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ファクタリングは本当に与信に関係しないのか?メリットと注意点も詳しく解説
「ファクタリングを利用したいが、与信が悪化しないか不安・・・」
初めてファクタリングを利用するお客様から、このようなお問い合わせをいただくことがよくあります。
ファクタリングは与信に関係なく利用でき、与信が悪化しないことも特徴です。
使い方次第では、与信の改善にも役立ちます。
なぜ、ファクタリングは与信に関係しないのでしょうか?
与信に関係しないことは、どのようなメリットをもたらすのでしょうか?
このほか、ファクタリングと与信に関する注意点もぜひ知っておくべきです。
この記事では、ファクタリングと与信の関係を詳しく解説します。
ファクタリングとは?
ファクタリングは与信にどう影響するか。
この疑問を抱く人は、多かれ少なかれ、「ファクタリングは与信に悪影響」と考えているのでしょう。
このように、ファクタリングに誤ったイメージを抱く人が少なくありません。
ファクタリングと与信の関係を理解するためにも、まずはファクタリングの基本を解説します。
ファクタリングは売掛金の売却
簡単にいえば、ファクタリングは売掛金を売却するものです。
自社が所有している売掛金をファクタリング会社に売却し、資金を調達します。
ファクタリングに利用する売掛金は、信用取引によって発生します。
売掛金があることによって、自社は支払期日に売掛先から代金を受け取ることができるのです。
つまり、売掛金は権利の一種といえます。
ただし、権利と義務は表裏一体です。
売掛金は「支払期日に支払いを受ける権利」であると同時に、「支払期日まで支払いを猶予する義務」でもあります。
信用取引にあたり、自社は売掛先ごとに与信限度額を設定し、取引後も与信管理をしなければなりません。
与信に問題がない限り、売掛先の支払い能力に問題はなく、その売掛金は額面金額に近い価値を持っています。
それを根拠に、ファクタリング会社はいくらかディスカウントした価格で売掛金を買い取ります。
手数料はかかるものの、支払期日を待たずに売掛金を回収できるのがファクタリングのメリットです。
以上をまとめると、ファクタリングは売掛金の早期資金化サービスです。
もっとも、ファクタリングには色々な種類があります。
売掛金の早期資金化に特化した「買取ファクタリング」のほかに、与信管理のアウトソーシングに特化した「保証ファクタリング」が有名です。
とはいえ、現在、日本で最も普及しているのは買取ファクタリングです。
単に「ファクタリング」と呼ぶ場合、基本的には売掛金の早期資金化を指すものと考えてください。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
ファクタリングの安全性
次に押さえておきたいのが、ファクタリングの安全性です。
「ファクタリングが与信に悪影響」と思っている人は、何を根拠にそう思っているのでしょうか。
大抵は単なるイメージ、それも誤ったイメージによるものです。
確かに、現在のファクタリング業界は様々な問題を抱えています。
中でも問題視されているのが悪質業者です。
世界的にみれば古い歴史を持っているファクタリングですが、日本で普及し始めたのはごく最近のこと。
急速に普及が進んでおり、法整備が追い付かない状況です。
特に、ファクタリング業に関する規制がほとんどありません。
手数料に関する上限規制がないほか、ファクタリング業を新規に開業する場合、登録や免許は一切不要です。
誰でも簡単に開業でき、悪質業者が紛れ込みやすい環境となっています。
実際に悪質業者が摘発されてニュースになることもしばしばです。
そのようなニュースを見たり、金融庁の注意喚起を読んだりしたために、ファクタリングに悪いイメージを抱く人もいます。
「ファクタリング会社は悪質」「ファクタリングは違法」と考えるならば、「ファクタリングは与信に悪影響」と考えるのも無理からぬことです。
しかしながら、ファクタリングは合法的な仕組みであり、法的根拠もあります。
金融庁の定義によれば、ファクタリングは法的に債権譲渡です。
これが、ファクタリングの法的根拠にほかなりません。
以下の通り、民法では債権譲渡を認めているのです。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
民法第466条では、債権譲渡を明らかに認めています。
売掛先が譲渡を制限・禁止している場合でさえ、法的には譲渡が認められているのです。
ファクタリングも債権譲渡の一種ですから、債権譲渡が合法であればファクタリングも合法というわけです。
また近年、政府は中小企業に対し、ファクタリングの活用を推奨しています。
銀行融資への過度な依存を解消することが目的です。
政府が推奨していることからも、ファクタリングが合法であることがよくわかります。
ファクタリングそのものは何ら危険ではありません。
危険なのはファクタリングではなく、「ファクタリングを装う違法なサービス」です。
まともに利用していれば与信に悪影響になることもありません。
ファクタリングで与信が悪化するのは、使い方を誤った場合に限られます。
ファクタリングが与信を悪化させたのではなく、利用する会社の落ち度で与信の悪化を招いただけです。
では、なぜファクタリングは与信に影響しないのでしょうか。
それを詳しくみていきましょう。
ファクタリングは本当に与信に関係しないのか?
