ファクタリングの割引率相場は？優良業者の数値はどれくらい？

ファクタリングを利用する際には、業者側に支払う手数料が必要ですが、最近は手形割引に近い仕組みとして「割引率」という言葉を採用する企業が増えています。この数値は売掛先の信用力や入金までの期間などの条件によって変動するため、書類を精査し内容を正しく把握しなければなりません。

提示された額が一般的な相場より高く設定されている場合、事務手数料や登記費用、保証料といった名目で、結果的に大きい費用を直接請求される注意点があります。少額から対応可能で手続きが早いというメリットデメリットを比較しつつ、資金繰りを抑える（改善する）ためには、実績のある会社を慎重に選ぶことが大切です。

債権譲渡の対象となる取引の性質や、回収不能リスクを業者が負う「ノンリコース（非遡及）」の有無を確認し、適切な仕分け（会計処理）の提供を受けることで、事業の継続と経営の安定が図れます。この記事では、入金を早めるための譲渡の割合や、安いコストで取引を成立させるポイントについて詳しく解説していきます。

ファクタリングの全体像を把握したい方はこちら。
ファクタリングの概要を徹底解説

ファクタリングの割引率はどれくらいが相場？
- ファクタリングの割引率が低い業者ほど優良
ファクタリングの割引率が高い業者は悪質なのか？
ファクタリングの割引率が高いときの対処法
ファクタリングの割引率相場に関するまとめ

ファクタリングの割引率はどれくらいが相場？

ファクタリングの割引率は、基本的に取る方法によって異なります。
実際にサービスを利用する場合、2つの方法から選択しなければなりません。

2社間ファクタリング
3社間ファクタリング

どちらを利用するかによって、割引率というのは変わっていきます。
数値が高ければ高いほど、基本的に多くのお金を業者に取られてしまうものと判断しておき、なるべく低い業者を利用するように心がけるのがポイントです。
実際の相場として提示されているのは、大体次の数値となっています。

2社間ファクタリング
10％～20％
3社間ファクタリング
1％～10％

かなり幅があるように思われますが、相場として提示されるのは大体この範囲です。
3社間ファクタリングが低く設定されているのは、業者側が売掛先に対して連絡を取り、本当に支払いを確約してくれるのか確認しているためです。
確認することで安心感が生まれ、多くの金額を取らなくても問題ないものと判断できることから、2社間より3社間のほうが数値は低くなります。
一方で、2社間は業者と利用者だけが勝手に行っている方法となりますので、何らかのリスクが生じるものと判断されやすく、割引率はかなり高くなってしまう場合があります。

2社間ファクタリング
売掛先へ確認を行っていない
3社間ファクタリング
売掛先へ確認してから対応している

確認しないことで即日対応も可能になっている2社間ですが、リスクを軽減するために多くのお金を請求しているというのが現状です。
業者としても未払いのリスクを軽減するためには、お金を事前に多く請求して対応するという方法が一番使いやすいものと判断しています。
現在の業者は、すべてリスクを考慮して対応していることから、リスクが高いとされている売掛債権を持っていくとより高い数値に設定される恐れがあります。
少しでも割引率を軽減していくためには、なるべく安心できる債権を持っていかなければなりません。

ファクタリングの割引率が低い業者ほど優良

ファクタリングの割引率が低く設定されている業者ほど、優良業者と判断されます。
利用している側からしても、余計なお金を取られないというのは大きなメリットとなっていますので、使いやすいというイメージがより強くなっていきます。
一方で、明らかに割引率を高くしている業者というのは、情報を隠すなどして後から数値を設定しているケースがあるため、かなり高い数値に設定される可能性も高いのです。
数値の低い業者を優先して利用したいと考えているのであれば、まずは比較をして安心できる状況をしっかり確認しておく必要があります。

どれだけ数値を低く設定してくれるのか見積もりを取る
見積もりが相場の範囲から外れていれば別の業者を検討する
相場の範囲内で一番低いところを利用すれば安心

ファクタリングというのは、お金をどれだけ取られてしまうのかという部分で比較する傾向も多くなっています。
少しでも低く抑えられるようにしている業者を利用していく方が、圧倒的に使いやすく親切であるものと判断できるのです。
相場の範囲内で、一番低い業者を利用しておけば、お金を多く取られてしまうという心配はありません。
割引率の数値はしっかり確認し、比較するように心がけておきましょう。

ファクタリングの割引率が高い業者は悪質なのか？

ファクタリングの割引率が高い業者はそれなりにありますが、すべてが悪質業者というわけではありません。
数値を高くしているというのは、それだけリスクに備えたいという思いがあるためで、決して利益のために請求しているわけではありません。
リスクを軽減し、仮に売掛先から支払いが行われない状況が起きたとしても、一応請求した金額で会社が維持できる状況になっていれば大丈夫だと判断しています。
ファクタリング業者側としても、基本的に次の要素を踏まえて、数値を高くするか判断しています。

売掛先の信頼性
利用者の信頼性
売掛債権の金額がどれだけあるか
支払期日までにかかる時間
契約する方法

利用する際に必要とされる情報を色々と収集したうえで、最終的にどれくらいの割引率が望ましいのか決定しているのです。
数値を高くしている業者すべてが悪いものと判断する理由はないため、個別の要因をしっかり確認して数値が高くなる理由を知っておきましょう。

