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ファクタリングの手数料で違法になる場合はあるのか?注意すべきポイントを解説します

ファクタリングでは、融資の利息と同じように手数料を支払います。
この手数料が高いと、調達できる資金が少なくなります。

ファクタリングの場合、【調達できる資金+手数料=回収する売掛債権(売掛金)】ですので、融資のように返済できず困るという可能性は少ないですが(売掛債権(売掛金)で一括支払いするため)、それでも手数料が多いと調達できる資金が少なくなり、本来希望していた資金調達ができなくなるので経営が圧迫されてしまいます。

この手数料はなるべく少なくしたいのは当然ですが、違法なほど高い手数料というものはあるのでしょうか?

違法な手数料がわかれば、それ以上の手数料で契約した場合、無効や取消にできます。

今回はファクタリングの手数料が違法かどうか判定するポイントについて解説します。
もし、このポイントに引っかかってしまう手数料で契約した場合は、速やかに弁護士に相談して法的措置をとることをおすすめします。

ファクタリングとは?

 
ファクタリングの手数料や違法性を理解するには、ファクタリングの基本的な仕組みを知ることが大切です。
まずはファクタリングの定義と法的根拠、方式について解説します。

ファクタリングは売掛金の早期資金化

 
ファクタリングは、会社が所有している売掛金を売却する資金調達方法です。
売掛金は信用取引によって発生します。
これによって、支払期日に売掛先から代金を受け取ることができますが、支払期日までは回収できず、資金繰りの負担になる問題です。
ファクタリングを利用すれば、支払期日前の売掛金を早期に回収でき、資金を調達できるだけではなく、資金繰りの負担軽減にも役立ちます。
このように、ファクタリングは「売掛金の早期資金化」です。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
このように、ファクタリングは売掛金の早期資金化であり、法的には債権譲渡にあたります。
「早期資金化」ということからも分かる通り、ファクタリングに利用できるのは支払期日前の売掛金だけです。
すでに支払期日を過ぎた売掛金(不良債権)はファクタリングできません。
不良債権の譲渡も、法的には債権譲渡です。
しかしながら、この場合は不良債権の譲渡による資金調達というより、不良債権処理としての側面が強く、手数料と違法・合法の考え方も変わってきます。

ファクタリングは合法?違法?

 
ファクタリングの手数料について、違法性を心配している人も多いことでしょう。
日本におけるファクタリングの歴史は浅く、正しい知識が十分に浸透していません。
現在、ファクタリングに関する法整備が不十分であり、目立った規制もない状況です。
例えば、ファクタリング業を新規開業するにあたり、免許や登録は不要です。
また、手数料に関する規制もなく、「額面金額に対して手数料率〇%以上は違法」といった明確な基準がありません。
ある意味、違法業者には活動しやすい環境です。
違法業者でも簡単に開業でき、違法な手数料で営業できます。
規制が厳しい貸金業ならば、たちまち違法になってしまう業者でも、ファクタリングを装うことで違法行為を働きやすいというわけです。
実際に、違法なファクタリング業者が摘発され、話題になることもあります。
ファクタリングになじみがない人が、「ファクタリングは違法」「ファクタリングは手数料が法外」といったイメージを抱くのも無理はありません。
しかし、ファクタリングそのものは違法ではなく、法的根拠も明確です。
金融庁の定義では、ファクタリングは法的に債権譲渡としています。
これが、ファクタリングの法的根拠にほかなりません。
民法第466条では、債権譲渡について以下のように定めています。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
民法第466条は、明らかに債権譲渡を認めています。
ファクタリングは債権譲渡の一種ですから、債権譲渡が合法である以上、ファクタリングにも違法性はないのです。
民法第466条の条文をファクタリングに照らせば、
「売掛金は、ファクタリング会社に譲り渡すことができる」
「売掛先が譲渡を禁止・制限している場合でも、ファクタリングは法的に有効である」
といえます。
危険性を騒がれるのは、正規のファクタリングではありません。
ファクタリングを装って違法な取引を行い、違法な手数料を請求する業者が危険なのです。
後述の通り、ファクタリングの手数料が高すぎる場合、違法とみなされるケースがあります。
しかしながら、それもファクタリングが違法なのではなく、高すぎる手数料によって債権譲渡の枠組みを外れ、実質的な貸付けとみなされることが問題なのです。
正規のファクタリングであり、なおかつ手数料が適正水準であれば、違法性はありません。

