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中小企業が利用できる資金調達方法は?理想は「融資+ファクタリング+助成金」
中小企業の経営者にとって、資金調達は非常に大切な任務です。
資金調達に失敗すれば資金繰りが回らなくなり、最悪の場合には倒産に至ります。
そこで、中小企業が利用できる資金調達方法を知り、優先順位を正しく把握し、自社に最適な組み合わせを模索することが重要です。
ところが、
「そもそも中小企業向けの資金調達方法って?」
「資金調達は融資だけ。それで困っていないから大丈夫だよね?」
「とりあえず銀行融資、だめならノンバンクを使えばいいよね?」
などなど、資金調達に柔軟性がなく、行き当たりばったりになっている会社が少なくありません。
資金調達に不安がある、あまり深く考えたことがない…そんな人は、ぜひこの記事を読んでください。
中小企業向けの資金調達方法と理想的な組み合わせ、特にファクタリングの活用について詳しく解説します。
中小企業の資金調達方法10選
中小企業の資金調達方法は実に様々です。
もちろん、中小企業といっても会社の規模は色々ですから、適している資金調達方法も変わってきます。
その点も含めて、まずは中小企業が利用できる資金調達方法を10個紹介します。
1.民間金融機関から融資を受ける
事業規模の大小を問わず、あらゆる会社が利用できる資金調達方法の筆頭は、民間金融機関による融資です。
個人事業主でも、小規模事業者でも、中規模の会社でも大企業でも、民間金融機関はほとんどの営利法人に対応しています。
ただし、融資による資金調達は、他の資金調達方法にくらべてハードルが高いのが問題です。
民間金融機関は金融経済に深くかかわっており、公的使命を帯びています。
とはいえ、やはり根本的には営利企業です。
メガバンクはもちろんのこと、地方銀行の多くは上場していますし、信用金庫なども非上場であるにせよ出資によって成り立つ営利法人ですから、利益を追求する必要があります。
当然、中小企業への融資も営利事業にほかなりません。
融資した会社が経営悪化によって返済不能に陥った場合、金融機関は多額の貸倒損失を被ります。
結果的に貸し倒れを回避できたとしても、リスケジュールによって数年にわたって回収が遅れたり、多額の貸倒引当金を積み立てなければならなかったりと、様々な問題が生じます。
だからこそ、民間金融機関は融資先の会社を厳しく審査し、返済能力に不安があれば融資しません。
これが、民間金融機関から資金調達する難しさです。
日本の中小企業は、銀行融資による資金調達の依存度が高いとされています。
銀行融資は役に立つ資金調達方法ですが、以下に紹介する9つの方法も含め、資金調達の多様化を心掛けることが大切です。
2.公的金融機関から融資を受ける
民間金融機関で資金調達できなかった場合、公的金融機関からの資金調達をおすすめします。
公的金融機関とは、行政が運営している金融機関のことです。
中小企業にとって最も身近な公的金融機関といえば、政府が100%出資して運営している日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫は、民間金融機関の補完を目的としています。
業績・財務に問題がある、業歴が短いなど、信用上の問題によって民間金融機関から資金調達できない会社だけを対象に融資するのです。
つまり、基本的に問題を抱えている会社に融資するため、金利などの条件が有利になりやすいのが特徴です。
また、経営の現状だけではなく、将来的な見通しも含めて審査してくれます。
民間金融機関よりも審査が緩いわけではありませんが、審査基準が大きく異なるため、民間金融機関で融資を受けられなかった会社でも資金調達できる可能性があります。
このほか、制度融資も資金調達におすすめです。
制度融資とは、自治体・信用保証協会・民間金融機関の三者が連携して、資金調達を円滑化する制度です。
これにより、民間金融機関も融資を出しやすくなるほか、自治体が保証料や金利を補助してくれるため、調達コストを抑えながら資金調達できます。
3.ノンバンクから融資を受ける
