カテゴリー: ファクタリング
【保存版】ファクタリングでオフバランス化する仕組みを徹底解説します!
近年、会社に対する銀行の評価方法が変わりつつあります。
資産をたくさん持っている会社よりも、資産のスリム化によって効率的な経営を目指す会社を高く評価する傾向があるのです。
このため、資産を減らす「オフバランス化」が注目されており、その方法のひとつとしてファクタリングが見直されています。
この記事では、ファクタリングでオフバランス化する仕組みを、初めての人でもわかるように徹底解説します。
オフバランス化とは?
近年、経営改善の方法のひとつとして、「オフバランス化」が挙げられることが増えています。
オフバランスの「オフ」は「消す」、バランスは「貸借対照表(バランスシート)」のことです。
つまり、オフバランスとは貸借対照表から資産を消すことであり、貸借対照表におけるその動きを「オフバランス化」といいます。
なにを「オフ」にする?
貸借対照表には、会社の保有する様々な資産が記載されています。
貸借対照表の項目を大きく分けると、資産の部、負債の部、純資産の部の3つです。
資産の部には流動資産や固定資産、負債の部には流動負債や固定負債、純資産の部には資本金や利益剰余金、その他の積立金などが記載されます。
オフバランス化では、資産の部に計上されている資産を消すのが基本です。
もちろん、その延長として負債の部に計上されている資産を消し、さらなるオフバランス化を進めることも可能です。
なぜ経営改善になる?
さて、なぜ資産を消すことが経営改善につながるのでしょうか。
もっとも大きな理由は、「保有リスク(持っていることによるリスク)」を避けられる点にあります。
以下のように、資産には色々な価値があります。
- 現金・預金:即座に資金繰りに利用できる
- 売掛金:近い将来に売上を回収し、資金繰りに利用できる
- 棚卸資産:近い将来に製造・販売し、売上につながる
- 固定資産:事業に活用できる
しかし、現金を除けば、これらの資産には保有リスクがつきものです。
- 売掛金:売掛金が増えるほど資金繰りが苦しくなる。また、売掛金が回収できなくなるリスクがある。
- 棚卸資産:在庫の陳腐化や劣化による価値下落リスクがある。また、在庫の管理にはコストがかかり、過剰在庫は経営を圧迫する。
- 固定資産:不動産には価格下落リスクがあり、管理にもコストがかかる。
資産を手放す、あるいは圧縮することによって、保有リスクを軽減できます。
オフバランス化のメリット・デメリット
所有リスクの軽減のほか、オフバランス化には以下のようなメリットがあります。
- ROAの改善
- 自己資本比率の改善
- 企業価値の向上
ただし、オフバランス化にはデメリットもあるため注意が必要です。
- ROAの悪化
- 自己資本比率の悪化
オフバランス化のメリットとデメリットについては、詳しく後述します。
ファクタリングでオフバランス化をする仕組み
ファクタリングとは、自社が所有している売掛金をファクタリング会社に売却することです。
資金調達方法のひとつとして注目されていますが、オフバランス化にも役立ちます。
売掛金を減らす方法は?
