カテゴリー: 銀行融資

ノンバンクを利用した場合の銀行への影響とは?悪影響を避ける方法も徹底解説

銀行もノンバンクも法人や個人に融資するという意味では機能は同じです。

しかし、銀行とノンバンクは似て非なるものです。
「銀行(バンク)」と「ノンバンク」という名称だけをみても、明確に区別されていることが分かります。
さらに、ノンバンクは銀行の評価に悪い影響をもたらします。
実際、銀行の融資担当者から見ると、ノンバンクを利用している企業に対してあまりいい評価をしないようです。

どちらも調達先・借入先でありながら、なぜ悪い影響があるのでしょうか。

この記事では、ノンバンクに関する基礎知識から、銀行の評価に与える理由、そして対策について詳しく解説します。

そもそもノンバンクとは

ノンバンクとは、金融業者のうち金融機関を除くものを指します。
メガバンク、地方銀行、信用金庫・信用組合などの金融機関は「銀行」の括り、信販会社や消費者金融業者は「ノンバンク」の括りで考えると分かりやすいでしょう。
ノンバンクの特徴は、預金業務や振込などを行わないことです。
もっとも、日本政策金融公庫などは公的な金融機関として位置づけられており、ノンバンクではなく銀行のひとつに分類されますが、日本政策金融公庫も預金や振込業務は行っていません。
あくまでも、預金や振込業務を行わないことは、ノンバンクの特徴の一つと考えるべきでしょう。
この記事では、ノンバンクの定義を「金融機関を除く金融業者」として解説します。

ノンバンクの特徴

 
ノンバンクが銀行に与える影響を知るためには、ノンバンクの特徴をおさえておく必要があります。
ノンバンクの特徴は以下の通りです。

金利が高い

 
ノンバンクの融資は、通常の銀行融資に比べてはるかに金利が高いです。
銀行融資の金利は年2~3%程度であるのに対し、ノンバンクの融資は年利15%程度の設定も珍しくありません。
ノンバンクの公式HPなどでは、商品概要欄に「年利1~15%」などと表示していることがあり、銀行とあまり変わらない金利で調達できるようにもみえます。
しかし、ノンバンクが銀行よりも低い金利になったり、同水準になったりすることは基本的にないと考えてください。
これには理由があります。

銀行の金利設定

 
民間の銀行は、顧客から集めた預金を貸付原資とし、足りない部分を日本銀行から調達しています。
2025年7月現在、預金金利は0.2~0.5%、日本銀行の政策金利は0.5%。
銀行の貸付金利も、預金金利や政策金利の影響を大きく受けます。
銀行が会社に融資する場合、おおむね0.5%以上の水準であれば利息収入を得ることができます。
貸倒れリスクなどを考慮すれば、年2~3%が妥当というわけです。
貸倒れリスクがほとんどない優良企業は、年1%台の金利で融資を受けられることがあります。
預金金利・政策金利に近い金利で貸し付けても、金利以外のメリットが大きい(多額の融資を出せる、融資外の取引が大きいなど)と考えるわけです。
とはいえ、基準となる預金金利・政策金利を下回ることはなく、その影響は避けられません。

