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ファクタリング後に追加で申し込むことは可能?追加の流れやメリット・デメリットを徹底解説!
銀行融資やファクタリングなどで資金を調達したものの、その後の状況によって資金が不足することがあります。
追加の資金調達にはファクタリングが役立ちます。
ファクタリングは、自社の売掛債権(売掛金)を売却する資金調達方法です。
ファクタリング可能な売掛債権(売掛金)があれば、何度でも追加で利用できます。
ただし、追加でファクタリングすることによって、通常のファクタリングとは異なるメリット・デメリットが生じることも。
この記事では、ファクタリングの追加利用による資金調達について、詳しく解説します。
ファクタリングとは
会社が資金を調達する方法は様々です。
多くの会社は銀行融資を軸にしています。
銀行融資は金利が安く、多額の資金調達にも役立つ一方、審査のハードルが高いことが難点です。
銀行融資に依存している会社は、銀行融資を断られることによって資金繰りが破綻する恐れがあります。
実際、日本の中小企業は銀行融資への依存度が高く、政府は資金調達方法の多様化を推奨しています。
中でも、政府が力を入れているのがファクタリングです。
近年、ファクタリングが急速に普及していますが、政府の後押しも普及促進につながっています。
ファクタリングは債権譲渡取引
政府がファクタリングを推奨する最大の理由は、ファクタリングが資金調達方法の多様化に適しているためです。
ファクタリングは、会社が所有している売掛債権(売掛金)を売却することで資金を調達します。
売掛金は流動資産ですから、ファクタリングは資産の売却によって資金を調達しているといえます。
また、売掛金は売掛債権の一種であることから、法的にはファクタリングは債権譲渡取引です。
つまり、資金調達の選択肢にファクタリングを追加することによって、銀行やノンバンクなどの外部から資金を調達するだけではなく、自社の内部から資金を調達できるようになります。
当然ながら、資金調達方法が「外部資金調達(借入れなど)だけ」であるよりも、「外部資金調達+内部資金調達(ファクタリングなど)」のほうが、資金調達の安定性が高まります。
だからこそ、政府はファクタリングを強く推奨し、銀行融資依存の緩和を図っているのです。
ファクタリングは追加の資金調達に最適
後述の通り、ファクタリングには色々なメリットがあります。
個々のメリットは色々ありますが、一言でいえば「資金繰りの柔軟性が高まる」ということです。
信用取引では取引の度に売掛債権(売掛金)が発生するため、会社は常に売掛債権(売掛金)を所有している状態となります。
ファクタリングを使えば、手元の売掛債権(売掛金)から簡単に資金を調達できるのです。
自社の望むタイミングでファクタリングすることで、資金繰りの柔軟性が飛躍的に高まります。
追加の資金調達とは
特に柔軟性を実感できるのが、追加で資金調達するときです。
資金繰りの基本は、半年~1年後までの見通しを立て、将来的な不足資金を特定し、早めの資金調達を心掛けることです。
しかし、資金繰りはあくまでも予測に過ぎません。
経営の現場では、イレギュラーな出費が発生したり、運転資金が予想以上に膨らんだりすることもあります。
資金繰り計画に基づき、事前に運転資金を調達したからといって、必ず資金繰りが回るとは限らないのです。
このような場合には、追加での資金調達が必要となります。
追加融資の問題点
追加で資金調達する際、銀行融資には多くの問題があります。
追加による態度の変化
計画に基づき事前に融資を受ける場合と、想定外の事態によって追加で融資を受ける場合では、銀行の態度は大きく異なります。
事前の計画に沿って銀行から融資を受けるならば、会社に問題が起こっていない段階で交渉でき、計画性を評価されることも多いです。
このため、融資のハードルはそれほど高くありません。
しかし、追加で資金調達する場合、既に何らかの問題が発生しており、当初の資金繰り計画も破綻した状態で追加の融資を依頼することになります。
銀行は、問題を引き起こしている会社や、計画性がない経営者を嫌います。
したがって、追加の融資は通常の融資よりも難易度が高くなるのです。
追加の融資を断られた場合、その後の支援が消極的になり、資金調達環境が長期的に悪化する恐れがあります。
複数行取引も同じ
複数の銀行から追加融資を受ける場合も同様です。
例えば、初めにA銀行から運転資金を調達し、後にB銀行に融資を依頼するケース。
