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民間工事の資金繰り対策! 悪化しやすい5つの理由と具体的な改善手法を解説
民間工事においては、請負契約で支払いサイトが長く設定されている、多額の先行投資が発生するなどの理由で、資金繰りが悪化する可能性があります。「次の建設工事に向けた資材発注をしたいのに、手元に資金がない……」と困るケースもあるかもしれません。
そこで本記事では、民間工事の資金繰り悪化を防ぐ手法や、資金繰りが悪化しやすい理由などを紹介します。注文書買取や支払いサイト短縮交渉、請求書カード払いなど、具体的な対策を紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事で分かること】
- 民間工事の資金繰り悪化を防ぐ手法としては、注文書買取、支払いサイト短縮交渉、請求書カード払いなどがある
- 注文書をファクタリング会社に売却する「注文書買取」を活用すれば、工事着工前に素早く資金を確保できる
- 支払いサイト短縮交渉では、段階的な提案、客観的なデータの準備、元請業者や発注者にとってのメリットの提示などが重要
- 請求書カード払いを利用すれば、支払いを先延ばししつつ、請求書の支払いを一元管理できる
民間工事の資金繰り悪化を防ぐための手法

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民間工事においては、次のような手法で資金繰りの悪化を防ぎましょう。
- 注文書買取(注文書ファクタリング)
- 支払いサイト短縮交渉
- 請求書カード払い
- 補助金
- 銀行のつなぎ融資
- 利益率の見直し
- 資金繰り計画の徹底
資金繰りが悪化すると、次の建設工事に向けた資材発注や人件費の支払いなどができなくなります。前の建設工事が完了したものの、代金が入金されず、最悪の場合、黒字倒産してしまう可能性もあります。しっかりと対策を検討し、資金繰りの改善や事業の継続を図りましょう。
それぞれの方法については、後ほど詳しく解説します。まずは民間工事で資金繰りが悪化しやすい理由について見てみましょう。
民間工事で資金繰りが悪化しやすい5つの理由
民間工事で資金繰りが悪化しやすい主な理由は、次の通りです。
- 前払金なしの場合もある
- 支払いサイトが長い
- 手形取引が多い
- 多額の先行投資が発生する
- 建設工事の受注が増えすぎる
建設業界の構造や資金繰りの難しさを理解しておけば、適切な対策を検討しやすくなります。以下のようなポイントについて、理解を深めておきましょう。
1. 前払金なしの場合もある
民間工事には前払金なしの場合があり、その場合は資金繰りが苦しくなりやすいです。前払金とは、工事の開始前や着工直後に支払われるお金です。建設工事の準備をスムーズに進められるよう、請負契約の内容に従って元請業者や発注者が下請業者へ支払います。
前払金があるかどうかは契約内容によって決まるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
2. 支払いサイトが長い
民間工事で資金繰りが悪化しやすい原因のひとつとして、支払いサイトの長さが挙げられます。支払いサイトとは、建設工事を含む取引において、委託事業者が代金を支払うまでの期間のことです。
民間工事の請負契約においては、支払いサイトが数カ月などと長めに設定されているケースもあり、建設工事が完了しても、元請業者や発注者からすぐに代金を受け取れるわけではありません。一方で、社員への給与の支払いや協力業者からの請求、次の工事に向けた資材の発注などについては、遅れずに対応する必要があります。
その結果、さまざまな支払いによって資金繰りが悪化し、経営を圧迫するケースもあるでしょう。事業を安定的に進めていくためにも、後述する支払いサイト短縮交渉を通して、資金繰りの悪化を防ぐことが重要です。
3. 手形取引が多い
