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延現金の負担はファクタリングで解消!ファクタリングの際の注意点も解説
「延現金」「期日払い」「期日現金」「延現金払い」「期日現金払い」
最近、このような言葉を耳にすることが増えました。
これらは全て、支払期日を後日に繰り延べるものであり、信用取引の一種です。
大企業の間で広がっている取引手法ですが、手形取引や掛け取引などに比べて売り手企業の負担が大きいのが問題です。
延現金を受け入れると、資金繰り負担が高まり、経営が悪化する危険があります。
しかし、延現金の問題はファクタリングによって解消することも可能です。
この記事では、延現金の基礎知識、ファクタリングによる負担の解消、ファクタリングの際の注意点などを解説します。
延現金とは?
延現金は、正式には「延現金払い」と呼ばれる決済方法です。
文字通り支払いを後日に繰り延べることであり、信用取引の一種といえます。
売り手企業は、売掛先に対して商品を納入した後に支払確認書を受け取り、約束した期日に代金の支払いを受けます。
しかし、これでは手形取引や掛け取引との違いが分かりにくいでしょう。
売掛先から延現金を希望された場合、他の信用取引とあまり変わらないと考えて応じてしまうと、資金繰りが悪化する危険があるため注意が必要です。
延現金は、手形取引や掛け取引とは大きな違いがあります。
延現金と手形取引の違い
まず、延現金と手形取引の違いからみていきましょう。
手形取引も信用取引の一種です。
買い手企業は、後日の支払いを約束して「約束手形」を振り出します。
売り手企業は決済期日まで手形を管理しておき、後日回収する流れです。
延現金も、支払いを後日に繰り延べるのですから、手形取引と似ています。
延現金と手形取引の最大の違いは、「有価証券である手形を介して取引するかどうか」に尽きます。
手形によって取引するのが手形取引、手形を使わずに取引するのが延現金です。
手形取引で売り手企業が受け取る「受取手形」には券面としての実体があり、財産的価値のある「有価証券」とみなされます。
このため、裏書譲渡することで支払いに充てる、手形割引することで資金を調達するなど、様々な利用が可能です。
しかし延現金は、手形を介してやり取りしません。
簡単に言えば、延現金は従来の手形取引の仕組みを、手形なしでやり取りするものです。
買い手企業は、手形を振り出す代わりに、支払確認書を発行するだけです。
支払確認書は、後日の支払い内容を双方で確認する書類であり、有価証券ではありません。
したがって、裏書譲渡や手形割引のように活用することも不可能です。
延現金と掛け取引の違い
延現金と手形取引は、「手形」という分かりやすいアイコンがありますから、違いも簡単に分かります。
これに対し、延現金と掛け取引の違いはやや分かりにくいです。
なぜならば、掛け取引も手形を使わないからです。
掛け取引で商品を売ることを「掛け売り」といいます。
商品を納入後に請求書を発行し、売掛先が請求書を受理した時点で売掛金が発生します。
後日、請求内容に明記されている支払期日に合わせて、売掛先は代金を支払う流れです。
このように、掛け取引でも手形を使いません。
延現金と掛け取引の違いは、支払サイトにあります。
支払サイトとは、請求内容が確定してから、代金を支払うまでの期間のことです。
- 延現金の支払サイト・・・売掛先(買い手企業)が支払確認書を発行してから、代金を支払うまでの期間
- 掛け取引の支払サイト・・・自社(売り手企業)が請求書を発行してから、代金を支払うまでの期間
掛け取引の支払サイトは、30日程度が一般的です。
これに対し、延現金の支払サイトは60日・90日・120日など、掛け取引に比べて長く設定されます。
上記で、「延現金は従来の手形取引の仕組みを、手形なしでやり取りするもの」と述べました。
延現金の支払サイトは、手形取引の支払サイトと変わらないため、このように長く設定されるのです。
延現金と掛け取引は、手形を使わない点で似ていますが、支払サイトが大きく異なる点に注意してください。
延現金は売掛先に有利
延現金は、主に大企業を中心に広がっています。
これは、商習慣の変化によるものです。
近年、手形取引の利用が大幅に減少しており、政府も手形取引の廃止を目指しています。
今後も手形取引は減少していくことでしょう。
手形取引の場合、券面としての実体がある約束手形を利用するためコストがかかります。
大企業は、多くの中小企業と取引しており、取引額も大きいため、手形の取引に多くのコストがかかります。
また、手形取引はアナログな取引手法であり、デジタル化が著しい現代にミスマッチなことも問題です。
これまで手形取引を利用してきた大企業にとって、手形取引から延現金に切り替えることは大きなメリットがあります。
手形コストを削減できる
まず、延現金に切り替えることによって、手形コストを大幅に削減できます。
手形取引では、売掛先(買い手企業)は様々なコストを負担しなければなりません。
その筆頭が、印紙代です。
手形を振り出す際には手形帳に金額を印字し、金額に応じた印紙を貼り付ける必要があります。
額面によって印紙代はまちまちですが、おおむね額面金額の0.01~0.10%程度です。
額面1億円の手形の印紙代は6万円です。
