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支払いサイト120日を超える売掛債権(売掛金)はファクタリングできる?注意点も紹介!
ファクタリングは売掛債権(売掛金)の有償譲渡による資金化サービスです。融資ではないので、細かい法律に縛られることなく資金調達できるのが大きなメリットですが、統一的な基準がありません。
売掛債権(売掛金)には支払いサイト(入金までの期間)があり、そのサイト途中の適切なタイミングで資金化を図ります。この支払いサイトは長い方が有利なのでしょうか?それとも短い方が有利なのでしょうか?
今回は支払いサイト120日を超える売掛債権(売掛金)のファクタリングについて解説します。実は支払いサイトが長い売掛債権(売掛金)のファクタリングは不利になります。なぜそうなるのか、120日を超える売掛債権(売掛金)のファクタリングはどのように考えるべきなのか、この記事で解説します。
ぜひ参考にしてください。
売掛債権(売掛金)の支払いサイトの算出方法
大前提、今回のテーマの結論ですが、支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)(売掛金)は資金化「できます」。しかし、そのサイトの長さによって通常のファクタリングにはない注意が必要になります。
まず、支払いサイトについて確認します。
「支払いサイト」の「サイト」というのは英語で「sight」を指します、sightは「資力」「視野」というのが第一義的な意味ですが、それが転じて「決済されるまでの目に見える距離、ビジョン」→「支払いが予定されるまでの日にち」という解釈で使われます。
商品やサービスを取引している売掛先に、毎月請求書を発行します。
5月31日に請求書を発行し、その売掛債権(売掛金)の売掛先からの振り込み日、入金日が、
- 6月30日→支払いサイト30日
- 7月31日→支払いサイト60日
- 9月30日→支払いサイト120日
とみなします。正確には、31日まであれば+1日ですが、それはあまり考えず、支払いサイト1か月=30日で計算します。
請求書の「締め日」から実際に口座に振り込まれる支払日、入金日までを「支払いサイト」と呼ぶのが原則です。
もちろん、毎月末日締め、翌月(翌々月)末日払いではない契約の場合、例えば末日締め翌々月15日払いの場合支払いサイトは、30の倍数ではなく、30日+15日=支払いサイト45日となります。
支払いサイトを設けて売掛債権(売掛金)の入金日まで日数を空けているのは、売掛先の経理処理や入金する資金(運転資金)の調達などにある程度の時間がかかるからです。
売掛債権(売掛金)の支払いサイトが120日を超える業種の特殊性
通常の売掛債権(売掛金)の支払いサイトは30日(1か月)~60日(2か月)が多く、サイト120日を超える売掛債権(売掛金)はあまりありません。多くの中小企業が30日の支払いサイトを採用しており、一部大企業や大口取引(金額)が多い業種の場合、60日や90日というところもあります。いずれにしても120日=4か月ですから、かなり例外的に長い支払いサイトになります。
しかし、業種によっては支払いサイト120日を超える売掛債権(売掛金)もあります。支払いサイトが長く120日を超える業種としては、建設業やIT業があります。
これは売掛先が120日以内に債権者(事業主様)に支払う運転資金を調達できないということではありません。仕事が完了し、請求書を出しても、検品、検収に時間がかかり、入金額が確定し、実際に売掛債権(売掛金)を振り込むのに120日以上かかってしまうからです。
例えば建設業を例にすると、建設工事一式を請け負った債権者が、工事を終え、請求書を発注元に提出します。しかし、発注元はそのまま請求書の通りに振り込みません。しっかり建設物をチェックし、工事にミスや瑕疵がないか確認します。
もし、重大なミスがあればその部分について再度工事を要求します。あるいは、致命的ではないものの杜撰な工事個所が見つかるかもしれません。
IT業も同様で、システムやソフトウェアを発注して、仕様書通りのものができたか、バグはないかなど確認します。発売されたゲームはデバッグを繰り返しているはずですが、それでもゲーム進行に支障があるバグが見つかり、修正データを提供することもあります。それも含めて仕事が完了しない(支払いが確定しない)契約もあり得ます。
こうした事後の検品、検収によって請求書の代金が変わる可能性があります。支払いサイトが120日を超えるのは、この検品、検収に時間がかかることによります。
支払いサイトが120日を超えるのは基本的には業種の特殊性によるものが大きいのです。特殊性がないのに支払いサイトが長いケースが後述のように問題となります。
支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)も原則ファクタリング可能!しかし問題点あり
支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)のファクタリングは原則可能です。資金化できますのでご安心ください。
