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売上債権回転率とは?計算方法、目安・平均、具体的な改善策などを紹介
ファクタリングの準備|売上債権回転率をチェックしよう
ファクタリングを利用する前には、まず分析をしなければなりません。
分析をすることで、ファクタリングが自社にとって資金繰りを改善するために本当に必要なのかを確かめられるのです。
その分析方法の一つとして注目しなければならないのが、「売上債権回転率」です。
売上債権回転率を知ることができれば、売掛金や受取手形などの売上債権の回収がうまくいっているのかがわかります。
うまくいっていないのであれば、ファクタリングなどの資金調達法を考えることになるでしょう。
こちらでは売上債権回転率を調査することで何がわかるのか?
売上債権回転率の計算方法とは?
理想的な売上債権回転率とは?
売上債権回転率を改善するには?
の4つのテーマをお伝えしますね。
売上債権回転率を計算することでわかることとは?
経営効率がわかるようになります。
売上債権回転率とは?
企業の売上債権の回収が、どの程度効率的に行われているのかを示す比率が売上債権回転率です。
基本的に回転率は高ければ高いほうが良いとされています。
回転率が低いということは、売上債権の回収が効率的に行われていない、ということを表しているからです。
そもそも企業間の取引の多くはツケとなっています。
掛取引で行われているので、入金されるまでにはどうしても時間がかかってしまいますよね。
現金取引であれば入金がその場で行われるので問題ありません。
しかし現金取引が行われることは企業間取引ではほとんどありません。
現金の出し入れをするのはかなり企業として面倒なのです。
経理の仕事も増えてしまいます。
そこで支払いをまとめるために掛け取引などが行われているわけです。
しかし入金までに時間がかかるので、資金繰りの悪化を招きやすいのも事実、そこで売上債権回転率を調査する必要性が出てくるのです。
売上債権回転率と売上債権回転期間はどう違う?
売上債権回転率と似ている考え方に、「売上債権回転期間」があります。
売上債権回転率と売上債権回転期間は、どちらも効率性分析の一手法です。
何が違うかといえば、売上債権回転率は「資本効率」を示すのに対し、売上債権回転期間は「回収サイト」を示す点で異なります。
売上債権回転率は「資本効率」
売上債権回転率は、信用取引によって生じた売掛債権がどのように回転しているかを示します。
売掛先に商品を納入し、請求によって発生するのが売掛債権です。
この売掛債権を支払期日に回収することを「売掛債権が1回転した」と考えます。
これによってわかるのが「資本効率」です。
資本効率とは、会社が株主や銀行から調達した資本をどれだけ活用しているかを示すものです。
すべての会社は、資本によって商品を仕入れ、取引先に販売し、代金を回収することで収益を得ています。
資本効率が高い会社ほど、この一連の流れを効率的に行っており、「資本効率が高い」「稼ぐ力がある」といえます。
例えば、売上債権回転率が「5回転」のA社と、売上債権回転率が「10回転」のB社では、どちらが資本効率がよいでしょうか。
A社は「仕入れ→販売→売掛債権の回収」の流れを年間に5回繰り返していますが、B社は同じ流れを10回繰り返しています。
仮にA社とB社が全く同じ商売をしており、利益率も同じであったとすれば、B社はA社よりも2倍のスピードで資本を回しており、収益も2倍ということになります。
したがって、資本効率が高いのはB社です。
このように、売上債権回転率は資本効率をみるために用います。
売上債権回転期間は「回収サイト」
一方、売上債権回転期間は回収サイトをみるための指標です。
回収サイトとは、売掛債権が発生してから回収するまでの期間を意味します。
例えば、「月末締め、翌月末払い」の場合、請求してから(売掛債権を計上してから)回収するまでに1ヶ月を要するため、売上債権回転期間は1ヶ月です。
売上債権回転期間が長期化すると、売掛債権の回収に長い時間を要します。
未回収の売掛債権が滞留しやすく、手元の売掛債権が増えやすい状況です。
これにより、資金繰りの悪化を招きます。
原則的に、資金繰りは売掛債権が多いほど悪化し、売掛債権が少ないほどラクになるからです。
したがって、資金繰りの維持・改善のためには、売上債権回転期間を把握し、短縮に努める必要があります。
このように、売上債権回転期間は「回収サイト」「売掛債権の回収スピード」を示す指標です。
売上債権回転率のように、資本効率をみるための指標ではありません。
売上債権回転率と売上債権回転期間の区別
売上債権回転率も売上債権回転期間も効率性分析であり、意味するところは結局同じです。
売上債権回転期間が短いということは、売掛債権の回収がスムーズということを意味し、結果的に売上債権回転率も高くなります。
この意味において、売上債権回転期間も資本効率を示しているといえます。
しかしながら、売上債権回転率をみただけでは、回収サイトをダイレクトに知ることはできません。
同じく、売上債権回転期間をみただけでは、資本効率をダイレクトに知ることはできません。
売上債権回転率は間接的に回収サイトを示し、売上債権回転期間は間接的に資本効率を示すというだけです。
したがって、資本効率をみる場合には売上債権回転率を、回収サイトをみる場合には売上債権回転期間を用いるのが基本です。
売上債権回転率の計算方法とは?