パーセンテージでみるとわずかな金額に思えますが、手形取引を続けるかぎりこの印紙代がかかり続けるのですから、長期的にみれば非常に大きな負担となります。
また、手形の振り出しは人の手によって行われるため、事務負担という「目に見えないコスト」も避けられません。
この「目に見えないコスト」が、意外に大きな負担になります。
例えば、手形は分割できませんから、裏書譲渡や手形割引の利便性を考えると、受取企業としては小分けにしたいもの。
額面1億円の手形を「2000万円×5枚にしてほしい」などと希望されることも多いです。
その場合、印紙代は6万円から10万円へ約1.7倍に、事務負担は5倍になります。
このほか、手形取引には「不渡り制度」があります。
万が一、手形を決済できなくなれば、振り出し企業は銀行取引を停止されるリスクがあるのです。
手形取引から延現金に切り替えることで、手形を振り出す必要がなくなるため、手形コストをまるごと削減でき、万が一のリスクにも備えることができます。
このような理由によって、延現金への切り替えが進んでいるのです。
支払サイトを維持しやすい
また、支払サイトを維持しやすいこともメリットといえます。
手形取引の支払サイトは、60日・90日・120日などが一般的であり、支払いを大きく先延ばしできるのが大きなメリットです。
通常、手形取引から延現金に切り替える際には、買い手企業から売り手企業に対し、「条件はこのままで切り替えたい」と依頼します。
延現金を利用する企業の多くは大企業であり、パワーバランスは「買い手企業>売り手企業」です。
このため、売り手企業は「支払サイトが長くなるわけでもないし…」と考え、受け入れてしまうことも多いです。
買い手企業は支払サイトを維持したまま手形コストを削減できるのですから、丸儲けといえます。
ただし、現在政府は下請法の強化に取り組んでおり、支払サイトにも制限をかけています。
下請法が適用される場合、売掛金の支払サイトは最大で60日です。
とはいえ、買い手企業が下請法を遵守したとしても、支払サイトは下請法ギリギリの60日に設定されることがほとんどです。
売掛金の一般的な支払サイトは30日ですから、その倍に設定できる延現金は売掛先にとって大きなメリットがあるといえます。
自社にはデメリットが多い
自社が売り手の場合、残念ながら延現金にはほとんどメリットがありません。
考えられるメリットは、受取手形の管理コストを削減できることです。
以下の述べるデメリットと比較すれば、このメリットは取るに足りません。
回収サイトが長い
延現金の特徴は、支払サイトが長いことです。
自社が売り手、つまり売掛金を回収する側の立場からみると、これは「回収サイトが長い」ことにほかなりません。
回収サイトとは、売掛金が発生してから代金を回収するまでの期間のことです。
この期間が長くなるほど、資金繰りが苦しくなります。
なぜならば、売掛金は代金を一時的に(支払期日までの期間中)自社が立て替えておくものだからです。
回収サイトの長期化は、代金の立て替え期間が長くなることを意味します。
自社の手元資金が潤沢であれば問題ないでしょうが、多くの中小企業は手元資金が乏しい中でやり繰りしており、回収サイトの長期化は資金繰りの大きな負担になります。
これが、延現金の最大のデメリットです。
手形割引が利用できなくなる
また、手形取引から延現金に切り替えることにより、手形を受け取れなくなることも大きなデメリットです。
手形は、上手に使えば現金と同じ効果を発揮します。
まず、手形は裏書譲渡が可能ですから、支払いに充てることができます。
手元に現金がない場合にも、現金と同じように手形を使えるのです。
また、手形割引にも利用できます。
手形割引は、銀行や手形割引業者に手形を買い取ってもらい、支払期日前に代金を回収する仕組みです。
融資などに比べて手軽に資金調達できるため、何かと便利な方法です。
延現金に切り替えると、手形ではなく支払確認書を受け取ることになります。
支払確認書は手形のように、裏書や割引に利用できません。
手形の活用による柔軟な資金繰りができなくなり、資金繰りが一層苦しくなります。
回収不能リスクが高まる
回収不能リスクが高まることも忘れてはいけません。
手形取引から延現金に切り替えると、回収不能リスクは確実に高まります。
手形取引の場合、手形を振り出した取引先はよほどのことがない限り代金を支払うものです。
手形の不渡りを起こせば信用を大きく損ない、最悪の場合(半年以内に2回の不渡りで)銀行から取引停止処分を受けます。
実質的な経営破綻に陥るのですから、何としてでも不渡りを避けなければなりません。
延現金には、このようなペナルティがありません。
法的には、売掛金は「私人間の契約によるもの」とみなされ、手形のような強制力がないのです。
どうしても支払えなくなれば、債権者(売り手企業)に「支払えません」「〇月〇日まで待ってください」などと言えば良いだけです。
もちろん、支払遅延によって信用を大きく損ないますが、銀行から取引停止処分を受けて実質破綻に陥ることはありません。
もし、取引先が複数の売り手企業に対して、延現金と手形取引を併用していたらどうなるでしょうか。
間違いなく、ペナルティのある手形の支払いを優先し、ペナルティのない延現金の支払いを後回しにします。
自社が延現金を受け入れている場合、支払いが後回しになり、資金繰りがさらに悪化します。
もちろん、最終的に回収不能に陥る可能性も高いです。
ファクタリングを活用しよう!