上記のように建設業やIT業は支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)が多く、これらを拒めばファクタリングできないことになりますが、「建設業お断り」というファクタリング会社は見かけません(むしろ「建設業大歓迎」のファクタリング会社が多いです)。
しかし、ファクタリングする売掛債権(売掛金)の内容によっては、支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)について嫌がる、あるいは拒否するケースもあります。ファクタリングは当事者間の自由な契約が優先しますので、法律で決まっておらず、拒否する権利もあります。
支払いサイト120日を超える売掛債権(売掛金)のファクタリングは特に建設業やIT業など業種の特性によるサイトの長さならば問題ないのですが、そうではない業種については資金化の際、ネガティブな評価になる可能性があります。ファクタリング会社にリスクがあるからです。どのようなリスクなのか、その理由は以下になります。
問題点1 支払いサイトが長くなるほど突発的なリスクが増える
支払いサイトが長くなるほど、その間に突発的な事件や事故が起きる可能性が高くなります。災害、国際情勢の変化、社内のトラブルなどによって、売掛債権(売掛金)の支払いができなくなる可能性があります。
今の経営状態は問題なくても、約120日の間に何か起きて支払いが難しくなる確率は、支払いサイトが30日や60日に比べて、単純計算でも2倍~4倍になってしまいます。
そうしたリスクを考えると、支払いサイト120日を超える売掛債権(売掛金)の買い取りについて、ファクタリング会社がネガティブになる可能性があります。
問題点2 売掛先の経営状態が悪く資金繰りに難儀している可能性
あるいは、そもそも支払いサイトが長いということは「ツケで買ったモノの支払いを待ってもらっている期間」が長いということです。
ツケ払いを待ってもらうということは、買った側(売掛先)の資金繰りが悪いことの表れと捉えることも出来ます。慢性的に資金繰りが悪く、なるべく待ってもらうことでどうにか資金を工面しているから、支払いサイトが長く(120日超に)なってしまうというケースもあるでしょう。
建設業など支払いサイト120日を超えることに合理的な理由がない業種で、サイト120日超えの請求書の場合、ファクタリング会社は売掛先に貸し倒れ、不渡りリスクが高くなると判断します。
支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)は手数料が高くなる!実際に計算してみた
支払いサイト120日を超える場合、未払い、貸し倒れリスクが高くなる傾向にあります。しかし、完全に買い取り拒否することは稀で、実際には、
- 手数料を多く請求する
- 掛け目(買取率)を下げる
ことで、何かあった時のファクタリング会社の損害を減らし、リスクヘッジを行います。支払いサイト120日を超える売掛債権(売掛金)のファクタリングも原則行いますが、資金化できる金額が少なくなります。
ここで、どのくらい資金化できる金額が減るのか比較してみましょう。
ファクタリングによる資金化の金額は以下の公式で計算されます。
-
ファクタリングによる調達資金=(売掛金額×ファクタリング手数料)÷365日×支払いサイト日数
ここで1000万円の売掛債権(売掛金)をファクタリングした場合のファクタリング会社に支払う手数料を計算してみましょう。1000万円-手数料=資金化の金額です。掛け目(買取率)はここでは無視します。
サイト30日 | サイト60日 | サイト90日 | サイト120日 | |
---|---|---|---|---|
手数料5% | 41,095円 | 82,191円 | 123,287円 | 164,383円 |
手数料10% | 82,191円 | 164,383円 | 246,575円 | 328,767円 |
手数料20% | 164,383円 | 328,767円 | 493,150円 | 657,634円 |
手数料10%の比較的好条件の2社間ファクタリングでも、支払いサイトによって資金化できる金額が大きく変わります。
- 支払いサイト30日:資金化できる金額 1000万円-8.2万円=約992万円
- 支払いサイト120日:資金化できる金額 1000万円-33万円=約967万円
20万円以上もの差が出てしまいます。支払いサイト120日を超えるとかなり資金化できる金額が減ってしまうことが見て分かります。
特に手数料が高い2社間ファクタリングの場合、支払いサイトが120日超えだと、1000万円の売掛債権(売掛金)に対して、60万円超えの手数料が引かれます。1割弱(実際には買取率も下がる)の「減収」はとても痛い問題になります。
売掛債権(売掛金)の支払いサイトが120日超えになっている理由について、ファクタリングの際に詳しく説明した方が良いでしょう。
