カテゴリー: 経営情報
ファクタリングをする場合消費税の課税売上割合の考慮は不要!しかし例外もあるので押さえておこう
ファクタリングを行うことで消費税の課税売上割合は変わってくるのでしょうか?
2023年10月よりインボイス制度が始まったので、これまで年間売上1000万円未満で免税事業者だった事業主様にとっても、消費税が身近な問題になりました。
事業者が消費税を考えるうえで「課税売上割合」についても知っておく必要があります。
課税売上割合が一定以下ならば非課税売上があっても全額経費、損金に計上できます。
税負担が重い中では課税売上割合の理解が事業主様の経営を助けるかもしれません。
今回はファクタリングと消費税の課税売上割合について解説します。
ファクタリングの基礎知識
ファクタリングは、世界的には古い歴史があり、ごく一般的な資金調達方法です。
しかし、日本で普及してきたのはごく最近のこと。
ファクタリングの正しい知識が浸透していくのは、まだまだこれからです。
ファクタリングにかかる消費税や課税売上割合への影響を理解するためにも、まずはファクタリングの基礎知識を説明します。
ファクタリングとは?
ファクタリングは、売掛金の売却による資金調達です。
信用取引によって発生した売掛金をファクタリング会社に譲渡し、その対価として買取代金を受け取ります。
ファクタリングの対象となるのは、原則的に支払期日前の確定債権(請求内容が確定している売掛金)だけです。
支払期日を待たずに資金化できるため、資金を調達できると同時に、資金繰りの負担軽減にも役立ちます。
このように、ファクタリングは売掛金の早期資金化です。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ファクタリングにかかる手数料も、「売掛金の早期資金化に伴う手数料」にほかなりません。
ファクタリングの消費税や、課税売上割合への影響も、この定義を軸に考えます。
また、ファクタリングは法的には債権譲渡取引です。
これも、ファクタリングと消費税の関係を考える上で重要な知識となります。
ファクタリングの法的根拠
さて、ファクタリングを初めて利用する場合、安全性が気になる人も多いことでしょう。
現在のファクタリング業界には悪質業者が紛れ込んでおり、実際に被害が発生しています。
悪質業者が摘発され、話題になることもしばしばです。
悪質業者の手口は色々ですが、そのひとつに消費税があります。
後述の通り、ファクタリングは非課税取引のため消費税がかかりません。
しかし、請求内容によっては消費税の請求が正当といえる場合もあり、複雑です。
悪質業者は、非課税の部分で消費税を請求することが多く、問題になっています。
さらに悪質な手口も知られており、利用には注意が必要です。
もっとも、ファクタリング自体は合法であり、法的根拠もあります。
金融庁も定義するように、ファクタリングは法的に債権譲渡です。
債権譲渡について、民法では以下のように定めています。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
民法第466条では、債権譲渡を明らかに認めています。
売掛先が債権譲渡を禁止・制限している場合でも、債権譲渡は有効なのです。
ファクタリングは債権譲渡の一種ですから、債権譲渡としての要件を備えている限り合法といえます。
また後述の通り、債権譲渡取引は非課税取引のため消費税がかかりません。
ファクタリングが合法である根拠も、消費税がかからない根拠も、全ては「ファクタリング=債権譲渡取引」という点にあります。
「ファクタリングを装って違法な貸付けを行い、時に消費税を請求する業者」は違法ですが、正規のファクタリングは合法であり、消費税に関してもクリーンです。
ファクタリング未経験の会社も、安心・安全に利用できます。
ファクタリングの方式とは?
