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ファクタリングは資金調達だけではない!貸借対照表をスリム化して企業評価を高めましょう!
ファクタリングは融資によらない資金調達方法として世の中に浸透しつつあります。ファクタリングによる資金調達は、融資ではないので、銀行法や貸金業法、利息制限法などの適用を受けず、当事者間の自由な契約によってなされます。
このことは、法律による厳格な審査ではなく、公序良俗違反、詐欺、脅迫など民法の一般原則に反しない限り、当事者間の合意を優先するもので、臨機応変、迅速な資金調達を可能にしています。
しかし、ファクタリングは、現金や預金がなく融資では間に合わない事業者が、融資の代わりの資金調達として行うばかりではありません。
ファクタリングによって融資の場合とは異なる貸借対照表の動きを表します。これが会社の経営にとって大きなメリットを生みます。この貸借対照表の動きの1つが「オフバランス化」です。
ファクタリングによって貸借対照表から売掛金勘定がオフバランス化することで会社経営にとってどのような影響、つまりメリット(やデメリット)があるのでしょうか?
今回はファクタリングによる貸借対照表への影響を「オフバランス化」という観点から説明いたします。
貸借対照表の基本をチェック
まず貸借対照表について簡単に説明します。貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは、企業や団体の、ある時点(会計上の期末が多い)の財務状態を、資産の部を左側に、負債及び資本(総資産)の部を右側に記し、総合的な損益額も明らかになるようにまとめた表を指します。「バランス・シート」とも呼ばれています。
年度末決算時に、確定申告書などに添付しますが、期中でも会計ソフトの「試算表」などの機能を使えば作成可能です。
貸借対照表は以下のような構成をしています。
資産 | 負債 |
資本(総資産) |
資産=負債+資本
これが貸借対照表の大前提です。資産が増えると、負債+総資産の数字も増えます。逆に負債、つまり融資による借入が増えると、資産の「普通預金」の勘定科目が合わせて増えます。
融資による借入は資産を減らすイメージがありますが、実際には「預金」という資産を増やすことになります。借入をすれば口座に振り込まれるので、資産も増えるのです。
それを踏まえて、貸借対照表のあり方について考えていきましょう。
ファクタリングと貸借対照表
ファクタリングを行う際の貸借対照表の動きについて、考えていきましょう。
ファクタリングの前提となる売掛債権は、請求書発行日に売上として計上されます。計上された売上は「売掛金」、売掛債権(売掛金)は会社の資産になります。
ちなみにその際の仕訳は以下になります。今回は100万円の売上、売掛金で考えます。
借方 | 貸方 |
---|---|
売掛金 ¥1,000,000 | 売上 ¥1,000,000 |
売掛金は資産になります。「売上相当額をもらう権利、債権」なので資産として考えます。資産は貸借対照表の左側です。売掛金が多いとそれによって貸借対照表の左右の数字も大きくなります。
これがくせ者です。売掛金が多くなりすぎると、これは会社の肥大化を意味します。
実際の売掛金はまだ現金化されておらず、自己資本として計算できません。現預金は何かあった時に融資によらない資金として使えますが、売掛金はすぐに自社の経営に使えないのです。資産として計上しているのにいざという時に使えないお金が売掛金で、それが貸借対照表からわかります。
売掛金が多い=資産が多い=しかしキャッシュ(自己資本)として計算できない、という困った状態になります。
売掛金によって貸借対照表の資産が膨らみ、結果として貸借対照表のボリューム感が増します、その結果、金融機関などからの評価が悪くなります。
貸借対照表の数字が結果として大きくなり、非効率的な経営を行っているのでは?とマイナス評価を受けやすくなります。
数だけ多い役に立たない軍隊よりも、精鋭だけで構成された小回りの利く海兵隊の方が評価が高いのと同じ理屈です。
もっと言うと、資産計上されている売掛金が回収する見込みがなく、不良債権化した売掛債権をいつまでも資産計上しているのでは?と邪推されます。