計算式は【売上高 ÷ (受取手形+売掛金)】です。
それほど難しくはありません。
計算式を見ているだけでは始まらないので実際に計算してみましょう。
以下のケースで計算してみますね。
売上高・・・5,000万円
受取手形・・・500万円
売掛金・・・1,000万円
計算式は「5,000万円÷(500万円+1,000万円)」となります。
計算結果は「約3.3」となりました。
要は売上債権が一定の期間内(1年間)に3.3回は回転している、ということになります。
もう一つのケースで計算してみましょう。
売上高・・・1億5,000万円
受取手形・・・500万円
売掛金・・・2,000万円
計算式は「1億5,000万円÷(500万円+2,000万円)」となります。
計算結果は「6」となりました。
前述したものよりも回転率が高くなったことになります。
要は売上債権が一定の期間内(1年間)に6回は回転している、ということになります。
要は売上高が高く、売上債権の金額が低ければうまく回収ができている、ということになるわけです。
理想的な売上債権回転率とは?
「6回転以上」が理想的な回転率になります。
年間で6回転以上ということは、2ヶ月に1回のペースで売上債権が回収できている、ということになりますよね。
2カ月以内で回収できていれば、定期的に会社に資金が入ってきている、ということになります。
会社の資金繰りにも良い影響が出ているはずです。
仮に「6回転以上」であるのに資金繰りが悪化しているということは、ファクタリングでは資金繰りの改善に対処できません。
入金に問題が発生しているとは言えないからです。
売上をアップさせる対策であるとか、経費を削減させるなどの方法で資金繰りを改善させましょう。
一方で問題が発生しているとされる回転率は「3回転以下」となります。
スローペースな回収となっているので、回転率に問題が生じていると考えられるわけです。
こちらの場合にはファクタリングなどの資金調達法による資金繰りの改善がおすすめです。
理想的な売上債権回転率は業種で変わる
上記の通り、一般的に「正常」とされる売上債権回転率は6回転以上です。
これは、「信用取引→売掛債権の発生→売掛債権の回収」という流れが、年間に6回以上行われていることを意味します。
逆に、売上債権回転率が3回転以下であれば、資金効率が悪いと考えます。
しかし、業種によって商習慣は異なり、売上債権回転率も業種ごとに様々です。
したがって、売上債権回転率の目安を考える際には、自社が属する業種の平均を以て目安とするのがポイントです。
政府の「中小企業実態基本調査(令和元年確報)」 を参考に、業種別の売上債権回転率をみてみましょう。
- 建設業…9.07回転
- 製造…5.75回転
- 情報通信業…6.75回転
- 運輸業・郵便業…7.85回転
- 卸売業…6.56回転
- 小売業…14.44回転
- 不動産業・物品賃貸業…10.77回転
- 学術研究、専門・技術サービス業…9.55回転
- 宿泊業、飲食サービス業…47.52回転
- 生活関連サービス業、娯楽業…34.93回転
このデータをみればわかる通り、業種によって売上債権回転率は大きく異なります。
不動産業は、入居者から毎月賃料を受け取るため、売上債権回転率はおよそ毎月1回転のペースとなっています。
また、小売業、宿泊業や飲食サービス業などは個人消費者を対象とするものです。
クレジットカード決済や電子マネー決済を除き、現金での取引も多い(取引と同時に1回転)ため、他の業種に比べて売上債権回転率が特に高くなっています。
このように、売上債権回転率は業種によって大きく異なります。
したがって、自社にとって理想的な売上債権回転率を考える際には、
- 自社の属する業界の平均に比べて売上債権回転率高いか低いか