民間金融機関や公的金融機関から資金調達できなかった場合、ノンバンクからの資金調達も候補となります。
ノンバンクとは、預金業務を取り扱っていない金融事業者のことです。
クレジットカード会社や消費者金融業者がノンバンクにあたります。
ノンバンクの融資先は、以下のような理由により、金融機関から融資を受けられなかった会社がほとんどです。
- 業績や財務が悪化して審査に落ちた
- 創業してまだ数年しか経っておらず、銀行から相手にされなかった
- 銀行にリスケジュールを申し込んだため、リスケジュール期間中は融資を受けられない
これらは全て、「信用力が低い」という点で共通しています。
信用力が低い会社に融資するのですから、ノンバンクとしては、金融機関よりも審査を甘くし、なおかつ金利を引き上げることでリスクヘッジを図る必要があります。
実際、ノンバンクの審査ではスコアリングシステムを利用しており、金融機関よりも低い基準で、簡易的に審査するため、問題のある会社でも資金調達しやすいです。
ただし、金利設定は上限金利いっぱい(年利15~20%)に設定するのが普通ですから、安易に資金調達しようと利用してしまうと資金繰りが圧迫される点には要注意です。
金融機関からの融資、あるいは以下に紹介する方法で資金調達できるならば、あえてノンバンクを利用する必要はないでしょう。
4.出資を受ける
出資とは、外部の機関投資家や個人投資家からお金を出してもらう資金調達方法です。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などから出資を受けるのが一般的です。
出資者は、事業の成長を見込んで出資しています。
出資先の会社が成長して利益が大きくなれば、出資者が配当金によって得る利益も大きくなっていきます。
また、出資先が株式を上場すれば株価が跳ね上がるため、株式の売却によっても大きな利益を確保できるでしょう。
出資者はこのような利益を目的として出資しています。
このため、出資してもらったお金には返済義務がなく、したがって出資金に利息がかかることもありません。
ただし、出資は中小企業にとってハードルが高い資金調達方法です。
というのも、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家と接触する機会が少なく、交流会や紹介などで接触できたとしても、出資対象にならない可能性が高いからです。
ベンチャーキャピタルは巨額の出資も行いますが、出資するのは100社中せいぜい2~3社程度と言われます。
したがって、多くの中小企業にとって、出資による資金調達は現実的ではないでしょう。
もっとも最近では、ネットを通じて個人から広く出資を募るクラウドファンディングも、徐々に普及してきました。
クラウドファンディングならば、中小企業でも活用できる可能性があるので、資金調達の一つに検討してみる価値があるでしょう。
5.社債を発行する
社債を発行するといえば、大企業が巨額の社債を発行し、証券市場を通じて資金調達するイメージが一般的です。
大企業は知名度や信用力が高く、社債を引き受けても良いと考える投資家が大勢いるからこそ、公開市場で不特定多数を対象に社債の引き受けを募集し、多額の資金調達も可能です。
一見、中小企業には無縁の資金調達方法ですが、中小企業も少人数私募債によって資金調達できます。
少人数私募債は、その名の通り規模が小さく、縁故者(経営者の親族や知人、従業員、取引先など)を中心に社債を発行するものです。
社債の引受人は最大49名、なおかつ社債総額を社債の最低金額で割った値が50未満であることが要件となります。
社債による資金調達のメリットは、最終期限に一括償還できることです。
一般的には、運転資金で2~3年、設備資金で3~5年の期間を定め、期間満了時に一括で償還します。
融資で資金調達する場合、毎月一定額を返済することが多いのですが、社債ならばその必要がなく、資金繰り計画を立てやすいのがメリットです。
また、満期時に返済資金ができなければ、再度少人数私募債を発行して償還のために資金調達することもできます。
