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ファクタリングで求められる10種の必要書類とは?準備のポイント、メリット、注意点も詳しく解説
ファクタリングは資金調達のハードルが低く、中小企業の資金繰りに役立つ方法です。
とはいえ、ファクタリングにも審査があり、審査に通過して初めて契約・入金に至ります。
したがって、審査や契約にはいくつかの書類が必要となります。
スムーズに利用するためにも、事前に必要書類を知り、しっかりと準備しておくことが大切です。
そこで本稿では、ファクタリングで求められる10種の必要書類について詳しく解説します。
ファクタリングとは?
ファクタリングの必要書類を理解する前提として、まずはファクタリングの基本について解説します。
ファクタリングの定義
日本におけるファクタリングの歴史は浅く、ファクタリングに対する認識も様々です。
ファクタリング会社によって認識が異なる場合もありますが、実際のところ、ファクタリングの定義はどのように考えるべきなのでしょうか。
ファクタリングとは、会社が所有している売掛金をファクタリング会社に売却する資金調達方法です。
売掛金は信用取引によって発生するもので、支払期日に代金を受け取る権利のことです。
つまり、売掛金は売掛債権の一種であり、貸借対照表では資産の部の流動資産に計上されます。
したがって、ファクタリングは資産売却による資金調達であり、法的には債権譲渡取引に分類されます。
現時点では、これをファクタリングの定義と考えてよいでしょう。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
即日で資金調達できるファクタリング
ファクタリングには色々なメリットがありますが、特に大きなメリットはスピーディに資金調達できることです。
これが、ファクタリングが中小企業から支持されている大きな理由です。
ほとんどの資金調達方法は、実際に資金を調達するまでにそれなりの期間を要します。
銀行融資ならば、数週間~1ヶ月で融資実行に至るのが普通です。
これは、銀行が融資先の経営状況、とりわけ返済能力を厳しく審査するためです。
ノンバンクのビジネスローンでは、即日融資を謳っていることも多いですが、数日~1週間程度は見積もっておくべきでしょう。
これに対し、ファクタリングは最短即日で資金を調達できます。
ファクタリングの審査は主に売掛先に対して行い、手続きも簡素なため、スピーディな対応が可能です。
ファクタリングの安全性
ファクタリングは資金調達スピードに優れており、そのスピードを実現するための一要素として、必要書類の少なさが挙げられます。
これを聞いて、ファクタリングの安全性に疑いを抱く人もいるかもしれません。
確かに、資金調達スピードに優れており、なおかつ必要書類が少ないとなると、違法な仕組みを彷彿とさせます。
実際、違法な貸金業者には、少ない必要書類でスピーディに利用できるものも少なくありません。
しかし、ファクタリングは合法的な仕組みです。
金融庁の定義にもある通り、ファクタリングは法的に債権譲渡に分類されます。
これがファクタリングの法的根拠といえます。
というのも、民法第466条では債権譲渡を認めているのです。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
これを読めば、債権譲渡が合法であることは明らかであり、債権譲渡の一種であるファクタリングもまた合法といえます。
この法的根拠は、資金調達スピードや必要書類の内容に左右されるものではありません。
スピーディに調達でき、必要書類が少ないとしても、それが債権譲渡としての要件を備えている限り合法です。
少ない必要書類で安全に資金調達できるのが、ファクタリングの魅力のひとつといえるでしょう。
ファクタリングの方式
一口にファクタリングといっても、ファクタリングにはいくつかの方式があります。
ファクタリングの方式を大きく分けると以下の3つです。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの大きな違いは、売掛先の関与にあります。
2社間ファクタリングは売掛先が関与しない方式です。
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングの応用ですから、同じく売掛先は関与しません。
売掛先が関与しないことにより、手続きが簡単であること、スピーディに資金調達できること、必要書類が少ないことなどがメリットです。
これに対し、3社間ファクタリングは必ず売掛先が関与します。
売掛先の関与なしには成立しないため、手続きが煩雑になりやすく、2社間ファクタリングほどにはスピーディに調達できません。
また、3社間ファクタリングは銀行やノンバンク、あるいは大手企業の系列のファクタリング会社が好む方式です。
それだけに、審査も厳しく行われる傾向があり、必要書類が多くなることもあります。
ファクタリングの必要書類
資金調達の際、スピードや利便性を大きく左右するのが必要書類です。
作成に専門知識を要する必要書類が含まれていたり、必要書類の数が多かったりする場合、資金調達のハードルもおのずと高くなります。
銀行融資のハードルが高い理由のひとつは、必要書類が複雑であることです。
銀行は、融資先の現在の返済能力だけではなく、将来(少なくとも融資期間中)の返済能力まで見積もり、貸し倒れリスクが低いと判断した場合に限って融資を実行します。
それだけに、審査の必要書類も多岐にわたります。
過去数期分の決算書のほか、返済計画書、事業計画書など、作成に手間がかかる必要書類も少なくありません。
また、スムーズに融資を受けるためには、銀行から求められずとも、定期的に試算表を提出するのが賢明です。
これに対し、ファクタリングは必要書類が少なく、すぐに用意できる必要書類だけで利用できます。
必要書類が徐々に少なく
ファクタリング業界の近年の傾向として、特に顕著なのが仕組みの簡素化です。
ファクタリング市場の急速な成長に伴い、ファクタリング会社の数は増加の一途をたどっています。
ファクタリング会社同士の競合も年々激しくなっており、各社はサービス改善に取り組むことで、顧客獲得を目指しています。
この流れの中で、仕組みを簡素化し、利便性の向上に取り組むファクタリング会社が増えているのです。
この傾向は、必要書類に表れています。
数年前まで、ファクタリングの際に多くの必要書類を求められるのが普通でした。
作成に手間がかかる必要書類は少ないものの、取得に時間がかかる必要書類も多かったのです。
しかし、最近では少ない必要書類で利用できるファクタリング会社が増えています。
No.1のように、3~4点の必要書類で利用できるケースも徐々に増えてきました。
オンライン化も、この流れを後押ししています。
