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法人の資金調達完全ガイド!融資だけじゃない現金化の方法を徹底解説!
法人(会社)を立ち上げて事業を行うためには、まず「事業資金」の確保が不可欠です。会社設立時には、登記費用やオフィスの賃貸料、設備投資、人件費、広告宣伝費など、さまざまな初期費用が発生いたします。これらをすべて自己資金(貯金や預金)だけでまかなうことは、現実的には難しい場合も多く、資金繰りが間に合わなくなる可能性も十分に考えられます。
そのような場合には、金融機関からの融資をはじめとした外部からの資金調達が必要となります。融資は代表的な資金調達方法の一つですが、それだけに頼るのではなく、他にも多様な手段が存在することを知っておくことが重要です。たとえば、補助金や助成金の活用、出資を受けるエクイティファイナンス、売掛債権を活用するファクタリング、リースや割賦販売といったアセットファイナンスなど、状況に応じて選択肢は広がります。
これらの資金調達方法を幅広く理解し、適切に選択・活用することで、法人としての経営戦略や戦術の幅が大きく広がります。特に中小企業においては、資金繰りの柔軟性が経営の安定性に直結するため、臨機応変な対応力が求められます。資金調達の選択肢を多く持っている法人は、予期せぬトラブルや急な資金需要にも迅速に対応できるため、結果として経営力の向上につながるのです。
今回のご案内では、法人が事業を行うために必要な資金、すなわち「事業資金」について、どのような方法で調達できるのか、またその目安となる金額についても多角的に解説いたします。適切な金額の事業資金を事前に用意しておくことは、法人経営者としての基本的な資質であり、経営の安定と成長を支える土台となります。
また、近年ではPayPayなどのキャッシュレス決済サービスを導入することで、売上の即時入金や資金の流動性向上を図る企業も増えております。こうしたデジタルツールの活用も、資金繰りの改善に大きく貢献いたします。
ぜひこの機会に、事業資金の調達方法について理解を深め、貴社の経営に役立てていただければ幸いです。必要に応じて、資金調達の専門家やコンサルタントに相談することもご検討ください。プロの視点からアドバイスを受けることで、より確実で効果的な資金戦略を立てることが可能になります。
法人経営に必要な事業資金とは?
まずは、法人にとって必要となる「事業資金」について、基本的な理解を深めておきましょう。事業資金とは、法人や個人事業主が事業を立ち上げ、継続的に運営していくために必要となる資金全般を指します。具体的には、オフィスや店舗の賃貸料、設備投資、仕入れ費用、人件費、広告宣伝費、通信費、備品購入費など、事業に関連するあらゆる支出が含まれます。
このように、事業資金の範囲は非常に広く、日々の運転資金から中長期的な成長投資に至るまで、多岐にわたる用途に対応する必要があります。法人であれ、個人事業主であれ、事業に使うお金はすべて「事業資金」として扱われ、プライベートな支出とは明確に区別されるべきです。
また、事業形態によっても必要な資金の規模や内容は異なります。たとえば、株式会社や合同会社のような営利法人だけでなく、一般社団法人のような非営利型の法人であっても、事業活動を行うためには一定の資金が必要となります。一般社団法人は、営利を目的としないとはいえ、講座やイベントの開催、広報活動、スタッフの雇用など、さまざまな運営コストが発生するため、事業資金の確保は不可欠です。
こうした事業資金をどのように調達するかは、法人経営において極めて重要なテーマです。自己資金だけでまかなうことが難しい場合には、融資、補助金、助成金、出資、クラウドファンディング、ファクタリングなど、さまざまな資金調達手段を検討する必要があります。特に創業期や資金繰りが厳しい時期には、適切な方法を選択し、無理のない範囲で資金を確保することが、安定した経営の鍵となります。
事業資金の調達は、単なる資金集めではなく、経営戦略の一部として位置づけるべきです。資金の使い道を明確にし、必要な金額を見極めたうえで、最適な調達方法を選ぶことが、法人としての持続的な成長につながります。
多様な資金調達方法を用いて資金化したい事業資金の目安