少人数私募債はまだまだ一般的ではなく、実際に活用している中小企業は少ないですが、他の方法とは異なるアプローチで資金調達できるため、資金調達方法の多様化におすすめです。
6.助成金を受給する
助成金は、特定の取り組みを行った会社に対して資金を給付し、取り組みを支援する制度です。
主に厚生労働省が手掛けており、雇用関係の助成金が充実しています。
近年、政府が推進する働き方改革の影響もあり、助成金制度の拡充が続いています。
またコロナ禍以降、雇用調整助成金を受給しながら休業する会社が相次いだため、助成金への関心が一気に高まりました。
助成金の種類は非常に多く、例えば以下のような取り組みによって受給可能です。
- 有期雇用労働者を無期雇用や正規雇用に転換する
- 従業員の賃金を増額する
- 業務効率化のために設備と導入する
- 従業員の教育訓練を実施する
もちろん、このほかにも色々な取り組みが対象となります。
助成金を受給しながら従業員を雇用すれば、コストを抑えながら人材不足を解消できます。
業務効率化や教育訓練も生産性向上につながるため、人材不足の解消に効果的です。
もちろん、受け取った助成金は返済不要で、資金使途も自由です。
ただし、助成金を活用するには社労士に依頼する必要があり、数ヶ月単位で取り組む必要があります。
このため、助成金は「資金不足をカバーするための資金調達」という位置づけではなく、「経営改善に取り組みつつ、コストの一部を助成金によってカバーし、資金不足を軽減しながら持続的な経営改善を目指す」と考えましょう。
7.補助金を受給する
助成金と類似する制度に、補助金があります。
助成金と補助金の大きな違いは、助成金が主に雇用関係の取り組みを対象とするのに対し、補助金は研究開発を対象とすることです。
また、助成金は、要件を満たした全ての会社に支給するもので、「年間〇社まで支給」「年間〇億円まで支給」といった上限は決まっていません。
これに対し、補助金は支給する会社の数や、支給総額があらかじめ決まっています。
補助金の支給額は500~5000万円、場合によっては1億円を超えるものもあり、数万円~数十万円が一般的な助成金に比べるとかなり高額です。
ただし、倍率は10~20倍が一般的ですから、応募した100社のうち採択される会社はわずか5~10社であり、ハードルは高いです。
とはいえ、社会の変化が著しい昨今、何かしらの取り組みによって、自社に大きな変化をもたらしたいと考えている会社は多いことでしょう。
その取り組みが補助金の支給対象になる可能性も十分にあります。
補助金を受給すれば、研究開発費用の1/3や2/3といった多額の資金調達も可能です。
8.リースバックを利用する
リースバックは、自社の資産をリース会社に売却すると同時に、リース契約を結ぶ資金調達方法です。
資産の売却による資金調達の一種ですが、資産の中には事業に欠かせないものもたくさんあります。
例えば、運送業者はたくさんのトラックを所有しており、それらを売却すればまとまった資金調達も可能です。
しかし、トラックがなければ運送業者の事業は成り立ちません。
リースバックを利用すれば、トラックを売却すると同時にリース契約を結び、資金調達しながら資産を手元に留め、事業を継続できます。
リースバックはもともと不動産業界で普及したスキームです。
資金調達が必要な場合に、持ち家などの不動産を売却して資金調達を行い、なおかつその不動産に住み続けるためにリースバックが役立ちます。
中小企業の資金繰りでは、経営者本人の資産を担保活用したり、売却したりすることも多いです。
持ち家を担保に銀行融資を受ける場合、やはり審査は厳しく、資金使途なども重視されます。
しかし、持ち家をリースバックで売却するならば、調達した資金は売却によって得たものですから資金使途も自由です。
会社の置かれている状況、資金調達の目的、色々な事情を考慮しながら、必要に応じてリースバックも検討してみてください。
9.手形割引を利用する
手形割引は、受取手形を銀行や手形割引業者に売却する資金調達方法です。
経済産業省は約束手形の廃止を目指しており、手形の交換高は年々減少傾向にありますが、まだまだ手形で取引する会社は少なくありません。
特に建設業など、一部の業種では手形取引の習慣が根強く残っています。