- 競合他社(属する業界のうち、事業の内容や傾向、事業規模などが特に近い他社)に比べて売上債権回転率が高いか低いか
を意識することが重要です。
過去の売上債権回転率との比較も大切
売上債権回転率の良し悪しを判断する際には、同業他社との比較だけではなく、自社の過去の実績と比較することも大切です。
売上債権回転率の変化は、経営に様々な影響をもたらします。
売上債権回転率の悪化で資金繰りが悪化
例えば、自社の今期の売上債権回転率が前期よりも低下していれば、売上債権の回収効率が下がっていることを意味します。
この場合、当然ながら売上債権回転期間も長期化しているはずです。
売上債権回転期間の長期化(=回収サイトの悪化)は資金繰り悪化に直結する要素です。
同様に、売上債権回転率の悪化も資金繰りの悪化に直結します。
このように、過去の売上債権回転率と現在の売上債権回転率を比較することで、自社の資本効率を客観的に知ることができるのです。
売上債権回転率は銀行融資にも影響
売上債権回転率が過去よりも悪化している場合、銀行融資にも悪影響となります。
というのも、銀行の審査では「融資したお金をどのように活用するか?」を重視するためです。
借入れの大前提となるのは、借りたお金を活用して利益につなげていくことです。
資本効率が高い会社は、借りたお金を効率よく活用し、返済原資となる利益を稼ぐことができるため、銀行は「貸倒れリスクが低い」と判断します。
売上債権回転率が理想の数値より低かったとしても、売上債権回転率が改善傾向にある会社は、銀行から改善努力を認められ、融資を受けられる可能性があります。
逆に、売上債権回転率が悪化している(=資本効率が低い)会社は、融資審査の難易度が高くなるのが普通です。
同業他社に比べて売上債権回転率が良いとしても、過去から現在にかけて売上債権回転率が悪化傾向にあれば、融資審査に落ちやすくなります。
特に長期借入の場合、銀行は「この傾向が続けば、数年後には売上債権回転率が平均値を下回り、貸し倒れに陥るかもしれない」と懸念するでしょう。
したがって、自社の売上債権回転率の推移を把握しておけば、融資交渉の材料になります。
例えば、以下のように交渉できるのです。
- 売上債権回転率が悪化傾向にある会社は、売上債権回転率の悪化原因を明確化し、具体的な改善策を提示することによって、銀行から融資を受けやすくなる。
- 売上債権回転率が改善傾向にある会社は、売上債権回転率の改善努力と成果をアピールし、今後の見通しを具体的に説明することによって、銀行から融資を受けやすくなる。
売上債権回転率の改善で融資を引き出す
銀行が売上債権回転率を重視するのは、貸倒れリスクだけではありません。
銀行は、売上債権回転率によって収益性を測っています。
売上債権回転率が高い、つまり「『仕入れ→販売→代金回収』の流れが早い」ということは、資金繰りの流れが早いことを意味します。
このような会社は、営業活動が活発であるだけに資金需要も旺盛です。
もちろん、将来的な成長も期待できるでしょう。
銀行は、預金者から集めた資金を事業者や個人に貸し付け、利息収入を得ています。
銀行経営においても資本効率は重要であり、銀行は常に「いかに効率よく資金を貸し付けるか」を考えています。
個人レベルでみても、渉外担当の銀行員には貸付けのノルマがあり、「貸倒れリスクの低い融資先にできるだけ多額の融資を行い、資本効率を高めたい」と考えているのです。
売上債権回転率が高い会社は資金需要と成長力が旺盛ですから、銀行にとって「短期融資を出せる機会が多そうだ」「将来的には新規事業展開や設備投資のために多額の融資もできそうだ」という2つの意味で優良顧客となりやすいです。
実際に、過去の実績と比べて売上債権回転率が高くなっている会社は、銀行の渉外担当者から営業を受けることが増えます。
銀行が「借入れの際にはぜひ当行で」と営業してくるのです。