売掛金は、資産の部に「流動資産」に計上される資産です。
これを減らすこともオフバランス化につながります。
売上が減少せずに売掛金が減少することは、売上を早期に回収していることにほかならず、資金繰りが楽になります。
また、売掛先の与信管理コストや、回収不能リスクの軽減にも効果的です。
売掛金を減らす方法は、
- 売掛先と交渉して、回収サイト※を短縮してもらう
- 売掛金をファクタリングする
のふたつが考えらえます。
基本的には売掛先と交渉するべきですが、この方法には時間がかかり、必ずしも売掛金を減らせるとは限りません。
そこで役立つのがファクタリングです。
ファクタリングは、売掛金を自社からファクタリング会社に譲渡するのですから、自社の保有する売掛金は減少します。
ファクタリングは、売掛先と交渉するよりもずっと手軽にオフバランス化できる方法なのです。
※売掛先への請求が確定してから、代金を回収するまでの期間
ファクタリングでオフバランス化する仕組み
ファクタリングがオフバランス化につながる仕組みを、具体的なフローでみてみましょう。
ファクタリングの基本的な流れは以下の通りです。
- 自社から売掛先に商品を販売し、請求書を発行する(売掛金が発生する)
- 売掛金を売却するために、ファクタリング会社にファクタリングを申し込む
- ファクタリング審査を受け、ファクタリング契約を結ぶ(売掛金をファクタリング会社に譲渡する)
- 売掛金の売却代金を受け取る
ごく基本的な流れですが、ファクタリングの多くはこの流れによって取引します。
この流れの中で、オフバランス化につながるのは3です。
自社からファクタリング会社へ売掛金を譲渡(売却)し、売掛金の債権者が自社からファクタリング会社に移った瞬間、貸借対照表から売却額相当の売掛金が消えます。
その後、当日中または数日中に売却代金を現金として受け取り、貸借対照表の現金が増えます(売掛金が消えて現金に変わる)。
これが、ファクタリングによってオフバランス化できる仕組みです。
ファクタリングでオフバランス化するメリット
オフバランス化には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
冒頭で挙げたメリットを詳しくみていきましょう。
所有リスクの回避
すでに述べた通り、オフバランス化によって保有リスクの回避が可能です。
売掛金の保有リスクには、主に以下の3つが挙げられます。
- 資金繰りが悪化するリスク
- 回収できなくなるリスク
- 管理コストが膨らむリスク
資金繰り悪化リスクの回避
そもそも売掛金は、売掛先との信用取引によって発生する資産です。
売掛先に商品を販売した際、納入と同時に代金を受け取るのではなく、後日支払いを認めることで売掛金が生じます。
これは、売掛先の支払うべき代金を、一時的に自社が立て替えていることにほかなりません。
売掛金が増える、つまり立替資金が増えるほど、資金繰りが苦しくなることは明らかです。
ファクタリングによって売掛金を売却し、貸借対照表から売掛金が減少すれば、資金繰り悪化のリスクを回避できます。
回収不能リスクの回避
また、売掛金の保有額が大きいほど、売掛金が回収不能に陥る可能性が高まります。
大口の売掛先から回収不能になれば、短期間のうちに資金繰りが破綻するかもしれません。
ファクタリングを通してオフバランス化を図り、自社の財務から売掛金を切り離せば、切り離した売掛金の回収不能リスクは完全に回避できます。
なぜなら、ファクタリングは償還請求権※無しの契約が基本であり、売却した売掛金が回収不能になった場合の損失は、全てファクタリング会社が負担するからです。
※買い取った売掛金が回収できなくなった場合、利用会社に買い戻しを求める権利
管理コスト増大リスクの回避
売掛金増加による資金繰り悪化や、回収不能による損失を防ぐには、適切な与信管理が欠かせません。
与信管理を怠ると、
- 売掛先との契約条件が甘くなり、回収サイトが長い売掛金の比率が高まる。売掛金が増加し、資金繰りが悪化する
- 売掛先の経営状況を十分に把握できず、売掛先の支払い能力に応じた与信限度額を設定できなくなる。支払い能力の低い売掛先に多額の掛売りを行った結果、売掛金が増加して資金繰りが悪化すると同時に、回収不能リスクが高まる
といった問題を招きます。
しかし実際には、ほとんどの中小企業は与信管理が不十分です。
十分に与信管理するための人材や資金、ノウハウなどが不足するためです。
十分な与信管理を図っても、効率的に取り組むことができず、管理コストが膨らんでしまいます。
オフバランス化によって売掛金を減らせば、与信管理を行うべき売掛金が減少し、管理コストの増大を避けられます。
