カテゴリー: ファクタリング

介護報酬を国保連から受け取るより先に現金化!介護報酬ファクタリングの概要について解説!

介護事業者は病院やクリニックなど医療機関以上に資金繰りに困ることがあり、キャッシュフローを常に一定程度確保することが大切になります。

病院やクリニック以上に資金使途が幅広く、利用者数も繁閑差があり、常に安定した収入が確保できません。

資金繰り悪化を防ぐ1つの方法として、介護事業者が国保連(国民健康保険団体連合会)に請求する介護報酬債権を譲渡する「介護報酬ファクタリング」という手法があります。

今回は「介護報酬ファクタリング」及び国保連とのやりとりについて解説します。うまく「介護報酬ファクタリング」を利用できれば、資金繰り、キャッシュフロー改善に寄与するはずです。

介護報酬ファクタリングの仕組み

介護事業者は、日々利用者に提供する介護サービスの報酬について、利用者の自己負担分+介護保険で賄っています。

介護保険は国民健康保険団体連合会(国保連)に対して請求します。請求された介護保険債権(介護給付を受け取る権利)はいわば「売掛金」であり、一定期間後国保連から介護事業者へ支払われます。

この「介護保険請求→国保連からの給付」までの期間が平均すると約2か月です。つまり、売掛金のサイトが60日ということになります。ここで売上があるのに資金がショートし、キャッシュフローがない事態が想定されます。

介護事業者は医療機関よりも資金繰りに窮することが多く、この60日の売掛金サイトによって経営がピンチに陥りかねません。そのリスクを減らすのが、介護報酬ファクタリングになります。

介護報酬債権をファクタリング会社に売却する

介護報酬は、介護サービス提供後、窓口で利用者から1割~3割の負担をしていただき、残りの7割~9割は2か月後に国保連から受け取るシステムです。

つまり、利用者以外の診療報酬は一種の「売掛金」になっていて、そのサイト(入金までの期間)に運転資金等がショートしてしまう可能性があり、それを防ぐための「介護報酬ファクタリング」です。

この「2か月後に国保連から介護報酬を受け取る権利」を売掛債権とみなしてファクタリング会社に買い取ってもらうのが介護報酬ファクタリングです。

介護保険適用のサービスを提供している事業所であればどこでも利用可能です。

介護報酬ファクタリングは「3社間ファクタリング」の枠組みで行う

介護報酬ファクタリングは、申請者(介護事業者)、ファクタリング会社、そして国保連の3者が同意して行う「3社間ファクタリング」の枠組みで行います。

3社間ファクタリングのデメリットとして、取引先に印象が悪くなるというものがありますが、介護報酬について国保連は全国無数にある介護事業者の1つとしてしか申請者をみなさないので、まったく気にせず、マイナスになりません。

そもそも国保連が介護事業者との取引をやめることはないわけで、3社間ファクタリングで介護事業者が資金繰りに困っていることがわかっても、正直まったく気にしません。

ファクタリング会社の立場からしても、国保連が介護報酬の支払いができなくなる=倒産することはあり得ないので(介護制度が崩壊し、日本の危機)、2社間ファクタリングよりも、よりリスクヘッジ要素の強い3社間ファクタリングの仕組みを安心して利用できます。国保連は倒産しません。

介護報酬ファクタリングは3社間ファクタリングであることで

  • 申請者(債権者)→バレてもデメリットがない
  • ファクタリング会社→回収先の国保連の倒産がありえない=回収漏れがない
  • 債務者(国保連)→個々の介護事業者の経営はどうでもいい

ということで、それぞれ3社間ファクタリングの枠組みを使ってもリスクがあまりないのです。

介護報酬ファクタリングの「掛け目」は80%前後!なぜ?

介護報酬ファクタリングの特徴として、外語報酬債権の売却額上限=掛け目(かけめ)が約80%になります。

つまり、介護報酬が300万円の場合、買取上限が240万円前後になり、残り60万円は買い取り対象外となります。

買取上限額に手数料率をかけて、それを減じた金額が申請者の手取りになります。

このようにイメージしてください。

掛け目80%、手数料0.5%、サイト60日で、300万円の介護報酬債権の買い取りを依頼

7月1日  国保連への介護保険給付費請求:300万円
7月20日 ファクタリング依頼
買い取り額 300万円×80%-(300万円×80%)×0.5%
=240万円-1万2千円
=238万8千円 で買取
9月30日 国保連から申請者に300万円-240万円=60万円入金
国保連からファクタリング会社に240万円入金

となります。結局、申請者(介護事業者)の損は1万2千円程度なので、大きな経営上のリスクになりません。

介護報酬ファクタリングの手数料率は「0.25%~1%」が相場であり、一般的な3社間ファクタリングの相場「1%~9%」よりももう1段低くなっています。

これは、国保連が倒産することはありえないことが多く影響しています。ファクタリング会社としては国保連を含めて3社間ファクタリングを契約すれば、回収漏れリスクはほぼなくなります。