ファクタリングの方式も、消費税・課税売上割合を考える上で重要な知識です。
ファクタリングの方式を大まかに分けると、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
ポイントは売掛先の関与です。
2社間ファクタリングは売掛先が関与せず、3社間ファクタリングは売掛先が関与します。
方式によって資金調達スピードや手数料が大きく変わります。
特に、手続きの違いから手数料の内訳が変わるため注意してください。
手数料の内訳が変われば、消費税の課税・非課税も変わってきます。
ただし、どの方式も課税売上割合への影響はありません。
消費税と課税売上割合
ファクタリングの利用にあたり、消費税と課税売上割合の関係が気になる人も多いことでしょう。
まずは消費税と課税売上割合について解説します。
消費税の流れについて簡単に押さえておこう
2023年10月のインボイス制度導入によって、これまで免税事業者だった事業主様も消費税が自分の問題になります。
ここで簡単に消費税について押さえておきましょう。
消費税は最終消費者(ユーザー、購入者)から預かり、それぞれの行程での生産者が分割して支払う仕組みです。
ここで事例を考えてみましょう。
※軽率減税に該当しない消費税10%のものと仮定します
①A社が10円(税抜き)+1円(消費税)で原材料をB社に販売
②B社が10円(税抜き)+1円(消費税)で原材料を購入。それを50円(税抜き)+5円(消費税)=55円の商品として販売
③消費者が50円(税抜き)+5円(消費税)=55円で購入
最終的な商品にかかる税金は50円×10%=5円となります。
その消費税5円は最終商品を買った人=消費者が支払います。しかし、消費者が5円を税務署に納税しません。
消費税を納税するのはAとBです。
・A社は11円(税込み)でB社に原材料を売った消費税1円を申告
・B社は消費者55円(税込み)で売り、消費者から5円の消費税を預かり、1円をA社に消費税として支払い、残り4円を税務署に自社の消費税として納税
本来は「消費税」なので消費者が納税するものですが、そうした手間をかけられないので、事業者が代わりに納税する仕組みになっています。
これまで、免税事業者だった人はその消費税を「益税」にできましたが、インボイス制度導入後、課税事業者を選べば消費税を納税しなければなりません。
課税売上割合とは何?
次に「課税売上割合」について解説します。
モノやサービスを販売しても、全部消費税がかかるわけではなく、一部免税売上、非課税売上、不課税売上などが存在します。
ここで課税売上割合というものを計算します。
課税売上割合とは、売上高全体のうち課税売上が占める割合のことです。
仕入税額控除の判定や金額を算定するときに使用します
<課税売上割合の計算公式>
課税売上割合={(課税売上高+免税売上高)÷(課税売上高+非課税売上高+免税売上高)}×100%
非課税売上などは多くの事業主様の場合はとても少ないはずです。
しかし0ではない可能性があります。
実は、仕入れ控除(消費税を経費にできる)の関係で全額控除できない事業者があります。
その場合消費税の扱いが変わります。
仕入れ控除(仕入れた金額に消費税をかけた金額)が全額、納付義務のある消費税から控除できるのは、
・課税売上割合95%以上 かつ 課税売上高5億円以下
という条件があります。
なお、インボイス制度の免税事業者に支払う消費税は仕入れ控除できないので、ここが議論を複雑にしています(当面「8割特例」など経過措置あり)。
課税売上割合が95%以上かつ課税売上高5億円以上の事業者(当然売上1000万円以上なので、インボイス制度前も後も課税事業者)は、課税売上割合97%でも、課税売上割合100%とみなして、消費税を全額仕入れ控除できます。
しかし、その逆で
・課税売上割合95%未満 または 課税売上高5億円超
の事業者は消費税については細かく掲載して「個別対応方式」「一括比例配分方式」のどちらかで計算して消費税の納税額が決まります。