手形取引が多いことも、民間工事の資金繰りが悪化しやすい理由のひとつです。手形取引とは、手形と呼ばれる証券を用いて、将来における特定の期日までに決められた代金の支払うことを約束する取引を意味します。手形取引を行うと、代金をその場で支払う必要がなくなるため、元請業者や発注者の資金繰りには余裕が生まれます。
一方で下請業者としては、代金を受け取るまでの待ち時間が長くなるため注意が必要です。前述の通り、次の工事に向けた資材発注などを進める必要があるため、後で代金を回収できるとしても、一時的に資金繰りが苦しくなる可能性もあります。
4. 多額の先行投資が発生する
建設業界では、先ほど紹介した人件費や資材発注費用だけではなく、以下のように多くの先行投資が発生します。
- 建機のリース代
- 古くなった建機の修理・点検・入れ替え費用
- 社員に対する資格取得支援・研修の費用
- DX化の推進費用
- 建設キャリアアップシステムへの登録費用
上記のような先行投資は、すぐに利益につながるとは限りませんが、社会の変化に合わせて会社全体が成長していく上で重要です。とはいえ資金繰りが苦しくなり、事業を継続できなくなっては先行投資の意味がありません。事前に資金繰り計画をしっかりと立て、無理のない範囲で投資を進めていきましょう。
5. 建設工事の受注が増えすぎる
建設工事の受注が増えすぎると、逆に資金繰りが悪化するケースもあります。多くの建設工事を受注できるのは喜ばしいことである反面、資材の発注や協力業者への支払いが一時期に集中すると、手元の資金が不足してしまいます。
その結果、帳簿の上では利益が出ているのに倒産する「黒字倒産」につながるかもしれません。先行投資が多い建設業界は、黒字倒産が発生しやすいため、しっかりとした資金繰り計画の立案が重要です。もちろん新しい建設工事を受注し、事業を広げるのは大切ですが、入金・支払いの時期やバランスも考慮しながら進めていきましょう。
民間工事における一時的な資金繰りの悪化にお困りの場合、株式会社No.1にご相談ください。保有する売掛金を買い取り、素早く現金化します。最短即日で資金を調達できるため、まずは電話やメールにてご連絡ください。
民間工事における資金繰り対策

ここからは、民間工事における具体的な資金繰り対策を、以下4つの項目に分けて解説します。
- 注文書買取(注文書ファクタリング)
- 支払いサイト短縮交渉
- 請求書カード払い
- その他
対策1. 注文書買取(注文書ファクタリング)
最初に紹介する注文書買取(注文書ファクタリング)とは、元請業者や発注者から受け取った注文書をファクタリング会社に買い取ってもらい、その代わりに現金を得るサービスです。一般的なファクタリングでは工事完了後に発行する請求書を売却するため、基本的には建設工事の開始時や途中では利用できません。
一方、注文書ファクタリングの場合は、建設工事の受注時という早いタイミングで利用可能です。手元に資金がなくて資材の購入がうまく進まない、協力業者への支払い期限が迫っている、といった場合は注文書ファクタリングの利用を検討しましょう。
注文書ファクタリングのメリット
注文書ファクタリングには、次のようなメリットがあります。
- 早いタイミングで資金を確保できる
- 2者間ファクタリングであれば元請業者や発注者に知られずに利用できる
- 中小企業や小規模事業者でも利用しやすい
先ほど紹介した通り、建設工事の受注時など、早いタイミングで資金を確保できることは、注文書ファクタリングの大きなメリットです。
また、2社間ファクタリングであれば元請業者や発注者に知られずに利用できます。2社間ファクタリングとは、自社とファクタリング会社のみで契約する方式です。この方式の場合、元請企業や発注者は契約に参加しないため、基本的にはファクタリングの利用を知られることはありません。ただし、3者間ファクタリングを利用する場合は、元請企業や発注者に通知し、注文書の売却について承諾してもらう必要があります。