オンラインファクタリングは、申し込みから契約まで全てオンラインで完結する方式です。
従来の手続きでは欠かせなかった必要書類が、オンラインの活用によって不要となり、より少ない必要書類でファクタリングできます。
少ない必要書類でファクタリングが主流に
ファクタリングの普及は始まったばかりです。
政府はファクタリングを推奨しており、法整備にも積極的ですが、まだまだ不十分な状況が続いています。
したがって、ファクタリング会社ごとのサービス内容にもばらつきが大きく、必要書類の点数もファクタリング会社によって様々です。
とはいえ、今後は「少ない必要書類でファクタリング」が主流になっていくでしょう。
ファクタリングを利用する会社(以下、利用会社)のほとんどは、利便性や資金調達スピードを重視します。
多くの必要書類を求めるファクタリング会社は、新規顧客の獲得が困難となり、深刻な顧客離れを引き起こします。
ファクタリング業界で生き残っていくためにも、全てのファクタリング会社は、必要書類を減らす努力を迫られているのです。
利用会社としても、必要書類の多いファクタリング会社は避けるべきでしょう。
必要書類が多く、顧客の満足度が低いファクタリング会社は、徐々に経営が悪化し、サービスを改善する余裕もなくなっていきます。
そのようなファクタリング会社では、好条件でのファクタリングも期待できません。
必要書類が少なく、好条件で利用できるファクタリング会社を選ぶことを心掛けましょう。
必要書類を揃える上での留意点
ファクタリングの必要書類を揃えるうえで知っておきたいのは、以下の3点です。
- 審査時の必要書類と、契約時の必要書類があること
- ファクタリングの必要書類は、ファクタリング会社によって異なること
- 同じ必要書類でも、ファクタリング会社によって提出のタイミングが異なること
上記の通り、ファクタリングの必要書類は減少傾向にありますが、必要書類の点数はファクタリング会社によってバラバラです。
また、ファクタリング会社との取引歴、売却する売掛金の金額、回収サイト、その他様々な要素によって、必要書類が追加されることもあります。
このほか、ファクタリング会社Aでは契約時に求める必要書類を、ファクタリング会社Bでは審査時に求めるといったことも珍しくありません。
したがって、ここから解説する内容は、あくまでも一般的なものと考えてください。
具体的な必要書類については、利用時にファクタリング会社に直接確認することをおすすめします。
ファクタリング審査の必要書類
まずは、ファクタリング審査時の必要書類からみていきましょう。
ファクタリング会社に申し込むと、受付スタッフが簡単なヒアリングを行った後、手続きの流れや必要書類について説明します。
この時に求められるのは、ファクタリング審査のための必要書類です。
主に買取を依頼する売掛金を知るための必要書類であり、これによってファクタリング会社は買取の可否やファクタリングの条件を決定します。
一般的に、ファクタリング審査時の必要書類は以下の6点です。
1.売却予定の請求書
ファクタリングの必要書類のうち、最も重要なのが請求書です。
このほかの事業者区分やファクタリング方式、売掛金のその他の要素を問わず、請求書は例外なく求められます。
買い取るべき売掛金の情報を把握できない以上、ファクタリング会社は受け付けることができません。
つまり請求書は、売掛金の基本情報を知るための必要書類です。
請求書には、売掛先(売掛金の支払人)、請求金額(売掛金の額面金額)、支払期日(売掛金の回収サイト)などが記載されています。
これによって、ファクタリング会社は審査対象の売掛先を知り、額面金額や回収サイトから採算を知ることができます。
もっとも、売掛先に請求書を発行することで売掛金が確定するのですから、請求書は手元にあるはずです。
それを提出すれば問題ありません。
2.その他のエビデンス
ファクタリング会社によって対応が分かれるところですが、何らかのエビデンスを求める場合があります。
エビデンスとは、請求内容を裏付けるための必要書類です。
例えば、発注書や納品書などがエビデンスとなります。
このほか、売掛先の会社名、取引内容、債権金額、支払日など、請求内容の裏付ける書面であれば、必要書類として利用できることが多いです。
エビデンスの必要については、ファクタリング会社に直接尋ねるのが良いでしょう。
3.入出金明細(通帳コピー)
入出金明細は、全てのファクタリング会社でも必ず求められる必要書類です。
個人事業主向けの少額ファクタリングに特化したサービスでは、入出金明細を求めないケースが見られます。
しかし、法人がファクタリングを利用する場合には、オンライン・オフラインを問わず、ほぼ例外なく必要と考えてください。
というのも、入出金明細はファクタリング審査に欠かせない必要書類だからです。
ファクタリング審査では、その売掛金を買い取ることによって生じるリスク(回収不能リスク)を測ります。
そのためには、売掛先(買い取る売掛金の支払人)の支払能力の安定性を知る必要があります。
そこで、一定期間の入出金明細を確認することで、売掛先の支払いが安定しているかどうかを把握するのです。
直近数ヶ月以内に、支払いの遅延や未回収がある場合、ファクタリングを拒否されるのが一般的です。
逆に、支払いが安定していれば好条件でファクタリングできる可能性が高まります。
入出金明細に利用するのは、通帳コピーが最も一般的です。
事業に利用している銀行口座の通帳コピーを数ヶ月分提出します。
提出する期間はファクタリング会社によって異なり、直近2ヶ月分だけで良い場合もあれば、直近6ヶ月分を求めるファクタリング会社もあります。
4.決算書
決算書も、ほとんどのファクタリング会社が求める必要書類です。
ただし、提出するタイミングが異なる場合があり、審査時に求めるファクタリング会社もあれば、契約時に求めるファクタリング会社もあります。
法人ならば決算書、個人事業主ならば確定申告書を提出します。
決算書は、直近1~2期分を求められるのが一般的です。
あくまでも決算書一式が必要書類となるため、貸借対照表・損益計算書・勘定科目明細書を揃えて提出します。
なぜ決算書が必要になるかといえば、利用者による詐欺行為を防止するためです。
決算書は、売掛金の存在やファクタリングの合理性を裏付けるのに役立ちます。
例えば、決算書の売上規模に対して、買い取りを依頼する売掛金の額面金額が大きすぎる場合、架空の売掛金や不良債権が含まれている可能性が高いです。
また、勘定科目明細書には売掛金の内訳書も含まれるため、これも依頼の正当性を確かめるのに役立ちます。
近年では、決算書を求めないファクタリング会社も徐々に出てきました。
しかし、決算書はすぐに準備できる必要書類ですから、決算書の提出の有無はさほど問題にならないでしょう。
なお、利用会社が創業1年未満であれば、手元に決算書がありません。
