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ファクタリング会社の審査を徹底解説!融資との違いは?ファクタリング会社によって違いはある?

売掛金さえあれば資金を調達できるファクタリング。
近年、政府がファクタリングの活用を推奨していることもあり、ファクタリングが急速に普及しています。
簡単に調達できる方法として人気ですが、ファクタリングも審査なしでは利用できません。
ただし、他の資金調達方法とは審査の基準や内容が違い、ファクタリング会社によっても審査結果が違います。
したがって、ファクタリングを活用するには審査を正しく理解することが重要です。
この記事では、ファクタリングの審査の仕組み、融資との審査の違い、ファクタリング会社ごとの審査の違いなどを詳しく解説します。

ファクタリングとは?

 
ファクタリングは、会社が所有している売掛金をファクタリング会社に売却する資金調達方法です。
他の資金調達方法よりも審査に通りやすく、その他にも様々なメリットがあります。
ファクタリングの審査について知るためにも、まずはファクタリングの基礎知識についてみていきましょう。

ファクタリングの仕組み

 
ファクタリングは、売掛金を売却することで資金を調達します。
売掛金は信用取引によって発生するものです。
信用取引は、売掛先の信用を担保に商品を販売し、代金は後日支払いとなります。
この時、支払期日に売掛先から代金を受け取る権利として売掛金が発生します。
言い方を変えれば、売掛金は支払期日まで回収することはできません。
現金や受取手形のように資金繰りに活用できないのが難点です。
とはいえ、売掛先の支払い能力に問題がない限り、支払期日には現金に変わります。
つまり、売掛金は額面金額に近い価値を持っているわけです。
ファクタリング会社は売掛金を審査し、価値に応じて買い取ります。
詳しくは後述しますが、審査によって売掛金の採算や回収不能リスクを測定し、それに応じて手数料率を設定します。
利用会社は、売掛金の額面金額から手数料を差し引いた金額を受け取る流れです。
これが、ファクタリングの大まかな仕組みと考えてください。

ファクタリングは債権譲渡

 
以上のように、ファクタリングは売掛金を売却する資金調達方法です。
ファクタリングを活用すれば、売掛金を支払期日前に資金化することができ、資金繰りへの負担を軽減できます。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
金融庁の定義にある通り、ファクタリングは売掛金の早期資金化サービスであると同時に、債権譲渡でもあります。
一般的には「ファクタリングは売掛金の売却」というイメージですが、厳密には「ファクタリングは売掛金の譲渡(有償譲渡)」と考えるのが正確です。
「ファクタリング=債権譲渡」という定義は、ファクタリングの法的根拠、他の資金調達方法との審査の違い、ファクタリング会社ごとの審査の違いなどを理解する上で重要なポイントとなります。

ファクタリングの法的根拠

 
初めてファクタリングを利用するにあたって、ファクタリングの法的根拠を気にする人は多いものです。
なぜ法的根拠が気になるのかといえば、ファクタリングが新しい資金調達方法であること、悪質業者が存在していることが大きな理由となっています。
ファクタリングは融資などとは違い、新しい資金調達方法です。
世界的には長い歴史がありますが、日本で普及してきたのはごく最近のことです。
したがって、ファクタリングの仕組みや審査、法的側面について誤った認識を抱く人も少なくありません。
また、ファクタリングが急速に普及している一方、ファクタリングに関する法整備が不十分な状況です。
特に、ファクタリング会社に関する規制がほとんどないため、悪質業者が紛れ込みやすい環境となっています。
実際に、ファクタリング会社を装う悪質業者が摘発されることもあり、これによって「ファクタリングは危険」「ファクタリング会社は違法」「ファクタリング審査はでたらめ」といった認識が根強く残っているのです。
しかしながら、ファクタリングは完全に合法です。
ファクタリングの法的根拠は、金融庁の定義にある「ファクタリングは法的に債権譲渡」という点にあります。
以下の通り、民法では債権譲渡を認めているのです。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
これをみれば、債権譲渡が合法であることは明らかです。
ファクタリングも債権譲渡の一種ですから、同じく合法と解釈できます。
債権譲渡としての要件を満たしている限り、ファクタリングの利用は合法です。
もちろん、正規のファクタリング会社は合法的に営業しており、審査や契約にも違法性は全くありません。

ファクタリング会社の審査とは?

 
ファクタリングを利用する上で、気になるのが審査です。
どのような資金調達方法でも審査が行われます。
審査なしで調達できるのはヤミ金くらいのもので、むしろ「審査なし」の資金調達方法は危険と考えるべきです。
ファクタリング会社も、必ず審査を行います。
では、ファクタリング会社はどのような審査を行うのでしょうか?
ここでは、ファクタリングの審査基準と、ファクタリング方式による審査の違いをみていきましょう。

融資とファクタリングの審査基準

 
基本的に、会社の資金調達は融資が軸となります。
したがって、融資の審査についてはある程度理解していることでしょう。
ファクタリング会社の審査は、融資の審査と対比するとよくわかります。
融資審査とファクタリング審査の最大の違いは、審査基準です。

融資の審査基準

 
融資は、融資先の返済力を基準に審査します。
銀行や貸金業者にとって、融資は基幹業務であり収益の大部分を占めています。
収益性を維持するには、貸倒損失を回避することが重要です。
特に銀行融資の場合、年利2~3%という低金利で融資するため、貸し倒れになると大きな損失を被ります。
貸し倒れにならないとしても、融資先の経営が悪化して債務者区分が下がれば、貸倒引当金を積まなければなりません。
だからこそ、融資先の経営が健全であるかどうか、とりわけ返済力が重要となります。
銀行によって審査の方針は違いますし、銀行と貸金業者では審査方法が違います。
とはいえ、融資先の返済力を審査基準にする点では、銀行も貸金業者も同じです。
決算書や経営計画などを厳しく審査し、返済力に問題なしと判断した場合に限って融資を実行します。
これが融資の審査の特徴であり、ファクタリング審査との大きな違いです。

