カテゴリー: ファクタリング

ファクタリングとツケ払いの違いとは?仕組み、違法性、被害の事例などを徹底解説!

ファクタリングは、支払期日前の売掛金を売却し、資金を調達できるサービスです。
No.1でも2016年の設立以来、多くの売掛金を買い取ってきました。
最近では、全ての手続きをオンラインで行う「オンラインファクタリング」の人気も高まっており、今後も便利なファクタリングサービスが登場すると考えられます。
同時に、ファクタリングを騙る違法なサービスも登場しているため注意が必要です。
特に2021年以降、「ツケ払い」と呼ばれる違法なサービスが増えており、金融庁も注意を喚起しています。
この記事では、ツケ払いファクタリングの仕組みや違法性、被害の事例、正規のファクタリングとの違いなどを詳しく解説します。

ツケ払いファクタリングとは?

 
近年、新しい資金調達方法としてファクタリングの人気が高まっています。
ファクタリングとは、会社が所有する売掛金を売却する資金調達方法です。
融資とは全く異なる資金調達方法であり、利便性が高く、スピーディに資金調達できることから、ファクタリングに注目が集まっているのです。
これに伴い、様々な派生商品も誕生しています。
ただし、ファクタリングの仕組みを応用した便利なサービスが増える一方で、ファクタリングの仕組みを悪用した違法な(またはグレーな)サービスも増えています。
まだまだファクタリングの認知度は低く、正しい知識も普及していない状況です。
そのため、「正規のファクタリング」と「ファクタリングに見せかけた悪質なサービス」を見分けることができず、悪質業者の被害に遭うケースが後を絶ちません。
中でも、2021年半ばから増えているのが「ツケ払い」というものです。

ツケ払いファクタリング≠ファクタリング

 
「ツケ払い」と呼ばれるサービスにはいくつか名称がありますが、2023年6月現在確認できる主なサービス名は「ツケ払い現金化」「ツケ払いファクタリング」「後払い現金化」「後払いファクタリング」などです。
「ツケ払いファクタリング」や「後払いファクタリング」といった名称から、ファクタリングの一種であることをイメージする人も多いことでしょう。
しかし実際には、違法なイメージを払しょくするために、わざわざ「ファクタリング」とつけているに過ぎません。
以下に詳しく解説するように、ツケ払いとファクタリングは全く異なります。
No.1のファクタリングサービスは、全て「売掛金の買い取りサービス」であり、ツケ払いに類するサービスは一切取り扱っていません。
ツケ払いについてインターネットで検索すれば、「ツケ払いは合法」「ツケ払いはファクタリングの一種」などと解説するサイトもありますが、そのような情報には恣意的なものが多く、嘘・誤魔化しが多いと考えるべきです。

ツケ払いファクタリングの仕組みは?

 
ツケ払いファクタリングの基本的な仕組みは、ツケ払いで商品を購入することで現金を受け取り、後日購入代金を支払うというものです。
支払いよりも早い段階で現金を手に入れることができます。
この仕組みをみて、「クレジットカード現金化」を思い浮かべた人もいるかもしれません。
クレジットカード現金化とは、クレジットカードで商品を購入して現金を受け取り、後日クレジットカード会社に返済するという仕組みです。
ツケ払いファクタリングとクレジットカード現金化では、サービス名も取扱業者も異なりますが、仕組みはほぼ同じと考えて構いません。
クレジットカード現金化は違法性が高く、利用すべきでないことは周知の事実。
ツケ払いファクタリングも、おおむね同じものと考えてください。
ただし、ツケ払いファクタリングの方式には転売型・キャッシュバック型・宣伝報酬型の3つがあり、これまでになかった新しいタイプもみられます。
それぞれを正しく理解しておくことが大切です。

転売型のツケ払い

 
転売型とは、その名の通り転売によって資金を調達するものです。
近年、大手企業がツケ払いサービスに参入するケースが相次いでいます。
これらのツケ払いサービスは、ツケ払いで商品を購入し、後日(ツケ払いサービスを提供する業者に)商品代金を支払うものです。
転売型のツケ払いファクタリングでは、これらのツケ払いサービスを利用して転売を行います。