その場合には、ファクタリング会社に相談することをおすすめします。
ファクタリング会社の多くは、創業1年未満の会社でも問題ありません。
5.売買基本契約書
ファクタリング会社によっては、売買基本契約書も必要書類となります。
売買基本契約書は、利用会社と売掛先がどのような取引をしているか、またどれくらいの期間にわたって取引を継続しているかを知るための必要書類です。
売買基本契約書には、信用取引に関するあらゆる情報が記載されています。
例えば、契約書には代金の支払いに関する情報(月末締め、翌月〇日に支払いなど)が記載されており、これを請求書や通帳コピーと照らし合わせることによって、売掛先の支払いの安定性を知るのに役立つというわけです。
また、契約締結日が古ければ、長期にわたって安定した取引を継続していることが分かり、売掛先の信用が高まります。
売買基本契約書の内容から、売掛先の信用が高いと判断されれば、好条件でファクタリングできる可能性が高いです。
このほか、契約における特約も参考にします。
このとき問題になりやすいのが譲渡禁止特約。
譲渡禁止特約とは、売掛金を第三者に譲渡することを禁止する特約です。
法改正により、譲渡禁止特約付きの売掛金でも、法的に譲渡できるようになりました。
とはいえ、この特約があることによって、回収時にトラブル(売掛先が支払いを拒否するなど)を招く恐れがあるため、ファクタリング会社によっては買い取りを渋ります。
譲渡禁止特約の有無を把握するためにも、売買基本契約書が必要書類となるのです。
なお、ファクタリング会社によっては、売買基本契約書を求めないケースもあるほか、審査時ではなく契約時に求められることもあります。
6.残高試算表
ファクタリング会社によっては、必要書類として残高試算表を求めます。
残高試算表は、勘定科目別に残高をまとめた一覧表です。
月末や期末時点での売掛金の残高が分かるため、審査の材料になります。
上場企業系列の大手ファクタリング会社は、審査の精度を高めるために残高試算表を求めることがあります。
ただし、多くのファクタリング会社は残高試算表を必要書類としていないため、通常は必要ありません。
ファクタリング契約の必要書類
ファクタリング審査の必要書類は、多くのファクタリング会社で共通するものです。
これに対し、ファクタリング契約の必要書類は、ファクタリング会社によって対応が大きく異なります。
取得に手間のかかる必要書類を求められることもあるため、契約時の必要書類が少ないファクタリング会社を選ぶことで、より手軽に資金調達できます。
契約時の必要書類が特に少ないのはオンラインファクタリングです。
これらの点を踏まえて、ファクタリング契約の必要書類をみていきましょう。
1.代表者の身分証明書
代表者の身分証明書は、大抵のファクタリング会社が求める必要書類です。
これは、第三者によるなりすましなど、詐欺行為を防止するための必要となります。
個人事業主ならば事業主本人の身分証明書、法人ならば法人代表者の身分証明書が必要書類となります。
免許証・マイナンバーカード・パスポートなど、普段から使っている身分証明書を提出すれば問題ありません。
2.履歴事項全部証明書
ファクタリング契約の必要書類として、履歴事項全部証明書が必要です。
一般に「登記簿謄本」と呼ばれるものには、履歴事項全部証明書、現在事項証明書、閉鎖事項証明書など、いくつかの種類があります。
そのうち、利用会社の現在の登記情報、過去に変更された登記情報を記載するのが履歴事項全部証明書です。
商業上の手続きや契約では、基本的に履歴事項全部証明書を求められます。
このため、ファクタリング会社から必要書類として「登記簿謄本」を求められた場合にも、「登記簿謄本=履歴事項全部証明書」と考えて差し支えありません。
ファクタリングは債権譲渡取引の一種であり、利用会社とファクタリング会社における商業契約です。
契約を結ぶためには、契約する相手のことを知っておく必要があるため、ファクタリング会社は履歴事項全部証明書を求めるのです。
もっとも、近年では履歴事項全部証明書を不要とするファクタリング会社も増えています。
特に、履歴事項全部証明書は書面で契約する際の必要書類ですから、オンラインファクタリングでは不要です。
注意したいのは、履歴事項全部証明書の取得には手間がかかることです。
取得申請に手間がかかるほか、交付に時間がかかることもあります。
即日ファクタリングを希望するならば、審査と契約が同日となるため、履歴事項全部証明書を取得する余裕がないことも多いです。
その場合には、履歴事項全部証明書が不要のファクタリング会社を選ぶ、あるいはオンラインファクタリングの利用をおすすめします。
3.印鑑証明書
書面で契約する際、契約書には署名のほか、実印での押印が必要です。
このため、代表者本人の実印と印鑑証明書、ならびに利用会社の実印と印鑑証明書が必要書類となります。
あくまでも書面契約の必要書類ですから、オンラインファクタリングを利用する場合には不要です。
印鑑証明書も、取得に手間がかかるため要注意です。
代表者本人の印鑑証明書は代表者の住民登録地の市町村で、法人の印鑑証明書は本店所在地の管轄法務局でしか取得できません。
履歴事項全部証明書以上に手間がかかることから、最近では印鑑証明書を求めない、契約時には求めず後日提出で良いなど、柔軟に対応するファクタリング会社が増えています。
4.納税証明書
ファクタリング会社によっては、納税証明書を求めるケースがあります。
多くのファクタリング会社は、納税証明書を必要書類に挙げておらず、追加書類としての扱いが一般的です。
納税証明書は、利用会社が税金をきちんと納付しているかどうかを知るための必要書類です。
銀行の審査では、税金の滞納は一発アウトになる悪材料ですが、ファクタリングは税金を滞納している会社でも利用できます。
とはいえ、ファクタリング会社も税金の滞納を軽く考えているわけではありません。
税金の滞納が過剰であれば、利用会社は税務署から差し押さえなどの強制執行を受ける可能性があります。
特に問題となるのが、2社間ファクタリングを利用する場合です。
2社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社の2社間で取引する方式で、売掛先が一切関与しません。
このため、売掛金回収の流れも「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」となり、利用会社が回収を代行する形となります。
利用会社が税金を滞納していると、売掛先が利用会社に支払った代金が差し押さえを受ける恐れがあるのです。
このような回収時のトラブルは、ファクタリング会社にとってリスクになります。
ファクタリング会社が納税証明書を求めるのは、このリスクを踏まえてファクタリングの条件を設定するためです。