ひょっとするとファクタリングだけではなく、他の資金調達方法も考えた方が良いかもしれません。
ファクタリングに向く売掛債権(売掛金)、向かない売掛債権(売掛金)
このように、売掛債権(売掛金)の支払いサイトが長いと手数料が増え、資金化できるお金が減ります。特に120日を超えるとそれは大きな負担になります。
ファクタリングに向く債権と向かない債権があります。みなさんがお持ちの売掛債権(売掛金)の支払いサイトはすべて120日以上でしょうか?建設業やIT業でも支払いサイト120日未満の売掛債権(売掛金)をお持ちかもしれません。
ファクタリングに向く売掛債権(売掛金)
支払いサイトが短い売掛債権(売掛金)は上記のように手数料が安いのでファクタリングで資金化できる金額が多く、向いています。
また、支払いサイトが長くても、売掛先が自治体や行政機関(の公共事業)など、ほぼ確実に倒産しないであろうところであれば、ファクタリング会社が引き受けるリスクが小さいので、手数料についてもある程度融通してくれるかもしれません。少なくともファクタリング拒否はないはずです。
あとは、支払いサイトに関係なく、貸し倒れリスクが高いと思われる売掛債権(売掛金)については、リスクをファクタリング会社に移転するため、早期にファクタリングによって資金化した方がいいでしょう。その際には償還請求権がない「ノンリコース契約」にします。
ファクタリングに向かない売掛債権(売掛金)
ここまで説明したように、売掛債権(売掛金)の支払いサイトが長くなると資金化できる金額が減ります。特殊な業種ではないのに支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)のファクタリングは向いていません。
これしかファクタリングできる売掛債権(売掛金)がなく、資金調達に迫られている場合はやむを得ませんが、そうではなく、他に支払いサイト30日や60日の売掛債権(売掛金)があれば、そちらからファクタリングしましょう。
ただし、支払いサイト120日超で経営状態が悪そうで、貸し倒れリスクがある売掛債権(売掛金)については、多少割高で手数料を請求されたとしても早急にファクタリングして、1円も回収できないリスクを減らすのはありです。
業種によっては120日を超える売掛債権(売掛金)のファクタリングも不可欠
建設業やIT業は業務を受託する際に多額の運転資金を要します。上述のように、売掛金の支払いは、完全に仕上げて納品し、発注元が時間をかけて検品、検収したあとになります。
しかし、工事を担当する社員、フリーランスの技術者(建設業なら「一人親方」)には毎月既定の給料や報酬を支払わなければなりません。工事が終わったら一括して支払うことはできません。そうなると彼らは生活できなくなってしまいます。
また、前の仕事の売掛金を受け取る前に、次の仕事を請け負う場合、運転資金がないと仕事ができません。建設業であれば工事用の資材や重機、機械等も先に購入して準備しなくてはいけません。
そのため前の仕事が完了し、その代金(売掛債権(売掛金))を受け取る前に次の仕事を受注しないと事業が滞ってしまいます。請求書発行から売掛金受け取りまで待てないので、ファクタリングによって資金化する必要があります。
手数料を気にして次の大型案件を受注できなくなるよりもはるかにメリットがあります。
支払いサイトが120日を超える長期の売掛債権(売掛金)も買い取りします! No.1のファクタリングへご相談ください
支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)についてもファクタリングできます。しかし、支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)は、回収不能、貸し倒れリスクが高くなるため、ファクタリング会社のリスクヘッジのため手数料が高くなる可能性があります。
しかし、業種によっては支払いサイトが120日を超えるのが当たり前のものもあり、そうした業種では次の仕事受注のため、運転資金調達のためファクタリングで早期資金化が必須です。
少しでも手数料を下げるためには、支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)買い取りの実績があるファクタリング会社に依頼しましょう。
「株式会社No.1」は経験と実績があり、他社と比較して支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)についても高額買い取りするファクタリング会社です。
それぞれのご事情を勘案し、安定して回収できる見込みがあると判断すれば、比較的安い手数料で買い取りも検討いたします。
個々の事情に臨機応変に対応できるのがファクタリングのメリットですので、ぜひ支払いサイトが120日を超える売掛債権(売掛金)についても積極的にご相談ください。
ファクタリングなら株式会社No.1 詳細情報
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