非課税売上が多い事業者は仕入れ控除できない消費税についてもしっかり計算しなくてはなりません。
【個別対応方式の計算式】
共通部分の仕入税額控除=共通する消費税額×課税売上割合
【一括比例配分方式の計算式】
仕入税額控除=仕入等の消費税額×課税売上割合
この違いがあります。
説明するととても難しいのですが、「課税売上割合95%未満 または 課税売上高5億円超」に該当する事業主様であれば顧問税理士がいるはずで、税理士の指示に従って対応をお願いします。
ファクタリングは課税売上割合の計算は不要
ファクタリング取引にかかる費用、つまりファクタリング手数料は非課税取引になります。
消費税がかからないので、税込みでも税抜きでもなく、消費税が発生しない費用になります。
ファクタリングを利用したと仮定しても売上金額は変化しません。
例えば、300万円(税込)の売掛債権(売掛金)がある場合、ファクタリングを行っても、それは300万円を200数十万円で現金に変えるだけであり、新しく売上が発生するわけではありません。
売上が発生しないのですから、消費行為もなく、消費税も発生しません。
ファクタリングで法人税や所得税が変わる(ファクタリング手数料を経費、損金に計上)可能性はありますが、消費税については、課税売上割合などに関係なく、当初売上が発生し、売掛金勘定として、期日に回収した例とまったく変わりません。
ファクタリングによって課税売上割合も消費税の納付総額も影響せず、消費税については考えなくても良いレベルになります。
課税売上割合については知っておきたい概念ですが、少なくとも原則的に事業主様がファクタリングする中では無視してよい要素になります。
例外的に「再ファクタリング」の場合は課税売上割合の考慮が必要になる
「原則的に消費税も課税売上割合も考慮不要」と書きました。「原則」ということは「例外」もあります。
それは再ファクタリングの事例です。再ファクタリングは「売上債権を受け取る権利」の転売とイメージしてください。
事業主様Aの100万円の売掛債権(売掛金)をファクタリング会社Bが90万円で買い取り、ファクタリング会社Cに93万円で転売すれば、ファクタリング会社Bは3万円の利益を上げられます。これが再ファクタリングです。
再ファクタリングの場合、Cに売掛債権(売掛金)を売ったBについて、利益の3万円には消費税がかかります。
ただし、事業主様の立場では、自分の売掛債権(売掛金)を売却するだけですので、実際に本ケースが該当することはありません。
知識として、以下を知っておいてください。
再ファクタリングを行った場合「資産の譲渡等を行った者が当該資産の譲渡等の対価として取得したもの」という国税庁消費税の指針には該当しないため、従来は譲渡対価の全額(上の例では3万円)が課税売上割合の計算時に「非課税売上」として、分母に入れなければなりませんでした。
つまり、分母の数字が増えれば、課税売上割合の数字が低くなり、消費税について全額仕入れ控除にできる可能性が低くなります。
しかし、2014年4月1日の新通達により、譲渡対価の5%相当額で良いこととされたものです。
・再ファクタリングの際も売買や手数料は非課税取引である
・しかし売った代金の5%を「課税売上割合」の分母「非課税売上」に計上する
上の例では、転売額93万円の5%=46,500円になります。通常なら消費税10%=93,000円ですから、半額になります。
再ファクタリングの事業者についても以前と比べるとありがたい税制度になっています。
「ファクタリングは非課税取引であり消費税は発生しないので、消費税は費用ではない。ファクタリング会社が行う『再ファクタリング』は例外的に消費税が発生するが事業主には直接関係ない」と覚えていただければ幸いです。
ファクタリングの手数料と消費税・課税売上割合
実際にファクタリングを利用する際、消費税はかかるのでしょうか?
消費税がかかるとすれば、課税売上割合に影響はないのでしょうか?
