カテゴリー: ファクタリング
ファクタリングの契約の流れと、契約時の注意点やリスクについて解説
ファクタリングを利用の際、契約内容をしっかりチェックしているでしょうか。
ファクタリングを資金繰りに活用するためには、ファクタリング契約の基本的な知識を身に着けておくことに加えて、契約時の注意点やリスクについてもしっかり理解しておくことが欠かせません。
本稿では、ファクタリング契約の概要と、契約時の注意点について詳しく解説していきます。
ファクタリングとは?
近年、日本で急速に普及してきたファクタリング。
政府も推奨する資金調達方法として人気が高まっています。
ただし、ファクタリングを活用するためには、ファクタリングの基本的なことをよく知り、正しく契約することが欠かせません。
そこで、まずはファクタリングの基礎知識についてみていきましょう。
ファクタリングは債権譲渡契約
簡単にいえば、ファクタリングは売掛金の買い取りサービスです。
買取対象は、支払期日前の売掛金に限られます。
本来、売掛金は支払期日を待って回収するものですが、ファクタリングを利用すれば支払期日を待たずに売掛金を回収できるのです。
このように、ファクタリングは売掛金の早期資金化サービスとしての側面があります。
金融庁は、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
金融庁の定義によれば、ファクタリングは債権譲渡契約です。
一般的なイメージから、ファクタリングといえば「売掛金の売却」と考えられることが多いのですが、法的には債権譲渡であり、契約の際にも債権譲渡契約を結びます。
したがって、ファクタリングは「売掛金の有償譲渡であり、契約に基づき早期資金化できるサービス」といえるでしょう。
ファクタリングの契約は合法?違法?
ファクタリングを利用したことがない人の中には、契約の合法性を疑う人もいます。
確かに、ファクタリングに関する法整備が不十分であり、規制なども曖昧です。
悪質業者が紛れ込んでおり、問題視されていることも事実。
とはいえ、ファクタリングは政府も推奨する資金調達方法であり、契約に違法性はありません。
金融庁の定義にある通り、ファクタリングは法的に債権譲渡契約です。
したがって、ファクタリング契約の法的根拠も、債権譲渡について定めている民法第466条が根拠となります。
民法第466条は以下の通りです。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
この通り、民法では債権譲渡を明らかに認めています。
債権譲渡契約は、債権譲渡取引の条件などを当事者間で取り決めるものです。
債権譲渡としての要件を損なわなければ、債権譲渡契約も合法となります。
債権譲渡契約が合法である以上、債権譲渡契約を含むファクタリングの契約もやはり合法です。
ファクタリングの契約に関して、一部で違法・危険などといわれるのは、ファクタリングの契約そのものが危険なのではありません。
問題とされているのは、ファクタリングを装って違法な取引を行う業者です。
違法業者の取引は、実質的には違法な貸付けである場合が多く、ファクタリングとはいえません。
当然ながら、契約にも違法性があるため危険です。
つまり、正規のファクタリングを利用する限り、ファクタリング会社との契約は100%合法であり、安全に利用できます。
ファクタリング方式と契約の当事者
ファクタリングの契約を知るうえで欠かせないのが、方式に関する知識です。
ファクタリングは、売掛先の関与によって三つの方式に分かれます。
ポイントは売掛先の関与の有無と、オンライン対応の有無です。
方式別に簡単にまとめると以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で契約する方式
- オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式(2社間で契約)
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で契約する方式
方式別の契約の特徴を簡単にみていきましょう。
2社間ファクタリングの契約
2社間ファクタリングは、売掛先が関与しない方式です。
申し込みから契約まで、全ての手続きを利用会社とファクタリング会社の2社間で行います。
売掛先が関与しないことから、簡単な手続きでスピーディに調達できるのが特徴です。
また、売掛先に知られることなくファクタリングできるため、自社の資金繰り事情を勘繰られることもありません。
詳しくは後述しますが、2社間ファクタリングの契約は、債権譲渡契約のほか債権譲渡登記に関する契約、売掛金の回収に関する契約を結びます。
一般的な債権譲渡よりも契約がやや複雑になり、他の方式よりも手数料が高いことがデメリットです。
また、通常の2社間ファクタリングの契約は、対面契約または郵送契約のいずれかによって契約します。
ファクタリング会社が遠方の場合、対面契約の負担が大きくなるため注意が必要です。
郵送契約は、対面契約に比べて負担が小さいものの、契約完了までに時間がかかるのが難点といえます。
オンラインファクタリングの契約
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングをオンライン化したものです。
申し込みから契約まで、売掛先が関与することはありません。
そのため、利便性と資金調達スピードに優れており、売掛先に知られることなくファクタリングできます。
また、オンラインファクタリングは契約が簡単です。
オンラインファクタリングの契約には、クラウド契約を用います。
No.1の場合、弁護士ドットコム株式会社の「CLOUDSIGN」を利用し、オンラインで契約します。
したがって、対面契約や郵送契約は必要ありません。
同じ2社間取引でありながら、従来の2社間ファクタリングよりもはるかに利便性が高く、手数料や安全性にも優れています。
3社間ファクタリングの契約
3社間ファクタリングは、売掛先が必ず関与する方式です。
売掛先を含む3社間での契約が前提となるため、売掛先の協力がなければ利用できません。
実際に、売掛先が譲渡禁止特約を理由に債権譲渡を拒否し、契約が成立しないケースがあります。
売掛先の関与によって手続きが煩雑になり、資金調達に時間がかかることも難点です。
また、3社間ファクタリングでは、債権譲渡契約の締結後、売掛先に対して必ず債権譲渡通知を行います。
したがって、売掛先に知られずファクタリングすることは不可能です。
手数料の安さが魅了ですが、売掛先の関与が大きなハードルとなるため、人気は高くありません。
ファクタリングを利用する会社のほとんどは、2社間ファクタリングを選んでいるのが現状です。
ファクタリング契約とは?
