット
スタートアップで利用できる方法のうち、特に事業立ち上げ後の資金調達に役立つのがファクタリングです。
ここでは、スタートアップでファクタリングを利用するメリットを詳しくみていきましょう。
銀行融資よりもハードルが低い
スタートアップの立ち上げ後の資金調達では、まず融資が候補になります。
日本政策金融公庫の場合、起業時だけではなく起業後の数年間にわたって融資を受けることができ、スタートアップにとって有力な資金調達候補です。
しかしながら、融資は審査のハードルが高いことが問題です。
スタートアップが事業立ち上げ後の資金繰りに行き詰った場合、以下のようにかなり厳しい状況が予想されます。
- 当初から出資が集まらず、資金繰りが苦しい状況が続いていた
- 事業計画の立案が甘く、計画の下方修正が続いている
- 業績が改善する見通しが立たず、財務的な余裕もない
破綻したスタートアップをみてみると、このようなケースが非常に多いです。
出資による資金調達がうまく行かなかった理由は、スタートアップの革新性があまりにも高すぎるか、低すぎるかのいずれかです。
革新性が高すぎると理解を得られず、低すぎると魅力が乏しく、なかなか出資者が見つかりません。
民間金融機関は、業歴が短く業績が悪い会社には融資しないため、スタートアップは日本政策金融公庫から融資を受ける必要があります。
このとき重要なのが、事業計画書によってスタートアップの可能性を訴え、将来的な返済能力を基に融資してもらうことです。
しかし、このスタートアップは、当初の時点で出資者から見向きされず、起業後にも困難が続いています。
当初の計画は既に破綻しており、業績・財務改善の見通しも立たない状況です。
当然ながら、事業計画書には説得力がなく、日本政策金融公庫が融資してくれるとは考えにくいです。
しかしファクタリングは、このようなスタートアップでも利用できます。
なぜならば、融資が「融資先の返済能力」を重視するのに対し、ファクタリングは「売掛先の支払能力」を重視するためです。
ファクタリング会社は、売掛先の支払能力によって売掛金の価値・リスクを測り、額面金額よりも割安に買い取ります。
そして支払期日、売掛先から満額回収することによって利益を得るのです。
つまりファクタリング会社は、売掛先の支払能力に問題がなければ、たとえ利用会社が「事業性に問題を抱えているスタートアップ企業」であっても売掛金を買い取ります。
業績赤字が深刻、財務的な余裕がない、税金を滞納している…などの問題を抱えているスタートアップ企業も、ファクタリングならば資金調達できます。
業歴に関係なく利用できる
ファクタリングと融資の違いが分かれば、業歴の影響もみえてくるでしょう。
ファクタリングでは利用会社の業歴をあまり考慮しないのです。
そもそも、スタートアップが民間金融機関から融資を受けられない理由は、返済力が低いからです。
ここでいう「返済力がある」とは、「現在から将来にわたって(少なくとも融資期間中は)返済を継続できること」を意味します。
基本的に、創業からしばらくの間、スタートアップでは赤字が続きます。
利益が出ていないのですから、返済原資も確保できません。
過去の業績によって収益力を示すことができ、なおかつ黒字転換の見通しも立っているならば、赤字でも融資を受けられる可能性があります。
しかしスタートアップは、スタートアップゆえに業歴が短く、過去の業績によって収益力・返済力を示すことができず、今後の見通しも立ちにくい状況です。
したがって銀行は「貸し倒れリスクが高い」と判断し、融資を拒否します。
これに対し、ファクタリングは業歴が短いスタートアップでも利用できます。
利用会社の業歴が短い場合でも、売掛先の支払能力に問題がなければ良いのです。
これも、業歴が短いスタートアップ企業には大きなメリットとなります。
ただし以下のように、ファクタリング会社によって対応は様々です。
- 業歴1年未満のスタートアップでも利用可能
- 業歴1年未満のスタートアップは要相談
- 業歴1年未満のスタートアップは原則利用不可
- 業歴1年未満のスタートアップでも、1期目の決算を終えていれば利用可能
なお、No.1は業歴1年未満のスタートアップ企業でもご利用いただけます。
無担保・無保証で利用できる
スタートアップ企業が融資を受ける際、担保・保証の活用は困難でしょう。
業歴が短いスタートアップが十分な担保資産を持っているとは考えにくいです。
また、信用保証協会の保証枠は月商によって決まるため、起業後しばらく赤字が続くスタートアップは保証枠を確保できません。
そこで、無担保・無保証での資金調達が必要となります。
その点、ファクタリングは無担保・無保証が原則ですから、スタートアップに適した資金調達方法といえます。
そもそも担保や保証は、貸し倒れリスクに備えるためのものです。