「取引先に請求した債権をファクタリング業者に売り渡す」ことは、「取引先からの信用を落とすのではないか」「資金繰りに困っているとみられ、これからの仕事に影響するのではないか」とファクタリングを初めて利用する会社の経営者なら誰でも考えてしまうことです。
しかしファクタリングを利用する以上にそれ以外の支払いを遅らせてしまう方が自社の信用(与信)を低下させてしまうこともあるのです。
ファクタリングについての詳しい説明はこちら
与信額はどのように決めているのか
大手企業が与信を決めていくには、自社とのこれまでの取引実績とともに、様々な観点からの信用調査を行います。
この信用調査は一般的に管理部門が実施します。
その内容は帝国データバンクや東京商工リサーチといった企業情報はもとより、信用調査機関をつかってその取引先を個別に調べることもあるのです。
そしてその内容には、借入金などの負債の金額はもとより、買掛金や未払の支払状況、給与の遅配・不払、税金や社会保険料などの滞納など多岐に渡ります。
さらに最近では暴力団等の反社会的勢力を排除するために、出資者や取引先にこのような反社会的勢力とされる団体や個人が入っていないかもきっちりと調査しているのです。
そしてこの信用調査の結果で取引を希望する営業部門等の意見を加えて、その企業にどれだけの取引をお願いするのかを決めるのです。
銀行も与信を重視する
なお、与信を重視するのは仕入先や販売先だけではありません。
銀行においても与信は重要です。
そもそも与信とは、信用の供与を意味します。
仕入先の場合、自社に対して信用調査を行い、信用に応じて与信限度額を設定するのが与信管理です。
銀行であれば、融資先の信用に応じて融資限度額やクレジット枠を設定するのが与信管理といえます。
与信は仕入れや販売だけではなく、資金調達にも影響するのです。
与信が悪化している会社は、銀行融資に苦労します。
与信と融資限度額は比例関係にあるため、与信の悪化は調達余力の低下にほかなりません。
与信に問題がある場合、銀行は長期融資を渋るのが普通です。
与信悪化の原因が深刻であれば、短期融資さえ審査に通らない可能性があります。
資金調達環境を良好に保つには、与信の悪化を避けることが重要です。
ファクタリングは与信に影響するのか
ファクタリングはあくまで自社の保有する売掛債権を第三者に売却する「売買取引」ですから借入金とはみなされません。
そのため信用調査で見られる借入金には表れてこないのです。
むしろ資金繰りのために下請け等への買掛金・未払金の遅配や給与の遅配・不払、税金や社会保険料などの滞納をしてしまった方が、信用調査の結果は悪くなってしまうのです。
一方、ファクタリングの場合は取引先から見れば、売掛金の回収が早くなっただけで手数料も損益計算書に費用として表れているだけです。
ですから信用調査では影響はあまりないといえるでしょう。
ファクタリング方式と与信の関係
もっとも、ファクタリングと与信の関係は、ファクタリング方式によって変わってきます。
ファクタリングの方式は、売掛先の関与やオンライン対応の有無によって異なります。
現在、日本で一般的に利用されているファクタリング方式は以下の3つです。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
それぞれの方式について、与信の観点からみていきましょう。
2社間ファクタリングと与信
2社間ファクタリングは、売掛先か一切関与しない方式です。
利用会社とファクタリング会社の2社間で、全ての手続きを完結します。
売掛先が関与しないことから、簡単な手続きで、スピーディに調達できるのが特徴です。
与信の観点からいえば、「売掛先が関与しない」ということが極めて重要です。
「売掛先が関与しない」ということは、「売掛先がファクタリングの利用を把握できない」ということを意味します。
売掛先に知られることがなければ、与信は悪化のしようがないのです。
詳しくは後述しますが、2社間ファクタリングで与信が悪化するリスクもゼロではありません。
これは、債権譲渡登記によるものです。
とはいえ、債権譲渡登記が与信悪化につながることは少なく、取るに足らないリスクといえます。
2社間ファクタリングの人気が高いのも、「売掛先が関与せず、与信が悪化しない」というのが大きな理由です。
オンラインファクタリングと与信
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングの手続きをオンラインで完結するものです。
2社間ファクタリングの一種(オンライン版)といえます。
もちろん売掛先は関与しません。
したがって、売掛先に知られずファクタリングでき、与信が悪化することもありません。
また、オンラインを活用していることから、利便性や資金調達スピードにも優れています。
現時点でオンラインに対応しているのは、No.1をはじめとする一部の優良ファクタリング会社、もしくはオンライン専業のファクタリング会社だけです。
与信の悪化防止に効果的な方式であり、人気が徐々に高まっていることから、今後はオンラインファクタリングが広がっていくと考えられます。
3社間ファクタリングと与信
3社間ファクタリングは、与信に影響する恐れがあります。
というのも、3社間ファクタリングには売掛先が必ず関与するためです。
例えば、譲渡禁止特約(売掛金の譲渡・ファクタリングを制限・禁止する特約)を理由として、売掛先がファクタリングへの関与を拒否することがあります。
その場合、3社間取引が成立しないため、3社間ファクタリングでは資金を調達できません。
このように、売掛先の関与が大前提となるのが3社間ファクタリングの特徴です。
当然ながら、売掛先に知られずファクタリングすることは不可能です。
売掛先がファクタリングに悪いイメージを抱いている場合、資金を調達できないばかりか、与信が悪化する恐れがあります。
与信への影響を避けるためにも、売掛先がファクタリングに好意的な場合を除き、3社間ファクタリングの利用は避けた方が無難です。
与信と無関係なファクタリングのメリット
ここまでの解説の通り、ファクタリングは与信に影響しません。
「与信が悪化しない」ということは、さまざまなメリットにつながります。
