カテゴリー: ファクタリング
ファクタリング新要素!新しいエンジニアの働き方SESによる資金回収遅れをファクタリングで防ごう!
ファクタリングは迅速な資金調達以外にも、売掛債権(売掛金)を早期に回収することで、貸し倒れ、回収不能になる事態を避けるメリットもあります。
新しいビジネスの仕組みの場合、資金回収がなかなかうまくいかないケースもあります、今回紹介するSESも新しいIT技術者派遣のビジネススキームであり、ビジネス慣習上うまくお金が流れていないケースもあります。
SESをメインにしている事業者にとっては、この新しいビジネススキームによって売掛債権(売掛金)を回収するのが遅れてしまい、自社の経営が行き詰まってしまう事例が散見されつつあります。
そこでSESを対象にしたファクタリングメニューが登場してきています。今回はSESとファクタリングについて現状と対応、SES対応のファクタリングメニューなどを紹介します。
しっかり理解していただき、新しいビジネススキームを万全の態勢で構築していきましょう。
SES(System Engineering Service)とは何?
まずSESについて解説します。SESはSystem Engineering ServiceでIT業界における契約形態の1つになります。
ある会社がITに長けた技術者の自社のITシステムの構築や社内のIT業務を依頼したい場合、以下の方法があります。
- 正社員やバイトとして直接雇用する
- 外部のエンジニアと業務委託契約を結ぶ
- ITに強い派遣会社から
- SESのスキームを使う
通常、IT技術者に社内システム業務を依頼したい場合、そうした人を雇う、業務委託で投げる、派遣会社にお願いする、という3つの方法を思い浮かべますが、SESはその3つ以外のスキームとして近年台頭している仕事の仕方になります。
SESのビジネススキームの特徴
SESは具体的にどのような仕組みなのでしょうか?ここで解説します。
SESはある会社がシステム開発を行いたいと考えたとき、「システム開発や運営のためにITエンジニアを雇いたい」、SES企業(ITエンジニアを抱える企業)に依頼します。それを受けたSES企業が、ITエンジニアを技術が欲しい会社に派遣する仕組みです。
ITエンジニアが欲しい会社からSES企業への支払いは後払いになります。1か月、2か月など一定の支払いサイトを置いたのちに支払います。
SESと派遣社員の違い
IT技術者はある登録している会社から派遣されて、相手先企業(依頼主)へ行きます。これは単なる派遣社員では?と思われるかもしれません。しかし、SESと派遣社員には大きな違いがあります。
派遣社員の場合、派遣先の指示に従って仕事をします。正社員よりは断りやすいですが、残業などの指示もあるでしょうし、当初予期しない突発的な仕事の依頼もあります。
しかし、SESは雇用主(SES企業、派遣元)の指示に従って仕事をします。派遣先はSESで派遣された技術者に指揮命令できません(とはいえ、突発的な何かがあればやることにはなりそうです)。
SESと業務委託の違い
業務委託は成果について報酬が支払われます。つまり「あるシステムを100万円で完成させて」という仕事であれば、3日で完成させても1か月かかってもとにかく完成させればやり方場所を問わず100万円が支払われます。逆に何か月かかってもできなければ報酬0円です。
客先に常駐して、勤務時間も管理されるのに業務委託契約というのは問題があります(やっている事業者はあります)。
しかしSESの場合、派遣社員と同じく、成果物を仕上げることは依頼にありません。SES企業から決まったことをするように言われ、それを派遣先で行うのみです。IT技術者とすれば責任もないので気楽です。
SESの各プレイヤーを紹介
SESにはさまざまなプレイヤーが登場します。ここで抑えておきましょう。
- 派遣先企業(クライアント、依頼主)
- SES企業(派遣元、技術者を派遣)
- IT技術者(SES企業の正社員)
クライアントが「こういうスキルがある人をお願いします」と言ってSES企業に発注します。SES企業は登録しているIT技術者の中から「こういうスキルがあり、このシステムを作れる人」を募り、条件に合ったIT技術者をクライアントへ派遣します。