ファクタリング方式と違法性

 
一口にファクタリングといっても、いくつか方式があります。
ファクタリング方式を大別すると、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングです。
皆さんがファクタリングを利用する際にも、多くはこのどちらかを選ぶことになるでしょう。
方式別の特徴を簡単にまとめると以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式

ポイントは、売掛先の関与です。
方式によって特徴が異なり、手数料や違法リスクも変わってきます。

2社間ファクタリングの手数料と違法性

 
2社間ファクタリングは、売掛先が一切関与しない方式です。
利用会社とファクタリング会社の2社間で完結するため、簡単な手続きで、スピーディに資金調達できます。
また、売掛先に知られずファクタリングできることから、信用悪化のリスクもありません。
2社間ファクタリングも、法的には債権譲渡に分類されます。
手数料を含む契約条件が、債権譲渡としての要件を備えている限り、違法のリスクは低いです。
ただし、2社間ファクタリングの手数料は基本的に割高になります。
この場合、「手数料が高く、かつ違法」といえるケースと、「手数料が高いが違法ではない」といえるケースに分かれるため注意が必要です。

手数料が高く、違法なケース

 
2社間ファクタリングの手数料率は、額面金額に対して10~30%が相場といわれます。
手数料率30%といえば、額面金額100万円ならば30万円ですから、かなり高い水準です。
とはいえ、現時点では、30%の手数料でも違法性はないという判断が主流となっています。
違法の疑いが生じるのは、手数料率が30%を超過する場合です。
違法業者のほとんどは2社間ファクタリングによって違法行為を働いています。
30%を超える手数料は、違法業者の疑いがあるため避けるべきです。

手数料が高いが違法ではないケース

 
もちろん、手数料が高いからといって違法とは限りません。
手数料の設定が相場の範囲内であれば、違法のリスクは低いです。
また、売掛金や取引の内容によっては、手数料が高くても違法にはならないことがあります。
そもそも、ファクタリングの手数料は、売掛金の内容に応じて決まるものです。
売掛金に問題があれば、それを買い取るファクタリング会社は、手数料の引き上げによって回収不能リスクに対処しなければなりません。
手数料が相場を超過していても、その根拠が明確・妥当であれば、違法性を問うのは難しいでしょう。
また、ファクタリングの手数料は取引の諸経費によっても変化します。
特に影響が大きいのは、登記コストや出張費です。
2社間ファクタリングは債権譲渡登記を求められることが多く、登記コストとして10万円程度を要します。
さらに、ファクタリング会社の出張対応を受ける場合、出張費を請求されることも。
様々な出費が重なり、最終的なトータルコストが30%を大幅に超過することも考えられます。
この場合も、手数料に正当性があるため、違法性は低いです。

3社間ファクタリングの手数料と違法性

 
3社間ファクタリングは、売掛先が必ず関与します。
売掛先が関与することから、2社間ファクタリングに比べて手続きが煩雑になり、調達に時間がかかるのが難点です。
しかし、違法性が低いのがメリットといえます。
3社間ファクタリングの違法性が低い理由は主に三つ。
手数料が安いこと、業者の健全性が高いこと、仕組みとして違法行為が難しいことです。