ここからは、ファクタリングの手数料と、消費税・課税売上割合の関係を詳しく解説します。
ファクタリングには手数料がかかる
ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に売却するものです。
この時、必ず手数料がかかります。
手数料は、入金時に額面金額から差し引き、一括で支払うのが基本です。
ファクタリングの手数料は、方式によって大きく異なります。
方式別の手数料率の相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
ファクタリングの法整備が不十分な現在、手数料に関する上限規制はありません。
審査結果に応じて、ファクタリング会社の裁量で自由に設定できます。
あまりにも高すぎる手数料でなければ、違法になることはありません。
手数料の請求方法は主に二つ。
ひとつは、全ての手数料を一括で請求するものです。
個々の経費に関係なく、「ファクタリング手数料」などの名目で一括請求します。
消費税として請求されることはなく、課税売上割合の変化もありません。
No.1をはじめ、優良ファクタリング会社の多くは一括方式を採用しており、明朗会計のため人気です。
もうひとつは、手続きに要した経費を細かく請求するタイプ。
手数料の内訳が分かりやすい反面、不当な請求が紛れ込むこともあります。
また、手数料の内訳によって、消費税の課税・非課税が異なります。
非課税の部分で消費税を請求されることもあるため注意が必要です。
なお、個別請求の場合も、課税売上割合は変わりません。
ファクタリングは非課税取引
ファクタリングと消費税・課税売上割合の関係を知る上で、前提となるのが「ファクタリングは非課税取引」ということです。
消費税は、取引の内容によって課税される場合と、課税されない場合があります。
これは、課税売上割合にも関係のあることです。
消費税の課税について、国税庁は以下の四つを課税対象としています。
- 国内での取引
- 事業者が事業として行う取引
- 対価を得て行う取引
- 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供にあたる取引
ファクタリングで取引する売掛金は、流動資産に含まれます。
資産の譲渡は消費税の課税対象ですから、ファクタリングにも消費税がかかるはず。
しかし実際には、ファクタリングは非課税取引であり、消費税は課税されません。
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であっても、課税対象になじまないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があります。これを非課税取引といいます。
出典:出典:国税庁「非課税と不課税の違い」
ファクタリングは、国内のファクタリング会社が、対価を得て行っている売掛金の譲渡取引です。
資産の譲渡には違いないものの、社会政策的配慮から消費税は非課税となっています。
国税庁が、非課税取引のひとつに「有価証券等の譲渡」を挙げていることからも、ファクタリングには消費税がかかりません。
(2) 有価証券等の譲渡
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
出典:出典:国税庁「No.6201 非課税となる取引」
まずは、「ファクタリングは売掛金の譲渡→売掛金の譲渡は非課税取引→ファクタリングに消費税はかからず課税売上割合も変わらない」と考えてください。
消費税を請求するファクタリング会社には要注意
最後に、上記の通り、ファクタリングについては非課税取引です。
ファクタリング手数料は税込みでも税抜きでもなく非課税、消費税は発生しません。
もし、ファクタリング会社からの請求で「+消費税がかかります」「税抜き価格」「税込み価格」などがあれば、その会社は、ファクタリングは非課税取引であることを知っていて、あえて消費税分を追加請求している(もちろんその「消費税」はそのままファクタリング会社の利益)ので、悪徳業者の可能性が非常に高いです。
消費税・課税売上割合に関係なく、ファクタリングを活用するには、悪質業者を避けることが大前提となります。
悪質業者を利用すれば、支払う必要のない消費税を請求されたり、法外な手数料を請求されたりする危険があります。
その結果、資金繰りや経営が悪化し、「売上の減少→課税売上割合の変化」ということも有り得るでしょう。
悪質業者の危険性については、金融庁の注意喚起をみるとよくわかります。
中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ここにある通り、ファクタリングの悪質業者とは、「ファクタリングを装って、違法な貸付けを行う業者」のことです。