この場合も、B銀行は「新規融資」ではなく「追加融資」とみなします。
融資審査では、資金繰り計画や資金使途を確認することで、融資の妥当性・合理性を判断します。
追加で資金調達を必要としている以上、この融資が「A銀行に続く追加融資」であることを隠すことはできません。
このとき、B銀行が「A銀行から追加の融資を断られたのではないか?」「別の銀行(C銀行やD信金)にも追加の融資を断られたのではないか?」などと疑うことも多いです。
「他の銀行から追加の融資を断られたのでは…」という疑いは、非常に大きな悪材料となります。
他の銀行が審査した結果「追加の融資に妥当性がない」と判断した以上、同じく銀行業を営むB銀行が積極的に追加融資に応じることはできないのです。
複数行から追加融資を引き出せるのは、多くの銀行が積極的に対応し、融資シェアを伸ばしたいと考えている会社(優良企業)だけです。
実際に、優良企業は「ぜひ追加融資は当行で」という営業を受けることもあります。
それ以外の会社であれば、複数行取引での追加融資も難しいと考えてください。
追加の資金調達にはファクタリングを
追加で資金調達するならば、融資よりもファクタリングを選ぶべきです。
その理由は、融資とファクタリングの審査基準の違いにあります。
追加の融資の審査
銀行は融資先に対して審査を行い、現在の経営状況と今後の予測を分析し、融資期間中の返済力に問題がないと判断した場合に限って融資を実行します。
もちろん、返済力に問題があれば融資しません。
返済力は定量分析・定性分析の両面から判断します。
決算書などの数値から分析するのが定量分析、経営者の能力や商品の競合力、経営方針、業界内での立ち位置などによって分析するのが定性分析です。
追加での融資が難しいのは、「想定外の出費によって手元資金が枯渇している」という定量的な要素と、「経営者の資金繰り感覚に問題がある」という定性的な要素の両方に問題があるためです。
このように、銀行の審査では「追加で融資が必要」という(融資先の)状況を重視します。
ファクタリングの審査
これに対し、ファクタリングは利用会社よりも売掛先を重視します。
ファクタリングは、審査の結果に応じて手数料などの条件を設定し、手数料よりも割安に買い取る仕組みです。
その後、支払期日に売掛先から満額回収することによって、額面金額と買取金額の差額がファクタリング会社の収益になります。
利用会社に問題があっても、売掛債権(売掛金)の支払人である売掛先に問題がなければ、ファクタリング会社は安心して買い取れるのです。
逆に、利用会社の経営が極めて良好であっても、売掛先の支払能力に問題があれば買い取ることはできません。
銀行は資金を調達する会社(融資先)を重視するのに対し、ファクタリングでは資金を調達する会社(ファクタリングの利用会社)を重視しないのです。
これが、「融資とファクタリングでは審査基準が違う」と言われる理由です。
追加のファクタリングにも対応
この審査基準は、最初のファクタリングでも追加のファクタリングでも変わりません。
だからこそ、ファクタリングは追加の資金調達に適しています。
まず、「追加の資金調達が必要」という状況は、ファクタリングにとって何らマイナスにはなりません。
これは利用会社の資金繰り上の問題であって、売掛先の問題ではないからです。
売掛先に問題がない以上、ファクタリング会社は対応します。
「運転資金を銀行融資で調達→資金繰りに問題が発生→追加の資金をファクタリングで調達」
という場合だけではなく、
「運転資金をファクタリングで調達→資金繰りに問題が発生→追加の資金をファクタリングで調達」
という場合でも問題なく利用できます。
もちろん、最初にファクタリングしてから、追加でファクタリングするまでの期間・タイミングもほとんど影響しません。
極端にいえば、ファクタリングで債権を売却した直後に、追加のファクタリングを申し込むことも可能です。
ファクタリング会社は、追加で申し込んだ売掛債権(売掛金)に対して審査を行い、いつもと同じように手続きして買い取るだけです。
二重譲渡に注意
ただし、追加でファクタリングする際には二重譲渡に気をつけてください。
二重譲渡とは、同じ売掛債権(売掛金)を複数の相手に譲渡することです。
ファクタリングならば、同じ売掛債権(売掛金)を複数のファクタリング会社に譲渡すると、二重譲渡にあたります。
例えば、以下のようなケースです。
- 1.額面金額100万円、支払期日1ヶ月後の売掛債権(売掛金)を、ファクタリング会社Aに手数料率10%で売却し、90万円の資金を調達する。
