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ファクタリングに資格は必要?無資格でも合法な理由、注意すべき無資格の悪質業者について徹底解説!

近年様々なファクタリング業者が増えてくなかでファクタリング業は貸金業に該当しないのか、登録・免許といった資格は必要ないのでしょうか?
本記事では、そのような疑問について解説していきます。

ここ数年で、「ファクタリング」という言葉を耳にする機会が増えました。
業界側からみても、加速度的に普及が進んでいる印象があります。
ファクタリングは優秀な資金調達方法であり、普及によって身近になることは、多くの中小企業にとって好ましい流れです。
問題は、普及のスピードに法整備が追い付かず、規制も不十分なこと。
特に、ファクタリング業を始めるにあたり、登録・免許といった資格が一切不要ですから、悪質業者が紛れ込みやすい環境です。
ファクタリングを利用する会社としても、悪質業者が存在することを踏まえて、慎重に利用することが大切です。
そこで、この記事ではファクタリングと資格の関係、無資格でも合法な理由、注意すべき無資格の悪質業者について徹底解説します。

ファクタリングに資格は必要?

中小企業が利用できる資金調達方法の中でも、最近特に注目されているのがファクタリングです。
ファクタリングは、銀行融資のように外部機関から資金を調達するのではなく、会社が所有する売掛金を売却する資金調達方法です。
資金調達の多様化を促すために、政府もファクタリングを推奨しています。
しかしながら、普及の過渡期にある今、ファクタリングには色々な問題があることも事実です。
特に問題視されているのが、悪質業者の存在。
悪質業者とは、ファクタリングを装って違法な貸付けを行うヤミ金業者のことです。
ファクタリングを活用するためには、このような悪質業者を避けなければなりません。
なぜ、ファクタリング業界には悪質業者が紛れ込むのでしょうか。
悪質業者を取り締まる法律や規制、資格などはないのでしょうか。

ファクタリングに資格は不要

結論から言うと、ファクタリングを開業するにあたり資格は不要です。
ここ数年でファクタリングが急速に普及したため、法整備が市場の拡大に追いついていません。
そのため、ファクタリング会社の開業・営業に関する規制が不十分な状況です。
もちろん、政府や自治体の取り組みも加速しており、法改正も行われています。
しかしながら、ファクタリングを開業するにあたって、行政の許可、免許や登録の取得など、開業・営業に関する資格が存在しません。
ファクタリングに資格が不要であることについて、金融庁は以下のように説明しています。

「ファクタリング」とは、一般に、企業が取引先に対し有する売掛債権をファクタリング会社が買い取り、買い取った債権の管理・回収を自ら行う金融業務をいいます。
このようなファクタリングの法定性質は、売買契約に基づく指名債権の譲渡であり、金銭の貸し借りではないので、貸金業の登録は必要ありません。

出典:出典:金融庁「貸金等に関する相談事例等及びアドバイス等」

資金調達方法といえば融資が最もポピュラーであり、借入先は銀行や貸金業者が一般的です。
銀行は銀行法によって、また貸金業者は貸金業法によって規制されており、無資格では開業・営業できません。
これに対し、ファクタリングは貸金業への登録をする必要がなく、無資格での開業・営業が可能です。

資格不要の何が問題?

貸金業の開業・営業には資格が必要です。
もし無資格で営業すれば、無登録営業の罪に問われます。
無登録営業は貸金業法違反であり、即座に取締りの対象となるため、悪質業者にとってハイリスクです。
そこで、多くのヤミ金業者がファクタリングに目を付けました。
「正規の貸金業を装うヤミ金業者」として営業するよりも「ファクタリングを装うヤミ金業者」のほうが、摘発のリスクが低いのです。
前者は無資格が判明すれば即座に摘発対象となります。
しかし、後者は無資格でも即座に摘発対象とはならず、合法・違法のラインが曖昧であるため、摘発を逃れやすいのです。
無資格で開業できることは、悪質業者にとって以下の点で好都合です。