転売型の流れ

 
転売型の簡単な流れは以下の通りです。

  • 1.ツケ払いファクタリングの利用を申し込む。
  • 2.業者は利用者に対し、購入する商品を指定する。
  • 3.利用者はツケ払いで商品を購入する。
  • 4.購入した商品を業者が買い取り、利用者は現金を受け取る。
  • 5.後日(ツケ払いサービスの支払日)、利用者は商品代金を支払う。

この流れのように、ツケ払いで購入した商品を、業者に転売することで資金を調達するのが「転売型」です。

転売型の例

 
転売型は、ツケ払いで購入した商品を業者が買い取り、転売します。
したがって、換金性の高い商品を選ぶのが一般的です。
買取価格は、商品価格の60~80%が相場となります。
もちろん、利用者が後日支払うのは商品代金の100%(+ツケ払いに伴う手数料や利息など)ですから、最終的に20~40%は損をする計算です。
この商品を通販サイトAから10万円のツケ払いで購入し、購入価格の60%で買い取ってもらう場合、買取価格は6万円。
元々換金性の高い商品ですから、業者は買取価格よりも高い価格でさらに転売することで儲けています。
後日、ツケ払いの10万円を支払うことで、利用者は差引き4万円のマイナスです。

キャッシュバック型のツケ払い

 
キャッシュバック型も、ツケ払いファクタリングの中でよくあるタイプです。
ツケ払いで商品を購入し、購入特典としてキャッシュバックを受け取ることで資金調達します。
ただし、転売型のように大手のツケ払いサービスを利用するのではなく、業者から直接ツケ払いで購入します。
なぜ転売ではなくキャッシュバックを利用するのかといえば、転売の場合、ツケ払いサービスの利用を拒否されるケースがあるからです。
その場合、ツケ払いで商品を購入することはできません。
そこで、ツケ払いファクタリング業者から直接(ツケ払いで)商品を購入し、キャッシュバックを受け取るスキームが誕生したのです。

キャッシュバック型の流れ

 
こちらも簡単な流れをみてみましょう。

  • 1.ツケ払いファクタリングを申し込む。
  • 2.利用者は、業者からツケ払いで商品を購入する。
  • 3.事前に決められたキャッシュバックを受け取る。
  • 4.後日(基本的には1ヶ月後)、利用者は業者に商品代金を支払う。

キャッシュバック率は様々ですが、こちらも60~80%になることが多いようです。

キャッシュバック型の例

 
キャッシュバック型では、業者から直接ツケ払いで商品を購入します。
業者は改めて転売する必要がないため、価値の低い商品を購入するのが普通です。
過去の摘発例をみると、石ころによって取引したケースもあります。
商品価格が10万円、キャッシュバック率が60%の場合、業者にツケ払いで商品を購入し、キャッシュバック特典として6万円を受け取ります。
支払期日になると、ツケ払いの10万円を業者に支払うことで取引が完了。
やはりこちらも4万円のマイナスです。

キャッシュバック型と法律

 
キャッシュバック型のツケ払いでは、違法性を匂わせないために、「携帯キャリアの乗り換えで受け取れるキャッシュバックと同じ仕組み」といった説明をよく目にします。
しかし、これは詭弁です。
キャッシュバックは景表法によって規制されており、「正常な商習慣に照らして値引きと認められる経済上の利益」は規制の対象外となります。
携帯キャリアの乗り換えに伴うキャッシュバックは、正常な商習慣に照らして極めてまともです。
しかしツケ払いファクタリングの場合、利用者は商品の購入ではなくキャッシュバックそのものを目的としており、正常な商習慣に照らして値引きと認められるものではありません。
したがって、景表法の観点から見ても、キャッシュバック型のツケ払いは違法性が高いといえます。

宣伝報酬型のツケ払い

 
宣伝報酬型は、ツケ払いで購入した後に口コミなどで宣伝し、その宣伝の報酬として現金を受け取ります
キャッシュバックよりもさらに迂遠な方法にみえますが、これも業者なりの工夫です。
転売型はクレジットカード現金化とほぼ同じで違法性が高く、キャッシュバック型も景表法の観点から違法性が高いスキームです。
そこで、「転売でもキャッシュバックでもなく、あくまでも報酬の支払い」という形を取るケースが増えています。
「宣伝報酬」を前面に押し出すために、業者によっては「インフルエンサーマーケティング」などと名付けています。

