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カテゴリー: 資金調達情報

資金調達で融資審査を通過しやすくなる条件を解説

銀行から簡単に融資を受けられるならば、資金繰りは格段に楽になります。銀行融資は調達可能額が大きいためあらゆる資金需要に対応でき、調達コストも安くなります。全ての中小企業にとって、資金繰りの軸にすべき方法といえます。
 実際には、銀行融資は簡単ではありません。融資審査に通過できず借りられないこともあります。
 融資審査を通過しやすくなるには、どうすればよいのでしょうか。この記事では、様々な方法や条件、注意点などを解説します。

まずは銀行選びから

 
 融資審査を通過するにはどうすればよいか……この問題を考えるとき、

決算書の内容
その他の資料作成
銀行との面談のシミュレーション
などを真っ先に考える人は多いものです。確かに、それらの要素も重要ですが、より根本的な部分を見落としている可能性があります。
 それは「銀行選び」です。
 自社の年商や信用力、資金需要の程度などによって、融資審査に通りやすい銀行と、通りにくい銀行があります。当然ながら、融資審査に通りやすい銀行を選び、日常的に関係を深め、好条件で融資を受けやすくなるよう工夫することが重要です。

年商に見合う銀行を

 
 最も重要なのは、自社の年商に見合う銀行を選ぶことです。
 一口に銀行といっても、メガバンク、地方銀行、信用金庫、信用組合、日本政策金融公庫など様々です。このうち、日本政策金融公庫は民間金融機関の補完的役割であり、積極的に選ぶべき銀行ではないため除外します。
 年商によって、選ぶべき銀行はかなり変わってきます。目安としては、

年商1億円未満⇒信用金庫/信用組合、地方銀行(どちらもメインバンク・サブバンクとして利用してよい)
年商1億円以上10億円未満⇒メインバンクに地方銀行、サブバンクに信用金庫/信用組合(長期的な成長を見据えるならば、徐々にメガバンクと付き合いを広げても良い)
年商10億円以上⇒メインバンクにメガバンクか地方銀行のいずれか(資金需要が大きければメガバンクをメインバンクに)、サブバンクに地方銀行か信用金庫/信用組合のいずれか(資金需要が高まるにつれて信用金庫/信用組合は使いにくくなるため、サブバンクとしては地方銀行を優先)
といった考え方になります。

複数行取引の重要性

 
 次に重要なのが、一行取引を避けて複数行取引を行うことです。一行取引とは、融資を受けている銀行が一行だけの状態であり、複数行取引は複数の銀行から融資を受けている状態です。
 一行取引では、唯一の取引銀行から融資を断られた場合、銀行融資の道を断たれてしまいます。融資審査に通る方法を考える以前の問題であり、非常にまずい状態といえるでしょう。
 複数行取引であれば、ある銀行から融資を断られても、別の銀行に融資を依頼できるため、資金を調達しやすいです。また、自社の経営が良好であれば、付き合いのある複数の銀行から融資の提案を受けることができます。
 自社から銀行に「貸してください」と申し込むのではなく、銀行から自社に「借りてください」と申し込んでくるのですから、提案を受けた時点で融資が内定している状態です。
 この意味において、複数行取引は融資審査を通しやすくするために、欠かせない要素といえるでしょう。

中小企業は地域金融機関を大切に

 
 年商に見合う銀行を選び、なおかつ取引する銀行を増やしていくことが肝心ですが、中小企業では特に地域金融機関との取引を意識してください。
 地域金融機関とは、自社が営業しているエリアの地方銀行や、信用金庫・信用組合のことです。
 メガバンクの主な融資先は国内の大企業ですが、それ以外にも収益の多角化を進めています。海外にも出店し、国外の企業からも利息収入が得られるほか、国際間送金や為替取引などによる手数料収入も得られます。国際的な投資案件などを手掛けることも多いです。
 これに対し、地域金融機関は収益の多角化が難しく、基本的には特定地域での融資によって収益をあげています。国外はもとより、国内でも新規エリアへの進出は困難です。新規エリアには、その地域で長年営業してきた地域金融機関が根を張っているからです。
 信用金庫や信用組合は金融機関のなかでも特殊であり、法律によって他のエリアへの進出が禁止されています。
 したがって、その地域の顧客からしっかりと利息収入を獲得しなければ、地域金融機関の経営は成り立ちません。
 また、地域の中小企業を積極的に支援することで地域経済の発展を促すことは、地域金融機関にとって大きなメリットがあります。その地域での経済が発展すれば、資金の流れが活発になり、資金需要も大きくなるからです。
 資金需要の増大に伴い、地域金融機関の融資額と利息収入も増え、また資金の流れが活発化することで手数料収入なども増えることが期待できます。
 このような事情により、地域金融機関は地域の中小企業を大切にします。中小企業側も、地域金融機関との関係を積極的に深めていくことで、融資審査に通りやすくなります。

情報提供の工夫を

 
 銀行選びを工夫した後、選んだ銀行で融資審査が通りやすくなるためには、融資を依頼したときの提出資料、日常的な提出資料、銀行への説明などを工夫することが大切です。
 ポイントは、

銀行が知りたい情報を積極的に提供すること
銀行がポジティブに考えやすいように情報を提供すること
です。

決算書の評価のポイント

 
 銀行は融資審査の際、様々な資料を参考にしています。しかし、あらゆる資料の中でも圧倒的に重要視されるのが決算書です。
 決算書の内容によって債務者区分と銀行格付けがほぼ確定するため、決算書の内容が悪ければ融資審査に通る可能性はかなり低くなります。
 金融庁は銀行に対し、決算書だけで判断せず、定性的な要素(経営者の能力、会社の事業内容や将来性など、数値化できない要素)も十分に考慮するように指導しています。しかし、数値化できない以上、定性的な要素で融資を判断することは難しく、どうしても定量的な要素(業績や財務などの数値化できる要素)を重視せざるを得ません。
 具体的には、決算書から収益性、安全性、成長性を評価し、そこから債務償還能力の評価へとつなげ、融資の可否と融資条件を検討します。
 したがって、融資審査に通りやすい決算書を作ることが重要です。具体的には、決算の半年前には決算を予想し、コンサルタントや税理士などの支援を受けながら、戦略的に決算対策を行うことが重要です。