そのような業種であれば、好むと好まざるとに関わらず、手形で取引する必要があります。
手形取引の問題点は、支払いに時間がかかることです。
売掛金の回収サイトは1~2ヶ月が一般的ですが、受取手形の回収サイト(手形サイト)は90日・120日に設定されることもあります。
120日サイトの場合、請求額が確定してから代金を回収するまでに4ヶ月もかかるのです。
支払いまでの期間中にも、従業員への給与、外注先や仕入れ先への支払い、銀行への返済など、様々な支払いが発生するため、資金繰りの悪化は避けられません。
そこで、手形割引による資金調達が役立ちます。
手形割引を利用すれば、手形の決済期日を待たずに代金を回収できるため、資金繰りがラクになるのです。
手形取引を行っている会社は、手形割引や裏書譲渡(買掛先などに受取手形を譲渡し、支払いに充てること)を柔軟に活用し、資金繰りを円滑化しましょう。
10.ファクタリングを利用する
ファクタリングは、自社の所有している売掛金を、ファクタリング会社に売却する資金調達方法です。
売掛金は、支払期日に代金を受け取る権利であり、信用取引によって発生します。
売掛金の問題点は、支払期日までは代金を受け取れないことです。
手形サイトほどではありませんが、売掛金にも回収サイトがあり、資金繰りの負担になることも多いです。
ファクタリングによって売掛金を早期資金化すれば、資金調達に役立つだけではなく資金繰り改善にも役立ちます(詳しくは後述します)。
また、売掛金は貸借対照表の流動資産に分類されますから、ファクタリングは資産売却による資金調達の一種です。
融資や出資、あるいは社債発行など、外部から資金調達するだけではなく、リースバックや手形割引、ファクタリングなど、内部から資金調達することによって、資金調達を多様化できます。
特にファクタリングは、信用取引を行っている会社ならば必ず所有している「売掛金」をきっかけに資金調達できるため、多くの会社に役立つ方法です。
このため、政府も中小企業の資金調達多様化を目指して、ファクタリングの活用を推奨しています。
なお、ファクタリングには以下の2つの方式があります。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
近年、ファクタリングの普及率が急速に高まっていますが、普及をけん引しているのは、利便性の高い2社間ファクタリングです。
中小企業の資金繰りに役立つのも、基本的には2社間ファクタリングと考えてください。
中小企業に適した資金調達方法は?
10通りの資金調達方法を紹介しました。
これらを全て活用できれば申し分ないのですが、実際には中小企業に適していない資金調達方法もあります。
中小企業の資金調達の問題点、それを踏まえた資金調達方法の組み合わせを解説します。
中小企業の資金調達の問題
ここまでに紹介した資金調達方法の多くは、会社の規模に大きく左右されるのが問題です。
上記のうち、利用しにくいのが融資・出資・社債発行です。
金融機関の融資は、最も身近な資金調達方法であり、中小企業の資金調達にも役立ちますが、返済能力に問題があれば融資を受けることはできません。
出資による資金調達は特に厳しく、将来性を期待されるような会社でなければ、出資を受けることはほぼ不可能です。
社債の発行も、少人数私募債という制度によって可能ではあるものの、一般的とはいえない資金調達方法です。
これらの方法には共通する問題があります。
融資・出資・社債などの方法は、どれも外部機関からの資金調達であり、外部機関の判断によって資金調達の可否が大きく左右されるのです。
資金を調達するにあたって、多くの中小企業は外部資金調達(特に銀行融資)に依存しています。
経営悪化などの問題によって資金を調達できなくなれば、資金繰りが行き詰る可能性が高いです。
そこで、資金調達の多様化のためにも、自社の内部から資金調達する「内部資金調達」をおすすめします。
中小企業の理想的な資金調達は、「金融機関からの融資+ファクタリング」という組み合わせです。
資金調達の軸は金融機関の融資
資金調達のハードルが高いとはいえ、やはり資金調達の軸は金融機関からの融資です。