融資先が返済不能に陥った際に、金融機関は担保資産を売却したり、信用保証協会から弁済を受けたりすることによって損失を回避します。
つまり、融資を受けて返済義務を負っているからこそ、担保・保証による保全が必要になるわけです。
ファクタリングは資産(流動資産である売掛金)の売却による資金調達方法であり、借入れではありません。
当然ながら返済義務はなく、「返済不能に備えるための担保・保証」の必要性は皆無です。
これによって、ファクタリングは無担保・無保証で利用できます。
日本政策金融公庫の創業融資も無担保・無保証で利用できますが、その場合には審査が厳しくなるのはもちろんのこと、金利が高くなるなどのデメリットが生じます。
無担保・無保証で資金調達したいスタートアップには、融資よりもファクタリングがおすすめです。
最短即日で資金調達できる
スタートアップ企業では突発的な資金需要が発生しやすく、しかし資金繰りには余裕がありません。
そこで、スピーディに調達できる方法を確保しておくことが極めて重要です。
数ある資金調達方法の中でも、ファクタリングは特にスピーディな資金調達方法です。
出資や融資に比べると、ファクタリングの方が圧倒的に素早く資金を調達できます。
出資で資金を調達する場合、まずはベンチャーキャピタルやエンジェル投資家と繋がりを作るところから始めなければなりません。
出資にこぎつけるには、綿密な事業計画書を作成し、出資者に対して粘り強く訴えていく必要があります。
出資を受けるまでに要する時間は不明ですから、スピーディな資金調達も不可能です。
日本政策金融公庫から融資を受ける場合、事業計画書(創業時の資金調達ならば創業計画書)を作成するほか、担当者の求めに応じて書類を提出したり、面接を繰り返したり、何かと手間がかかります。
また、日本政策金融公庫の支店は全国に152店舗しかなく、民間金融機関に比べると圧倒的に少ないです。
当然、ひとつの支店で多くの融資案件をこなす必要があり、審査がなかなか進まないこともあります。
このため、融資実行までに1ヶ月以上を要する珍しくありません。
これに対し、ファクタリングは最短数時間~即日で資金を調達できます。
ファクタリングの資金調達スピードは方式によって異なりますが、目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:最短即日
- 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
- オンラインファクタリング:最短数時間
2社間ファクタリングを提供しているファクタリング会社の多くは、最短即日対応を基本としています。
3社間ファクタリングは、売掛先が関与するためそれなりの時間を要しますが、それでも出資・融資とは比べ物になりません。
さらにスピーディなのがオンラインファクタリングです。
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングを完全にオンライン化した仕組みです。
申込から契約まで全てオンラインで完結するため、最短数時間で資金調達できます。
No.1のオンラインファクタリングも、最短60分入金の実績が多数ございます。
利便性が高い
利便性の高さも、ファクタリングの特徴のひとつです。
上記の通り、出資や融資は資金調達までに多くの時間を要します。
これは、単に待ち時間が長いというよりも、時間をかけて出資者や日本政策金融公庫と交渉するわけですから、多くの手間がかかります。
つまり、出資・融資といった資金調達方法は利便性が低いということです。
資金調達方法を選ぶ際、利便性もひとつの基準になります。
経営者は経営者の仕事があり、資金調達に時間をかけすぎることは好ましくありません。
スタートアップならば特にそうでしょう。
スタートアップの代表者は、急速に成長する事業を支えるために、事業計画の調整、テクノロジーやアイデアのさらなる研究、人材の確保、出資者との折衝などなど、多くの仕事を抱えています。
資金調達も大切な仕事のひとつですが、手早く資金調達できるに越したことはありません。
その点、ファクタリングは利便性に優れています。
2社間ファクタリングならば売掛先が関与しないため、売掛先に対して債権譲渡の承諾を取り付ける必要もなく、簡単な手続きによって資金調達できます。
ただし、従来の(オフラインの)2社間ファクタリングを利用する場合、契約時に対面で取引するのが基本です。
この手間を省くには、オンラインファクタリングが役立ちます。
オンラインファクタリングではクラウド契約を利用するため、対面取引は一切不要です。
多忙を極めるスタートアップ企業には、オンラインファクタリングをおすすめします。
貸し倒れリスクを回避できる
ファクタリングは、貸し倒れリスクの回避に役立ちます。
