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ファクタリングの歴史はいつごろから?世界の歴史と日本の歴史は意外と異なることを紹介

ファクタリングは融資に代わる資金調達方法として、ここ20年ほどで急速に浸透しました。そうなるとファクタリングの歴史は浅いものなのでしょうか?実はファクタリングの歴史は結構長く、遡ると産業革命などの単語が登場します。

歴史的な経緯を踏まえると、ファクタリングは新しく出てきたよくわからない資金調達方法ではないことがわかります。

今回はファクタリングの歴史について解説していきます。ファクタリングをあまりご存知でない方も、歴史があるものだとわかれば、ファクタリングへの信頼度も高くなっていくはずです。

世界のファクタリングの歴史は?

まず世界的なファクタリングの歴史について概説していきます。

ファクタリングの誕生!16世紀~イギリスで生まれた~

ファクタリングの起源は16世紀のイギリスにさかのぼります。イギリスの商人がアメリカ大陸の植民地と取引する際にファクタリング的な仕組みを利用したことが始まりです。

植民地に移住した人々は、イギリスとの貿易で必要な物資を購入していました。その際、イギリスの「ファクター」と呼ばれる仲介人(ファクター=ファクタリング会社と言い換えても良い)を通じて商取引を行っていました。彼らは、アメリカからの毛皮や木材をイギリスで販売し、その対価として小麦や布などを手に入れていました。

当時、イギリスの毛織物産業は盛んで、高い需要がありました。この時期のファクタリングは、資金調達手段というよりも、支払保証としての役割が主でした。支払いが不能になった場合「売掛金を受け取る権利」を保証して一定額を支払う保険のような仕組みです。

17世紀アメリカで請求書による資金調達が始まる

17世紀になると、アメリカを植民地とした商人たちは、イギリスへの原材料の出荷に前払いを求めるようになりました。この支払保証は、銀行が発行する請求書を信用の担保として利用する形で行われました。これにより、請求書ファクタリングが広まりました。

請求書ファクタリング、一括ファクタリングの歴史はここから始まりました。

産業革命が始まった18世紀のファクタリング!毛織物の取引での利用を中心に

18世紀からは、主にイギリスとアメリカの移住者間での毛織物取引にファクタリングが使われるようになりました。ファクターは仲介者としてだけでなく、商品の保管、販売、前払いの信用調査も行うようになり、企業は設備投資を積極的に行い、生産効率を向上させました。

信用情報調査が入っている「国際ファクタリング」の原型がここで作られます。

ビジネスに積極的に使われるようになった19世紀~早期現金化が普及する

19世紀には、新たなファクタリングが普及しました。産業革命の影響で、イギリスからアメリカへの工業製品の輸出が増え、売掛債権(売掛金)を担保に前払いが行われるようになりました。

ファクタリングがかなりビジネスの場で実用化されてくることになりました。

戦後はファクタリングの世紀!アメリカで急成長したファクタリング

20世紀になると、イギリスからアメリカへの輸出は減少し、ファクターの販売代理機能は失われましたが、資金提供と信用調査の機能に特化するようになりました。国際ファクタリングや保証ファクタリングの機能が拡充されていきます。

第二次世界大戦後、1965年頃には、アメリカのファクターがヨーロッパに支店を開設し、再びファクタリングが広まりました。家電等が急速に普及する中で、ファクタリングはビジネスにおける有力な手段になっていきます。

その後、日本を含めた東アジアやオーストラリアなどにも広がりました。

1970年代までに、多くのアメリカのファクターが銀行に吸収され、金融サービスを提供する大規模な金融機関に成長しました。融資とファクタリングは同じ事業者が提供する金融サービスとなり、事業者が使い分けられるようになりました。

ファクタリングは歴史的な産業構造の変化にも巧みに対応し、ビジネスに浸透していきます。

ヨーロッパでもファクターと銀行の提携が進み、主要な銀行のほとんどがファクタリングを行うようになりました。

日本におけるファクタリングの歴史

上述のようにアメリカや西ヨーロッパで普及したファクタリングが日本にやってきたのは1970年代になります。

1970年代、ファクタリングよりも歴史がある手形取引の方が信用されていた

1970年代、日本でも一部の事業者の間でファクタリングが認知され始めました。しかし、広く普及することはありませんでした。

なぜなら日本では「手形取引」が広く普及していたからです。日本では伝統的に手形取引が一般的であり、手形を銀行で割引して早期に現金化するサービスが利用されていました。ファクタリングを使わなくても、請求書ではなく手形を発行していたため、その手形を割り引くことでファクタリングと同じような早期資金化が可能でした。