ROAの改善
所有リスク回避のほか、オフバランス化のメリットとしてよく挙げられるのがROAの改善です。
ROAとは総資産利益率のことであり、総資産(資産の合計額。貸借対照表の左側)に対する利益率を表す指標です。
ROAが高いほど、資産を有効に活用して利益につなげていることを意味します。
逆に、ROAが低ければ、資産の活用が不十分とみなされます。
ROAの計算式は以下の通りです。
ROA%=純利益÷総資産×100
オフバランス化によって資産を減らすことで、この計算式の分母である総資産が減少します。
純利益は変化しないため、分子はそのままです。
分母が小さくなり、分子が変わらなければ数値は上がります。
ファクタリングだけではROAは改善できない
ただし、ファクタリングしただけではROAは変わらない点に注意が必要です。
売掛金が減少すること自体はオフバランス化といえますが、売却した売掛金は現金に変わるため総資産はプラスマイナスゼロです。
ファクタリング前 | ⇒ | ファクタリング後 | ||
現預金 200 |
買掛金 300 |
現預金 500 |
買掛金 300 |
|
売掛金 500 |
||||
借入金 300 |
借入金 300 |
|||
売掛金 200 |
||||
資本金 300 |
||||
資本金 300 |
||||
固定資産 200 |
固定資産 200 |
|||
総資産: 900 |
総資産: 900 |
|||
ROA: 11.1% |
ROA: 11.1% |
このように、ファクタリングを利用することで売掛金が300減少しても、その分だけ現預金が増えるため、全体の総資産は変わりません。
当期純利益を100と仮定した場合、ROAはファクタリング前も後も11.1%のままです。
総資産が減少しなければROAも変化せず、むしろファクタリング手数料の分だけROAが悪化する可能性もあります。
オフバランス化によるROAの改善は、あくまでもオフバランス化の二次的な効果です。
ファクタリングでROA悪化を防ぐ
使い方次第で、ファクタリングはROAに確かな効果があります。
ファクタリングで資金を調達すれば、融資を避けることができるからです。
資金調達に銀行融資を利用した場合、借入金と同額の現金が増えるためROAが悪化します。
具体的には以下の通りです。
借入前 | ⇒ | 借入後 | ||
現預金 200 |
買掛金 300 |
現預金 500 |
買掛金 300 |
|
売掛金 500 |
||||
借入金 300 |
借入金 600 |
|||
売掛金 500 |
||||
資本金 300 |
||||
固定資産 200 |
||||
総資産: 900 |
資本金 300 |
|||
ROA: 11.1% |
固定資産 200 |
|||
総資産: 1200 |
||||
ROA: 8.3% |
銀行から300の資金を借り入れることで、負債の借入金が300増えると同時に資産の現預金も300増えます。
つまり、借入前後で総資産は900から1,200への増加です。
当期純利益を100と仮定すると、ROAは借入前が11.1%、借入後が8.3%へと悪化します。
このとき、必要資金を銀行融資ではなく、売掛金300をファクタリングによって調達することで、ROAの悪化を防ぐことができます。
ファクタリングでROAを改善するには?
よく、ファクタリングでROAが改善できるといわれますが、これはあくまでも、
「ファクタリングによってオフバランス化すると同時に資金を調達し、負債の増加を避け、さらに負債の圧縮を図ることでROAが改善する」
という意味です。
具体的にみてみましょう。
ファクタリング前 | ⇒ | ファクタリング後 | ⇒ | 負債を一部返済 | |||
現預金 200 |
買掛金 300 |
現預金 500 |
買掛金 300 |
現預金 400 |
買掛金 300 |
||
売掛金 500 |
|||||||
借入金 300 |
借入金 300 |
借入金 200 |
|||||
売掛金 200 |
|||||||
売掛金 200 |
資本金 300 |
||||||
資本金 300 |
資本金 300 |
固定資産 200 |
|||||
固定資産 200 |
固定資産 200 |
||||||
総資産: 800 |
|||||||
総資産: 900 |
総資産: 900 |
ROA: 12.5% |
|||||
ROA: 11.1% |
ROA: 11.1% |
ファクタリングによって売掛金300を現金化し、そのうち100を借入金返済に回しました。