ノンバンクの金利設定

 
ノンバンクの金利も、基本的な考え方は同じです。
調達金利(貸付原資の調達に伴う金利)を軸に考えます。
上記の通り、ノンバンクは預金業務を行っていません。
また、日本銀行の貸付先は金融機関や政府に限定され、ノンバンクが日本銀行から借りることはできません。
ではどこから貸付原資を調達するのかといえば、ノンバンクも一般の企業と同じように、銀行などからノンバンク自身が資金を調達し、それを元手に行います。
貸付原資を銀行から年利2.5%で借り入れた場合、それ以上の金利に設定して初めて利益になります。
調達先が銀行である以上、銀行の貸付金利を下回ることはあり得ないのです。
ノンバンクの公式HPで、銀行融資の水準を下回る金利が記載されていても、ほとんど参考にはなりません。
銀行よりやや高い金利、例えば年3~5%といった水準ではどうでしょうか。
これも、不可能とは言い切れないものの、あまり現実的ではありません。
そもそも、ノンバンクの主要顧客は「銀行融資を受けられない会社」です。
何らかの問題を抱え、銀行評価に悪影響となり、「貸倒れリスクが高いため融資不可」という烙印を押されています。
銀行が「年3%の金利でも貸倒れリスクに対応できない」と判断した以上、金利を1~2%引き上げたくらいではリスクに対応できないケースがほとんどでしょう。
銀行の水準から大幅に引き上げ、時には法定上限ギリギリの金利に設定することで、「融資可」に持ち込むのがノンバンクです。
このように考えると、ノンバンクの金利が高い理由がよく分かるでしょう。

審査に通りやすい

 
ノンバンクは、銀行よりも審査が緩いことで知られています。
これもノンバンクの代表的な特徴です。
ノンバンクが審査に通りやすい理由はいくつかあります。

高い金利でリスクヘッジ

 
まずは金利の高さ
上記の通り、ノンバンクは金利を高く設定することによって、銀行が「融資不可」と判断した会社にも積極的に融資しています。
ほとんどのビジネスにおいて、リスクとリターンは比例関係にあります。
リスクが小さければリターンが小さくても成り立ち、リスクが大きければリターンを大きくしなければ成り立ちません。
銀行融資はローリスク・ローリターンのビジネスです。
返済力が十分であり、貸倒れリスクが低い会社に限って融資(ローリスク)するため、年2~3%の金利(ローリターン)でも十分に成り立ちます。
一方、ノンバンクの融資はハイリスク・ハイリターンといえます。
銀行から「返済力が不十分」「貸倒れリスクが高い」と判断された会社に融資(ハイリスク)するには、年15%といった高金利(ハイリターン)でなければとても対応できません。
逆にいえば、高い金利でリスクヘッジを図り、銀行が融資できない会社にも融資できるのがノンバンクです。
ノンバンクは貸出金利が高い分だけ、銀行よりも審査に通りやすいといえます。

金利が高いことによって、ノンバンクの融資で倒産を回避できた企業もある一方、ノンバンクの高い金利に苦しんでいるケースも少なくはありません。

スコアリングシステムの影響

 
ノンバンクの審査は、スコアリングシステムを用います。
スコアリングシステムとは、決算書などの数値からスコアを出し、融資の可否や条件を機械的に判断するシステムのことです。
これも、ノンバンクが審査に通りやすい理由の一つです。
スコアリングシステムでは、数値以外の要素がほとんど影響しません。
銀行の融資審査も、決算書などの数値を重視しますが、数値に表れない情報も少なからず影響します。
いくら決算内容が良くても、数値に表れない部分で問題があれば審査に通りません。
例えば、経営者の人格に問題がある、資金使途に違反した、反社会的勢力と関与しているといった場合、審査への悪影響は大きいでしょう。
特に反社会的勢力との関係は、一発で融資NG(融資以外の取引も全て停止)になるほどの影響があります。
これほど大きな悪影響はなくとも、数値化できない部分で審査に落ちるケースは珍しくないのです。
その点、ノンバンクはスコアリングシステムですから、数値以外の影響はごく軽微です。
よほど深刻な問題がなければ、数値次第で審査に通ります。