ファクタリングを利用する際には、必ずファクタリング会社との間でファクタリング契約を結ぶ必要があります。
ファクタリングの概要
まず、ファクタリングについて簡単におさらいしておきましょう。
ファクタリングとは、自社の保有する売掛金を、ファクタリング会社に売却することで資金を調達する方法です。
本来、売掛金は支払い期日が到来するまでは単なる債権でしかなく、現金のように活用することはできません。これが資金繰りを圧迫し、売上はあるにもかかわらず現金が不足して資金繰りがショートする、つまり黒字倒産の原因になることも多いです。
ファクタリングを活用すれば、売掛金を早期に資金化できます。資金不足をスピーディに解消できる方法として注目されており、近年では特に中小企業の間で人気が高まっています。
ファクタリング契約の目的
ファクタリングの際には、必ずファクタリング契約を結びます。ファクタリングの経験がある人にとっては当たり前のことなのですが、初めて利用する人は戸惑いを覚えるかもしれません。
ファクタリング契約の目的は、自社とファクタリング会社の法的責任を明確にすることです。この意味において、企業活動におけるあらゆる契約と、根本的な目的は変わりません。
そもそも、ファクタリングで売却する売掛金は、バランスシート上では「流動資産」に分類されます。「売掛金をファクタリング会社に売却する」と書くと特殊な感じがしますが、考え方としては「自社の保有資産を他社に売却する」ことと同じです。
もっといえば、
棚卸資産(在庫)を取引先に売却する→売買基本契約を結ぶ
自社の保有する不動産を売却する→不動産売買契約を結ぶ
自社の保有する売掛金を売却する→ファクタリング(売掛金売却に関する)契約を結ぶ
などのように、これらは「売買に伴う法的責任を明らかにするための契約」という意味で全て同じなのです。
ファクタリング契約の目的は難しく考えず、他の契約行為と同じように考えてください。
ファクタリング契約の中身
ただし、根本的な目的は同じであっても、それぞれ契約の内容は、契約の根拠となる取引の内容によって大きく異なります。
ファクタリング契約では、ファクタリングに伴って生じる自社とファクタリング会社の権利関係や責任を明らかにするために、以下の3つの契約を結びます。
1、債権譲渡契約
ファクタリングにおける「売掛金の売却」は、厳密には「売掛金の譲渡」です。自社の保有する「支払い期日に代金を受け取る権利(=売掛金)」を、ファクタリング会社に譲渡する対価として資金を受け取るのです。
したがって、ファクタリングには債権譲渡を伴うため、ファクタリング契約には債権譲渡契約が必ず含まれます。債権譲渡契約を結ぶことによって、自社からファクタリング会社へ債権(売掛金)の移転が完了し、
いです。
自社は売却代金を受け取ることができる
ファクタリング会社は支払い期日に売掛金を回収できる
という関係が成り立つのです。
2、債権譲渡登記代行契約
債権譲渡登記とは、売掛金の譲渡を登記することで、債権の移転を法的に明らかにするものです。債権譲渡登記を行うことによって、仮に自社が「譲渡していない」と主張したり、ファクタリング契約に関係のない第三者が「この債権は我が社のものだ」などと主張した場合に、法的根拠を以て対抗することができます。
債権譲渡後のトラブルを防ぐために、ファクタリング会社は債権譲渡登記を求めるのが普通です。債権譲渡登記は、譲渡後にファクタリング会社(厳密には提携する司法書士)が代行するため、債権譲渡登記代行契約を結ぶ必要があります。
ただし、ファクタリングの形態やファクタリング会社の対応によって、債権譲渡登記を留保することも可能です。No.1では、お客様のご要望に応じて債権譲渡登記の留保も可能です。
3、集金業務委託契約
集金業務委託契約は、二社間ファクタリングの場合に必要となる契約です。
二社間ファクタリングでは、売掛先に通知せず、自社とファクタリング会社の二社間のみで全てのファクタリング手続きを完結します。売掛先は債権譲渡の事実を知らないため、支払い期日になると自社へ代金を振り込みます。その後、さらに自社からファクタリング会社へ代金を振り込む流れです。
このように、二社間ファクタリングでは、売掛金回収の流れが「売掛先→自社→ファクタリング会社」となり、自社が売掛金回収を代行する形となります。
この関係を明らかにするために、二社間ファクタリングの契約では必ず集金業務委託契約を結ぶのです。
なお、三社間ファクタリングの場合は集金業務委託契約が不要です。売掛先も含めてファクタリング契約を結び、売掛金の回収はファクタリング会社から売掛先に対して直接行われるためです。
ファクタリング契約の流れ
実際にファクタリングを利用する際には、どのような流れで手続きを進め、ファクタリング契約に至るのでしょうか。
基本的な流れを確認していきましょう。
1、事前相談を行う
事前相談の有無は、ファクタリング会社によって対応が異なります。
No.1では、資金繰りコンサルタントを抱えており、コンサルティングも提供しているため、事前相談も可能です。お客様に最適な資金調達方法、ファクタリングの活用方法などを総合的にアドバイスしています。
多くのファクタリング会社にはコンサルタントが在籍していません。そのような会社では、事前相談を受け付けておらず、2の申し込みから手続きをスタートすることも多いです。
三社間ファクタリングを利用する場合には、売掛先から債権譲渡の承諾を得る必要があります。そのため、事前相談の前後で売掛先に相談し、債権譲渡の内諾を受けておくのがスムーズです。