資金使途を明確に

 
 銀行が貸し倒れリスクを測る際に重視するのが資金使途です。
 資金使途がしっかりしていれば、借入金をどのように使い、どのように利益につながるかが分かります。融資を申し込むと、銀行は必ず資金使途を聞いてくるため、説明に備えておくことが大切です。
 この時、口頭説明の準備も大切ですが、資金繰り表での説明がより重要です。資金繰り表を作成しておくと、

「この表の通り、〇月に×万円の資金不足が発生します。これは経常運転資金で、借り入れ後の(返済を織り込んだ)資金繰りは~~~です」

といったように、具体的に説明できます。資金使途や返済の流れが分かりやすく、銀行の警戒心を解くのに効果的です。

試算表の提出

 
 融資審査に通りやすくなるために、日ごろからやっておきたいのが試算表の提出です。決算書は1年間の経営の結果をまとめるものですが、試算表では途中経過をまとめます。
 試算表は、銀行側から提出を求められることも多いですが、求められずとも積極的に提出すべきです。月が変わったタイミングで前月の損益をまとめ、銀行に毎月提出するのがよいでしょう。
 当然、良い月も悪い月もあるでしょうが、良い月だけ提出して悪い月は提出しないのは好ましくありません。毎月作成・提出することにより、

自社の損益状況を経営者自身が細かく把握できる
試算表の内容が良くなるように、経営に努める意識を持ちやすくなる
丁寧に取り組んでいることを銀行に評価されやすい
毎月提出することで銀行と接触する機会を増やし、関係を深めやすい
経営努力が試算表に現れた場合、銀行の評価が高まる
試算表の内容が悪くとも、悪い情報も隠さずに提供することで信用されやすくなる
など、様々な効果が期待できます。融資審査にもプラスになります。

資金の動きを伝えるには

 
 特定の銀行と関係を深めたい場合には、資金の動きがしっかり伝わる状況を作るのが効果的です。そのためには、入金や支払いなどを集中させ、資金の動きが多い口座を作るのがよいでしょう。
 取引のある複数の銀行のうち、メインバンクは借入額が大きいため、口座の利用頻度も高くなると思います。しかし、メインバンクばかりに集中させるのは賢明ではありません。
 新規の取引先ができた場合には、関係を深めたい銀行の口座を入金や決済に選び、徐々に資金の動きを増やしていくのです。資金の動きが多くなると、銀行は口座を見ることで会社の財務状況を理解できるようになり、融資審査も柔軟になります。
 例えば、経営が順調な場合には、

入ってくるお金よりも出ていくお金の方が少ない。預金がだんだん増えている。手元資金は潤沢、経営は順調、資金繰りも安全だ。

融資の申し込みがあれば、積極的に対応しよう
定期預金を提案してみよう。定期預金を獲得すれば、それを保全と見なして××万円まで無担保・無保証で融資できるだろう
といった判断を引き出すことも可能です。これまで関係が浅かった銀行も、これをきっかけにプロパー融資を増やしていくことで関係が深まり、有力な資金調達先となります。

融資審査に通りにくい会社は経営計画書の提出を

 
資金調達の方法によって必要書類が異なります。
経営計画書を求められるのは、銀行の融資審査だけです。
融資審査に通りやすくするには、経営計画書もポイントとなります。

経営計画書が融資審査に与える影響

 
経営計画書は、融資審査にどのように影響するのでしょうか。
もちろん、融資の内容によっては経営計画書を求められないこともあれば、求めに応じて経営計画書を提出しても、融資審査にあまり影響しないと感じることもあるでしょう。
しかしながら、経営計画書が融資審査に影響することは間違いありません。
銀行から経営計画書を求められない場合も、あえて経営計画書を提出することで融資審査に通りやすくなることがあるのです。
求められて提出しても、融資審査への影響を感じられないならば、経営計画書に問題があるのかもしれません。
その場合、本当のところは「融資審査に影響がない」というよりも、「融資審査にマイナスになっている(が、融資審査には通った)」と考えるべきでしょう。
経営計画書の提出を求めるのは、銀行が融資審査に必要と考えているからです。
それが全く融資審査に影響しないということはなく、「プラスではない(気がする)」ということは、「(現実的に)マイナスになっている」可能性が高いのです。

経営計画書で融資審査に通る理由

 
実際に、経営計画書によって融資審査に通りやすくなることは多々あります。
融資審査に通りにくい会社が、経営計画書が評価されて融資審査に通ったり、融資審査に通りやすい会社が、経営計画書のおかげで融資条件が良くなったりすることが少なくありません。
これは、融資審査の根本的な部分を考えるとよくわかります。
銀行が融資審査で最も重視するのは返済力であり、返済力は利益によって見積もります。
つまりキャッシュフローが融資審査を左右するわけです。
キャッシュフローは、当期純利益と減価償却費を足し合わせることで簡易的に計算します。
黒字が大きい会社はキャッシュフローも大きくなり、返済原資が見込めるため融資審査に通りやすくなります。
逆に、赤字の会社はキャッシュフローもマイナスになり、融資審査には通りません。
融資審査の際に経営計画書を求められるのは、キャッシュフローが悪い会社です。
業績が悪く、赤字で返済原資が見込めない以上、銀行は「現在の経営状況では融資できない」と判断します。
もっとも、「融資できない」という判断も様々です。
「全く融資できる見込みがない」という判断もあれば、「融資しにくい」という判断もあります。
全く見込みがない会社は、経営計画書を提出したところで、融資審査の結果が覆ることはないでしょう。
しかし、「融資しにくい」という場合、融資審査に通る可能性はゼロではありません。
銀行は、現状の経営内容を中心に融資審査を行い、「融資しにくい」と判断したわけです。
ところが、会社の状況はいつまでも同じではなく、将来的に業績が回復する会社もあるのです。
銀行としても、今後経営が立ち直り、返済が見込めるならば融資したいと考えています。
簡単に融資を断っていると、銀行は顧客(融資先)をどんどん失い、いずれは自分の首を絞めることになるのです。
したがって、銀行に業績回復の見通しを示すことで、融資審査に通る可能性があります。
そのカギとなるのが経営計画書です。

