ファクタリングの対抗要件とは？準備が必要な理由を解説

より安心してファクタリングしたいと考えている場合には、対抗要件を準備しなければなりません。
対抗要件が存在していない状況では、何が起きるかわからないことから、依頼した後の問題が起こりやすいのです。
ただ、問題を解消するための方法というのはかなり難しく、実はコストがかかってしまう問題もあるのです。
この記事では、ファクタリングの対抗要件について説明します。

ファクタリングの対抗要件は安全のために必要

ファクタリングの対抗要件は、安全に資金調達するために必要です。
一見すると、何もつけていなくても大丈夫のように思われるかもしれませんが、実は安全に依頼を完了するためには必要とされています。
仮に対抗要件がなかった場合、色々なところから売掛債権について指摘が入ったり、介入されるリスクがあることから、資金を満足に得られない恐れがあります。
何よりもトラブルが起こりやすくなってしまい、ファクタリングだけでおかしい状況になってしまいます。

・対抗要件がないと攻撃されるリスクも高くなる
・しっかり対応できていないと依頼に失敗する恐れあり

攻撃されるような状態になってしまうと、自分が得られる資金がもらえない、または何らかのトラブルに巻き込まれて対応がおかしくなってしまいます。
依頼に失敗するというのは、それだけマイナスの状況が起きてしまい、依頼したことを後悔する傾向もあります。
失敗しないためには、まず対抗要件を考えて行動していくのが重要です。
最後の手段として、取り入れる方法も考えておかなければなりません。

ファクタリングの対抗要件がない場合のリスク

ファクタリングの対抗要件が存在しない場合、次のリスクが起きてしまいます。

・権利が認められないため二重譲渡が発生する恐れ
・売掛先に債権譲渡を認められない状況が起きる
・第三者が勝手に所有権を認める可能性がある

特に多くなっているのが、権利を認めていないことによる二重譲渡です。
二重で譲渡する行為は禁止されていますので、利用している場合には後から会社との間でトラブルになってしまいます。
また、第三者が勝手に所有権を認めてしまえば、譲渡したものが認められなくなり、資金を得られなくなる恐れもあるのです。
色々な問題を抱えていることを踏まえると、リスクの高い状態であるのは間違いありません。

権利が認められないため二重譲渡が発生する恐れ

対抗要件が存在しない場合、権利が認められないことにより二重譲渡の恐れがあります。
二重譲渡というのは、本来1人にしか譲渡できない売掛債権を2人に譲渡するものです。
譲渡している相手が2人になるというのは、本来1人しか保有できない売掛債権を2人が保有していることにより、所有権のトラブルが起きてしまいます。
お金は2人から得られるかもしれませんが、トラブルによってさらに多くの金額を返すように求められるなど、厳しい状況に置かれてしまいます。

・二重譲渡は禁止されている
・二重譲渡に該当する行為が確認されれば、返金が必要
・返金しなければ裁判などで多額の費用を負担する必要がある

勝手に2人以上に渡してしまうというのは、極めて厳しい状況に置かれることから気をつける必要があります。
個人では考えていなかったことも、実際に利用すると2人以上に渡しているという状況になり、同じ売掛債権を2人が保有しているという事例も見られます。
間違った行動を取らないためにも、対抗要件を付けて安心感を得るのが重要です。
ファクタリングの会社によっても、要件をつけるかどうか考えている場合もあります。

売掛先に債権譲渡を認められない状況が起きる

次の問題として、債権譲渡が認められない事例があります。
ここで対抗してくるのは売掛先であり、本来お金を支払う側が勝手に債権譲渡しているという判断から、抵抗して譲渡停止という状況を作ってしまいます。
売掛先としても、おかしい状況に対しては抵抗しなければならないことから、売掛債権を勝手に譲る行為は認めていないのです。
2社間ファクタリングがわからないようにしているのは、対抗要件のない状況でも対応できる状況を作りたいためです。