- 2.同じ売掛債権(売掛金)で追加のファクタリングを申し込む。ファクタリング会社Bに手数料率15%で売却し、85万円の資金を追加で調達する。
- 3.支払期日になり、売掛先が100万円の代金を支払う。
- 4.どちらか一方のファクタリング会社が100万円を回収できなくなり、二重譲渡が発覚する
売掛債権(売掛金)は、支払期日に売掛先から代金を受け取る権利のことです。
つまり、利用会社はファクタリング会社Aとファクタリング会社Bの両方に対して「1ヶ月後に100万円を回収する権利(債権)」を売却していることになります。
これは詐欺行為にほかなりません。
ファクタリング会社から訴えられるだけではなく、最悪の場合には刑事事件に発展し、詐欺罪で摘発される恐れがあります。
「追加でファクタリングできる」というのは、「売掛金Aの売却→売掛金Bの売却→売掛金Cの売却…」といったように、あくまでも独立した債権譲渡取引として、連続的なファクタリングが可能であり、追加の資金調達にも役立つということです。
追加のファクタリングは資金繰りに役立ちますが、二重譲渡には十分に注意してください。
ファクタリングを追加で申し込む流れは?
ここまでの内容から、ファクタリングが追加の資金調達に役立つ仕組みや特徴がわかったと思います。
では、実際にファクタリングで追加の資金を調達する場合、どのような流れになるのでしょうか。
ここからは、ファクタリングを追加で申し込む際の流れや注意点を解説します。
ファクタリングの方式は2つ
まず知っておきたいのが、ファクタリングの方式です。
一口に「追加で資金調達する」といっても、ファクタリングの方式には「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。
方式の違いを理解するポイントは「売掛先の関与」です。
売掛先が関与するかどうかによって、追加でファクタリングする際の流れや仕組み、使い勝手も変わってきます。
まずは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いをみていきましょう。
2社間ファクタリング
売掛金は債権であり、債権者(自社)が存在すれば必ず債務者(売掛先)も存在しています。
このため、債権譲渡の際には譲渡人と譲受人と債務者が関与するのが一般的です。
しかし2社間ファクタリングは、ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間だけで取引します。
債務者である売掛先は一切関与しません。
これにより、簡易的な手続きによりスピーディに資金調達できるのが特徴です。
追加でファクタリングする場合、「予想以上に運転資金が膨らんだ」「イレギュラーな出費が発生した」といったことがよくあります。
追加の資金調達を急ぐ場合、2社間ファクタリングでの資金調達がおすすめです。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、利用会社・ファクタリング会社に売掛先を追加した3社間で取引します。
売掛先への債権譲渡通知が必要となるため、売掛先の関与が必須です。
取引の当事者が増え、取引の正確性が高まることから、銀行のファクタリングでは3社間ファクタリングが好まれます。
したがって、利用会社としても健全性の高いファクタリング会社と取引でき、手数料も安くなりやすいのがメリットです。
ただし、資金調達までにやや時間を要するため、追加での資金調達には不向きといえます。
2社間ファクタリングを追加で申し込む流れ
追加でファクタリングを申し込む流れは、ファクタリング方式によって異なります。
上記の2つの方式のうち、日本で最も普及しているのは2社間ファクタリングです。
2社間ファクタリングは資金調達スピードに優れ、手軽に利用でき、売掛先に知られないことがメリットです。
追加の資金調達を急いでいる場合には2社間ファクタリングが適しており、また売掛先の信用悪化を防ぐうえでも役立ちます。
ここでは、以下の流れを想定して、追加のファクタリングの流れをみていきましょう。
- 1.売掛債権(売掛金)Aをファクタリングし、資金を調達した
- 2.追加の資金需要が発生した
- 3.売掛債権(売掛金)Bを追加でファクタリングした
1.売掛債権(売掛金)Aのファクタリングを申し込む
まず、2社間ファクタリングに申し込む必要があります。