手数料が安い

 
ファクタリングの手数料について、違法性が生じるのは手数料が高すぎる場合です。
2社間ファクタリングの違法性が指摘されるのも、手数料がひとつの根拠になっています。
3社間ファクタリングの手数料は、額面金額に対して1~10%が相場です。
この相場の範囲内である限り、3社間ファクタリングが違法になる可能性は低いでしょう。
また、手数料が安いことは、違法業者にとって不都合です。
そもそも、違法業者が違法行為を働くのは、暴利を得るためです。
3社間ファクタリングの安い手数料で、違法行為を働くとすれば、リスクとリターンが釣り合いません。

業者の健全性が高い

 
ファクタリング会社によって、対応している方式が異なります。
銀行系列のファクタリング会社は、3社間ファクタリングだけを取り扱っているのが基本です。
独立系のファクタリング会社になると、2社間ファクタリングのみを取り扱う場合と、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの両方を取り扱う場合があります。
取り扱う方式は、優良ファクタリング会社か、その他かで分かれることが多いです。
実際、独立系で3社間ファクタリングを取り扱っている業者の多くは、優良ファクタリング会社と評価されています。
なぜこのような違いが生じるのかといえば、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは、取り扱いの難易度が異なるためです。
3社間ファクタリングは、売掛先を含む3社間で取引することから、相応の仕組みや実務能力・ノウハウを求められます。
その点、2社間ファクタリングは手続きが簡単なため、どのような業者でも(違法業者でさえ)取り扱いが容易です。
銀行系列のファクタリング会社は、金融業務のプロである銀行が運営元ですから、3社間ファクタリングの取り扱いに長けています。
独立系でも、優良ファクタリング会社ならば3社間ファクタリングの取り扱いも可能です。
銀行系のファクタリング会社や、独立系の優良ファクタリング会社は、健全性が高いことは言うまでもないでしょう。
違法性はなく、安全にファクタリングできます。

仕組みとして違法行為が難しい

 
このほか、仕組みから考えても、3社間ファクタリングは違法業者のリスクが低いです。
3社間ファクタリングは手続きが煩雑であり、違法業者にはノウハウがありません。
そもそも、3社間での取引は、違法業者にとって不都合といえます。
違法業者は、違法行為による摘発を常に警戒しています。
利用会社が弁護士や警察に相談することで、摘発につながることも多いです。
違法業者が摘発を避けるには、取引の関係者は少ないほど好都合といえます。
また、違法行為に引っかかる会社は、それほど多くありません。
DMなどによって不特定多数を勧誘し、反応を示すのはごく一部です。
たとえ勧誘に反応を示しても、多くの会社は違法性を見抜きます。
違法業者としては、騙す相手が少ないほど好都合です。
3社間ファクタリングは3社間取引ですから、違法業者は利用会社と売掛先の両方を騙す必要があります。
手数料や契約条件に違法性があれば、どちらかが気付いて契約を避けるだけではなく、警察に知らせることも有り得ます。
違法業者にとって、騙す相手は「利用会社だけ」というのが望ましいのです。
このように考えると、違法業者が3社間ファクタリングを手掛けることは、現実的に考えにくいです。

ファクタリングと融資の違いは融資ではないので基本的に手数料は当事者間で合意できれば合法
ファクタリングの手数料について、違法・合法を判断するには、ファクタリングと融資の違いを知る必要があります。
法的根拠や規制をもとに、違法性の違いをみていきましょう。

融資が違法になるとき

 
まず大前提を考えます。銀行からの借り入れなど「融資」の場合、この融資は銀行法や貸金業法、利息制限法の適用対象となります。
なお、ここでいう融資とは、銀行やノンバンクによる貸付けであり、法的には消費貸借です。
消費貸借について、民法では以下のように定めています。

(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
消費貸借契約に基づき、借り入れた資金には返済義務があります。
元金に利息を上乗せして返済するのが基本です。
この時、利息には法定上限があり、貸付総額に応じて年15~20%が上限です。
法定上限を超過する場合、利息制限法および出資法違反に該当し、摘発の対象となります。

