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警備業の資金繰り改善にファクタリングは有効? 給与の支払い遅延を防ぐ資金調達方法を解説

警備業は、入金サイトの長さや人件費割合の高さ、先行支出の多さなどの要因により、資金繰りが厳しくなりやすい業種です。売り上げは発生していても入金までに時間がかかる一方で、給与や交通費、外注費などの支払いは先に発生するため、手元資金の不足に悩む企業も少なくありません。

資金繰りが悪化して給与の支払いが遅れると、法律違反になってしまうだけではなく、人材流出や取引先からの信用低下につながる恐れがあります。そのため、直近の支払いに必要な資金が不足している場合は、早めに資金調達の方法を検討することが重要です。

本記事では、警備業の資金繰りが悪化しやすい原因や給与支払いが遅れるリスク、ファクタリングの仕組みや種類、警備業が利用するメリット・注意点を解説します。「給与の支払いが迫っている」「融資以外の資金調達方法を知りたい」とお悩みの警備業の経営者や担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 警備業は、経費の多くを人件費が占めていること、先行コストが多いことなどが原因で資金繰りが悪化しやすい
  • ファクタリングは、最短即日で資金調達が可能で、自社の信用力が審査に影響しにくいため、すぐに資金の確保が必要な企業にもおすすめ
  • ファクタリングを利用する際は、手数料や調達可能額、償還請求権の有無、悪質な業者に注意する必要がある

警備業の資金繰りが悪化しやすい原因

警備業は資金繰りが悪化しやすい業種といわれています。まずは、主な原因を見てみましょう。

入金サイトが長くなりやすい

警備業の資金繰りが悪化しやすいのは、入金サイトが長い傾向にあることが一つの原因です。

警備業は、官公庁や大手企業といった信用力の高い取引先と契約するケースが多く、売掛金の入金サイトが比較的長期になりやすい傾向にあります。例えば「月末締め・翌々月払い」といった条件も珍しくありません。

入金までの期間が長いと、売り上げが計上されていても、実際に資金として手元に入るまでにタイムラグが生じます。その間も人件費や制服・備品費、保険料などの支出は継続して発生するため、資金繰りが圧迫されやすいのです。

経費の大半を人件費が占めている

警備業で資金繰りが悪化しやすい理由として、経費の多くを人件費が占めていることも挙げられます。警備業は警備員がいなければ成り立たない業種であり、経費の中でも給与や交通費、社会保険料といった人件費の割合が大きいのが特徴です。

また給与は日払い・週払いに対応しているケースや、交通費を即日精算するケースも多く、短いサイクルで資金が流出しやすい傾向にあります。

それにもかかわらず、入金までの期間は長くなりやすいため、売り上げが入る前に人件費の支払いに迫られて資金繰りが悪化しやすいのです。

先行する支払いが多い

先行する支払いが多いことも、警備業の資金繰りが厳しくなりやすい原因です。

警備業は突発的に大口案件が発生するケースも多く、頻繁に人材の補充が必要なため、その都度採用費や研修費が発生します。また、現場に配置する警備員の人数に応じて、制服や無線機などの備品の準備も必要です。

これらは業務を行う上で必要不可欠なコストですが、売り上げが発生する前に支払いが必要となるので、手元資金の余裕がなくなりやすく、資金繰りの悪化につながってしまいます。

売り上げの変動が大きい

時期による売り上げの振れ幅が大きいことも、警備業の資金繰りが悪化しやすい原因の一つです。

年末年始やイベントシーズンなどは需要が高まり売り上げが増加しますが、その分人件費や採用費、研修費、備品費といったコストも同時に膨らみます。支出が先行しやすいため、売り上げが伸びていても手元資金が不足する恐れがあります。一方、閑散期には売り上げが落ち込むので、固定費の負担が重くなり、資金繰りが厳しくなることもあるでしょう。

また災害対応などの突発的な案件が発生した場合には、一時的に大きな支出が発生します。普段は余裕を持って手元資金を確保できていても、想定外の案件で一時的に支出が増大すれば、資金繰りが急激に悪化する可能性もあります。