ファクタリング会社によって、取り扱っているファクタリングサービスが異なります。
2社間ファクタリングならば、No.1をはじめとする独立系(銀行などの系列に属さない)のファクタリング会社を利用するのが一般的です。
申込方法もファクタリング会社によって異なりますが、電話、FAX、メール、公式HPの申込フォームなどから申し込むことができます。
2.必要書類を提出する
2社間ファクタリングに申し込むと、ファクタリング会社から取引の簡単な説明を受けた後、必要書類を提出します。
近年、ファクタリングの必要書類は減少傾向にあり、手元にある書類だけで申し込めるサービスも増えてきました。
No.1の場合、2社間ファクタリングの必要書類は以下の4点です。
- 直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
- 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
- 成因資料(売掛金Aの内容を裏付ける請求書・発注書・納品書など)
- 売掛先Aとの基本契約書
ケースバイケースで追加の書類を求められることもあります。
3.審査を受ける
ファクタリング会社は、必要書類をもとに審査を行います。
主な審査内容は以下の通りです。
- 売掛先Aとの基本契約書や請求書によって、売掛債権(売掛金)Aが架空債権でないことを確認する
- 請求金額や支払期日から採算を検討する
- 通帳コピーから入金状況を把握し、売掛先Aの支払能力を測る
審査の結果、ファクタリングの可否や手数料率が決定します。
4.ファクタリング契約を結ぶ
ファクタリング条件に問題がなければ、ファクタリング契約を結びます。
2社間ファクタリングの契約は、複数の契約によって構成されるのが基本です。
- 1.債権譲渡契約:売掛債権(売掛金)Aの譲渡に関する契約
- 2.回収代行委託契約:売掛債権(売掛金)Aの回収に関する契約
- 3.債権譲渡登記代行契約:売掛債権(売掛金)Aの登記手続きに関する契約
ファクタリングは債権譲渡取引のため、1のように債権譲渡契約を結びます。
2の回収代行委託契約は、2社間ファクタリング特有の契約です。
2社間ファクタリングには売掛先が関与しないため、売掛先Aはファクタリングの利用を知りません。
これにより、売掛債権(売掛金)を「売掛先A→利用会社→ファクタリング会社」の流れで回収するため、回収代行委託契約が必要になるのです。
このほか、2社間ファクタリングでは、追加のファクタリングによって二重譲渡が発生するリスクがあります。
したがって、債権譲渡登記を求められることが多く、その際には債権譲渡登記代行契約が必要です。
5.買取代金を受け取る
ファクタリング契約を結んだら、買取代金を受け取ります。
銀行が振込に対応している時間であれば、即日での資金調達も可能です。
6.追加のファクタリングを申し込む
その後、追加で資金調達が必要になった場合には、追加のファクタリングを申し込みましょう。
二重譲渡にならないためにも、既に譲渡済みの売掛債権(売掛金)Aではなく、それ以外の売掛債権(売掛金)を選びます。
もっとも、利用会社に悪意がなければ、追加のファクタリングで二重譲渡が起きることは考えにくいです。
この場合、利用会社は追加の資金調達を急いでいるため、新たにファクタリング会社を選んで申し込むのではなく、同じファクタリング会社(売掛金Aを売却したファクタリング会社)を選ぶと考えられます。
仮に二重譲渡を図ったところで、ファクタリング会社には「数日前に売掛債権(売掛金)Aを買い取った」というデータが残っており、買取を拒否されるのが普通です。
追加で申し込んだ後の流れは、売掛債権(売掛金)Aをファクタリングする流れ(2~5)と変わりません。
売掛債権(売掛金)Bに関する書類の提出、審査の実施、ファクタリング契約の締結、代金の受け取りという流れになります。
7.ファクタリング会社に決済を行う
売却した売掛金の支払い期日が到来すると、売掛先は利用会社に代金を振り込みます。
ファクタリング契約では、「支払期日から〇日後までに決済」ということが定められており、期限を超過すると契約違反になるため注意が必要です。
最初にファクタリングした売掛債権(売掛金)Aと、追加でファクタリングした売掛債権(売掛金)Bの両方を契約通りに決済して、2社間ファクタリングの手続きは完了となります。
3社間ファクタリングを追加で申し込む流れ
次に、3社間ファクタリングを追加で申し込む流れをみていきます。