  • 簡単に開業できる(開業・廃業を繰り返しながら摘発を逃れることができる)
  • 合法・違法のラインが曖昧(違法行為があったとしても抜け道を見つけやすく、摘発を逃れやすい)

金融庁が問題視しているのも、基本的には「ファクタリングを装うヤミ金業者」であり、以下のように注意を喚起しています。

中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

近年、ファクタリング会社の数が急増しています。
最も大きな理由は、市場の拡大です。
市場が拡大すればビジネスチャンスが生まれるわけですから、業者の新規参入が増えます。
これに加えて、無資格で開業できることも、業者の増加に拍車をかけています。
ファクタリングで資金調達する際には、「悪質業者が存在する」という事実をしっかりと認識し、健全なファクタリング会社を選ぶことが重要です。

資格不要のファクタリングは合法?違法?

「無資格」と聞くと、違法なイメージを抱く人も多いでしょう。
しかし、ファクタリングは無資格で営業しても違法にはなりません。
ファクタリングという仕組みには法的な裏付けがあるため、資格の有無に関係なく、ファクタリングサービスに違法性はないのです。

ファクタリングは債権譲渡契約

ファクタリングの合法性を知るためには、ファクタリングの法的側面を理解する必要があります。
ファクタリングは、一般的には「売掛金をファクタリング会社に売ってお金に替える取引」と認識されています。
この認識も決して間違いではありません。
しかし、より厳密に考えるならば「売掛金を売る取引」というよりも、「売掛債権の譲渡取引」と考えた方が適切です。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

ここにある通り、ファクタリングは売掛金を支払期日前に買い取ってもらう「早期資金化サービス」であると同時に、法的に見れば「債権譲渡取引」です。

ファクタリングの法的根拠

「ファクタリング=債権譲渡取引」ということが、ファクタリングの法的根拠となります。
債権譲渡取引は法律で認められた取引であるため、ファクタリングもおのずから合法と言えるのです。
債権譲渡取引の合法性は、民法466条に明記されています。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

出典:出典:e-GOV法令検索「民法」

簡単に言えば、
「売掛金は譲渡できる。売掛先が譲渡を禁止した場合(売買基本契約の特約として『譲渡禁止特約』が明記されていた場合など)でも、売掛金の譲渡は法的に可能である」
ということです。
法律で「売掛金の譲渡は合法」と明記されているのですから、会社が売掛金をファクタリング会社に譲渡し、対価(買取代金)を受け取ったとしても、法的に何ら問題ありません。
資格の有無に関係なく、ファクタリングサービスは合法です。

契約自由の原則

ファクタリングの合法性は、憲法によっても保証されています。
ファクタリングは債権譲渡取引ですから、売掛金を譲渡する際に結ぶのは債権譲渡契約です。
債権譲渡取引が合法である以上、債権譲渡契約を結ぶことも合法であり、また事業者には、自由に契約を結んで取引する自由があります。
いわゆる「契約の自由」というもので、具体的には以下の4つについて自由が保証されているのです。

  • 契約を締結するかしないかの自由
  • 契約相手を選択する自由
  • 契約の内容決定の自由
  • 契約の方式の自由

ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の間で「債権譲渡契約」を結ぶにあたっても、これらの自由が保証されます。
契約の自由は、憲法で保証されている権利です。
無資格のファクタリング会社は、利用会社と債権譲渡契約を結び、債権譲渡取引を行う権利を保証されているのです。
憲法で保証されているのですから、金融庁や警察、その他の公的機関が債権譲渡契約に介入し、取引を妨害することは原則的に許されません。
法務省の資料では、契約自由の原則について以下のように解説しています。

契約は当事者の自由な意思に基づいて結ぶことができます。当事者間で結ばれた契約に対しては、国家は干渉せず、その内容を尊重しなければなりません。これを契約自由の原則といいます。
「契約を結ぶかどうか」、結ぶとしても「誰と結ぶか」、「どのような契約内容にするか」について、当事者は自由に決めることができます。