法人として事業を行うにあたり、必要な事業資金の目安をしっかりと把握しておくことは、非常に重要なポイントです。なぜなら、資金が不足すれば事業の継続が困難になりますし、逆に過剰に資金を調達してしまうと、その返済負担が経営を圧迫する原因となるからです。特に創業初期や成長段階にある中小企業にとっては、資金の使い道と調達額のバランスが経営の安定性を左右すると言っても過言ではありません。
事業資金の調達方法の中でも、金融機関からの融資は多くの法人が利用する一般的な手段です。しかし、融資によって得た資金は「負債」として貸借対照表に計上されます。つまり、将来的に返済義務が発生する資金であるため、無計画に借り入れを行うと、返済が困難になり、結果として資金繰りが悪化してしまうリスクがあります。
また、負債が増えることで、金融機関からの信用度が下がったり、新たな融資を受けにくくなったりする可能性もあります。さらに、返済が滞れば、利息の負担が増加し、最悪の場合は倒産に至ることも考えられます。したがって、融資を活用する際には、返済計画をしっかりと立てたうえで、必要最小限の金額にとどめることが大切です。
必要な事業資金の目安を算出するには、まず事業計画をもとに、初期費用や運転資金、設備投資、広告宣伝費、人件費など、あらゆるコストを具体的に見積もることが求められます。さらに、売上の見込みや回収期間、支出のタイミングなども考慮し、キャッシュフローの予測を立てることで、どの程度の資金が必要かを明確にすることができます。
また、資金調達の際には、融資だけに頼らず、補助金や助成金、出資、ファクタリング、リースなど、複数の手段を組み合わせることで、リスクを分散しながら柔軟な資金繰りが可能になります。たとえば、PayPayなどのキャッシュレス決済を導入することで、売上の即時入金が可能となり、資金の流動性を高める工夫も有効です。
このように、必要な事業資金の目安を正確に把握し、無理のない範囲で資金調達を行うことは、法人経営者としての重要な判断力の一つです。資金調達は単なる「お金集め」ではなく、経営戦略の一環として位置づけるべきものです。ぜひ、専門家のアドバイスも取り入れながら、慎重かつ計画的に進めていただければと思います。
事業資金の平均金額
日本政策金融公庫総合研究所の「2020年度新規開業実態調査」では、開業するときに用意した事業資金の平均金額は989万円。約1000万円の事業資金が必要になります。
すべて融資で調達したわけではなく、自己資金等他の方法も含みます。もし預貯金が1000万円あれば、借入なしで自己資金を充当でき、速やかに開業できることになります。
開業後も法人ならば500万円~1000万円ほど迅速に使用できる自己資金や急な資金調達にも対応できる資金調達方法を確保しておくと安心して経営ができます。
常に出金できる自己資金の「遊び」がどのくらいあるか、ぜひチェックをお願いします。
事業資金の計算方法
肝心の事業資金の計算方法ですが、主に事業資金にかかる項目は下記例を参考にして、当てはまる事業資金を全て足していきましょう。
開業資金の場合は全て半年分を目安に用意すると良いです。事業が軌道になるまではお金が入ってこないので、その間の運転資金をあらかじめ準備しておかなければなりません。
・人件費
・設備費
・家賃、管理費
・備品代
・仕入れ・材料費
・光熱費
・電気代”
これらを少なくとも半年分計算しておきましょう。機械や車両を購入する場合はさらに上乗せされます。
逆にデザインやシステム製作など自宅で、パソコンだけでできる仕事については、事業資金はあまりかからないことになります。何が何でも1000万円準備しなければいけないわけではありません。
事業資金を調達する方法
事業資金を調達する方法は融資だけだと思われがちですが、そうではありません。以下に挙げる複数の方法を使って、適切なタイミングで資金を調達してください。
法人の資金調達方法について多様性があることをご認識いただけるはずです。
| 内容 | 資金調達方法の選択肢 | |
|---|---|---|
| アセットファイナンス | 自社の資産を現金化する | ①不動産売却 ②知的財産権(特許、商標、著作権等)売却 ③独占販売権、営業権などの無形資産の売却 ④ファクタリング ⑤でんさい(電子記録債権)譲渡 ⑥債権回収 ⑦セール&リースバック |