経営計画書のポイント

 
経営計画書は、将来的に利益をあげて返済原資が得られることを書面で見せ、説明するために作成します。
銀行を納得させ、本来通らない融資審査を通すのですから、経営計画書の作成は非常に難しいように思えるでしょう。
経営計画書と事業計画書を混同し、数十ページもの経営計画書を作ろうとする経営者もいます。
しかし、いくつかのポイントを押さえておけば、経営計画書の作成は難しいものではありません。
融資審査に通る経営計画書の骨子は、年次損益計画・月次損益計画・アクションプランの三つで出来上がります。
この三つを提出するだけでも、融資審査に確実にプラスになります。
もちろん、融資審査に通ることを考えれば、良い経営計画書を作りたいところ。
そのために専門家に丸投げする経営者もいますが、それは避けるべきです。
たとえ良い経営計画書ができても、経営者が先頭に立って作ったものでなければ、融資審査には大してプラスにならないでしょう。
専門家が作った経営計画書と、それ対する経営者自身の理解・認識に齟齬が生まれるためです。
融資審査の際に銀行から経営計画書の説明を求められ、経営者がうまく対応できなければ、却って融資審査になる恐れがあります。
なお、経営計画書の提出は、融資審査を受けるときに限らず、いつでも構いません。
むしろ、融資審査に関係なく経営計画書を提出しておくのが望ましいです。
経営計画書を提出すると、銀行はそれを企業ファイルに保存しておき、次回の融資審査の際に参考にします。
融資審査の際、資料に経営計画書が含まれているかどうかで、銀行員の心証が良くなることは間違いないでしょう。

日常取引が融資審査の後押しになる

 
融資審査に最も影響するのは返済力であり、返済力は決算書から把握するものです。
しかし、銀行は決算内容だけで融資審査をしているわけではありません。
返済力があることに加えて、その会社を融資審査に通すことで、銀行の利益にどれだけ貢献できるかをみています。
銀行側の収益の観点から考えると、日常取引が融資審査に与える影響も無視できません。
日常取引の工夫によって融資審査に通ることがあるのです。

日常取引と融資審査の関係

 
そもそも、銀行の融資審査はなぜ返済力を重視するのでしょうか。
最大の理由は、貸し倒れを避けるためです。
貸し倒れにならず、元金+利息を回収することで、銀行は初めて利益を得ることができます。
銀行の一番の収益源は融資に伴う利息であり、利息を得られるかどうかは返済力にかかっています。
だからこそ、銀行の融資審査は返済力を重視するわけです。
もっとも、銀行の収益源は利息だけではありません。
融資以外の取引が大きい会社は、返済力に多少の問題がある(利息収入の面で問題がある)としても、その他の取引も合わせて総合的に判断した結果、融資審査に通ることがあるのです。
実際の稟議書をみても、融資審査を通すために、以下のように記載されるケースがあります。
「当社(融資先)からは、○○手数料として月〇万円を確保しており、今後の取引を一層深めるべく、本件融資を行いたい」
このように、日常取引は稟議書にも記載されることから、融資審査にプラスに影響することが分かります。
融資審査に容易に通る会社は、日常取引が融資審査に大きく影響することはないでしょう。
しかし、融資審査に通りにくい会社は、日常取引が融資審査の決め手になることがあります。

預金が融資審査にプラスになる

 
色々ある日常取引のうち、どの会社にも工夫しやすく、融資審査にプラスになるのは預金です。
銀行の貸付金は、預金を原資としています。
低い金利でお金を預かり、高い金利でお金を貸すことによって利息を得ているのです。
銀行としては、貸付金が豊富であるほど利息収入も増やせるのですから、たくさん預金してくれる会社とは良い付き合いをしたいと考えます。
実際に、銀行は融資額と預金額、そして融資金利と預金金利から取引採算をみています。
取引採算を知る方法のひとつに、「実効金利」があります。
実効金利は原始的な手法であり、銀行の融資審査では、より精度の高い「本支店方式」を用いることも多いです。
融資審査を受ける側としては、実効金利を把握しておけば十分でしょう。
実効金利は、以下の計算式によって計算します。

(融資額×融資金利-預金額×預金金利)÷(融資額-預金額)=実効金利

例えば、融資額3000万円・融資金利2%、預金額1500万円・預金金利0.1%の場合、実効金利は3.9%です。
「実効金利が3.9%である」ということは、銀行が会社から「実質的に3.9%の利息収入を得ている」ということを意味します。
この会社が、預金を増やすことなく借入金を増やし、預金額1500万円・融資額5000万円となれば、実効金利は2.8%に低下。
逆に、借入れを増やさずに預金を増やし、預金額2000万円・融資額3000万円となった場合、実効金利は5.8%へと上昇します。
つまり、預金が多いほど銀行の収益性は高まるのです。
これにより、「この会社と付き合うメリットが大きい→融資審査に通したい」という判断にもつながります。
現在、融資審査に通りにくいと感じているならば、預金を集中させるのも一つの手です。
複数の借入銀行のうち、融資審査に比較的通りやすい銀行に預金を集中させることで、さらに融資審査に通りやすくなります。
あるいは、融資審査に通りにくいと感じている銀行に対し、ある程度預金を積むことで、融資審査の姿勢が変わることがあります。
これは、預金の多さ(実効金利の高さ)を銀行が評価するためです。
また実効金利の計算式をみれば、融資金利が高いほど実効金利が高くなることが分かります。
融資審査の結果、銀行が高めの金利を提示してきた場合、取引採算を確保するためかもしれません。
逆にいえば、借入金利を引き下げるには、低金利でも銀行が採算を取りやすいように、預金を積むのが効果的です。
預金を増やすことは、融資審査に通りやすくするだけでなく、好条件で融資を受けることにも役立ちます。
銀行と取引する中で、「預金残高は平均で○○以上を保つようにしてください」と言われることがあるのも、やはり取引採算を考えてのことです。
日常取引を融資審査に活かすためにも、まずは預金の扱い方を工夫すると良いでしょう。