この手形割引が存在するため、ファクタリングはあまり新しいものと映らず、早期資金化の手法としても手形に代わって普及するメリットがなかったのです。

さらに、日本固有の事情、風土として売掛債権(売掛金)の譲渡が風評被害につながり、取引先からの信用が低下するという懸念がありました。「あの会社は金策に困っているから売掛債権(売掛金)を売った」。ファクタリングは消費者金融=サラ金と同じようにみられていたことが普及を妨げられた原因に挙げられます。

加えて、債権回収を専門に行う信用調査機関が未発達であったことも、ファクタリングが普及しなかった一因です。

歴史的なバブル経済の栄華とバブル崩壊後の金融危機980年代後半~1990年代後半の日本

1991年、高度経済成長のピークを迎えた日本でバブル経済が崩壊し、経済が低迷し始めました。この変化により、企業の手形取引も影響を受けました。

旧来のように手形取引を行っていた企業は、経済の悪化にともない手形を現金化する手段が減少していきました。このような背景から、ファクタリングへの関心や社会的ニーズが次第に高まり始めました。

バブル崩壊やそれに続く金融危機の影響は、手形取引以外の資金調達手段としてファクタリングを注目させることになります。請求書があれば融資のように借入せず、手形の振り出しも不要なファクタリングは、金融危機にあって救いの神になります。

さらに、住宅金融専門会社(住専)問題などが発生し、債権回収の重要性も広く認識されるようになりました。

21世紀はファクタリングが当たり前の時代へ~日本の資金調達の歴史が変わりつつある!

2000年以降、21世紀に入ると、日本では金融関連法の制定や改正が進み、債権譲渡に関する環境が整備されました。後述する民法(債権法)改正もその代表的なものになります。

インターネットやWEB上のシステムの発展に伴い、電子決済システムも次々と新しいものが導入されました。これにより、融資や手形取引と比べて規制の緩いファクタリングが、その特長を活かして現実の資金需要に対応する形で進化していきました。

ファクタリングは融資ではないので、銀行法も貸金業法も無関係です。また手形割引とも異なるので、手形法の適用も受けません。

民法上の契約行為で資金調達できるので、民法の大原則である「契約自由の原則」「私的自治の原則」をそのまま適用できる優れた資金調達方法になります。

以上が日本におけるファクタリングの大まかな歴史です。特に日本では、アメリカやヨーロッパよりも遅れて、2000年以降がファクタリング普及の大きな歴史的転換期となりました。

日本における21世紀ファクタリングに関する法改正の歴史

上述のように、1990年代後半の金融危機(住専問題や銀行の倒産)によって、従来の資金調達方法である融資や手形割引ではリスクヘッジできないという流れになり、ようやく新しい資金調達方法としてファクタリングが登場しました。

流れ的には、ネガティブな状況に追い込まれてやむなく・・・という後ろ向きの改革でしたが、それでも1990年代後半から2000年代、21世紀に入ると、歴史的な法改正が行われ、法制度でも国はファクタリングをバックアップするようになりました。

大きな契機は以下の3つの法改正になります。

【ファクタリングに関する法律改正の流れ】

①1998年 債権譲渡特例法の改正

②2005年 債権譲渡登記制度の改正

③2020年 民法(債権法)改正:債権譲渡特約の撤廃、将来債権譲渡の明文化

法改正の歴史1 債権譲渡特例法の改正(1998)債権譲渡登記制度の創設(2005)

まず上記①と②について合わせて解説していきます。

1998年、住専処理問題が大きな話題となった直後に債権譲渡特例法が施行され、「債権譲渡登記制度」が設立されました。

それ以前も、民法の一般条項を根拠にファクタリングは行われていましたが、売掛債権(売掛金)譲渡の登記ができなかったため、第3者に対する対抗要件としては不十分でした。第3者が「債権譲渡を知らなかった」と主張すれば、ファクタリングされた売掛債権(売掛金)がファクタリング会社に移っていることを証明できず、元の債権者が支払義務を負うことがありました。

債権譲渡登記が可能になると、法務局で登記簿謄本を取得することができます。それにより、売掛債権(売掛金)がファクタリング会社に移っていることが明確になり、債権者はファクタリングを利用しやすくなりました。

また、「債権を譲渡された際に自分が債権者であることを第3者に主張できる」という対抗要件は、ファクタリング会社にとっても有益です。「自分が債権者なので売掛金を自社に支払ってください」と売掛先に主張できるようになりました。3社間ファクタリングもしやすくなります。

1998年の債権譲渡特例法施行後、2005年に債権譲渡登記制度が改正され、より簡便に債権譲渡取引が行えるようになりました。さらに、2006年には「新会社法」が施行され、企業環境が大きく変わりました。有限会社がなくなり、新しく合同会社ができました。また「1円会社」が可能になり、実質的に会社設立への資本金要件がなくなります。