この場合、銀行融資のハードルが格段に下がり、融資条件も良くなることが多いです。
売上債権回転率が資金繰りや融資環境に与える影響を把握し、さらには銀行融資の交渉材料とするには、単に「理想的な売上債権回転率」や「同業他社比の売上債権回転率」ではなく、あくまでも「自社の過去の実績と比較した売上債権回転率の推移」でなければなりません。
売上債権回転率を維持・改善する4つの方法
では、売上債権回転率を維持・改善するにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、売上債権回転率を維持・改善するための具体策を4つ紹介します。
与信管理の徹底を
売上債権回転率を維持するには、与信管理の徹底が重要です。
実際に、売上債権回転率が悪い会社の多くは、与信管理に問題を抱えています。
与信とは、取引先に信用を供与することで、代金の後払いを認めることです。
これを与信取引といい、一般的に「信用取引」というのも与信取引にあたります。
信用取引は取引の円滑化に効果的ですが、将来、代金を回収できるかどうかは不確実です。
支払期日に、取引先に現金がなければ支払うことはできません。
取引先の経営や資金繰りの状況にふさわしい取引を行うことで、この不確実性を回避・低減させることができます。
そのために必要なのが与信管理です。
与信管理の基本は、回収不能リスクが低い取引先には、与信を大きく行い、取引拡大を目指します。
逆に、回収不能リスクが高い取引先には、与信を小さくするのです。
与信管理を徹底することは、回収不能リスクの回避だけではなく、売上債権回転率の改善にもつながります。
上記でも解説した通り、売上債権回転率の計算は「売上高÷売掛債権」です。
例えば、年商1億2000万円(月商1000万円)、取引はすべて信用取引、回収サイト1ヶ月の会社では、毎月の売掛債権の平均残高が1000万円となります。
したがって、売上債権回転率は12回転です(1億2000万円÷1000万円=12回転)。
ところが、与信管理の不徹底によって大口の取引先の支払いが遅れがちになり、回収サイトの平均が1.5ヶ月に延びてしまいました。
この場合、毎月の売掛債権の平均残高は1500万円に増加し、売上債権回転率も8回転に悪化します。
与信管理を徹底していれば、売掛先の経営悪化情報を早期にキャッチし、与信限度額を絞ることで売上債権回転率の悪化を防げたかもしれません。
このように、売上債権回転率の悪化防止には与信管理が重要です。
もちろん、現時点で売上債権回転率に問題を抱えている会社は、与信管理の工夫によって売上債権回転率を改善できるでしょう。
支払いの遅延には厳しく対応
支払いの遅延は、売上債権回転率の悪化に直結します。
売掛先がなかなか支払ってくれない場合、手元には未回収の売掛債権が滞留することとなります。
売上債権回転率の計算式(売上高÷売掛債権)を考えても、分母である売掛債権の残高が増えれば、売上債権回転率が悪化するのは明らかです。
したがって、与信管理によって支払いの遅延を防ぐと同時に、遅延が発生した場合には厳しく対応することが重要です。
信用取引においては、買い手よりも売り手のほうが立場が弱いことが多く、支払い遅延に厳しく対応できない経営者が少なくありません。
しかし、厳しく対応できない会社ほど、売上債権回転率は悪化すると考えてください。
例えば、自社の売掛先Aが、支払いの先延ばしを求めてきたとしましょう。
支払いの延期を求めてきた以上、A社の手元資金は枯渇しています。
自社だけではなく、他の取引先に対する支払いも遅れているはずです。
つまり、支払い能力が乏しいA社に対して、多くの債権者が支払いを迫っている状況です。
A社が数社に支払えるだけの資金を調達した場合、果たしてどの債権者を優先的に支払うでしょうか?