調達できる金額が小さい

 
調達可能額が小さいことも、ノンバンクの大きな特徴です。
銀行融資の場合、融資上限がありません。
もちろん、返済力には必ず上限があり、その意味では融資できる金額にも上限があります。
とはいえ、返済力に問題がない限りいくらでも貸せるのが銀行融資ですから、会社によっては数億円以上の借入れも可能です。
これに対し、ノンバンクは融資上限を明確に設定しています。
よくあるのは、1000万円を融資上限とするもの。
返済力に関係なく、ノンバンクが定める上限以上に借りることは不可能です。
したがって、ノンバンクは多額の資金調達には適しておらず、設備投資などの数千万円単位の資金調達には利用できません。
また、実際に調達できる金額は、ノンバンクが定める融資上限よりもはるかに低くなると考えてください。
ノンバンクの融資先は経営に問題を抱えており、貸倒れリスクが高いです。
そこで、ノンバンクは「少額」「分散」を方針としています。
1社に1000万円を融資するのではなく、10社に100万円ずつ融資することで、貸倒損失に備えているのです。
融資上限を1000万円としているノンバンクでも、上限いっぱいの1000万円を出すことはなかなかありません。
借入と返済を長年繰り返して融資枠が広がり、それなりに経営内容が良ければ満額の融資もあり得るでしょう。
ほとんどの会社は、少額の借入れとなります。
初回利用であれば、ノンバンク1社から調達できる金額は150万円あたりが限界でしょう。
それでは足りない場合、複数のノンバンクから借りることになりますが、それでもせいぜい300万円が限界です。

無担保・無保証で調達できる

 
ノンバンクは無担保・無保証で利用できることが多く、これもノンバンクならではの特徴です。
一般的な銀行融資の場合、担保・保証の有無が大きく影響します。
経営に問題を抱えている会社は、担保・保証を求められることが多いです。
もっとも、無担保・無保証で銀行融資を受けられる会社は一部の優良企業だけ(全体の1割程度)ですから、経営の如何に関わらず担保・保証の影響は避けられません。
これに対し、ノンバンクは無担保・無保証が基本となります。
不動産などの資産を担保に求められたり、信用保証協会その他の機関保証を求められたりしないため、担保・保証が不足している会社も利用可能です。
ただし保証については、保証会社による保証や台車んしゃによる連帯保証が不要である代わりに、経営者個人の連帯保証を求められます。
したがって、ノンバンクの融資は経営者の個人信用情報が大きく影響します。
これもノンバンクの特徴といえるでしょう。
「ノンバンクの融資における経営者の個人信用情報」の影響は、「銀行融資における会社の決算内容」と同程度の影響があるとイメージしてください。
決算書の内容が悪い会社も、経営者の個人信用情報に問題がなければ、ノンバンクから無担保で融資を受けられることが多いです。
逆に、決算書の内容がそれなりに良くても、経営者の個人信用情報に問題があれば、保証力がないとみなされ審査に落ちます。
ノンバンクの融資審査では、経営者の個人信用情報を確実にチェックするため、延滞や債務整理、破産といった情報が記載されている場合、ノンバンクでの資金調達は困難と考えるべきです。

ノンバンクが銀行の評価に悪影響になる

 
客観的事実からいってノンバンクの利用実績がある企業は、銀行などの金融機関から毛嫌いされる傾向にあるといえます。

つまり、銀行や日本政策金融公庫、信用保証協会は、ノンバンクの利用実績がある企業を嫌っているということなのです。

しかしながら、これには根拠があるのです。
ここからは、ノンバンクの利用が銀行評価に悪影響になる理由を解説します。

銀行の考え方

 
なぜノンバンクは銀行に影響するのでしょうか。
それは銀行などが「融資先がノンバンクから借入を行うことは、資金繰りの苦しい企業が最後に取る行動であると」考えているからです。
上記の通り、ノンバンクは金利が高く、資金繰りの負担になります。
実際に資金繰りに余裕のある企業(銀行融資を受けられる会社)が、利息の高いノンバンクをわざわざ利用することは考えにくく、ノンバンクを利用していることは、多くのケースで「資金繰りが苦しい」状況を意味しているのです。
融資審査の際、ノンバンクを利用していることが分かれば、銀行は「ノンバンクに頼らなければならないほど、経営が悪化しているのではないか」と疑います。
「メインバンクから見放されたのではないか?」
「他の借入先で重大な信用棄損を起こしたのではないか?」
などと疑われることも多いです。
そのような疑いがある会社に、銀行が融資したがらないのは当然でしょう。
お金を借りたい会社はたくさんあるのですから、疑いのない会社に融資すればよく、わざわざ疑いのある会社に貸す必要はありません。
取引歴が浅い会社や、小規模で成長性も期待できない会社は、銀行にとって太い顧客とはみなされず、疑いがある時点で支援を打ち切られることもしばしばです。