ファクタリングは融資ではない

 
しかし、ファクタリングの場合、融資ではありません。
融資はお金を貸して利益を取る行為ですが、ファクタリングは貸すのではなく、売掛債権(売掛金)の譲渡(買い取り)です。
買い取りなので返済は関係なく、1回で完結します。
買い取りの際にファクタリング会社の利益として売掛債権(売掛金)の総額から手数料が引かれます。

融資は「デットファイナンス」、ファクタリングは「アセットファイナンス」と呼ばれる資金調達のカテゴリであり、両者は本質的に異なるものです。

したがって、融資関連の法律は適用されず、それら法律の違法性の枠外にファクタリングはあります。

また、「ファクタリング法」のようなものがないので、基本的に民法の一般原則が適用されます。
ファクタリングは売掛債権(売掛金)の譲渡という契約を依頼主とファクタリング会社で行います。
これは民法の債権譲渡契約であり、適用されるのは民法の条文です。
民法第466条をみれば明らかなように、ファクタリングを含む債権譲渡は消費貸借(融資)とは異なり、貸金業の規制の対象外です。
また、ファクタリングの法整備が不十分な現在、ファクタリングの手数料率に関する上限規制はなく、業者の裁量で自由に設定できます。
したがって、ファクタリング手数料を年利に換算したとき、利息制限法を超過する場合であっても、違法とは限りません。

ファクタリングの手数料が違法になる場合

 

民法は基本的に契約行為については、当事者間の自由な意思表示にゆだねられています。
当事者間で合意できれば、手数料が高くても合法な契約になります。

では当事者間で合意した契約がすべて合法であり、違法性がないものかというと必ずしもそうではないようです。

次項ではここからは、原則合法のファクタリング手数料が違法になるときはどういうときか、違法事例について取り上げます。

ファクタリングの手数料が違法になる場合
ファクタリング自体は民法で規定された合法的な債権譲渡であり、手数料10%程度であれば当事者間の合意があれば特に違法性はありません。
しかし、すべてのファクタリングが合法ということでもなく、最近は弁護士が訴訟を提起するケースも増えてきました。

給与ファクタリングはファクタリングとして取り扱うと違法
会社員や公務員が自分の翌月の給与をもらう権利を買い取ってもらう「給与ファクタリング」についてはかねてよりその違法性が指摘されてきました。おり、かなりグレーな存在で、今後法規制が強まる可能性があります。

給与ファクタリングは「給料の前借り」を第3者であるファクタリング会社から受けるものですが、金融庁が2020年2月に出した見解
金融庁の法令解釈に係る照会

によると、実質的に給与ファクタリングは貸金業法適用の融資とみなすことができます。

つまり、給与ファクタリングを行う業者は貸金業の登録が必要(消費者金融になる)というものです。
最高裁の判例でも、給与ファクタリングは給与を担保にした融資であるという判決が確定しました。

給料ファクタリング「貸金業法の貸し付けにあたる」 最高裁が初判断
|朝日新聞 2023年2月21日

当該事件では、貸金業許可のない「ファクタリング会社」が給与ファクタリングを行ったため、違法だとされました。
国会が立法化すればすぐに貸金業登録のない業者の給与ファクタリングは違法ですが、最高裁の判例も現場を拘束するため、実質的に給与ファクタリング自体が無理です。

給与ファクタリングが違法でないのは「銀行や貸金業許可を持っている業者」が「手数料を年利換算したとき利息制限法の範囲内」で行った場合のみです。

貸金業許可を持っているファクタリング会社は少なく、また手数料を年利換算して利息制限法の範囲内では利益が少なくなるため、実質的にほとんどの会社が給与ファクタリングから撤退しました。

償還請求権付きファクタリングは動産担保融資であり利息制限法を超える手数料はの違法性
ファクタリングのメリットに、「期日に回収できないリスクもファクタリング会社に引き取ってもらう」というものがあります。
ファクタリングは「期日に〇〇〇万円受け取る権利」を売却するので、普通は期日に回収できないリスクも一緒にファクタリングへ移ります。