厳しく催促してくる債権者ほど優先順位が高くなるのは間違いありません。
取り立てが厳しい債権者は、比較的短期間で法的手段に踏み切るため、A社としてはその前に支払いたいと考えます。
また、度々催促されるため、A社の社長は精神的に疲弊し、早く支払ってラクになりたいと考えるでしょう。
逆に、あまり厳しく対応せず、「できるだけ早く払ってください」程度の催促では、どんどん後回しにされます。
支払いを待っている間、自社の手元からA社の売掛債権がなくなることはなく、A社の分だけ確実に売上債権回転率が悪化します。
さらに、多くの債権者が催促し、取れる所からむしり取った結果、自社が1円も回収しないうちにA社が倒産するかもしれません。
その場合、不良債権処理によって売上債権回転率が正常化しても、回収不能による資金繰り・経営悪化は必至です。
売上債権回転率の悪化を防ぐには、売掛債権の支払い遅延に厳しく対応する必要があります。
そのような姿勢を貫くことで、取引先にも緊張感が生まれ、売上債権回転率の改善につながることも多いです。
一部現金払いを求める
現金取引と信用取引では、売上債権回転率が大きく異なります。
現金取引の場合、商品の引き渡しと同時に代金を回収するため、取引完了の時点で売上債権回転率が1回転です。
信用取引の場合、請求から支払いまでに1ヶ月以上を要するのが普通ですから、よほど売上債権回転率が良くても12回転程度でしょう。
ちなみに、2022年の全業種平均の売上債権回転期間は62日 で(売上債権回転率は約6回転)。
売上債権回転率においては、「すべて現金取引」が最も理想的ですが、実際にはすべて現金で取引するのは困難です。
企業間取引であれば、すべて現金で取引するのはほぼ不可能でしょう。
個人消費者向けのビジネスでも、キャッシュレス決済が普及している昨今、現金取引にこだわるのは好ましくありません。
しかしながら、一部を現金取引とするだけでも、売上債権回転率を改善できます。
すべて信用取引としている会社ならば、特に効果的です。
例えば、売上高1億2000万円、すべて信用取引、売上債権回転期間が2ヶ月(売掛債権の平均残高が2000万円)とすれば、売上債権回転率は6回転となります。
もし、毎月の売上高1000万円のうち、1割にあたる100万円を現金取引とした場合、売上債権回転率はどのように変化するでしょうか。
この場合、売上高1億2000万円に対し、売掛債権の平均残高は1800万円に減少し、売上債権回転率は6回転から約6.67回転に改善します。
月商の2割(200万円)を現金取引にすれば売上債権回転率は7.5回転、月商の5割(500万円)ならば売上債権回転率は12回転です。
このように、現金取引の割合を高めることによって、売上債権回転率を大幅に改善できます。
ただし、売掛先にとって現金取引は避けたいところ。
価格の引き下げ、小ロットでの対応など、売掛先にもメリットを提示しながら、現金取引の割合を増やしていくのがポイントです。
支払い条件の見直しを求める
売掛先に支払い条件の見直しを求めることも、売上債権回転率の改善に効果的です。
売上債権回転率が悪化する会社の典型例として、過度な売上主義に奔った結果、支払い条件の悪化を招き、売上債権回転率が低くなることが挙げられます。
売上至上主義に陥っている会社では、従業員に過度な営業ノルマを課すことが多いです。
このような場合、従業員の目的は「営業ノルマの達成」ありきになり、条件の悪い契約にも寛容となります。
その結果、支払い条件の悪い取引が増え、売上債権回転率が悪化していくのです。
売上高1億2000万円の場合、回収サイトが1ヶ月ならば売上債権回転率は12回転、回収サイトが2ヶ月ならば売上債権回転率は6回転というように、売上債権回転率は回収サイトに大きく左右されます。
したがって、回収サイトの長期化によって売上債権回転率が悪化している会社は、売掛先に支払い条件の見直しを求めることで、売上債権回転率の改善につながります。
ただし、現金取引の交渉と同じく、支払い条件の見直しも簡単ではありません。
売掛先にとっては、回収サイトの短縮は資金繰り悪化につながるため、できるだけ見直したくないのが本音です。
売掛先とじっくり交渉しつつ、売掛債権の売却・譲渡による早期資金化も活用しましょう。
まとめ:売上債権回転率を改善して健全な経営を
この記事では、売上債権回転率の基礎知識と、具体的な改善方法について解説しました。
売上債権回転率は資本効率を示す指標です。
自社の売上債権回転率を計算し、同業他社と比較することで、自社の資本効率の良し悪しを知ることができます。
また、過去の実績と比較することで、自社の経営がどのように推移しているか、銀行からどのように評価されているか、などを客観的に知ることもできます。
売上債権回転率を改善する際には、コンサルティングに依頼するのがよいでしょう。
No.1のコンサルティングでは、売上債権回転率の改善にも多数の実績がございます。
売上債権回転率の改善をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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