出典:出典:法務省「法教育リーフレット」

もちろん、契約の自由はあくまでも「原則」ですから、例外的に自由が認められないケースもあります。
例えば、「雇用主と労働者」「販売者と消費者」などのように、契約の当事者の力関係に大きな差がある場合です。
しかしファクタリングは、利用会社もファクタリング会社も同じ事業者であり、事業者間の商取引として売掛金を売買しているのですから、契約自由の原則の例外ではありません。
資格の有無に関係なく、ファクタリング会社の業務は憲法によっても保証されており、完全に合法であることが分かります。

資格不要の問題点

ファクタリングが合法であることは民法に明記されており、債権譲渡契約を自由に結ぶ権利も憲法で保証されています。
しかし、合法であるからと言って、全く問題がないということにはなりません。
ファクタリングには資格がいらず、悪質業者でも簡単に開業できるからこそ、実際に悪質業者による被害も発生しているのです。
したがって、「無資格でもファクタリングは合法」であり、また「合法だが規制がなく、悪質業者が存在する」という事実はしっかりと認識しておく必要があります。

ファクタリング会社に資格が必要なケース

場合によっては、ファクタリング会社でも資格が必要になるケースがあります。
これが混乱しやすいところで、「無資格の業者はやっぱり危険」といった勘違いをする人も少なくありません。
実際のところはどうなのでしょうか?

なぜ資格が必要になる?

そもそも、無資格でファクタリングを開業・営業できるのは、資格を必要とする法律・規制がないからです。
ファクタリングに関する法整備が不十分な現在、悪質業者に対して「ファクタリングに関する法律違反」として取り締まることもできません。
とはいえ、悪質業者が全く野放しになっているわけではなく、実際に取り締まりが行われています。
どのように取り締まるのかといえば、「貸金業に関する法律違反」として摘発するのです。
これは、以下のように考えるとよくわかります。

  • ファクタリングを謳っている業者であっても、実態として貸金業を行っている場合には貸金業の規制を適用する
  • その業者が無資格(無登録営業)である、ファクタリング手数料が年利換算で法定利息を超えているなどの場合、法律違反として摘発する

貸金業には明確な法律・規制がありますから、これが適用された場合には、「ファクタリング業だから無資格で問題ない」とは言えなくなります。
これまでは、「ファクタリング業だから無資格でも合法」であったものが、「無資格の貸金業者のため摘発対象」へと一変するのです。

資格の取得は現実的ではない

もちろん、このファクタリング会社が貸金業としての資格を持っていたならば、違法にはなりません。
「ファクタリングを謳いつつ、実態として貸金業を行っていた。しかし貸金業の資格を取得しているため合法」となります。
実際に、貸金業の資格を取得しているファクタリング会社もあります。
ただし、資格を持っている場合、元々貸金業の資格を持っていた貸金業者が、経営多角化のためにファクタリング業を始めたというケースがほとんどです。
ファクタリング専業の事業者が、わざわざ貸金業の資格を取ることは考えにくいでしょう。
また、摘発の対象になったからといって、そこから貸金業の資格を取得することはほぼ不可能です。
これは、貸金業法の条文を読むと分かります。

第三条 貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

出典:出典:e-GOV法令検索「貸金業法」

「貸金業を営もうとする者は…」という冒頭の部分に注目してください。
つまり貸金業法では、貸金業の資格について、営業前段階での資格取得を前提としているのです。
無資格でファクタリングを開業し、後に貸金業とみなされた場合、既に無資格で貸金業を営んでいる状況(違法行為が認められる状況)です。
違法な事業者が、貸金業の資格を取得できるはずがありません。