その結果、総資産は800に減少し、ROAが12.5%に上昇しています。
これが、ファクタリング・オフバランス化・ROA改善の関係です。
ただファクタリングしただけではROAは改善しないため、注意が必要です。
自己資本比率の改善
重要な財務指標のひとつに、自己資本比率があります。
自己資本比率とは、総資本(返済が必要な他人資本と、返済が不要な自己資本の総額。貸借対照表の右側)に対する自己資本の比率を表す指標です。
自己資本比率は、以下のように計算します。
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100
自己資本比率が高いほど財務健全性が高いとみなされ、銀行融資などでも有利に働きます。
ファクタリングによってオフバランス化すると、自己資本比率が改善するといわれます。
ファクタリングと自己資本比率の関係は、ファクタリングとROAの関係と同じです。
単にファクタリングしただけでは自己資本比率の改善にはつながりません。
ROAと同じ考え方で、簡単にみていきましょう。
ファクタリングだけでは変わらない
以下のように、ファクタリングしただけでは自己資本比率は改善しません。
ファクタリング前 | ⇒ | ファクタリング後 | ||
現預金 200 |
買掛金 300 |
現預金 500 |
買掛金 300 |
|
売掛金 500 |
||||
借入金 300 |
借入金 300 |
|||
売掛金 200 |
||||
資本金 300 |
資本金 300 |
|||
固定資産 200 |
固定資産 200 |
|||
総資本: 900 |
総資本: 900 |
|||
自己資本比率: 33.3% |
自己資本比率: 33.3% |
この図では、買掛金と借入金が他人資本、資本金が自己資本、総資本は900です。
売掛金300をファクタリングし、現預金が300増加しましたが、ファクタリングでは総資本が変わらないため、自己資本比率にも変化はありません。
融資を受けると自己資本比率が悪化する
自己資本比率が悪化するのは、負債が増加した時です。
ファクタリング前 | ⇒ | ファクタリング後 | ⇒ | 負債を一部返済 | |||
現預金 200 |
買掛金 300 |
現預金 500 |
買掛金 300 |
現預金 400 |
買掛金 300 |
||
売掛金 500 |
|||||||
借入金 300 |
借入金 300 |
借入金 200 |
|||||
売掛金 200 |
|||||||
売掛金 200 |
資本金 300 |
||||||
資本金 300 |
資本金 300 |
固定資産 200 |
|||||
固定資産 200 |
固定資産 200 |
||||||
総資本: 800 |
|||||||
総資本: 900 |
総資本: 900 |
自己資本比率: 37.5% |
|||||
自己資本比率: 33.3% |
自己資本比率: 33.3% |
300の借入によって他人資本は900に、総資本は1200に増加しました。
その結果、自己資本比率は25%へと低下しています。
ファクタリングで自己資本比率を改善するには?
ファクタリングでオフバランス化し、なおかつ資金を調達することで資金需要をカバーすれば、他人資本は増加しません。
これにより、自己資本比率の悪化を防ぐことができます。
よく、「ファクタリングなら負債が増えないから財務が悪化しない」といわれるのはこのためです。
さらに、ファクタリングで調達した資金によって負債を減らせば、自己資本比率が改善します。
ファクタリング前 | ⇒ | ファクタリング後 | ⇒ | 負債を一部返済 | |||
現預金 200 |
買掛金 300 |
現預金 500 |
買掛金 300 |
現預金 400 |
買掛金 300 |
||
売掛金 500 |
|||||||
借入金 300 |
借入金 300 |
借入金 200 |
|||||
売掛金 200 |
|||||||
売掛金 200 |
資本金 300 |
||||||
資本金 300 |
資本金 300 |
固定資産 200 |
|||||
固定資産 200 |
固定資産 200 |
||||||
総資本: 800 |
|||||||
総資本: 900 |
総資本: 900 |
自己資本比率: 37.5% |
|||||
自己資本比率: 33.3% |
自己資本比率: 33.3% |
ファクタリングで売掛金300を現金化し、負債の増加を避け、さらにファクタリングで得た100の現金を借入金の返済に回しました。
これにより、総資本は800に減り、自己資本比率は37.5%へと上昇しています。