宣伝報酬型の流れ

 
宣伝報酬型の流れも簡単にみておきましょう。

  • 1.ツケ払いファクタリングに申し込む。
  • 2.利用者は、業者からツケ払いで情報商材を購入する。
  • 3.購入後、業者の指示に従って情報商材のレビューを投稿する。
  • 4.宣伝報酬として現金を受け取る。
  • 5.後日(基本的には1ヶ月後)、利用者は業者に商品代金を支払う。

この流れをみれば分かる通り、「宣伝報酬型」「インフルエンサーマーケティング」などと名前を変えても、他のツケ払いファクタリングと大差ありません。
ツケ払いで購入し、その60~80%にあたる現金を、宣伝報酬で受け取るかどうかだけの違いです。

宣伝報酬型の例

 
宣伝報酬型のツケ払いでは、情報商材などを購入するケースが大半を占めています。
例えば、「レビュー投稿で5万円の高収入」を謳い、ツケ払いで10万円の情報商材を購入させ、レビュー投稿後に宣伝報酬として5万円を支払います。
これは、キャッシュバック率50%のツケ払いと何ら変わりません。
宣伝報酬型のツケ払い業者では、「レビュー投稿で現金報酬GET」「SNS拡散で商品宣伝協力金」など、ツケ払いをイメージさせない形で利用を促すケースが多く、特に悪質性の高い方法です。

ツケ払いファクタリングの違法性

 
ここまでの内容からも、ツケ払いファクタリングの違法性を指摘しました。
具体的には、ツケ払いのどこが違法なのでしょうか。
ツケ払いファクタリングが流行した背景なども踏まえて解説します。

給与ファクタリングとは

 
ツケ払いファクタリングは、2021年の半ばから急速に普及した仕組みです。
正規のファクタリングの普及に比べて、やや遅いタイミングといえます。
それまでは、違法なファクタリングといえば給与ファクタリングが主流でした。
給与ファクタリングは、個人が勤務先に対して有する給与債権を買い取り、給料日に回収するものです。
正規のファクタリングで買い取るのは売掛債権、給与ファクタリングで買い取るのは給与債権。
どちらも債権の買い取りであり、違法・合法の基準も不明確であったため、お金に困る個人が給与ファクタリングに手を出すケースが続出しました。
しかし実際のところ、金融庁の見解にもある通り「給与ファクタリング業者=ヤミ金業者」です。
給与ファクタリングを利用すると、実質的にヤミ金業者レベルの超高金利(年利換算数百~千%超)の借金を背負うこととなり、生活が悪化する可能性が極めて高いです。
これを問題視し、金融庁や警視庁が取締りを強化した結果、集団提訴や刑事摘発によって給与ファクタリングは衰退していきました。
現在、給与ファクタリング業者は軒並み廃業しています。

給与ファクタリングからツケ払いファクタリングへ

 
しかし、給与ファクタリングが衰退したからといって、ヤミ金に従事する人がゼロになったわけではありません。
何らかの(給与ファクタリング以外の新しい)形で、ヤミ金に類する違法行為を行っていると考えるのが妥当でしょう。
注目したいのは、給与ファクタリングが衰退していった時期と、ツケ払いファクタリングの登場した時期が、ほぼ同時期であることです。
給与ファクタリングを行っていたヤミ金業者が、ツケ払いファクタリングに転換したと考えて間違いありません。
消費者問題を取り扱っている「大阪いちょうの会」でも、以下の見解を発表しています。

給与ファクタリング業者が集団提訴や刑事摘発等により衰退し、業態を変えて現れたのが、「後払い・ツケ払い現金化」業者です。かなり暴利を貪ることができるので新規参入してきた業者も多いと思われます。