ファクタリング会社の審査基準

 
ファクタリング会社の審査基準は、ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)ではありません。
ファクタリング会社は、利用会社ではなく売掛金を基準に審査します。
そもそもファクタリングは、利用会社の売掛金を審査し、額面金額よりも割安に買い取るものです。
ファクタリング会社は、支払期日に売掛先から満額回収することで、差額が利益となります。
つまり、利益の源泉は売掛金であり、ファクタリング会社にとって重要なのは、売掛先の支払い能力です。
いくら利用会社の経営が良好でも、売掛金を回収できなければファクタリング会社は損失を被ります。
だからこそ、ファクタリング会社は利用会社ではなく、売掛金・売掛先を基準に審査するのです。
詳しくは後述しますが、ファクタリング会社によって審査結果に違いがあります。
同じ売掛金でも、審査に通る場合と通らない場合があったり、ファクタリングの条件に違いが生じたりするのです。
これは、ファクタリング会社ごとの審査能力の違い、審査方針の違いなどによるものです。
とはいえ、ファクタリングである以上、どのファクタリング会社でも審査基準に違いはありません。

ファクタリングの方式と審査の違い

 
ファクタリングにはいくつかの方式があります。
売掛先が関与するかどうかの違い、あるいはオンラインの活用の違いによって方式が変わるのです。
特殊なファクタリングを除き、一般的には以下の方式から選びます。

  • 2社間ファクタリング:利用会社とファクタリング会社の2社間で取引する方式
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
  • オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式

ファクタリング会社によって、取り扱う方式には違いがあります。
ファクタリングを活用するには、方式ごとに特徴と審査の違いを理解し、自社に適した方式を選ぶことが大切です。
方式別の特徴と審査の違いを簡単にみていきましょう。

2社間ファクタリングの特徴と審査

 
2社間ファクタリングの最大の特徴は、売掛先が関与しないことです。
申し込みから契約まで、利用会社とファクタリング会社の2社間で取引します。
2社間ファクタリングを提供しているファクタリング会社はたくさんありますが、売掛先が関与しない点では違いはありません。
売掛先が関与しないため、簡単な手続きで利用できること、審査がスピーディなこと、最短即日で資金調達できることなどがメリットです。
実際の利用では、手続きの細かい流れに違いが生じるほか、審査スピードの違いや対応力の違いなどがあります。
とはいえ、同じ2社間ファクタリングであれば、手続きの流れや審査の内容・スピードに極端な違いはありません。
ファクタリング会社によって違いが生じるのは、手数料や債権譲渡登記です。
2社間ファクタリングは他の方式と違い、手数料が高い傾向があります。
また、債権譲渡登記が重視されることも、3社間ファクタリング・オンラインファクタリングとの大きな違いといえるでしょう。

3社間ファクタリングの特徴と審査

 
3社間ファクタリングは、売掛先が必ず関与する方式です。
審査の際、ファクタリング会社から売掛先に債権の内容を照会したり、譲渡後に売掛先への債権譲渡通知手続きを行ったりします。
もちろん、売掛先がファクタリング会社の問い合わせに応じなかったり、債権譲渡を拒否したりした場合には、3社間での取引が成立しないため資金調達もできません。
これが2社間ファクタリングとの大きな違いといえます。
売掛先の関与によって手続きが煩雑になるだけではなく、審査に時間がかかるため、資金調達自体にも時間がかかります。
その反面、手数料が安いことがメリットです。
売掛先の協力なしには成立しないため、3社間ファクタリングを選ぶ会社は多くありません。
初めてファクタリングを利用する場合、何かと問題が起こりやすい3社間ファクタリングよりも、2社間ファクタリングの方がおすすめです。

オンラインファクタリングの特徴と審査

 
オンラインファクタリングは、近年普及しつつあるファクタリング方式です。
2社間ファクタリングをオンライン化した方式ですから、仕組みに大きな違いはありません。
売掛先が関与せず、簡単な手続きでスピーディに調達できます。
ただし、従来の2社間ファクタリングとオンラインファクタリングでは、利便性とコストに大きな違いがあります。
オンラインファクタリングは、申し込みから契約まで全ての手続きをオンラインで完結する仕組みです。
従来の2社間ファクタリングのように、契約時に対面や郵送を求められることはなく、一貫してオンラインで手続きします。
また、審査にAIを活用しており、審査スピードに優れていることも特徴です。
オンライン化による事務処理の効率化、AI審査によるリスク測定の平準化、債権譲渡登記の削減などにより、低コストでファクタリングできることも大きな違いといえます。
もっとも、ファクタリング会社によってオンライン化の程度は異なり、オンライン完結に対応できるファクタリング会社は少数派です。
No.1をはじめとする、一部の優良ファクタリング会社だけしか対応していません。

融資とファクタリングの大きな違いは?

 
融資とファクタリングの違いはほかにもあります。
審査の違いから、様々な違いが生じるのです。
ファクタリングを活用する上で重要なのは、融資とファクタリングをうまく組み合わせ、資金調達方法を多様化し、資金繰りと資金調達を安定させることです。
そのためにも、融資とファクタリングの違いを様々な角度からみていきましょう。

調達難易度の違い

 
上記の通り、融資とファクタリングでは審査の基準が違います。
これによって調達の難易度に違いが生じます。
では、融資とファクタリングの調達難易度にはどの程度の違いがあるのでしょうか。

融資の難易度

 
融資は、数ある資金調達方法の中でも審査が厳しく、難易度が高いです。
特に、業績や財務に問題がある会社は審査に通りません。
例えば、長期にわたる業績の悪化、2期以上の連続赤字、税金や社会保険料の未納、債務超過、リスケジュール中などの場合、銀行から融資を受けるのは極めて困難です。
ノンバンクのビジネスローンは、銀行と違い審査がやや緩いものの、同じ基準で審査します。
したがって、上記のような問題がある会社は、ビジネスローンも利用できない可能性があります。
実際に、銀行融資とビジネスローンが同じ理由で審査に落ちるケースが珍しくありません。

ファクタリングの難易度

 
これに対し、ファクタリング会社の調達難易度はかなり低いです。
利用会社が問題を抱えており、銀行やノンバンクの審査に落ちたとしても、売掛金に問題がなければファクタリング会社の審査に通ります
もちろん、売掛金に問題があればファクタリング会社の審査に落ちるかもしれません。
その場合には、他の売掛先の売掛金を選んだり、他のファクタリング会社に改めて申し込んだりすることによって、審査に通る可能性が高いのです。
このように、ファクタリングと融資の調達難易度は大きく違います。
融資を受けられない会社にとって、ファクタリングは強い味方になるでしょう。

担保・保証の違い

 
融資とファクタリングでは、担保・保証の違います。

銀行は担保・保証を重視

 
まず、銀行融資は担保・保証を重視します。
これは、銀行が貸倒れリスクを嫌い、融資審査では返済力を重視するためです。
逆にいえば、返済力に疑いがあったとしても、貸倒れリスクを回避できれば審査に通すことができます。
そのカギとなるのが担保・保証です。
そもそも、融資は法的に消費貸借に分類されます。
民法では消費貸借について以下のように定めています。