結果、その貸借対照表は粉飾決算では?という評価にもつながります。
不良債権はもはや資産ではなく負債です。実際には回収可能な売掛金(売掛債権)でも、その金額が多い場合、不良債権を資産計上してごまかしていると取られかねません。
なるべく、不良債権という疑義を持たれないようにするため、貸借対照表の売掛金勘定を減らすのが得策だと思われます。
ファクタリングによる貸借対照表のオフバランス化
貸借対照表に計上されている売掛金は、ファクタリングすることで現金化され、勘定科目が「現預金」にコンバートします。
現預金は流動資産であり、自社のキャッシュフローとしても計算できます。
現預金は「今そこにあり今使えるお金」なので、売掛金のように粉飾の疑義を挟む余地が少なくなります。
ファクタリングによって「売掛金」を現金化することで、決算書、試算表上の、売掛金勘定が減ります(消えます)。
それによって、スリムで効率的な経営を行っているという外部評価になります。この貸借対照表のスリム化を「オフバランス化」と言います。バランスシート(貸借対照表)から売掛金が「オフする」(消える)のでオフバランス化です。
ファクタリングは緊急時の資金調達としてだけではなく、貸借対照表をスリム化し、金融機関など外部からの受けを良くするために使うこともあります。
オフバランス化しても資産であることは変わりません。勘定科目が「売掛金」から「現預金」に代わるだけで、「資産=負債+資本」の数字自体はスリム化しないのでは?と思われるかもしれませんが、実際はスリム化します。
実は、現金化(売掛金を売却する)の段階で、ファクタリング手数料を取られる分資産が減ります。
逆に、融資による資金調達の場合は資産が減らないばかりか、調達した資金と同額の負債も増え貸借対照表は肥大化してしまいます。
これがファクタリングによる資金調達=オフバランス化と融資の明確な違いになります。
ファクタリングによるオフバランス化と融資の明確な違い
ファクタリングによるオフバランス化と融資との違いを分かりやすくするため、両者を比べてみましょう。
まず、このような貸借対照表があります。
資産 | 負債 |
---|---|
現金 4,000,000円 | 借入金 1,000,000円 |
売掛金 1,000,000円 | 資本(総資産) |
資本金 4,000,000円(利益1,000,000円) | |
合計 5,000,000円 | 合計 5,000,000円 |
この貸借対照表を持っている会社が100万円に近い資金調達をするため、ファクタリングしたケース(100万円の売掛金を売却)と融資を受けた場合の貸借対照表の変化を見てみましょう。
ファクタリングによる資金調達をした場合
手数料10%でファクタリングしました。買取率は考えません(100%とします)。この場合、貸借対照表は以下のように変わります。手数料は100万円×10%=10万円です。
資産 | 負債 |
---|---|
現金 4,900,000円 | 借入金 1,000,000円 |
資本(総資産) | |
資本金 3,900,000円(利益900,000円) | |
合計 4,900,000円 | 合計 4,900,000円 |
貸借対照表の「売掛金」勘定がなくなり、スリム化、さらに貸借対照表の左右が10万円減りもう1段のスリム化。売掛金勘定が消え、結果的にオフバランス化ができました。このようにファクタリングは貸借対照表をスリムにします。
融資で資金調達した場合
一方、資金調達を融資で行った場合はこうなります。100万円を融資で調達したと仮定します。
資産 | 負債 |
---|---|
現金 5,000,000円 | 借入金 2,000,000円 |
売掛金 1,000,000円 | 資本(総資産) |
資本金 4,000,000円(利益1,000,000円) | |
合計 6,000,000円 | 合計 6,000,000円 |
売掛金勘定は残り、さらに貸借対照表の左右とも500万円→600万円に増えてしまいました。
貸借対照表は結果的に「肥大化」してしまいました。
同じくらいの金額を資金調達する場合、ファクタリングと融資では、資金調達したあとの貸借対照表の数字が上記のように大きく変わります。