貸金業とみなされる悪質業者の特徴

健全なファクタリング会社と悪質業者の決定的な違いは、以下の点にあります。

  • 健全なファクタリング会社:無資格でファクタリングを開業し、営業している。貸金業とみなされる実態はなく、無資格でも違法にはあたらない(ほとんどのファクタリング会社がこれに該当)
  • 悪質業者:無資格でファクタリングを開業したが、営業の実態を貸金業とみなされた。無資格の貸金業は貸金業法違反であるため摘発の対象となる

「無資格のファクタリング会社が危険」なのではなく、「無資格のファクタリング会社の中に紛れ込んでいる、無資格の貸金業者(ヤミ金)が危険」なのです。
そこで重要となるのが、利用を検討しているファクタリング会社が、貸金業とみなされる可能性があるか、ということです。
貸金業とみなされる可能性があり、なおかつ貸金業の資格を取得していなければ、その業者はヤミ金業者の可能性が高いといえます。

貸金業とみなされる代表例

では、どのような場合に貸金業とみなされるのでしょうか。
公然と融資を行う悪質業者はすぐ摘発されるため、ファクタリング利用時に遭遇する可能性は低いです。
問題となるのは、表面上はファクタリングを装っており、「実態は貸金業」というケース。
判断の基準は「そのファクタリング業者がリスクを負うかどうか」を考えると分かりやすいです。
貸金業とみなされる代表的なケースとして、金融庁は以下のように説明しています。

 

裁判例においても、
〇 ファクタリング業者が債権回収のリスクをほとんど負っていない
〇 債権の額面と無関係に金員の授受がなされていた
〇 売主は、買戻しを行わざるを得ない立場にあった
〇 債権が回収不能となった場合には代金を減額されるなど、債権の回収リスクが売主の信用リスクと同じとなっている
といった事情等を考慮して、金銭の授受が金銭消費貸借契約に準じるものと判断されたものがあります(大阪地方裁判所平成29年3月3日判決)。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

ここに挙げられているのは、どれも「ファクタリング業者がリスクを負わない取引」です。
ファクタリングの契約がこのような内容であれば、その業者は貸金業とみなされ、無資格ならば即違法となります。

4つの実態に要注意

営業の実態や契約内容から、貸金業とみなされる具体例は以下の4つです。

1.償還請求権あり

償還請求権とは、買い取った売掛金が回収できなくなった場合に、利用会社に対して売掛金の買い戻しを求める権利のことです。
買い戻しを請求すれば、業者は損失を回避できます。
このため、「償還請求権あり」の契約は業者側がリスクをほとんど負わない契約です。
したがって、「償還請求権あり」のファクタリングは実質的に貸金業とみなされ、業者は貸金業の資格が必要となります。

2.担保・保証を設定する

悪質業者はファクタリング契約にあたり、担保や保証を設定することがあります。
担保として利用されるのは、主に売掛金や手形などの流動債権です。
このほか、利用会社の代表者個人や、代表者の縁故者に連帯保証人を求めることもあります。
これにより、買い取った売掛金が回収不能に陥っても、担保や保証があれば業者側のリスクはなくなります。
したがって、「担保・保証を求めるファクタリング」も実質的に貸金業であり、無資格では営業できません。

3.掛け目を設定する

掛け目の設定は、「償還請求権あり」や「担保・保証あり」に比べてグレーな要素です。
一般のファクタリング会社の中にも、掛け目を設定して売掛金を買い取るケースがあります。
例えば掛け目50%と判断した場合、100万円の売掛金を50万円で買い取り、回収後に掛け目部分から手数料を差し引いて変換する仕組みです。
掛け目を設定しつつ、営業を続けているファクタリング会社が実際にありますから、必ずしも「掛け目あり=貸金業」とみなされるわけではありません。
しかし、ファクタリングの原則から考えると、掛け目の設定によって貸金業とみなされる可能性は十分にあります。
というのも、掛け目部分が実質的に担保としての機能を持っているからです。
今のところ、掛け目の設定が直接的な原因となって摘発されたケースはありませんが、上記の通り、担保付きのファクタリングは貸金業とみなされます。
掛け目を伴うファクタリングも、貸金業に該当すると考えて差し支えありません。