3社間ファクタリングは売掛先が関与するため、手続きの流れも煩雑です。
追加で3社間ファクタリングに申し込むと、その煩雑な流れを繰り返すこととなり、手間がかかるのがデメリットといえます。
その点も踏まえつつ、追加のファクタリングの流れをみていきましょう。
1.売掛先Aから内諾を受ける
3社間ファクタリングには売掛先が関与します。
売掛先がファクタリングの利用を承諾することによって、初めて3社間取引が成立するのです。
したがって、3社間ファクタリングに申し込む前の段階で、売掛先から内諾を受けておく必要があります。
売掛債権(売掛金)Aならば、売掛先Aに「資金調達の円滑化のためにファクタリングを取り入れたい」と相談し、債権譲渡の内諾を取りつけておくのです。
これにより、契約段階になって売掛先が承諾を拒否するおそれがなくなり、スムーズに資金を調達できます。
3社間ファクタリングである以上、追加のファクタリングでも内諾は必須です。
2.売掛債権(売掛金)Aのファクタリングを申し込む
内諾を取り付けた上で、売掛債権(売掛金)Aの3社間ファクタリングを申し込みます。
独立系のファクタリング会社の中には、3社間ファクタリングを取り扱っていないケースもみられます。
No.1をはじめとする優良ファクタリング会社、もしくは銀行系のファクタリング会社に申し込みましょう。
3.必要書類の提出
申し込み後、必要書類を提出します。
独立系のファクタリング会社であれば、3社間ファクタリングだからといって必要書類が過剰に増えることはありません。
基本的には、少ない書類で申し込めると考えてください。
しかし、銀行系のファクタリング会社に申し込む場合には注意が必要です。
信用を重んじる銀行の系列だからこそ、独立系よりも審査に力を入れる傾向があり、そのために必要書類が多くなる可能性があります。
また、銀行系のファクタリング会社では必要書類を公表していないため、申し込み後に必要書類を作成・取得しなければなりません。
このほか、追加の書類を求められることも多いといえます。
4.審査を受ける
3社間ファクタリングの審査も、売掛先の支払能力を重視します。
2社間ファクタリングとの違いは、利用会社の提出書類だけではなく、売掛先からの情報も考慮する点です。
この時点で、利用会社は売掛先Aから3社間ファクタリングの内諾を受けており、売掛先Aはファクタリングに協力する意思があります。
したがって、ファクタリング会社は売掛先Aに問い合わせることで、 取引内容や請求内容について確認することも可能です。
また、銀行系のファクタリング会社に申し込んだ場合、審査にはそれなりの時間がかかります。
5.ファクタリング契約を結ぶ
審査の結果、問題がなければファクタリング契約を結びます。
3社間ファクタリングの場合、ファクタリング契約は債権譲渡契約とほぼイコールです。
3社間ファクタリングでは売掛先に債権譲渡通知を行い、譲渡承諾を取り付けます。
承諾書には、売掛債権(売掛金)の譲渡を認めるだけではなく、利用会社からファクタリング会社に支払先が変わることも含めて承諾します。
これにより、売掛債権(売掛金)Aは「売掛先A→ファクタリング会社」という流れで直接回収するため、回収代行委託契約は必要ありません。
また、債権譲渡通知は内容証明郵便で行う、債権譲渡登記をせずとも対抗要件を具備できます。
したがって、3社間ファクタリングでは債権譲渡登記代行契約も不要です。
6.売掛先Aに債権譲渡通知を行う
次に、売掛先Aに債権譲渡通知を行います。
債権譲渡通知とは、債権譲渡によって債権者が変わった場合に、債務者に対してその事実を通知するものです。
ファクタリングにおいても、債権譲渡通知はファクタリング契約の後に行います。
通知を受けた時、債務者が譲渡に承諾しなければ、債権譲渡が効力を失うケースがあります。
しかしこの場合、事前に売掛先Aから内諾を取り付けているため、通知・承諾の流れで問題が起こることは稀です。
7.買取代金を受け取る
売掛先Aへの債権譲渡通知・承諾が完了したことで、利用会社・ファクタリング会社・売掛先Aの3社間取引が成立します。
ファクタリング会社から買取代金が支払われるのも、このタイミングです。
したがって、3社間ファクタリングは資金調達に時間がかかります。
特に、債権譲渡通知書の送付と承諾書の返送には物理的に数日を要するため、申し込みから資金調達まで最短でも1週間程度はかかると考えてください。
もちろん、債権譲渡通知・承諾のタイミングで売掛先Aが態度を変えたり、対応が遅かったりすれば、さらに時間がかかるでしょう。