言うまでもなく、その後の外部評価がいいのは、スリム化して「海兵隊化」したファクタリングになります。
オフバランス化の効果はこのようにはっきりわかります。同じ資金調達でも融資では負債が膨らむのに対して。ファクタリングでは資産が減りながらもすぐに使える「現預金」勘定が増え、キャッシュフローとして計算できるようになります。
キャッシュフローがある会社が、良い経営を行っていて、逆境にも強く、いざという時に金融機関などの援助も受けやすくなります。
ファクタリングは、信用情報に記載されない行為ですので、任意のタイミングで行うことで、意図的なオフバランス化を可能にします。
ファクタリングによる資産勘定(売掛金勘定)の「オフバランス化」は、債権を流動化させ、貸借対照表、決算書や試算表から「売掛手形」や「売掛金」の勘定科目を消していきます(「バランス」を「オフ」にします)。
さらに、手数料分の資産が減り貸借対照表の数字や勘定科目の数が減る、つまり、スリム化します。太った使えない数だけ多い歩兵ではなく、少数精鋭の海兵隊へ経営を生まれ変わらせます。
ファクタリングによるメリットは急な資金調達だけではないことがお分かりいただけるはずです。
ファクタリングによる貸借対照表からのオフバランス化のメリット
このように、ファクタリングによって売掛債権を売却することで、メリットが多くなります。もう少しメリットについて考えてみましょう。
貸借対照表のスリム化、無駄のない経営
ファクタリングによるオフバランス化によって「売掛金」勘定がなくなります。売掛金では不良債権化していて、本当に回収できるかわからない不安があります。
貸し倒れリスクがある不良債権化した「売掛金」勘定は贅肉のかたまりのようなものです。それらをファクタリングによってそぎ落とし、筋肉質の海兵隊のような会社を作れます。
経営に「資金的余力」(緊急時の資金などのキャッシュ)は必要ですが、売掛金はすぐに使えるお金ではないので、いざという時の自己資本として計算できません。
ファクタリングによるオフバランス化で、それらをすぐに使えるキャッシュに換えます。
金融機関からの審査の際にプラス評価
オフバランス化が達成されることで、融資の際の金融機関からの評価が大きくプラスになります。
資産の勘定項目を少なくして、かつ利益が上がっていれば、効率的、機能的な経営の証拠になります。まさに海兵隊のような運用です。
オフバランス化によって、現預金=流動資産を増やすことは融資を行う金融機関にとっても大きな安心材料になります。
ファクタリングによる資金調達ではなく、金融機関からすでに融資を受けている場合、上述のように「負債」(流動負債や固定負債)が膨らみます。
返済義務のある負債が多い事業者にさらなる返済義務を負わせる貸し付けをしたいと思う金融機関は少ないはずです。したがって、融資が多いと金融機関からの評価は低くならざるをえません。
理想的な「キャッシュフロー経営」の実現に役立つ
望ましい経営の在り方として「キャッシュフロー経営」が近年注目されています。
キャッシュフロー経営とは、融資によらず潤沢なキャッシュ(現金、預金、資本金)を手元に用意して、何かあれば機動的にそれを使える経営です。
融資は申請、審査、振り込みまでに時間がかかります。また、上述のように融資は負債になり、返済義務に追われます。負債が多いことで、企業の評価が下がってしまうのも上述のとおりです。
手元に「遊び」としてキャッシュがあれば何かあった時に迅速に動けます。それにより不測の事態を回避できる可能性が高くなります。
損益計算書に示される会計上の利益だけを考慮して、黒字だった、これで自社の経営は大丈夫、と判断するのではなく、貸借対照表上も、すぐに使えるキャッシュを資本の中に確保するのが大切です。
売掛金が多ければ、貸借対照表上、見かけの資産も増え、会計上は黒字になりますが、それが貸し倒れになると、反転して負債になってしまい赤字要因になります。
売掛金は実際にすぐ使える手元のキャッシュではありません。ファクタリングによって売掛金を現金に換えることで、すぐに負債(借入金)を計上せず、現金、預金を準備できます。
その結果、キャッシュフロー経営の目的に近づきます。
キャッシュフロー経営を実践していると、借入や負債の少ない経営になるので、いざというとき、ファクタリングではない金融機関から多額の融資を受けたいケースに対応できます。