理想は民間金融機関からの融資、欲を言えば信用保証協会の保証なしで資金調達する「プロパー融資」、それも無担保のプロパー融資を目指しましょう。
中小企業は、基本的に業績・財務の安定性が低いため、不動産などの担保や信用保証協会の保証を求められます。
無担保・無保証で融資を受けられるとすれば、それは銀行が経営内容を高く評価している証拠ですから、融資条件も良くなります。
銀行融資の金利は年2~3%が相場ですが、無担保のプロパー融資を受けられるほどの会社であれば年利2%以下、場合によっては1%台前半で融資を受けられることも多いです。
また、安全な会社には多額の資金を融資すれば、ローリスクで安定した金利収入が期待できるため、銀行としても好都合です。
したがって、多額の融資も相談しやすく、事業拡大局面での資金調達に役立ちます。
金融機関から資金調達する際、主な調達コストは金利や保証料です。
無担保・無保証の融資で資金調達すれば、保証料はゼロで金利も安く、多額の資金調達もスムーズとなれば、経営の大きな力になるでしょう。
もちろん、無担保・無保証でなくとも、低コストで多額の資金調達ができる点は変わりません。
したがって、金融機関による資金調達の優先順位は以下の通りです。
- 民間金融機関のプロパー融資(無担保)
- 民間金融機関のプロパー融資(有担保)
- 民間金融機関の信用保証協会保証付融資
- 公的融資(日本政策金融公庫や自治体の融資制度)
現時点で、すでに金融機関から融資を受けられない会社も、いずれは融資で資金調達すること、最終的には無担保のプロパー融資を受けられる状態を目指して経営に取り組みましょう。
ノンバンクはできるだけ利用しない
金融機関からの資金調達に失敗した時、多くの経営者がノンバンクの融資を利用しますが、これは考えものです。
ノンバンクの融資は金利が高く、調達可能額が小さく、信用を損なうリスクもあります。
そもそも、ノンバンクを利用している時点で何らかの問題があるため、初回利用の会社は、複数のノンバンクから借り入れても300万円程度の資金調達が精一杯です。
長期にわたって利用すれば融資枠は大きくなりますが、「長期にわたるノンバンクの利用」は「銀行融資での資金調達を軸とする」という目的とミスマッチです。
信用上の問題も大きく、ノンバンクからの借入があるというだけで、銀行は融資を渋ります。
銀行融資による資金調達の妨げになるのですから、ノンバンクは良い資金調達方法とは言えないでしょう。
短期・少額の資金調達はファクタリング
金融機関から資金調達できない場合、内部資金調達をメインに考えます。
特に役立つのが、手形割引やファクタリングです。
これらの方法は、受取手形や売掛金など、手元の売掛債権を売却する方法です。
手形取引や信用取引をしていれば、これらの売掛債権が常に手元にありますから、自社の裁量で柔軟に資金調達できます。
短期・少額の資金需要であれば、これらの方法によって十分に対応できるでしょう。
約束手形は、近い将来廃止される可能性があり、交換高も急速に減少しているため、手形割引は徐々に活用しにくくなっていくはずです。
これからの時代は、ノンバンクでも手形割引でもなく、ファクタリングによる資金調達が主流になっていくでしょう。
もちろん、金融機関の融資で資金調達できる会社も、短期・少額の資金需要を全て融資に頼るのではなく、ファクタリングとの併用がおすすめです。
助成金とファクタリングの併用も効果的
近年の傾向から考えると、助成金も積極的に活用すべき資金調達方法です。
そもそも助成金制度は、中小企業支援を軸に設計されています。
ほとんどの制度において、大企業よりも中小企業に手厚い内容になっており、大企業を対象外とする制度も多いです。
政府の方針や経済的・社会的な動向から考えて、今後も助成金制度は拡充の流れが続くでしょう。
中小企業支援を目的とする制度なのですから、それを利用するかどうかによって、経営に大きな差が生じます。
人材の確保、業務効率化、社内制度の整備など、色々な取り組みが助成の対象となるため、利用しない手はないでしょう。
ただし、助成金は取り組みの成果に応じて支給されるものですから、取り組み必要なコストが先行します。