8.売掛債権(売掛金)Bのファクタリングを追加で申し込む
売掛債権(売掛金)Aのファクタリング後、追加で資金調達が必要になれば追加のファクタリングを申し込みます。
追加の3社間ファクタリングも、基本的な流れは同じです。
売掛債権(売掛金)Bを追加でファクタリングするならば、売掛先Bから内諾を受け、追加のファクタリングを申し込み、必要書類を提出し、審査を受け、債権譲渡契約を結び、債権譲渡通知・承諾を行い、買取代金を受け取る流れになります。
追加のファクタリングでも流れは同じ
以上の流れをみればわかる通り、ファクタリングの方式に関係なく、追加でファクタリングを申し込んだ場合にも手続きの流れは一定しています。
これは、追加のファクタリングを独立した取引とみなすためです。
- 1.売掛債権(売掛金)Aをファクタリング
- 2.売掛債権(売掛金)Bを追加でファクタリング
- 3.売掛債権(売掛金)Cを追加でファクタリング
この場合、ひとつの大きな取引の中で追加のファクタリングを繰り返すのではなく、独立した取引を3回繰り返します。
ひとつの大きな取引の中で追加を繰り返す場合、前後の取引や全体のバランスを踏まえて流れが変わることも多いです。
しかし、追加のファクタリングは独立したものとみなすため、あくまでも一定の流れに沿って手続きします。
したがって、追加でファクタリングした場合にも、ファクタリング会社が同じであれば手続きの流れが変わることはありません。
だからこそ、追加のファクタリングには2社間ファクタリングのほうが向いています。
2社間ファクタリングは手続きが簡単なため、追加のファクタリングを繰り返しても、それほど手間はかかりません。
しかし、3社間ファクタリングは毎回の手続きが煩雑であり、資金調達にもそれなりの時間を要します。
追加の資金調達を急いでいる場合、売掛先の承諾を受けられずに追加のファクタリングが難航し、資金ショートを引き起こすことも考えられます。
追加でファクタリングするならば、3社間ファクタリングは避けた方が無難でしょう。
追加でファクタリングするメリット
企業の資金調達は色々あり、追加で資金調達する方法はファクタリングだけではありません。
それでも追加のファクタリングをおすすめするのは、以下のようなメリットがあるからです。
追加調達のハードルが低い
追加のファクタリングの最大のメリットは、追加調達のハードルが低いことです。
既に解説した通り、追加融資はハードルが高いため、追加の資金調達に失敗する恐れがあります。
しかしファクタリングは、追加の申し込みでも審査に影響しません。
特に分かりやすいのが、診療報酬ファクタリングや介護報酬ファクタリングです。
ファクタリングには、診療報酬債権や介護報酬債権を買い取るものがあります。
この場合、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会が売掛先です。
売掛先の信用が極めて高いため、ファクタリング会社は安心して買い取ることができます。
売却する売掛債権(売掛金)が診療報酬債権であれば、追加のファクタリングでもファクタリング会社は積極的に買い取ってくれます。
つまり、売掛先に大きな問題がなければ、何度追加で申し込んでも審査に通るのです。
無担保・無保証で資金調達できる
銀行から追加の融資を引き出す場合、担保・保証が重要となります。
銀行が追加融資を嫌うのは、貸倒れリスクを懸念するためです。
逆に、たとえ追加融資であっても、不動産などの担保を提供したり、信用保証協会の保証をつけたりすることによって、審査に通る場合が少なくありません。
しかし実際には、担保・保証の不足に苦しむ会社も多いです。
十分な担保資産がなく、保証枠にも余裕がなければ、追加で融資をうけることは難しいでしょう。
これに対し、ファクタリングは無担保・無保証で利用できます。
通常のファクタリングはもちろんのこと、追加でファクタリングする場合も同様です。
担保・保証の目的は「債権の保全」にあり、返済義務があることが前提となります。
しかしファクタリングは債権譲渡であり、借入れではありません。
したがって返済義務もなく、担保・保証を求める根拠がないのです。
追加でファクタリングする場合も、債権譲渡であることは変わらないため、例外なく無担保・無保証で利用できます。
手続きがより簡単に
追加でファクタリングする場合も、手続きの流れは変わりません。
ただし、追加で申し込むことによって、同じ流れの中で手続きが簡単になります。
これは、前回の利用歴を踏まえて対応するためです。