手数料で銀行を儲けさせる

 
銀行の収入源のうち、利息に次いで重要なのが手数料収入です。
会社は、銀行に色々な手数料を支払っています。
振込手数料、手形取立手数料、外国為替手数料、インターネットバンキング手数料などなど。
これらの手数料は、1件当たりの金額は微々たるものです。
しかし、それらが積もり積もって大きな収入になることも事実。
したがって、手数料で銀行を儲けさせることも、融資審査にプラスとなります。
銀行は各融資先の情報をファイリングしており、その中には手数料に関する情報も含まれています。
その会社から、毎月いくらの手数料収入があるのかを記録し、融資審査の材料にしているのです。
銀行は、手数料収入が多い会社ほどメリットが大きいと考え、融資審査の際に好意的に判断します。
少々問題がある会社でも、振込みや手形取立といった日常取引が多ければ、総合的な採算取引をみて融資審査に通してくれることがあります。
銀行は、「安易に融資を断り、手数料収入を減らしたくない」と考え、また「あえて融資審査に通し、一層の取引深耕を図りたい」と考えているのです。
融資審査に通りやすくなるには、手数料で銀行を儲けさせることを考えてください。
例えば、融資審査が厳しく資金調達に役立たない銀行で、多くの振込取引をしているならば、それを別の銀行に移すことで、融資審査に通りやすくなります。
個々の手数料取引は小さく、積もり積もってはじめて融資審査にプラスになるものですから、複数の銀行に分散させるよりも、特定の銀行に集中させるのが賢明です。

その他の取引

 
日常取引のうち、その他の取引も簡単にみていきましょう。

口座振替

 
月々の決まった支払いを、振替口座からの引き落としにしている会社も多いことでしょう。
この時、銀行が受け取る引き落とし手数料も、収益源の一つとなっています。
引き落とし手数料も、手数料収入という意味では振込手数料や手形取立手数料と同じです。
しかし、引き落とし手数料には全く異なる性質があります。
それは、振込手数料などが「振込の際に手数料を支払う(不定期的な収入)」であるのに対し、引き落とし手数料は「口座振替のたびに手数料を支払う(定期的な収入)」ということです。
口座振替の対象となるのは、公共料金や保険料、各種会費などであり、支払いの間隔が「毎月」「〇ヶ月ごと」「1年1回」などと決まっています。
口座振替が多いほど、銀行にとっては安定収入が増えることにほかなりません。
さらに、口座振替が増えることによって、別の面でも銀行にメリットがあります。
それは預金額の増大・維持です。
多くの口座振替を行うためには、会社は振替口座の預金を多く保っておく必要があります。
これにより実効金利が高まり、銀行はその会社との取引採算が良くなるのです。
口座振替を特定の銀行に集中させることで、融資審査に通りやすくなります。

銀行(系列)のサービスを利用

 
銀行のサービスを利用したり、銀行の関連会社のサービスを利用したりすることも、融資審査に有効です。
銀行自身のサービスとしては、例えば貸金庫があります。
会社が貸金庫の利用することで、その利用料が銀行の収益になります。
銀行サービスの利用先をあらかじめ決めておき、儲けさせることで融資審査にプラスになるでしょう。
また、銀行には様々な関連会社があります。
リース会社や証券会社、保険代理店などが良い例です。
会社の設備をリースする際や、事業保険に加入する際、特定の銀行の関連会社を利用することで、グループ全体で取引採算を良くしていくことができます。
これも日常取引のひとつであり、融資審査のプラスになります。

融資審査を左右する債務者区分とは?

 
ここまで解説した通り、銀行の融資審査に通るには、取引する銀行の選び方や提出書類、日常取引などが重要となります。
これに加えて知っておきたいのが債務者区分です。
債務者区分を理解することで、融資審査に通りやすくなります。

債務者区分とは

 
債務者区分とは、銀行が融資先を信用に応じて格付けするものです。
金融庁の指導により、全ての銀行は一定の基準で融資先を区分し、融資審査の参考にしています。
参考にしているというよりは、むしろ「債務者区分で融資審査に通りやすいかどうかが決まる」といっても過言ではないでしょう。
現在の債務者区分が良好な会社は、債務者区分が落ちないように心がけることで、融資審査に通りやすい状態を保つことができます。
また、現在の債務者区分が悪い会社も、債務者区分が上がるように適切な努力をはらうことにより、融資審査に通りやすくなるのです。

債務者区分と融資審査

 
債務者区分は、正常先・要注意先・要管理先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先の六つです。
このいずれに区分されるかによって、融資審査が大きく左右されます。
債務者区分は、それほど重要なものなのです。
債務者区分が融資審査に与える影響を簡単にまとめてみます。

  • 正常先・・・現在の業績が良く、財務的に問題がない融資先。融資審査に通りやすい。
  • 要注意先・・・業績悪化や延滞などの懸念があり、貸倒れリスクが高まっている融資先。今後の取引に注意が必要となり、融資審査に通りにくくなる。
  • 要管理先・・・要注意先からさらに状況が悪化し、要管理債権に該当する融資先。融資審査は一層厳しくなり、新規・追加融資がほとんど受けられなくなる。
  • 破綻懸念先・・・現時点では経営が破綻していないものの、深刻な経営難に陥り、改善が見込めない融資先。近い将来に破綻が懸念されるため、融資審査に通る可能性はほぼゼロ。
  • 実質破綻先・・・法的・形式的に経営破綻の事実はないものの、実質的な破綻状態(自主廃業による営業所の停止、実質的に営業を行っていないなど)にある融資先。融資審査に通る可能性はゼロ。
  • 破綻先・・・法的・形式的な経営破綻の事実(破産などの法的手続きの開始、手形の不渡りによる取引停止処分など)がある融資先。融資審査に通る可能性はゼロ。

簡単にいえば、銀行の融資審査に通りやすいといえる債務者区分は正常先だけです。
融資審査に通りやすいだけではなく、プロパー融資・低金利・長期貸付などの好条件にもつながります。
債務者区分が正常先から一つでも低下すると(要注意先以下になると)、融資審査はたちまち厳しくなります。
要注意先や要管理先の場合、融資審査に通らないわけではないものの、融資審査は非常に厳しいです。
将来的に経営が改善し、正常先に戻る見込みがなければ融資審査に通らないことが多く、新規融資となると基本的には融資審査に通りません。
破綻懸念先以下は融資審査に全く通らず、将来的な見通しで融資審査を通すこともあり得ません。
「破綻」の二文字がチラつく会社を、銀行が融資審査に通すはずがないのです。

債務者区分と貸倒引当金の関係

 
債務者区分は、二つの意味において融資審査を左右します。
一つは、上記のように「債務者区分=経営・信用状況」であり、経営の正常・異常がはっきり表れるためです。
もう一つは貸倒引当金です。
金融庁のルールにより、銀行は債務者区分に応じて貸倒引当金を積み立てることを義務付けられています。
貸倒引当金を準備しておけば、融資先が破綻して貸倒損失が発生しても、銀行の経営が破綻する(銀行自身が連鎖倒産に見舞われる)ことはありません。
金融の混乱を防ぐためにも、金融庁は貸倒引当金を義務付けているのです。
当然ながら、債務者区分が良好な融資先は貸倒引当金が小さく、債務者区分が悪化するほど貸倒引当金は大きくなります。
債務者区分ごとの貸倒引当率は以下の通りです。