負債がなく、現預金、つまりキャッシュが多い会社ならば、金融機関からの評価もよくなり、返済能力も問題なしで融資が出やすくなります。
ファクタリングによる貸借対照表からのオフバランス化のデメリット
ファクタリングによって貸借対照表をスリム化、売掛金勘定をオフバランス化することにこのようなメリットがありますが、デメリットについても押さえておきましょう。
ファクタリングは資金調達方法の中でも、自社の資産、財産を換金する「アセットファイナンス」に該当します。
ファクタリングによって貸借対照表からの売掛金オフバランス化が実現します。バランス・シートのスリム化はできますが、結果的に売掛債権(アセット)を換金してしまっているので、いざという時に現金化できる資産を失います。
ひょっとすると、ファクタリングした売掛債権はもっと緊急時に使うべきもので、他の資金調達方法を選ぶ方がよかった可能性があります。多少の売掛金は、金融機関の評価をそこまで下げません。
明らかに不良債権化しているとわかる数千万円だったり数億円の売掛金があれば、マイナス評価になりますが、上の事例で示した100万円の売掛金くらいならば、まったく金融機関の審査に響かない可能性があります。もちろん、オフバランス化することでマイナスにはなりません。
つまり、売掛金(売掛債権)をいざという時の「保険」として所有しておくのも1つの方法です。
ファクタリングによって現金化してしまうことに慣れてしまうと、常に手元にキャッシュがあるため、無駄遣いしがちになります。お財布にお金があると使ってしまうタイプの人が経営者だと、オフバランス化がマイナスに作用するかもしれません。
不良債権化した売掛金をそのまま資産勘定にしてしまうのは、典型的な粉飾決算ですが、逆に本当はオフバランス化してはならないものもオフバランス化して消してしまう粉飾決算もあります。
前々期は多額の売掛金を資産計上し、前期(あるいは当期)はまったく計上しないと、粉飾決算を疑われる可能性があるため「ファクタリングで売却した」としっかり経緯や目的なども含めて説明できるようにしておいてください。
資金調達以外の目的で売掛金を売却し貸借対照表からのオフバランス化をすることのまとめ
以上まとめると、ファクタリングによって貸借対照表をオフバランス化することで、経営をスリム化でき、機動的な経営を可能にします。これはファクタリングの副次的な効果ですが、結果としてキャッシュフロー経営の実現につながります。
売掛金が多い経営はマイナスですが、キャッシュ(現金、預金)が多い経営をマイナス評価するケースはあまりありません。
金融機関からの借入=負債が多い状態よりもはるかに健全です。
資金調達する必要がない事業者も、キャッシュフロー経営を目指して、回収サイトが長い売掛金をあえてファクタリングしてしまうことで、オフバランス化、経営のスリム化を達成できます。
巨額の設備投資など大型の融資を考えている場合、融資申し込み前に、売掛金を全部ファクタリングして徹底的な貸借対照表からのオフバランス化(貸借対照表から売掛金勘定を消す)を目指すのも戦略としてありです。
絶対にしなければならないものではありませんが、経営手法としてファクタリングによる貸借対照表から売掛金勘定を消すオフバランス化という手法を知っていると多様な経営戦略を選べます。
ファクタリングはイコール(迅速な)資金調達だけではないことをぜひ知ってください。
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ファクタリングは資金調達だけではなく、売掛金を貸借対照表から消してスリム化するオフバランス効果も期待できます。
オフバランス化によって金融機関などからの評価が高くなり、すぐに使えるキャッシュが増えます。キャッシュフロー経営を目指すためには、ファクタリングを効果的に利用することが効果的です。
「株式会社No.1」は歴史と実績があるファクタリング会社です。迅速な売掛債権の買い取りだけではなく、貸借対照表からのオフバランス化にも協力いたします。
迅速な資金調達でないならば、しっかり売掛金を査定し、リスクが低いと分かれば高く買い取ります。
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