納税証明書は、税務署に直接申請するか、オンラインで交付請求を行います。
取得に手間がかかるため注意しましょう。
必要書類を準備するポイント
ファクタリングは資金調達スピードに優れていますが、必要書類に不備があればスピーディな対応は不可能です。
多くのファクタリング会社が「最短即日対応」を謳っていますが、これはあくまでも「必要書類が揃っており、不備がなく、スムーズに手続きできること」が前提となります。
したがって、スムーズにファクタリングできるかどうか、特に即日で資金調達できるかどうかは、必要書類の準備にかかっているのです。
そこで、必要書類を準備する際のポイントをいくつか解説します。
事前の確認
まず心掛けたいのが、事前の確認です。
ファクタリング会社のホームぺージには、「手続きの流れ」や「よくある質問」として必要書類を記載しています。
ファクタリング会社によって必要書類が異なるため、まずはホームぺージでの確認するのがポイントです。
このほか、利用会社の個々の事情や売掛金の性質に応じて、追加の必要書類を求められることもあります。
したがって、ファクタリング会社に直接問い合わせ、必要書類を確認することも重要です。
このとき、必要書類が手元にない場合には、その旨を伝えてみてください。
別の書類で代替する、後日の提出を認めるなど、何らかの対応を受けられるはずです。
提出方法もチェック
ホームぺージを確認する際には、必要書類の提出方法もチェックしましょう。
提出方法は、ファクタリング会社への持参、郵送、FAX、メール、アップロードなど色々あります。
資金調達を急いでいる場合には、持参や郵送では時間がかかってしまいます。
したがって、FAXやメール、アップロードなどで提出できるファクタリング会社がおすすめです。
最も手軽なのは、アップロードによる提出です。
No.1では、ホームぺージに申し込みフォームを設けており、必要書類のアップロードに対応しています。
必要書類を揃えて申し込む
ファクタリングを申し込む際には、少なくとも審査時の必要書類を揃えておくことが重要です。
ファクタリング会社は、必要書類が揃った時点で審査を開始します。
つまり、必要書類が揃わない以上、申し込んだところで資金調達には至りません。
したがって、事前に確認した必要書類を漏れなく揃えた上で申し込みましょう。
必要書類の不備に注意を
必要書類の不備には注意してください。
求められた必要書類が全て揃っていなければ、審査や契約を進めることはできません。
また、必要書類によっては細かな条件があり、条件を満たしていない必要書類は再提出を求められます。
よくあるのが、以下のような不備です。
- 決算書を2期分求められていたが、1期分しか用意していない
- 決算書に勘定科目明細書を付けるのを忘れた
- 決算書に税務申告済みの捺印がない
- 直近3ヶ月分の入出金明細を求められたが、直近1ヶ月分しか準備していない
- 取得から1ヶ月以内の履歴事項全部証明書を求められたが、取得から1ヶ月以上が経過したものを提出してしまった
スムーズに資金調達するためにも、必要書類は入念に揃えましょう。
必要書類から考えるファクタリングのメリット
ここまで、ファクタリングの必要書類について詳しくみてきました。
必要書類が少ないことは、それ自体が会社にとって大きなメリットです。
しかし、必要書類の少なさをさらに深掘りしていくと、その他にも多くのメリットがあることが分かります。
ここからは、「必要書類が少ない」という観点から、ファクタリングの様々なメリットをみていきましょう。
少ない必要書類で審査に通る
普通、必要書類が少ないほど審査は難しくなります。
審査の材料が少ないからです。
そのため、「必要書類が少ない=少ない必要書類で難しい審査=審査難易度が高い(審査に通りにくい)」と考える人もいます。
しかし、ファクタリングは少ない必要書類で審査に通りやすいのがメリットです。
融資の必要書類が多い理由
そもそも、必要書類の数は審査難易度を左右するものではありません。
このことは、銀行融資を考えるとよくわかるでしょう。
銀行融資の必要書類は非常に多く、審査難易度も高いです。
多くの必要書類から精密に審査を行い、融資の可否を判断するのですから、審査難易度が高くなるのも当然といえるでしょう。
別の見方をすれば、銀行融資の必要書類が多いのは、融資先の返済力を基準に審査するためです。
銀行の融資業務は、元金を全額回収し、なおかつ利息を上乗せすることで成り立っています。
銀行の融資金利は低く、元金に対する利息収入は微々たるものです。
たとえ一部でも貸し倒れになれば、銀行は損失を被ります。
つまり、銀行が融資によって利益を得るには、融資先がきちんと返済してくれることが前提となるのです。
したがって、融資先に十分な返済力があれば融資し、返済力に問題があれば融資しません。
返済力を正確に見極めるには、業績や財務の推移と現状、資金繰り計画、資金使途などを把握するために、多くの必要書類を求めます。
このように考えると、銀行融資の必要書類が多いのは当然といえるでしょう。
信用保証協会の保証付融資であれば、保証に関する必要書類も提出しなければなりません。
日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、必要書類に事業計画書を添える必要があります。
信用保証協会や日本政策金融公庫に必要書類を提出することで、プロパー融資を受けられない会社も資金を調達できる可能性があります。
とはいえ、返済力を重視されること、審査が甘くない点では同じです。
融資の必要書類が多く、審査難易度が高い理由は、結局のところ「融資先を基準に審査するから」といえます。
ファクタリングは少ない必要書類で審査に通る
一方、ファクタリングは必要書類が少ないです。
優良ファクタリング会社ならば、簡単な必要書類だけで利用できることも多いです。
もちろん、必要書類が少ないからといって、審査が厳しくなるわけではありません。
ファクタリングは、融資を受けられない会社でも審査に通ります。
なぜ、ファクタリングは必要書類が少ないにもかかわらず、審査難易度が低いのでしょうか。
それは、売掛金を基準に審査するためです。
ファクタリングは、利用会社の売掛金を額面金額よりも安く買い取り、支払期日に満額回収するビジネスです。
つまり、ファクタリング会社が利益を得られるかどうかは、売掛金次第といえます。
売掛金をしっかり回収できれば、ファクタリング会社は利益を得ることができます。
逆に、売掛金を回収できなければファクタリング会社は利益を得られません。
後述の通り、ファクタリングには償還請求権がないため、利用会社が売掛金の買い戻しを求めることも不可能です。
したがって、ファクタリング会社にとって重要なのは「売掛金を評価するための必要書類」であって、「利用会社を評価するための必要書類」は重視しないのです。
