カテゴリー: ファクタリング
ファクタリングは非課税売上?消費税はどうなる?手数料の内訳を徹底分析
No.1では、他社からのお乗り換えにも積極的に対応しています。
乗り換えの動機は様々ですが、「手数料を安くしたい」「手数料以外の費用が高くて困っている」といったように、コスト面で不満を抱く方が多いです。
特に目立つのが、非課税売上に消費税を上乗せするなど、不要な手数料を請求されているケースです。
ファクタリング手数料の内訳を細かくみると、非課税売上に該当する部分と、課税売上に該当する部分があります。
大部分は非課税売上に該当するため、手数料全体に消費税を上乗せする場合と、課税売上に限って消費税を上乗せする場合とでは、最終的な手数料に大きな差が生じます。
このような不当な請求を避けるには、非課税売上と課税売上を判断する知識が必要です。
この記事では、ファクタリングにおける非課税売上・課税売上の考え方と具体的な分類、消費税を避けるためのポイントなどを解説します。
ファクタリングとは?
近年、会社の新しい資金調達方法として、ファクタリングの人気が高まっています。
ファクタリングと非課税売上の関係を理解するためにも、まずはファクタリングの法的側面と、手数料の仕組みについて解説します。
ファクタリングは売掛金の売却
ファクタリングは、会社が所有している売掛金を売却する資金調達方法です。
売掛金は、信用取引によって発生する金銭債権であり、支払期日に売掛先から代金を受け取る権利です。
逆に言えば、支払期日までは代金を受け取ることができないため、支払期日が遠いほど資金繰りの負担になります。
特に、取引の金額が大きい場合には、先行する支出も大きくなるため、資金ショートの危険が高まります。
そんなときには、ファクタリングで売掛金を早期資金化するのが効果的です。
ファクタリングは審査のハードルが低く、最短即日での資金調達方法も可能です。
このため、様々な資金需要に柔軟に対応でき、資金繰りの安定性・健全性が高まります。
ファクタリングは債権譲渡
ファクタリングには色々な種類があるものの、日本で最も普及しているファクタリングは「売掛金の早期資金化」です。
このため、ファクタリングといえば「売掛金の売却」というイメージが一般的です。
金融庁では、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ここにある通り、ファクタリングは債権(売掛債権=売掛金)の売買であり、法的には債権譲渡契約に分類されます。
債権譲渡は民法で認められているため、ファクタリングが100%合法であることも明らかです。
また、ファクタリングと非課税売上の関係を知る上でも、「ファクタリング=債権譲渡」という認識が欠かせません。
売掛債権の譲渡取引は非課税取引であり、ファクタリング会社の得る手数料にも非課税売上が含まれるのです。
この点については、詳しく後述します。
ファクタリングの方式は2つ
なお、ファクタリングには大きく分けて2つの方式があります。
方式別に簡単に説明すると以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
両者を比べると分かりますが、最大の違いは「売掛先の関与」にあります。
2社間ファクタリングの手続きには、売掛先が関与しません。
このため、手続きが簡単であること、スピーディに資金調達できること、売掛先に知られずファクタリングできることなどがメリットです。
ただし、3社間ファクタリングに比べると手数料が高くなります。
3社間ファクタリングには、売掛先が必ず関与します。
これにより、手数料がやや煩雑であり、債権譲渡通知の郵送取引なども必要となるため、即日中に資金を調達することはできません。
ただし、基本的には2社間ファクタリングよりも安い手数料で資金を調達できます。
ファクタリングには手数料がかかる
どのような資金調達方法でも、それぞれ調達コストがかかります。
銀行融資ならば金利や保証料、手形割引ならば割引料、不動産の売却ならば仲介手数料や譲渡税など、方法によって調達コストの名目は様々です。
ファクタリングにも手数料がかかります。
他の資金調達方法に比べて、ファクタリングは調達コストが高いといわれます。