出典:出典:消費者法ニュース「後払い現金化業者一斉提訴及び金融庁への申入れ」
金融庁は給与ファクタリングに対して、「個人が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当」するとしています。
これを受けて、給料ファクタリング業者は「給与債権の譲渡取引は貸金業に該当する。ならば転売・キャッシュバック・宣伝報酬などの形式を取れば良い」と考えたのでしょう。
常識的に考えるならば、利用者の利益を著しく損なう仕組みが問題なのであって、給与ファクタリングもツケ払いファクタリングもどちらも不当な行為です。
しかし、法律は常識だけでひとくくりにできるものではありません。
ツケ払いファクタリングが違法行為として認識されるには、実際に被害が発生し、提訴や摘発が行われ、裁判の結果「ツケ払いファクタリングは違法」という判例が出るまでは、グレーゾーンの取引なのです。
少なくとも、それまでは違法行為がまかり通る環境ですから、ヤミ金業者が給与ファクタリングからツケ払いファクタリングに鞍替えしたのも頷けます。
「ツケ払いファクタリングがヤミ金業者の温床になっている」と指摘する専門家も少なくありません。

ツケ払いファクタリングの摘発

 
実際に、ツケ払いによってどのような被害が出ているのかをみていきましょう。
ツケ払いファクタリング業者が初めて摘発されたのは、2021年9月29日。
業者の手口は、ほぼ無価値な情報商材をツケ払いで購入させ、キャッシュバックの名目で現金を提供、後日ツケ払いの全額を回収するというものです。
これは、転売型・キャッシュバック型・宣伝報酬型のうち、キャッシュバック型にあたります。
この業者は、2020年5月~2021年1月までの間に、約4700人に対してツケ払いファクタリングを行い、約1億円の利益を得ていたそうです。
摘発の理由について、報道では
「キャッシュバックと称して現金を貸し付けた」
「後日利息を上乗せした金額を、商品代金の名目で返済させていた」
「北海道警は融通した現金を元本、後日回収した代金との差額を利息とみなし、実質的な貸付けに当たると判断した」
としています。
実質的な貸付け当たると判断された以上、貸金業法の規制対象となり、金融庁の登録を受けなければなりません。
もちろん、この業者は金融庁の登録なく貸し付けたため、貸金業法違反(無登録営業=ヤミ金)となります。
また、ツケ払いの金額とキャッシュバックの差額が大きいことから、出資法違反にも該当します。
貸金業法と出資法に違反している業者が、まともであるはずがありません。
給与ファクタリング業者も、ほとんどは「貸金業法違反」と「出資法違反」によって摘発されています。
給与債権の買い取りか、ツケ払いかという違いだけで、実態はどちらも違法業者でありヤミ金なのです。

金融庁の注意喚起

 
大阪いちょうの会の報告によれば、2020年10月~2021年3月までの約半年の間に、ツケ払いファクタリングについて全国から80件以上の相談が寄せられたとのことです。
これを受けて、大阪いちょうの会は2021年3月17日、大阪府の簡易裁判所に損害賠償請求訴訟を行いました。
また同時に、「ツケ払いファクタリングは貸金業に準ずる」という解釈を示すよう金融庁に求めています。
金融庁の公式HPに、ツケ払いファクタリングやそれに類するサービスへの注意喚起 が掲載されたのは2021年6月15日です。
詳しい前後関係は不明ですが、大阪いちょうの会からの要請などもあり、金融庁も問題視せざるをえなかったのでしょう。
金融庁の注意喚起を簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 「ツケ払いファクタリング」には、①形式的にはツケ払いによる商品売買、②商品代金の支払いに先立って購入者が金銭を受け取る、③後日支払う代金と②で受け取る代金との差額が高額、といった特徴がある。
  • 高額なツケ払いにより、かえって経済的環境が悪化し、多重債務に陥る危険性がある。
  • ツケ払い業者に個人情報を悪用される、ネット上で晒されるなど、トラブルや犯罪被害に巻き込まれる危険性がある。
  • 「即日現金化」「ツケ払い商品売却で即日キャッシュバック」「レビュー投稿で現金報酬GET」「SNS拡散で商品宣伝協力金」などの甘い言葉に要注意。
  • 形式的に商品の売買であっても、実態が貸付けであれば貸金業に該当する。貸金業登録を受けずに貸金業を営む者は、ヤミ金であり罰則の対象である。

ツケ払いファクタリングは違法

 
金融庁の注意喚起を見ればわかる通り、金融庁はツケ払いファクタリングの実態をかなり正確に把握しており、危険性や違法性についても言及しています。
しかしネット上には、以下のようにツケ払いを擁護する情報も少なくありません。