ここからは、与信と無関係だからこそ期待できる、ファクタリングの様々なメリットをみていきましょう。
与信に問題がある会社も調達できる
スムーズに資金を調達できるかどうかは、自社の与信にかかっています。
与信に問題がある会社は資金調達に苦労するでしょう。
特に、銀行もノンバンクも与信を重視するため、融資での調達が困難になります。
その点、ファクタリング会社は与信を考慮しないため、与信に問題がある会社でも簡単に資金を調達できます。
銀行は与信を重視
銀行が与信を重視する理由は、すでに解説した通りです。
与信とは信用の供与であり、融資の可否や融資限度額・融資条件には必ず与信が反映されています。
財務が良好であり、本業でしっかり稼いでいるA社は、返済力は高いはずです。
A社のような融資先に対しては、銀行は積極的に支援します。
無担保・無保証、低金利などの好条件で、多額の融資に応じることもあるでしょう。
逆に、財務が悪化しており、本業で利益がしっかり出ていないB社は、返済力に問題があります。
銀行は慎重に判断し、融資するにしても保全を図るのが普通です。
A社とB社で銀行の対応は真逆ですが、いずれも与信を反映した結果といえます。
公的融資も与信を重視
銀行だけではなく、全ての融資は与信を重視します。
日本政策金融公庫の融資や、自治体の制度融資などの公的融資は、銀行よりも審査に通りやすい方法として有名です。
しかしながら、「審査に通りやすい」ということは「与信が影響しない」ということではありません。
与信の考え方が異なるだけで、与信は必ず反映されています。
日本政策金融公庫は営利を目的としておらず、民間金融機関の補完が目的です。
銀行の与信では営利との兼ね合いを必ず考慮するのに対し、日本政策金融公庫にはそれがありません。
日本政策金融公庫の与信で考慮するのは、日本経済にプラスになるか、政府の政策に適うか、将来性はあるか、といた要素です。
これらの点に問題がなければ、銀行の与信に問題がある会社でも、日本政策金融公庫ならば資金を調達できる可能性があります。
逆に、将来性や方向性に問題があれば、日本政策金融公庫の与信的には「問題あり」といえます。
その場合、銀行の方がむしろ与信的には良好、ということもしばしばです。
ノンバンクでも与信が欠かせない
ノンバンクのビジネスローンは、さらに審査のハードルは低くなります。
とはいえ、ノンバンクでも与信は重要です。
ノンバンクの与信は、返済力を重視するという点で銀行の与信と似ています。
ただし、ノンバンクは与信の判断が銀行よりも緩いです。
銀行は、低金利で多額の資金を貸し付けることから、「ローリスク・ローリターン」が与信の大前提です。
これに対し、ノンバンクは高金利で少額の資金を貸し付けるため、「ハイリスク・ハイリターン」の観点から与信を行います。
つまり、ノンバンクはリスクの許容度が高く、銀行から「与信に問題あり」とされた会社でも審査に通ることが多いのです。
しかしながら、深刻な問題を抱えている会社は、銀行の与信でも「融資不可」、ノンバンクの与信でも「融資不可」というケースが珍しくありません。
ファクタリング会社は与信を気にしない
借入先を問わず、融資は全て与信が影響します。
与信に問題がある場合、どこからも融資を受けられないことがしばしばです。
与信の悪化が深刻な会社は、ファクタリングがおすすめです。
ファクタリングは与信が悪化せず、融資環境が今以上に悪化することを防げます。
また、ファクタリング会社は与信を重視しません。
ファクタリングの審査基準は、利用会社ではなく売掛金です。
ファクタリング会社は、支払期日前の売掛金を割安に買い取り、支払期日に満額回収することで利益を得ています。
ファクタリング会社が利益を得るには、「利用会社の与信がどうか」よりも、売掛金の内容のほうがはるかに重要です。
したがって、与信が悪化している会社でも、ファクタリングならば利用できます。
与信の悪化を理由に、審査に通りにくくなったり、手数料が高くなったりすることもありません。
与信とは無関係だからこそ、ファクタリングは融資を受けられない会社でも資金を調達できるのです。
連続赤字、債務超過、リスケジュール、税金の未払いなどにより、与信に重大な問題を抱えている会社は、迷わずファクタリングを利用してください。
原則無担保・無保証で利用できる
ファクタリングと与信の関係は、担保・保証に全く左右されません。
与信に問題があり、なおかつ担保・保証に余力がない場合でも、ファクタリングならば簡単に資金を調達できます。
というのも、ファクタリングは原則無担保・無保証で利用できるのです。
銀行は担保・保証を重視
担保・保証の有無によって、資金調達は大きく変わってきます。
特に融資は、担保・保証の影響が顕著です。
与信に問題がある会社に対して、銀行の判断は大抵決まっています。
「与信に問題があるため融資謝絶」、もしくは「担保・保証で与信の問題をカバーできれば融資可能」のいずれかです。
もっとも、与信の問題が軽微であっても、銀行は担保・保証を求めることが多いです。
特に中小企業の場合、無担保・無保証で融資を受けるのは極めて困難といえます。
実際のデータをみても、銀行融資の全体における無担保・無保証の割合はわずか1割程度。
与信が極めて良好な、一部の会社だけが無担保・無保証で調達できます。
与信が良好な会社であれば、銀行から無担保・無保証で融資を提案してくることもあります。
残る9割の会社は、担保・保証がなければ融資を受けることができません。
与信に問題があれば当然ですが、与信にさほど問題がない会社も担保・保証が調達のカギになるでしょう。
銀行以外の融資も、担保・保証に左右されます。
公的融資には無担保で借りられるものがありますが、与信を担保で補完する考え方は同じです。
また、無担保の代わりに保証付きが前提となる制度も多いことから、保証力に問題がある会社、与信の問題で保証審査に通らない会社は調達できません。
ノンバンクでさえそうです。
与信の判断は銀行に比べて甘く、無担保・無保証人の商品も珍しくありません。
しかしながら、代表者個人に保証を求めたり、保証会社を通したりするケースがほとんどです。
どの借入先も、純粋に無担保・無保証で融資を受けるのは困難といえるでしょう。