これも、スタートアップがファクタリングを利用する大きなメリットです。
なぜファクタリングで貸し倒れリスクを回避できるのかといえば、ファクタリング契約には償還請求権がない(ノンリコース)からです。
償還請求権とは、ファクタリング会社から利用会社に買い戻しを求める権利を意味します。
「償還請求権なし」の契約では、ファクタリングした売掛金が回収できなくなった場合、貸倒損失は全てファクタリング会社の負担となり、利用会社であるスタートアップ企業は何ら責任を負いません。
簡単な話、本来ならばスタートアップ企業が負うべき貸し倒れリスクを、ファクタリング会社が肩代わりしてくれるということです。
「償還請求権付きのファクタリングは?」という疑問を持つ人もいるでしょうが、そのようなファクタリングは存在しません。
というのも、償還請求権付きのファクタリングは、実質的に貸付けとみなされるためです。
これについては、金融庁の公式な見解によっても明らかです。
譲渡した債権の回収(集金)がファクタリング業者から売主に委託されており、売主が集金できなかった場合に、
○ 売主が債権を買い戻すこととされている
○ 売主自身の資金によりファクタリング業者に支払をしなければならないこととされている
などといったようなものについては、貸金業に該当するおそれがあります。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ここにある通り、何らかの場合に売主(スタートアップ企業)が債権(売掛金)を買い戻す条件(「償還請求権あり」の条件)で契約する場合、その業者はファクタリング業者ではなく貸金業者とみなされます。
当然、貸金三法の規制を受けることとなり、ファクタリング手数料の上限を年利換算で15~20%に制限されたり、金融庁に貸金業登録を求められたりします。
これらの規制を避けるために、正規のファクタリング会社は必ず「償還請求権なし」でファクタリングします。
もちろん、スタートアップも例外ではありません。
スタートアップは成長力が著しく、新規取引先の拡大もスピーディです。
となると、問題となるのは与信管理。
初めて取引する会社は信用力が不明なため、適切な与信額の設定が容易ではありません。
与信管理に失敗し、多額の売掛金が回収不能に陥る危険もあります。
新規取引が多く与信管理の必要性が高い、しかし適切な与信管理が困難…という、スタートアップ特有のジレンマがあるのです。
この問題を解消するためにも、スタートアップではファクタリングが役立ちます。
売掛先に知られず利用できる
ファクタリングの際、スタートアップ企業にとって気になるのが売掛先の反応でしょう。
基本的に、スタートアップの売掛先は大部分が新規取引先となります。
これから時間をかけて信用を築いていくのですから、信用の毀損は避けるべきです。
普及しつつあるとはいえ、ファクタリングはまだまだマイナーな資金調達方法です。
ファクタリングを装う違法業者が摘発されることもあり、ファクタリングに対して良くないイメージを持つ人も少なくありません。
そのため、売掛先にファクタリングの利用を知られると、資金繰り難を疑われ、今後の取引に支障を来す可能性があります。
さらに厄介なのが、出資者の存在です。
出資によって資金を調達した場合、出資者は経営に関与する権利があります。
何しろ、出資者はスタートアップの成長と企業価値の向上を期待して出資しているのです。
ファクタリングを利用したことで新規取引先の信用を失い、成長に何らかの悪影響を及ぼしたとなれば、出資者も黙ってはいないでしょう。
出資者が経営に口を出し、思い描いていた展開に水を差されるかもしれません。
これを避けるには、2社間ファクタリングがおすすめです。
2社間ファクタリングは売掛先が一切関与しないため、売掛先に知られずファクタリングできます。
したがって、売掛先の信用が悪化し、出資者の不満につながるリスクもないというわけです。
スタートアップだからこそ、2社間ファクタリングによって信用リスクに対処していきましょう。
スタートアップでファクタリングを利用する際の注意点
ただし、ファクタリングにも色々なデメリット・注意点があります。
スタートアップ特有の注意点をいくつかみていきましょう。
利用できるとは限らない
メリットにもある通り、ファクタリングは資金調達の難易度が低く、スタートアップでも問題なく利用できます。
とはいえ、必ず利用できるわけではありません。
少数ながら、業歴1年未満のスタートアップ企業を利用対象外とするファクタリング会社があります。
また、ファクタリング審査の結果、売掛先に問題がある場合には買い取りを拒否されます。
利用可能額の設定によってファクタリングできないこともしばしばです。
ファクタリング会社は利用限度額を設定しており、その範囲内でファクタリングを受け付けています。