  • 給与債権を買い取る給与ファクタリングは違法であり、利用してはいけない。それよりもツケ払いを利用しよう。ツケ払いは給与債権の買い取りではなく、あくまでも商品の売買であるため合法で安全。
  • 給与ファクタリングは違法な貸付けのため危険。しかしツケ払いは、単なる「商品代金の後払い」であって貸付けではない。

しかし実際には、ツケ払いファクタリングは基本的に違法と考えて良いでしょう。
北海道警の見解にある通り、ツケ払いファクタリングは融通した現金を元本、後日回収した代金との差額を利息とみなすことができます。
この見解によれば、ツケ払いファクタリングは「形式的に商品の売買等であっても、その経済的な実態が貸付けであり、貸金業に該当する」と考えて間違いありません。
もちろん、金融庁の貸金業登録を受けた上でツケ払いファクタリングを行い、なおかつ利息とみなされる部分が出資法の上限(年利15~20%)を超えていなければ、その業者は「合法的なツケ払いファクタリング」といえます。
しかし、そのような合法的な業者は存在しないでしょう。
なぜならば、ツケ払い業者にとって何ら旨味がないからです。
ツケ払い業者は、出資法を大きく超える金利で貸し付けることで莫大な利益を得ています。
違法行為のために、「ツケ払い」「ファクタリング」といった仕組みを隠れ蓑にしているのです。
出資法違反であれば、金融庁の貸金業登録を受けることはできないため、おのずとヤミ金にならざるを得ません。
つまり、ツケ払いファクタリングである以上、合法的な営業はあり得ないのです。
ツケ払いファクタリング、ツケ払い現金化、後払い現金化など色々な名称がありますが、基本的にはどれも違法であり、実態はヤミ金業者と考えてください。

資金調達にはファクタリングを!

 
ツケ払いファクタリングの仕組みや流行の背景、法的側面などについてみてきました。
ツケ払いによる被害は個人が大半と考えられます。
しかし、個人事業主や小規模事業者など、事業主でありながら個人との差が小さい人は、ツケ払いに注意が必要です。
事業資金調達のためにツケ払いファクタリングを利用し、被害に遭う恐れがあります。
事業資金の調達は、必ず正規の方法で行うべきです。
事業者の資金調達方法は銀行融資が中心となりますが、融資以外の方法ではファクタリングが役立ちます。

ファクタリングとは?

 
ここでいう「ファクタリング」とは正規のファクタリングであり、ツケ払いファクタリングとは全く異なる方法です。
金融庁は、ファクタリングを以下のように定義しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
金融庁のツケ払いに対する注意喚起と、ファクタリングに対する見解を比較すると、それぞれの違いがよく分かるでしょう。
ここにある通り、ファクタリングは会社が所有している売掛金を売却する資金調達方法です。
売掛金は信用取引によって発生する金銭債権であり、支払期日に代金を受け取る権利を意味します。
しかし、支払期日までは代金を受け取ることができないため、掛売りの金額が過大であったり、回収サイト(回収するまでの期間)が長すぎたりした場合、資金繰りが悪化する可能性が高いです。
ファクタリングを利用すれば、支払期日を待たずに売掛金を現金化でき、資金繰りがラクになります。

ファクタリングは100%合法

 
すでに解説したように、ツケ払いファクタリングは「ファクタリング」を謳っていても、実際には貸付けとみなされる仕組みです。
お金の貸し借りは、法的には金銭消費貸借契約にあたります。
だからこそ、「貸金なのに未登録営業」「貸金なのに法定利息違反」といった問題も出てきます。
これに対し、ファクタリングは売掛金という金銭債権の売買であり、法的には債権譲渡契約です。
これも、ツケ払いファクタリングと正規のファクタリングの決定的な違いといえます。
正規のファクタリングは、債権譲渡契約だからこそ100%合法なのです。
債権譲渡は法律で認められた取引であり、合法であることが民法466条に明記されています。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
つまり「債権譲渡契約は合法→ファクタリングは債権譲渡契約→ファクタリングも合法」という論理によって、ファクタリングは100%合法といえるのです。
ツケ払いファクタリングは、どのように取り繕ったところで違法性は明らか(貸金業法・出資法に違反している)です。
資金調達の際、違法なツケ払いファクタリングを利用するよりも、合法なファクタリングを利用すべきことは言うまでもありません。