それが償還請求権のないノンリコース契約で、今のファクタリングではほとんどがこのノンリコース契約になっています。

しかし、回収できない場合、その分を依頼人(事業主様)に負担させる償還請求権付きファクタリング契約をするファクタリング会社があります。

100万円の売掛債権(売掛金)を回収できない場合、ノンリコース契約では、買い取り代金を事業主様に支払い、ファクタリング会社は回収できず損をしますが、償還請求権付きファクタリングの場合、回収できなかった100万円を事業主様(依頼人)がファクタリングに弁済しなければなりません。

これではファクタリングのメリットが消えてしまいます。
実質、売掛債権(売掛金)を担保にお金を借りているとみなされ、償還請求権付きファクタリングは「動産担保融資」となります。

債務不存在確認等請求事件(本訴),受取物引渡請求事件(反訴)|大阪地裁平成29年3月3日判決

動産担保「融資」ならば、融資なので、「銀行業か貸金業許可のある会社」が「利息制限法の範囲内で貸す」ことが条件になり、これに外れる場合は違法となります。

2社間ファクタリングで違法なケースがある
2社間ファクタリングの法的根拠は民法555条の「売買契約」です。

民法555条は「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」となっています。
売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売るのもこの条文の契約になります。

2社間ファクタリングは、3社間ファクタリングの根拠である民法467条(指名債権の譲渡の対抗要件)が適用されないケースです。

2社間ファクタリングで違法となるのは「疑似ファクタリング」と呼ばれる、通常の債権売買ではなく、売掛金を担保にして融資する「動産担保融資」という形のケースになります。

100万円の売掛債権(売掛金)の場合、通常【100万円-手数料】での買い取りになりますが、疑似ファクタリングの場合、70万円を調達するめ「手数料30万円」を設定し、30万円×3回=210万円融資、手数料90万円などということも可能になってしまいます。

売掛債権(売掛金)の買い取り(ファクタリング)ならば手数料90万円ということはあり得ず、事実上年利300%超の違法融資を行う形になってしまいます。

債権を担保に融資する場合は貸金業の許可が必要ですし、その場合は利息制限法の上限(15%~20%)は絶対に守らなければなりません。

3社間ファクタリングで違法なケースがある
3社間ファクタリングの場合、2社間ファクタリングと違い、債務者の承諾を得ており法的安定性が高く、メリットとして手数料が低い傾向にあります。

しかし、3社間ファクタリングで手数料が15%以上のファクタリング業者は、悪徳業者である可能性が高く、違法な取引を行う可能性が高いので注意してください。

そのほか、やはり売掛金を担保にして貸付に近い形で資金応需したケースや、1000万円の債権買い取りで金額700万円、手数料100万円、残りが不明、 というケースは違法性ありと判定されることもあります。

3社間ファクタリング業者の中には貸金業の登録をしているところも少なくありません。
そこで融資に近い疑似ファクタリングを受けた場合はすぐに違法とはなりませんが、実質融資にもかかわらず、契約内容が「融資」ではなく「ファクタリング」ならばやはり問題となります。

公序良俗違反で違法とされるためには手数料が200%超
ファクタリングの手数料は基本合法、しかし、給与ファクタリングや償還請求権付きファクタリングは「融資」になるので、手数料を年利換算して利息制限法の範囲内にならないと違法ということがわかりました。

ファクタリングは融資ではないので利息制限法の上限の適用外ではありますが、あまりに手数料の料率が法外になすると、裁判で公序良俗違反によって違法、契約無効と判断される可能性があります。

公序良俗違反は「公の秩序、または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とされている」というものです(民法第90条)。