貸したくても貸せない銀行の事情

 
それまで銀行と良い関係を築いている会社は、ノンバンクを利用していても銀行融資を受けられる可能性があります。
とはいえ、やはり悪影響は避けられず、融資を受けられなくなることも珍しくありません。
銀行が「この会社とは今後も付き合っていきたい、なんとか支援したい」と考えても、ノンバンクの影響によって、貸したくても貸せなくなることがよくあるのです。
これは、債務者区分の影響です。
銀行は金融庁の指導(金融検査マニュアル)に基づき、全ての融資先を査定しています。
融資先の状況に応じて6段階に仕分け、その後の取引は債務者区分に大きく影響されるのです。
債務者区分を簡単にまとめると以下のようになります。

  • 正常先・・・業績が良く、財務的に問題がない融資先
  • 要注意先・・・業績悪化や延滞などの懸念があり、今後の取引に注意が必要な融資先
  • 要管理先・・・要注意先のうち、要管理債権にあたる融資先
  • 破綻懸念先・・・現時点では経営が破綻していないものの、経営難は明らかであり、今後の破綻が懸念される融資先
  • 実質破綻先・・・法的・形式的に経営破綻の事実はないものの、実質的には破綻状態にある融資先
  • 破綻先・・・法的・形式的な経営破綻の事実がある融資先

このうち、スムーズに融資を受けられるのは正常先だけです。
要注意先になると、融資を受けられる可能性は大きく下がり、要管理先以下では基本的に融資不可となります。
というのも、債務者区分によって貸倒引当率が大きく変わるためです。

  • 正常先・・・融資総額の0.2~0.3%
  • 要注意先(要管理先を含む)・・・融資総額の1~15%
  • 破綻懸念先・・・融資総額の50~70%
  • 実質破綻先・・・融資総額の100%
  • 破綻先・・・融資総額の100%

正常先に融資する場合、貸倒引当金はわずかで済みます。
しかし要注意先以下になると、多額の貸倒引当金を積まなければなりません。
銀行は、本来融資に回せるはずの資金を貸倒引当金として拘束され、収益効率が低下します。
これが、銀行が貸したくても貸せない理由です。
債務者区分が要注意先以下に落ちる理由は色々ありますが、赤字決算・繰越損失・債務超過・延滞・リスケジュールなどが主な理由です。
これらの理由によって債務者区分が低下し、融資を受けられなくなり、ノンバンクの利用に至るわけですから、「ノンバンクの利用」と「債務者区分の低下」は切っても切れない関係にあります。
ノンバンクの利用が銀行評価に影響するのも、現実として「ノンバンクの利用≒債務者区分の低下」ということが多いためです。
全く経営が悪化していない会社がノンバンクを利用すれば、債務者区分は正常先のままですから、銀行融資に影響することは基本的にありません。
しかし現実的には、「経営悪化→債務者区分が低下→融資不可→ノンバンクで調達」というケースがほとんどですから、ノンバンクの影響は必至と考えるべきでしょう。

返済力への影響を懸念

 
銀行の融資審査に最も影響するのは返済力です。
銀行は、返済力が低下している会社には融資したがりません。
ノンバンクの金利が高いこと(高い利息を負担すること)は、その企業は「利益が出にくい財務体質」となっていることも懸念されます。
ノンバンクの金利が企業の収益にどのように影響するか、具体的にみてみましょう。
例えば、年商1億円の中小企業で3%の営業利益(300万円)をあげている企業があるとします。