2、ファクタリングを申し込む
ファクタリングの申し込み方法は、ファクタリング会社によって異なります。電話・メール・FAX・ホームページなど、複数の方法で申し込みできるのが一般的です。
申し込みの際には、必要な調達額やファクタリングを希望する売掛金の種類などを把握するために、簡単なヒアリングが行われることもあります。
3、必要書類を提出し、ファクタリング審査を受ける
申し込み後、売掛金と売掛先に対してファクタリング審査を行うために、必要書類を提示します。求められる書類の具体例は後述します。
4、ファクタリング審査の結果を踏まえ、買取条件が提示される
ファクタリング審査によって、買い取りの可否やファクタリング手数料が決まります。
審査スピードやノウハウに強みのあるファクタリング会社では、ファクタリング審査まで数時間以内に済ませるケースが多いです。No.1も即日での資金調達に対応しています。
5、条件に同意し、契約に必要な書類を揃えてファクタリング契約を結ぶ
買取条件に問題がなければ、ファクタリング契約を結びます。
二社間ファクタリングならば自社とファクタリング会社の二社間、三社間ファクタリングならば自社・売掛先・ファクタリング会社の三社間でファクタリング契約を結びます。
このとき、オンラインや郵送で契約が完結するのか、あるいは対面での契約になるのか、ファクタリング会社によって対応が異なるためしっかりチェックしておきましょう。
契約に必要な書類は後述します。
6、売掛金の買取代金が振り込まれる
ファクタリング契約締結後、売掛金の買取代金が振り込まれます。
以上の流れは基本的なものであり、ファクタリング会社ごとにそれほど差が出るものではありません。No.1も、この流れによってファクタリング契約に至ります。
ファクタリング契約に必要な書類は?
ファクタリングに伴って必要となる書類には、
ファクタリング審査に必要な書類
ファクタリング契約に必要な書類
に分けられます。
大切なのは、それぞれのタイミングで求められる書類を正確に把握しておくことです。それにより、求めに応じてすぐに提出でき、再提出を求められることもなく、スムーズにファクタリング契約を結ぶことができます。
ファクタリング審査の必要書類
ファクタリング審査で求められる書類は以下があります
通帳コピー(◎)
決算書(◎)
売掛金証明書類(ファクタリングする売掛金に係る請求書・発注書・納品書など)(◎)
身分証明書
登記簿謄本
事業計画書
売掛先との取引契約書
※(◎)はNo.1が求める書類です。
ファクタリング会社ごとに求める書類は異なりますが、審査能力の高いファクタリング会社は限られた書類で審査しているケースが多いです。
審査能力の低いファクタリング会社では、貸し倒れリスクを避けるために念入りに審査する必要があるため、数期分の決算書や取引先との契約書、事業計画書など、色々な書類を求める傾向があります。
多数の書類を求められると、すぐに揃えることができず、審査開始が遅れ、審査自体も念入りで時間がかかるため、即日対応が難しくなります。このため、スピーディな資金調達を目指すならば、提出書類が少ないファクタリング会社を選びましょう。
ファクタリング契約の必要書類
ファクタリング会社によって審査の方針やスキームが異なるため、審査時の必要書類が会社によってかなり異なるケースもあります。
これに対し、ファクタリング契約の必要書類はそれほど変わりません。それぞれのファクタリング会社が、ファクタリング契約に求める内容の多くは共通しているため、必要となる書類も大体同じなのです。
ファクタリング契約時の必要書類には、以下のような書類が挙げられます。
決算書(税務申告済みのもの)(◎)
売掛金証明書類(請求書・発注書・納品書など)(◎)
過去の入金を確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表など)(◎)
売掛先との取引契約書(◎)
登記簿謄本
印鑑証明書
身分証明書
ファクタリング契約に必要な書類も、あまり種類の多くない方が好ましいです。印鑑証明書や登記簿謄本など、取得に手間がかかる書類を求められた場合、即日でのファクタリング契約と資金調達が難しくなるため注意してください。
ファクタリング契約で注意すべき10のポイント
ファクタリング契約について、基礎知識を解説しました。
安心・安全にファクタリングを活用するには、ここから一歩踏み込んで、ファクタリング契約の注意点を知っておくことが大切です。
ここでは、10の注意点を紹介します。ファクタリング契約の際には、以下のポイントを意識して契約内容をチェックし、不利な内容や悪質な契約を避けるようにしてください。
もし危険な契約であると判断したら、契約を見送って他のファクタリング会社に切り替えてください。ファクタリングに申し込み、審査を受けた後でも、契約を交わす義務はありません。
1、手数料は適正か
ファクタリング審査によってファクタリング手数料が決定されます。ファクタリング契約書に記載されている手数料を必ず確認し、
ファクタリング手数料が適正水準であるか
契約前に聞いていた手数料と一致しているか
をしっかりと確認しましょう。
ファクタリングの手数料率の適正水準は、二社間ファクタリングで10~20%、三社間ファクタリングで1~10%です。審査後に提示される手数料が、この水準を大幅に超過している場合には、他社でファクタリングしたほうが賢明です。