銀行融資ならば、後者の必要書類こそ重要であり、たくさんの必要書類を求めます。
ファクタリングは、前者の必要書類こそ重要であり、多くの必要書類を求めません。
そして、利用会社の経営が悪くても、売掛金に問題がなければ審査に通ります。
これが、ファクタリングが少ない必要書類で審査に通りやすい理由です。
連続赤字、債務超過、リスケ中、税金の未納など、深刻な問題を抱えている会社でも、ファクタリングは少ない必要書類で利用でき、審査にも通りやすいです。
融資を受けられない会社は、必要書類が少ないファクタリングを活用しましょう。
無担保・無保証だから必要書類が少ない
ファクタリングは、原則として無担保・無保証で利用できます。
これもファクタリングの代表的なメリットです。
ファクタリングの必要書類が少ない理由のひとつに、この「原則無担保・無保証」があります。
銀行は担保・保証を重視
銀行から融資を受ける際には、担保・保証が重要です。
全くの無担保・無保証で融資を受けられるのは、一部の優良企業に限られます。
実際のデータをみても、約9割の会社が担保・保証のいずれかによって融資を受けています。
銀行が担保・保証を重視するのは、保全のためです。
言うまでもなく、借りたお金は返さなければなりません。
融資は法的に消費貸借であり、消費貸借は返済義務を前提としているのです。
本業から得た利益、すなわち現金によって返済するのが基本ですが、中には経営悪化などにより返済できなくなる会社もあります。
その場合、銀行は担保資産の売却や信用保証協会の弁済によって回収を図ります。
そうすることで、銀行は貸倒損失を大幅に軽減できるため、多少問題のある会社にも融資しやすいというわけです。
担保・保証付きで融資を受ける場合、必要書類は増えます。
担保付融資には、担保に関する必要書類が必須となり、保証付融資には、保証に関する必要書類を求められます。
銀行融資の必要書類が多いのは、担保・保証を重視すること、それに伴い必要書類が増えることも関係しているのです。
ファクタリングは無担保・無保証
ファクタリングは無担保・無保証で利用できます。
繰り返す通り、ファクタリングは法的に債権譲渡です。
債権譲渡(ファクタリング)によって得た資金は、資金使途の束縛を受けず、法的に返済義務もありません。
消費貸借(融資)には返済義務があり、保全のために担保・保証を重視。
債権譲渡(ファクタリング)には返済義務がなく、保全のための担保・保証は不要。
このように考えると、ファクタリングが担保・保証を求めないのも当然といえます。
返済義務がない以上、保全という考え方自体が成り立たないのです。
仮に担保・保証を求めるならば、それは返済義務があるからであり、実質的な貸し付けとみなされます。
その場合、ファクタリング会社は貸金業者として厳しい規制を受けることとなります。
それを避けるためにも、正規のファクタリング会社は必ず「無担保・無保証」です。
実際、ファクタリング会社から不動産その他の担保資産を求められることはなく、信用保証協会や保証会社による保証、第三者や代表者個人による連帯保証も必要ありません。
当然ながら、担保資産に関する必要書類、保証のための必要書類を不要となり、結果的に少ない必要書類で利用できるというわけです。
担保・保証の不足に悩んでいる会社や、担保・保証を温存したい会社は、無担保・無保証で必要書類が少ないファクタリングをおすすめします。
業歴が短い会社も少ない必要書類で調達
ファクタリングは、業歴が短い会社におすすめの資金調達方法です。
一般的に、業歴が短い会社は融資を受けにくく、必要書類も複雑になります。
しかし、ファクタリングは業歴が短い会社でも利用しやすく、必要書類は相変わらず簡素です。
融資は業歴を重視
融資が業歴を重視するのが、業歴そのものが信用につながるためです。
業歴が長いほど、事業の実績も豊富になります。
銀行は、その実績を信用して融資することも多いです。
また、業歴が長い会社は、過去の長期にわたるデータを提供できます。
このほか、銀行との付き合いが深まっている、必要書類による融資対策に長じているなど、多くの点で有利です。
業歴が短い会社は、これとは真逆です。
事業の実績が乏しく、過去のデータも多くは提供できません。
開業後間もない会社は、中核となる必要書類、例えば数期分の決算書を提出することさえ困難です。
そんな会社が新規融資を申し込んできたところで、銀行は対応できません。
中核となる必要書類が欠けていれば、他の書類で代替することもできず、審査のしようがないのです。
そこで、業歴が短い会社は日本政策金融公庫の創業融資制度を利用するわけですが、これも簡単ではありません。
日本政策金融公庫は、業歴が短くても将来性を考慮してくれます。
将来性をみるためにも、必要書類として創業計画書や事業計画書などを求めます。
創業計画書・事業計画書は、必要書類の中でも特に作成が難しく、計画を問題視されて融資を受けられない会社が少なくありません。
以上のように、業歴が短い会社は、必要書類を提出できずに融資を受けられない(銀行融資)、必要書類の作成・提出が大きなハードルになって融資を受けられない(公的融資)、といったケースが非常に多いです。
ファクタリングは業歴不問
その点、ファクタリングは安心して利用できます。
ファクタリングは基本的に業歴不問です。
その理由は、ファクタリング会社が売掛金を基準に審査するためです。
売掛金の信用、売掛先との取引歴などは重視しますが、利用会社の信用・業歴は重視しません。
利用会社の業歴が長いからといって、売掛金の信用が高まるわけではなく、逆に利用会社の業歴が短くても、売掛金の信用が低くなるわけではないのです。
したがって、ファクタリングは業歴が短い会社でも審査に通ります。
業歴が短いことを理由に、審査に通りにくくなったり、必要書類が大幅に増えたりすることはありません。
業歴が短く、資金調達に困っている会社にはファクタリングがおすすめです。
創業1年目の必要書類
唯一注意したいのは、創業1年目の会社の必要書類です。
ファクタリングの必要書類には決算書があり、ファクタリング会社によって「前期の決算書」「直近2期分の決算書」などを求めます。
創業1年目の会社には「前期の決算書」というものがなく、決算書を提出できません。
これは必要書類の不備にほかならず、ファクタリングに少なからず影響します。
まず、一部のファクタリング会社では、創業1年未満の会社を利用対象外としています。
もちろん、決算書その他の必要書類を提出できないことが理由です。
また、決算書を他の書類で代替した結果、必要書類が増えることもあります。
これを踏まえて、創業1年未満の会社がファクタリングを利用する際には、公式HPに「創業1年未満の会社にも対応」「必要書類が足りない場合にはご相談ください」などと明記しているファクタリング会社を選びましょう。
必要書類が少ないから利便性が高い