  • 正常先・・・0.2~0.3%
  • 要注意先(要管理先を含む)・・・1~15%
  • 破綻懸念先・・・50~70%
  • 実質破綻先・・・100%
  • 破綻先・・・100%

このように、債務者区分によって貸倒引当率は大きく変化します。
正常先の引当率は微々たるものですが、要注意先になると引当率は跳ね上がり、破綻懸念先以下は目も当てられません。
1億円を融資した場合、貸倒引当金はわずか20~30万円ですが、融資後の経営悪化により要注意先に転落すると、最大(引当率15%)で1500万円もの引当金を積むことになります。
銀行は、貸付金の中から貸倒引当金を拠出します。
本来貸し付けに回せるはずの資金が、貸倒引当金として拘束されてしまうのです。
貸付金は利息収入を生みますが、貸倒引当金はただ積んでおくだけで何の利益も生みません。
つまり、債務者区分が低い会社を融資審査に通すことは、銀行の収益効率を悪化させます。
銀行が収益効率を維持するには、正常先の会社だけを融資審査に通し、要注意先以下の会社は融資審査に通さないのが合理的です。
これが、「正常先は融資審査に通りやすく、要注意先以下は融資審査に通りにくい」という差につながります。

債務者区分を把握するには?

 
銀行の融資審査に通るには、正常先の会社は正常先の維持に努め、要注意先以下の会社は正常先への回復を目指す必要があります。
そのためには、自社の債務者区分を把握しなければなりません。
手っ取り早いのは、借入先の銀行に直接聞いてみることです。
ただし、銀行員は融資審査について語ることを好みません。
融資審査を落ちた会社が、その理由を尋ねても、詳しいことは語らないものです。
同じように、債務者区分を尋ねたところで、答えてくれないこともあります。
銀行から債務者区分を聞き出すポイントはいくつかあります。
まずは、借入先の銀行のうち、自社と相性が良い銀行を選びましょう。
取引が多く付き合いの長い銀行を選んでも良いですし、経営者と融資担当者が親しいならば、その銀行を選んでも構いません。
次に、尋ね方も重要です。
そもそも、銀行員が債務者区分を教えたがらないのは、融資先とのトラブルを避けるためです。
債務者区分が悪いことを下手に伝えてしまうと、
「長年にわたって取引を続けてきたのに、なぜ債務者区分が悪いのか」
などと息巻く経営者もいます。
この場合、経営者が債務者区分を理解していないことが多く、無用なトラブルを招く恐れがあるのです。
銀行員も人間ですから、無用なトラブルは避けたいと思います。
また、トラブルによって取引が減ったり、評判に瑕がついたりする恐れもあるでしょう。
ならば最初から伝えない方がマシ、と考えるのも無理はありません。
逆にいえば、トラブルの懸念がなければ、銀行員が債務者区分を教えてくれる可能性は十分にあります。
そのためには、債務者区分を正しく理解していること、債務者区分を踏まえて経営努力に取り組みたいこと、延いては融資審査に役立てたいことが伝わるように心がけてください。
「なぜ融資審査に通らないのか?債務者区分が悪いのだろうか?そこを教えてほしい」
と尋ねるよりも、
「資金調達を円滑に行うため、融資審査にプラスになるように心がけたい。ついては、自社の債務者区分が知りたい。債務者区分が分かれば、区分が良くなるように経営努力ができるし、今の区分が悪いならば早めに知っておきたい。現状をありのままに教えてもらえないだろうか」
と尋ねた方が、銀行員は警戒心を解くものです。
関係が良好な銀行であれば、債務者区分を教えてくれることでしょう。

債務者区分をよくするには?

 
自社の債務者区分を把握し、正常先であると分かれば融資審査は良好です。
今まで通り、経営に励み、銀行取引を続けることで正常先を維持できるでしょう。
問題は、債務者区分が要注意先以下と分かったときです。
この場合、債務者区分をよくするために行動する必要があります。
根本的なことを言えば、経営を正常化することが大切です。
経営が正常な会社は、債務者区分も正常先に区分されます。
例えば、損益計算書が黒字、貸借対照表が債務超過でない、借入金の返済に遅れていない、といった会社は経営が正常(=債務者区分が正常先)であり、融資審査に苦労することも少ないです。
逆に、経営が正常でなければ、債務者区分は要注意先以下に落ちることが多いです。
赤字決算、実質債務超過、延滞、リスケジュールの実施などは、どれも債務者区分が落ちる原因になります。
特に延滞やリスケジュールは、その事実だけで問答無用に「正常先→要注意先以下」となりかねません。
リスケジュールに踏み切った会社は、債務者区分の改善が困難です。
一定期間にわたってリスケが続き、その間は経営改善の結果にかかわらず、「リスケ中」というだけで「要注意先以下」になります。
リスケ完了までは正常先に回復しないのです。
ただし、本来「要注意先以下」になりかねない会社が、正常先を維持できる場合もあります。
分かりやすいのが一過性の赤字です。
一般的に、赤字の会社は正常先を維持するのは難しく、大抵は要注意先に転落します。
しかし、その赤字が一過性のものであり、次回の決算で黒字回復が確実であれば、正常先のまま据え置いたり、要注意先から正常先に引き上げてくれることがあるのです。
このように債務者区分を改善するには、いかに銀行を納得させるかが重要です。
そのためにも、説明資料を作成し、銀行員にアピールしましょう。
もちろん、銀行が納得せず、債務者区分の改善につながらないこともあります。
しかし、実際に当たってみなければ分かりません。
融資先の債務者区分が良くなることは、銀行にとってもプラスになります。
債務者区分が悪化すれば貸倒引当金が増えるのですから、融資先の債務者区分がよくあってほしい、そして貸倒引当金を減らしたいというのが銀行のホンネです。
金融庁の指導によりやむを得ず区分しているだけで、銀行に協力的であり、真摯に取り組んでいる会社に対しては、なんとか好材料を見つけ、債務者区分が良くなるように図ってくれることもあります。