警備業の給与支払いが遅れるリスク

人件費が経費の多くを占める警備業では、資金繰りが悪化すると給与の支払いが遅れてしまいかねません。こうした事態が起こると、どのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。

法律違反になる

給与の支払いが遅れる、または未払いになると、法律違反に該当する可能性があります。労働基準法第24条では、賃金の支払いに関して5つの原則が定められています(※)。

  • 通貨払いの原則:給与は基本的に通貨(日本円)で支払う必要がある(現物支給や商品券は原則不可)
  • 直接払いの原則:賃金は、原則として労働者本人に直接渡さなければならない
  • 全額払いの原則:税金や社会保険料などの控除を除き、賃金は全額支払わなければならない
  • 毎月1回以上の原則:賃金毎月1回以上、あらかじめ決めた日に支払う必要がある
  • 一定期日払いの原則:賃金は毎週末や毎月月末など一定の期日ごとに支払う必要がある

これらのルールに反すると、労働基準法違反となり、以下のような罰則が科される恐れがあります。

  • 労働基準法違反:30万円以下の罰金
  • 最低賃金法に違反した場合:50万円以下の罰金
  • 残業や深夜の勤務に対して割増賃金を支払わなかった場合:6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

※参考:e-GOV法令検索.「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)」.(2025-06-01).

人材流出につながる

人材流出につながることも、警備業で給与の支払いが遅れることによって懸念されるリスクです。先述の通り、警備業は人材がいてこそ成り立つ業種ですが、給与の支払いが滞ると従業員からの信頼は一気に低下します。その結果、離職者が増えてしまい、現場を維持できなくなるかもしれません。

また給与遅延や未払いの事実が世間に広がると、新たな人材の採用も難しくなるでしょう。悪循環で人材不足が深刻化し、事業の継続自体が困難になる恐れがあります。

信用力が低下する

給与の支払い遅延や未払いが発生すると、企業の信用力にも大きな影響が及ぶ恐れがあります。

特に警備業は大手企業や官公庁との取引が多く、信頼性が重要視される業種です。そのため給与の支払いが遅れていることが知られれば、取引先からの信用を失い、新たな案件を受注できなくなるリスクが高くなってしまうでしょう。

たとえ資金繰りを立て直して人材を確保できたとしても、受注が減れば事業の維持は難しくなります。信用力を維持し、安定した経営を続けるためにも、給与の支払い遅延は避けましょう。

ファクタリングは警備業の資金調達に適した方法

先述した通り、資金繰りが悪化するとさまざまなリスクにつながる恐れがあるため、早めに資金調達を検討することが重要です。

一般的な方法として銀行融資が挙げられますが、警備業は人件費の割合が高く利益率が低くなりやすいため、金融機関の評価が厳しくなりやすい傾向にあります。また、資金繰りが悪化している状態では返済能力が乏しいと判断されやすいので、審査に通らないケースも少なくありません。

このような状況で有効な選択肢となるのが「ファクタリング」です。売掛債権を活用して資金を確保できるため、融資とは異なる資金調達が可能になります。

ここからは、ファクタリングの仕組みや種類について詳しく見ていきましょう。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングとは、保有している売掛債権をファクタリング会社に売却し、本来の入金日より前に資金化する手法です。経済産業省は、中小企業が不動産担保に過度に依存せずに資金調達できるよう、売掛債権の利用促進を進めています。ファクタリングも売掛債権を活用した資金調達方法の一つであり、入金前の売掛金を早期に現金化したい場合に活用できます。

この方法は売掛債権を売却して資金を得るものなので、銀行融資のような「借り入れ」には該当しません。そのため、負債を増やすことなく資金を確保できるのが特徴です。

ファクタリングの種類

ファクタリングは大きく分けると、以下の2種類があります。

  • 2社間ファクタリング
  • 3社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の2社で契約する方式です。最短即日での現金化に対応しているサービスも多く、資金調達のスピードに優れています。また利用したことを取引先に知られにくいことも、2社間ファクタリングのメリットです。ただし3社間ファクタリングに比べると、手数料が高めに設定されています。

一方3社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社、取引先の3社で契約する方式です。取引先からの承諾を得てからの契約となり、ファクタリング会社側のリスクが抑えられるので、その分手数料が低く設定されます。ただし3社間でやりとりが発生するため、手続きに時間がかかるのがデメリットです。また、取引先からの承諾がなければ、サービスを利用できません。