ファクタリングは、他の資金調達方法よりも利便性が高いといわれます。
その大きな理由の一つが、必要書類が少ないことです。
また、オンラインに対応していることも利便性を大きく高めています。
必要書類が利便性を左右する
ファクタリングの必要書類は業者によって異なります。
この記事では、ファクタリングの必要書類として10の書類を挙げましたが、これよりも必要書類が多い業者もあれば、少ない業者もあるのです。
業者によっては、必要書類に作成・取得に手間のかかる書類が含まれることもあるため注意が必要です。
実際に、大手企業系列のファクタリング会社では、必要書類に試算表が含まれるケースがあります。
普段から試算表を作成している会社ならば問題ないでしょうが、そうでなければ必要書類の提出でつまずいてしまいます。
いくら必要書類が少なくても、手間がかかる書類がひとつでも含まれていれば、決して利便性が高いとはいえません。
資金調達による利便性の違い、ファクタリング会社ごとの利便性の差は、必要書類の点数と内容によるといってよいでしょう。
したがって、必要書類が少なく、なおかつ必要書類の内容が簡単なファクタリング会社が、最も利便性が高いといえます。
そこで、利便性を追求するならば、優良ファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。
優良ファクタリング会社は、その他のファクタリング会社よりも必要書類が少ない傾向があります。
例えば、No.1のファクタリングサービスでは、必要書類を以下の4点に定めています。
- 直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
- 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
- 成因資料(請求書・発注書・納品書など)
- 取引先企業との基本契約書
売掛金の内容やご利用状況によって、追加の必要書類をご提出いただく場合もありますが、基本的な必要書類はこの通りです。
これらはすでに手元にあるものばかりですから、必要書類の準備にほとんと手間がかかりません。
資金を調達したいときに、必要書類をすぐに揃えて利用できるため、利便性を追求している会社に最適です。
オンライン完結で必要書類を少なく
さらに利便性を高めたい場合、オンラインファクタリングをおすすめします。
オンラインファクタリングは、No.1など一部の業者しか取り扱っておらず、まだまだスタンダードな方式ではありません。
しかし、オンラインの活用により、利便性が飛躍的に高まったことは事実です。
オンラインファクタリングは、全ての手続きをオンラインで完結するため、手続きが非常に簡単です。
また、オンラインファクタリングは従来のファクタリングに比べて、必要書類が少ない傾向があります。
通常のファクタリングも必要書類が少ないのですが、オンラインファクタリングならばさらに少ない必要書類で利用可能です。
その一例として、No.1のオンラインファクタリングの必要書類は以下の通りです。
- 直近の決算書
- 請求書
- 通帳のコピー
通常のファクタリングの必要書類が4点であるのに対し、オンラインファクタリングの必要書類はわずか3点。
必要書類を減らし、便利に資金を調達したい会社はオンラインファクタリングを活用しましょう。
必要書類が少ないからスピーディ
ファクタリングは、資金調達スピードに優れています。
銀行融資ならば数週間~1ヶ月程度、ノンバンクのビジネスローンでも数営業日を要するところを、ファクタリングならば最短即日で調達できるのです。
ファクタリングの資金調達スピードが優れている理由の一つに、必要書類が少ないことがあります。
ファクタリングの資金調達スピード
ファクタリングの資金調達スピードは、方式によって異なります。
方式別の目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:最短即日
- 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
- オンラインファクタリング:最短数時間
このように、2社間ファクタリングを利用することで即日中の資金調達も可能です。
ただし、これはあくまでも「“最短”即日対応」であって、「100%即日対応」ではありません。
一部の業者では、「最短翌日」「最短〇営業日」などに設定するケースもみられます。
とはいえ、2社間ファクタリングの多くが即日対応に力を入れていることは事実です。
オンラインファクタリングに至っては、申し込みの数時間後に調達できることもあります。
3社間ファクタリングだけは、即日中の調達が不可能です。
3社間ファクタリングは売掛先が関与し、債権譲渡通知・譲渡手続きが必須となります。
債権譲渡通知書を売掛先に郵送する必要があり、これだけでも即日中には手続きが完了しないのです。
審査は必要書類が揃ってから
以上のように、ファクタリングの資金調達スピードは、利用するファクタリング方式やファクタリング会社の対応に大きく影響されます。
資金調達を急いでいる会社は、少なくとも「即日対応」を明言しているファクタリング会社を選ぶべきでしょう。
しかし、そのような会社でも即日中に対応できるとは限りません。
利用会社の対応も重要となります。
ファクタリング会社のいう「最短即日」とは、「即日中に審査を行い、契約を締結し、買取代金を入金する」ことを意味します。
審査の完了が前提となるわけですが、必要書類が揃わなければ審査は実施できません。
ファクタリング会社は、必要書類が全て揃ってから審査を実施します。
したがって、利用会社が必要書類の提出に手間取ったり、必要書類に不備があったりすれば、審査の開始が遅れます。
場合によっては、必要書類の追加提出を求められることがあり、その場合には追加書類が揃った後に審査実施です。
つまり、ファクタリングの資金調達スピードは、利用会社の必要書類の提出にも大きく影響されるのです。
元来、ファクタリングは必要書類が少なく、提出が大きなハードルになることはあまりありません。
とはいえ、必要書類をある程度揃えておくことで、即日中に調達できる可能性が高まります。
少ない必要書類で多額の資金を調達
ファクタリングは、多額の資金調達にも利用できます。
調達額によって必要書類は変わらず、仮に追加の必要書類を求められたとしても、極端に増えることは少ないでしょう。
少ない必要書類で多額の資金を調達できることも、ファクタリングのメリットです。
多額の融資を受ける場合の必要書類
資金調達方法の多くは、調達額が大きくなるほど必要書類が増え、内容も複雑化するものです。
銀行融資の必要書類が好例でしょう。
銀行融資は、少額の短期借入でも必要書類がハードルになりますが、多額の資金を長期借入で調達する場合、必要書類はさらに負担となります。