4.給与ファクタリングを取り扱っている

最近ではほとんど見かけなくなりましたが、一時期話題になった「給与ファクタリング」にも要注意です。
給与ファクタリングは、会社の売掛金を買い取るのではなく、個人が勤務先に対して有する給与債権を買い取るファクタリングです。
会社の売掛金を買い取るファクタリングは法的に何ら問題なく、無資格でも営業できます。
しかし、個人の給与債権を買い取る場合、ファクタリングではなく貸金業とみなされます。
金融庁の見解は以下の通りです。

給与ファクタリングでは、譲受人から労働者への金銭の交付だけでなく、譲受人による労働者からの資金の回収を含めた資金移転のシステムが構築されているということができ、これは経済的に貸付けと同様の機能を有しているため、給与ファクタリングを業として行うものは、貸金業に該当すると考えられます。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

ファクタリングを安全に利用するコツ

ファクタリングを装いながら、実態として貸金業を営んでいる業者は、ほぼ例外なくヤミ金業者です。
ファクタリングを安全に利用するためにも、ファクタリングを装うヤミ金業者の見抜き方を知り、優良ファクタリング会社を選ぶ必要があります。

ファクタリングの勧誘は危険

初めてファクタリングを利用する場合には、ファクタリング会社選びに苦労するはずです。
しかし、あくまでも積極的に選ぶことが大切で、受け身になるのは危険です。
受け身の姿勢でファクタリング会社を選ぶ場合、業者側から勧誘を受けて選ぶことになります。
一般のファクタリング会社は、ホームページの運営やネット広告の出稿などによって顧客を開拓します。
最近では、テレビCMで宣伝するファクタリング会社も出てきました。
これに対し、ヤミ金業者は大々的な宣伝ができません。
無資格で貸金業を営んでいるのですから、広く宣伝すれば摘発のリスクが高まります。
そこで、ヤミ金業者はアナログな手法で勧誘せざるを得ません。
金融庁に寄せられた相談を見ると、具体的な手法が分かります。

ファクタリング業者と名乗る者から、「借金をしないで資金調達が可能」との内容の勧誘文書がファックスで頻繁に送られてくる。これらの勧誘は信用できますか。

出典:出典:金融庁「貸金等に関する相談事例等及びアドバイス等」

FAXだけではなく、ダイレクトメールやチラシ、電話などでの勧誘が一般的です。
好条件で誘ってくるかもしれませんが、そのような勧誘は全て断りましょう。

契約内容をしっかりチェック

勧誘を受けずに、自ら調べてファクタリング会社を選んだとしても、100%安心とは言い切れません。
そこで、契約内容をしっかりチェックすることが大切です。
契約内容のうち「この業者は貸金業とみなされる可能性が高い」と判断できるポイントがあります。
以下の2つをチェックするだけでも、ヤミ金業者の回避に効果的です。

「償還請求権あり」はNG

まずチェックしたいのは償還請求権の有無です。
契約書には、償還請求権に関する内容が必ず記載されています。
ファクタリングは「償還請求権なし」が原則で、「償還請求権あり」の場合には貸金業に該当します。
売掛金が回収できなくなった場合、利用会社が売掛金を買い戻すことが明記されているならば、それは「償還請求権あり」ということですから、ヤミ金業者の可能性が濃厚です。
合法的なファクタリング会社は、ホームページに「償還請求権なし」「ノンリコース」といったことを強調していますから、そのようなファクタリング会社を選ぶと安心です。