この場合2,000万円の資金を銀行から3%の利率で調達した場合は、金利は60万円となり営業利益は240万円となります。

一方2,000万円の資金を、ノンバンクから利率15%で資金調達した場合、金利は300万円となってしまいます。

これだと利息だけで営業利益が食われてしまうのです。

中小企業にとって、3%の営業利益を計上することが難しい状況を考えると、ノンバンクの高い金利の借入で事業を行うことが難しく、銀行などが融資した資金の返済が困難と判断されてしまうのです。

ノンバンクの利用実績が悪影響になる

 
もちろん、ノンバンクを利用していても銀行などから融資が受けられるケースもありますが、何らかの影響があることは間違いありません。
最初から資金繰りが厳しい企業という目で見られるため、審査はネガティブになりがちです。

現在ノンバンクの利用がないような場合でも、決算書上、過去に利用実績があれば、銀行に何らかの影響があると考えるべきでしょう。
ノンバンクの借り入れを全て返済しても、過去の利用実績が悪影響になることも。
過去にノンバンクを利用したことは事実であって、もはや消すことはできません。
これが長期的な悪影響になるケースもあります。
例えば、「いずれまた利用するのではないか?」と疑いの目を向けられるのです。

もちろん企業側から見ればノンバンクを利用するに至った事情があるでしょうが、銀行などの金融機関は各社個別の事情をほとんど考慮せず、「ノンバンクの利用実績あり」とひとくくりで捉えます。

また金融機関の最優先事項は融資した資金を無事に回収すること、そして未回収リスクの可能性のある企業には融資しないことなのです。
ノンバンクの借入れを返済し、利息負担がなくなったとしても、また借りてしまえば再び大きな負担を強いられ、悪影響も避けられません。
ノンバンクを繰り返し利用してしまう会社が多いことも事実です。
ノンバンクの融資上限はさほど大きくなく、利用経験が浅いうちは少額融資のみとなります。
ノンバンクの利用実績を重ねるうちに、調達できる金額は増えていきます。
ノンバンクは預金や振込などの融資外のサービスが乏しく、利用実績といえば借入と返済がほとんどです。
つまり、ノンバンクの利用実績を重ねるということは、借入・返済を繰り返すことにほかならず、ノンバンクの信用が高まることを意味します。
これによって、ノンバンクは融資上限を徐々に引き上げ、多額の調達も可能になってくるのです。
これをネガティブに捉える銀行員もおり、その場合には評価に悪影響となります。
ノンバンクの利用動機のほとんどは「経営悪化」であり、ノンバンクの借入れを完済したところで、経営が立ち直ったとは言い難い状況です。
そんな中、ノンバンクで多額の借り入れが可能となれば、銀行が懸念するのも無理はないでしょう。
このタイプの悪影響はなかなか消えません。
実際に「ノンバンクから借りているかどうか」とは無関係であり、あくまでも銀行員の懸念の程度によって決まるため、会社の努力では悪影響を消せなくなるのです。
ノンバンクの借入れを完済した後、長期にわたってノンバンクを一切利用しなければ、徐々に悪影響は消えていくでしょう。
やがて、ノンバンクの利用実績は完全に過去のものとなり、悪影響もなくなってくるはずです。

ノンバンクの利用実績が良い影響になるケースも

 
もっとも、過去の利用実績は、必ずしも悪い影響ばかりではありません。
前期の決算書にはノンバンクの借入れが記載され、今期の決算書にはノンバンクの借入れが記載されていない場合、それだけで「ノンバンクの借入れは全て返済した」ということは一目瞭然です。
銀行や支店の方針によって、あるいは融資担当者の考え方によって、良い影響になることもあります。
ノンバンクの借入れが増えるのではなく、むしろなくなっているということは、色々な意味で評価に値するのです。