例えば、設備投資のために銀行から多額の融資を受ける場合、必要書類は必ず増えるでしょう。
融資額が大きいほど貸し倒れのリスクは高まるため、銀行は慎重になります。
設備投資の妥当性、投資によって期待できる成果、事業計画・返済計画などを詳細に分析しなければなりません。
そのため、必要書類として投資設備の見積書、投資計画書などの提出を求めます。
これらの必要書類に問題があれば、投資資金の融資は受けられないのですから、時には専門家の支援を受けながら慎重に作成する必要があります。
このように、調達額が大きくなるにつれて、必要書類の負担も大きくなるのが普通です。
ファクタリングの調達上限
一方、ファクタリングの必要書類は調達額に左右されません。
10万円の調達でも、1000万円の調達でも、基本的な必要書類は常に同じです。
したがって、ファクタリングは少ない必要書類で多額の資金を調達できます。
実際の調達上限は、ファクタリング会社の設定と利用会社の所有する売掛金によって決まります。
個人事業主向けのファクタリング会社や、少額ファクタリングをメインとする業者であれば、調達可能額を数十万円~数百万円に設定するケースも多いです。
法人向けのファクタリング会社、とりわけ優良ファクタリング会社であれば、数千万円の調達に対応しています。
No.1も、売掛金1件につき5000万円を上限としています。
ただし、ファクタリングは売掛金の譲渡・売却ですから、手元の売掛金以上に調達することはできません。
例えば、月商2000万円、回収サイト1.5ヶ月の会社であれば、手元に3000万円の売掛金があります。
簡単な必要書類を提出すれば、この3000万円の売掛金をファクタリングし、多額の資金を調達できます。
このように、ファクタリング会社が定める金額の範囲内で、数千万円~数億円といった多額の資金を調達できるのがファクタリングの魅力です。
多額の融資を受けることは、必要書類の提出はもちろん、書類審査だけでも落ちることがしばしばです。
その場合、必要書類が少ないファクタリングで調達することをおすすめします。
実際に、ファクタリングによって設備投資やM&Aの費用を調達する会社が年々増加しています。
少ない必要書類でリスクマネジメントを効率化
ファクタリングはリスクマネジメントにも効果的です。
もちろん、リスクマネジメントを目的にファクタリングする場合も、必要書類が少ないことは変わりません。
売掛金の管理、回収不能リスクに悩んでいる会社にはファクタリングがおすすめです。
与信管理の難しさ
会社にとって、売掛金の回収不能は重大なリスクのひとつといえます。
売掛先の経営悪化や倒産などにより、多額の売掛金が回収できなくなれば、自社へのダメージは深刻です。
最悪の場合、連鎖倒産の危険もあります。
したがって、売掛金の回収不能リスクを軽減・回避する必要があるのですが、これは多くの中小企業にとって難しいといわざるを得ません。
与信管理には専門的な知識・スキルが必要となるため、専門の人材を雇用する必要があります。
売掛先の情報を掴むためには、信用調査も欠かせません。
さらに、社内体制を刷新して、営業部と経理部の連携を強化することも重要です。
人材不足が社会問題になっている今、このような与信管理は現実的に困難でしょう。
与信管理をアウトソーシングできるサービスはあるものの、必要書類を多く求められたり、コストが高かったり、なにかと問題があるものです。
ファクタリングは「償還請求権なし」
ファクタリングを利用すれば、どのような会社でも簡単に回収不能リスクを軽減・回避できます。
そのために多くの必要書類を求められることもありません。
これは、ファクタリングの契約が原則「償還請求権なし」のためです。
償還請求権とは、譲渡した売掛金が回収できなくなった場合、譲受人が譲渡人に買い戻しを求める権利のことです。
「償還請求権あり」の場合、回収不能の際には買い戻しに応じる義務がありますから、回収不能リスクの回避にはなりません。
「償還請求権なし」であれば、売掛金が回収不能になっても買い戻しを求められずに済みます。
回収不能による一切の損失はファクタリング会社が負担します。
これは、ファクタリング会社が回収不能リスクを肩代わりすることにほかなりません。
これが、ファクタリングが回収不能リスクの軽減・回避に役立つ理由です。
また、償還請求権の有無は、必要書類にも影響してきます。
例えば、手形割引は「償還請求権あり」のため、割り引いた手形が不渡りになれば買い戻す必要があります。
したがって、銀行や手形割引業者は、償還能力を把握するために相応の必要書類を求めるのです。
ファクタリングは「償還請求権なし」ですから、償還能力を示すための必要書類は不要です。
ファクタリングを活用すれば、少ない書類で回収不能リスクを回避できます。
額面金額が大きい売掛金、新規取引先の売掛金、回収サイトが長い売掛金など、回収不能リスクが高い売掛金を優先的にファクタリングすることで、リスクマネジメントを効率化しましょう。
必要書類が少ないからこそ注意すべきポイント
必要書類が少ないことは、基本的にメリットと考えてよいでしょう。
しかし、必要書類が少ないからこそ、注意すべきポイントもあります。
ファクタリングの依存に注意
ファクタリングの必要書類が少ないことは、資金繰り悪化の危険性をはらんでいます。
必要書類が少なく、簡単に資金を調達できるからこそ、ファクタリングに依存してしまう会社が少なくないのです。
ファクタリング依存の危険性
なぜファクタリング依存が危険なのでしょうか。
これは、「ファクタリングへの依存が危険」というよりも、「特定の資金調達方法への過度な依存が危険」といえるでしょう。
確かに、ファクタリングは必要書類が少ないため便利です。
しかし、常にファクタリングが最適な資金調達方法とは限りません。
資金調達の目的や会社の状況に応じて、最適な資金調達方法を選ぶことが重要です。
「必要書類が少ないファクタリング」だけではなく、「必要書類が多い銀行融資」でも調達できたほうが、長期的には必ず良い結果につながります。
銀行から融資を受けるために、多くの必要書類を提出すること自体、経営には良い影響をもたらします。
融資を受けるには、何と言っても決算内容が良くなければなりません。
融資対策のために、決算書の見栄えをよくすることも重要です。
例えば、オフバランス化によって資産内容を整理することは、業績・財務的にも良い影響が期待できます。
銀行融資の必要書類には資金繰り計画書も含まれますが、これを作成するかどうかによって、資金繰りへの意識は大きく変わるものです。
ファクタリングに依存している会社は、計画的な資金繰りができていないケースが多いです。
無計画だからこそ、資金不足に前もって対処できず、ファクタリングに頼らざるを得ないともいえるでしょう。
銀行融資をきっかけに資金繰り計画を作成すれば、それだけで資金繰りに計画性が芽生えます。