そのため、ファクタリングの手数料の仕組みをよく理解し、できるだけ安い手数料で利用する、また手数料の中に不要なもの(意味不明な料金が含まれる、非課税売上に消費税を上乗せするなど)が含まれている場合には利用を避けるといった注意が必要です。
手数料の相場
ファクタリングの手数料は方式によって異なります。
方式別の手数料の目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
この手数料は、あくまでも目安とされるものであり、実際の手数料は額面金額や支払期日、利用会社とファクタリング会社の関係、そして利用会社と売掛先の関係など、様々な要素によって変わります。
手数料の仕組みは2通り
また、手数料の請求方法も一様ではありません。
手数料の請求方法を大別すると、以下の2通りがあります。
- 「ファクタリング手数料」などとして一律で請求するもの
- 手続きの内容を踏まえて、手数料を個別に請求するもの
No.1をはじめ、優良ファクタリング会社では全ての料金をひとまとめにして請求するのが一般的です。
例えば「ファクタリング手数料として額面金額15%」という設定であれば、それ以外の経費は一切不要であり、追加料金などもかからないため、明朗会計といえます。
ただし、有名なファクタリング会社でも個別に請求したり、一律請求と見せかけて追加料金を請求する(実質的に個別請求と変わらない)パターンもあるため注意が必要です。
非課税売上の基礎知識
上記の基礎知識に加えて、ファクタリングを利用する際には「非課税売上」について知っておく必要があります。
ファクタリングと非課税売上の関係を知ることによって、ファクタリングの調達コストを正しく見ることができ、高すぎる手数料を避けたり、悪質業者を避けたりすることに役立ちます。
非課税売上と課税売上の違い
そもそも、「非課税売上」とは何が「非課税」なのでしょうか?
これは、事業者の売上に対して、消費税を「課税」するか、それとも「非課税」とするかを分類するためのものです。
売上には「非課税売上」と「課税売上」があります。
消費税の課税対象にならない取引のことを「非課税取引」、非課税取引によって生じる売上を「非課税売上」といいます。
逆に、消費税の課税対象となる取引を課税取引といい、課税取引によって生じる売上が「課税売上」です。
このように、非課税売上と課税売上の違いは、消費税の課税対象かどうかにあります。
国税庁では、消費税の課税対象について以下のように述べています。
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であっても、課税対象になじまないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があります。これを非課税取引といいます。
出典:出典:国税庁「非課税と不課税の違い」
国税庁の説明に照らし合わせるならば、非課税売上とは、
「国内の事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等のうち、消費税を課税しない取引によって生じる売上」
といえます。
非課税売上の例
非課税取引には色々なものがあり、したがって非課税売上も様々です。
現在、国税庁では17種の取引を非課税取引に指定しています。
身近なものでは、「土地の譲渡および貸付け」「住宅の貸付け」などがあります。
土地や居住用不動産の賃貸は非課税取引に当たり、それによって得られる借地料や賃料は非課税売上なのです。
したがって、不動産のオーナーは入居者に対して消費税を請求することはできません。
このほかに注目すべきは、国債や株券などの有価証券等の譲渡取引が非課税取引に該当し、ここには金銭債権の譲渡取引も含まれています。
既に述べた通り、ファクタリングは債権譲渡取引の一種です。
このことから、ファクタリングは非課税取引であり、ファクタリング会社が売掛金の買い取りによって得る売上は非課税売上といえます。
当然、ファクタリング会社は利用会社に対して消費税を請求することもできません。
ただし、これはあくまでも「債権譲渡取引に関する売上=非課税売上」ということであり、その他の手数料については課税売上になるものもあります。
この点を踏まえて、以下で詳しくみていきましょう。
ファクタリングと非課税売上の関係を徹底分析!