(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
簡単にいえば、融資で調達した資金には返済義務があるということです。
返済は「種類、品質及び数量の同じ物」を以て行います。
基本的には利益の中から現金で返済していきますが、それができなければ他の資産で返済しても良いということです。
例えば、不動産や売掛債権などの担保資産を処分したり、信用保証協会が弁済したりすることによって残債を回収します。
つまり、担保・保証付きで融資すれば、銀行は貸倒れリスクを大幅に回避できるのです。
したがって、銀行は担保・保証を重視します。
無担保・無保証で審査に通る会社はごく一部です。

ビジネスローンは保証を重視

 
ノンバンクのビジネスローンは無担保・無保証を謳うものが多いですが、担保・保証を全く無視するわけではありません。
実際、無担保のビジネスローンでは、保証会社の保証や代表者個人の連帯保証を求めるのが普通です。
当然ながら、保証会社の保証審査に通らない場合や、代表者個人の信用情報に傷がある場合には資金を調達できません。
銀行もノンバンクも、貸倒れリスクに敏感であり、返済力を審査するからこそ担保・保証を重視するのです。

ファクタリングは無担保・無保証

 
ファクタリングは、担保・保証の考え方が違います。
金融庁も定義しているように、ファクタリングは法的に債権譲渡です。
消費貸借のように返済義務を負うことはありません。
返済義務がなければ、貸し倒れに備えるために担保・保証を求めるという考え方にはならないのです。
実際に、ファクタリングは原則として無担保・無保証で利用できます。
もし担保・保証を求めたファクタリング会社は、「ファクタリング業ではなく実質的に貸金業」とみなされます。
その場合、ファクタリング会社は貸金業者として規制を受けなければなりません。
ほとんどのファクタリング会社は、貸金業者としての要件を満たしていないため、貸金業とみなされた時点で無登録営業や出資法違反などの罪に問われます。
その危険を避けるためにも、正規のファクタリング会社は必ず無担保・無保証で対応しているのです。
これは原則ですから、ファクタリング会社ごとの審査方針の違い、業歴の違い、手数料の違い、審査スピードの違いなどに関係なく、ファクタリングであれば必ず「無担保・無保証」です。
厳密には、担保・保証付きのファクタリングが成り立たないわけではありませんが、現実的にはあり得ないと考えて構いません。
担保・保証の不足で融資審査に通らない会社は、ファクタリングを利用してください。

利便性の違い

 
融資とファクタリングの審査の違いは、利便性にも表れています。

銀行融資は利便性に欠ける

 
基本的に、融資は利便性に欠けます。
特に、銀行融資は利便性が低く、それを踏まえたうえで調達計画を立て、融資対策も念入りに行うのが普通です。
例えば、資金繰り計画を立てて資金不足の時期を事前に把握し、余裕をもって融資交渉を進める必要があります。
このとき、融資担当者を納得させるためにも、様々な書類を作成しなければなりません。
税理士やコンサルタントなど、専門家のサポートを受けながら書類を作成する会社も多いです。
手間をかけて書類を作成しても、審査に通るとは限りません。
融資担当者や支店長との面談で書類の不備を指摘され、審査に落ちることもあります。
信用金庫、地銀、都市銀行、メガバンクなど、銀行の形態は様々ですが、利便性に大きな違いはありません。
銀行融資は利便性の低い方法と考えてください。

ビジネスローンの利便性はケースバイケース

 
ノンバンクのビジネスローンならば、便利に利用できることもあります。
銀行とは違い、少ない書類で申し込むことができ、面談なども必要ありません。
最近では、オンラインで利用できるビジネスローンも増えています。
しかしながら、調達できる金額が小さいのが、銀行融資とビジネスローンの大きな違いです。
後述の通り、ビジネスローンで多額の資金を調達するには、複数のビジネスローンを利用しなければなりません。
その場合、申し込みや書類提出、審査、契約などを複数回こなす必要があります。
もちろん、借入先によって手続きに違いがありますから、予想以上に手間がかかることも多いです。
このように考えると、ビジネスローンも決して利便性が高いとはいえません。

ファクタリングは利便性に優れている

 
以上のように、銀行とノンバンクで違いはあるものの、利便性に問題を抱えています。
融資の利便性の低さも、やはり審査に原因があります。
融資先の返済力を審査し、貸倒れリスクを避けるためには、どうしても提出書類が多くなったり、手続きが複雑になったりするのです。
その点、ファクタリング会社が審査するのは売掛金だけです。
したがって、簡単な書類だけで申し込むことができます。
ファクタリング会社によって必要書類は違いますが、手元の書類だけで利用できることが多いです。
一例として、No.1では以下の4点をご提出いただきます。

  • 直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
  • 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
  • 成因資料(請求書・発注書・納品書など)
  • 取引先企業との基本契約書

これらの書類はすぐに提出できるため、資金調達が必要なタイミングですぐ申し込むことができ、柔軟な資金繰りに役立ちます。
さらに、一部のファクタリング会社ではオンラインに対応しています。
オンラインファクタリングは、従来のファクタリングよりもさらに利便性が高いため、便利に資金を調達したい会社におすすめです。

調達可能額の違い

 
融資とファクタリングでは、調達可能額も違います。
融資の場合、借入先や審査結果によって調達可能額に違いが生じます。
ファクタリングも、ファクタリング会社ごとの方針の違い、そして利用会社の手元にある売掛金の違いによって、調達可能額が変わってくるのです。

銀行融資の調達可能額

 
あらゆる資金調達方法の中で、銀行融資は多額の資金調達に最適といえます。
ベンチャーキャピタルの出資、株式・社債の発行などによっても、多額の資金調達は可能です。
しかしながら、どのような会社でも利用できるという意味では、銀行融資に勝る方法はありません。
銀行融資で調達できる金額は、一般的には月商の3~6ヶ月分といわれます。
もちろん、銀行の融資審査に通ることが前提です。
貸付金額が大きいほど、銀行の審査は厳しくなります。
審査に通らない場合には、調達計画を見直したり、ファクタリングと併用したりすることによって借入希望額を圧縮するなどの工夫が必要です。
経営に問題を抱えている会社は、銀行融資で多額の資金を調達することはできません。