数々の要件を満たしながら取り組みを進めたものの、ある段階で資金不足に陥って取り組みを継続できなくなり、助成金も受給できなくなる…そんな会社もあります。
そうならないためにも、助成金とファクタリングの併用が効果的です。
手元資金が心細い会社は、ファクタリングによって手元資金を厚くすることにより、色々な助成金に挑戦できます。
取り組みの最中に資金不足に陥った場合にも、ファクタリングで柔軟に資金調達すれば取り組みを継続できるため安心です。
中小企業におすすめの組み合わせ
以上の内容をまとめると、資金調達方法は以下のように組み合わせるのが良いでしょう。
- 資金調達の軸は金融機関の融資で
- 短期・少額の資金調達はファクタリングで柔軟に
- 助成金で資金調達しながら経営改善も
中小企業の資金調達は、このように融資・ファクタリング・助成金を併用するのが理想的です。
もちろん、少人数私募債やリースバックなどで資金調達できる会社は、それらも適宜組み合わせていきましょう。
ファクタリングで資金調達するメリット
ファクタリングを取り入れることによって、資金調達を多様化でき、資金繰りの安定性が高まります。
もちろん、このほかにもファクタリングで資金調達するメリットは様々です。
ファクタリングの主なメリットを7つ紹介します。
1.利便性が高い
ファクタリングは、他の資金調達方法に比べて利便性が高いです。
ほとんどの資金調達方法は、資金調達に多くの手間がかかります。
例えば銀行融資によって資金調達する場合、決算書の見栄えが良くなるように日々取り組む必要があり、事業計画書やその他さまざまな資料の作成も必要です。
また、銀行の融資担当者と打ち合わせたり、融資希望額が大きい場合には支店長を交えて面談することもあります。
助成金も手間のかかる資金調達方法です。
受給までには多くの要件を満たす必要があり、必ず受給できるとは限りません。
少人数私募債やリースバックなども、色々な手続きが必要です。
これに対して、ファクタリング(特に2社間ファクタリング)はほとんど手間をかけずに資金調達できます。
ファクタリング会社に申し込み、必要書類(ほとんどの会社が手元に持っている書類のみ)を提出し、審査後にファクタリング契約を交わすだけです。
最近は、全ての手続きがオンラインで完結する「オンラインファクタリング」も徐々に普及しているため、利便性はさらに高まっています。
2.スピーディに資金調達できる
ファクタリングは、資金調達スピードにも優れています。
ファクタリングの方式によって異なりますが、資金調達スピードの目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:最短即日
- 3社間ファクタリング:1週間以上
- オンラインファクタリング:最短数時間
3社間ファクタリングはそれなりに時間がかかる資金調達方法ですが、2社間ファクタリングは簡単な手続きで資金調達できるため、多くのファクタリング会社が最短即日で対応しています。
オンラインファクタリングは、対面取引の必要がありませんから、最短数時間での資金調達も可能です。
実際、No.1のオンラインファクタリングサービスでは、最短60分での入金実績が多数ございます。
資金調達方法の組み合わせとして「融資+ファクタリング+助成金」をおすすめしましたが、このうちファクタリング以外は資金調達に時間がかかる方法です。
金融機関の融資は、最短(無担保のプロパー融資)でも2週間、それ以外は1ヶ月程度を要します。
助成金は事前の取り組みに数ヶ月を要し、加えて支給申請と支給審査にも時間がかかるため、スピーディな支給は望めません。
そこで、最短数時間~即日で資金調達できるファクタリングを組み合わせ、資金繰りの柔軟性・安定性を大きく引き上げるわけです。
3.経営状況に関係なく資金調達できる
経営状況に関係なく資金調達できることも、ファクタリングの大きなメリットです。
このメリットがあるからこそ、「融資+ファクタリング」という組み合わせが効果的なのです。
融資で資金調達する場合、返済能力を厳しくみられるため、経営状況が大きく関係します。
これに対し、ファクタリングの審査は利用会社の経営状況を重視しません。