政府も推奨するファクタリング

 
単に合法であるだけではなく、ファクタリングは政府も推奨しています。
ファクタリングのように、売掛金などの内部留保の売却によって資金調達することを「内部資金調達」といいます。
一方、銀行の融資、ノンバンクのビジネスローン、ベンチャーキャピタルからの出資、縁故者からの少人数私募債など、社外から資金を調達するものを「外部資金調達」といいます。
ツケ払いファクタリングも、融通した現金を元本とみなすわけですから、外部資金調達の一種です。
外部資金調達は、会社の経営状況によって左右されます。
特に銀行融資やビジネスローンは返済義務を伴うため、返済力に問題があれば資金調達は不可能です。
外部資金調達に過度に依存している会社では、外部から資金調達できなくなった場合に資金繰りが行き詰ります。
そうならないためにも、資金調達方法の多様化が重要です。
ファクタリングを取り入れている会社は、外部から資金を調達できなくなっても、内部から(売掛金の売却によって)資金を調達でき、資金繰りを維持しやすくなります。
長年、日本の企業(特に中小企業)は銀行融資への依存が問題視されてきました。
政府は、この問題の解決策のひとつとして、ファクタリングの活用を推奨しているのです。

ツケ払いではなくファクタリングの利用を!

 
ツケ払いファクタリングは実質的にヤミ金であり、違法性が高く被害も続出。
ファクタリングは100%合法で政府も推奨。
この違いだけでも、ツケ払いよりもファクタリングを利用すべきことは明らかです。
このことは、法的側面だけではなく、様々なメリットを比較してもよくわかります。
ファクタリングの代表的なメリットについて、ツケ払いと比較しながらみていきましょう。

審査に通りやすい

 
借入れによって資金を調達する場合、審査に通る必要があります。
銀行融資は審査のハードルが高く、審査に落ちて資金を調達できないことが非常に多いです。
ファクタリングは、融資よりも審査のハードルが低く、融資審査に落ちた会社でも問題なく利用できます。
これは、融資とファクタリングの審査基準が異なるためです。
融資の場合、融資先の経営状況から返済力を測り、問題がなければ融資します。
当然、業績が赤字である(返済原資である利益が得られていない)、財務的に問題がある(債務超過で経営破綻のリスクが高い)といった会社には融資しません。
しかしファクタリングの場合、重要なのは利用会社の返済力ではなく、売掛先の支払能力です。
ファクタリング会社は、売掛金を額面金額よりも割安で買い取り、支払期日に満額回収することで利益を得ています。
利用会社の経営がどのような状況であっても、売掛先がしっかり支払えば何も問題ないのです。
これが、「ファクタリングは審査に通りやすい」と言われる理由です。
ツケ払いファクタリングも、審査に通りやすい点では同じでしょう。
しかし、ツケ払いファクタリングが審査に通りやすいのは、そもそも審査といえるほどの手続きを履まないためです。
超高金利設定や違法な取り立てによって未回収リスクを回避できるため、銀行やファクタリング会社のような審査は必要ありません。
正規のファクタリングは、きちんと審査を行い、なおかつ審査に通りやすい点で優れています。

手軽に利用できる

 
手軽さはどうでしょうか。
ツケ払いファクタリングは手軽と言えば手軽ですが、方法にもよります。
転売型のツケ払いは、商品を購入して転売する必要があり、想像以上に手間がかかります。
宣伝報酬型では、利用者自らレビューなどを投稿しなければならず、業者が「レビューの内容が要件を満たしていない」などと主張し、調達に時間がかかることもあるようです。
キャッシュバック型のツケ払いは、業者から購入すると同時にキャッシュバック特典を受け取ることができるため、それなりに手軽といえます。
ファクタリングの手軽さは、ツケ払いに決して劣りません。
ファクタリングの流れを簡単にまとめると、以下の3ステップです。

  • 1.ファクタリング会社に申し込む
  • 2.対象となる売掛金を審査する
  • 3.審査後、ファクタリング契約を結び、資金を受け取る

最近では、申し込みから契約まで全てオンラインで手続きできる「オンラインファクタリング」も徐々に普及しており、今後ますます手軽になっていくと考えられます。
ツケ払いは手軽だが違法、ファクタリングは手軽で合法。
ファクタリングを利用すべきことは明らかです。