ビジネスローンの調達可能額

 
ビジネスローンは、調達可能額が小さいです。
同じビジネスローンでも、銀行系とノンバンク系では調達可能額が違います。
とはいえ、調達可能額はせいぜい数百万円程度になるでしょう。
ノンバンク系のビジネスローンを初めて利用する場合、複数のビジネスローンから借り入れても300万円程度が上限となります。
そもそも、ビジネスローンは銀行融資の審査に落ちた会社に貸すことを想定しています。
加えて、銀行融資よりも緩い審査で融資しなければなりません。
そのような会社に多額の融資をすれば、貸倒れリスクに対処できなくなります。
したがって、ビジネスローンは多くの会社に少額ずつ融資することで、貸倒れリスクを分散しているのです。
実際にノンバンクの公式HPをみると、融資上限は業者ごとに違います。
融資上限額を数千万円、1億円以上に設定している業者もありますが、そのような設定はほとんどあてになりません。
融資上限の違いに関係なく、ビジネスローンは多額の資金調達に不向きです。

ファクタリングの調達可能額

 
ファクタリングと融資では審査基準が違い、これが調達可能額の違いにもなっています。
ファクタリングは手元の売掛金を売却する資金調達方法です。
手元に売掛金がなければ利用できず、また利用できたとしても手元の売掛金以上には調達できません。
例えば、月商1000万円、回収サイトが1ヶ月の会社であれば、手元の売掛金の平残は1000万円です。
したがって、ファクタリング会社に売却できる売掛金の総額も1000万円となります。
審査の結果、手数料率が10%になれば、調達できる金額は手数料100万円を差し引いた900万円が上限です。
このように、利用会社の手元にどれだけ売掛金があるかによって、ファクタリングの調達可能額は違います。
このほか、ファクタリング会社によって買取額の上限が違います。
これは、ファクタリング会社ごとの経営方針の違い、資金量の違い、ノウハウの違いなどによるものです。
例えば、個人事業主をメインターゲットにしているファクタリング会社であれば、個人事業主の資金需要に合わせて、利用上限額を低く設定するのが一般的です。
法人向けファクタリングでも、少額債権に特化しているファクタリング会社であれば、利用上限は数十万円~数百万円に設定されています。
とはいえ、多くのファクタリング会社は数千万円~数億円の買い取りにも対応しています。
No.1も、売掛金1件あたり5000万円(相談に応じて上限なし)まで買取可能です。

調達コストの違い

 
ファクタリングと融資の審査の違いは、調達コストにも現れます。
融資であれば、借入先や借入方法によって調達コストに違いが生じます。
特に、銀行融資とビジネスローンの違いは顕著です。
ファクタリングも、方式の違い、売掛金の信用力の違いなどによって手数料が変わります。
この違いについても詳しくみていきましょう。

銀行融資の調達コスト

 
銀行融資は、多額の資金を低コストで調達できるのがメリットです。
借入金利の目安は年利2~3%、信用保証協会の保証を受ける場合には、借入額に対して1.5%程度の保証料を支払います。
例えば、借入金利2%、借入期間3年、保証料1.5%の条件で1000万円の保証付融資を受ける場合、保証料は15万円、支払利息の総額は約31万円です。
したがって、銀行融資の調達コストは46万円となります。

ビジネスローンの調達コスト

 
ビジネスローンは金利が高いことが大きなデメリットです。
金利の法定上限は15~20%とされています。
業者によって金利設定は違い、「年利3.1~18.0%」などに設定しているケースもみられます。
とはいえ、ビジネスローンは高金利が基本であり、特にノンバンクでは法定上限ギリギリの設定になることも珍しくありません。
ここでは、借入年利15%、借入金利3年の条件で、1000万円の資金を調達したと考えましょう。
この場合、完済までに支払う利息の総額(調達コスト)は約248万円となります。
金利の違いによって、銀行融資とビジネスローンの調達コストに大きな差が生じることがわかるでしょう。

ファクタリングの調達コスト

 
ファクタリングの際には、ファクタリング会社に手数料を支払います。
これが、ファクタリングの調達コストの大部分を占めると考えてください。
ファクタリング会社ごとに、手数料率の基本設定が違います。
また、ファクタリング方式による違いも大きいです。
手数料率について、方式別の大まかな目安は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
  • オンラインファクタリング:額面金額の10%以下

以上のように、方式によって大きな違いがある中で、ファクタリング会社ごとの設定の違いや、売掛金の内容の違いによって手数料率が変動します。
ここでは、オンラインファクタリングを用いて、手数料率8%でファクタリングするものと考えましょう。
手数料率8%の条件で1000万円を調達するには、約1087万円分の売掛金が必要です(1087万円×92%=1000.04万円)。
この場合、ファクタリングにかかった調達コストは87万円となります。

それぞれ調達コストの違いを比較すると、「銀行融資<ファクタリング≪ビジネスローン」の順に高くなります。
ファクタリングの調達コストは、銀行融資と比べてもさほど見劣りしません。
条件次第では手数料率が下がり、銀行融資との違いはさらに小さくなります。
調達コストがとびぬけて高いのはビジネスローンです。
銀行融資を受けられない場合、「ファクタリングかビジネスローンか」と考える人もいますが、調達コストの違いを考えると「ファクタリングを優先、足りない部分をビジネスローンで補完」が正しい選択といえます。

資金調達スピードの違い

 
資金調達方法によって資金調達スピードは様々です。
仕組みの違いだけではなく、審査の違いも資金調達スピードに大きく影響します。

融資の資金調達スピード

 
融資の場合、借入先によって資金調達スピードが違います。
一般的な銀行融資ならば、数週間~1ヶ月程度が目安です。
融資先の返済力を審査に時間がかかり、担保付融資の場合には担保評価、保証付融資の場合には保証審査なども行います。
このため、銀行融資にスピードは期待できません。
日本政策金融公庫などの公的金融機関の場合、融資実行までに1ヶ月以上を要します。
民間の銀行とは運営方針が違い、審査方法にも違いがあるため、場合によっては数ヶ月かかるケースもしばしばです。
融資の中でも、ビジネスローンは比較的スピーディです。
銀行系・ノンバンク系によって違いますが、いずれも最短1週間程度で調達できるでしょう。
ノンバンクのビジネスローンは「最短即日融資」とするサービスも多いですが、実際に即日融資を受けることは難しく、数営業日は要するものと考えてください。
それなりにまとまった事業資金を貸し付ける以上、個人向けの消費者金融のように簡単にはいかないのです。