融資審査に通りやすくなるコミュニケーション

 
銀行の融資審査に通るためには、何と言っても業績・財務が良好であることが欠かせません。
これが大前提ですから、業績・財務が良ければ融資審査に困ることも少ないものです。
しかし、融資審査を通しやすくする要素はほかにもあります。
銀行とのコミュニケーションの取り方次第で、融資審査に通りやすくなるのです。

銀行の構造

 
銀行の組織構造について簡単にみておきましょう。
まず、銀行には本部と支店があります。
大抵の場合、資金調達の際に相談し、融資審査を受けるのは支店です。
さらに、支店の中をみると、融資係・預金係・得意先係に部署が分かれています。
銀行によって係の名前が異なることもありますが、三つの係が役割を分担し、支店を回していることは同じです。
融資係は、支店の融資審査を担う係です。
預金係は、支店の窓口で預金や振込などの業務を行うほか、支店内で出納・振込事務に当たります。
得意先係は、外回りをする係で、いわば営業担当です。
それぞれの係には係長がおり、係長の次に次長、その上が支店長、さらにその上が(支店を離れて)本部という構造になっています。
すでにご存じの人も多いでしょうが、銀行の融資審査は稟議制によって行われます。
稟議制とは、融資審査に関する書類(稟議書や審査書類)を支店内で回覧し、融資審査の可否を決めるものです。
回覧した行員が、それぞれ可(融資審査を通す)あるいは否(融資審査を通さない)の意見を記載し、最終的に支店または本部の審査部で決裁します。

融資審査のキーマンは?

 
銀行の組織構造のうち、融資審査のキーマンは誰でしょうか?
それは、支店長と融資係長です。

支店長の影響力

 
まず支店長ですが、支店長は支店の中で最も権力が強く、融資審査にも大きな影響力を持っています。
実際に、稟議に携わった行員が全て「融資審査に通せない」と判断した場合でも、最終的に支店長が「融資審査に通す」と判断しさえすれば、融資審査には通るのです。
逆に、他の全ての行員が「融資審査に通す」と判断しても、最後の最後で支店長が「融資審査に通せない」と決断すれば、融資審査に通ることはあり得ません。
気になるのが本部の存在です。
融資額が大きい場合や、信用状況が特殊な場合には、支店だけでは融資審査を判断できないことがあります。
その際には、最終的に本部の審査部が最終決裁を行います。
本部は支店長よりも上位の存在ですから、支店長が「融資審査に通す」と判断する一方で、本部が「融資審査に通さない」と判断すれば、融資審査に通らない可能性が高いです。
このように、本部は支店長より強い力を持っていますが、融資審査への影響という点では、やはり支店長の方が強いといえます。
というのも、多くの場合、本部は支店長の意見を尊重するためです。
本部は現場をみているわけではありませんが、支店長は現場で融資審査に携わっています。
現場の支店長が「融資審査に通す」といっているものを、現場を知らない本部が「融資審査に通さない」と判断するならば、それはよほど大きな問題があるケースです。
大抵は、現場の支店長の意見が尊重され、支店長が「融資可」であれば本部でもやはり「融資可」と判断するのが一般的です。
このように考えると、支店長は融資審査に絶大な影響力を持っていることが分かります。

融資係長の影響力

 
融資審査におけるもう一人のキーマンは融資係長です。
これは、支店長が融資係長の意見を尊重するためです。
支店長は、融資審査に最も大きな影響を持っていますが、融資審査以外にもたくさんの仕事を抱えています。
そもそも、支店の経営は大変な負担です。
本部から課せられた支店のノルマを達成するべく、支店全体の指揮を執り、支店長単体でも様々な働きをしなければなりません。
例えば、支店の重要な顧客を支店長自ら訪問したり、支店を訪ねてきた本部の役員・行員に対応したり、顧客とゴルフその他の付き合いをしたり、地域の会合へ参加したり…
支店の業績を伸ばすために、支店長は多忙に働いているのです。
支店長が暇ということは基本的にあり得ず、稟議書を細かく検討できないことも少なくありません。
その際、支店長が何を基準に融資審査を決裁するかといえば、それは「融資係長の判断」です。
融資審査に最も近いのは融資係ですから、その係長が「融資審査に通す」と判断していれば、多忙な支店長も安心して「融資審査に通す」と判断できるというわけです。
したがって、銀行の融資審査に通りやすくするためには、そのキーマンである支店長と融資係長とのコミュニケーションを意識する必要があります。

支店長とのコミュニケーション

 
融資審査に通りやすくするには、具体的にどのようなコミュニケーションをとればよいのでしょうか。
まずは支店長とのコミュニケーションをみていきましょう。

支店長とコミュニケーションとる難しさ

 
支店長とのコミュニケーションは、自社が意識しなければなかなか難しいものです。
なんといっても、上記の通り支店長は多忙です。
銀行の支店は、小さなところでも何百社、大きなところでは何千社という融資先を抱えています。
多忙な支店長が、それらの全てとコミュニケーションをとるのは現実的に不可能です。
支店にとって重要な顧客であれば、支店長とコミュニケーションをとるのも容易でしょう。
しかし、そうでない会社も、うまく働きかけることで支店長と接点を持つことができます。
機会のあるごとに、支店長とのコミュニケーションを図り、自社の存在をアピールすることが大切です。
その結果、支店長から応援したいと思われるようになれば、支店長の権限がうまくはたらき、融資審査に通りやすくなります。

決算説明がカギになる

 
支店長と接触する機会として、おすすめなのが決算説明です。
会社が決算期を迎え、決算書を作成した際に、その内容を銀行に説明することを決算説明といいます。
決算説明は、銀行から強制されるものではなく、自社の方からお願いして自主的に行うものです。
銀行も、融資先の決算内容を詳しく知りたいと考えているため、決算説明を行いたいといえば拒否されることはありません。
ポイントは、銀行の担当者に決算説明を申し込むわけですが、このとき「支店長も同席してほしい」と依頼すると。
銀行員と自社の日常的な接触の場に、多忙な支店長が同席することは基本的にありません。
銀行員としても、特別な機会でもなければ、支店長に同席をお願いするのは気が引けるものです。
しかし決算説明は1年に1回のことであり、融資先の現状を把握する良い機会でもありますから、支店長の同席も実現しやすいです。