無登録営業ですから、ヤミ金と考えて間違いありません。
本来非課税のファクタリングで消費税を請求するくらいは朝飯前で、法外な手数料や違法な取り立てなど、様々な被害が報告されています。
ファクタリングの流れの中で消費税も課税売上割合も考慮しなくて良い要素になっています。
もし、ファクタリング会社がそれらの単語を口にしてきたとすれば要注意です。
詐欺、悪徳業者の可能性が高く、そうしたファクタリング会社とは取引しないようにしてください。
手数料の内訳と消費税・課税売上割合
ファクタリングは非課税取引です。
その意味では、ファクタリングには消費税がかかりません。
国税庁は、「金銭債権の譲り受けの際に債権者から徴収する割引料、保証料又は手数料は、その名目の如何にかかわらず、金銭債権の譲受対価として非課税」としています。
諸経費を個別に請求するのではなく、一括で請求する場合、「ファクタリング手数料」などの名目で請求します。
ファクタリング手数料は債権譲渡に伴う手数料であり、名目の如何に関わらず非課税です。
したがって、一括請求のファクタリング手数料には消費税がかかりません。
しかし、個別請求の場合、部分的に消費税の課税対象となることがあります。
もちろん、その部分で消費税を請求することは正当であり、悪質とはいえません。
一括請求であれば、消費税や課税売上割合を考える必要はありませんが、個別請求であれば内訳に応じて消費税・課税売上割合を考える必要があります。
手数料の内訳は、手続きの内容によって変わります。
基本的なものを挙げると以下の通りです。
- 買取手数料:売掛金の買い取りに伴う手数料
- 審査手数料:売掛金を審査するための手数料
- 事務手数料:ファクタリングの審査や契約などの事務手続きにかかる手数料
- 登記手数料:債権譲渡登記に伴う司法書士報酬や登録免許税
- 印紙代:ファクタリング契約書に貼り付ける印紙代
- 出張費:対面契約を結ぶにあたり、ファクタリング会社のスタッフが利用会社を訪問するための手数料
以上の手数料には、消費税がかかるものと、かからないものがあります。
消費税・課税売上割合について、それぞれみていきましょう。
買取手数料は非課税
買取手数料は、ファクタリングの手数料の基本であり、消費税は非課税、課税売上割合にも影響しません。
ファクタリング会社は、売掛金の内容に応じて手数料を設定します。
ファクタリングには償還請求権がなく、売掛金が回収不能になった場合の損失は全てファクタリング会社が負担します。
リスクとリターンは常に連動するものです。
回収不能リスクが低い売掛金ならば、安い手数料でも買い取ることができます。
しかし、回収不能リスクが高ければ、買い取りを見送るか、手数料を引き上げることでリスクに備えます。
買取手数料は、業者側が回収不能リスクに備えるためのものと考えてください。
当然ながら、買取手数料の根拠は「売掛金の買い取り(譲渡)」にあります。
金銭債権の譲渡取引は非課税取引ですから、消費税はかかりません。
審査手数料は非課税
業者によっては、審査手数料を請求します。
消費税・課税売上割合を考える際、審査手数料は少々厄介です。
債権の譲渡取引は非課税取引ですが、役務の提供は消費税の課税対象です。
ファクタリングの際にも、「売掛金の審査そのものは役務」という理由で、消費税を請求する業者があるかもしれません。
しかしながら、審査手数料も非課税と考えるべきでしょう。
ファクタリング会社は、買い取りの可否を判断し、手数料などの条件を決めるために審査します。
つまり、審査の目的は「売掛金の買い取り(譲渡)」であり、譲渡取引の一部とみなされます。
したがって、審査手数料には消費税がかからず、課税売上割合も変化しません。
事務手数料は課税対象
ファクタリング会社によっては、事務手数料を請求します。
ファクタリングの手続きでは、業者側に事務負担が発生するため、それを手数料として請求するのです。
有名な業者の中にも、事務手数料を請求するケースがあるため注意してください。
事務手数料は、利用額に応じて変化するものも多いです。
- 額面金額100万円以下…事務手数料1万円
- 額面金額101万円~200万円…事務手数料2万円
- 額面金額201万円~300万円…事務手数料3万円
- 額面金額301万円~400万円…事務手数料4万円
- 額面金額500万円以上…事務手数料5万円
ファクタリングの事務手数料と消費税・課税売上割合の関係については、国税庁の公式な見解がなく、専門家によって意見が分かれます。
参考になるのは、融資の際の事務手数料について、国税庁が
「役務の提供の対価であり、消費税法上、金銭の貸付けの対価としての利子に該当しないので、課税の対象」
とみなしていることです。
同様に考えるならば、ファクタリングの事務手数料も消費税の課税対象といえます。