過去の利用実績は影響しにくい

 
まず、ノンバンクの利用実績が過去のものになれば、銀行によってはほとんど影響しなくなります。
実際にノンバンクの借入れがなければ、利息の負担もなくなっているわけです。
以前は「利息の負担が大きい→悪影響」となっていた銀行は、悪影響の原因が解消された以上、利用実績そのものを悪影響とみなさないのが普通です。

今後への期待が良い影響に

 
良い影響も色々考えられます。
まず、利息の負担がなくなったことで、今後は資金繰りがラクになり、経営が上向いていくという期待。
銀行は、現在の返済力を軸に判断しますが、将来的な返済力も必ず考慮します。
ノンバンクの完済により「現在の返済力がやや回復」しており、さらに「将来的には返済力がさらに回復する見込み」となれば、銀行はポジティブに捉えるものです。
たとえ過去に利用実績があっても、良い影響になることが多いです。

経営者の評価に好影響

 
過去に複数のノンバンクを併用し、借入先からその一部が消えているだけでも、良い影響が期待できます。
ただし、条件が悪いノンバンク(=銀行への悪影響が大きいノンバンク)が消えることが重要です。
この場合、銀行員によっては「負担の大きいノンバンクから優先的に返済した」と考え、経営者の資金繰り感覚を評価してくれることがあります。
銀行の評価は、会社の業績・財務だけではなく、経営者の人格や資金繰り感覚など、様々な要素が影響します。
過去にノンバンクの利用実績があっても、その返済の姿勢が評価につながり、好影響になることがあるのです。

経営正常化の兆し

 
何よりも、「ノンバンクから借りている」という異常事態を抜け出し、経営が正常化したという事実。
銀行の評価に好影響になるのも、多くはこのためです。
ノンバンクから借りたのは、業績悪化などにより経営が正常でなくなり、債務者区分が「正常先」から「要注意先以下」に転落したことが大きな理由でした。
ノンバンクの借入れを完済したということは、少なくとも要注意先以下に転落した時に比べて、正常先に近づいていることは間違いありません。
ノンバンクの返済を以て、「正常先に復帰の兆し」とみなす銀行員は多いものです。
もちろん、この評価の裏には「経営を正常化した経営者の手腕」や「積極融資によって利息収入が得られる」などの考えが含まれ、好影響につながっていきます。
銀行の融資姿勢にも良い影響が期待できるでしょう。
ノンバンクの利用実績自体が悪い影響になることもあるため、ノンバンクを利用しないに越したことはありません。
やむを得ず利用した場合には、できるだけ悪影響を避けつつ、好影響を引き出したいところです。

ノンバンクを利用しても銀行からの信用を落とさないためには
銀行と融資を受ける企業では、その立場の違いによりノンバンクの利用に対する考え方が異なるのは仕方がないことではないでしょうか。

しかし決してノンバンクの利用が悪いというわけではないと考えます。

急に資金が必要になり時間的に銀行の融資が間に合わないような場合は、仕方がなくノンバンクを利用する場合もあるでしょう。
その際、銀行への影響はできるだけ避けたいところ。
ノンバンクの利用時、銀行への影響を防ぐ方法をいくつか紹介します。

短期間で返済する

 
最もよいのは、ノンバンクの利用はあくまでも短期間に止め、すぐに返済してしまうことです。
ノンバンクから借り入れた状態で決算期をまたぐことは、極力避けてください。
決算期までにノンバンクの借入れを完済しておけば、銀行への影響は全くないか、影響したところであまり問題になりません。
銀行は企業が決算期ごとに銀行に提出する決算書に基づいて企業に対する与信を見直します。
決算書を提出する際、貸借対照表や損益計算書に加えて、借入先の一覧表も必ず求められます。
ここには、全ての借入先を記載しなければなりません。
銀行だけではなく、ノンバンクから借りている会社はそれを記載します。
これによって、ノンバンクの利用は銀行に必ず把握され、様々な影響も出てきます。
逆にいえば、ノンバンクから借りていない会社や、一時的に借りてもすでに返済が完了している会社は、ノンバンクからの借入れを記載する必要はありません。
ですから決算の段階でノンバンクからの融資残高が残っていなければ、決算書ではノンバンクを利用したことがわからないということなのです。
ノンバンクを利用したことが分からない以上、銀行への影響を避けることができます。