ファクタリングは無担保・無保証
多くの資金調達方法は、与信に問題があればハードルが上がります。
出資や社債も与信を重視するのです。
与信が悪ければ、担保・保証で補完することもできます。
出資者や社債の引受人からみて、担保・保証に余裕があること(それをもとに銀行から資金を調達できること)は安心材料です。
与信に問題があり、担保・保証も不足する会社にとって、資金調達の選択肢となるのは「与信が影響せず、無担保・無保証で利用できる資金調達方法」です。
そのひとつにファクタリングがあります。
ファクタリングは与信を悪化させず、ファクタリング会社も利用会社の与信を考慮しないことはすでに解説しました。
これに加えて、ファクタリングは原則無担保・無保証で利用できます。
ファクタリング会社が担保・保証を求めない理由は、法的に債権譲渡だからです。
融資は法的に消費貸借ですから、返済義務が前提となります。
これに対し、債権譲渡は法的に返済義務がありません。
そもそも、担保・保証は「与信の補完」と「貸倒れリスクの軽減」が目的です。
与信とは無関係であり、なおかつ返済義務がないファクタリングにおいては、「与信の補完」という考え方も、「貸倒れリスクの軽減」という考え方も成り立ちません。
ファクタリング会社は、利用会社に担保・保証を求める理由がないのです。
それどころか、ファクタリングの際に担保・保証を求めた場合、実質的に貸付けとみなされます。
当然、ファクタリング会社は貸金業者として厳しい規制を受けることとなります。
もちろん、その時点で貸金業登録を受けていない業者や、ファクタリング手数料の年利換算が法定上限を超える業者は摘発の対象です。
そのようなリスクを避けるためにも、正規のファクタリング会社は無担保・無保証で対応しています。
与信の悪化、そして担保・保証の不足で融資を受けられない会社にはファクタリングがおすすめです。
このほか、担保・保証に余裕がある会社も、ファクタリングを検討してみてください。
あえてファクタリングを選び、担保・保証を温存しておけば、将来的に与信が悪化した際の切り札になります。
業歴が短い会社に役立つ
経営が悪化すれば与信も悪化します。
しかし、与信が悪い理由はそれだけではありません。
例えば、業歴が短いほど与信が悪く、資金調達にも苦労するものです。
この場合もファクタリングが役立ちます。
業歴と与信の関係
なぜ、業歴は与信に影響するのでしょうか。
これは、業歴が短い会社の業績・財務を考えるとよくわかります。
業歴が短いほど経営実績は乏しく、業績は不安定です。
業績が不安定ということは、稼ぐ力が安定しないということです。
この場合、不安定性の最大の理由は「業歴が短く、経営が軌道に乗っていない」ことにあります。
そのような会社が、財務的に健全ということはあり得ません。
つまり、業歴が短い会社は業績・財務が悪く、銀行の与信も低いということです。
このように考えると、業歴が与信に強く影響することが分かるでしょう。
特に、開業後間もない会社は与信に大きな問題を抱えています。
銀行は、長期の決算書をもとに業績・財務の推移を把握し、経営の現状と将来性の考慮しながら与信を判断します。
ところが、開業後間もない会社は、長期の決算書を持っていません。
創業1年未満となれば、たった1期分の決算書さえ持っていないのです。
決算書がなければ、銀行は満足な審査ができず、与信以前の問題になってしまいます。
多くの銀行が創業融資に対応しておらず、仮に対応していても自治体や信用保証協会と必ず連携するのは、「与信の判断が困難で融資できない」というのが実情です。
ファクタリングは業歴不問
業歴が短いほど与信が悪く、融資での調達は困難になります。
担保・保証で与信をカバーできれば良いのですが、それも難しいでしょう。
業歴が短い会社は、それほど多くの担保資産を持っていません。
信用保証協会の保証枠は月商の三ヶ月分が目安ですから、業歴が短く収益力が低ければ十分に調達できない可能性があります。
もちろん、与信を理由に保証審査に落ちることもしばしばです。
したがって、業歴が短い会社の資金調達方法は、与信が悪いことを前提に考えなければなりません。
すなわち、「与信に関係なく利用でき、なおかつ業歴不問の資金調達方法」を選ぶ必要があります。
そこでおすすめなのがファクタリングです。
ファクタリングは、与信に関係なく利用でき、業歴も全く影響しません。
ファクタリングの審査基準は売掛金ですから、利用会社の業歴は考慮されないのです。
利用会社の業歴が短くとも、売掛金に問題がなければ審査に通ります。
強いて言えば、業歴を考慮されるのは利用会社ではなく売掛先です。
売掛金が支払われるかどうかは、売掛先の資金繰りにかかっています。
ファクタリング会社にとって、業歴が短く・資金繰りが脆弱な売掛先よりも、業歴が長く・資金繰りが健全な売掛先のほうが好ましいといえます。
もっとも、2社間ファクタリングならば売掛先は一切関与しません。
売掛先の与信を調査し、審査に反映することは困難です。
したがって、利用会社・売掛先を問わず、業歴が審査に影響することは基本的にありません。
利用会社の業歴が短いからといって、与信を重視したり、審査が厳しくなったり、手数料が高くなったりすることもないのです。
業歴数年の会社はもちろんのこと、創業1年未満の会社も、ファクタリングならば簡単に調達できます。
与信悪化を避けつつスピーディに調達
資金繰りの現場では、特にスピーディな調達が求められます。
この時、資金ショートの回避が急務であって、調達条件は二の次です。
とはいえ、「資金ショートさえ回避できればなんでも良い」と考えるのは問題でしょう。
スピーディな調達と引き換えに、与信が悪化することも多いのです。
ビジネスローンは与信の悪化に
スピーディに調達できる方法のひとつに、ビジネスローンがあります。
ノンバンクのビジネスローンには、最短即日融資を謳うものも少なくありません。
資金調達を急ぐ場合、「銀行ではとても間に合わない」という考え方から出発し、他の融資を模索した結果、ビジネスローンにたどり着くケースが多いようです。
しかしながら、ビジネスローンにはいくつか問題があります。
金利の高さや、調達可能額の低さだけではなく、与信の悪化も問題です。