債権譲渡取引は非課税取引であり、この部分の売上は非課税売上に該当します。
非課税取引であれば、ファクタリング会社が得る手数料は全て非課税売上となり、消費税も不要になるはずです。
しかし厳密には、ファクタリング手数料には非課税売上と課税売上が混在しています。
そこで、ファクタリング手数料の非課税売上・課税売上について、手数料の内訳とともに詳しくみていきましょう。
ファクタリングの手数料の内訳
手数料を個別に請求する場合、様々な名目で細かく料金を請求します。
また、ファクタリング手数料として請求する場合にも、色々な費用を一括で請求しているのですから、実質的には個別請求と大差ありません。
そこで、ファクタリング手数料の内訳を知り、非課税売上と課税売上に分類していくことによって、手数料の仕組みが一層よく分かります。
請求に含まれる主な料金は以下の通りです。
- 買取手数料:売掛金の買い取りに伴う手数料
- 掛け目:ファクタリング会社のリスクを軽減するために、買取率を上限として買い取る仕組み。掛け目部分は売掛金の回収後に返還される
- 事務手数料:ファクタリングの審査や契約などの事務手続きにかかる手数料
- 登記費用:債権譲渡登記に要する費用。司法書士報酬や登録免許税などが含まれる
- 印紙税:ファクタリング契約書に貼り付ける印紙代
- 出張費:対面契約を結ぶにあたり、ファクタリング会社のスタッフが利用会社を訪問するための交通費
これらは全て、所謂「ファクタリング手数料」に含まれる料金ですが、非課税売上と課税売上が混在しています。
それぞれの料金が発生する原因によって考えることで、非課税売上と課税売上に分類していきましょう。
買取手数料は非課税売上
ファクタリング手数料の核となるのは「買取手数料」です。
これは、売掛金の買い取りに伴う手数料であり、ファクタリング会社の売上の大半を占めています。
ファクタリング会社は、審査の結果に応じて手数料率を決定し、売掛金の額面金額から差し引いて買い取ります。
例えば、額面金額100万円の売掛金を手数料率15%で買い取る場合、買取手数料は15万円です。
ただし、買い取った時点ではファクタリング会社に収益は発生していません。
買い取った売掛金が支払期日を迎え、売掛先が満額(100万円)を支払うことによって、差額分の15万円がファクタリング会社の収益になるのです。
債権譲渡=非課税取引
さて、この15万円の買取手数料は非課税売上にあたります。
なぜならば、国税庁は国債や株券などの有価証券等の譲渡を非課税取引に指定しているためです。
具体的には、以下の譲渡取引における売上はすべて非課税売上となります。
(2) 有価証券等の譲渡
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
出典:出典:国税庁「No.6201 非課税となる取引」
ファクタリングで売却する売掛金は売掛債権の一種であり、さらに売掛債権は金銭債権に含まれます。
つまり、「ファクタリング=金銭債権の譲渡=非課税取引」とみなされるため、
金銭債権(売掛金)の譲渡(買い取り)によって発生する売上(買取手数料)は非課税売上
となるのです。
非課税売上でなければ悪質業者の疑い
買取手数料は、手数料全体に占める割合が大きいため、買取手数料を非課税売上とみなすか、課税売上とみなすかによって請求が大きく変わってきます。
例えば、1000万円の売掛金を手数料率15%で買い取る場合、買取手数料は150万円です。
ファクタリングは非課税売上である以上、ファクタリング会社は買取手数料に消費税を上乗せすることはできません。
もし、買取手数料を課税売上とみなした場合、150万円に10%の消費税を上乗せするため、請求は165万円となります。
非課税売上か課税売上かによって、支払う買取手数料が15万円も変わるのです。
消費税は、私たちの生活に密着した税金であり、ほとんどの人は非課税売上・課税売上の分類を知りません。
したがって、「消費税」という名目であれば、ファクタリングの手数料が多少高くなっても、「仕方がない」と感じてしまう人が大半です。
非課税売上を課税売上とみなし、消費税を上乗せするのは悪質業者のよくある手口です。
優良ファクタリング会社であれば、買取手数料は非課税売上として処理し、消費税を上乗せすることもありません。
買取手数料に消費税を上乗せされた場合、その業者は悪質業者の可能性が高いため、契約は避けるべきです。
掛け目は非課税売上
ファクタリング会社によっては、売掛金の額面金額に対して70~90%程度の買取率を設定し、それを上限に買い取ります。
この買取率のことを「掛け目」といいます。