売掛先の信頼性

売掛先の信頼性が確保できない場合は、割引率を引き上げられてしまいます。
ファクタリングを利用する場合は、売掛先の信頼性が何よりも重要視され、本当に安心して利用できるのか判断する傾向があります。
信頼できると判断されれば、数値の中でも一番低い状況に設定して対応する傾向が多くなっています。
一方で、数値が高いと判断された場合、明らかに売掛先の信頼性がないものと判断されて厳しい状況であることを知らなければなりません。

利用者の信頼性

利用者の信頼性についても数値に反映されています。
信頼性が高く、経営状況に問題がなければ低く設定される傾向があるため、安心して利用できる状況が大きくなっています。
しかし、次の要因があれば数値を引き上げられてしまいます。

赤字経営が続いている
債務超過になっている
返済遅延を起こしている

ファクタリングは信頼性が重要になっていますので、利用する側の問題もしっかり反映されています。
赤字経営や債務超過でも利用できるのは間違いありませんが、リスクを考慮して数値を引き上げられることを理解しておきましょう。

売掛債権の金額がどれだけあるか

売掛債権の金額によっても数値は変更されます。
別の金額に対して同じような割引率を適用したとしても、得られる金額が変わってしまうためリスクの軽減にならない場合があります。

1,000万円に10％の割引率を適用
業者は100万円を得られる
100万円に10％の割引率を適用
業者は10万円しか得られない

リスクを考慮すると、金額が少ないほど高い数値を適用させておかないと、リスクを軽減できると判断できません。
基本的に金額が多ければ多いほど低く数値は設定し、金額が少ないものは容赦なく20％近い数値を適用されるという状況が多くなっています。
数値が高いことが全て悪質というわけではなく、金額で対応を変えているだけという印象もあります。

支払期日までにかかる時間

支払期日についても影響している場合があります。
短期間で返済されるものと判断されていれば、すぐにお金を調達できるものと判断され、割引率を下げて対応する傾向があります。
しかし、支払期日が明らかに長くなっており、いつになってもお金を得られないものはリスクが高く、数値を引き上げられてしまうのです。
なるべく支払いまでに時間がかかるものは避けておかないと、余計な金額を取られてしまいます。

契約する方法

契約方法についても影響しています。
先ほど紹介した2社間と3社間が該当しています。
契約する方法が2社間だと高くなり、3社間だと低くなる傾向があるのは事実です。
2社間を選んだ場合、予想以上に多くの数値が適用される場合もあるため注意してください。

中には悪質業者も混ざっているので注意

数値を高くしている業者の中には、悪質業者も混ざっているので注意してください。
特に割引率が30％以上に到達している業者は、ファクタリングを行っているとは判断できないような状況になっているため利用すべきではありません。
30％以上というのは相場から離れていますし、明らかに得られる資金も減ってしまうことから利用する意味がありません。
どれだけ高くても20％程度に抑えている業者を優先して利用しないと、闇金のような業者に巻き込まれる可能性があります。

ファクタリングの割引率が高いときの対処法

ファクタリングの割引率がどうしても高いと判断している時は、次の方法を検討してください。

交渉して数値を下げてもらう
別の業者に依頼する
3社間ファクタリングに切り替える

相場よりも高いような状況であれば、交渉して下げてもらうという方法も有効です。
どうしても下げたいときは見積もりを別の業者で取り、下げてしまうという方法もあります。
色々な手段を利用して、相場よりも低い状況を作るのが大切です。

1.交渉して数値を下げてもらう

業者側に交渉して数値を下げてしまうという方法が有効です。
何度か利用している業者であれば、割引率が高いという要求を出して、もう少し下げてもらえないか交渉していく方法が使えます。
しかし、業者としても色々な理由があり、なかなか引き下げに応じてくれない場合があります。

請求金額を減らすとリスクが高くなる
相手の出方がわからないので設定金額を決めにくい
売掛債権の金額や状況から減らせない

売掛債権の問題は仕方ないものの、他の理由であれば交渉することで少しだけ下げてくれる可能性もあります。
ただ、リスクを軽減するという方針に従わなければならないことから、余程相場よりも高い状況になっていない限り交渉は成立しないので注意しておきましょう。

2.別の業者に依頼する

どうしても相場より高い数値を適用してくるようであれば、別の業者に依頼する方法も有効です。
複数の業者に見積もりを取っておき、どの業者が一番数値が低いのかしっかり確認しておけば、一番お金を取られない業者を利用してファクタリングできます。
相場よりも高い業者を排除することが可能となっている他、場合によっては相場以下の業者を見つけられるいい機会でもありますので、利用する価値は十分にあります。
見積もりの時間はかかってしまいますが、最近ではネットで見積もりできる方法も用意されていることから、決して悪い方法ではありません。

3.3社間ファクタリングに切り替える

2社間ファクタリングだけにこだわっていないのであれば、3社間ファクタリングを利用する方法もあります。
方法を切り替えるだけで、割引率は10％程度も引き下げられる可能性があることから、明らかに数値を下げたいときには有効です。
しかし、3社間を利用した場合は、確認作業などによって多くの時間がかかってしまうことから、思っていた以上に時間が必要となってしまいます。
すぐにお金が欲しいと考えている場合は2社間を利用するしかないものの、時間に余裕がある場合は3社間を利用したほうが多くの資金調達を期待できます。