公序良俗違反は「無効」であり「取消」とは違います。
無法は違法かつ「最初からその契約がなかったこと」になります。

民法上、公序良俗違反とされる手数料率(利率)は200%~300%だという研究があります。

ファクタリングを偽装したヤミ金融の被害に関する事例調査|」東京情報大学

例えば、2ヶ月後に回収予定の売掛金を手数料率30%でファクタリングするの場合、年利換算すると180%になります。
これ以上の手数料率は違法な可能性が出てきます。30%以上の手数料率を請求されるファクタリング契約はしないほうが安全です。

また、違法な根拠を公序良俗違反だけではなく、信義則違反や不法原因給付に求める学者もいます。
複数の条文から、高い手数料のファクタリングには違法リスクがあるので、全部当事者間で合意すればよいということではありません。

違法な契約をしても取り戻すまでにコストがかかる
ファクタリング手数料が違法だとわかっても、そのままでは過払いの手数料は戻ってきません。

弁護士を通して請求し、それでも支払わない場合は裁判となります。
しかし、裁判を起こしていても、訴訟費用や弁護士報酬などで相殺されてしまう可能性もあり、費用対効果が悪く、コスパ的に見合いません。

そうした事態を避ける意味でも、以下のファクタリングには最初から出手を出さないのが賢明です。

<違法なファクタリング手数料になりやすい3条件>

給与ファクタリング(給料ファクタリング)
償還請求権付きファクタリング(実質動産担保融資)
手数料率が30%超えるファクタリング(年利換算200%超え)
違法なファクタリング契約の落とし穴を避けるためには、最低でもこの3点は確実にチェックしておきます。

上の2つについては、銀行業、貸金業の事業者が利息制限法の範囲内で行うのは合法です。
しかし、実際にそれを実績できる「ファクタリング会社」は少ないのが現状です。

最初から法外な手数料の料率が高いファクタリング事業者は避けてください。

違法な手数料でファクタリングするデメリット

 
違法な手数料でファクタリングした場合、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。
特に大きなデメリットを紹介します。

違法業者の危険がある

 
「違法な手数料でファクタリングする」ということは、「違法業者を利用する」ということにほかなりません。
これこそ、違法な手数料でファクタリングする最大のデメリットといえるでしょう。
ファクタリングの違法業者について、金融庁は以下のように注意を喚起しています。

中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
この注意喚起から、違法な手数料の危険性がよくわかります。
金融庁が指摘しているのは、「貸金業登録を受けず、ファクタリングを装って貸し付ける業者」です。
このような業者は、手数料に関係なく違法となります。
なぜならば、業として貸し付けるには、金融庁への貸金業登録が義務となるからです。
これは貸金業法による規制であり、登録義務を怠る無登録業者は例外なく違法です。
一般に、無登録営業の貸金業者を「ヤミ金」といいます。
ファクタリングを装う違法業者も無登録営業ですから、ヤミ金と考えてよいでしょう。
手口もヤミ金と変わりません。
法外な手数料を請求し、取り立ての手口も違法です。
違法な契約を根拠に、長期にわたり搾取される恐れもあります。
違法業者を利用したことで、経営が悪化する事例も少なくありません。
ファクタリングを活用するならば、違法業者を避けることが大前提です。

無担保・無保証で利用できない可能性

 
違法業者の危険性は、手数料だけではありません。
契約自体が違法になっていることも多いです。
そのひとつに、担保・保証の設定があります。
ファクタリングは、原則として無担保・無保証で利用できます。
ファクタリングは債権譲渡であり、返済義務がないため、担保・保証を求められることはありません。
担保・保証を求めた場合、ファクタリングではなく貸付けとみなされ、手数料には上限金利が適用されます。
回収サイト1ヶ月の売掛金ならば、手数料率の上限は1.25~1.66%です。
この上限を守れる業者は基本的になく、ほとんどは違法となるでしょう。
違法とみなされ、摘発されるリスクを避けるためにも、正規のファクタリング会社は原則「無担保・無保証」なのです。
もっとも、違法業者にはこの原則が通用しません。
手数料も違法、担保・保証の設定も違法というわけです。
実際に、以下のような事例が報告されています。