つまり、必要書類が少ないファクタリングに依存することは、自社の業績・財務・資金繰りなどを見直す機会を逸することにつながります。
ファクタリング手数料の相場
必要書類が少ないからといって、ファクタリングに依存して無計画な調達を繰り返せば、資金繰りが悪化する可能性が高いです。
一般的に、ファクタリングの手数料は高いといわれます。
実際は利用次第なのですが、手数料が高額になることがあり、ファクタリングに依存している会社ほど手数料が高くなりやすいことは事実です。
ファクタリング手数料は方式によって異なります。
方式別の手数料率の相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
- オンラインファクタリング:額面金額の10%以下
2社間ファクタリングの手数料率は、高ければ額面金額の30%にもなります。
支払期日を待てば1000万円を回収できる売掛金が、ファクタリングによって700万円に目減りするのです。
無計画なファクタリングを繰り返し、たびたび高額の手数料を支払えば、利益はまともに出なくなるでしょう。
その結果、決算が赤字になり、銀行から融資を受けられなくなり、ファクタリングの依存度がさらに高まり…という負のループに陥る危険があります。
優良ファクタリング会社を選ぼう
必要書類が少ないというメリットを活かしつつ、なおかつファクタリングへの依存を避けるには、優良ファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。
優良ファクタリング会社は、その他のファクタリング会社よりも必要書類が少なく、相場よりも安い手数料が利用できることが多いです。
例えば、No.1のファクタリングサービスは、以下の条件でご利用いただけます。
- 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
- オンラインファクタリング:額面金額の2~8%
このように、優良ファクタリング会社を利用すれば、手数料を相場の半分以下に抑えることも可能です。
また、No.1をはじめ、一部の優良ファクタリング会社ではコンサルティングを行っています。
ファクタリング会社のコンサルティングの特徴は、「ファクタリングを活用した資金調達・資金繰り」です。
もちろん、ここでいう「ファクタリングの活用」とは、「ファクタリング依存に陥らない活用」も含まれます。
少ない必要書類でファクタリングを活用しながら、他の資金調達方法との併用、業績の黒字化、融資正常化、キャッシュフロー正常化などを目指します。
「必要書類の少なさ」に止まらず、ファクタリングのメリットを最大化するためにも、ぜひコンサルティングをご検討ください。
悪質業者を避ける
もう一点、注意したいのが悪質業者の存在です。
必要書類の少なさを重視しすぎると、悪質業者のリスクが高まります。
悪質業者=ヤミ金
現在、ファクタリング業界は悪質業者が紛れ込みやすい環境です。
これは、ファクタリングが急速に普及しているのに対し、法整備が遅れているためです。
貸金業は、貸金業法や利息制限法、出資法などよって厳しく規制されています。
しかし、ファクタリング業にはほとんど規制がありません。
手数料率の上限規制もなければ、業者の登録制度もない状況です。
規制があれば「規制違反」として取り締まることもできますが、ファクタリング業ではそれができません。
悪質業者にとっては都合の良い環境といえます。
実際、ファクタリング業界に紛れ込んでいる悪質業者のほとんどは、違法な貸金業者です。
このことは、金融庁の注意喚起からもよくわかります。
中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
金融庁は、「ファクタリングを装う悪質業者」を「貸金業登録を受けずに貸付けを行う業者」と断定しています。
ファクタリングを装うか否かにかかわらず、業として貸付けを行うには金融庁への登録が必須です。
それをせずに無登録で営業しているのですから、ヤミ金にほかなりません。
ファクタリング業を装う悪質業者は、「グレーゾーンで営業している業者」という生易しいものではなく、「完全に違法なヤミ金」と考えてください。
悪質業者の手口
ファクタリングを装う悪質業者の手口は、ヤミ金とほとんど同じです。
代表的な手口は、年利数百~千%超の高金利設定、違法な取り立て、担保・保証・償還請求権付きの契約など。
違法営業は常に摘発リスクと隣り合わせですから、リスクヘッジのためには違法な金利設定や取り立てもいとわないというわけです。
もっとも、悪質業者にはいくつかの特徴があり、それを意識することで簡単に回避できます。
その特徴の一つに、必要書類が極端に少ないことが挙げられます。
悪質業者は、ファクタリングを装っているだけで、本当にファクタリング業を営んでいるわけではありません。
当然ながら、ファクタリング会社としての正常な機能を備えておらず、ファクタリングに関するノウハウ・データが乏しいのはもちろん、売掛金の審査能力も低いです。
審査能力が低いからこそ、高金利設定、担保・保証・償還請求権付きなどの条件によってリスクヘッジを図る必要があります。
逆にいえば、違法な条件に設定することで、まともに審査せず売掛金を買い取ることができます。
その結果、「審査のための必要書類も不要→必要書類が極端に少ない」というわけです。
ファクタリングは審査に通りやすいとはいえ、無審査ではありません。
審査が必須である以上、それなりに必要書類を求められます。
したがって、「必要書類ゼロ」「必要書類は代表者の身分証明書のみ」といった業者は避けてください。
特に、「必要書類は代表者の身分証明書のみ」という場合、実質的には「代表者個人への違法な貸付け」である可能性が高いです。
まとめ:必要書類でお困りの方はNo.1にご相談ください
ファクタリングの必要書類について、詳しく解説してきました。
ファクタリング会社によって必要書類が異なり、また必要書類によって取得の手間も変わってきます。
スムーズに資金調達するためにも、必要書類が少ないファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。
No.1は、
- 過去直近の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
- 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
- 成因資料(請求書・発注書・納品書など)
- 取引先企業との基本契約書
の4点でご利用いただけます。
オンラインファクタリングであれば、売買基本契約書も不要です。
必要書類でお困りの方は、No.1までお気軽にご相談ください。
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