中小企業や小規模事業者が利用しやすいことも、注文書ファクタリングのメリットです。銀行の融資などとは異なり、ファクタリングの場合は、事業の規模が小さい企業や信用力が低い企業でも比較的審査を通過しやすい傾向があります。ファクタリング会社によっては個人事業主や一人親方でも利用できるため、資金繰りで困っている場合は、注文書ファクタリングを利用しましょう。
注文書ファクタリングのデメリット
注文書ファクタリングを利用するときは、次のようなデメリットに注意しましょう。
- 請求書ファクタリングより手数料が高い
- 注文書を買い取ってくれるファクタリング会社を探す必要がある
ファクタリングを利用すると手数料が差し引かれるため、請求書や注文書の金額通りの資金を得られるわけではありません。また、請求書を買い取るファクタリングと比較すると、注文書ファクタリングの手数料は高めに設定されているのが一般的です。早い段階で資金を確保できるというメリットはあるものの、計画的に利用しなければ、逆に資金繰りが悪化する可能性もあります。
全てのファクタリング会社が注文書に対応しているわけではない点にも、注意しましょう。ファクタリング会社を選ぶときは注文書を買い取ってくれるか、悪い口コミはないか、手数料は適正か、といったポイントに注目することが大切です。
注文書ファクタリングを利用するときの流れ
注文書ファクタリングを利用するときの大まかな流れは、以下の通りです。
- ファクタリング会社を選ぶ
- 必要書類を提出して審査を受ける
- 注文書を売却して資金を受け取る
まずは注文書ファクタリングを依頼する会社を選びます。信頼できるファクタリング会社が見つかったら、電話やメールで問い合わせましょう。
注文書ファクタリングを利用する際は、発注書、入金通帳、決算書などの書類を求められるのが一般的です。準備が整ったら必要書類を提出して、ファクタリング会社の審査を受けましょう。審査においては注文内容が実在するか、元請業者や発注者の信用力に問題がないか、といった点を中心にチェックされます。
審査に通過したら、手数料や受け取れる金額などを確認した上でファクタリング会社と契約します。その後、指定した口座への入金を確認しましょう。
対策2. 支払いサイト短縮交渉
民間工事における資金繰り悪化を防ぐためには、支払いサイト短縮交渉により、入金までの時間を短くする対策も重要です。元請業者や発注者に対して支払いサイト短縮を申し入れるのは難しいと感じるかもしれませんが、取適法(中小受託取引適正化法)の存在により、下請業者の利益保護が強化されています。法律の内容をしっかりと理解した上で、適切な交渉を進めていきましょう。
支払いサイト短縮に関する新ルール
2026年1月に下請法が改正され、新たに取適法(中小受託取引適正化法)として施工されました。この改正により、以下のように委託取引のルールが大きく変わっています(※)。
- 支払いサイトの厳格化
- 手形などによる支払い遅延の禁止
- 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
取適法に従い、元請業者や発注者は請負契約において、60日以内でできる限り短い期間内の支払期日を設定しなければなりません。このルールに違反すると、勧告や指導だけではなく、50万円以下の罰金が科される可能性もあります。
さらに、手形の交付などにより、代金の支払いを遅らせる行為も禁止されました。2025年12月までは「支払い日までの期間(60日) + 手形サイト(60日) = 現金受領までの期間(120日)」という設定も可能でした。しかし、2026年1月からは、手形サイト(60日)をプラスするような行為は禁止されています。元請業者や発注者がこのルールに違反している場合は、支払いサイト短縮交渉を申し入れましょう。
※参考:政府広報オンライン.「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」.https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html ,(2025-11-18).