また仮に支払利息の金額などからノンバンクの利用を知られた場合でも、きっちりと期中に完済していれば他の資金調達手段がない一時的な利用と考えられ、場合により銀行の方から追加融資などの提案も期待できる場合もあるのです。

経営者個人でノンバンクを利用する

 
ノンバンクの影響を避けるには、経営者個人でノンバンクを利用するのがおすすめです。
ノンバンクの無担保融資は、大きく分けて二種類あります。
ひとつは企業向けに融資するノンバンク、もうひとつは個人向けに融資するノンバンクです。
企業向けのノンバンクを利用すれば、借入金一覧表に記載することとなり、銀行の評価に悪影響となります。
しかし、個人向けのノンバンクを利用し、経営者が個人的に借りた場合、それはあくまでも経営者個人の借入金です。
経営者個人が借りたお金を、会社に貸し付ける形にすればよいのです。
会社の帳簿には「経営者からの借入」として記載されるだけで、会社がノンバンクから借りたことにはなりません。
もちろん、経営者の個人信用情報を見れば、ノンバンクから借り入れたことはわかります。
実質的には会社がノンバンクから調達したも同然ですから、銀行の評価に悪影響になるでしょう。
とはいえ、会社がノンバンクから直接借り入れることに比べれば、影響はかなりマシです。
上記でも解説したように、ノンバンクは会社の情報よりも経営者個人の信用情報を重視します。
一方、銀行は経営者の個人信用情報よりも、会社の決算をはるかに重視します。
「会社の借入先にノンバンクが記載されていること」と、「経営者の個人信用情報にノンバンクが記載されていること」では、後者の方が影響は少ないです。
銀行が経営者の個人信用情報を照会しないことも多く、その場合は単に「経営者からの借入」ですから、ノンバンクのような悪影響はなくなります。
経営者個人がノンバンクから調達し、会社に貸し付けておけば、後々の経営改善にも効いてきます。
経営者が貸付金を放棄すれば、経営者からの借入金を資本金に振り替えることができるのです。
会社の借入金(他人資本)が減少する一方で、資本金(自己資本)が増加することにより、自己資本比率などの重要な財務指標を改善でき、融資に好影響となります。
もちろん、軽微な債務超過であれば、経営者が貸付金を放棄するだけで解消できるかもしれません。
ノンバンクで調達する際には、なるべく経営者個人で借りることで悪影響を避けてください。

影響の小さい資金調達方法を考える

 
銀行の融資審査の落ちた際、「資金調達は融資で」とばかり考えており、すぐに「ノンバンクで調達」と考える人が少なくありません。
しかし、銀行への影響を考えると、すぐにノンバンクを利用するのは考え物です。
ノンバンクの影響を避けるには、ノンバンクを利用しないのが一番です。
会社の資金調達方法には色々あり、それぞれ銀行への影響は異なります。
ノンバンクよりも影響が小さい資金調達方法は色々あります。
例えば、売掛金の活用。
日本の会社のほとんどは信用取引を行っており、手元に売掛金があります。
この売掛金を活用すれば、ノンバンクを利用せずとも資金を調達できます。
売掛金の活用方法のうち、政府が推奨しているのは「売掛金の担保活用」と「売掛金の早期資金化」です。

売掛債権担保融資の影響

 
売掛金を担保として、銀行から融資を受ける仕組みを「売掛債権担保融資」といいます。
担保・保証の不足によって銀行融資を受けられない会社は、無担保・無保証のノンバンクを考えがちですが、売掛債権担保融資ならば調達できるかもしれません。
売掛債権担保融資は、銀行だけではなくノンバンクも取り扱っており、条件には差があります。
まずは銀行の売掛債権担保融資を検討し、ノンバンクの悪影響を避けるのが良いでしょう。
銀行に断られたら、次善策としてノンバンクの売掛債権担保融資を検討します。
ノンバンクの売掛債権担保融資は、無担保融資よりも金利を抑えているものが多いです。
金利が安くなれば、銀行への影響も軽くなります。