支店長にアピールを

 
ただし、決算説明だけで終わっては意味がありません。
真の目的は、支店長に自社のことを認知させ、好印象を持ってもらうことです。
そのためにも、自社について可能な限りアピールしましょう。
自社が取り扱っている商品やサービスの特徴や強み、業界内における自社のポジション、経営計画、理念などを説明するのです。
もちろん、口頭で説明するだけでは、その場で印象付けてもすぐに忘れられてしまうため、書面を作って説明し、支店長に覚えてもらうことを心がけてください。
支店長が同席した上で決算説明を行っても、すぐに融資審査に通りやすくなるわけではありません。
それほど効果がないように思えることもあるでしょう。
しかし、支店長の心情的に、「経営者と全く面識のない会社」よりも、「経営者と面識があり、いくらかの好印象を持っている会社」の方が融資審査に通しやすいことは間違いありません。
もちろん、決算説明でアピールしたことが好材料となり、支店長が「融資審査に通す」と判断しやすくなることも事実です。
大多数の経営者は、決算説明そのものを全く知らない、あるいは知っていても自主的に行っていません。
そんな中、自社が積極的に決算説明を行い、支店長とコミュニケーションを図れば、他の会社と差をつけることができます。

融資係とのコミュニケーション

 
融資審査に通りやすくするためとはいえ、支店長とコミュニケーションをとる機会は限られます。
そこでぜひ取り組みたいのが、融資係とのコミュニケーションです。
試算表の提出などを通して、できるだけ高い頻度で訪問するのがベストですが、そうでなくとも3ヶ月に1回程度は訪問したいところ。
この時、訪問先は融資係です。

融資係の影響力

 
融資係を訪問すべき理由も、支店長と基本的には同じです。
融資係に自社のことを知ってもらい、良い印象を抱かせることで、融資審査に通りやすくなります。
なんといっても、融資係は融資審査を行う係です。
では、融資係が何のために融資審査を行うのかといえば、それは貸し倒れを出さないためです。
融資係は、貸し倒れを出さないことによって上から評価されます。
稟議書に否定的な意見を記載するのは常に融資係であり、融資係の意見が稟議全体を方向付け、融資審査を決定づけることも珍しくありません。
逆に、融資係に好印象を抱かせ、稟議書に肯定的な意見を記載してもらえば、それだけで融資審査に通りやすくなるわけです。

融資係を訪問したら

 
融資係は、支店内で融資審査を行っており、外出する機会はあまりありません。
自社の方から接触を図らない限り、融資係は企業ファイルの情報や稟議書の内容だけで融資審査を行うことになります。
それらの情報を見ただけでは、融資先の情報を正確に把握できず、良くない印象を持つこともしばしばです。
また、「多くの融資先の一社」としか見てもらえなければ、融資審査に通りやすくなることはありません。
このリスクを避けるためにも、自社の方から融資係を訪問し、アピールすることが重要なのです。
融資係を訪問する名目は色々あります。
試算表や資金繰り表を渡すという名目であれば、自社としても訪問しやすく、拒否されることもないでしょう。
訪問すれば、30分程度はコミュニケーションをとれるものです。
これにより、少なくとも「多くの融資先の一社」から「経営者と面識がある会社」になります。
自社について積極的にアピールし、経営計画書などを用いてビジョンを語れば、融資係が好印象を持つことも期待できます。
それによって、融資審査に通りやすくなることは間違いありません。
なお、融資係には平社員もいれば係長もいます。
上記の通り、融資係長は融資審査のキーマンですから、融資係の訪問時には、できるだけ融資係長に接触することを心がけましょう。

得意先係とのコミュニケーション

 
自社の方から銀行を訪問することに加えて、銀行の方から自社を訪問するように仕向けることで、銀行とのコミュニケーションがさらに深まります。
自社を訪問してくれるのは得意先係です。
自社の働きかけ次第で、1ヶ月に1回程度の頻度で得意先係が訪問してくるようになります。

訪問の名目を与える

 
得意先係は、顧客を訪問して営業する係です。
多くの顧客を訪問し、融資を獲得するのが仕事ですから、得意先係から提案を受けて融資を申し込んだ方が、確実に融資審査に通りやすくなります。
ただし、自社が得意先係の訪問を望んでも、なかなか訪問してこないこともあるでしょう。
銀行員も人間ですから、訪問しやすい顧客と、訪問しにくい顧客があります。
その場合、得意先係が訪問しやすいよう、その名目を与えるのが効果的です。
何の名目もなく闇雲に訪問すれば、経営者から邪見に扱われることもあります。
「こちらも忙しいのに・・・」といった態度を取られることもあるのです。
逆に、名目さえあれば得意先係は訪問しやすくなります。
例えば、「毎月一回、試算表を取りに来てほしい」というだけで、得意先係には訪問する名目ができるのです。
上記の通り、自社から融資係を訪問することも必要ですから、全てを得意先係に任せるわけにはいきません。
したがって、3ヶ月に1回は自社が融資係を訪問して資料を提出し、それ以外は毎月得意先係に訪問してもらうのが良いでしょう。

得意先係から融資提案を受ける

 
得意先係の訪問を受けた際には、資料を手渡すだけではなく、その都度コミュニケーションを深めます。
これにより、訪問の際に融資提案を持ってくることが増え、融資審査に通りやすくなれば大成功です。
もっとも、得意先係から融資提案を受けるには、ある程度自社の状況が良好であること(融資審査に通る見込みがあること)が前提です。
いくら訪問したところで、訪問先が融資審査に通らない会社であれば、融資を提案することはできません。
融資の獲得につながらない以上、得意先係としても訪問する意味がなく、良いコミュニケーションを取ることも難しいでしょう。
とはいえ、訪問そのものがなければ、融資を提案するかどうかの判断もないわけですから、得意先係の訪問を習慣づけておくことが大切です。

融資審査で注意すべきことは?