支払いサイト短縮交渉のポイント
支払いサイト短縮交渉を行うときは、次のようなポイントを意識しましょう。
- 段階的な支払いサイト短縮を提案する
- 客観的なデータを準備する
- 元請業者や発注者にとってのメリットを提示する
取適法のルールに従う必要はあるものの、大幅な支払いサイト短縮は、元請業者や発注者の資金計画に大きな影響を与えるため、交渉が難航するケースも考えられます。すぐに受け入れてもらえないときは、段階的な支払いサイトの短縮を提案しましょう。数日程度の短縮であれば、お互いに無理のない交渉を進められます。
また自社のキャッシュフローはもちろん、原材料価格や人件費の上昇などについて、客観的なデータを準備することも大切です。支払いサイト短縮の必要性について、根拠のあるデータを示せば、相手も納得しやすくなります。
さらに、自社だけではなく、元請業者や発注者にとってのメリットも提示しましょう。資金繰りの改善によって大きな建設工事にも協力できるなど、相手のメリットを提示すれば、交渉がスムーズに進みます。
支払いサイト短縮交渉のタイミング
可能であれば、支払いサイト短縮交渉は、新しい建設工事を受注したり見積書を提出したりするタイミングで行いましょう。すでにスタートしている建設工事においては、途中で請負契約の内容を変更しにくい場合もあります。客観的なデータを集める、自社のキャッシュフローを把握するなどの事前準備を整えた上で、適切なタイミングで交渉に臨みましょう。
対策3. 請求書カード払い
請求書カード払いも民間工事における資金繰り対策のひとつです。請求書カード払いとは、取引先から受け取った請求書を、クレジットカードを使って決済できるサービスを指します。
仮にクレジットカードでの支払いに対応していない請求書であっても、このサービスを利用すれば、クレジットカード決済が可能です。以下のようなメリット・デメリットがあるため、状況に応じてうまく活用しましょう。
請求書カード払いのメリット
請求書カード払いの主なメリットは次の通りです。
- 支払いを先延ばしできる
- 請求書の支払いを一元管理できる
- 審査を受ける必要がない
支払いを先延ばしして資金繰りを改善できることは、請求書カード払いの大きなメリットです。通常は、請求書の期日までに支払いを済ませる必要がありますが、請求書カード払いを利用すれば、クレジットカードの引き落とし日まで先延ばしできます。その結果、手元の資金を確保でき、次の建設工事の準備をスムーズに進められるケースもあるでしょう。
また請求書カード払いを利用すれば、複数の請求書の支払いを一本化でき、管理業務を効率化できます。それぞれ異なる請求書の支払い日は、クレジットカードの引き落とし日に統一されるため、資金計画を立てやすくなります。複雑な審査を受ける必要もなく、持っているクレジットカードの枠内であれば、すぐに利用可能です。
請求書カード払いのデメリット
請求書カード払いの利用には、次のようなデメリットもあります。
- 手数料が発生する
- 利用限度額の範囲に限られる
- 個人事業主は利用できない場合もある
請求書カード払いを利用すると、手数料が発生します。サービスの提供会社に対して数%の手数料を支払う必要があるため、本来の請求書の支払いより負担が大きくなってしまいます。支払いを先延ばしできるというメリットはあるものの、結果として資金繰りが悪化する場合もあるため、計画的に利用しましょう。
また請求書カード払いにおいては、クレジットカードの利用限度額までしか支払いできません。利用限度額を超えた請求書については決済できないため、事前に利用限度額を引き上げたり、別の手段を検討したりする必要があります。個人事業主の場合は、そもそもサービスの利用ができない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
対策. その他
ここまで紹介した以外では、以下のような対策があります。
- 補助金を活用する
- 銀行のつなぎ融資を受ける
- 利益率の見直しを進める
- 資金繰り計画を徹底する
例えば、デジタル化・AI導入補助金や事業再構築補助金などをうまく活用すれば、資金繰りに悩まず事業の拡大や改善に取り組みやすくなるでしょう。ただし、補助金ごとの要件を満たす必要があるため、事前に確認しておかなければなりません。また審査にはある程度の時間を要することが多いため、すぐに資金を得られるとは限りません。
銀行のつなぎ融資を受けるのも方法の一つです。つなぎ融資とは、資金繰りが苦しくなった場合の一時的な融資を指します。融資期間は短いものの、一般的な融資と比べると審査に通りやすい点がメリットです。
建設工事の利益率を見直し、資金繰りを徹底することも重要です。補助金やつなぎ融資を利用して一時的に資金繰りを改善しても、全体の資金繰り計画が破綻していると、同じ状況を繰り返してしまいます。資金を確保する方法だけではなく、根本的な経営状態や建設工事の進め方なども見直していきましょう。
まとめ:自社の状況に合った方法で民間工事の資金繰りを改善しよう!
今回は、民間工事の資金繰りを改善する方法として、注文書買取や支払いサイト短縮交渉、請求書カード払いなどを紹介しました。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自社の目的や資金繰り状況に合わせて、適したものを選択しましょう。その他、補助金の活用や利益率の見直し、資金繰り計画の徹底なども重要です。
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