なお、No.1では、二社間ファクタリングを5~15%、三社間ファクタリングを1~5%の手数料率で提供しています。
2、諸経費の確認
諸経費についても確認しましょう。ファクタリング会社によっては、手数料以外に諸経費を請求するケースがあります。
一概に諸経費があれば悪質、諸経費がなければ優良といった判断はできません。しかし、「諸経費不要・費用はファクタリング手数料だけ」の設定ならば分かりやすく、気付かないうちに色々な費用を請求される心配もなく安心です。
諸経費を請求される場合には、諸経費の内訳がファクタリング契約書に記載されています。不明な経費が含まれている場合には質問し、納得できなければファクタリング契約は見送ってください。
諸経費なしのファクタリング契約をご希望の方は、No.1をご利用ください。
3、損害賠償または違約金
ファクタリング契約に違反した場合、損害賠償や違約金などが請求される可能性があります。これも、ファクタリング契約書に明記されています。
何を以て契約違反とするかについては、ファクタリング会社によって設定が異なります。
このため、記載内容を安易に受け入れるのではなく、どのようなケースが契約違反に該当するのかを正確に把握しておくべきです。
損害賠償や違約金の金額があまりにも高額である、または契約違反の適用範囲が広すぎるといった場合には、契約を見送ったほうが賢明です。
4、集金スケジュール
二社間ファクタリングの場合、ファクタリング契約には集金業務委託契約も含まれます。自社からファクタリング会社に対して、売掛金の支払い期日から何日以内に振り込むか(入金期限)も明記されているため、よく確認しておきましょう。
入金期限を過ぎてしまうと、損害賠償や違約金などが請求される恐れがあるため、あまりにもタイトなスケジュールになっているならば交渉すべきです。
5、報告義務の詳細
ファクタリング契約には、報告義務が含まれています。これは、「自社と売掛先の関係が大きく変化した」、「売掛先の経営環境が大きく変わった」といった場合に、自社とファクタリング会社が相互に報告し合う義務です。
報告義務違反によって損害が生じたことにより、損害賠償請求に発展したケースも実際にあります。報告義務の範囲や具体例などについて、しっかりと把握しておきましょう。
6、契約解除の条件
ファクタリング会社側が契約違反を犯した場合には、ファクタリング契約の解除が可能です。
契約解除の条件も、ファクタリング契約書に明記されています。契約違反を犯すようなファクタリング会社であれば、すぐに他社に乗り換えたほうがよいため、契約解除の条件もしっかり確認しておいてください。
7、債権譲渡登記の有無
ファクタリング契約書には、債権譲渡登記の有無についても明記されています。
悪質業者の中には、債権譲渡登記はしなくてよいと説明しておきながら、契約書には「債権譲渡登記あり」と記載し、契約後に一方的に登記する場合があります。
二社間ファクタリングの大きなメリットのひとつは、売掛先に知られることなく売掛金を売却できることです。債権譲渡を売掛先に通知しないとしても、登記すれば誰でも確認できるようになるため、売掛先に知られる可能性も出てきます。
また、金融機関や他の取引先なども知り得る状況となるため、想定外のリスクが発生する可能性があります。
そのようなことがないように、特に債権譲渡登記を留保した場合などには、ファクタリング契約書をしっかり確認しておきましょう。
8、償還請求権の設定
償還請求権とは、ファクタリングした売掛金が回収不能になった場合、ファクタリング会社が自社に対して買い戻しを請求できる権利です。
償還請求権の設定は、ファクタリング契約の中でも特に重要なポイントです。なぜならば、償還請求権ありの条件を求める業者は、「ファクタリング会社を装った闇金融業者」である可能性が極めて高いからです。
償還請求権ありのファクタリングは、ファクタリングではなく「売掛債権担保融資」とみなされます。貸金業務に該当するため、業者は貸金業者として金融庁から認可を受け、上限金利の範囲内で貸し付ける必要があります。
実際には、無登録営業の闇金融業者であることがほとんどです。利用すれば、違法金利で借り入れることになり、その他にも不利な条件の契約が潜んでいる可能性が高いです。
したがって、ファクタリング契約書に「償還請求権あり」の条件が記載されていた場合には、その業者の利用は即座にキャンセルしましょう。
9、保証人や担保の有無
償還請求権の設定に加えて、保証人や担保の有無についても確認しておくべきです。
もし、ファクタリング契約書に保証人や担保について記載されている場合、まともな業者ではないとみなしてください。
保証人や担保は債権の保全を目的とするものです。銀行や貸金業者が融資に伴う貸し倒れリスクを回避するために設定します。
しかし、ファクタリングは融資ではなく、あくまでも売掛金の売却なのです。売掛金を担保にするわけでも、調達した資金をいずれ返済するものでもありません。それでも担保や保証人を設定するのは、買い取った売掛金が回収不能になった場合、担保や保証人から回収するためです。
したがって、保証人や担保が設定されているならば、異常な契約であると考えて間違いありません。
10、一通を必ず手元に
最後に、ファクタリング契約書は、自社とファクタリング会社でそれぞれ一通ずつ保管しておくことが重要です。