| デットファイナンス | 「借入金融」お金を借りる、返済義務あり | ⑧銀行融資(無担保、無保証人) ⑨自治体等の公的融資(無担保、無保証人) ⑩不動産担保融資 ⑪消費者金融、ビジネスローン ⑫手形割引 ⑬社債、私募債発行 ⑭ABL(動産・売掛金担保融資) |
| エクイティファイナンス | 他社、第3者から出資を受ける、返済義務なし | ⑮新株発行公募 ⑯IPO(新規公開株)による資金調達 ⑰株主配当増資 ⑱第三者配当増資 ⑲クラウドファンディング ⑳ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家 |
まずは自己資金
資金調達方法で上の表に挙げたものを行う前にまずは事業資金を資金調達できるか考えます。自己資金なら返済も個人名義の預貯金です。事業資金は個人事業主や法人の代表だった場合、自分の自己資金から出すことができます。
会社のキャッシュとして計上していない場合でも、代表者や役員の自己資金は「事業主借」として資金に充てられます。
自己資金の場合は資金調達金額の上限がなく、いくらでも事業資金として利用できます。当然、プライベート資金ですので、自分の生活が危なくなるというリスクはあります。
「会社に自分のお金を〇千万円突っ込んだ」みたいな表現をする経営者がいますが、それはこの自己資金を事業資金にしたケースです。
資金調達方法としてはまず自己資金ですが、自分の生活が厳しくなるリスクも孕んでいます。
法人は個人事業主やフリーランスとは異なり、自分のお金と会社のお金が別なので、まず自己資金だけではなく、他の資金調達方法でも合わせて考えていただくことをおすすめします。
デットファイナンスの資金調達方法
上の表で示した「デットファイナンス」とは、法人や個人が借金(負債)を通じて資金を得る資金調達方法です。
この方法では、企業は金融機関や投資家から資金を借り入れ、借入金に対して利息を支払う義務を負います。返済期限までに元本+利子をすべて返済します。
主なデットファイナンスの手段には、銀行融資や法人の社債発行が含まれます。法人にとっては、株式を発行して資金を調達するエクイティファイナンスに比べて、株主の持ち分が減らない、第3者に経営へ介入されないというメリットがありますが、返済義務が発生するため、過剰な借入は財務リスクを高める可能性があります。自己資本比率が低下し、「企業の健康状態」が悪化してしまいます。
デットファイナンスは、安定した収益を見込める法人に適しており、適切に運用できれば大きな経営改善効果が期待できます。しかし、経営状態がよくないと、負債によって経営が追いつぶされてしまうでしょう。
融資
デットファイナンスの代表例が融資です。上の表では「銀行融資」「自治体の制度融資」「不動産担保融資」「ビジネスローン」「動産担保融資」が該当します。
それもお金を借りて、その分を負債として計上します。融資は金融機関やノンバンクなどからお金を借りられる制度です。事業資金の資金調達方法としてまずみなさんが思い浮かべる方法になります。
自己資金が少なくても事業資金を借りられるサービスもあるが、返済能力が分かるような事業計画の提出が必要になります。実績がない開業前や開業間もない状態での「創業融資」は一定程度の自己資金が必要になります。
また、融資はその過程で「信用情報照会」があり、過去に返済遅延など事故があると黙っていてもわかり、融資審査に大幅減点となります。「信用情報ブラック」の人は融資の審査にあたり大幅な減点になってしまいます。
また、申請した融資についても信用情報に利用歴が記載されます。下手な金融機関(消費者金融など)で借りてしまうと、その記録が残ってしまい、以後の融資に悪影響を与えます。
言い方は良くないのですが、「消費者金融でお金を借りる人」というレッテルが貼られてしまい、そういう人に事業資金を融資する金融機関はとても少なくなってしまいます。融資を受ける際は、さまざまな法律で厳格に規定された事業資金の調達方法だとご認識ください。
手形割引
法人が手形取引をしている場合、手形の決済前に手形を割引き、銀行に買い取ってもらうことで資金化します。手形割引の際に銀行に割引料(手数料)を支払うので、手形の金額満額を資金化できるわけではありません。
手形取引については、明治期以降の長い歴史があり、その中で事前に資金調達する手形割引についてもさまざまな知見が蓄積されています。