これが、ファクタリング⇒オフバランス化⇒自己資本比率改善の具体的な流れです。
企業価値の向上
最後に、ファクタリングでオフバランス化を進めると、企業価値の向上が期待できます。
上記の3つのメリットを享受すれば、
- 保有リスクの回避によって財務が安定し、
- ROAの改善によって資産の運用効率が高いことが分かり、
- 自己資本比率の改善によって財務健全性が高まる
となります。
ファクタリングでオフバランス化する前後を比較すれば、ファクタリング後の方が企業価値は高いです。
企業価値のものさしは様々ですが、少なくとも銀行は業績と財務によって企業価値を図ります。
特に、財務内容が良い会社ほど、返済能力が高く貸し倒れリスクが低いとみなし、融資を積極的に検討します。
つまり、ファクタリングによってうまくオフバランス化を進めれば、それが企業価値向上につながり、延いては融資を受けやすくなり、資金調達環境が良くなるのです。
ファクタリングでオフバランス化するデメリット
ただし、ファクタリングでオフバランス化することにより、思わぬデメリットが生じることもあります。
ありがちなのが、ROAや自己資本比率の悪化です。
ROAの悪化
メリットで述べた通り、ファクタリングをうまく活用することでROAを改善できます。
注意したいのは、メリットの解説は簡易的なものであり、ファクタリングに伴う手数料を考慮しなかったことです。
手数料次第では、ファクタリングによってROAが悪化するため注意が必要です。
ROA悪化の仕組み
ファクタリングには手数料がかかります。
ファクタリング方式によっても異なりますが、手数料の相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:自社とファクタリング会社の2社間で取引する方式。手数料の相場は額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:自社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式。手数料の相場は額面金額の1~10%
実際のファクタリングでは、売掛金の額面から手数料を差し引いたものが支払われます。
つまり、手数料の分だけ利益が目減りするということです。
例えば、利益率10%の場合に手数料率10%でファクタリングすると、利益はゼロになってしまいます。
もちろん、手数料が利益を上回った場合には赤字です。
黒字を維持したとしても、ROAが改善するとは限りません。
純利益100、総資産1000の場合ROAは10%ですが、ファクタリングによって純利益が50に目減りすればROAは5%に悪化します。
対策
ROAの悪化を防ぐには、ファクタリング手数料を抑えながらオフバランス化を進めることが重要です。
手数料率を抑えつつ、
- 与信管理コストの削減
- 借入の圧縮による返済負担の削減
- 早期資金化によるキャッシュフローの改善、キャッシュの有効活用
などを通して利益率を高め、ROAの改善効果を高めることも可能です。
自己資本比率の悪化
ファクタリングでオフバランス化することにより、自己資本比率の悪化を招く場合もあります。
ROA悪化の仕組みと類似しているため、簡単にみていきましょう。
自己資本比率悪化の仕組み
ファクタリングし、オフバランス化することで自己資本比率が悪化するのも、手数料が原因です。
ただし、ROA悪化ほど直接的ではありません。
理想的な資金繰りは、本業で稼いだ利益によって資金繰りが回ることです。
ファクタリング手数料によって利益が減少すれば、長期的には資金繰りが苦しくなっていきます。
例えば、ファクタリングによって純利益100から50に目減りすれば、手元に残るお金は半減します。
純利益から税金や配当などを差し引き、手元に残ったお金を積み立てた「利益剰余金」は、資本金に含まれる自己資本です。
利益が目減りすれば利益剰余金も残りにくくなり、自己資本比率改善の重石になります。
また、お金が手元に残りにくくなれば、当然ながら資金不足を招きやすくなり、資金不足が発生すれば借入などによって対処するほかありません。
総資本に対して他人資本が増加すると、自己資本比率は悪化します。
これが、ファクタリングによって自己資本比率が悪化する仕組みです。
対策
対策はROAと同じです。
ファクタリング手数料をできるだけ抑えながら、オフバランス化を進めることが欠かせません。
同時に、利益率の維持と向上に取り組み、利益剰余金の増加を促し、負債の増加を抑えることで自己資本比率の悪化を防ぐことができます。