1~9までの契約内容に問題がなくとも、自社にファクタリング契約書が渡されない場合、後で契約内容を書き換えられたり、自社に不利な契約違反が発生していても把握できなかったり、様々なリスクが想定されます。
そもそも、契約書は双方が一通ずつ保管するものですから、どちらかが契約書を受け取れないとすれば、そのような契約はまともではないと考えるのが妥当です。
リスク回避のためにも、契約書は必ず一通を自社で保管することを心がけてください。
ファクタリング契約で得られるメリット
ここまで、ファクタリング契約について詳しく解説してきました。
ファクタリング契約は、利用会社に様々なメリットをもたらします。
ここからは、ファクタリング契約の知識を踏まえて、具体的なメリットをみていきましょう。
会社の状況に関係なく契約できる
ファクタリングの契約は、債権譲渡契約が軸になります。
これにより、会社の状況に関係なく契約できるため、融資などに比べて資金を調達しやすいのがメリットです。
このメリットは、融資とファクタリングの契約を比較するとよくわかります。
融資は金銭消費貸借契約
会社の資金調達方法のうち、最もメジャーなのは融資です。
一口に融資といっても、銀行融資、公的融資、ビジネスローンなど色々あります。
これらの共通点は、法的に消費貸借に分類されることです。
したがって、融資の契約は全て金銭消費貸借契約となります。
金銭消費貸借契約について、民法587条では以下のように定めています。
(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
ここにある通り、金銭消費貸借契約は返済義務を前提とする契約です。
返済条件は契約ごとに異なるものの、少なくとも元金の全額返済が前提となっています。
もちろん、契約に定められた金利に応じて、利息を支払わなければなりません。
したがって、融資審査は融資先の経営状況、とりわけ返済力を重視します。
返済力に問題がある会社は融資審査に落ち、金銭消費貸借契約を結ぶこともできません。
基本的に、本業からの利益を返済原資とみなすため、業績が悪化している会社や赤字の会社は借り入れが困難です。
資金調達方法の中でも、融資は審査難易度が高いといわれます。
それは全て、融資の契約が金銭消費貸借契約であり、融資先の返済力を厳しく審査されるためです。
スムーズに融資を受けられていた会社でも、自社の経営悪化や銀行の方針変更などにより、突然融資を受けられなくなることがあります。
資金繰りの安定性を高めるには、融資への過度な依存は禁物です。
ファクタリングは債権譲渡契約
ここまでも見てきた通り、ファクタリングは法的に債権譲渡であり、債権譲渡契約が軸となります。
債権譲渡について定める民法第466条では、返済義務に関する記述が一切見当たりません。
これは、債権譲渡には返済義務がないということです。
ファクタリング会社と債権譲渡契約を結び、調達した資金に返済義務はなく、資金使途も自由です。
返済義務がない以上、利用会社の経営状況や返済力は重視されません。
ファクタリング審査で重要なのは、あくまでも売掛金です。
ファクタリング会社は、利用会社の売掛金を額面金額よりも割安に買い取り、支払期日に満額回収することで利益を得ています。
つまり、ファクタリング会社にとって重要なのは、「売掛金をスムーズに回収できるかどうか」です。
利用会社の経営がいくら順調でも、売掛金の内容や売掛先の経営に問題があれば審査に落ちます。
その場合、ファクタリング契約には至らず、資金を調達することもできません。
逆に、利用会社の経営に問題があっても、売掛金に問題がなければ審査に通り、ファクタリング契約に至ります。
あらゆる会社が契約可能
ファクタリングと融資は契約が異なり、審査基準がまるで違います。
これにより、ファクタリングはあらゆる会社が契約可能です。
以下のように、銀行融資がほぼNGという場合でさえ、ファクタリングならば契約できます。
- 2期以上の連続赤字に陥っている。
- 債務超過に陥っている。
- 借入金の返済が滞っている。
- リスケ中である。
- 税金や社会保険料を支払っていない。
銀行融資を受けられない会社は、ファクタリングを活用してください。
ファクタリングの契約は無担保・無保証が原則
ファクタリング契約は、原則的に無担保・無保証です。
これもファクタリング契約のメリットといえるでしょう。
銀行融資の契約は担保・保証を重視
銀行の契約は、担保・保証を重視します。
無担保・無保証で融資を受けられるのは、全体の1割程度に過ぎません。
ほとんどの会社は、不動産などの担保資産や、信用保証協会の保証を求められるのです。
銀行は担保・保証を重視するのは、契約上やむを得ないことです。
上記の通り、銀行融資は金銭消費貸借契約であり、返済義務があります。
返済は現金によって行うのが基本ですが、経営悪化などによって返済できなくなることも有り得ます。
その場合、現金以外の方法で回収しなければなりません。
不動産などの担保資産を処分したり、信用保証協会の弁済を受けたりすることで、銀行は貸倒損失を大幅に軽減できます。
だからこそ、銀行の契約は担保・保証を重視するのです。
中小企業のほとんどは、担保・保証を求められると考えてください。
業容が小さい会社ほど業績・財務の安定性は低く、景気の変化などに左右されやすいです。
今は返済力に問題がなくとも、数年先は分かりません。
そこで、銀行は契約の際に担保・保証を求め、無担保・無保証では容易に融資しないのです。