ただし、手形取引自体を行っている事業者(法人)が減っていて、手形取引、手形割引するためには銀行の審査に通らないとできません。法人、売掛先双方が合意、審査に通ってはじめて手形取引ができます。
資金調達方法としての手形割引はだんだん少なくなってきています。また、政府も紙手形廃止の指針を出しています。そのため、手形取引自体どんどん減ってくることが予想されます。
1990年度には約107兆円だった発行残高は減少を続け、ここ最近では約25兆円前後と約4分の1にまで減少しました。一方で、請求書払い(掛取引)は増加しています。
手形取引から掛取引への変化は、後述のファクタリングという資金調達方法を促す結果になっています。
アセットファイナンスの資金調達方法
アセットファイナンスとは、法人(企業)や個人が特定の資産を売却して資金を調達する方法です。
この資金調達方法では、企業は保有する資産、例えば機械設備、車両、不動産などの固定資産や知的財産権、商標権など価値のあるIPを売却して資金に換えます。
アセットファイナンスは、企業がキャッシュフローを保持しつつ、必要な資金調達をしたい場合役立ちます。特に、高額の設備投資を行いたいが一度に多額の資金を用意するのが難しい場合に有効です。
アセットファイナンスの利点には、キャッシュフローの改善や資産取得に伴うリスク分散が挙げられますが、そもそも売却する固定資産や知的財産権がない場合、資金調達できません。
中古で物を売ろうとしても売るものがなければお金に換えられません。不動産だけでなく、債権(お金をもらう権利)もアセットファイナンスによる資金調達の対象になることをぜひ押さえておいてください。
ファクタリング
最近浸透しつつある資金調達方法になります。法人が持つ売上債権を回収日前に買い取ってもらい資金化します。
100万円の売上債権を期日前に90万円で買い取ってもらうようなイメージです。手形割引に似ていますが、手形のように銀行の審査は必要ありません。
規定の手形を発行していなくても、請求書を発行していれば、その請求額をもとにファクタリング会社が買い取り、資金化できます。
アセットファイナンスのアセットとして、動産でも不動産でもなく「売上債権」を売却するのが特徴です。売上債権ならば、不動産のように手放すと戻ってこない、損失が大きいというわけではありません。ある月の売上債権を期日前に現金化するものであり、失うものは少ないはずです。
政府もここにテキスト売掛債権の利用促進について – 中小企業庁において、売上債権を積極的に用いた資金調達を推奨しています。
その意味では、利用するしないにかかわらず、ファクタリングを資金調達の選択肢に入れておくのは悪いことではなさそうです。
でんさい(電子記録債権)
「でんさい」は、電子記録債権の略で、紙の手形や売掛債権に代わる「第三の決済手段」としての電子化された方法です。このシステムは、メガバンクを中心に構築され、電子債権記録機関(でんさいネット)の原簿に電子記録をすることで、売掛債権の発生や譲渡を可能にします。
従来の手形や売掛債権売買(ファクタリング)では、紙ベースでの契約書作成が必要でしたが、でんさいはオンライン上で完結するため、契約書や請求書の紛失リスクがなく、譲渡もオンラインで簡単に行えます。
また、債権の分割が可能で、例えば100万円の売掛債権を50万円だけ現金化することもできます。ファクタリングは分割譲渡ができません。
資金調達は、「でんさいネット」加盟の金融機関で行うことができ、取引先の銀行でも対応可能です。
ただし、でんさいを利用するためには、自社と譲渡先の両方が「でんさいネット」に加盟している必要があります。手形取引に似ています。
「でんさいネット」は全国の銀行や信用金庫、農協などが参加していますが、消費者金融は含まれません。
でんさいによる債権譲渡には、償還請求権が付帯します。これは、取引先が倒産した場合や回収不能になった場合、すでに電子債権を現金化していても、法人のみなさまが返済責任を負う契約です。
そのため、回収不能リスクを避けるためにでんさいで早期資金化をしても、意味がない可能性があります。
取引先も「でんさいネット」に加入している場合は、資金調達方法の中でも早期資金化の有力な候補になります。
