カテゴリー: ファクタリング
2社間ファクタリングは債権譲渡なしでできる?原則と例外を知り迅速な資金調達につなげよう
2社間ファクタリングはみなさんが持っている「売掛金」という債権を売掛先にバレずに有償でファクタリング会社に買い取ってもらうものです。売掛債権の有償譲渡であり、債権譲渡なしではできないように思えます。
債権譲渡なしというのはどういう意味を持つのでしょうか?実は債権譲渡なしは「債権譲渡登記なし」と誤認されている可能性があります。
今回は債権譲渡なし、債権譲渡登記なしの2社間ファクタリングについて、どういう場合にそうなるのか考えていきます。債権というものは目に見えないので、それをどうみなさんに知ってもらうかが重要になります。
「債権譲渡なし」の2社間ファクタリングはほぼありえない
ファクタリングはその語源「factoring」からして、他人が有する売掛債権を買い取って、その債権の回収を行う金融サービスを指します。
つまり債権譲渡を有償で行うものであり、債権譲渡なしのファクタリングはありえません。もちろん2社間ファクタリングでもありえないです。債権譲渡なしで資金調達するということは、ファクタリング会社に債権が渡りません。
ファクタリング会社は自分のものにならない売掛債権にお金を出すということです。中古ゲームショップにゲームソフト(DVD、BD、あるいはカード)を買い取りせずに買い取り代金を支払う人はいません。
あるいは質種を引き取らずお金を出す質屋もいません。債権譲渡なしのファクタリングはそのくらいありえないものになります。
売掛債権譲渡なしでお金を渡すとなると、売掛債権を担保にした融資くらいです。その場合、債権譲渡なしでも資金調達できますが、持っている売掛債権に抵当権が設定されます。
もし売掛債権を担保にして、融資の返済ができなくなった場合、その売掛債権(売掛金)は公権力によって差し押さえられ競売にかけ現金化されます。
この売掛債権を担保にした融資を「動産担保融資」と言います。動産担保融資(ABL:Asset Based Lending)ならば債権譲渡なしでの資金調達が可能になります。
しかし、債権譲渡なしの動産担保融資(ABL)の場合、「融資」ですので、信用情報照会、利息制限法の適用、手続きの厳格化、半月程度の審査時間などが必要になります。
債権譲渡なしの場合、2社間ファクタリングの良さである迅速な資金調達ができなくなります。
したがって、そもそもファクタリングの意味として債権譲渡なしのファクタリングは考えられないことになります。債権譲渡なしが可能ならば、それはファクタリングではなくて(動産担保)融資になります。
確定債権譲渡なしでも現金化できるのは将来債権の一部
しかし、近年、これまでの請求書を買い取るファクタリング以外のファクタリングメニューが登場しています。
それが「注文書ファクタリング」や「発注書ファクタリング」です。これらは2020年の民法(債権法)改正によって明文化された「将来債権」の譲渡です。
請求書のファクタリングは金額や入金期日が確定した「確定債権」の譲渡ですが、注文書や発注書の段階で買い取りできるようになりました。この注文書や発注書を「将来債権」と言います。金額や期日が決まっておらず「こういう仕事を〇〇万円の予定で発注します」ということだけがわかっている、つまりメニューやカタログの段階でファクタリングします。
厳密には注文書や発注書も「将来債権」ですので、注文書ファクタリングや発注書ファクタリングも債権譲渡になり、債権譲渡なしとはいきません。しかし、これまで一般的だった確定債権の譲渡とは少々異なります。
債権譲渡なしではありませんが、「確定債権譲渡なし」でできるファクタリングが徐々に
登場しつつあります。
確定債権譲渡なしでできるファクタリングを駆使することで、より迅速な資金調達、必要なタイミングでの資金調達が可能になります。
従来にない確定債権譲渡なしという意味での「債権譲渡なし」のファクタリングについては徐々にメニューが増えつつあります。
債権譲渡登記なしという意味での債権譲渡なしはあり得る
債権譲渡なしはファクタリングではない、しかし、確定債権譲渡なしの将来債権ファクタリングは徐々に増えつつあることがわかりました。
しかし、債権譲渡なしを「債権譲渡登記なし」と読みかえれば、それは一般的な確定債権のファクタリング(2社間ファクタリング含む)にも当てはまるトピックになります。
債権譲渡登記なしという意味での債権譲渡なしはあり得ます。