ビジネスローンで調達すれば、必ず与信が悪化すると考えて下さい。
ビジネスローンは自社と借入先の2社間取引ですから、買掛先や売掛先に知られる心配はなく、与信にも影響しません。
与信が悪化するのは銀行です。
銀行・信販会社・貸金業者など、融資を行う事業者のほとんどは、与信管理のために信用情報機関に加盟しています。
これによって、加盟者は融資先、融資額、事故情報など、与信に関する様々な情報を共有しているのです。
ビジネスローンで調達する場合、申し込みの履歴や調達金額は全て信用情報機関に記録されます。
加盟者はそれらの情報にいつでもアクセスでき、与信管理に反映できるというわけです。
ビジネスローンで資金ショートを回避した後、完済しないうちに銀行に融資を依頼したとしましょう。
その場合、銀行が信用情報を照会し、ビジネスローンからの借入れを把握する可能性があります。
そうでなくとも、銀行には借入金の一覧を提出するのが普通ですから、隠し通すことはできません。
銀行は、ビジネスローンからの借入れを極端に嫌います。
「ビジネスローンから借りている」というだけで与信が大幅に悪化し、融資を断られることもあるのです。
与信の悪化を避けるためにも、ビジネスローンは慎重に検討すべきでしょう。
ほかの方法で調達できるならば、ビジネスローンを避けるに越したことはありません。
ファクタリングの資金調達スピード
ファクタリングは与信が悪化せず、資金調達スピードにも優れています。
ファクタリングの資金調達スピードは、あらゆる資金調達方法の中で最速といってよいでしょう。
もちろん、ビジネスローン以上にスピーディです。
「最短即日融資」を謳っているビジネスローンも、実際には即日で調達できないことがよくあります。
なんといっても、ビジネスローンは事業性の融資です。
個人消費者に数万円、数十万円程度を貸し付けるのではなく、会社に数十万円、数百万円を貸し付けるのです。
ノンバンクとはいえ簡単には貸せず、それなりに与信を考慮しなければなりません。
特に、初回利用の場合は与信の設定に時間がかかり、翌営業日以降の貸付けとなるケースがほとんどです。
これに対し、ファクタリングは即日でも調達しやすく、緊急の資金繰りに役立ちます。
方式別の資金調達スピードの目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:最短即日
- オンラインファクタリング:最短数時間
- 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
ファクタリングがスピーディに対応できるのは、利用会社の与信を考慮しないためです。
利用会社の与信はほとんど影響せず、売掛金を基準に審査します。
これにより、「与信を重視するビジネスローン」よりも、「与信を重視しないファクタリング」のほうがスピーディというわけです。
実際のスピードと注意点
緊急時には2社間ファクタリングがおすすめです。
2社間ファクタリングの多くは、即日対応を基本としています。
あくまでも「最短即日対応」であって、「100%即日対応」ではありません。
業者によっては、審査能力や審査方針の問題により、即日対応が受けられないこともあります。
それでも、2社間ファクタリングがスピーディであることは間違いなく、No.1も即日対応に力を入れています。
とりわけスピーディなのがオンラインファクタリングです。
オンラインファクタリングは最短数時間で調達でき、No.1では最短60分入金の実績も多数ございます。
唯一、資金調達スピードに難があるのは3社間ファクタリング。
3社間ファクタリングは、手続きにある程度時間を要します。
売掛先への債権譲渡通知(債権譲渡通知書を内容証明郵便で郵送)だけでも数日かかるため、即日中の調達は不可能です。
とはいえ、与信が影響しているわけではありません。
3社間ファクタリングも、与信が影響する資金調達方法に比べてスピーディといえるでしょう。
ただし、3社間ファクタリングは売掛先の与信悪化につながる恐れがあります。
与信の悪化を避けつつスピーディに調達するならば、2社間ファクタリングが最適です。
大型の資金調達にも対応
多額の資金調達が必要になって、与信悪化を痛感する会社が少なくありません。
これは、調達金額が大きいほど与信の影響が高まり、調達が困難になるためです。
ファクタリングならば、与信に関係なく多額の資金を調達できます。
ファクタリングの調達上限
ファクタリングで調達できる金額は、ファクタリング会社の設定と、手元の売掛金によって決まります。
まず、ファクタリング会社によって対応できる金額は様々です。
個人事業主向けのファクタリングは数万円~数十万円、法人向けの少額ファクタリングに特化した業者では数百万円、一般的な法人向けファクタリングは数千万円、大手の法人向けファクタリングは数億円~上限なし、といったイメージです。
No.1では、売掛金1件につき5000万円までを基本としています。
これは、あくまでもファクタリング会社の方針によるもので、利用会社の与信によって変わるものではありません。
与信に関係なく、ファクタリング会社の設定に応じて利用できます。
もちろん、多額の資金を調達したところで、与信が悪化することはありません。
例外的に、個人事業主向けファクタリングなどでは、利用会社の与信が影響することがあります。
ある個人事業主向けファクタリングは、初回利用時は数十万円を上限とし、その後の利用に応じて最大1000万円まで対応しています。
利用実績によって調達上限が変化するわけですが、利用会社の与信が影響していることは明らかです。
しかしながら、このようなサービスはごく一部に限られます。
No.1をはじめ、優良業者の法人向けファクタリングならば、与信に関係なく数千万円単位の調達が可能です。
実際の調達上限
ファクタリングは債権譲渡取引であり、支払期日前の確定債権が対象です。
支払期日を過ぎた売掛金(不良債権)や、未確定の売掛金(将来債権)はファクタリングできません。
簡単にいえば、実際の調達上限は手元の売掛金によって決まるということです。
例えば、月商が2000万円、回収サイトの平均が1.5ヶ月の場合、手元の売掛金の平残は3000万円です。