・2社間は知られないため売掛先が抵抗できない
・3社間にすると売掛先へ連絡するため抵抗される傾向がある

3社間を利用することは、相手に連絡を入れることを意味していますので、売掛債権を譲渡しているのがわかってしまいます。
譲渡するのがダメだと判断している場合、当然抵抗されてしまうため、ファクタリングできずに支払いを待つしかありません。
こっそりと行いたい場合は、2社間で対応する傾向が多くなりますが、2社間でも気づかれれば抵抗されてしまいます。
対抗要件をつけるのは、売掛先に気づかれても大丈夫な状況を作るために必要です。

第三者が勝手に所有権を認める可能性がある

最悪のケースでは、第三者が勝手に所有権を認めてしまい、売掛債権を持っていると明確にする場合があります。
本来であれば、売掛債権を譲渡した人だけが所有していると認めているものですが、対抗要件がないと勝手に宣言していい状況になります。
場合によっては、全く関係のない人が売掛債権の所有権を持っていると宣言し、ファクタリングを妨害するなどの対応ができるのです。
問題となる状況を作ってしまうと、当然ですが資金調達できなくなってしまいます。

・資金調達したいと思っても相手が別人のためどうにもできない
・二重譲渡に関与する可能性があるため抵抗されるケースが多い
・会社側も宣言された以上は対応しない可能性がある

色々な問題が起きてしまうことを踏まえると、対抗要件がないと困るという状況もあり得るのです。
当然ですが、勝手に宣言されたものを取り返してしまえば問題ないものの、取り返すというのは資金調達を諦めることに繋がります。
相手に譲るということは、何らかの対策をしていないことには勝手に所有権を認められる可能性があることを知っておきましょう。
なお、第三者が宣言したとしても、裁判などを行えば抵抗できる場合があります。

ファクタリングの対抗要件を付けるための方法

どうしても安心してファクタリングしたいと考えているのであれば、対抗要件を付けるようにしてください。
しかし、対抗要件を付ける方法は限られており、勝手に個人で行えるものでもないのです。
実は行える方法が限られており、指定されている方法に従って行わなければなりません。

・2社間の場合は債権譲渡登記を入れる
・3社間の場合は売掛先にお願いして対抗要件を得る

2社間は売掛先が関与しないことにより、3社間の方法が取れなくなっています。
2社間だけで対応する場合には、債権譲渡登記を入れるケースが一般的となっており、相手に攻撃されないようにする対策を取るのです。
会社によって対応が分かれていますので、本当に大丈夫なのかしっかり調べてから依頼するのが重要です。
ここからは、ファクタリングの対抗要件を付ける方法について詳しく説明します。

2社間の場合は債権譲渡登記を入れるのが一般的

2社間ファクタリングを利用する場合は、債権譲渡登記を入れて対抗要件を得る方法が一般的です。
一般的に、2社間を依頼できる会社の中には、債権譲渡登記をお願いしているところもあります。
本来であれば必要ないようなイメージを持つかもしれませんが、会社側としては安心感を得るためにも必要不可欠なものです。

・債権譲渡登記を入れれば対抗要件で二重譲渡などが起こらない
・入れない状況になると何が起きるのかわからず不安になる
・抵抗できる状況を作って安心できる資金調達を作る

ファクタリングを提供している会社としては、二重譲渡などの問題を避けるためにも、債権譲渡登記を入れておきたいと考えているのです。
しかし、債権譲渡登記を入れるというのは、次の問題が関与してくることによって、余計な負担を強いられてしまいます。

・債権譲渡登記するための費用を負担しなければならない
・譲渡するまでに時間がかかってしまう

特に2社間というのは、すぐに資金を確保したいと考えている人が多いため、時間がかかる手続きは面倒に感じてしまいます。
中には1週間程度も時間がかかってしまい、明らかに遅いと感じるような状況になってしまうので、マイナスの要素も多くなっています。
一方で、2社間を利用しても対抗できる手段を持っていることにより、会社側としては安心して売掛債権を手に入れられるのです。
会社側としては、安心できる状況を作るためにも、出来れば取り入れたいと考えている傾向もあります。