以上のように、延現金は自社にとってデメリットばかりですから、正直にいえば断りたいところ。
しかし、延現金を持ち出される場合、力関係が「買い手企業>売り手企業」になるのが普通です。
買い手企業は、延現金を受け入れない会社との取引を打ち切り、延現金を受け入れてくれる別の会社と取引しても良いわけです。
したがって、ある程度交渉するとしても、頑なに拒否することは現実的ではありません。
そこで、延現金を受け入れつつ、資金繰り負担や回収不能リスクの問題に対処していく必要があります。
そこで役立つのがファクタリングです。
ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に売却する資金調達方法です。
経済産業省も、売掛債権の活用による資金調達の多様化を促すために、ファクタリングを推奨しています。
3社間ファクタリングも利用しやすい
ファクタリングの方式には、以下の2種類があります。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(延現金の売り手企業)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- 3社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社、ファクタリング会社、売掛先(延現金の買い手企業)の3社間で取引する方式
方式による違いは「売掛先が関与するかどうか」です。
利用会社の多くは、売掛先に知られずに利用できる2社間ファクタリングを選びます。
ファクタリングの利用を知られると、「銀行融資を受けられないのでは?(経営が悪化しているのでは?)」という疑いを抱かれ、信用が悪化する恐れがあるためです。
延現金の場合、3社間ファクタリングの利用も視野に入れましょう。
「手形取引から延現金に切り替えたい売掛先」と、「資金繰りの負担を避けたい自社」が交渉する際に、3社間ファクタリングが妥協点になるからです。
3社間ファクタリングは2社間ファクタリングに比べて、資金調達に多少時間がかかるものの、手数料が安いのでおすすめです。
ファクタリングで回収サイトを短縮できる
延現金の回収サイトは、短くとも60日以上になることがほとんどですが、ファクタリングによって即座に売掛金を回収できます。
掛け取引の売掛金でも、延現金の売掛金でも、その売掛金の買い取りによって収益が見込める限り、ファクタリング会社は買い取ります。
ファクタリングに要する時間は、2社間ファクタリングならば最短即日、3社間ファクタリングならば最短1週間程度です。
回収サイト60日の売掛金も、2社間ファクタリングで即日資金化することで、実質的な回収サイトを0日に短縮できます。
3社間ファクタリングを利用する場合にも、回収サイトを大幅に短縮できることは変わりません。
延現金の最大の問題点は回収サイトの長期化ですが、ファクタリングを活用すればこの問題を素早く解決できます。
もちろん、スピーディに資金調達できるメリットを活かし、緊急の資金需要に対応することも可能です。
回収不能リスクを回避できる
ファクタリング契約は、原則的にノンリコースです。
ノンリコースとは、回収不能時に元の債権者(ファクタリングの利用会社)に買戻しを求める「償還請求権」がないことを意味します。
このため、売掛先が経営難に陥って売掛金を回収できなくなった場合にも、自社はファクタリング会社に対して何ら責任を負いません。
つまり、ファクタリングには「回収不能リスクをファクタリング会社に移転できる」というメリットがあり、リスクマネジメントに非常に役立つのです。
上記でも述べた通り、延現金を受け入れることで回収不能リスクが高まりますが、この問題もファクタリングによって解消できます。
手形取引は、受け取った手形を割り引くことで資金を調達できますが、手形割引は償還請求権付きのリコース契約です。
割り引いた手形が不渡りになった場合、自社が必ず買い戻す必要があるため、リスクマネジメントの効果は期待できません。
たとえ延現金に変わっても、ファクタリングを活用して回収不能リスクを回避するならば、手形取引よりも資金調達環境が良くなります。
延現金をファクタリングする際の注意点
延現金の問題の多くは、ファクタリングによって解消できます。
したがって、延現金での取引を避けられない場合、ファクタリングの利用は必須といってよいでしょう。
ただし、延現金のファクタリングにはいくつか注意点があります。
利用できるファクタリング会社が減る