会社を取りまく環境も、大きな歴史の中で変わっていきます。

明治民法からの歴史的な大転換!2020年民法(債権法)改正

ファクタリングには「ファクタリング法」「ファクタリング規制法」などの特別法がなく、融資などと比べて、当事者間の合意に基づく自由な法律行為として行われてきました。つまり、ファクタリングは民法上の契約行為で、民法の規定が適用されるものでした。

明治期に制定された民法の内容がそのまま21世紀にも残っていました。しかし、この根拠となる民法が2020年に歴史的大改正となります。それが民法(債権法)改正です。債権法改正なので、戦後まもなく改正された家族法(家父長制家制度から男女平等へ)や物権法などはそのままです。債権に関する部分のみの歴史的大改正になります。

2020年の民法(債権法)改正では、債権法部分が現代化され、その中にはファクタリングに関する規定も含まれました。以下の2つが、改正におけるファクタリングに関連する主な変更点です。これにより、日本のファクタリングはさらに進展しました。

  • 債権譲渡特約の撤廃
  • 将来債権の明文化

それぞれの歴史的大改正ポイントは以下になります。

債権譲渡特約の撤廃

改正された民法では、新しく「債権譲渡禁止特約があっても債権譲渡が有効」と規定されました。これにより、売掛先と「売掛金を第3者に譲渡しない」という契約を結んでいても、債権者はファクタリングを行えるようになりました。

ただし、債権譲渡禁止特約を無視してファクタリングを行うと、当然ですが、売掛先との信頼関係が悪化するリスクがあります。そのため、この事態を避けるためには、当事者間で完結する2社間ファクタリングが良いでしょう。

将来債権譲渡の明文化

民法(債権法)改正のもう1つの大きなポイントは将来債権の譲渡が明文化です。従来、日本では請求書などの確定債権のファクタリングが一般的でしたが、将来債権の譲渡が認められることで、注文書や発注書のファクタリングも可能になりました。

将来債権とは、債権譲渡時にその債権が未発生でも譲受人が債権を得られるというものです。この改正により、ファクタリングできる帳票の選択肢が広がり、さらにファクタリングが使いやすくなるような期待があります。

この将来債権の記載を受けて、ファクタリング会社の中では徐々に「注文書ファクタリング」や「発注書ファクタリング」をメニューに加えるところが増えつつあります。

この民法(債権法)の歴史的改正により、日本でファクタリングが一層身近なものとなり、企業の資金調達手段としてさらに普及することが期待されています。

歴史的使命を終えつつある手形取引

日本でファクタリングが普及しなかった理由として、手形取引が浸透し、早期資金化は手形割引によって行われていたことがあると上述しました。

手形割引は手形法によって厳しく規制されています。手形取引には銀行の与信審査(信用調査)に合格しないとできません。

新しい取引先ができた場合は、その都度与信審査が必要になるのが手形取引です。これは実情に合いません。現在のようにクラウドソーシングやネット取引でどんどん取引先が変わる状況に合わなくなってきました。ビジネスの歴史的転換が2000年代より始まっています。

「不渡り2回で事実上倒産」という手形法のルールは大きなリスクになります。手形取引よりも掛取引のほうが低リスクです。不渡り2回でも、売掛先との関係は悪くなりますが、即倒産にはならない請求書払い(掛取引)のほうが使いやすくなっています。

手形取引は銀行による与信審査(信用調査)がありますが、インターネットやオンラインシステムの普及に伴い、売掛先の信用調査が比較的簡単に行えるようになりました。その結果、請求書払いとファクタリングが受け入れられやすくなりました。

支払手形の発行残高は、そのような状況から年々減少しています。

1990年度には約107兆円だった発行残高は減少を続け、最近では約25兆円前後と約4分の1にまで減少しました。一方で、請求書払い(掛取引)は増加しています。

ファクタリングの歴史を知ると今後ますますファクタリングは普及する!株式会社No.1までお問い合わせを!

ファクタリングの歴史について今回解説しました。ファクタリングの歴史は、特に日本国内ではまだ30年経っていないもので、これから新しい歴史が作られていくことがわかります。

その歴史は90年代後半に動き出してから、どんどんファクタリングを普及し、使いやすいものにするように動いています。

手形取引の減少と反比例するように掛取引は増えており、請求書を資金化できるファクタリングのニーズは大きく向上しています。今後ももっとファクタリングが使いやすくなっていくでしょう。

そうした歴史を見ながら、ぜひ新しい資金調達方法としてファクタリングを使ってみましょう。

「株式会社No.1」は老舗のファクタリング会社で口コミもよく、初心者の方も使いやすいファクタリング会社として知られています。

法改正の歴史に沿ってどんどん顧客本位の使いやすいシステムを構築していますので、ぜひ一度当社株式会社No.1のファクタリングを利用してみてください。

ファクタリングは信用情報に記載されないので、過去に返済事故などを起こした方でも問題なく利用できます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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