一般的に、2社間ファクタリングの手数料の相場は8〜20%程度、3社間ファクタリングは1〜9%程度とされています。

なお、近年は審査申し込みから入金までがオンラインで完結する「オンラインファクタリング」も登場しています。オンラインファクタリングで対応しているのは、主に2社間ファクタリングです。審査のための来店や書類の郵送が不要なので、よりスピーディーに資金調達ができます。また、オンラインで対応することでコストが削減できる分、一般的な2社間ファクタリングよりも手数料が抑えられているのが特徴です。

警備業が資金調達でファクタリングを活用するメリット

では、警備業が資金調達にファクタリングを利用すると、どのような利点があるのでしょうか。ここでは、4つのメリットをご紹介します。

最短即日で資金調達ができる

警備業の資金調達にファクタリングを利用するメリットは、最短即日で資金調達ができる点です。

先述の通り2社間ファクタリングの中には、即日の現金化に対応しているサービスも多くあります。すぐに資金調達ができるので、急遽資金が足りないときでも迅速に対応できるでしょう。

例えば、突発的な案件の増加や災害対応などで一時的に支出が増えても、ファクタリングを利用してスピーディーに資金を確保できれば、給与や外注費などの支払いにも柔軟に対応できます。資金調達の遅れによる機会損失を防げることも、大きなメリットといえるでしょう。

給与遅延や未払いのリスクを防げる

給与遅延や未払いのリスクを防げることも、警備業でファクタリングを利用するメリットの一つです。

警備報酬が入金されるまでの期間が比較的長い反面、給与や交通費の支払いに迫られやすい警備業は、資金がショートしやすい傾向にあります。ファクタリングを利用すれば売掛金を早期に現金化できるため、支払期日に間に合わせることが可能です。

先述の通り、給与遅延や未払いは法律違反の恐れがあるだけではなく、事業継続が危ぶまれるリスクもあります。ファクタリングをうまく活用すれば、従業員や取引先からの信用を損ねることなく、安定して事業を継続できるでしょう。

自社の信用力や支払い能力が審査に影響しにくい

自社の信用力や支払い能力が審査に影響しにくいことも、警備業がファクタリングを活用するメリットです。

ファクタリングの利用には審査がありますが、審査で重視されるのは、取引先企業の信用力や支払い能力です。そのため、自社の資金繰りが悪化している場合でも、取引先の信用が高ければ資金化できる可能性があります。特に官公庁や大手企業など、信用力が高い取引先がある場合は、審査で評価を得やすいでしょう。

先述の通り、警備業は人件費の割合が高く利益が出にくい構造なので、銀行融資の審査では不利になることも少なくありません。ファクタリングなら、直近で融資に通らなかった場合でも、売掛債権の内容次第では資金調達できる可能性があります。

融資に頼らず事業拡大を目指せる

警備業がファクタリングを活用するメリットとして、借り入れに依存せずに事業拡大を目指せることも挙げられます。

ファクタリングは借り入れではないので、利用履歴が信用情報に登録されることはありません。今後、銀行融資などで事業拡大を検討している場合でも、借り入れを増やさずに一時的な資金不足へ対応しやすい点はメリットといえるでしょう。

警備業がファクタリングを利用するときの注意点

ファクタリングの利用を検討しているなら、これからご紹介する注意点についてもしっかり把握しておきましょう。

手数料が発生する

ファクタリングの利用には、手数料がかかります。

手数料は、ファクタリング会社やファクタリングの方式、取引先の信用力、売掛債権の内容によって異なります。先述の通り、2社間ファクタリングの手数料の相場は8〜20%程度、3社間ファクタリングは1〜9%程度です。

手数料が高くなると、本来の入金日まで待った場合に比べて、実際に手元に残る売掛金は少なくなります。急ぎで資金を確保したい場合でも、手数料を差し引いた後の金額で、給与や外注費などの支払いに対応できるかを確認しましょう。