したがって、ファクタリングに利用できる売掛金は3000万円。
ここから手数料を差し引いた金額が、実際の調達上限となります。
3000万円の売掛金を手数料率10%でファクタリングする場合、ファクタリング会社は手数料として300万円を差し引き、2700万円を振り込みます。
ファクタリングによって、この会社は常時2700万円の調達余力があるというわけです。
調達できる金額は手元の売掛金で決まるため、売上が大きいほど、あるいは回収サイトが長いほど、調達上限は高くなります。
多額の資金を調達する際、銀行融資とファクタリングを組み合わせるのも効果的です。
与信に問題があれば、全額を銀行融資で調達することは難しいでしょう。
しかし、「半分をファクタリングで調達、残りを銀行融資で調達」などとすれば、与信の問題をクリアできるかもしれません。
借入希望額を保証枠の範囲内に抑え、与信をカバーすることも考えられます。
多額の資金を調達する際には、ファクタリングを活用してみてください。
与信管理の負担を軽減できる
ファクタリングは、取引先の自社に対する与信だけではなく、自社の与信管理にもメリットがあります。
ファクタリングで回収不能リスクをコントロールすることで、与信管理の負担を軽減できるのです。
与信管理の重要性
取引先が自社の与信を管理するのと同じように、自社も取引先の与信を管理しなければなりません。
与信管理を怠れば、与信額の設定や契約交渉に支障を来します。
与信額が過大になったり、支払期日が延びたりすれば、売掛金の回収不能リスクが高まるのです。
売掛金の回収不能は資金繰りを大きく悪化させます。
最悪の場合、回収不能が原因で連鎖倒産に至ることも。
しかしながら、与信管理は簡単なものではありません。
与信管理に精通した人材を新たに雇い入れたり、与信管理のための信用調査も必要です。
営業部門・経理部門・製造部門など、部門間の連携を是正することも欠かせません。
要するに、与信管理にはコストがかかります。
中小企業であれば、コスト負担に耐えられないケースも多いです。
この場合、自社で独自に与信管理を行うのではなく、与信管理をアウトソーシングするのがよいでしょう。
ファクタリングは、与信管理のアウトソーシングにもつながります。
というのも、ファクタリングは原則として「償還請求権なし」で契約するためです。
償還請求権と与信の関係
償還請求権とは、譲渡した債権が回収できなくなった場合、譲受人が譲渡人に買い戻しを求める権利のことです。
償還請求権付きの債権譲渡は、与信管理に何ら影響しません。
回収不能時には買い戻す義務があるのですから、譲渡後も回収不能リスクは自社に残り、与信管理の負担は変わらないのです。
手形割引や売掛債権担保融資の契約は「償還請求権あり」が大前提です。
資金調達に利用した手形や売掛金が不渡りになれば、買い戻しを求められます。
しかし、自社の資金が不足していれば、買い戻しに応じることはできません。
償還請求権は、譲渡人に償還能力があってはじめて機能します。
したがって、「償還請求権あり」の債権譲渡は、審査時に与信を考慮し、償還能力が不足していれば審査に落ちます。
ファクタリングは「償還請求権なし」
逆に、償還請求権がなければ与信は全く影響しません。
償還請求権がない以上、譲受人は買い戻しを請求できないのです。
ファクタリングは原則「償還請求権なし」ですから、ファクタリング後に売掛金が回収不能になっても、利用会社は何ら責任を負いません。
回収不能による一切の損失は、ファクタリング会社の負担です
これは、回収不能リスクをファクタリング会社が肩代わりすることを意味します。
ファクタリングした売掛金については、回収不能リスクがゼロになるのです。
回収不能リスクがなくなれば、与信管理の必要もなくなります。
額面金額が大きい売掛金、回収サイトが長い売掛金、新規取引先の売掛金など、回収不能リスクが高い売掛金を選んでファクタリングすることで、与信管理の負担を大幅に軽減できます。
また、ファクタリングの審査は与信を考慮せず、償還能力に関係なく審査に通るのもメリットです。
与信管理の負担に悩んでいる会社や、与信が悪化しており償還請求権付きの債権譲渡を利用できない会社は、ファクタリングを活用してください。
与信の改善につながる
ファクタリングを活用すれば、与信を維持しながら資金を調達できます。
さらに、使い方次第で与信を改善できることもファクタリングのメリットです。
自己資本比率と与信
資金調達によって与信が悪化するパターンの一つに、財務の悪化が挙げられます。
特に多いのは自己資本比率の低下です。
自社の資本のうち、返済の必要があるものを他人資本、返済の必要がないものを自己資本といいます。
融資や社債発行によって調達した資金は他人資本、資本金や利益剰余金は自己資本です。
さらに、総資産に対する自己資本の割合を表す指標が自己資本比率です。
銀行の与信では、自己資本比率を重視します。
基本的に、自己資本比率が高ければ与信が良くなり、自己資本比率が低ければ与信は悪くなります。
自己資本比率が低いということは、他人資本が多いということです。
自己資本比率が低いほど他人の影響は高まり、経営を圧迫するのですから、与信的にはマイナスといえます。
また、単純に「自己資本比率が低い→他人資本が大きい→返済負担が大きい→貸倒れリスクが高まる」と考えても、与信が悪化することは明らかです。
自己資本比率が高ければ、少々借り入れたところで与信の悪化は軽微でしょう。
しかし、自己資本比率が低く与信も悪い会社が、さらに借り入れるとなれば話は別です。
銀行は与信の悪化を嫌い、融資を断るかもしれません。
ファクタリングは自己資本比率が低下しない
ファクタリングで与信が悪化しないのは、自己資本比率が低下しないことも理由の一つです。
ファクタリングは法的に債権譲渡であり、消費貸借(借入れ)ではありません。
ファクタリングで調達した資金は他人資本にはならず、自己資本比率が低下することもないのです。
少なくとも、自己資本比率の低下による与信悪化は防ぐことができます。
このメリットを活かすことで、与信の改善も可能です。
与信改善の手順は以下の通りです。
- 資金調達が必要になった際、融資ではなくファクタリングで調達し、他人資本の増加を防ぐ。