例えば、額面金額100万円の売掛金を掛け目80%で買い取る場合、額面金額のうち80万円が買取部分、20万円が掛け目部分です。
80万円の部分を買取手数料10%で買い取るならば、買取手数料は8万円となります。
利用会社は、買取手数料8万円を差し引いた72万円を受け取り、掛け目部分の20万円は売掛金の回収後に返還されます。
全体でみると、額面金額100万円のうち72万円しか受け取れないため、買取手数料と掛け目部分を費用とみなすことも可能です。
ただし、このうち非課税売上となるのは買取手数料だけで、掛け目部分は非課税売上にはなりません。
掛け目部分は、ファクタリング会社がリスク軽減のために確保するものであり、売掛金を回収するまでの預り金のようなものです。
売上ではないため、非課税売上と課税売上のいずれにも該当しません。
もし、掛け目部分に対して消費税を上乗せされた場合、悪質業者の可能性が高いため注意すべきです。
事務手数料は課税売上
事務手数料は、手続き全般にかかる事務負担を手数料として請求するものです。
手数料の金額はあまり大きくないのが普通ですが、事務手数料は非課税売上ではなく課税売上に分類されます。
事務手数料に対する見解
ファクタリングの事務手数料が非課税売上か、あるいは課税売上かについて、国税庁の公式な見解は見当たりません。
しかし国税庁では、金銭消費貸借契約における事務手数料について、
「役務の提供の対価であり、消費税法上、金銭の貸付けの対価としての利子に該当しないので、課税の対象」
としています。
消費税法では、利子を対価とする金銭の貸付け(=融資)を非課税取引としており、対価となる利子は非課税売上です。
しかし、貸付けの際に収受する各種手数料については、利息とみなされないかぎり、非課税売上ではなく課税売上となります。
ファクタリングの事務手数料も課税売上
同様に、ファクタリングも以下のように考えるべきでしょう。
- ファクタリング(=債権譲渡)は非課税取引であり、債権譲渡そのものによって生じる売上(=買取手数料)は非課税売上
- ファクタリングに伴い生じるその他の手数料は、買取手数料とみなされないかぎり課税売上
特に、国税庁は「貸付けの対価ではなく役務の対価である」という理由で、事務手数料を課税売上とみなしています。
ファクタリングも、事務手数料は売掛金買取の対価ではなく、事務手続き(役務)の対価です。
したがって、事務手数料は非課税売上に該当せず、消費税を請求される可能性があります。
ファクタリング会社から消費税を請求された場合にも、事務手数料の10%であれば問題ありません。
登記費用は細かく考える
ファクタリングの際には、債権譲渡登記を求められることがあります。
その際には、ファクタリング手数料には登記費用が含まれます。
登記費用はいくつかの費用の合計であり、費用ごとに非課税売上と課税売上を区別しなければなりません。
債権譲渡登記とは
債権譲渡登記は、ファクタリングによって生じる権利の変化(債権者が利用会社からファクタリング会社に変わること)を登記によって公示し、法的に裏付けるものです。
特に、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を求められるケースが多いです。
2社間ファクタリングには、利用会社とファクタリング会社以外が関与しないため、利用会社が同じ売掛金を複数のファクタリング会社に売却する、売却したにもかかわらず「売却していない」と主張するなどのトラブルが起きる可能性があります。
このトラブルを未然に防ぐためにも、ファクタリング会社は債権譲渡登記を行い、対抗要件を具備する必要があるのです。
したがって、2社間ファクタリングで買い取る場合、多くのファクタリング会社が債権譲渡登記を求めます。
登記費用の内訳
債権譲渡登記を行う場合には、ファクタリング会社が債権譲渡登記手続きを代行します。
登記手続きは、ファクタリング会社が司法書士に依頼して行うのが一般的です。
これに伴い、司法書士報酬と登録免許税で10万円程度を要します。
ファクタリング会社によっては、「登記代行手続きに伴う手数料」として、事務手数料のような形で請求することもあります。
ファクタリング会社は、これらの費用をまとめて「登記費用」として利用会社に請求するのです。
このうち、司法書士が提供する役務(登記手続き)は課税取引であるため、司法書士報酬は課税売上です。
登録免許税は、登記手続きの際に支払う税金であり、税金(登録免許税)に税金(消費税)を上乗せすれば二重課税になります。
したがって、登録免許税の部分は非課税売上です。
また、登記代行手続きに伴う手数料を請求する場合、事務手数料と同じく課税売上となります。