実際に、担保・保証の不足を理由に、融資を受けられない会社は少なくありません。
ファクタリングの契約は無担保・無保証
ファクタリングの契約は無担保・無保証が原則です。
既に解説した通り、ファクタリングは債権譲渡であり、債権譲渡契約には返済義務がありません。
そもそも、担保・保証は保全が目的です。
債権譲渡契約には返済義務がない以上、返済できなくなった場合の保全という考え方が成り立ちません。
したがって、ファクタリング契約は無担保・無保証以外あり得ないのです。
もし、ファクタリング契約の際に担保・保証を求められた場合、悪質業者の危険があるため契約は避けてください。
担保・保証付きのファクタリング契約は、実質的にはファクタリングではなく貸付けに該当します。
このようなファクタリングについて、金融庁は以下のように注意を喚起しています。
中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
悪質業者が、ファクタリング契約の際に不動産などの担保を要求することは考えにくいです。
しかし、売掛金を担保としてファクタリング契約を結び、違法とみなされた判例がいくつもあります。
この場合、「無担保・無保証のファクタリング契約」ではなく、実質的には「有担保の金銭消費貸借契約」に該当します。
当然、業者は貸金業法や利息制限を遵守する必要があるわけですが、それらに違反しているケースが大半です。
ファクタリング契約は無担保・無保証が原則ですから、担保・保証付きの条件は異常であり、何のメリットもありません。
担保・保証を求める契約は全て避けてください。
業歴が短くても契約できる
ファクタリングは、業歴が短くても契約できます。
業歴が短く、資金調達に悩んでいる会社におすすめです。
銀行の契約は業歴を重視
資金調達方法の中でも、特に業歴を重視するのは銀行です。
業歴が短いほど銀行融資の審査に通りにくく、契約に至らないケースが増えます。
これは、業歴が信用の裏付けになるためです。
例えば、起業したばかりの会社と、業歴100年の老舗では、信用に大きな差があります。
後者の場合、100年にわたって経営を続けてきた実績があり、地域からの信用やブランド力、顧客の数など、あらゆる点で優れています。
少々のことでは経営が破綻しないのが老舗というものです。
これは銀行にとって大きなプラス材料になり、融資審査にも通りやすいといえます。
逆に、業歴が短い会社は経営の安定性が低く、信用力やブランド力などにも乏しいです。
ちょっとしたことで経営危機に陥る可能性もあり、銀行は安心して融資できません。
このように考えると、銀行が業歴を重視する理由が分かるでしょう。
開業後間もない会社が、銀行から融資を受けるのは極めて困難です。
経営実績をある程度積み重ね、融資外の取引などを通して徐々に信用を高め、融資の道を拓いていく必要があります。
銀行から融資をうけるには、長い時間がかかるのです。
ファクタリングの契約は業歴不問
業歴が短い会社の資金調達にはファクタリングがおすすめです。
ファクタリング契約は業歴を問いません。
ファクタリングの審査基準は売掛金です。
売掛金の価値は、請求内容や売掛先の信用によって決まり、利用会社の業歴は何ら影響しません。
利用会社の業歴がいくら長くても、売掛金に問題があればファクタリング会社は契約を拒否します。
逆に利用会社の業歴が短い場合でも、売掛金に問題がなければファクタリング会社は契約に応じます。
このように、業歴が短い会社でも、売掛金次第で契約できるのがファクタリングの魅力です。
ただし、業者によっては業歴1年未満を対象外としているため注意してください。
業歴1年未満の会社は手元に決算書がなく、必要書類が揃いません。
後述の通り、決算書はファクタリングの基本書類の一つです。
その場合、代替書類の提出で対応してくれるファクタリング会社を探す必要があります。
もっとも、業歴1年未満の会社が契約できる業者も多いため、さほど問題にはならないでしょう。
No.1も、業歴に関係なく(業歴1年未満でも)契約可能です。
契約の負担が小さい
ファクタリングの契約は、他の資金調達方法に比べて負担が少ないです。
契約に必要な書類と、手続きの方法からみていきましょう。
契約に必要な書類が少ない
まず、ファクタリングは簡単な書類だけで契約できます。
実際の必要書類はファクタリング会社によって異なり、契約の内容やファクタリングの方式、契約が初回か二回目以降かなど、様々な要素が絡みます。
とはいえ、他の資金調達方法よりも契約書類が少ないことは事実です。
銀行融資の場合、契約に至るまでにたくさんの書類を提出しなければなりません。
金銭消費貸借契約を結ぶには、融資審査に通ることが前提となります。
そのためには、決算書や事業計画書、試算表、資金繰り表、資金使途を裏付ける書類など、多くの書類を提出します。
書類によっては、専門家の協力がなければ作成が難しく、書類の作成・取得そのものに労力とコストがかかるのです。
これに対し、ファクタリングの契約書類は必要最低限のものばかりです。
一例として、No.1をご利用いただく際には、契約書類として以下の4点をご提出いただきます。
- 直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
- 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
- 成因資料(請求書・発注書・納品書など)