ファクタリングの資金調達スピード

 
融資とは違い、ファクタリングは資金調達スピードに優れています。
融資だけではなく、あらゆる資金調達方法の中で最もスピーディといってよいでしょう。
ファクタリング会社は、簡単な書類で簡単な審査を行い、売掛金に問題がなければすぐに買い取ります。
これにより、ファクタリングは最短即日での資金調達も可能です。
ただし、資金調達スピードはファクタリング方式ごとに違います。
方式別の目安は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:最短即日
  • 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
  • オンラインファクタリング:最短数時間

このように、2社間ファクタリングやオンラインファクタリングを利用することで、最短即日で資金を調達できます。
実際の資金調達スピードは業者によって違い、「最短即日」としながらも2営業日以上を要するケースもあります。
とはいえ、基本的には「2社間ファクタリング=最短即日」というのが通念であり、業者ごとに大きな違いはありません。
まれに「最短2営業日」「初回利用に限り〇営業日」といった違いがみられる程度です。
気を付けたいのは3社間ファクタリング。
3社間ファクタリングは売掛先が関与するため、手続きに時間がかかります。
債権譲渡通知書の郵送手続きだけでも数日を要するため、即日での資金調達は不可能です。
緊急の際には、ファクタリング会社ごとに違いを比較し、2社間ファクタリング(できればオンラインファクタリング)を選んでください。

償還請求権の違い

 
ファクタリングは融資とは違い、債権譲渡取引に分類されます。
債権譲渡取引の際に重視されるのが償還請求権です。
償還請求権とは、譲渡した債権が回収できなくなった場合、譲受人が譲渡人に買い戻しを求める権利のことです。
融資でも、種類によっては償還請求権が重視される場合があります。
融資とファクタリングの審査の違いから、償還請求権の違いについてもみていきましょう。

融資と償還請求権

 
一般的な融資では、償還請求権を設定しません。
融資の際にやりとりするのは現金であり、債権は関係ないためです。
ただし、融資の際に債権が絡むものについては償還請求権を設定します。
例えば、手形割引や売掛債権担保融資です。
手形割引は、支払期日前の受取手形を銀行や手形割引業者に譲渡し、早期資金化するサービスです。
債権譲渡としての側面を持つと同時に、手形を担保とした融資としての側面もあります。
手形割引は償還請求権付きの取引です。
審査に通って割り引いた手形が不渡りになれば、譲渡人は手形を買い戻さなければなりません。
売掛債権を担保として融資を受ける「売掛債権担保融資」も同様です。
近年、政府は中小企業の銀行融資への依存、とりわけ不動産担保への依存を緩和するべく、ファクタリングや売掛債権担保融資の普及に取り組んでいます。
売掛債権担保融資も償還請求権付きの契約となります。
償還請求権があるということは、万が一の場合には買い戻しを求められるということです。
資金を調達したものの、後に買い戻しを求められて資金が流出し、資金繰りが破綻するということもあり得るのです。
また、審査の際には譲渡人の財務状況が厳しく審査され、償還請求に応じられるだけの資力がなければ審査には通りません。
このように、償還請求権付きの融資には意外な落とし穴があります。

ファクタリングと償還請求権

 
融資とは違い、ファクタリングは原則的に償還請求権がありません。
ファクタリング会社に譲渡した売掛金が回収不能になっても、利用会社が買い戻しを求められることはなく、回収不能による損失は全てファクタリング会社が負担します。
ファクタリング会社は、償還請求権がないことも踏まえて売掛金を審査しているのです。
仮に償還請求権を求めるファクタリング会社があるとすれば、悪質業者の可能性が高いため避けてください。
償還請求権があれば、利用会社に売掛金の買い戻しを請求できるため、業者側はほとんどリスクを負いません。
金融庁は、このような(業者側がほとんどリスクを負わない形での)ファクタリングを「実質的に貸し付け」とみなしています。
当然、貸金業者としての規制が適用され、ほとんどの業者は無登録営業となってしまいます。
したがって、正規のファクタリング会社は原則的に「償還請求権なし(ノンリコース)」です。
償還請求権がないということは、利用会社の回収不能リスクをファクタリング会社が肩代わりするということでもあります。
手形割引や売掛債権担保融資とは違い、ファクタリングはリスク軽減にも役立つ資金調達方法です。

信用力への影響の違い

 
ファクタリングと融資では、信用力への影響も違います。

銀行融資の影響

 
銀行融資は、信用力に良い影響を与える場合と、悪い影響を与える場合があります。
銀行から融資を受けることは、基本的には信用にプラスになると考えてよいでしょう。
「A銀行から融資を受けた」ということは、「審査の結果、A銀行が『信用に問題なし』と判断した」ということにほかなりません。
この事実は、B銀行やC信金にとってもプラス材料となるのです。
逆に、融資を受けられなかった場合や、借り入れ後に信用が悪化した場合には信用が大きく悪化します。
例えば、A銀行の審査に落ちた会社は、A銀行から「信用に問題あり」と評価されたということです。
特別な事情がない限り、B銀行やC信金がその会社を積極的に支援する理由はありません。
借り入れ後に経営が悪化し、返済が困難になったり、追加融資を受けられなかったりした場合も同様です。
実際に、メインバンクから追加融資を断られたことにより、サブバンクが一斉に手を引くことも珍しくありません。
銀行融資は諸刃の剣といってよいでしょう。

ビジネスローンの影響

 
銀行融資とは違い、ビジネスローンは信用悪化につながります。
銀行から融資を受ける際には、借り入れ状況の一覧表の提出を提出しなければなりません。
そこにビジネスローンが掲載されていれば、銀行の評価は大幅に悪化し、審査にも悪影響です。
ビジネスローンで信用が悪化する理由は、大きく分けて二つあります。
ひとつは、返済力の低下です。
調達コストの比較からも分かるように、ビジネスローンは金利が高く、返済負担も大きいです。
支払利息の分だけ利益が目減りするのですから、返済力の低下は避けられません。
銀行の融資審査は返済力を重視するため、これが大きな悪材料になります。
もうひとつは、ビジネスローンから借り入れているという事実です。
基本的に、ビジネスローンを利用するのは銀行の審査に落ちた会社です。
銀行から融資を受けられる会社が、わざわざビジネスローンで借りることはありません。
つまり、「ビジネスローンで調達した(=銀行の審査に落ちた)」ということ自体、銀行にとっては悪印象なのです。
ビジネスローンから借り入れたことによって、銀行から融資を受けられなくなることもあります。
やむをえない場合を除いて、ビジネスローンは避けるべきです。

ファクタリングの影響

 
ファクタリングは信用に何ら影響せず、使い方次第ではプラスの影響も期待できます。
融資ならば借入金が増加し、返済負担も膨らむのですが、ファクタリングならばその心配はありません。
ファクタリングは債権譲渡ですから、借入金や返済負担が増加することはなく、帳簿の上では売掛金が現金に変わるだけです。
手数料は譲渡損失として計上されますが、適正な手数料であれば悪影響にはなりません。
支払期日を待って売掛金を回収した場合とほぼ同じ動きが生じるだけですから、悪影響になり得ないのです。
また、売掛金の増加は資金繰りの悪化につながり、売掛金の減少は資金繰りの改善につながります。
ファクタリングで売掛金が減少すれば、資金繰りが改善したとみなされ、信用力が高まることもあるのです。

ファクタリング会社は何を審査する?