リスクヘッジ目的での利用は手形と同様に注意が必要です。また、「でんさい」での債権譲渡は売掛先に通知されるため、資金繰りが厳しい企業と見なされる可能性があり、恒常的な資金調達手段としては慎重に検討する必要があります。
エクイティファイナンスの資金調達方法
エクイティファイナンスは、第3者から返済不要の資金提供を受けるという資金調達方法になります。法人が新株発行などで、投資家から資金を集めます。
これにより、投資家は企業の利害に絡むこととなります。株式購入の場合、株式に応じて株主総会での発言権を得ます。株主として株価の上昇に伴うキャピタルゲインを得ることができます。
エクイティファイナンスの主な手段には、新株発行、公募増資、第三者割当増資、株式上場(IPO)、クラウドファンディングなどがあります。特にIPOは、法人企業が初めて株式を公開市場に上場し、一般投資家から広く資金を調達する際に利用されます。
エクイティファイナンスの大きなメリットは、借入金とは異なり、返済義務がない点です。企業は調達した資金を自由に使い、事業拡大や新規プロジェクトへの投資、運転資金などに充てることができます。
また、エクイティファイナンスを受けられるということは投資家に評価されている法人の証であり、外部評価が高くなります。
エクイティファイナンスは資金調達方法としてよいことばかりに見えますが、大きなデメリットもあります。資金提供して投資家は株主になります。
株主は経営に対して発言権を持つため、経営に介入されるおそれがあり、最悪法人を乗っ取られるリスクがあります。
法人経営陣は株主など出資者の利益を意識した経営を行う必要があります。
加えて、株価の変動や業績など常に出資者から業績に対するプレッシャーも生じるため、エクイティファイナンスを利用する際には慎重な判断が求められます。返済不要だから法人の資金調達方法として積極的に利用すべき、とはならないので注意してください。
クラウドファンディング
エクイティファイナンスの中で比較的リスクが低いものとしてクラウドファンディングがあります。クラウドファンディングなら出資者から法人経営に介入される恐れがありません。
クラウドファンディングは、「クラウド」という名前の通り、クラウド上、ネット上で「ファンド」=基金=寄付を集める事業資金の調達方法です。
クラウドファンディングは公益に資する事業や事業者が叶えたい夢を発表し、事業資金を他者から寄付を集めるイメージです。ふるさと納税を自治体ではなく企業が行うと考えるとわかりやすいかもしれません。
募金してもらう代わりにリターンと言って完成した製品やVIPサービスを配ったり、対価となるサービスを提供したりして成り立ちます。
問題は当初設定した目標額を達成できなかった場合、寄付は無効になり返金しなければならなくなります。また、クラウドファンディングは1か月~数か月位の募集期間が多く、つまり、すぐに事業資金を調達したいということには向きません。クラウドファンディング不成立の場合、事業資金は得られないので、「プランB」を用意しておかなければなりません。
ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家もエクイティファイナンスの1つです。ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家は、将来的に成長が見込める企業に出資します。
出資なので株式を購入するという方法です。個人事業主やフリーランスは株式を発行できないので、法人限定の資金調達方法です。
彼らはあまり経営に介入しようとはしません。出資した法人企業が成長や上場したタイミングで株価が上がり、そこで購入した株式を売却して利益を得ようとします。
したがって成長性が見込めない会社はこの方法で資金調達ができません。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家に投資される時点で、経営状態が良く有能な経営を行っている法人ということになります。
ベンチャーキャピタルは、プロの機関投資家を中心にした「投資ファンド」で、主に成長段階にある、成長が期待される法人に大規模な資金を提供します。この時点で市場において評価されている法人企業ということになります。
一方、エンジェル投資家は、主に創業初期段階の企業に対して比較的小規模な資金を提供します。ベンチャーキャピタルがウナギ上りの法人への積極投資ならば、エンジェル投資家は将来を見越した「青田買い」になります。