最短即日で資金調達

 
「ツケ払い商品売却で即日キャッシュバック」といった宣伝文句からもわかるように、ツケ払いは資金調達スピードに優れています。
実際に、即日で資金調達できることも多いようです。
銀行融資ならば数週間~1ヶ月程度、ビジネスローンでも数日を要することと考えると、確かにツケ払いはスピーディな資金調達方法といえます。
ただしこのスピードは、ツケ払いの違法性によるものです。
金利設定や取立行為が違法であり、正当な手続き・審査を経ていないからこそ、スピーディな対応ができるのです。
その点、ファクタリングは完全合法でありながら、ツケ払い以上の資金調達スピードを誇ります。
売掛先が一切関与せず、利用会社とファクタリング会社の2社間で取引する「2社間ファクタリング」では、最短即日での対応が基本です。
2社間取引を全てオンラインで行う場合、最短数時間での資金調達も可能です。
実際に、No.1のオンラインファクタリングサービスでは、最短60分入金の実績が多数ございます。
緊急の資金調達には、ツケ払いよりもファクタリングを利用しましょう。

法人・個人事業主の両方に対応

 
給与ファクタリングは、個人の給与債権を担保とする貸付けであり、あくまでも個人を対象とするサービスです。
個人事業主や法人の売掛金を対象とするものではありません。
給与ファクタリングの派生形として生まれたツケ払いファクタリングも、基本的には個人を対象としています。
このことは、ツケ払いファクタリングを利用する際、必要書類として給与明細を求められることからも明らかです。
個人事業主や法人がツケ払いで資金調達しようとしても、そもそも利用できない可能性があります。
中には、ツケ払いファクタリングの中には、給与明細不要(通帳で収入が確認できれば利用可)とするサービスもあり、個人事業主や経営者個人が利用するケースもあるようです。
しかし、わざわざそのようなツケ払いを探して利用するよりも、正規のファクタリングを利用したほうが遥かに手軽です。
正規のファクタリングならば、法人も個人事業主も安全に利用できます。

調達コストが安い

 
ツケ払いファクタリングで調達できるのは、商品の購入金額に対して60~80%が相場といわれます。
しかし、業者の違法性が高いだけに、想定通りの資金を調達できるとは限りません。
「当初は90%保証と聞いていたが、実際には50%しか受け取れなかった」といった事例もあります。
ツケ払いで10万円の商品を購入して5万円(キャッシュバック率50%)を調達し、1ヶ月後に10万円を返済する場合、年利換算で600%もの超高金利となります。
調達コストを考えると、ツケ払いファクタリングは非効率と言わざるを得ません。
高すぎるコストは資金繰りを圧迫するため、できるだけ抑える必要があります。
ファクタリングの調達コストは、ツケ払いファクタリングよりもはるかに安い水準です。
ファクタリング手数料は方式によって異なりますが、No.1では以下の条件でご利用いただけます。

  • 2社間ファクタリング:利用会社とファクタリング会社の2社間で取引する方式。手数料率は額面金額の5~15%
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式。手数料率は額面金額の1~5%
  • オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式。手数料率は額面金額の2~8%

オンラインファクタリングで、額面金額10万円の売掛金を手数料率5%で売却する場合、必要な調達コストは5000円です。
キャッシュバック率50%のツケ払いに比べて、わずか1/10のコストで資金を調達できます。
資金繰り負担を避けるためにも、手数料の安いファクタリングを利用しましょう。

まとめ:資金調達はNo.1のファクタリングにおまかせ!

 
この記事では、ツケ払いファクタリングの仕組みや違法性について、被害の事例などを織り交ぜながら解説しました。
実際の摘発事例、金融庁や警察の見解からも明らかな通り、ツケ払いファクタリングは違法性が高く、ほぼヤミ金といって差し支えありません。
サービス名にファクタリングとあるものの、正規のファクタリングとは似ても似つかないものです。
資金調達が必要な際には、違法なツケ払いファクタリングの利用は避け、正規のファクタリングを利用しましょう。
ファクタリングをご利用の際には、No.1までお気軽にお問い合わせください。
経験豊富なスタッフがヒアリングを行い、最適なファクタリングプランをご提案します。

総合フリーダイヤル0120-700-339

名古屋支店直通052-414-4107

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