非課税売上・課税売上の考え方
したがって、登記費用の非課税売上・課税売上は以下のように考えてください。
- 司法書士報酬は課税売上であるため、司法書士報酬に対する消費税を登記費用に含み、利用会社に転嫁する可能性がある
- 登録免許税は非課税売上のため、消費税を請求できない。登記費用への参入も不可
- 債権譲渡登記の代行手続き(司法書士への依頼など)は役務であり、登記代行に関する手数料は課税売上に該当するため、消費税を請求できる
もっとも、実際の手続きではこのように判断するのは困難でしょう。
ファクタリング会社は、登記代行手数料・司法書士報酬・登録免許税を個別に請求するのではなく、登記費用としてまとめて請求するケースがほとんどです。
費用を細かく計算せず、概算で請求している会社も多いと考えられます。
したがって、目安となる10万円程度であれば、登記費用の非課税売上・課税売上はあまり気にする必要はありません。
印紙税は非課税売上
印紙税は、印紙税法によって定められた文書を作成する際に課税される税金です。
1万円未満の債権譲渡取引では印紙税が非課税ですが、1万円以上の債権譲渡取引では印紙税の課税対象となります。
課税対象となる場合には、ファクタリングの手数料にも印紙税が含まれる可能性があります。
ただし、印紙税はあくまでも税金であり、ファクタリング会社の売上にはなりません。
非課税売上・課税売上のどちらにも該当しないため、ファクタリング会社は印紙税の部分で消費税を請求することも不可能です。
なお、印紙税の課税対象は、消費税を除いた金額をベースに算出します。
例えば、額面金額100万円の売掛金を手数料率10%でファクタリングし、事務手数料を1万円支払う場合、手数料の内訳は以下の通りです。
- 買取手数料(非課税売上)…10万円
- 事務手数料(課税売上)…1万円
- 事務手数料に対する消費税…1000円
手数料の合計は11万1000円ですが、このうち消費税を除く11万円が印紙税の課税対象となり、印紙税額は200円となります。
出張費は非課税売上と課税売上が混在
近年、ファクタリングの手続きを全てオンラインで行う「オンラインファクタリング」が増えてきました。
No.1でも、オンラインファクタリングサービスを取り扱っています。
オンラインファクタリングでは契約もオンラインで行うため、契約時の対面取引が一切不要です。
しかし、オンラインで取引しない場合、今でも対面で契約するケースが多いです。
その際、利用会社がファクタリング会社の営業所に出向くか、ファクタリング会社のスタッフが利用会社の事務所に出張して対応します。
ファクタリング会社が遠方にある場合、出張対応を受けるのが一般的です。
その際、出張費を求められることがあります。
出張費を構成する要素は、「出張手数料(出張対応に伴う手数料)」と「実費(出張に要した交通費)」です。
この内訳によって、非課税売上と課税売上の考え方が変わります。
出張手数料は、債権譲渡そのものによって生じるものではなく、出張対応という役務によって生じるものです。
このため、出張手数料は課税売上であり、消費税を請求される可能性があります。
一方、電車代・タクシー代・飛行機代など、出張に要した交通費を請求する場合、この実費部分は非課税売上となります。
なぜならば、これらの交通費は内税であり、消費税が含まれているためです。
例えば、出張の交通費に1万円を支払った場合、交通費の内訳は「乗車料金9,090円+消費税10%」となります。
もし、交通費1万円を課税売上とみなし、消費税10%を上乗せした1万1000円を請求するならば、消費税を二重に徴収することとなります。
これを防ぐためにも、交通費は非課税売上となるのです。
悪質業者が出張費用を請求する場合、出張手数料と交通費の非課税売上・課税売上を区別せず、出張費全体に消費税を上乗せすることがあります。
非課税売上・課税売上のややこしい計算を避けるには、「出張費無料」を明言しているファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。
非課税売上と課税売上をシミュレーション
以上のまとめとして、ファクタリングの手数料の非課税売上・課税売上をシミュレーションしてみましょう。
シミュレーションの条件は以下のように設定します。
- 売掛金の額面金額:500万円
- ファクタリング方式:2社間ファクタリング
- 買取手数料:50万円(額面金額の10%)
- 事務手数料:5万円
- 債権譲渡登記:あり
- 登記費用:10万円(登記手数料2万2500円、司法書士報酬8万円、登録免許税7500円)
