カテゴリー: ファクタリング
でんさいネットとファクタリングの共通点と違いとは?メリット・デメリットまとめ
「でんさい」と「ファクタリング」の違いをご存知ですか?
売掛債権(売掛金)を支払期日前に資金化できるという共通点から区別がつかず、どちらが自社に向いているのか悩んでいる方も多いようです。
そこで今回は、「でんさい」と「ファクタリング」の共通点と違いを踏まえたうえで、それぞれのメリットとデメリットについてまとめてみました。
1.でんさい・でんさいネットとは?
でんさいネットとは、正式名称を「株式会社全銀電子債権ネットワーク」といい、このでんさいネットが記録管理をしている電子記録債権を「でんさい」と呼びます。
でんさいは、売掛債権(売掛金)や手形の代わりに支払いをする「債権」をデータで記録・管理した新しい金銭債権です。
電子化されたペーパーレスの金銭債権、といった方がイメージしやすいかもしれません。
単に売掛債権(売掛金)や手形をデータ化しただけでなく、取引の安全性・確実性・利便性を兼ね備えており、でんさいネットを介して譲渡することで支払期日前に債権を資金化することができるのです。
でんさいネットは全国の金融機関が参加しているため、取引はすべて「参加金融機関」を介して行います。
ただし、でんさいを利用するためには受取企業だけではなく、支払企業(売掛先企業)もでんさいネットへ加入しなければなりません。
2.ファクタリングとは?
ファクタリングとは、企業間取引で発生した売掛債権(売掛金)を支払期日前にファクタリング会社へ譲渡(売却)し、現金を得る資金調達方法です。
直接ファクタリング会社が売掛債権(売掛金)を買い取るため、でんさいのように金融機関を介する必要はありません。
3.でんさいとファクタリングの共通点3つ
でんさいとファクタリングの代表的な共通点として、下記の3点が挙げられます。
- 売掛債権(売掛金)の譲渡によって支払期日前に資金化できる
- 売掛先企業が支払うことで決済される
- 債権譲渡方法がシステム化されている
3−1.売掛債権(売掛金)の譲渡によって支払期日前に資金化できる
でんさいの場合は手形・売掛債権(売掛金)の電子記録債権を、ファクタリングの場合は売掛債権(売掛金)を譲渡することで支払期日前に資金化することが可能です。
どちらも、売掛債権(売掛金)の譲渡によって成り立っている資金調達方法であり、支払期日前に資金化できるという点も共通しています。
3−2.売掛先企業が支払うことで決済される
でんさいの場合、 本来の支払期日にでんさいネット参加金融機関を通じて、売掛先(支払企業)の口座から債権者の口座へ送金された時点で決済となります。
同様に、3社間ファクタリングの場合も本来の支払期日に売掛先からファクタリング業者へ支払われた時点で完了です。
ただし、2社間ファクタリングの場合は売掛先に知られないよう、決済の仕組みが異なっています。
まず、通常通り売掛先からファクタリング利用者へ入金され、続いてファクタリング利用者からファクタリング業者へと支払う2段階の仕組みになっているのです。
ちなみに、3社間・2社間ファクタリングの違いについては「ファクタリングの仕組み」にて詳しく解説しております。
3−3.債権譲渡方法がシステム化されている
でんさいの場合はでんさいネットが、ファクタリングの場合はファクタリング会社が債権譲渡における手続きを行います。
どちらも、あらかじめ債権譲渡方法をシステム化することで、スムーズな資金調達が可能になっているのです。
4.でんさいとファクタリングの違い3つ
でんさいとファクタリングには大きな共通点がある反面、下記のような違いも軽視できません。
▼でんさいとファクタリングの違い
- ネットワーク加盟義務の違い
- 貸し倒れリスクの違い
- 資金調達スピードの違い
ここからは、3つの違いについて個別に見ていきましょう。
4−1.ネットワーク加盟義務の違い
でんさいの場合は、通称でんさいネットと呼ばれている株式会社全銀電子債権ネットワークによって手続きが行われます。
したがって、「受取企業」および「譲渡先企業」の双方に対し、「でんさいネット」への加盟がでんさいを利用する前提条件となっているのです。
