カテゴリー: ファクタリング

ファクタリングの仕訳で借入金勘定を使うことはある!?借入金勘定を使う例外的なケースを紹介

事業を行う上で会計処理は何より重要になります。この記事をお読みの方は、個人事業主、会社問わず、複式簿記を行っているはずです。

青色申告(単式簿記)、白色申告の方は、これを契機に複式簿記を取り入れていただくのが良いでしょう。

複式簿記の場合、重要になるのが仕訳です。ファクタリングの仕訳は借入金の仕訳とは異なり、短期間に複数の仕訳を行わなければなりません。

ファクタリングの仕訳は独特ですが、融資ではないので借入金勘定は使わないのが原則になります。

しかし、最近は融資ではなくファクタリングなのに借入金勘定を用いるものが出てきています。もし、事業主様の会社がそれに該当する場合、借入金勘定を使った仕訳が必要になりますので、ご注意ください。

今回はファクタリングの仕訳における借入金勘定の原則と例外を紹介します。

融資における借入金の仕訳

まず通常の融資における仕訳を紹介します。融資は負債を伴う借入金ですので、当然借入金勘定を用います。

なお、長期借入金、短期借入金勘定を使う場合もありますが、今回はわかりやすく「借入金」勘定といたします。

1,000,000円を借りた

銀行から1,000,000円借入しました。仕訳は以下になります。

借方 貸方
普通預金 1,000,000円 借入金 1,000,000円

融資の場合、最初から借入金勘定が発生します。

借入した後は返済になります。返済には「返済額+利息」が一定額になる「元利均等」(最初から最後まで毎月の返済額は同じ)と、「借入金(元金)÷返済月数+利息」を均等に返済する「元金均等」があります。

今回の場合、100万円、利息2%の融資を受け10回で返済する場合、それぞれ以下になります。やや余談になりますが、知っておいてください。

元利均等返済

元利均等返済は以下になります。(5か月目まで)

返済回数(何か月目) 返済総額 借入金返済元金 借入金支払利息
1か月 100,918 99,252 1,666
2か月 100,918 99,417 1,501
3か月 100,918 99,583 1,335
4か月 100,918 99,749 1,169
5か月 100,918 99,915 1,003

毎月の借入金返済元金が増え、返済利息が減っていきます。毎月の借入金返済総額は変わりません。

元金均等返済

次に元利均等返済を見てみましょう。

返済回数(何か月目) 返済総額 借入金返済元金 借入金支払利息
1か月 101,666 100,000 1,666
2か月 101,500 100,000 1,500
3か月 101,333 100,000 1,333
4か月 101,166 100,000 1,166
5か月 100,999 100,000 999

元金均等返済は徐々に返済総額が減っていきます。

借入金の返済仕訳

借入金の返済についての仕訳は以下になります。ここでは元利均等返済を用います。

借方 貸方
借入金 99,252円 普通預金 100,918円
支払利息 1,666円  

このような仕訳が、事例では10回毎月、特定の借入金返済日に行われます。10回経過後、借入金はなくなります。

ファクタリングによる売掛金の仕訳を解説

借入金と異なり、ファクタリングによる資金調達は、何十回と返済が続くことはなく、1回のみ、一括返済になります。

ここで、仕訳事例を考えます。

A社がB社に1,000,000円の売掛債権(売掛金)を融資、それを期日到来前にファクタリングによって資金化した事例です。

掛け目(買取率)は単純化するために考えず、手数料は5%とします(3社間ファクタリングになるでしょう)。消費税は込みで考えます。

A社がB社に商品1,000,000円(税込み)を掛売した

借方 貸方
売掛金 1,000,000円 売上 1,000,000円

ファクタリング会社Cとファクタリング契約をした

ファクタリング時は、いきなり資金化されるのではなく、まず、ファクタリングによる資金化のため売掛債権(売掛金)の譲渡契約をします。

借方 貸方
未収入金 1,000,000円 売掛金 1,000,000円

手数料5%で実際に現金化した

手数料5%なので、100万円×5%=5万円引いて現金化します。

<Ⅰ>

借方 貸方
普通預金 950,000円 未収入金 1,000,000円
売上債権売却損 50,000円  

仕訳では「売上債権売却損」の勘定科目にしていますが、「支払手数料」などでも問題ありません。

3社間ファクタリングの場合、仕訳はこれで終了になります。手数料5%は3社間ファクタリングなのですが、もし例外的に2社間ファクタリングをこの手数料でできたとして、そのあとの仕訳も行ってみましょう。

仕訳は以下になります。

売掛金を売掛先(B社)から回収した

<Ⅱ>

借方 貸方
普通預金 1,000,000円 預り金 1,000,000円

この場合、もう回収した売掛債権(売掛金)はA社のものではなく、ファクタリング会社C社のものなので、仕訳の勘定科目は「預り金」になります。あくまで、一時的にB社からA社がお金を預かっているだけです。