 
 ここまで、融資審査に通りやすくなる方法を挙げてきました。
 同時に知っておきたいのが、融資審査で苦労しないために注意すべきポイントです。

担保の過信は禁物

 
 担保の提供は、融資審査に通りやすくなるために効果的です。担保があれば、万が一貸し倒れに陥っても担保の売却によって回収でき、貸し倒れ損失を回避できるからです。
 担保価値が大きければ、多額の融資を低金利で引き出せる可能性も高いです。
 しかし、担保を過信するのは禁物です。というのも、担保価値相応の融資を出してくれるとは限らないからです。
 銀行にとって、担保は保全に過ぎません。担保を取ることで損失の回避・軽減が期待できますが、実際に貸倒れに至った場合、様々な問題が生じることも事実です。
 分かりやすいのが、担保売却に大変な手間がかかることです。銀行は融資のプロであっても、担保売却のプロではありません。
 早急に売却するには、売り手とのスピーディなマッチングが必要です。担保価値を下回る売値で手を打つこともあるでしょう。
 これを踏まえて、銀行は担保価値の満額を融資しないことも多いです。担保を過信し、「あの不動産には、まだ担保余力が××万円あるから……」などと甘く考えていると、資金調達計画にズレが生じる可能性があります。
 資金調達計画が狂うと、融資審査への対策も不十分となり苦労します。その際には、ファクタリングなどで短期資金を確保しつつ体制を立て直すこともできますが、最初から担保余力に頼りすぎないほうが賢明です。 

ノンバンクは最終手段

 
 ノンバンクからの資金調達は避けるべきです。高金利のノンバンクからの借り入れがあると、銀行はマイナスに評価するため融資審査に通りにくくなります。
 銀行融資を受けられる会社であれば、わざわざ高金利のノンバンクで借りる必要はありません。業績や財務に大きな問題があり、銀行からの融資を受けられないからこそ、ノンバンクで借り入れているのです。つまり、ノンバンクで借りている事実そのものが、大きなマイナス評価の対象となります。
 ノンバンクはスピーディに融資してくれるため、時間に余裕がない場合、あえて銀行融資ではなくノンバンクを選ぶ経営者もいます。すぐに返済でき、次回の銀行融資に影響がなければ問題ありませんが、なんにせよノンバンクからの借り入れは避けたいものです。
 緊急的に資金調達が必要になった場合には、ノンバンクよりもファクタリングの活用をおすすめします。

税金の滞納は絶対NG

 
 絶対に避けなければならないのは、税金や社会保険料、公共料金の滞納です。これらが未納の状態で融資を申し込めば、融資審査に通る可能性はほぼゼロとなります。
 銀行が最も嫌うのは貸し倒れリスクです。税金などを支払っていない会社は、税金さえ支払えないほど資金繰りが苦しい会社と見なし、貸し倒れリスクが高いと判断します。融資審査に通るはずがないのです。
 もし、融資が必要になった時に滞納があるならば、ファクタリングなどで資金を調達して納付を済ませておくべきです。

関連会社に注意

 
関係会社がある場合、融資審査への影響に注意してください。
関係会社がある企業は、本社と関係会社の間で資金調達・資金繰りが曖昧になることがよくあります。
例えば、父と子が別々の会社を経営しているものの、その会社の関係が密接であれば、銀行は実質的に一体とみなします。
融資審査の際にも、それぞれの会社を個別に考えて融資審査するのではなく、一体とみなして融資審査をするのです。
この場合、父の会社Aと子の会社Bにそれぞれ5000万円の融資を出すのではなく、父と子の会社(AとB)の合計で5000万円の融資を出します。
実際にはAとBの経営が一体ではないとしても、関係が密接であれはあるほど、銀行が一体とみなす可能性が高いです。
例えば、関係会社の間で取引や貸借が多ければ、銀行からは実態が見えにくくなり、リスクを避けるためにも一体と見なすほかありません。
当然、融資審査も慎重になり、通りにくくなるでしょう。
したがって、関係会社があるならば、銀行から実質同一体とみられないようにすることで、融資審査に通りやすくなります。
実質同一体とみなされやすいのは、以下のようなケースです。

  • 本社と関係会社の代表者が同じである
  • 本社と関係会社の住所が同じである
  • 本社の代表者の家族が、関係会社の代表者になっている
  • 本社が関係会社の株式を多く所有している
  • 本社と関係会社の大株主が同一人物である
  • 本社と関係会社の間で資金の貸借が大きい

以上の場合、銀行は実質同一体の可能性を疑い、融資審査に反映します。
融資審査の際、借入を希望しているのはA社であっても、B社の決算書を求められることがあります。
これは、銀行がA社とB社を実質同一体とみなしている証左です。
この時、B社の決算内容が非常に悪ければ、A社は融資審査に落ちるでしょう。
なぜならば、A社に出した融資がB社に流れることを警戒するためです。
基本的に、関連会社を作ることは、融資審査に何らプラスにはなりません。
事業の必要から関連会社を作るならば、銀行から実質同一体とみられないように、経営の分離を心がけてください。

個人事業主は法人成りを

 
個人事業主が銀行から資金調達したい場合、法人成りがカギとなります。
これは、個人事業主よりも法人の方が、融資審査に通りやすいためです。
特に法人化を避けたいのでなければ、個人事業主のままで融資審査を受けるよりも、法人成りしてから融資審査を受けた方が良いでしょう。
なぜ、法人成りによって融資審査に通りやすくなるのでしょうか。
それは信用の違いです。
個人事業主は、年に1回確定申告を行い、法人も年に1回決算書を作ります。
いずれも業績や財務内容が反映されますが、信用の点では大きな差があります。
個人事業主の場合、事業と家計の分離が曖昧になりやすく、確定申告書はあまり信頼できず、融資審査も難しいものです。
その点、法人は経営者個人の家計と事業が明確に分離しているため、決算書の信頼は高く、安心して融資審査に通せるというわけです。
個人事業主が法人成りするタイミングは、早ければ早いほど融資審査にプラスになります。
資金調達の直前に法人成りしても、あまり意味はありません。
なぜならば、銀行の融資審査では業歴もみるためです。
業歴が長いほど融資審査に通りやすく、業歴が短いほど融資審査に通りにくくなります。
現時点で資金調達が必要かどうかに関係なく、将来的な資金調達に備えて、できるだけ早く法人成りしておくのがおすすめです。

まとめ:融資審査に通りやすくなれば資金調達が円滑に

 
 本稿では、融資審査に通過しやすくなる方法を解説しました。銀行選び、資料作成、日常取引など、色々な角度から工夫していくことによって、融資審査に通過する可能性を高めることができます。
 同時に、融資審査に通過しにくい状況を避けることも大切です。特に、ノンバンクからの借入れや税金の滞納などは絶対に避けるべきです。このとき、ファクタリングが非常に役立ちます。
 少額資金が緊急で必要になった場合や、税金・社会保険料などの支払いに困ったときには、No.1にご相談ください。

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