一方、ファクタリングの場合は「本来の債権者」と「ファクタリング会社」間で行う直接取引ですから、でんさんネットなどへの加入義務はありません。
4−2.貸し倒れリスクの違い
結論から言うと、貸し倒れリスクはファクタリングよりもでんさいの方が格段に高いのが実情です。
そもそも、でんさいは譲渡した後も本来の債権者に支払い責任が残るため、保証人と同じ責任を負わなければなりません。
したがって、回収が出来なくなってしまった場合には、受取企業(債権を譲渡した企業)が売掛先の代わりに支払うことになるのです。
これに対し、償還請求権が無いノンリコースファクタリングの場合は、たとえ売掛先が倒産して回収不能になったとしても受取企業が肩代わりをする必要はありません。
4−3.資金調達スピードの違い
でんさいの場合、受取企業も支払企業もでんさいネット導入のために申込みをしなければ取引を行うことができません。
でんさいネットは導入に時間がかかるため、支払企業がでんさいネット未導入の場合は、緊急を要する資金調達に不向きだと言えるでしょう。
反対に、ファクタリングの場合は必要書類が整っていれば最短1日で資金化を行うことができるため、緊急を要する資金調達に適しています。
5.でんさいのメリット
でんさいは、従来の紙ベース取引が抱えていた問題点を解決すべく登場した、新しい金銭債権です。
そのため、メリットが非常に多く「債務者」と「債権者」の両方にとって有益なシステムと評価されています。
▼債権者のメリット
- ペーパーレスなので、紛失や盗難リスクが低い
- 厳重に保管するためのコストがかからない
- 必要に応じて、分割して譲渡できる
- 支払いを受ける際、銀行に呈示する必要がないため取り立て手続きが不要
- 流通性が高く、資金調達に適している
▼債務者のメリット
- ペーパーレスなので、紛失や盗難リスクが低い
- 手形とは違い、搬送コストがかからない
- 振込みの準備など、支払事務の手続きが軽減される
- 印紙税が課税されない
- 支払方法を一本化できる
6.でんさいのデメリット
新しい仕組みだからこそ、でんさいには多くのデメリットや注意点があります。
▼でんさいのデメリット
- 自社と譲渡先企業の双方が「でんさいネット」に加盟していなければ使えない
- 売掛先が倒産した場合、受取企業が弁済責任を負う
- ハッキングやフィッシング詐欺への対応が不可欠
- システムに不具合が生じた場合、利用ができない
- 普及率も認知度も低い
でんさいの取引量が減少傾向にある手形取引の1/10以下に留まっているのも、上記のようなデメリットを負担に感じている企業が多いからかもしれません。
7.ファクタリングのメリット
一方、ここ数年で急激に取引量が増えているのがファクタリングです。
実際、従来の手形割引からファクタリングへ切り替えたという企業も少なくありません。
▼ファクタリングのメリット
- 償還請求権なしのノンリコースなら、売掛先が倒産しても貸し倒れリスクがゼロ
- 資金化がスピーディーで、最短即日も可能
- 審査の難易度が低く、融資を断られた企業でも資金調達の可能性がある
- 取引先に知られずに利用できる
- 基本的に担保や保証人が不要
8.ファクタリングのデメリット
ファクタリングは政府が推奨している資金調達方法ですが、完璧なシステムという訳ではありません。
少なくとも下記のデメリットがあることを理解しておきましょう。
▼ファクタリングのデメリット
- 融資より手数料が高め
- 3社間ファクタリングは売掛先の同意が必要
- 手数料や利用条件などが異なるため、業者の選定が難しい
まとめ
「でんさい」「でんさいネット」および「ファクタリング」について、共通点や相違点をご理解いただけましたでしょうか。
どちらも、手持ちの売掛債権(売掛金)を使った資金調達方法として有効性が認められています。
双方のメリット・デメリットを把握したうえで、どちらが自社に適しているのか比較検討してみてはいかがでしょうか。
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