売掛金の早期資金化の影響

 
近年、売掛債権担保融資以上に注目されているのが、売掛金の早期資金化です。
これは、支払期日前の売掛金を銀行・ノンバンク・その他専門業者などに譲渡し、早期資金化することで資金を調達します。
支払期日前の約束手形を早期資金化する「手形割引」に近いイメージです。
売掛金の早期資金化は、ノンバンクよりもはるかに影響が少ないです。
なんといっても、売掛金の早期資金化は、法的には債権譲渡に分類されます。
売掛金の早期資金化によって調達した資金は、借入金にはなりません。
当然、借入金一覧表に記載されて悪影響になることはなく、金利負担が悪影響になることもないのです。
ただし、銀行が念入りに調査すれば、売掛金を早期資金化したことはすぐに分かります。
売掛金の早期資金化には手数料がかかり、総勘定元帳には「売掛債権譲渡損」として記録されるためです。
とはいえ、総勘定元帳を求められないことも多く、また仮に売掛金の早期資金化がバレたところで、大きな悪影響にはなりません。
借入金一覧にノンバンクが記載される悪影響を考えると、銀行融資に落ちた際の資金調達は、ノンバンクよりも売掛金の早期資金化を優先すべきでしょう。
ノンバンクを利用しないだけで、銀行への影響は簡単に回避できるのです。

リスケジュール中はノンバンクもアリ

 
ノンバンクの利用は、基本的に銀行に悪影響となります。
その悪影響はできるだけ避けたいものですが、それも場合によりけりです。
既に銀行の評価が大きく悪化している場合、ノンバンクを利用してもさほど影響しません。
銀行融資を受けられない会社は、ノンバンクの影響に関係なく資金繰りが困難なのです。
したがって、銀行への影響はあまり考えず、資金繰りを回すことを優先すべきです。
場合によっては、ノンバンクの利用も積極的に検討すべきでしょう。
わかりやすいのがリスケジュール中です。
リスケジュールは、銀行の債務者区分に大きく影響します。
それまで正常先に区分されていた会社も、リスケに踏み切れば必ず要管理先以下に転落するのです。
要管理先以下の会社は、銀行融資で調達できなくなります。
リスケジュールが完了し、経営改善が進むにつれて「要管理先→要注意先→正常先」と債務者区分が上がって、はじめて銀行融資の道が開けてくるのです。
リスケ期間中はもちろん、リスケ後の一定期間は銀行から融資を受けられません。
ノンバンクの利用が悪影響になったところで、銀行融資を受けられないことに変わりはなく、こだわる必要もないのです。
それよりも、経営の立て直し資金をノンバンクで調達するべきでしょう。
リスケジュールは、一定期間にわたって元金返済を据え置き、利息だけを支払うのが一般的です。
その期間に経営を立て直し、リスケ後に元金返済を再開できるようにしなければなりません。
リスケ中に必要な資金をノンバンクで調達し、経営をしっかり改善できれば(債務者区分が上がれば)よいのです。
その場合、銀行は「ノンバンクの利用によって経営を立て直した」という事実を重視するため、ノンバンクが悪影響になることはなく、むしろ好影響になるでしょう。

まとめ:資金調達でお悩みの方はNo.1にお任せください

この記事では、ノンバンクの利用が銀行に与える影響について、様々な角度から解説しました。
資金調達の方法としてノンバンクの利用は決して悪いことではありませんが、銀行などが企業を見る目としてマイナスに影響することも理解しておくべきでしょう。

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株式会社No.1は「DXマーク認証付与事業者」として認められました。

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