しかし、それなら掛け目80%でなく100%でもよいのでは?と思われるかもしれません。実は、介護事業者が提出した介護給付費請求書と介護給付費明細書が、100%認められるとは限らないという事情があるからです。

病院で診察を受け、薬をもらった時も、保険診療が後から却下された、あるいは1割負担の「自立支援医療」が認められず3割負担になったというケースがあります。それと似たことが介護保険でも起きるので、余裕をもって確実に保険請求が認められる範囲として80%と設定しています。

国保連の審査によって介護報酬額が削減される可能性があります。

介護報酬ファクタリングの流れ

介護報酬ファクタリングの流れは、通常の3社間ファクタリングや「診療報酬ファクタリング」とほぼ同じです。

以下の流れを覚えておいてください。

  1. 介護事業者申請者)とファクタリング会社で債権譲渡契約を結ぶ
  2. 契約締結後、申請者とファクタリング会社の連名で国保連に通知、3社間ファクタリング契約成立
  3. ファクタリング会社が介護報酬債権の約80%(掛け目)(-手数料)を買い取り代金として介護事業者に支払う
  4. 支払期日になると国保連がファクタリング会社に介護報酬を支払う
  5. 先に申請者(介護事業者)に支払った80%の残り20%を申請者(介護事業者)に「返金」する

ファクタリング会社にとって介護事業者は貸し倒れリスクの低いお客様であり、返済してもらえないリスクが低いので、通常のファクタリングと比較して低い手数料でファクタリングできます。

介護報酬ファクタリングのメリットとデメリット

介護報酬ファクタリングはどのようなメリットとデメリットがあるのかまとめてみました。

介護報酬ファクタリングのメリット

通常よりも早く介護報酬が受け取れる

売掛債権を買取しますので、通常の支払いサイトよりも早く現金化できます。手数料も安いのであまり損せず、期日前にキャッシュフローが改善します。

融資のように審査に時間がかからないので、迅速に資金調達できます。

カードローンなどの貸金よりも手数料が安い

ファクタリングは融資と比べて、金利換算すると法外に高い、利息制限法をはるかに超えた高金利になると言われますが、介護報酬ファクタリングについては例外です。

手数料率0.5%(上記事例)を年利換算してみましょう。

0.5%÷2か月(売掛金回収サイト)=0.25%
0.25%×12か月=3%

3%であれば、全然金利として低く、カードローンや消費者金融で融資を受けるよりもはるかに健全です。ちなみに、介護報酬ファクタリングの手数料上限ともいわれる1%の場合、年利換算すると

1%÷2×12=6%

これでも、カードローンなどよりはるかに低利率です。当然、利息制限法の上限20%よりも低く、融資と考えてもまったく問題ありません。

担保や連帯保証人が要らない

融資のように担保や保証人の準備がいりません。介護給付費請求書と介護給付費明細書が公的な担保であり保証人になります。介護報酬債権自体が、国が保証人になっているようなものです。

初月のみ2か月分の入金になり資金需要増に対応可能

初月のみ2か月分というのは、介護報酬のサイトは2か月であり、7月にはじめてファクタリングすると、8月入金分と9月入金分、2回分の売上を一気に現金化できるメリットがあります。

介護報酬ファクタリングのデメリット

一方でデメリットも知っておいてください。

掛け目があり介護報酬全額を受け取れない

介護報酬ファクタリングは貸し倒れのリスクがとても低いものの、国保連に申請した介護保険報酬全額認められるかどうかわからない部分があるため、掛け目約80%が設定されています。

請求額全額をファクタリングによって事前に現金化できないので注意してください。掛け目を引いた金額については、本来の入金日に受取れます。

債権額以上の資金調達はできない

ファクタリングは融資ではないので、介護保険債権を担保により高額の資金調達はできません。最大でも介護保険債権×掛け目の金額となります。

それよりも高額の資金調達をしたい場合は、素直に融資を申し込むことになります。

ファクタリングが「癖」になってしまう

介護報酬ファクタリングの場合手数料がそこまで高くないのですが、一般的にファクタリング依存になってしまうケースが多いのです。特に給料ファクタリングや2社間ファクタリングをやっていると、カードのリボ払いのようにどんどん依存していき、結果的に資金繰りが悪化してしまいます。

あくまでファクタリングは計画的に必要最小限に抑えるべきであり、介護報酬ファクタリングの場合、介護事業者として申し込むので、しっかりとした資金計画を立てないと、手取り報酬が少なくなってしまいます。少額でも本来受け取る介護報酬を手数料として失ってしまうことは肝に銘じてください。

まとめ

介護報酬ファクタリングは介護事業者がファクタリング会社、国保連と締結する3社間ファクタリングです。国保連の倒産はまずありえず、そのため回収漏れ、貸し倒れリスクがないので、手数料が低く、融資と同程度の金利(換算)で、融資以上に迅速な資金調達が可能です。

1つの資金調達方法、キャッシュフロー改善法として知っておいて損はなく、ぜひ一度当社「株式会社№1」までお問い合わせください。

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