両者は似ていますが、どちらも将来性があり、しっかりした事業計画や事業運営を行っていないと相手にされない資金調達方法になります。
機動的に資金調達でき、返済義務もないものですが、リスキーな部分もあり、よく専門家に相談してください。
補助金や助成金
デットファイナンス、アセットファイナンス、エクイティファイナンスに含まれない法人が利用できる資金調達方法として補助金や助成金があります。補助金や助成金は返済不要です。
国や地域がやっている補助金や助成金、支援金を利用することでも法人の事業資金を増やすことができます。
補助金や助成金は、事業を行う人向けに条件付きで事業資金の何%を支援してもらえたり、補助してもらったりすることが可能です。返済不要の資金でとても助かりますが、原資が税金なのでその使い道は100円のボールペンの領収証まで厳しくチェックされます。
また、補助金や助成金は「後払い」です。事業の審査に通り、事業を実施し、完了報告し、チェックを経て初めて事業資金が振り込まれます。つまり、事業実施時には自己資金やその他の資金の調達方法で行わなければならず、「今お金がないから補助金などで事業を実施する」ということができません。
今「○○○万円お金が必要でそのための資金調達方法」としては、補助金や助成金は不適当です。大きなビジョンがあり、それを法人が実現させるために、詳細な事業計画を立てて補助金や助成金申請するという流れになります。
急に何かあったからお金が必要だ!というときの資金調達方法としては使えないので注意してください。
事業資金に余裕はあるが、最終的に費用負担せずに済ませたい法人で中長期的なビジョンや「やりたいこと」がある場合に有効活用できます。
専門知識がいるので「補助金活用コンサルタント」や補助金に強い税理士などに相談するのも良いでしょう。
法人の資金調達方法として知っておきたい便利な制度やサービス
法人が利用できる主な資金調達方法はこのようになります。資金調達方法を知っていても、有効活用できるためにはツールが必要です。そこで知っておきたい法人資金調達方法の便利な制度やサービスを概観します。
事業資金を調達する際にまず思い浮かべるのが地域の銀行や信用金庫ですが、それ以外にも使えそうな選択肢があります。複数の選択肢を持つことは悪いことではありません。
地域の銀行とともに事業資金を調達する先として、以下を検討に入れてみましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は政府系金融機関です。運営に対して税金が投入されていて、金利も民間金融機関と比べて低くなっています。国の政策として、民間金融機関で断られるような厳しい案件でも、可能な限り救えるようにします。多少返済事故になるのは覚悟の上です。
日本政策金融公庫では、開業する際の資金の相談に乗り、開業後も資金調達方法を含めて積極的にサポートしてくれます。
親身に相談に乗ってくれるので、通常の融資が不安な人は日本政策金融公庫がおすすめです。
また、その日本政策金融公庫と地域の商工会議所、商工会が組んで行う「マル経融資」というものがあります。
マル経融資は融資実行後、商工会議所の経営指導員の経営指導(コンサルティング)を受けることを前提にした「指導金融」です。専門家の指導があるため、より返済事故にはなりにくいだろう、ということで金利は日本政策金融公庫から直接借りるよりもさらに低くなっています。
ぜひマル経融資も合わせて知っておきましょう。
商工会議所
法人として事業を運営していくうえで、資金調達や経営に関するさまざまな課題に直面することは避けられません。そうしたときに、頼りになる公的な支援機関のひとつが「商工会議所」です。商工会議所は、地域の中小企業や小規模事業者を支援するために設置された団体であり、経営に関する幅広い相談に対応してくれる心強い存在です。
商工会議所は、単に「マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)」の申し込み窓口としての役割を果たすだけでなく、各種補助金や助成金に関する相談にも対応しています。特に注目すべきは、「小規模事業者持続化補助金」です。この補助金は、小規模事業者が販路開拓や業務効率化などを目的として行う取り組みに対して、経費の一部を補助する制度であり、申請には商工会議所を通じた手続きが必要となります。