例えば、前回のファクタリングの際に、必要書類として決算書を提出しています。
前回の利用から追加の申し込みまでの間に決算期をまたいでいなければ、前回の決算情報をそのまま流用できます。
また、初回利用に比べて追加の書類を求められることも少ないです。
このように、前回の情報をベースにすることで、全体の手続きを簡素化できるのです。
追加の資金調達を急いでいる会社にとって、これは大きなメリットとなります。
スピーディに資金調達できる
ファクタリングの資金調達スピードは、あらゆる資金調達方法の中でもトップクラスです。
2社間ファクタリングならば、多くのファクタリング会社が最短即日で対応しています。
3社間ファクタリングはやや時間がかかるものの、銀行の追加融資よりもはるかにスピーディです。
上記の通り、追加でファクタリングする場合、手続きの簡素化によってさらにスピーディに調達できます。
最近では、2社間ファクタリングの手続きを全てオンラインで手続きする「オンラインファクタリング」も徐々に普及してきました。
申し込みから契約までオンライン完結することにより、数時間で資金調達することも可能です。
実際に、No.1のオンラインファクタリングサービスでは、最短60分入金の実績が多数ございます。
緊急の追加調達には、オンラインファクタリングがおすすめです。
リスクマネジメントにも最適
ファクタリングは、回収不能リスクの回避にも役立ちます。
売掛金が回収不能になると、入ってくるはずのお金が入ってこなくなり、資金繰りが悪化します。
大口の売掛先が倒産した場合、多額の売掛金が回収不能になるため、資金繰りへの影響は計り知れません。
売掛金が回収できなくなる最も根本的な原因は、自社が信用取引を行っており、それにより売掛債権(売掛金)が発生し、自社が債権を持っていることにあります。
自社に債権がない状態であれば、回収不能リスクはゼロです。
ファクタリングは債権譲渡取引であるため、債権を手放す(債権者が「利用会社→ファクタリング会社」に変化する)ことにつながります。
また、ファクタリング契約は「償還請求権なし」が原則です。
ファクタリング会社には償還請求権(利用会社に買い戻しを求める権利)がなく、売掛金が回収できなくなった場合の損失は、全てファクタリング会社の負担となります。
このように、回収不能リスクをファクタリング会社に転嫁できることも、ファクタリングの魅力です。
リスクマネジメントにおいては、リスクの変化を早期にキャッチし、柔軟にコントロールすることが重要です。
リスクが高まった際には、追加のファクタリングによってリスクを軽減できます。
追加でファクタリングするデメリット
逆に、追加のファクタリングにはデメリットもあります。
考えられるファクタリングは以下の通りです。
手間がかかる
まず、手間がかかることです。
具体的な流れで考えてみましょう。
- 1.100万円の資金をファクタリングで調達した
- 2.資金繰りにズレが生じ、追加で100万円の資金調達が必要になった
- 3.追加のファクタリングを申し込み、100万円を調達した
この場合、同じファクタリングを2回繰り返すことになります。
2社間ファクタリングであれば、追加のファクタリングも容易です。
しかしながら、1の時点で200万円を調達していれば、追加のファクタリングは必要なくなり、手間が省けることも事実。
特に、3社間ファクタリングでは売掛先の関与が必須となるため、追加の申し込みには多くの手間がかかり、売掛先の負担にもつながります。
無計画にファクタリングを利用すると、何度も追加で申し込むことになり、「簡単に資金調達できる」というファクタリングのメリットが台無しになってしまいます。
手数料が高くなる
ファクタリングの代表的なデメリットは、調達コストが高いことです。
方式別の手数料率の相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
- オンラインファクタリング:額面金額の10%以下
追加のファクタリングでは、手数料がさらに高くなることがあります。
これは、ファクタリング審査では回収不能リスクだけではなく、採算も重視するためです。
ファクタリング会社は、通常の申し込みでも、追加の申し込みでも、基本的には同じ手続きで買い取っています。
手続き(事務負担)が同じであれば、手続き1回あたりの買取金額が大きいほど採算が高まり、ファクタリング会社には好都合です。