  • ファクタリングとは無関係な売掛金や手形を担保に取る。
  • 利用会社の実印や預金通帳を預かる。
  • 代表者個人に連帯保証を求める。
  • 代表者の縁故者(家族・友人など)の連絡先を把握し、取り立てる。

このような担保・保証を取られてしまえば、手数料が違法だからといって、拒むのは難しいでしょう。
「原則無担保・無保証」という、ファクタリングの大きなメリットがなくなってしまうのです。

資金繰りが悪化する

 
手数料があまりにも高ければ、違法性は明らかです。
違法性を見抜き、利用を避けるのは難しくありません。
問題なのは、違法とは言い切れない、グレーゾーンの手数料です。
すでに解説した通り、手数料が高いだけでは違法とは限りません。
とはいえ、手数料に違法の疑いがあれば、利用は避けた方が賢明です。
たとえ違法でなくとも、資金繰りが悪化する恐れがあります。
ファクタリングの手数料は、入金時に額面金額から差し引いて一括で支払います。
つまり、手数料の分だけ売掛金が目減りするのです。
目減りが大きいほど利益が減り、資金繰りの負担になります。
違法性を疑うほどの手数料であれば、おそらくかなり高い水準です。
手数料によって売掛金が大きく目減りし、手数料が利益を超過することも考えられます。
その場合、赤字分は手元資金で補填しなければなりません。
手元資金の流出は、資金繰りの悪化に直結します。
完全に違法でなくとも、違法の疑いがある手数料でファクタリングを繰り返せば、資金繰りはどんどん悪化していくでしょう。
ファクタリングは、使い方次第で資金繰り改善に役立ちます。
優良ファクタリング会社の手数料は、違法とは程遠く、資金繰りの負担は軽微です。
例えば、No.1のファクタリング手数料は、以下を目安にご利用いただけます。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%(相場は10~30%)
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%(相場は1~10%)
  • オンラインファクタリング:額面金額の2~8%(相場は10%以下)

回収不能リスクの回避に役立たない

 
ファクタリングは、原則的に「償還請求権なし」です。
償還請求権付きのファクタリングは、手数料に関係なく違法のため避けてください。
ただし、「償還請求権なし」だけで安全とはいえません。
償還請求権がなくとも、手数料が高すぎる場合には違法です。
また違法でなくとも、違法の疑いがあるならば、「償還請求権なし」によるメリットがなくなってしまいます。
償還請求権がないことから、ファクタリングは回収不能リスクの回避に効果的です。
ファクタリング後に売掛金が回収不能になっても、利用会社が買い戻しを求められることはありません。
回収不能による損失は全てファクタリング会社が負担します。
回収不能リスクの軽減・回避に役立つことは、ファクタリングの大きなメリットです。
しかし、手数料が高く、違法の疑いがあるならば、このメリットはほとんど得られません。
例えば、手数料率40%で2社間ファクタリングする場合を考えてみましょう。
ファクタリング手数料が公序良俗違反とみなされ、違法になる目安は年利200~300%の場合です。
2ヶ月後に回収予定の場合、手数料率40%は年利換算で240%。
違法かどうかは微妙なラインです。
しかし、違法ではなくとも、「償還請求権なし」のメリットは期待できません。
額面金額100万円の売掛金を手数料率40%でファクタリングする際、支払手数料は40万円。
同じ条件で2.5回ファクタリングすると、トータルの支払手数料(売掛金の譲渡損失)は100万円に達します。
つまり、2.5回に1回の頻度で回収不能が発生しているのと同じです。
いくら「償還請求権なし」でも、これでは回収不能リスクを回避できたとはいえません。
ファクタリングしない方が、回収不能の発生率は低くなるはずです。
違法性を疑うほどの手数料であれば、回収不能リスクはむしろ高くなるでしょう。