この補助金を活用することで、広告宣伝費やホームページ作成費、設備導入費など、事業の成長に必要な投資を実現しやすくなります。補助率や上限額は年度ごとに異なる場合がありますが、自己負担を抑えながら事業を拡大できる点で、非常に魅力的な制度と言えるでしょう。
また、商工会議所では、補助金や融資に関する相談だけでなく、経営改善、事業承継、販路開拓、人材育成、IT導入など、経営全般にわたる幅広いテーマについて、専門家によるアドバイスを受けることができます。こうした「よろず相談機関」としての役割を果たしており、法人経営者にとっては非常に有用な支援先となります。
さらに、商工会議所の支援メニューは、必ずしも会員でなければ利用できないというわけではありません。たとえば、マル経融資や補助金申請のサポートなど、経営支援に関する多くのサービスは、非会員の事業者でも利用可能です。もちろん、会員になることで受けられるサービスの幅が広がる場合もありますが、まずは気軽に相談してみることをおすすめいたします。
法人としての資金調達方法を検討する際には、こうした公的支援機関の活用も視野に入れることで、より多角的かつ安定的な経営戦略を構築することが可能になります。商工会議所は、地域に根ざした支援を行っているため、地元の事情に詳しく、実践的なアドバイスを受けられる点も大きなメリットです。
クレジットカードのビジネスローン
最近ではクレジットカード会社がビジネスローンを展開しているところも多くなっています。
クレジットカードのビジネスローンはオンラインで申し込みができたり、審査が早めだったりと手軽に事業資金を用意するにはとても便利なサービスとなっています。法人の場合は大変ですが、資金調達方法として知っておくと良いでしょう。
借りられる事業資金額が少ないことが多いので、他のサービスと合わせて利用するのがよいでしょう。
また、クレジットカードのビジネスローンは「非銀行からの借入(信販会社、カード会社からの借入)」として信用情報に記載されます。消費者金融からの借入歴よりはましですが、今後融資を受ける際に、カードローンの利用歴はマイナス評価になります。急な資金調達が必要な場合は、ファクタリングやでんさいなども合わせて候補にしてください。
事業資金が必要な場合は、まず日本政策金融公庫の融資、商工会議所のマル経融資、地元金融機関の融資、自治体の制度融資などを考え、クレジットカードのカードローンは最後の選択肢、「消費者金融からの借入よりはマシ」と考えてください。
最初からビジネスローンに頼るのは、金利も高くデメリットしかありません。ただし、消費者金融へ行かない選択肢として知っておいてください。
法人の資金調達方法についてまとめ
事業資金の確保は、会社経営において非常に重要な要素です。特に中小企業の場合、資金繰りが一時的にでも滞ると、支払い遅延や不渡りといったリスクが高まり、最悪の場合は倒産に至る可能性もあります。そのため、会社設立時から十分な資金を準備し、余裕を持ったキャッシュフローを維持することが求められます。
資金調達の方法にはさまざまな種類があり、デットファイナンス(融資)だけでなく、アセットファイナンスやエクイティファイナンス、さらには補助金や助成金の活用も有効です。経営課題に応じて、最適な手段を選択することが大切です。
また、短期間で資金を調達する必要がある場合には、ファクタリング会社の利用も一つの選択肢となります。たとえば、株式会社No.1のような信頼できるファクタリング会社を活用すれば、数日以内に資金を確保できる可能性があります。
さらに、近年ではPayPayなどのキャッシュレス決済サービスを導入することで、売上の即時入金や資金の流動性向上を図る企業も増えています。こうしたツールを上手に活用することで、日々の資金繰りをよりスムーズに行うことが可能になります。
資金調達に関しては、専門家のアドバイスを受けることで、より確実かつ効果的な方法を見つけることができます。資金調達コンサルタントなどの専門家に相談し、自社のキャッシュフローを見直してみてはいかがでしょうか。
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