債権譲渡登記なしと償還請求権なしは別問題
まず、債権譲渡登記と償還請求権は別物であることを押さえましょう。
債権者A社がファクタリング会社B社に100万円の売掛金をファクタリングしたとします。2社間ファクタリングです。
債権譲渡登記とは100万円の売掛金を受け取る権利がAからBへ移ったことを第3者に対抗できる法的登記のことです。登記簿謄本を取得すれば、100万円の売掛金を受け取る権利がAからBへ移ったことがわかり、公印が押された登記簿謄本を入手できます。
償還請求権はAからBに移った売掛債権ですが、債務者Cが何らかの理由で期日に100万円を支払えない場合、償還請求権があると、BがAに対してCに代わって100万円を支払うよう求められる権利です。これにより、Aは債権回収不能リスク、貸し倒れリスクを被ることになります。
一般的なファクタリングは償還請求権がない「ノンリコース契約」になっていて、BがCから回収できない場合も、AはCに代わって返済しなくてもよいです。
債権譲渡登記と償還請求権が違うことはご理解いただけたはずです。もちろん債権譲渡なしの場合は、AがCから回収できないリスクをそのまま負います。
債権譲渡登記が必要な理由
ファクタリングの場合、基本的に債権譲渡登記が必要です。その理由は以下になります。
二重譲渡を防ぎたい
上の例で「AがCから100万円を受け取る権利」をファクタリング会社Bに譲渡するのがファクタリングですが、もしAが同じ「Cから100万円を受け取る権利」をファクタリングDにも譲渡した場合、売掛債権の二重譲渡になります。債権譲渡なしならこれが可能ですが、AはBとDを騙すことになります。
「Cから100万円を受け取る権利」をファクタリング会社2社が持っていることになり、BもDも期日以降100万円をAから受け取れなくなります。
この二重譲渡を防ぐため、債権譲渡登記をすることで「AがCから100万円を受け取る権利はBに移りました」と登記簿に記載され、Dが誤って「AがCから100万円を受け取る権利」を買い取ってしまうことを防げます。
第3者への対抗要件として債権譲渡登記は不可欠です。債権譲渡登記がないと、二重譲渡のリスクを100%排除できません。
2社間ファクタリングで債権譲渡登記なしを考える人は、この二重譲渡をしたいと画策している人もいるかもしれませんが、これは立派な詐欺行為でありやってはいけません。
架空債権を排除したい
債権譲渡は実際に存在する債権でなければなりません。架空債権、架空の請求書を偽造して、ファクタリング会社に買い取りさせようとする人がいます。
債権譲渡登記していれば、そのような架空債権の譲渡を防げます。存在しない債権を登記しようと思っても、登記の時点で審査され断られます。もし、架空債権を登記しようとすれば、詐欺罪、私文書偽造罪などで罰せられる可能性が高くなります。
法律をつかさどる法務省(法務局)でそんなことはできないはずです。
このように債権譲渡登記を行うことで、ファクタリング会社が被るリスクを避ける狙いがあります。
ファクタリングは民法をベースに当事者間の合意が優先しますので、債権譲渡登記を絶対にしなければいけない、ということではありません。
3社間ファクタリングは原則債権譲渡登記なしでOK
絶対に債権譲渡登記しなければならないということではないので、債権譲渡登記なしでも行けるファクタリングがあります。それが3社間ファクタリングです。
3社間ファクタリングの場合売掛先の同意を得ますので、二重譲渡はなくなります(売掛先が「その売掛債権はファクタリングしましたよね」とファクタリング会社に言えばバレます)。
また、架空債権もあり得ません。売掛先が「そんな債権ありませんよ」と言えばこれで架空債権の詐欺がバレてしまいます。
3社間ファクタリングの場合、売掛先の同意が得られ、それによりリスクヘッジできるので、債権譲渡登記なしでも問題ないのです。
2社間ファクタリングの場合債権譲渡登記なしは難しいケースもある
しかし、2社間ファクタリングの場合、売掛先の同意が必要ないので、二重譲渡や架空債権のファクタリングが行われるリスクがあります。
そのため、2社間ファクタリングを行う場合、債権譲渡登記なしではなく、債権譲渡登記を行うことがあります。
当然、登記にかかる費用も発生し、登記手続きも必要で、登記完了まで時間がかかります。