ファクタリングによるオフバランス化を活用した事例
ファクタリングによるオフバランス化は、具体的にはどのように行うのでしょうか。
実際の事例を紹介します。
A社の問題
A社長は、父から会社を受け継いだA社の2代目社長です。
大学で経営学を専門的に学んだA社長は、会社を受け継ぐとすぐにオフバランス化に取り組みました。
先代の頃から放置されていた遊休資産の売却から手を付け、過剰在庫の処分、在庫管理の適正化などを通して流動資産も減らしていき、可能なものはリースに切り替えました。
これによりオフバランス化が進み、財務健全性は大幅に向上。
問題は、A社の抱える売掛金です。
多くの売掛先は、先代の頃からの長い付き合いであり、A社が事業を続けていくうえで欠かせない存在です。
しかし、長きにわたって回収サイトが長い条件で取引を続けており、回収サイトが長期化していました。
このままでは、いつまでたっても資金繰りが苦しいままです。
とはいえ、売掛先と交渉して、長い間継続してきた条件を変更してもらうことも困難です。
ファクタリングでオフバランス化
そこでA社長は、No.1でのファクタリングを検討しました。
もともと、ファクタリングがオフバランス化につながるという認識は持っており、申し込みの際にも「オフバランス化に役立てたい」という明確な目的がありました。
弊社のコンサルタントは、ROAの改善や企業価値向上を見据えて、低い手数料で利用できる3社間ファクタリングを提案。
3社間ファクタリングは売掛先への通知が必要であり、売掛先の信用を損なうリスクがあります。
しかし幸い、A社の売掛先は身内同様に付き合ってきた会社ばかりです。
A社長が事前に相談したところ、多くの売掛先がファクタリングの利用を快諾してくれました。
A社長は3社間ファクタリングの利用を決意。
弊社でも、売掛先との付き合いの長さから支払い能力を評価し、手数料率は2%に決定しました。
これにより、A社の売掛金は減少し、流動資産のオフバランス化に大きく貢献。
また、手元資金にはそれほど困っていなかったため、調達した資金は借入金の返済に回し、ROAの改善にもつながりました。
融資の道が開ける
先代の頃、A社はよく銀行融資に苦労していたといいます。
財務内容が悪く、貸し倒れリスクが高いと評価された結果です。
融資を受ける際には、大抵は信用保証協会の保証が必要でした。
しかし、A社長が後を継いで経営改善に取り組み、一番の問題であった売掛金もファクタリングでオフバランス化を進めたことで、資金繰り環境は徐々に変化。
先代の頃は信用保証協会の保証付融資しか出さなかったメインバンクが、A社長の取り組みと企業価値向上を評価して、プロパー融資を出してくれたのです。
最近では、その他の金融機関から融資提案を受けることも増えているようです。
ファクタリングの活用によって、A社の資金調達環境は大きく変わりました。
今後は、銀行から大きな資金を引き出しやすく、積極的な展開も可能となるでしょう。
ファクタリングならNo. 1
ファクタリングでオフバランス化を目指すならば、ファクタリング会社を慎重に選ぶことが重要です。
ROAや自己資本比率を改善するには、ファクタリング手数料をいかに抑えるかがカギとなります。
ファクタリング会社にお悩みの方は、ぜひNo.1をご利用ください。
No.1は、3社間ファクタリングならば1%~、2社間ファクタリングでもオンラインファクタリングによって2%~の手数料率でご利用いただけます。
また、No.1ではファクタリングサービスのほか、コンサルティングサービスも提供しているため、オフバランス化に最適なファクタリングの提案も可能です。
ファクタリングでオフバランス化できる仕組みのまとめ
ファクタリングでオフバランス化する仕組みについて、詳しく解説しました。
ファクタリングすればROAや自己資本比率が改善する、という考え方がよくありますが、この考え方には特に注意しましょう。
単にファクタリングしただけでは、保有リスクの回避につながるものの、ROAや自己資本比率は改善しません。
「ファクタリングしたのに経営が良くならない」と悩まないためにも、ファクタリング⇒オフバランス化⇒財務指標改善の流れを正しく理解する必要があります。
この点を理解すれば、ファクタリング手数料を抑えることの重要性もよくわかるでしょう。
ファクタリング手数料を抑えてオフバランス化を進め、企業価値の向上を目指したい方は、ぜひNo.1にご相談ください。
ファクタリングなら株式会社No.1 詳細情報
株式会社No.1の各サービスの紹介は下記からご覧ください。
ご不明点やご質問はお気軽にお問い合わせください。
よく見られているファクタリング記事