3社間の場合は売掛先に通知して対抗要件を得る

3社間の場合、売掛先に連絡を入れることとなりますので、このタイミングで通知して対抗要件を得る傾向が多くなっています。
2社間では、売掛先に連絡しないために債権譲渡登記をしているのですが、3社間は連絡しているため相手側も理解しています。
ファクタリングするという状況を知ってもらうと同時に、対抗要件についても考慮してもらい、双方が同意したうえでサービスを利用するという状況が一般的です。
サービスに同意されなければ、当然ですが3社間は利用できなくなってしまいます。

・対抗要件にも同意できないというのは、ファクタリングに同意できないものと同じ
・依頼しても拒否されているため、資金調達できない
・拒否されれば2社間以外の選択肢はなくなる

売掛先がファクタリングを認めるというのは、単純に資金調達出来る状況を作っているのではなく、対抗できる手段についても検討してもらう状況になります。
対抗できる状況を作っておけば、勝手に譲渡される心配もありませんし、売掛先が抵抗してくれるため安心感は得られます。
債権譲渡登記と違い、お金を必要としていない状況もプラスに働き、3社間のほうが抵抗しやすい状況は作られるのです。
ただ、時間はかかってしまいますので、すぐ資金調達したいと考えている人には向いていないのが現状です。

対抗要件を得られないファクタリングはハイリスク

対抗要件を得られない状態でファクタリングするのはハイリスクです。
最近では、2社間でも数時間程度で資金調達できる、当日中に資金を得られるという方法もかなり増えているのが現状です。
しかし、短時間で資金調達できるのは、債権譲渡登記しないで依頼するという方法になりますので、当然ですがリスクは大きくなってしまいます。
最悪の場合、譲渡したものがおかしい状況になっても仕方ありません。

・どこかに譲渡されて二重譲渡だと宣言される場合がある
・第三者に見られて所有権を宣言される危険がある
・売掛先に気づかれれば抵抗される

対抗できる状況を作るためにも、出来ることなら債権譲渡登記などを駆使して、抵抗できる要素を付けておくのがおすすめです。
しかし、時間はかかってしまいますし、2社間の場合は追加費用の負担によってお金を失うリスクが発生してしまいます。
ただ、ファクタリングが失敗するという状況が最も嫌な状況ですから、リスクを回避するという部分に重きを置くなら債権譲渡登記したほうがいいのです。
もちろん依頼する場合には、信頼できる会社に相談してください。

最悪のケースもあるため安心できる会社に相談を

最悪のケースとして、依頼した会社が適当に対応し、債権を不適切な処理で扱う可能性があります。
依頼している会社が信頼できるところであれば、問題なく処理してくれるため安心できます。
しかし、あまり評判の良くない会社、おかしい処理をしていることで有名な会社は注意しなければなりません。

・譲渡したものを再度譲渡している
・第三者に譲ってしまうトラブルが起きてしまう

2社間しか対応していないような会社を依頼する場合には、安心できる会社に相談してください。
本当に信頼できるところに相談しておけば、勝手に譲渡される心配はありません。
また、2社間でも適切に処理してくれて、売掛債権が他に移動するような状況もないのです。
まずはしっかり相談できるところに連絡して、相談してから依頼してみましょう。

ファクタリングの対抗要件まとめ

ファクタリングは対抗要件によって安心感を得られるようになっています。
会社側としては、付けてくれる方が圧倒的にいいのですが、2社間の場合は費用負担が大きく厳しい状況もあります。
何もしない方法はリスクが高くなっていますので、信頼できる会社に相談するなどの対応をしてください。
最初から債権譲渡登記を要求しているところなどは、対抗要件を考えていると判断して構いません。