- 出張費用:2万円(出張手数料1万円、交通費1万円)
このうち、非課税売上に該当するのは買取手数料、登記費用の登録免許税、出張費用の交通費であり、合計51万7500円が非課税売上となります。
非課税売上にならないのは事務手数料、登記手数料・司法書士報酬、出張手数料の合計16万2500円であり、この10%に相当する1万6250円の消費税が発生します。
したがって、この売掛金のファクタリングに伴う手数料の合計は69万6250円です。
印紙税は非課税売上のため、消費税を除く68万円が課税対象となり、印紙税額は200円。
このほかの費用が請求されることもありますが、非課税売上・課税売上の大まかなイメージは以上の通りです。
悪質業者は、非課税売上・課税売上に関係なく消費税を請求するケースがあります。
このシミュレーションであれば、合計手数料68万円に対して10%の消費税を加算し、74万8000円を請求するのです。
金融庁は「ファクタリングを装う悪質業者=ヤミ金業者」と断定しています。
非課税売上の部分でも消費税を請求する悪質業者は、すべてヤミ金業者と考えてよいでしょう。
当然、消費税を上乗せするだけではなく、他にも様々な違法行為が紛れ込んでいる可能性が高いです。
非課税売上に消費税を上乗せされた場合、その業者との契約は見送ってください。
ファクタリングで消費税を避けるポイント
高い手数料で、無計画にファクタリングを繰り返していると、手数料負担によって資金繰りが悪化する恐れがあります。
そのため、ファクタリングを活用する際には、手数料をできるだけ抑えることが大切です。
手数料を抑えるには、手数料の基本設定が安いファクタリング会社を選ぶのが効果的です。
また、消費税をできるだけ避けることも、手数料を抑えることにつながります。
消費税を避けるポイントは、以下の2つです。
- 非課税売上への課税を避けること
- ファクタリング手数料に、できるだけ課税売上が含まれない(非課税売上のみによって構成される)こと
一括請求のファクタリング会社を選ぶ
まず、手数料を個別に請求するファクタリング会社よりも、一括で請求するファクタリング会社の方がおすすめです。
個別請求の問題点
個別に請求するファクタリング会社では、利用会社にとって請求が分かりにくいケースが多々あり、不明な料金が含まれていることも珍しくありません。
ファクタリングが十分に普及していない今、不明な料金でも請求されれば応じてしまう会社が多いです。
例えば、本来は非課税売上になるものを、「〇〇手数料」などの名目で課税売上として請求し、同時に消費税も請求するケースがあります。
この場合、利用会社が詳しく尋ねても、ファクタリング会社が「課税売上→非課税売上」へと見解を変えて請求を見直すことは考えにくいです。
資金調達を急いでいる場合、そのような不毛なやり取りに時間をかけるべきではありません。
なにより、非課税売上と課税売上の判断が曖昧な業者や、不明な料金を請求してくる業者は、悪質業者の危険があるため避けた方が無難です。
一括請求の利点
一括請求では、取引に要した経費などを踏まえて、手数料をまとめて請求します。
まとめて請求する場合、内訳がブラックボックスになるため、不安に感じる人も多いでしょう。
しかし、一括請求ではその他の費用が一切発生せず、コストが分かりやすいのが大きなメリットです。
一括請求の手数料率が高すぎる場合には、非課税売上にも消費税が発生している可能性があるため、利用は見送るべきでしょう。
しかし、手数料率が適正水準であれば、内訳で非課税売上・課税売上をどのように判断しているか、どの項目で消費税が発生しているか、といったことも考える必要はありません。
「額面金額15%相当の手数料を一括請求。内訳における非課税売上と課税売上の判断、消費税額は不明」
と、
「各種手数料を明示し個別請求。非課税売上と課税売上の判断も正確。消費税を含む最終的な手数料は額面金額の20%相当」
であれば、前者の方がお得なことは明らかです。
一括請求のファクタリング会社を選ぶポイントは、サービスの説明で「その他の手数料が不要であること」を確認することです。
例えば、No.1では「明朗会計(諸経費0円)」と明記しています。
債権譲渡登記不要の方式・業者を選ぶ
ファクタリングの登記費用は10万円程度が相場であり、このうち非課税売上となるのは登録免許税(7500円)の部分だけです。
したがって、債権譲渡登記を避けることによって、全体の手数料を10万円程度カットすると同時に、登記費用に伴う消費税も避けることができます。
債権譲渡登記の有無は、ファクタリング方式やファクタリング会社によって異なります。