もちろん、初回利用の場合には、架空債権詐欺(架空の売掛金をファクタリング会社に買い取らせる詐欺行為)などを避けるために、利用会社にも審査を行います。
しかし、この審査も利用会社の経営状況を把握するためではなく、利用会社の情報を収集し、ファクタリングの利用に不審な点がないことを確認するためです。
ファクタリング会社にとって重要なのは、利用会社の返済能力ではなく、売掛先(売却する売掛金の支払企業)の支払能力です。
売掛先の支払能力に問題がなければ、支払期日に代金を回収できる可能性が高いため、ファクタリング会社はローリスクで収益を確保できます。
ファクタリング会社は、利用会社の経営状況がどんなに悪かったとしても、買い取った売掛金さえ回収できれば何ら問題ないのです。
このため、ファクタリングは以下のような状況でも資金調達可能です。
- 連続赤字で黒字転換の見通しも立たない
- 借入金の返済が遅れている
- リスケジュール中である
- 債務超過に陥っている
- 税金や社会保険料を滞納している
このような経営状況であれば、融資による資金調達は100%不可能でしょう。
資金調達を「融資+ファクタリング」としておけば、融資による資金調達が不可能でも、ファクタリングで資金調達できるため安心です。
4.売掛先に知られることなく利用できる
ファクタリングを利用する際に気になるのが、売掛先の信用が悪化するリスクです。
ファクタリングによる資金調達の多様化は、政府も推奨していることですから、決して悪いことではありません。
しかし、売掛先がファクタリングをあまり理解していない場合、
「銀行融資で資金調達できないのだろうか?(経営状況が悪化しているのだろうか?)」
と疑われ、信用が悪化する危険があります。
また、ファクタリング業界には悪質業者も潜んでおり、ファクタリングを装う違法業者が摘発されるケースもしばしばです。
このため、ファクタリングはグレーな資金調達方法というイメージを抱き、
「ファクタリングに手を出しているが、違法な方法で資金調達しているのではないか?」
などと疑う人もいます。
このように疑われると、今後の取引に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
2社間ファクタリングを利用すれば、このリスクを回避できます。
利用会社とファクタリング会社の2社間で取引し、売掛先が一切関与しないため、ファクタリングの利用を知られず資金調達できます。
5.資金繰りを改善できる
ファクタリングの資金繰り改善効果にも注目しましょう。
融資で資金調達する場合、手元資金が厚くなるという意味では資金繰りがラクになりますが、同時に資金繰り悪化のリスクもあります。
金融機関の融資は金利が安いとはいえ、元利の返済は確実に資金繰りを圧迫します。
万が一返済困難になってリスケジュールに至った場合、「リスケジュール期間中+リスケジュール完了後の1年間」にわたって融資を受けることができません。
リスケジュール完了から1年が経過しても、必ず融資を受けられるとは限らず、小さな取引を通じて徐々に信用を取り戻していく必要があり、長い期間を要します。
このように、使い方をひとつ間違えると、融資は資金繰り悪化の原因になるのです。
これに対して、ファクタリングを正しく活用すれば、資金繰り改善に役立ちます。
というのも、ファクタリングで資金調達することは、実質的に回収サイトを短縮することになるからです。
そもそも売掛金とは、「支払期日に代金を受け取る権利」であると同時に、「売掛先が支払うべき代金を、一定期間にわたって(支払期日まで)自社が立て替えておくこと」にほかなりません。
ファクタリングで売掛金を早期に回収(回収サイトを短縮)すれば、代金の立替期間を短縮することにつながり、資金繰り負担も軽くなります。
資金繰り改善効果を高めるには、以下のような売掛金をファクタリングするのがポイントです。
- 額面金額が大きい売掛金(多額の代金を立て替えている売掛金)
- 回収サイトが長い売掛金(代金の立替期間が長い売掛金)
もちろん、額面金額が大きく、なおかつ回収サイトが長い売掛金を所有しているならば、積極的にファクタリングすべきでしょう。