派遣されたIT技術者は派遣社員と同じように派遣先(クライアント先)で仕事をしますが、派遣先の指示命令は聞かなくて大丈夫です。派遣元(SES企業)の指示が優先します。
トラブルが起きたときに「派遣元から指示がないので無視します」ということはさすがにできないでしょうが、「あなたはスキルがあるからこれもやってくれないかな?」と派遣先から余計な仕事を振られるのを防げます。派遣社員の場合、指揮命令は派遣先にあるので断れませんがSESは断れます。
IT技術者にとってSESはどのような存在か
自分らしい働き方をしたいIT技術者にとっては、好きなことだけ仕事にでき、フリーランスのように成果がすべてではないSESは魅力的です。
本来派遣社員は、IT技術者など高いスキルを持つ人が高時給で働くための制度でした。その本来の派遣社員的な働き方ができ、なおかつ派遣元の指揮命令系統がないので、本当に余計な仕事をせず、自分のスキルだけを高単価で売れます。
しかも、成果は求められない(成果報酬ではない)ので、責任もなく楽です。
本当に優秀なIT技術者でなるべく楽に働き、成果を求められずスキルを高く売れるというSESのスキームは、派遣社員よりも高いスキルを持ったIT技術者にはありがたいものです。
なお、IT技術者は派遣社員と同じように「SES企業の正社員」(扱い)になります。正社員ですので、雇用は守られ、社会保険加入、厚生年金加入、労災ありなどメリットを享受できます。
スキルに応じて派遣先企業が支払うお金も変わります。そのため、正社員として安定していて、しかも、通常の会社のように総務や営業を担当することもなく、内部の職域、等級、役職も関係なく、スキル次第で年収、給料が変わります。
IT技術者にお金を出すクライアント企業にとってSESはどのような存在か
技術者が欲しいクライアントにとっては、派遣社員以上に優秀なIT技術者を招へいできる可能性が高くなります。
SESで招へいされたIT技術者は、SES会社から命じられた職務のみを高いスキルで淡々と行います。
「ホームランを打つことのみを期待されたDH(指名打者)専門の助っ人外国人選手」のようなイメージです。
派遣社員では来ないような高いスキルのIT技術者をSESならば呼べる可能性があります。それは彼らが派遣社員以上に「自分らしい働き方」をSESで実現できるからです。
当然、SESのスキーム上、指揮命令は派遣元(SES企業)にあるので、「あれもこれも」と雑務の依頼はできません。その代わり、びっくりするような人材に仕事を手伝ってもらえることになります。
SESのビジネススキームの特徴まとめ
以上をまとめます。
SES(System Engineering Service)契約とは、正社員(直接正規雇用)以外の働き方の一つで、準委任契約とも呼ばれています。
このスキームの特徴として、報酬は作業時間にのみ発生し、成果物に対しての責任は発生しないことです。
つまり、契約期間内で、成果が出せなくても報酬は保証されるので、IT技術者はフリーランスで働くよりも気が楽です。
発注企業側(クライアント)では、必要なスキルを持つエンジニアを都度募集できるので、自社で育成を行う必要がなく、教育研修費が浮きます。
また、IT技術者側では、受注先(SES企業)の正社員という扱いであり、正社員としての安定を享受しながら、案件に応じて派遣先の技術を吸収、さらに好きなことだけを仕事にできます。フリーランスではないので、給料がもらえ、成果に追われることもありません。
SESの支払いは、クライアント(発注企業)がSES企業に行い、そこからIT技術者で「正社員の給料」として支払われます。しかし、クライアントからSESへの支払いは末日締め翌月末日払い、など一定の支払い期間(支払いサイト)があります。
そこが問題になります。
SESの支払いサイトによって資金繰り悪化
SESのスキームでは、クライアント(発注先)からSES企業への支払いは後払いになります。末日締め翌月末支払い、支払いサイト30日が多いようですが、それ以上の契約をすることもあります。