債権譲渡登記が不要の方式
売掛金を買い取ったファクタリング会社が権利(債権者であること)を主張するには、「債務者対抗要件」または「第三者対抗要件」が必要です。
債務者対抗要件は、債務者に対して債権譲渡通知を行うか、債務者の承諾を得ることによって具備します。
債権譲渡通知・承諾の手続きが困難な場合、債権譲渡登記によって第三者対抗要件を具備することも可能です。
2社間ファクタリングは売掛先が一切関与せず、債権譲渡通知も行いません。
したがって、債権譲渡登記によって第三者対抗要件を具備する必要があります。
これが、2社間ファクタリングでは原則的に債権譲渡登記が必要と言われる理由です。
一方、3社間ファクタリングは債権譲渡登記が不要です。
なぜならば、売掛先への債権譲渡通知・承諾が必須であり、債務者対抗要件を具備できるためです。
登記費用と消費税の負担を避けるには、2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が向いているといえます。
ファクタリング会社による違い
とはいえ、3社間ファクタリングを利用できない会社も多いことでしょう。
利用会社・ファクタリング会社・売掛先の3社間取引ですから、売掛先の協力が得られなければ取引が成立しません。
また、資金調達に時間がかかる、売掛先から資金繰り悪化を疑われるなどのデメリットもあります。
「3社間ファクタリングは利用できない、しかし債権譲渡登記は避けたい…」という場合には、債権譲渡登記を留保できるファクタリング会社に依頼するのがよいでしょう。
一部のファクタリング会社は利用会社の要望に応じて、債権譲渡登記に柔軟に対応しています。
No.1の2社間ファクタリングでも、債権譲渡登記の留保が可能です。
登記留保とは、債権譲渡特例法に基づく登記をせずに債権譲渡契約を締結することです。
これにより、債権譲渡登記をせずにファクタリングできます。
もちろん、対抗要件を具備するために、売掛先に通知・承諾を行うこともありません。
債権譲渡登記を留保すれば、登記費用を請求されることはなく、消費税の負担も発生しません。
ちなみに、2社間ファクタリングの手続きを全てオンラインで行う「オンラインファクタリング」では、債権譲渡登記を不要とするケースがほとんどです。
No.1のオンラインファクタリングサービス「Easy factor」も、債権譲渡登記をせずにご利用いただけます。
事務手数料不要の業者を選ぶ
事務手数料は非課税売上ではないため、消費税が発生します。
したがって、消費税の負担を避けるためには、事務手数料が無料のファクタリング会社を選ぶのがよいでしょう。
もっとも、事務手数料と消費税の負担は、手数料全体からみるとごくわずかです。
事務手数料の設定は業者によって異なりますが、売掛金の額面金額によって事務手数料が変動するケースもよくあります。
事務手数料の典型的な例は以下の通りです。
- 額面金額100万円以下…事務手数料1万円
- 額面金額101万円~200万円…事務手数料2万円
- 額面金額201万円~300万円…事務手数料3万円
- 額面金額301万円~400万円…事務手数料4万円
- 額面金額500万円以上…事務手数料5万円
いずれの場合も、事務手数料にかかる消費税の割合は額面金額(取引額)の0.1~0.2%に過ぎません。
2社間ファクタリングの場合、非課税売上である買取手数料は額面金額に対して10~30%が相場ですから、事務手数料と消費税の影響は微々たるものです。
とはいえ、調達コストが安いに越したことはありません。
調達コストを抑えるためにも、事務手数料が必要なファクタリング会社を避け、結果的に消費税も不要という流れが理想的です。
まとめ:ファクタリングは明朗会計のNo.1におまかせ
この記事では、ファクタリングと非課税売上の関係を詳しく解説しました。
ファクタリングは債権譲渡取引であり、債権譲渡取引は非課税取引にあたります。
したがって、ファクタリング手数料も基本的には非課税売上です。
しかし、一口に「ファクタリング手数料」といっても内訳は様々であり、非課税売上に該当しない手数料も含まれます。
悪質業者では、非課税売上・課税売上に関係なく消費税を請求することも。
無駄な消費税の負担を避け、低コストで資金を調達するためにも、明朗会計のファクタリング会社を選びましょう。
No.1では「明朗会計・諸経費0円」をモットーとしており、基本手数料以外の料金は発生しません。
ファクタリングの際には、No.1までお申し付けください。
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