6.回収不能リスクを回避できる
ファクタリングには、回収不能リスクを回避できるメリットもあります。
売掛金は、商品やサービスを売ることで発生するのですから、基本的には良いものです。
しかし、全ての資産には「保有するリスク」があります。
売掛金の「保有するリスク」は以下の通りです。
- 1.代金の立て替えによって資金繰りが苦しくなる
- 2.支払いが遅延した場合、資金繰りがさらに苦しくなり、場合によっては法的手続きも必要となる
- 3.売掛先の倒産によって回収不能になった場合、多額の貸倒損失が発生する
1は、信用取引をする以上は避けられないリスクですが、厄介なのは2と3です。
2の場合、法的手段が必要になることも多く、業務に支障を来します。
しかも、回収に労働力を割いたところで、得られる効果は「遅延の期間をできるだけ短くする」「代金の一部だけでも回収する」くらいのもので、どう転んでも損になるのです。
回収の努力も虚しく、3の状況に陥ることも考えられます。
額面金額が大きい売掛金が回収不能に陥ってしまうと、大きな赤字を被り、最悪の場合には連鎖倒産に至るでしょう。
そうならないためにも、ファクタリングが非常に役立ちます。
ファクタリング契約は、原則的に「償還請求権なし」です。
償還請求権とは、買い取った売掛金が回収不能に陥った場合、ファクタリング会社から利用会社に売掛金の買い戻しを求める権利です。
「償還請求権なし」であれば、ファクタリング会社が買い戻しを求めることはできず、貸倒損失は全てファクタリング会社が負担します。
ファクタリングで資金調達しつつ、なおかつ回収不能リスクをファクタリング会社に移転できるのです。
これにより、突発的な貸し倒れによる資金繰り悪化を回避でき、資金繰りの安定性がさらに高まります。
7.担保・保証なしで資金調達できる
ファクタリングは、担保・保証なしで資金調達できます。
多くの中小企業は、銀行融資の際に担保や保証を求められるものです。
ノンバンクの融資は無担保が基本ですが、代表者保証をつけるのが一般的です。
担保・保証の点がクリアできず、資金調達が困難になる中小企業も少なくありません。
その点、ファクタリングは無担保・無保証で資金調達できます。
そもそもファクタリングは、あくまでも債権譲渡取引であって、融資ではありません。
融資でなければ返済義務もなく、返済不能に備えるための担保・保証は一切不要です。
この意味においても、中小企業の資金調達には「(担保・保証が必要な)融資+(担保・保証が不要な)ファクタリング」という組み合わせが適しています。
担保・保証で問題を抱えている会社は、ファクタリングを積極的に活用しましょう。
まとめ:資金調達は「融資+ファクタリング+助成金」の組み合わせを!
中小企業の資金調達方法、それぞれの特徴、中小企業の事情を踏まえた理想的な組み合わせについて詳しく解説しました。
中小企業の資金調達は融資・ファクタリング・助成金の3つを組み合わせましょう。
多額の資金調達の際には、銀行融資が必要不可欠になることは間違いありません。
また、近年の動向から考えて、今後も助成金の利用価値は高まっていくはずです。
融資は資金調達のハードルが高く、助成金は先行コストの問題があります。
それを解決するためにも、ファクタリングが役立ちます。
融資を資金調達の軸に、助成金を経営改善の軸に、それらの補助としてファクタリングを機動的に活用することで、資金調達環境が大幅に改善するでしょう。
No.1には、資金調達専門のコンサルタントが多数在籍しています。
資金調達のアドバイス、最適なファクタリングのご提案、長期的な経営改善のサポートなど、幅広く対応可能です。
ファクタリングをご利用の際には、ぜひNo.1にご相談ください。
また、企業や個人向けの資金調達方法はこちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:企業が資金を集める方法とは?起業した個人向けの集め方も解説 | 株式会社パラダイムシフト – DX×M&Aで、革新を促す
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