- 一定期間にわたり、ファクタリングで資金繰りを回す。その期間中、返済によって他人資本が減少していく。
- 他人資本の減少により、相対的に自己資本比率が高まり、銀行の与信が改善する。
さらに、与信改善を加速するには、返済を前倒しするのも効果的です。
銀行は返済の前倒しを嫌うため、返済の前倒しや他行での借り換えは、重大な与信悪化を招く恐れがあります。
しかしながら、クレジットカードやビジネスローンの借入れは、早期返済に好意的であり、与信が悪化することもありません。
ファクタリングで調達した資金を早期返済に充てることで、「自己資本比率の向上による与信の改善」と同時に、「ビジネスローンの完済による与信改善」も期待できます。
資金繰り改善も与信に好影響
このほか、ファクタリングで資金繰りを改善することも、与信に好影響をもたらします。
資金繰りの改善につながることは、ファクタリングの代表的なメリットです。
ファクタリングは債権譲渡取引であり、売掛金を自社の資産から切り離すことにつながります。
売掛金には立替金としての側面があり、資金繰りの負担になるものです。
手元の売掛金が増加すれば資金繰りは悪化し、それに伴い資金ショートのリスクは増大。
最悪の場合、売掛金の回収を待っている間に資金繰りが破綻し、倒産する危険もあります(黒字倒産)。
銀行や取引先からみれば、貸倒れリスク・回収不能リスクの増大にほかならず、与信の悪化は避けられません。
売掛金の増加(売上の増加、回収サイトの長期化など)で悪化した資金繰りは、売掛金を減らすことによってのみ改善できます。
とはいえ、売掛金を減らすのは容易ではありません。
自社の売掛金が減り、資金繰りと与信が改善するということは、売掛先にとっては資金繰り・与信の悪化につながるためです。
交渉には長い時間を要し、成果が得られるとも限りません。
そこで役立つのがファクタリングです。
手元の売掛金をファクタリング会社に売却すれば、その分だけ売掛金が減少します。
また、ファクタリングは回収サイトの短縮にも効果的です。
これにより、銀行は「手元の売掛金が少ない→売掛金の回収がスムーズ→資金繰りが良い」と評価し、与信改善につながります。
ファクタリングで与信の悪化を避けるための注意点
ファクタリングが与信に影響しないのは、あくまでも正しくファクタリングした場合です。
使い方を誤ると、ファクタリングで与信が悪化することもあります。
最後に、ファクタリングで与信が悪化するケースと、その対処法を解説します。
債権譲渡登記で与信が悪化する
まず注意したいのが、債権譲渡登記です。
債権譲渡登記は、債権の移動などを登記所で記録し、法的に裏付けるものです。
登記内容を公示し、誰がみても権利関係が明らかな状態となります。
当然、取引先が登記内容を確認することも可能です。
ファクタリングの際に登記を行うと、登記情報からファクタリングの利用が露見し、与信の悪化を招く恐れがあります。
2社間ファクタリングは債権譲渡登記が必要
2社間ファクタリングは、利便性と資金調達スピードに優れており、売掛先が関与しないため与信悪化の防止にも適しています。
ただし、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を求められることが多いです。
これは、ファクタリング会社が第三者対抗要件を具備するためです。
2社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社以外の第三者が関与しません。
このため、二重譲渡などの詐欺行為が起こりやすい環境です。
回収時にトラブルが発生した場合、ファクタリング会社が真の債権者であることを主張するためには、第三者対抗要件を具備しなければなりません。
第三者対抗要件を具備する方法は、売掛先に対する債権譲渡通知、売掛先による債権譲渡の承諾、債権譲渡登記のいずれかです。
売掛先が関与しない2社間ファクタリングでは、債権譲渡登記が唯一の選択肢となります。
これが、2社間ファクタリングで債権譲渡登記を求められる理由です。
実際に取引先が登記内容を照会し、ファクタリングの利用が知られることは稀でしょう。
とはいえ、債権譲渡登記によって与信悪化のリスクがあることも事実。
与信悪化のリスクを避けるには、債権譲渡登記の留保に対応している2社間ファクタリングを選ぶか、債権譲渡登記不要の方式を選ぶ必要があります。
3社間ファクタリングは債権譲渡登記不要だが・・・
3社間ファクタリングは、債権譲渡登記が不要です。
したがって、登記情報から与信が悪化することはありません。
しかしながら、売掛先が必ず関与するのが3社間ファクタリングです。
債権譲渡登記の有無以前に、売掛先に知られずファクタリングすることはできません。
そもそも、3社間ファクタリングは債権譲渡通知が必須であり、これによって第三者対抗要件を具備できるからこそ、債権譲渡登記が不要なのです。
債権譲渡登記が不要(しかし売掛先に必ず知られる)な3社間ファクタリングよりも、債権譲渡登記が必要(しかし売掛先に知られることは稀)な2社間ファクタリングのほうが、与信悪化のリスクは低いといえるでしょう。
対処法:オンラインファクタリングで与信悪化を防ぐ
与信悪化のリスクを徹底的に排除するには、売掛先が関与せず、なおかつ債権譲渡登記不要の方式が最適です。
おすすめなのは、オンラインファクタリング。
オンラインファクタリングは、2社間取引のため売掛先が関与しません。
また、債権譲渡登記不要のサービスが一般的です。
ファクタリングの手続きで与信が悪化せず、登記内容でも与信が悪化しないのがオンラインファクタリングの魅力といえます。
オンラインでの手続きに抵抗がなければ、通常の2社間ファクタリングよりもオンラインファクタリングをおすすめします。
手数料で与信が悪化
次に注意したいのが、手数料による与信の悪化です。
ファクタリングの際には必ず手数料がかかります。
ファクタリング会社は、売掛金の額面金額から手数料を差し引いた金額を、買取代金として支払います。
支払期日を待てば満額回収できたはずの売掛金が、手数料の分だけ目減りするわけです。
無計画にファクタリングを繰り返せば、しばしば高い手数料を支払うこととなり、資金繰りの悪化は避けられません。