まとめてファクタリングする場合と、複数回に分けて追加でファクタリングする場合の採算の違いを、具体例で見てみましょう(手数料率は10%と仮定)。
- 200万円の売掛金を1回でまとめてファクタリングする
- 100万円の売掛金をファクタリングした後、100万円の売掛金を追加でファクタリングする
前者の場合、1回の取引で20万円の収益が発生するのに対し、後者では2回の取引で20万円の収益を得られます。
事務負担には2倍の差があるため、後者の採算が悪いことは明らかです。
後者の採算を前者の水準まで引き上げるには、手数料率を高めに設定することによって採算を確保しなければなりません。
このように、追加のファクタリングは手数料が高くなる傾向があります。
追加でファクタリングする際のポイント
以上のメリットとデメリットを踏まえて、追加でファクタリングする際のポイントをみていきましょう。
できるだけまとめてファクタリングを
大前提として、できるだけまとめてファクタリングすることが大切です。
追加のファクタリングにより、資金繰りの柔軟性が高まることは事実です。
しかし、1回のファクタリングで十分な資金を調達し、追加のファクタリングが不要になれば、それに越したことはありません。
そのためには、以下のように普段の取り組みが重要となります。
- 必要な資金よりも多めにファクタリングし、手元資金を厚くしておく
- 資金繰り計画を念入りに立て、不足金額を正確に算出する
- 社内体制の整備により、イレギュラーな支出を未然に防ぐ
追加の資金需要が少なくなれば、追加のファクタリングの頻度も減ります。
追加によって生じる手間や手数料の負担も回避できるのです。
少なくとも、無計画なファクタリングによって、何度も追加で申し込むことは避けるべきです。
手数料が安いファクタリング会社を選ぶ
それでも、資金繰りの状況次第では追加の資金が必要になります。
この場合、最優先事項は追加の資金を調達し、資金ショートを避けることです。
したがって、躊躇せずに追加のファクタリングを申し込むべきです。
追加による手数料の問題を緩和するには、手数料の基本設定が安いファクタリング会社を選びましょう。
手数料の基本設定はファクタリング会社によって異なります。
一例として、No.1のファクタリングサービスは、以下の条件でご利用いただけます。
- 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
- オンラインファクタリング:額面金額の2~8%
相場の手数料よりも大幅に安くなることもあり、追加のファクタリングによる手数料負担を軽減できます。
追加のタイミングは早いほど良い
最後に、追加のファクタリングを申し込むならば、できるだけ早いタイミングを心掛けてください。
突発的な資金需要を除けば、追加の資金需要を事前に把握できることも多いです。
例えば、以下のようなケースです。
- 1.30日に100万円の支払いを予定している
- 2.25日に売掛金100万円の回収を予定しているため、それを支払いに充てようと考える
- 3.回収予定の10日前、経営難を理由に売掛先から支払期日の延長を求められた
- 4.その他に入金予定はないため、このままでは30日決済の100万円が不足する
この場合、売掛先から支払期日の延長を求められた時点で、100万円の追加調達が必要なことは明らかです。
追加調達の猶予は約2週間。
超優良企業であれば、2週間以内に追加融資を受けることも可能でしょうが、普通の会社には困難でしょう。
この場合、複数の資金調達方法を検討するよりも、真っ先に追加のファクタリングを申し込むのがベストです。
前回のファクタリングから、追加のファクタリングまでの期間が短いほど、手続きがスムーズになります。
追加資金を早めに調達し、余裕のある状況を作ることによって、資金繰り計画の調整や与信管理の見直しなど、今やるべきことに取り組む余裕も生まれます。
まとめ:追加の資金調達にはファクタリングを
この記事では、追加の資金をファクタリングで調達する方法、メリット・デメリット、追加利用のポイントなどを詳しく解説しました。
資金繰りによって、追加の資金調達が必要になることは珍しくありません。
その際には、ぜひファクタリングを活用してください。
ファクタリングは、何度でも追加で申し込むことができ、スピーディに資金を調達できます。
追加のファクタリングについて不明点や疑問があれば、No.1までお気軽にお問い合わせください。
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