IT技術者は「正社員」ですから彼らに対する給料は労働基準法24条の規定により、一定期日より遅滞なく支払わなければなりません。正社員への給料を掛売にすることはできません。
したがって、クライントから人件費を回収するまで1か月(ないしそれ以上)は、IT技術者への給料をSES会社が立替払いしなければなりません。
そのため資金繰りが悪化していては成り立たないことになります。SESは今後も盛んにおこなわれる雇用形態で、潤沢な手持ち現金がないと困ってしまう場面も登場します。
そこで、「SES会社が派遣したIT技術者の人件費をクライアント企業から受け取る権利」を売掛債権(売掛金)とみなして、期日到来前に譲渡するファクタリングの仕組みでIT技術者の給料を捻出する方法が考えまれます。SESの仕組みでもファクタリングによる資金調達が可能です。
個人事業主やフリーランスの場合、多少手取りが減ってしまっても、まったく売掛債権(売掛金)を回収できない、支払い遅延になるよりは、売掛債権(売掛金)額の80%でも90%でも受け取った方がマシと考えます。
しかし、SESの場合「売掛債権(売掛金)を売却したら90%になったので、IT技術者への給料も90%で」ということは許されません。
やはり労働基準法の規定により、賃金(給料)は、必ず全額まとめて支払う必要があり、分割払いは認められません。給料の減額などもってのほかです。給料40万円でIT技術者を派遣しているならば、40万円+残業代を遅滞なく現金一括で払わなければなりません。
業務委託であれば新たに分割払い契約や、期日が遅延する旨の同意書によって回避できるかもしれませんが、SESで派遣したIT技術者に対しては無理です。彼らはSES企業の正社員であり、雇用契約なのです。
SESに特化したファクタリングの紹介!特徴とは?
「SES会社が派遣したIT技術者の人件費をクライアント企業から受け取る権利」を売掛債権(売掛金)としてファクタリングすることは問題ありません。
しかし、ファクタリングなので「買い取り手数料」や「買取率」も考慮され、売掛債権(売掛金)の額面の全額の資金化ができません。
そうなると、100万円のSESによるIT技術者派遣の売掛債権(売掛金)があっても、60万円~70万円しか現金化できない場合もあります。
その場合、IT技術者へは遅滞なく給料の全額を支払うことが義務ですので、法律違反ならないようにするには、危険な資金調達(ヤミ金融)などが視野に入ってしまいます。もちろん、そのようなことは絶対にしてはなりません。
そこで、最近、特にSES企業向けのファクタリングメニューを設けるファクタリング会社が登場してきました。
SES向けのファクタリングと通常のファクタリングの違いを表にしました。
手数料 | 資金化可能額 | 資金化迅速性 | 対象債権 | 請求業務 | ファクタリング可能額 | 与信審査 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SES向けのファクタリング | 約1%~ | 売掛債権(売掛金)の100%(全額)保証 | 申し込みから約5日 | 会社・事業部のすべての請求 | ファクタリング会社が代行 | 少額からOK | あり |
通常のファクタリング | 2%~20%弱 | 売掛債権(売掛金)の70%~90%(手数料、買取率で減る) | 即日資金化も可能 | 事業関係の売上(売掛金)のみ | 2社間ファクタリングは自分で行う | 30万円程度は最低必要 | なし |
SESで派遣されるIT技術者の給料が15万円ということは考えづらいので、最低でも資金化すべき売掛債権(売掛金)は30万円超あるはずなので、ファクタリング可能額はあまり考えてなくて良いでしょう。
注目すべきはSES向けのファクタリングの保証額です。SES向けのファクタリングは「SES会社が派遣したIT技術者の人件費をクライアント企業から受け取る権利」が100%保証されるので、IT技術者の給料を支払えなくなることは原理的にあり得ません。
これで労働基準法を守って派遣するIT技術者へ給料を支払えます。