無担保・無保証が鉄則

担保・保証も、回収不能時に備えるためのものですから、貸金業とみなされます。
契約書に担保や保証に関して記載されているならば、それはファクタリングではなく違法な貸付けの可能性が高いです。
特に、契約書には担保・保証について明記せず、利用会社から通帳や印鑑を預かったり、連帯保証人とは無関係に装って第三者の連絡先を聞き出したりするケースに注意してください。
この場合、会社の資産に抵当権を設定したり、連帯保証人をつけたりするわけではありませんが、実際には担保・保証付きの貸付けとほとんど変わりません。
ファクタリングは無担保・無保証が鉄則ですから、担保・保証を求める業者は避けましょう。

売掛金の取り扱いは「全額一括」

「償還請求権なし」かつ「無担保・無保証」であれば、ヤミ金業者の可能性は低いです。
これに加えて、ファクタリングは売掛金の取り扱いは「全額一括」が原則です。
例えば、自社からファクタリング会社に売掛金を譲渡する際、掛け目と称して、額面金額の一部のみを買い取る業者があります。
そのような業者は、全額を一括で買い取っておらず、一部を担保として利用しているため、貸金業とみなされる可能性があります。
また、売掛金回収の流れもしっかり確認してください。
利用会社とファクタリング会社の2社間で取引する場合、売掛先は売掛金の譲渡を知らないため、支払期日になると利用会社に対して決済します。
その代金を、利用会社からファクタリング会社に支払うことで、取引が完結します。
つまり、売掛金回収の流れが「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」になるわけですが、「利用会社→ファクタリング会社」の支払いは、全額一括決済が基本です。
全額一括決済以外の流れを取る場合、貸金業の疑いが出てきます。
よくあるのが、手数料を支払うことで支払期日を延長できるケースです。
これは、ヤミ金業者が多用する「ジャンプ(利息だけを支払って元金の返済を先延ばしすること)」に相当します。
売掛金の譲渡取引に「ジャンプ」という概念はありません。
ジャンプ、もしくは類似の仕組みを有する業者は、ヤミ金業者の可能性が高いため避けてください。

優良ファクタリング会社を選ぼう

ヤミ金業者さえ回避できれば、それ以外のファクタリング会社は無資格でも何ら違法性はなく、安心して利用できます。
しかしながら、ファクタリング会社には優劣があるため、優良ファクタリング会社を選ぶに越したことはありません。
ここでは、優良ファクタリング会社選びの参考になる指標を5つ紹介します。

※優良ファクタリング会社の選び方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【中小企業向け】業界関係者だけが知っている優良ファクタリング会社の選び方を大公開!

1.業歴は5年以上

優良ファクタリング会社か、そうではないかを分ける簡単な基準は「業歴」です。
ファクタリング会社が増加傾向にある今、無資格かつ違法性がないファクタリング会社もたくさんあります。
その大部分は、市場の拡大に伴って新たに開業したファクタリング会社です。
新興のファクタリング会社は、業歴が浅いだけにデータやノウハウの蓄積も少なく、ファクタリングの条件が悪くなる傾向があります。
これにより、

  • 業歴が長い→優良ファクタリング会社の可能性が高い
  • 業歴が短い→優良ファクタリング会社の可能性が低い

と判断できます。
目安となるのは「業歴5年以上」です。
ファクタリングの普及が徐々に広がってきたのは、今から約5年前。
そのころから現在に至るまで、5年以上経営を続けてきたファクタリング会社であれば、新興のファクタリング会社に比べて実績やノウハウの蓄積が豊富です。
もちろん、5年以上に渡って行政から貸金業と見なされることなく、資格はなくとも合法的に経営を続けてきたことが安心材料になります。
「業歴5年以上」を最初の基準にすることで、選択肢を絞り込むことができます。

2.手数料が安い

手数料もチェックポイントです。
普通のファクタリング会社に比べて、優良ファクタリング会社は手数料が安い傾向があります。
ファクタリング手数料の相場は、方式によって以下のように異なります。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%

優良ファクタリング会社は、この相場よりも安く設定しているのが普通です。
実際に、No.1のファクタリングは以下の条件でご利用いただけます。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%