 
ここまで、ファクタリングと融資の審査の違いについて解説しました。
ファクタリングの審査の特徴は、売掛金を基準に審査することです。
具体的に、ファクタリング会社は売掛金をどのように審査するのでしょうか?
審査の細かい部分はファクタリング会社によって違いますが、審査のポイントは基本的に同じです。
大まかにいえば、ファクタリング会社は売掛先・売掛金・利用会社の三つを審査しています。

売掛金の支払人(売掛先)を審査

 
ファクタリングは債権譲渡であり、担保や保証、償還請求権などによる保全も不可能です。
ファクタリング会社が利益を得られるかどうかは、売掛金を回収できるかどうかにかかっています。
これは、「売掛先の支払い能力次第」ともいえます。
いくら利用会社の経営が良好であっても、売掛金の内容が魅力的でも、売掛先が支払えなければ意味はありません。
例えば、額面金額1億円、支払期日が1週間後の売掛金を手数料率10%で買い取れば、ファクタリング会社はたった1週間で1000万円もの利益を得られます。
非常に魅力的ですが、あくまでも「売掛先が支払期日に満額支払うこと」が前提です。
売掛先の経営に問題があり、1億円の代金を支払うことができなければ、ファクタリング会社は利益を得ることはできません。
それどころか、売掛先が倒産すれば買取代金の1億円は全て損失になってしまいます。
したがって、ファクタリング会社は必ず売掛先について審査します。
ここまでの解説でも、しばしば「ファクタリング会社は売掛金を審査」と書きましたが、ここには売掛先への審査が当然含まれるものと考えてください。
具体的な審査方法はファクタリング会社によって違いますが、入金状況のチェックはどのファクタリング会社でも共通しています。
通帳コピーなどから直近数ヶ月の支払い状況を確認するのです。
毎月定期的に取引している売掛先であれば、入金も定期的に行われているはずです。
もし入金の遅れがあれば、その売掛先は支払期日に入金できない事情を抱えていると考えられます。
そのような売掛金を買い取れば、ファクタリング会社は支払期日通りに回収できず、損失を被るかもしれません。
この場合、ファクタリング会社は手数料を高めに設定して買い取るか、もしくは買い取りを拒否します。

売掛金の内容を審査

 
売掛先に問題がなければ、基本的にはファクタリング会社の審査に通ります。
しかし、ファクタリング会社が審査するのは売掛先だけではありません。
売掛金の内容も必ず審査します。
特に重視されるのは、売掛金の額面金額と支払期日です。

売掛金の額面金額を審査

 
額面金額は、ファクタリング会社の収益性に大きく影響します。
例えば、額面金額1000万円の売掛金Aと、額面金額10万円の売掛金Bがあったとしましょう。
どちらも同じ手数料率で買い取る場合、利益には100倍の差が生じます。
しかしながら、手続きのためにファクタリング会社が負担するコストは大差ありません。
当然ながら、ファクタリング会社は額面金額が大きい売掛金を好みます。
額面金額があまりにも小さい売掛金は、それだけで審査に落ちたり(申し込み自体ができなかったり)、手数料が高くなったりするのです。
額面金額の違いによって、審査には以下の影響が考えられます。

  • 額面金額が大きい売掛金ほど審査に通りやすく、手数料が安くなりやすい。
  • 額面金額が大きい売掛金ほど審査に通りにくく、手数料が高くなりやすい。

もちろん、ファクタリング会社ごとに審査の違いや方針の違いがあります。
少額ファクタリングに特化しているファクタリング会社であれば、少額の売掛金でも審査に通りやすいでしょう。
とはいえ、ファクタリング会社が審査の際に額面金額を考慮していることは間違いありません。

売掛金の支払期日を審査

 
ファクタリング会社は、売掛金の支払期日も審査しています。
支払期日は、ファクタリング会社の収益性と回収不能リスクに影響します。
収益性への影響から考えてみましょう。
例えば、1ヶ月後に支払予定の売掛金Cと、2ヶ月後に支払予定の売掛金Dがあったとします。
それぞれ額面金額と手数料率が同じであれば、収益性は2倍の差が生じます。
どちらも額面金額1000万円、手数料率10%であれば、売掛金Cからは1ヶ月で100万円、売掛金Dからは2ヶ月で100万円の利益が得られるのです。
つまり、ファクタリング会社が収益性を高めるには、できるだけ支払期日が近い売掛金を買い取り、短期間で買い取りと回収を繰り返した方が良いといえます。
また、支払期日はファクタリング会社の回収不能リスクにも影響します。
基本的に、支払期日が遠い売掛金ほど、ファクタリング会社にとってハイリスクです。
審査の時点で売掛先に問題がなかったとしても、回収するまでの間に売掛先の経営が変化し、支払い能力が低下するリスクがあります。
支払期日が遠い売掛金ほど、このリスクが高まるというわけです。
売掛先の支払い能力が同じであれば、売掛金Dよりも売掛金Cの回収不能リスクが低いことは間違いないでしょう。
支払期日の違いによって生じる影響は以下の通りです。

  • 額面金額が大きい売掛金ほど審査に通りやすく、手数料が安くなりやすい。
  • 額面金額が大きい売掛金ほど審査に通りにくく、手数料が高くなりやすい。

もちろん、支払期日の考え方はファクタリング会社によって違います。
しかしながら、支払期日が長いほど審査が不利になることは事実です。
実際に、支払期日が長い売掛金は買い取りを拒否されることがあります。