費用も時間もかかってしまうため、ファクタリングのメリットである迅速な資金調達ができなくなります。確かに売掛先にバレることはありませんが、これでは2社間ファクタリングのメリット「売掛先の同意が要らない分手続き完了が早くでき、迅速な資金調達が可能」というものが打ち消されてしまいます。
迅速な現金化を謳うファクタリングの中には債権譲渡登記なしの2社間ファクタリングが登場している
そこで2社間ファクタリングの迅速性を活かすため、債権譲渡登記なしでも受け付けるファクタリング会社が登場しています。
これで、債権譲渡なしとはいきませんが、2社間ファクタリングが持つ、
・迅速性
・売掛先にバレない
・信用情報が関係ない
というメリットを受けられます。その代わり、ファクタリング会社のリスクヘッジのため手数料率が高くなります。2社間ファクタリングの手数料率が3社間ファクタリングと比べて高いのは、債権譲渡登記せずに買い取った場合のリスクも勘案しています。
個人事業主は債権譲渡登記なしでファクタリングするしかない、債権譲渡登記できない
実は、債権譲渡登記を行うには法人の登記事項証明書が必要となります。必然的に、法人格であることが条件です。つまり個人事業主は債権譲渡登記できないことになります。
個人事業主が債権譲渡登記必要な2社間ファクタリングを行おうと思っても、債権譲渡登記を行うことができません。したがって、債権譲渡登記なしでできる(手数料率が高い)2社間ファクタリングか債権譲渡登記なしが原則の3社間ファクタリングを利用することになります。
ファクタリング会社の中に「法人限定」としているところがあるのは、こうした債権譲渡登記を求めるからというところもあるようです(単に少額の買い取りを受け付けず、高額買い取り限定にするため法人限定にしているところもあります)。
個人事業主の場合、債権譲渡登記を行わなくてもよいとするファクタリング会社でしかファクタリングできません。
しかし、最近は個人事業主に特化したファクタリング会社も登場しています。当然、債権譲渡登記なしでできますが、手数料率が低めに抑えられています。
クラウドソーシングサイトと連携したファクタリング会社は個人事業主を対象としたものであり、比較的簡単に利用できます。利用のハードルが低いと言えるでしょう。
ファクタリング会社を探す際には、個人事業主もOKというファクタリング会社を探してください。そのようなファクタリング会社は優良なところが多いです。
債権譲渡なしのファクタリングについて整理します
「債権譲渡なし」を債権譲渡登記なしとイメージする方もいますので、今回債権譲渡なしというキーワードをもとに記事を作成しました。最後に債権譲渡なしについてケース分けしてまとめます。
「債権譲渡なし」の意味 | 内容 |
---|---|
本当に債権譲渡なし | 2社間ファクタリングではない。動産担保融資なら債権譲渡なしで資金調達可能 |
確定債権の債権譲渡なし | 注文書ファクタリングや発注書ファクタリングなら可能な場合も |
債権譲渡「登記」なし | 3社間ファクタリングは可能 2社間ファクタリングは徐々に債権譲渡登記なし可能が増えている 個人事業主の場合、債権譲渡登記ができない |
債権譲渡なしはファクタリング(2社間ファクタリング)ではない、債権譲渡登記なしはあり得るがさまざまな条件、メリットやデメリットを知ることになります。
そもそも本当に債権譲渡なしができても、そうなると「期日に売掛金を受け取れないリスク」「債務不履行のリスク」はそのままみなさんが持っていることになります。
迅速な資金調達以外のファクタリングのメリットである「回収不能、貸し倒れリスクの移転」ができなくなります。それでは不渡りのリスクをすべてみなさんが受けることになります。
債権譲渡登記、ないし債権譲渡をするから、みなさんの回収不能リスクも軽減されます。債権譲渡なしは詐欺行為であり、まったく良いことがないので、ファクタリングではやめましょう。
債権譲渡なしで資金調達したいなら、動産担保融資(ABL)などを検討してみてください。
債権譲渡登記なしという意味での債権譲渡なしなら可能!迅速な資金調達ならばNo.1のファクタリングに!
債権譲渡なしはファクタリングではありません。
債権譲渡登記なしは2社間ファクタリングの一部で採用される可能性があります。
いずれにしても、債権譲渡登記なしでかつ低い手数料でできれば、みなさまの資金調達についてはおおむね満足できるはずです。
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