では、100%保証したらファクタリング会社の利益がないのでは?と思われるかもしれません。このSES向けのファクタリングは、「保証ファクタリング」に近い仕組みになっていて、毎月、一定額の手数料を「保険料」として支払っています。そこからファクタリング会社の利益を出しています。
またSES向けのファクタリングは譲渡する(かもしれない)売掛債権(売掛金)について与信審査を行います。つまり、売掛先であるIT技術者派遣先の信用調査を行います。
通常のファクタリングは信用調査は行わないことがメリットなのに対して、SES向けのファクタリングは売掛金の信用調査を行うということで明確に異なります。
SES向けのファクタリングをSES会社は絶対に利用すべきということではなく、場合によっては通常のファクタリングの方がよい可能性もあります。通常のファクタリングは即日資金化も可能であり、5日かかるSES向けのファクタリングとは異なります。
「SES会社が派遣したIT技術者の人件費をクライアント企業から受け取る権利」は売掛債権(売掛金)であるのは事実なので、SES向けのファクタリング、通常のファクタリング双方を比較検討して決めればよいです。
SES向けのファクタリングメニューを提供するファクタリング会社はまだ少ないので、今後SES向けのファクタリングにニーズがあれば他社も参入し、競争によってさらに利用者(SES会社)にとっての条件がよくなる可能性もあります。
まだ様子見の部分もあるので、SES会社の方は注視をお願いいたします。
発注元の経営が悪いからSESを使っている可能性も否定できない
SESは発注元(IT技術者を受け入れる派遣先)がIT技術者を正規雇用する人件費を削減するためのものでもあります。ひょっとすると、発注元の経営が厳しく、しっかりした金額を支払う余裕がないのかもしれません。
したがって、発注元がSES会社に人件費を支払えなくなるリスクは潜在的に存在します。大手企業ならば自前の(正社員や契約社員)人材を使うでしょう。
アウトソーシングするということは、教育や育成にお金を掛けられないわけで、もっとも発注元の財政が逼迫している可能性があります。
SES会社にとってはどんな企業もお客様ですが、中には経営状態が厳しく、いつ支払い不能になるかもしれないところも蓋然的にあり得ると意識してください。
その意味では、ある程度毎月の手数料(保険料)を支払っても、いざというときに100%保証される、SES向けファクタリングメニューも候補に入れて良いかもしれません。他の条件もありますが、一度何かあったときのリスクヘッジ方法を検討されてはいかがでしょうか?
SESをはじめさまざまなビジネススキームの資金調達はファクタリング!株式会社No.1に相談を
SESというIT技術者派遣の新しいスキームについての説明と、なぜ資金繰りが悪化する可能性があるのかその理由について解説しました。
SESは働き方改革の中で注目されているもので、今後エンジニアだけにとどまらないものになるかもしれません。派遣先で指示命令を受けないというのはスキルを持った人にとってはありがたいものになります。
このような新しいビジネススキーム適合する資金調達は、法律に縛られている融資では難しいものも多く、当事者間の自由な契約で成立するファクタリングの有用性が確認できます。
SES向けファクタリングメニューにするのか、通常のファクタリングで資金調達するのかはみなさん次第です。十分、通常のファクタリングメニューで対応できるので、信頼できる評判の高いファクタリング会社に聞いてください。
株式会社No.1はとても口コミ、評判の高いファクタリング会社になります。SESの「SES会社が派遣したIT技術者の人件費をクライアント企業から受け取る権利」も問題なく、高額、迅速に買い取りいたします。
また、オンラインファクタリングにも対応していますので、手続きの最初から最後までWEB上で完結できます。東京近郊の方だけではなく、遠隔地にお住まいの方もぜひ積極的にご相談ください。
新しいビジネススキームのSESを上手に使って、IT技術者派遣を成功させましょう。
ぜひ株式会社No.1までお申し込みをお願いいたします。
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