まず、利用できるファクタリング会社が減るため注意が必要です。
というのも、延現金の売掛金は回収サイトが長く、ファクタリング会社にとってリスクが高くなるからです。
ファクタリング会社は、売掛金を額面金額よりも安く買い取り、支払期日に満額を受け取ることで利益を得ています。
ファクタリングはノンリコースですから、回収不能に陥った場合、買取金額は全額損失です。
ファクタリング会社は、売掛先を審査して支払い能力などを測り、回収不能リスクが低いことを確認した上で買い取ります。
しかし、買い取り時点では回収不能リスクが低いと判断しても、その後に売掛先の経営が急変し、回収不能に陥るかもしれません。
支払期日までの残存日数が長いほどその危険が高まるため、ファクタリング会社は回収サイトの長い売掛金の買い取りを嫌います。
ファクタリング会社によっては、ファクタリング対象を「〇日以内に入金予定の売掛金」などと制限していることも珍しくありません。
回収サイトが長い延現金の売掛金は、この制限に引っかかることも多いです。
もっとも、延現金の売掛先は信用力が高い大企業になるのが普通ですから、問題なく買い取ってくれるファクタリング会社もあります。
No.1でも、延現金の売掛金に柔軟に対応しています。
手数料が高くなりやすい
ファクタリングの際には、手数料が必要です。
額面金額から手数料を差し引いたものが買取金額となります。
ファクタリング手数料は、ファクタリング方式によって以下のように変動します。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
ファクタリング手数料は、ファクタリング会社が負う回収不能リスクと、期待できる収益のバランスによって決まります。
当然ながら、売掛先の信用力が高いほど手数料が安くなります。
延現金は売掛先が大企業であり、信用力は高いのですが、回収サイトの長さによって手数料が割高になることも多いです。
これに対処するには、3社間ファクタリングの利用を売掛先と交渉する、オンラインファクタリングを利用するといった方法があります。
オンラインファクタリングならば、手続きが全てオンラインで完結し、2社間ファクタリングのため売掛先との交渉も不要です。
また、ファクタリング会社によっては3社間ファクタリング並みに手数料が安いため、延現と非常に相性が良いファクタリング方式といえます。
ちなみに、No.1のオンラインファクタリングサービス「Easy factor」は、手数料率2~8%で対応しています。
延現金のファクタリングはNo.1におまかせ
「安易に延現金に応じてしまい、資金繰りが苦しい…」
「これまでは手形割引で資金繰りをつないできたが、延現金になってからそれができない…」
このように、延現金に悩む会社は少なくありません。
この記事で解説してきた通り、延現金の問題はファクタリングによって解消できます。
その際にポイントとなるのが、以下の2点です。
- 回収サイトの長さに柔軟に対応してくれるファクタリング会社を選ぶこと
- 3社間ファクタリングまたはオンラインファクタリングを選ぶこと
これを踏まえて、延現金のファクタリングはNo.1におまかせください。
No.1は、対応力の高さに定評があり、回収サイトが長い売掛金でも柔軟に対応いたします。
また、3社間ファクタリング、オンラインファクタリングのどちらもご利用可能です。
No.1のもうひとつの特徴は、資金繰り専門のコンサルタントが複数在籍していることです。
延現金が資金繰りに与える影響をお客様ごとに分析し、最適なファクタリングプランの提案、資金繰り改善のサポートなどのコンサルティングも手掛けています。
ファクタリングを通したトータルサポートがNo.1の強みです。
延現金にお悩みの方は、No.1までお気軽にご相談ください。
まとめ:延現金こそファクタリングの活用を
延現金は、回収サイトが長いこと、資金繰り環境が悪化すること、回収不能リスクが高まることなどが問題です。
資金調達方法には色々ありますが、資金調達を通してこれらの問題を解決できるのは、ファクタリングをおいてほかにありません。
ファクタリングは、回収サイトの短縮、資金繰りの改善、回収不能リスクの回避などに顕著な効果があります。
延現金への対応力が高いファクタリング会社を選ぶことで、効果を高めることも可能です。
延現金にお悩みの方は、ぜひNo.1にご相談ください。
ファクタリングなら株式会社No.1 詳細情報
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