延いては、与信の悪化につながる恐れがあります。
ファクタリング手数料の相場
現在、ファクタリング手数料の上限規制はなく、審査結果に応じてファクタリング会社が自由に設定できます。
とはいえ、手数料の相場がないわけではありません。
ごく大まかなものですが、方式別の手数料率の相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
- オンラインファクタリング:額面金額の10%以下
上限規制がない以上、この相場を超えても違法にはなりません。
あまりにも高ければ問題ですが、その基準も不明確です。
ファクタリングで与信の悪化を避けるには、少なくとも相場の範囲内で収まるように、利用会社自身が心がけるべきです。
手数料が高すぎると与信の悪化に
ファクタリングは政府も推奨しており、一部の銀行ではファクタリングを取り扱っています。
民間企業と銀行が連携する形で、ファクタリングを提供するケースも増えてきました。
銀行は、ファクタリング自体には好意的であり、ファクタリングを利用しただけで与信が悪化することはありません。
しかしながら、手数料が高すぎると、銀行の与信が悪化する恐れがあります。
高すぎる手数料は会社の収益は圧迫し、利益が全て吹き飛んだり、赤字になったりすることもしばしばです。
その場合、銀行は決算書に違和感を抱くでしょう。
「売上はあるのに利益は出ていない、営業外費用の増加が原因らしい…」とみなされるだけでも、与信の悪化は避けられません。
また、決算書に違和感がある場合、銀行は総勘定元帳の提出を求めるのが普通です。
これによって経費の内訳を精査すれば、売掛債権譲渡損が大きすぎることに気づきます。
他の情報を合わせて考えれば、悪条件でファクタリングを繰り返していることは容易に想像がつきます。
悪条件でファクタリングを繰り返すのは、資金繰りに計画性がないからです。
実際、行き当たりばったりでファクタリングし、余裕がないためにやむを得ず高い手数料を支払っているケースが目立ちます。
資金繰りは経営者の重要な任務です。
資金繰りが下手な経営者は、銀行から「経営者としての資質に欠ける」と評価されても仕方ありません。
経営者の人柄や資質など、数値化できない要素が、与信を大きく悪化させることもあるのです。
対処法:優良ファクタリング会社で与信悪化を回避
手数料で与信が悪化することを防ぐためにも、手数料を抑える必要があります。
理想は、自社に最適なファクタリング会社を選ぶことです。
とはいえファクタリング会社が増え続けている昨今、多くの中から自社に適した業者を選ぶのは容易ではありません。
与信が悪化するほどの手数料を避け、それなりに満足のいく条件でファクタリングするには、優良ファクタリング会社を選ぶのが良いでしょう。
優良ファクタリング会社は、その他のファクタリング会社に比べて手数料の基本設定が安いです。
例えば、No.1のファクタリングサービスは、以下の条件でご利用いただけます。
- 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
- オンラインファクタリング:額面金額の2~8%
手数料を抑えてファクタリングすれば、銀行の与信が悪化することはありません。
銀行によっては「業者選びに卒がなく、手数料をシビアに考え、ファクタリングを活用している」と考え、与信にプラスになることもあります。
悪徳ファクタリング会社は与信の悪化に
ファクタリングが与信の悪化につながるケースとして、致命的なのが「悪徳ファクタリング業者」を利用してしまうことです。
ファクタリングで与信が悪化しないためには、悪質業者を避けることが大前提となります。
ファクタリングの悪質業者とは?
金融庁は、ファクタリングの悪質業者について以下のように注意を喚起しています。
中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。
このような悪徳業者は、反社会的勢力が隠れ蓑にしているケースが多く、本来「債権の売買取引」であるファクタリングを「債権を担保にした借入」として契約させられるケースもあります。
このような取引だと不当な利息をとられたりするだけでなく、借入残高が増えてしまい財務面からいって与信の悪化につながります。
さらにこのような悪徳ファクタリング会社は暴力団のフロント企業であるケースも少なくはありません。
この場合、自社が「反社会的勢力」とみなされる可能性もあり、与信の悪化以前に取引ができなくなる可能性もあるのです。
対処法:優良ファクタリング会社を選ぶ
悪徳業者による与信の悪化を避けるためにも、優良ファクタリング会社を選びましょう。
優良ファクタリング会社は、ファクタリング業界を牽引する存在です。
ファクタリング業界のクリーン化を目指し、政府に法整備を働きかけるだけではなく、自主規制の策定にも意欲的です。
No.1も、コラムなどを通してファクタリングに関する正しい知識の普及、悪質業者への注意喚起など、啓蒙活動に取り組んでいます。
つまり、悪質・違法・反社会的などとは真逆の立場にあるのが優良ファクタリング会社です。
優良ファクタリング会社を選んでおけば、悪徳業者のリスクは簡単に回避でき、与信が悪化することもありません。
まとめ:与信に影響しないファクタリングはNo.1におまかせ!
ファクタリングと与信の関係を詳しく解説しました。
正しく利用している限り、ファクタリングで与信が悪化することはありません。
むしろ、使い方次第で与信の改善も可能です。
ファクタリングは経済産業省や政府も認めた資金調達方法です。
ですから正しい業者選びと使い方を理解して利用することは、自社の継続・成長を支えるために有効な資金調達方法の1つと考えるべきではないでしょうか。
与信が悪化しないファクタリングをご規模の方は、No.1までお気軽にお問い合わせください。
ファクタリングなら株式会社No.1 詳細情報
株式会社No.1の各サービスの紹介は下記からご覧ください。
ご不明点やご質問はお気軽にお問い合わせください。
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