- 取引先企業との基本契約書
これらの書類は、基本的に手元にあるはずです。
ファクタリングの契約にあたり、改めて取得・作成する必要はありません。
上記の通り、ファクタリングの契約書類はケースバイケースで変わるため、登記簿謄本や印鑑証明書などの提出を求められることもあります。
それでも、他の資金調達方法に比べて契約書類が少なく、負担が小さいことは間違いないでしょう。
オンラインで契約できる
契約の負担を左右するものといえば、オンライン対応の有無も重要です。
ほとんどの資金調達方法は、オンラインでは利用できません。
最近は、ネット銀行系のビジネスローンや、消費者金融系のビジネスローンであれば、オンライン対応のサービスも増えてきました。
また、手形割引などもオンライン対応を売りにするサービスが多いです。
しかし、オンライン対応のレベルはまちまちで、契約書類の提出を郵送で行ったり、手続きの一部で対面を求められたり、必ずしもオンライン完結とは限りません。
例えば、オンライン対応の手形割引はほとんどの手続きをオンラインで行いますが、手形には紙媒体として実体があり、それを業者に受け渡さないことには契約が完了しません。
やはり、手続きの最終段階で、対面や郵送によって手形を受け渡す必要があります。
ファクタリングも、通常の手続きは契約時の対面・郵送手続きが基本です。
ただし、オンラインファクタリングだけは、申し込みから契約まで全てをオンラインで完結できます。
「一部をオンライン対応」や「大部分をオンライン対応」に比べて、「全てをオンライン対応」のほうが圧倒的に負担は少ないです。
また、オンラインファクタリングは通常のファクタリングに比べて、契約書類がさらに少ない傾向があります。
契約の負担を減らしたい場合には、オンラインファクタリングがおすすめです。
申し込みから契約まで最短即日
ファクタリングは、資金調達スピードに優れています。
申し込みから契約まで、最短即日で完了できます。
これは、申し込みの当日中に資金調達できるということです。
ファクタリング契約のスピードについて解説します。
契約までの目安
ファクタリングの契約完了までのスピードは、方式によって異なります。
方式別のスピードの目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:最短即日
- 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
- オンラインファクタリング:最短数時間
ただし、これはあくまでも目安であり、契約に至るまでの実際のスピードは業者によって様々です。
「最短即日」を謳っている業者でも、何を以て「即日」をするかがことなります。
例えば、「審査完了が最短即日(契約は翌営業日以降)」「継続利用の場合は最短即日で契約(初回利用は翌営業日以降に契約)」「スムーズに契約に至れば即日(即日契約の実現率は高くない)」といったケースです。
資金調達を急ぐ場合には、「最短即日で契約・入金」であることを確認してください。
緊急時もスピーディに契約→調達
ファクタリングは、緊急時の資金調達に最適です。
緊急時には、2社間ファクタリングまたはオンラインファクタリングを利用しましょう。
2社間ファクタリングは、申し込みから契約まで全て2社間で手続きします。
契約には売掛先が関与しないため、最短即日で契約完了です。
ただし、通常の2社間ファクタリングは対面契約または郵送契約が基本であり、契約に時間がかかることがあります。
その場合、オンラインファクタリングがおすすめです。
オンラインファクタリングは、契約を含む全ての手続きをオンラインで行うため、対面契約・郵送契約は必要ありません。
また、手続き全体がオンライン化によって効率化されており、AIによって審査するケースも多いです。
したがって、オンラインファクタリングは最短数時間で契約できます。
No.1のオンラインファクタリングでは、「最短60分で契約→入金」の実績が多数ございます。
唯一注意すべきは3社間ファクタリングです。
3社間ファクタリングは、売掛先を含む3社間で契約するため、契約までに最短でも1週間程度を要します。
緊急時は3社間ファクタリングを避けてください。
売掛先に知られず契約できる
ファクタリングで契約する際、売掛先への配慮が欠かせません。
近年、急速に普及しているとはいえ、ファクタリングはまだまだマイナーな資金調達方法です。
ファクタリング業界に悪質業者が紛れ込んでおり、摘発されることもあるため、ネガティブなイメージを抱く経営者もいます。
売掛先がファクタリングを誤解している場合、ファクタリング契約を知られると信用が悪化する恐れがあります。
それを避けるには、売掛先に知られず契約できるよう、ファクタリング方式を正しく選ぶことが重要です。
2社間ファクタリングの契約はリスクが低い
ファクタリング方式のうち、契約のリスクが低いのは2社間ファクタリングです。
2社間ファクタリングは売掛先が関与しないため、売掛先に知られず契約できます。
ただし、これは「リスクゼロ」という意味ではありません。
すでに解説した通り、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を求められることが多いです。
この場合、登記内容からファクタリング契約を知られる危険があります。
このリスクを避けるためには、債権譲渡登記の留保に対応しているファクタリング会社を選ぶのがポイントです。