複数のファクタリング会社を比較する

ファクタリングを利用する際は、複数のファクタリング会社に相見積もりを依頼し、比較することをおすすめします。

同じ売掛債権を売却する場合でも、ファクタリング会社によって提示する手数料や条件は異なります。自社が不利な条件で取引しないためには、複数社から見積もりをもらい、手数料や条件などをしっかり比較することが欠かせません。

また比較する際は条件面だけではなく、やり取りのスピーディーさや対応の良し悪しも比較し、信頼できる会社かどうかを見極めることが大切です。

調達できるのは売掛金の範囲内

ファクタリングで調達可能なのは、基本的に売掛金の範囲内です。

ファクタリングは、売掛債権を売却して現金化する仕組みなので、保有している売掛債権以上の金額は調達できません。ファクタリングの利用を検討している場合は、どの程度の資金が必要なのかを試算し、保有している売掛債権でカバーできるかを確認しましょう。調達資金が不足している場合は、ファクタリング以外の資金調達方法との併用も検討する必要があります。

償還請求権なしの契約かどうかを確認する

ファクタリングを利用する際は、償還請求権なし(ノンリコース)の契約になっているかどうかを必ず確認しましょう。

償還請求権なしの契約であれば、万が一取引先から入金が行われなかったとしても、利用企業がその金額を負担する必要はありません。売掛金の未回収リスクをファクタリング会社側が負う仕組みなので、売掛金未回収による自社の資金繰り悪化のリスクを避けられます。

一般的なファクタリングはこのタイプが主流ですが、中には例外もあるため、契約内容はよく目を通しておきましょう。

ファクタリング以外の方法でも資金繰り改善を目指す

ファクタリングを一時的に利用する場合でも、別の方法で資金繰りの改善を目指しましょう。

ファクタリングは即効性のある資金調達手段ですが、利用する度に手数料が発生するため、過度に依存すると手数料負担によって、利益を圧迫してしまいます。一時的な資金不足の解消には有効ですが、継続的に頼り過ぎると、いわゆる自転車操業の状態に陥るリスクも高いです。

資金繰りに常に悩まされているのなら、ファクタリングで直近の資金繰りを立て直しつつ、並行して根本的な改善策にも取り組みましょう。例えば、資金繰り表を作成して資金の流れを可視化する、経費の見直しを行う、入金サイトの短縮を交渉するといった対策が考えられます。

短期と中長期の両面から対策を進めることが、安定して事業を継続するための鍵になります。

悪徳業者に気を付ける

ファクタリングの利用が広がる一方で、近年はファクタリング会社を装った悪質な業者も増えています。

以下のような特徴がある場合は、利用を控えたほうがよいでしょう。

  • 手数料が他のファクタリング会社とかけ離れて高い
  • 売掛債権に対して買取金額が極端に低い
  • 契約内容の説明が不十分、または曖昧
  • 契約書を交わさない
  • 契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」の記載がない
  • 審査なしで利用できるとうたっている

資金繰りが逼迫している状況では、冷静な判断が難しくなり、このような違和感を見逃してしまうこともあります。しかし不利な条件で契約してしまうと、かえって資金繰りが悪化し、経営が立ち行かなくなってしまう恐れもあるので注意が必要です。

なお先述した償還請求権ありの契約は実質的に貸付に該当するため、貸金業登録が必要になります。無登録でこのような契約を行っている場合は悪徳業者の可能性があるので、十分注意してください。

まとめ:警備業の資金繰りはファクタリングを活用して立て直そう

警備業は、入金サイトの長さや人件費の割合の高さ、採用費・研修費などの先行支出により、資金繰りが悪化しやすい業種です。資金繰りが悪化して給与支払いが難しくなると、法的リスクが発生するだけでなく、人材流出や取引先からの信用低下につながり、事業継続にも影響する恐れがあります。

このように、売り上げは発生しているものの入金までに時間がかかり、直近の給与や外注費、交通費などの支払いに必要な資金が不足している場合は、売掛債権を早期に現金化できるファクタリングも選択肢になります。

ファクタリングは、サービスによっては最短即日で資金調達できる場合があります。審査では取引先の信用力も重視されるため、直近で融資の審査に通らなかった場合でも、売掛債権の内容によっては利用できる可能性があります。

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