ホームページに表示されている手数料を調べて、相場とあまり変わらない条件を表示しているファクタリング会社は避けましょう。

3.3社間ファクタリングを取り扱っている

ファクタリングにはいくつかの方式があり、上記の通り方式によって手数料が異なります。
中小のファクタリング会社は2社間ファクタリングに力を入れていることが多く、銀行系列のファクタリング会社は3社間ファクタリングだけを取り扱うことが多いです。
もっとも、方式によって資格の有無が変わるわけではありません。
中小のファクタリング会社の中にも、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの両方を取り扱っているファクタリング会社があります。
ただし3社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社に加えて、売掛先も含めて取引するため、手続きが煩雑となり、求められる実務経験やノウハウの水準が高いです。
3社間ファクタリングを取り扱っているファクタリング会社であれば、優良ファクタリング会社の可能性が高いといえます。

4.オンラインファクタリングを取り扱っている

また最近では、全ての手続きをオンラインで完結する「オンラインファクタリング」が少しずつ普及してきました。
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングの手続きを全てオンラインで完結する方式です。
現時点では、オンラインファクタリングを取り扱っているファクタリング会社はごく一部。
なぜならば、オンラインシステムの導入にコストがかかるからです。
このため、新興のファクタリング会社ほどオンライン化が遅れています。
現状、オンラインファクタリングを利用できるのは、No.1を含む数社に限られます。
「オンラインファクタリングを導入していること」を条件にすることで、優良ファクタリング会社を選びやすくなるでしょう。

5.コンサルティングを行っている

最後に、コンサルティングの有無を調べてみましょう。
一部の優良ファクタリング会社では、コンサルティングを提供しています。
ファクタリング業と同様、コンサルティング業にも資格は不要です。
ただし、サポートを行うコンサルタントには、高いレベルの専門知識と経験が求められます。
このため、大部分のファクタリング会社はコンサルティングを取り扱っていません。
コンサルタントが在籍していないファクタリング会社でも、サポートの手厚さをアピールしていることがあります。
しかし、コンサルティングを行っていない以上、これは「一般のスタッフによるカスタマーサポート」に過ぎません。
手続きのサポート、契約後のフォローなどは可能ですが、それ以上の効果は期待できないのです。
あくまでも、コンサルティングサービスを行っているファクタリング会社を選ぶことが重要です。
それにより、資金繰りの改善、資金調達の円滑化、他の資金調達方法との併用など、会社ごとの課題に適したファクタリングプランの提案を受けることができます。

まとめ:ファクタリングに資格は不要。ただし業者選びは慎重に

この記事では、ファクタリングと資格の関係、無資格でも合法な理由、注意すべき無資格の悪質業者について解説しました。現在、ファクタリングには資格が不要であり、それだけに違法行為が起きやすい環境にあります。
ファクタリングに限らず、黎明期には法整備が十分ではなく、資格や規制も不明確です。
このため、ファクタリングを利用する会社は、悪質業者に気を付けなければなりません。
いずれはファクタリングに関する法的整備が進み、悪質業者の開業・営業は困難になっていくでしょう。
また、一般のファクタリング会社でも、サービスの悪い会社は淘汰されていくはずです。
自然淘汰の流れの中で、ファクタリングの利用環境は良くなり、メリットも高まると考えられます。
とはいえ、現時点では悪質業者への注意が欠かせません。
ファクタリングを安全に利用するコツは、
・ファクタリング会社を選ぶ場合は受け身にならない
・契約内容をしっかりチェックすること
・ファクタリングは「償還請求権なし」が原則で「償還請求権あり」はNG
・無担保・無保証が鉄則
・売掛金の取り扱いは「全額一括」が原則です
以上のことを踏まえて悪質業者から回避し、優良なファクタリング会社を選びましょう。
ファクタリングを利用する際には、ぜひNo.1へご相談ください。

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