ファクタリング会社Cに返済のため振り込みをした

最後に明日買った売掛金をファクタリング会社に返済します。なお、ネットバンキングでは高額の振り込みはできず、銀行窓口で行うことになります。

実際には、このほかに振込手数料がかかります。その場合、この仕訳とは別に「支払手数料」などの勘定科目を使った仕訳をお願いします。

<Ⅲ>

借方 貸方
預り金 1,000,000円 普通預金 1,000,000円

ファクタリングにおいて、仕訳が必要になるのはここまでです。借入金の場合、あと数十回にわたって仕訳を行うこともあります。また、融資を受ける金融機関が増えれば、それだけ簿記、仕訳が煩雑になります。

ファクタリングならば1回1セットの仕訳で完了します。借入金の返済は年単位で続くので、結構なコストになります。

ファクタリングでは「借入金」勘定を原則使わないことをご理解いただけたはずです。

借入金勘定を仕訳で使うファクタリング

ファクタリングはこのように「借入金」勘定を使わない仕訳になりますが、国際財務報告基準(IFRS)を使っている事業主様の場合、借入金勘定を例外的に仕訳に使っていただくことになります。

国際財務報告基準(IFRS)は130を超える法域で採用されている会計処理の指針で、これを適用する企業は、日本独自の基準とは異なる会計方法、つまり仕訳を行います。

上述のファクタリング例「売上債権100万円、買い取り手数料5万円」の場合、国際財務報告基準(IFRS)を使う仕訳は以下になります。

なお、それぞれ通常のファクタリング仕訳で<Ⅰ><Ⅱ><Ⅲ>と記した部分に<Ⅰ‘><Ⅱ’><Ⅲ‘>が対応します。

ファクタリングで100万円を買い取り手数料5万円で資金化した

<Ⅰ‘>

借方 貸方
普通預金 950,000円 借入金 1,000,000円
売上債権売却損 50,000円  

支払日になり売掛債権(売掛金)が入金された

<Ⅱ‘>

借方 貸方
普通預金 1,000,000円 売掛金 1,000,000円

ファクタリング会社に返済した

<Ⅲ‘>

借方 貸方
借入金 1,000,000円 普通預金 1,000,000円

ファクタリング会社から入金された時に仕訳して、入金後に計上します。通常のファクタリングでは「未収入金」や「預り金」勘定になるところが「借入金」勘定になります。

ただし、ファクタリングなので、通常の融資の借入金のように「支払利息」などは発生せず、1回で返済が完了します。

実質的に預り金と同じ要領で仕訳できますが、ファクタリング後、売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に返済するまでは、「借入金」つまり負債になります。

月をまたぐ場合、借入金計上している月末の試算表では負債が大きくなり、通常の融資などを受ける場合マイナスとなります。

一時的でも負債が増えるので、国際財務報告基準(IFRS)を採用している事業主様はご注意ください。

ファクタリングで借入金が問題になるのは、この場合が該当します。

動産担保融資は借入金だがファクタリングではない

最後に、売掛債権(売掛金)を担保に行う「動産担保融資」という制度があります。不動産や保証人の代わりに、売掛債権(売掛金)を担保にお金を借りられる制度ですが、これを利用した場合の仕訳では「借入金」勘定を使います。

動産担保融資は融資なので、「利息制限法の範囲内の利息(手数料)」「信用情報照会あり」「銀行など金融業許可を得ている事業者」という制限があります。

これに当てはまらない事業者が動産担保融資を行っているのは違法です。「分割して返済できます」と売上債権買い取りをアピールしている業者がいた場合、要注意です。ファクタリングではないので、融資であり借入金になります。

動産担保融資を行っているのは大手銀行くらいですので、それ以外の事業者が「分割返済」などを打診してきた場合注意ください。ファクタリングは売掛債権(売掛金)回収日に一括返済するものです。

借入金よりもファクタリングの仕訳の方が1回で終わり簡単!ファクタリングは株式会社No.1にお任せ

借入金の場合、1回借りるとそれを数回、数十回にわたって返済しなければなりません。それよりは、売掛債権(売掛金)返済日にすべて一括返済できるファクタリングの方が後々にリスクを残しません。

ファクタリングの仕訳も「借入金」計上する国際財務報告基準(IFRS)のケースを除けば、基本的に同じような仕訳で終わります。

国際財務報告基準(IFRS)を採用している事業主様は少ないと思われますので、ぜひ簡潔な仕訳で終わるファクタリングで資金調達してください。

「株式会社No.1」は歴史と実績があるファクタリング会社です。融資、借入金は会社の負債になりますが、ファクタリングはなりません。会社の健全性を保つ意味でも、借入金という仕訳をしないのが望ましいです。

ファクタリングのメリットについて、丁寧に説明しますので、ぜひ当社株式会社No.1までお問い合わせください。

借入金は負債で事業主様のリスク要素になります。まずファクタリングで不安要素が少ない資金調達を行ってみてはいかがでしょうか。株式会社No.1はみなさまのご期待に添えられるはずです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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