したがって、ファクタリング会社が「事務手数料+消費税」を請求してきた場合、それだけで悪質と考えるのは早計です。
また、総コストに占める事務手数料はわずかであり、それにかかる消費税は微々たるものです。
もちろん、課税売上割合も変化しません。
したがって、事務手数料と消費税を請求された場合、その他の条件に異常がなければ、あまり気にする必要はないでしょう。
登記コストは課税・非課税が混在
ファクタリングの際、債権譲渡登記を求められることがあります。
特に2社間ファクタリングは、債権譲渡登記を求められることが多いです。
その際には登記コストが発生するため、消費税・課税売上割合を考える必要があります。
登記コストの内訳は、登記手続きを代行する司法書士への報酬と、登録免許税です。
目安は10万円程度。
司法書士報酬は、消費税を請求される可能性が高いです。
司法書士に登記手続きを依頼するのはファクタリング会社であり、利用会社が司法書士と直接取引することはありません。
司法書士報酬は「司法書士→ファクタリング会社→利用会社」という流れで請求されます。
債権譲渡登記手続きは役務の提供にあたり、消費税の課税対象です。
したがって、司法書士がファクタリング会社に請求する際には、「司法書士報酬+消費税」を請求します。
ファクタリング会社は、これを実費として利用会社に請求するのですから、やはり「司法書士報酬+消費税」です。
このように、司法書士報酬には手数料がかかるため注意してください。
登記コストのうち、登録免許税は非課税です。
そもそも、登録免許税そのものが税金の一種です。
登録免許税に対して消費税を請求すれば二重課税になってしまうため、課税されることはありません。
なお、司法書士報酬も登録免許税も、課税売上割合には影響しません。
印紙代は非課税
ファクタリングの際には契約書を作成します。
このとき発生するのが印紙代です。
印紙代は、印紙税法の定めによって課税される税金であり、債権譲渡契約書も課税の対象となります。
1万円未満の債権譲渡取引は非課税ですが、ファクタリングの利用額は1万円以上になることがほとんどですから、基本的には印紙税がかかると考えてください。
印紙代に消費税はかからず、課税売上割合も変化しません。
そもそも、印紙代は税金です。
二重課税を避けるためにも、「印紙税+消費税」ということはあり得ません。
出張費は課税対象
オンライン契約を除き、ファクタリングの契約は対面取引が基本です。
対面契約は、利用会社がファクタリング会社の営業所に出向くか、ファクタリング会社が利用会社まで出張することで行います。
ファクタリング会社の出張を受ける場合、出張費を請求される可能性があります。
スタッフの派遣には人件費その他のコストがかかるためです。
出張契約は役務の提供ですから、出張費は消費税の課税対象となります。
注意したいのは交通費です。
出張費は役務の対価ですが、交通費は実費です。
交通費は内税であり、消費税が含まれています。
例えば、1万円の新幹線代は、「乗車賃+消費税=1万円」です。
もし、ファクタリング会社が交通費を請求する際、「実費+消費税」とすれば二重課税となります。
したがって、交通費には消費税がかかりません。
以上のように、出張に伴う手数料は「出張費は役務の対価であり消費税の課税対象」「交通費は実費であり消費税の課税対象外」と考えてください。
まとめ:消費税も課税売上割合も無関係で経理も簡単に資金調達可能!ファクタリング会社は株式会社No.1がおすすめです
ファクタリングは非課税取引なので、その文脈には「消費税」も「課税売上割合」も登場しません。
ファクタリングを除いた事業主様の経営には消費税や課税売上割合を考えることも大切ですが、少なくともファクタリング会社との取引では無視できます。
再ファクタリングは、事業主様が行うことはなく(行えば事業主様がファクタリング会社です)、知識として知っておいてください。
安心してご利用いただけるファクタリング会社として株式会社No.1を紹介します。
「株式会社No.1」は歴史と実績があるファクタリング会社です。
口コミの評判も良く、もちろんファクタリング手数料に消費税を加算することもありません。
初心者でも丁寧に説明し、遠隔地にお住いの方はすべてオンラインで完結するオンラインファクタリングも可能です。
事業主様のファクタリングについては消費税の計算や課税売上割合の算出はいりませんので、ぜひお気軽にご利用ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
ファクタリングなら株式会社No.1 詳細情報
株式会社No.1の各サービスの紹介は下記からご覧ください。
ご不明点やご質問はお気軽にお問い合わせください。
よく見られているファクタリング記事