大抵のファクタリング会社は数千万円まで対応していますが、中には数百万円を上限とするケースもあります。
さらに、ファクタリングする金額が大きくなるにつれて、審査は厳しくなるのが普通です。
ファクタリングは「償還請求権なし」ですから、多額の売掛金が貸し倒れになると、ファクタリング会社は深刻な損失を被ります。
多額の買い取りには、いきおい慎重にならざるを得ません。
スタートアップでは資金需要が旺盛ですから、まとまった資金調達が必要になることもあるでしょう。
しかし、その場合には審査が厳しくなり、ファクタリングを拒否される可能性があるため注意してください。
手数料負担に要注意
一般的に、ファクタリングは他の資金調達方法よりもコストが高いとされます。
スタートアップでは、この傾向は一層顕著です。
出資を受けて資金調達する場合、出資金には返済義務がないため調達コスト・資金繰り負担は軽微です。
融資の場合、日本政策金融公庫の創業融資や、地方自治体の制度融資は低金利で資金調達できるため、調達コストも安くなります。
特に制度融資であれば、自治体から金利の補助を受けられることも多いです。
これに比べると、ファクタリングの手数料はかなり高い水準です。
額面金額に対する手数料率の目安は、以下のように方式によって異なります。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
- オンラインファクタリング:額面金額の10%以下
高い手数料でファクタリングすると、ただでさえ苦しい資金繰りがさらに悪化する恐れがあります。
そこで、スタートアップ企業がファクタリングする際には、なるべく手数料が安いファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。
優良ファクタリング会社を選ぶことで、相場よりも安い手数料で利用できます。
ちなみに、No.1では手数料を以下のように設定しています。
- 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
- オンラインファクタリング:額面金額の2~8%
悪質業者を避ける
最後に、ファクタリングの際には悪質業者に注意してください。
ファクタリングに限らず、技術やサービスなどが急速に普及する際には、法整備が追い付かず悪質業者の温床になりやすいものです。
残念ながら、現在のファクタリング業界でも悪質業者が問題視されています。
政府はファクタリングの普及を推進しており、法整備にも積極的に取り組んでいますが、まだまだ規制が追い付いていない状況です。
実際に、新たにファクタリング業を始める際に許認可や免許は一切不要です。
貸金業者の場合、金融庁に登録せずに営業すれば無登録営業ですぐに摘発されます。
しかしファクタリングにはこのような登録制度もありません。
つまり、貸金業を開業すれば「ヤミ金業者」になる業者でも、ファクタリング業を開業すれば「ファクタリング業者」として営業できるのです。
もちろん、実態はヤミ金業者ですから、ファクタリングを謳いながら違法な貸付けを行います。
このような悪質業者を利用すれば、年利換算で数百~千%超の高金利の借金を背負ったり、違法な取り立てによって事業に支障を来す可能性が高いです。
スタートアップの場合、ヤミ金に手を出したという噂が広まってしまうと、出資者が手を引く恐れがあります。
出資者からの継続的な支援は、スタートアップにとって資金調達の要となるため、このような事態は何としても避けるべきです。
したがって、スタートアップ企業がファクタリングを利用する際には、悪質業者を避けることが大前提となります。
そのために効果的なのは、優良ファクタリング会社を利用することです。
No.1をはじめ、一部のファクタリング会社は優良ファクタリング会社としての評判を確立しています。
もちろん、違法行為の心配は全くありません。
優良ファクタリング会社を選び、安心・安全な資金調達に役立てましょう。
まとめ:スタートアップの資金調達はNo.1におまかせ
スタートアップの資金繰り・資金調達の特徴、スタートアップがファクタリングを利用する際のメリットと注意点について詳しく解説しました。
スタートアップの旺盛な資金需要をカバーするために、ファクタリングが非常に役立ちます。
事業立ち上げ後の資金繰りには、ファクタリングの活用をおすすめします。
ただし、そもそもスタートアップ企業は絶対数が少なく、スタートアップ企業を専門とするファクタリング会社は存在しません。
No.1は業界トップクラスの業歴と実績を誇り、あらゆる売掛金の買い取りに対応しています。
スタートアップ企業のファクタリングも、ぜひNo.1にお任せください。
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