もっとも、売掛先がわざわざ登記内容を確認することは考えにくく、実際のリスクは極めて低いといえるでしょう。
3社間ファクタリングの契約はリスクが高い
ファクタリング方式のうち、契約のリスクが最も高いのは3社間ファクタリングの契約です。
3社間ファクタリングの契約は、売掛先が必ず関与します。
したがって、売掛先に知られず契約することはできません。
売掛先がファクタリングに悪い印象を持っている場合、信用悪化は避けられないでしょう。
したがって、3社間ファクタリングが利用できるのは、売掛先がファクタリングに理解を示している、信用が悪化しても取引に影響しない確証がある、売掛先が自社の関連会社であり相互扶助の関係にある、といった場合に限られます。
オンラインファクタリングの契約はリスクゼロ
ファクタリング方式のうち、最も契約のリスクが低いのはオンラインファクタリングです。
オンラインファクタリングは2社間取引ですから、売掛先に知られることなく契約できます。
さらに、オンラインファクタリングは債権譲渡登記不要のサービスがほとんどですから、登記内容から契約を知られることもありません。
オンラインファクタリングならば、契約のリスクは「ゼロ」といってよいでしょう。
信用リスクを徹底的に排除したい場合、オンラインファクタリングが最適です。
正しく契約すれば回収不能リスクの回避に
最後に、ファクタリングは回収不能リスクの回避に役立ちます。
これも、ファクタリング契約によるメリットです。
ファクタリング契約は「償還請求権なし」
償還請求権は、債権譲渡契約の中でも重要な取り決めです。
これによって、譲渡した債権が回収不能になった場合に、譲受人が譲渡人に買い戻しを請求できるかどうかが決まります。
例えば、手形割引の契約は「償還請求権あり」です。
銀行に譲渡した手形が不渡りになれば、銀行は手形の買い戻しを請求します。
もちろん、これは契約に基づいた当然の権利ですから、割り引いた会社は買い戻しに応じる義務があります。
資金不足などを理由に買い戻しに応じられない場合、銀行の信用悪化は避けられません。
もっとも、手形割引の審査では償還能力をチェックするため、償還請求に応じられない会社はそもそも契約に至らないでしょう。
「ファクタリング契約で注意すべきポイント」でも解説したように、ファクタリング契約は「償還請求権なし」が基本です。
償還請求権ありの場合、実質的には売掛債権担保融資とみなされ、様々な規制を受けることとなります。
その場合、例えばファクタリング手数料を年利換算で15~20%以下に抑える必要があります。
手形割引の割引料が安い(年利換算で15~20%以下)のは、手形割引の契約が「償還請求権あり」であり、利息制限法・出資法の規制を受けるためです。
このような規制を避けるためにも、正規のファクタリング会社は必ず「償還請求権なし」で契約します。
回収不能リスクを回避できる
では、なぜ「償還請求権なし」の契約が回収不能リスクの回避につながるのでしょうか。
これは、実際に売掛金が回収不能になった場合を考えるとよくわかります。
例えば、額面金額1000万円の売掛金を、手数料率10%でファクタリングしたとしましょう。
ファクタリング契約を結んだということは、ファクタリング審査の時点で、業者は「売掛先の支払い能力に問題なし」と判断して買い取ったわけです。
ただし、支払期日までの間に売掛先の経営が急速に悪化することも有り得ます。
その結果、売掛金が全額回収不能となれば、買取代金の900万円はまるごと損失です。
契約が「償還請求権あり」の場合、ファクタリング会社は利用会社に売掛金の買い戻しを請求し、900万円の損失を回避できます。
しかし、ファクタリング契約には償還請求権がありません。
契約上、利用会社に買い戻しを請求できない以上、900万円の損失はすべてファクタリング会社の負担になります。
もちろん、ファクタリング会社は一部分でも回収すべく、様々な手続きをとるでしょう。
その際、利用会社は必要に応じて協力を求められます。
とはいえ、回収実務の全体からみれば、利用会社の負担はごく軽微です。
回収不能による全ての損失と、回収実務の大部分はファクタリング会社が負担します。
つまり、「『償還請求権なし』の契約」は、「ファクタリング会社が回収不能リスクを肩代わりする契約」でもあるのです。
これが、ファクタリング契約によって回収不能リスクを回避できる理由です。
売掛金の回収不能リスクを軽減したい場合、ファクタリングが非常に役立ちます。
まとめ:ファクタリング契約でお悩みの方はNo.1にお任せください
本稿では、ファクタリング契約の基本的な仕組みや流れ、契約時の注意点などを解説しました。
ファクタリング契約については、すでに知っている人が多いと思いますが、契約時の注意点は知らない人が多いものです。また、資金調達を急ぐあまり、契約書のチェックを怠ってしまう人も少なくありません。
ファクタリング契約には、思わぬリスクが潜んでいる可能性があります。逆に言えば、しっかりチェックした上で契約を結ぶことにより、悪質業者や条件の良くないファクタリング会社を避けられる可能性が高まります。
ファクタリングを資金繰りに活かすためには、自社とファクタリング会社のどちらかが不利にならない、win-winのファクタリング契約を結ぶことが欠かせません。
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