初回は利用会社も審査対象に

 
ファクタリング会社の審査基準は売掛金であり、利用会社は重視されません。
もっとも、これは同じファクタリング会社で繰り返し審査を受けている場合に限られます。
初回利用であれば、ファクタリング会社は利用会社も必ず審査します。
例えば、初めてファクタリングを利用する場合や、他のファクタリング会社に乗り換える場合です。
なぜファクタリング会社が利用会社を審査するのかといえば、利用会社による悪質行為を避けるためです。
ファクタリングにおける悪質行為といえば、ファクタリング会社の悪質行為によって利用会社が被害を受けるイメージがあるでしょう。
しかし実際には、利用会社の悪質行為によってファクタリング会社が被害を受けるケースも少なくありません。
利用会社による悪質行為には、以下のようなものがあります。

  • 架空債権詐欺…実在しない売掛金をファクタリングすること
  • 二重譲渡…すでに譲渡した売掛金を、複数のファクタリング会社に譲渡すること
  • 計画倒産詐欺…利用会社と売掛先が共謀し、ファクタリング後に売掛先を計画的に倒産させること
  • 使い込み(横領)…2社間ファクタリングの際、支払期日に売掛先が入金した代金を利用会社が使い込み、ファクタリング会社に支払わないこと

以上のうち、架空債権詐欺・二重譲渡・使い込みは珍しくなく、ファクタリング会社も警戒しています。

架空債権詐欺

 
2社間ファクタリングは、架空債権詐欺が起こりやすい環境です。
売掛先が一切関与せず、ファクタリング会社は売掛先と連絡を取ることができません。
したがって、契約書や請求書などを偽造し、実在しない売掛金を捏造すれば、申し込み自体は可能です。
審査で見抜くことができなければ、ファクタリング会社は損失を被ります。
売掛金が実在しない以上、支払期日に回収することもできないのです。

二重譲渡

 
二重譲渡も、2社間ファクタリングで起こる詐欺行為です。
2社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社だけで取引するため、売掛先などの第三者はファクタリングの利用(売掛金を譲渡した事実)を知りません。
利用会社に悪意があれば、同じ売掛金を複数のファクタリング会社に譲渡することもできます。
もちろん、実際には売掛金はひとつですから、支払期日には必ず回収トラブルになります。
それを防ぐためにも、2社間ファクタリングの際には債権譲渡登記を求められるケースが多いです。
債権譲渡登記を行うことにより、ファクタリング会社は第三者対抗要件を具備でき、二重譲渡による被害を未然に防ぐことができます。
なお、債権譲渡登記の設定はファクタリング会社によって違い、No.1のように債権譲渡登記の留保に対応している業者もあります。
また、債権譲渡登記を不要とする一方で審査を厳しく行うなど、対応の違いは様々です。
このほか、ファクタリング方式によっても違いがあり、3社間ファクタリングやオンラインファクタリングでは債権譲渡登記は行いません。

使い込み

 
使い込みも、2社間ファクタリングで起こるものです。
2社間ファクタリングは売掛先が一切関与せず、ファクタリングの利用も知りません。
そのため、支払期日になると利用会社に代金を支払います。
その代金を利用会社からファクタリング会社に入金することで、2社間ファクタリングの手続きは完了します。
つまり、2社間ファクタリングでは、「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」の流れで売掛金を回収するのです。
一旦は利用会社が代金を受け取るわけですから、その代金をファクタリング会社に支払わずに使い込むこともできます。
架空債権詐欺や二重譲渡との違いは、利用会社に明確な悪意がないことです。
多くの場合、資金繰りを回すためにやむを得ず使い込みに奔ります。
利用会社の資金繰りはかなり苦しい状況ですから、使い込んだ代金をファクタリング会社に支払えなくなることも多いです。
ファクタリング会社としてはリスクですから、初回利用の会社にはこの点も含めて審査します。

ファクタリング会社ごとの審査の違い

 
売掛先・売掛金・利用会社については、どのファクタリング会社でも審査しており、大きな違いはありません。
しかし実際には、同じ売掛金でもファクタリング会社によって審査結果に違いが生じたり、手数料に違いが生じたりすることがあります。
なぜそのような違いがあるのでしょうか。

営業方針による違い

 
まず考えられるのが、営業方針の違いです。
ファクタリング会社によって営業方針は違います。
例えば、以下のような違いを考えてみましょう。

  • 安全な売掛金だけを安く買い取り、低リスクで着実に稼ぐファクタリング会社A
  • 売掛金のリスクに応じて手数料を設定し、時にはリスクを取って大きく稼ぐファクタリング会社B

ファクタリング会社Aは、回収不能リスクの低い売掛金を選択的に買い取る方針です。
当然ながら、それなりに時間をかけて審査し、問題のある売掛金は買い取りません。
ファクタリング会社Bは、回収不能リスクの違いに合わせて柔軟に買い取る方針です。
スピーディに審査したり、多少問題のある売掛金を買い取ったりする場合、手数料を引き上げることでリスクヘッジを図ります。
当然ながら、A社とB社では審査結果・審査スピード・手数料などで違いが生じます。

メインターゲットによる違い

 
メインターゲットの違いも、審査の違いにつながります。
ファクタリング会社によって、想定する顧客は様々です。
例えば、同じ法人向けファクタリングでも、メインターゲットが大企業と中小企業では、審査に違いが生じるのは当然でしょう。
大企業は資金需要が大きく、ファクタリングの金額も大きくなるため、それに合わせて審査しなければなりません。
資金調達の規模によっては、回収不能時の損失に堪えられない可能性があるため、慎重に審査する必要があります。
中小企業ならば、少額資金を機動的に調達したい会社が多いため、簡易審査でスピーディな対応を求められます。
このように、メインターゲットの違いによって審査も変わってくるのです。
同様に、法人向けファクタリングと個人事業主向けファクタリングでも、審査に違いが生じます。
個人事業主は、法人に比べて社会的な信用が低く、ファクタリングの希望額もかなり小さくなるのが普通です。
手間がかかる割に稼ぎが小さいため、審査その他でカバーする必要があります。
当然、法人のファクタリング審査と個人事業主のファクタリング審査は違うというわけです。

業歴の違い

 
次に、業歴の違いを考えてみましょう。
ファクタリングが普及してきたのはここ数年のことです。
ファクタリング市場が急速に拡大している昨今、ファクタリング会社の数が増え続けています。
つまり、業歴が短い新興のファクタリング会社が多くなっているのです。
業歴の違いは実績の違いに直結します。
単純に考えて、業歴100年の老舗企業と、業歴1年の新興企業では実績に天と地の差があります。
ファクタリングにおいても、短い歴史の中で「業歴が長いファクタリング会社」と「業歴が短いファクタリング会社」があります。
No.1のように、ファクタリングの黎明期から営業を続けている業者は、非常に多くの実績があり、ノウハウやデータの蓄積も豊富です。
手続きの流れや審査方法も洗練され、スタッフの審査能力も高く、AIの活用も進んでいます。
これにより、様々な売掛金を柔軟に買い取ることもできます。
逆に、業歴が短いファクタリング会社は実績が乏しく、審査能力が低い業者も少なくありません。
審査が必要以上にシビアになったり、その割に手数料が高くなったりすることも多いです。
したがって、ファクタリング会社を選ぶ際には業歴の違いも比較のポイントとなります。