多額の調達に使えない

 
ファクタリングは、柔軟な資金繰りに効果的です。
少額の資金調達から多額の資金調達まで広く活用されています。
No.1をはじめ、優良ファクタリング会社の多くは数千万円の資金調達にも対応しています。
銀行や大企業の系列であれば、「数億円~上限なし」の設定も珍しくありません。
設備投資やM&Aなどの際には、ファクタリングを活用したいところ。
しかしながら、手数料に違法性があるならば、二つの意味で多額の資金調達には使えません。
一つは、そもそも多額の資金調達に対応していないケース。
違法業者の手数料は極めて高く、違法であることは明白です。
金融庁は、ファクタリングを装う違法業者をヤミ金と断定しています。
ヤミ金の特徴のひとつは「小口融資」です。
融資先が弁護士に相談すれば、ヤミ金業者は取り立てを諦めるほかありません。
そのため、特定少数に多額を融資することを避け、不特定多数に少額の融資を行うのです。
ファクタリングの違法業者も同じです。
違法業者の多くは、何千万円、何億円という多額の買い取りではなく、少額の買い取りをメインとしています。
したがって、多額の資金調達は不可能です。
違法業者の中には、それなりにまとまった金額を買い取る業者があるかもしれません。
また、グレーゾーンの手数料設定で、多額の買い取りに応じる業者もあるでしょう。
その場合、多額の資金調達も不可能ではありませんが、利用は避けてください。
調達額が大きいだけに、支払手数料があまりにも大きく、資金繰りへの影響は計り知れません。
例えば、設備投資のために3000万円を調達するとしましょう。
手数料率40%で3000万円を調達するには、5000万円分の売掛金が必要です。
2000万円のコストをかけて3000万円を調達するのはあまりにも非効率でしょう。
ファクタリングで多額の資金を調達するには、違法性がないのはもちろんのこと、手数料が安いことが条件です。

違法な手数料にならない良心的なファクタリングを提供します!No.1のファクタリングが特におすすめ!

まとめ:ファクタリングの手数料でお悩みの方はNo.1にご相談ください

ファクタリングの手数料は基本的に当事者間で合意すれば「高い」と思われるラインでも合法です。

しかし、「給与ファクタリング」や「動産担保融資」とみなされる償還請求権ありのファクタリングの場合、融資に該当し、手数料を金利換算した時に利息制限法の上限(15%~20%)を超えてしまうと、超えた部分については違法になります。

また、原則合法のファクタリング手数料も、公序良俗に反するくらい高ければ民法の一般原則で違法になる可能性があります。
しかし、何が公序良俗違反なのかは弁護士を頼らないとわからないので、そうならないためにも、2社間ファクタリングならば最大30%、3社間ファクタリングならば最大10%未満の手数料を目安にしてください。

その範囲の手数料ならば違法性はなく、逆にそれを超える手数料を提示するファクタリング会社は、悪徳業者、反社会的勢力、ヤミ金融などの可能性があるため契約してはいけません。悪徳ビジネスに巻き込まれてしまいます。

特に2社間ファクタリングで30%超、3社間ファクタリングで15%超は契約してはいけません。

「株式会社No.1」は経験と実績があり、他社と比較しても安心してご利用いただけるファクタリング会社になります。
当然、違法金利になるような給与ファクタリングや動産担保融資は行わず、低手数料のファクタリングのみです。

悪徳業者が提示する2社間ファクタリングで30%超、3社間ファクタリングで15%超の手数料はNo1ファクタリングではあり得ません。安心して契約してください。

手数料が1%~2%の診療報酬ファクタリングや介護報酬ファクタリングもNo1ファクタリングでは行っています。該当する業種の方は、非常に低手数料で利用いただけるので、ぜひお問い合わせください。

違法性のない、健全な手数料でファクタリングしたい場合、信頼と実績のあるNo.1のファクタリングはおすすめです。ファクタリングの手数料でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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