悪質業者とファクタリング会社の違い

 
ついでながら、悪質業者とファクタリング会社の審査の違いについてもみていきましょう。
ここでいう悪質業者とは、「ファクタリングを装って違法な貸し付けを行う業者」のことであり、ヤミ金と同じものと考えてください。
現在、ファクタリングに関する法整備が不十分であることから、悪質業者が問題となっています。
金融庁は、悪質業者について以下のように注意を喚起しています。

中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
悪質業者を利用してしまうと、法外な手数料を請求されたり、違法な取り立てを受けたりと、ろくなことにはなりません。
したがって、ファクタリングを正しく利用するには、悪質業者を避けることが前提です。
つまり、正しく審査を行い、適正な手数料で合法的に利用できるファクタリング会社を選ぶ必要があります。
悪質業者を見抜くポイントは色々ですが、審査もひとつのポイントとなります。
悪質業者は、ほぼ審査なしで買い取るのが特徴です。
「審査なし」と宣伝している場合もあれば、審査するふりだけで実際にはほぼ審査なしという場合もあります。
なぜ悪質業者が審査しないのかといえば、まともに審査する能力がなく、またその必要もないからです。
正規のファクタリングであれば、担保・保証・償還請求権といった保全がない中で買い取らなければなりません。
回収不能リスクと隣り合わせの状況で、時には伸るか反るかの買い取りも行っています。
きちんと審査しなければ、ファクタリング会社の経営はたちまち破綻するでしょう。
経営を維持するには回収不能リスクを避ける必要があり、全ては審査にかかっているのです。
悪質業者は、回収不能リスクを審査によってではなく、違法行為によってカバーしています。
例えば、売掛金や小切手などを担保に求めたり、連帯保証人を求めたりすることで回収不能に備えます。
償還請求権付きでファクタリングすることも、悪質業者の常套手段です。
償還請求権があれば買い戻しを請求できるため、審査なしで買い取ることもできます。
さらに、担保・保証・償還請求権などがあるにもかかわらず、手数料は法外です。
年利換算で数百~千%超の手数料を求めるケースが大半を占めます。
以上のように、悪質業者と正規のファクタリング会社では、審査がまるで違います。
申し込みの際、審査に必要なはずの書類を求められなかったり、審査がずさんと感じたり、条件がおかしいと感じた場合には、利用を避けてください。

ファクタリング会社Aで審査落ちしてもファクタリング会社Bで審査が通った。その理由は?
ファクタリングをサービスとして展開している会社は多く、メガバンク系や都市銀行系も同じようなサービスを展開しています。

そのため、場合によっては、一度ファクタリング会社に申し込みをして審査落ちとなったにもかかわらず、別のファクタリング会社で審査が通るということもあります。

どうしてそんなことが起こるのでしょうか。

ファクタリングの仕組みについて詳しくはこちら

別会社のファクタリングなら通る理由 メガバンク系・都市銀行系→民間系の場合

 
別会社のファクタリングの審査が通った事例として、非常によくあるのが、最初にメガバンクや都市銀行系のファクタリング会社にファクタリングを申し込んだのちに、民間のファクタリング会社にファクタリングを申し込む場合です。

これは、メガバンクや都市銀行系の審査が、ファクタリングに必要な審査とは違った観点が出てくるからといわれています。

メガバンク系や都市銀行系は、ファクタリングを窓口として、最終的には口座の作成や取引・融資など他のサービスの紹介に繋げようとしてくる傾向にあります。

そのため、ファクタリングにもかかわらず、ついでとばかりに、ファクタリングを申し込んだ企業の経営状況なども審査にかけてしまうのです。

ファクタリングは、そもそも申し込み企業の経営体力などはあまり問題にならず、ファクタリングに利用する売掛債権の性格や、売掛先企業の社会的信用性を重んじます。

そのため、本来ならば融資などを受けることが出来ないような経営状況でも利用できるのが大きな特徴のはずです。

にもかかわらず、メガバンク系や都市銀行系のファクタリングサービスは、このメリットを完全にかき消してしまっているのが現状です。

結果として、審査が非常に長引いてしまったり、売掛先企業が一部上場企業などの優良企業であっても審査落ちしてしまったりすることが良くあります。

その後、民間のファクタリング会社にファクタリングを申し込むと、思った以上にスムーズに取引が進むということは本当によくあることだということを覚えておきましょう。

別会社のファクタリングなら通る理由 民間系→民間系の場合

 
ファクタリングを利用する際の審査において、注目されるポイントはいくつかありますが、特に重んじられるのは以下の3点です。

  • 売掛債権が現金化されるまでの期間(短いほうが評価が高い)
  • 売掛先企業の社会的信用性
  • 申し込み企業と売掛先業との関係性(友好な関係なほど評価が高い)

この3点ですが、業者によっては、どこを重んじるかは違ってきます。

当然、最もポイントが高いのは売掛先企業の社会的信用性ですが、他の二つに関しては、評価基準が明確に定まっていないのです。

つまり、最初の民間系のファクタリング会社の審査は落ちてしまったが、次の民間系のファクタリング会社の審査が通ったという場合は、他の二つの評価に対するプライオリティが逆転していた可能性があります。

加えて、現金化されるまでの期間については、多少手数料を上乗せすることによって審査通過をしてくれる業者も少なくありません。

ファクタリングの審査は、一般的に言われていることはいくつかありますが、その軸やプライオリティは絶対ではないのです。

まとめ:ファクタリング審査はNo.1におまかせください

ファクタリングの審査は、融資の審査などに比べると、まだまだ公になっていないことも多く、絶対これと言い切れるものはあまりありません。

そのため、会社によってその審査のハードルや評価軸に違いが出てきてしまうのです。

ファクタリングについては、一度審査落ちしてしまったからといってあきらめる必要はないといえます。

他のファクタリング会社のサービスもぜひ利用してみてください。
ファクタリング審査でお悩みの方は、No.1までお気軽にご相談ください。

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