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ファクタリングを活用すべきタイミングとは?不向きなタイミングも解説

売掛金を早期資金化し、資金を調達するファクタリング。
手元に売掛金さえあれば資金を調達できるため、あらゆるタイミングで役に立つ資金調達方法です。
とはいえ、ファクタリングが役立つタイミングと、不向きなタイミングがあることは事実です。
そこで、ファクタリングを活用するためには、自社にとって適切なタイミングでファクタリングすることが欠かせません。
この記事では、ファクタリングを活用すべきタイミングと不向きなタイミングについて詳しく解説します。

ファクタリングとは?

最近、新しい資金調達方法としてファクタリングが注目されています。
ファクタリングは、会社が所有している売掛金を売却する資金調達方法です。
売掛金は、貸借対照表の資産の部のうち、流動資産に分類されます。
流動資産である売掛金を売却することからも分かる通り、ファクタリングは内部資産の売却による資金調達です。
資金調達方法のうち最もメジャーなものは融資ですが、こちらは銀行や貸金業者などの外部機関から資金を調達します。
このように、ファクタリングが内部資金調達であるのに対し、銀行融資などは外部資金調達という点で大きな違いがあります。
詳しくは後述しますが、この違いによって、銀行融資を受けられない会社でも柔軟に資金調達できるのがファクタリングの強みです。
コロナ禍以降、国内の景気は安定せず、円高やインフレなども問題も相次いでいます。
不景気の煽りを受けて業績・財務が悪化し、銀行融資を断られる会社が増えている中、ファクタリングの普及率が急速に高まっているのです。
もっとも、政府はコロナ禍以前から、ファクタリングや売掛債権担保融資など、売掛金を活用した資金調達を推進してきました。
ファクタリングに関する法整備にも積極的に取り組んでおり、ファクタリングの利用環境は年々良くなっています。
これまでファクタリングを利用してこなかった会社でも、今後はファクタリングを検討する機会が増えていくことでしょう。

ファクタリングが役立つタイミングは?

基本的に、ファクタリングはメリットが多い資金調達方法です。
あらゆるタイミングで役立つことは間違いありません。
もちろん、「ファクタリングが特に役立つタイミング」というものがあります。
ファクタリングを使ってみたいが、今ひとつきっかけがつかめない…
そんな場合には、ここで紹介するタイミングを参考にしてみてください。

1.融資の見込みがない

初めてファクタリングを利用する場合、「融資の見込みがない」というタイミングで利用する会社が多いです。
融資の見込みがないタイミングは、主に2つ考えられます。

  • 融資の審査に落ちてしまった
  • 融資を受けられない状況にある

これらの2つのタイミングは、ファクタリングの利用に最適です。
それぞれ簡単に見ていきましょう。

融資審査に落ちてしまった

これまで融資を受けられていた会社も、業績や財務の悪化、銀行の信用悪化、担保・保証の不足などを理由に、融資を断られることがあります。
融資の際に銀行が最も重視するのは、融資先の返済能力です。
返済能力に問題がなければ積極的に貸し付けますが、問題があれば担保・保証などによる保全を図り、保全の充足を見込めない場合には融資を断ります。
特定一行と付き合っている会社は、この時点で銀行融資の見込みがなくなります。
新規に取引する会社に対し、銀行は極めて慎重に判断するため、すでに他行から融資を断られた会社に融資してくれる銀行は皆無です。
複数行と取引している場合でも、サブバンクからの融資謝絶は大きな悪材料となります。
ましてやメインバンクに融資を断られると、他行も一斉に手を引くのが通例です。
このように、融資審査に落ちてしまうと銀行融資が絶望的になることが多々あります。
この場合、資金ショートを防ぐことを最優先すべきですから、他の銀行に融資を申し入れるよりも、ファクタリングによって資金調達したほうが賢明です。

融資を受けられない状況にある

審査に落ちたかどうかにかかわらず、初めから融資が絶望的な場合もあります。
例えば以下のようなケースです。

  • 業績の悪化が数期連続で続いており、黒字転換の見通しが全く立たない
  • 債務超過状態に陥っている
  • 資金調達に備えて、前もって融資を打診していたが、融資実行の見込みがほぼないと告げられている
  • 銀行に対して返済が遅れ、信用を著しく失っている
  • リスケジュール中である
  • 税金や社会保険料を滞納している

このようなタイミングでは、銀行に融資を依頼しても断られる可能性が極めて高く、依頼するだけ無駄といえます。
資金調達にはリミットがありますから、銀行融資に無駄な時間を費やすよりもファクタリングで早急に資金を調達したほうが良いでしょう。

ファクタリングは売掛先を重視

上記の通り、銀行融資は外部資金調達であるのに対し、ファクタリングは内部資金調達です。
銀行が融資先の返済能力を重視するのに対し、ファクタリングは売掛先の支払能力を重視します。
ファクタリング会社は、額面金額より割安に買い取り、支払期日に満額回収することで利益を得ます。
たとえファクタリングの利用会社(以下、利用会社)の経営に問題があっても、売掛金の支払人である売掛先の経営に問題がなければ、ファクタリング会社は売掛金を買い取ってくれるのです。
ファクタリング会社にとって、利用会社が銀行融資を受けられるかどうかは重要ではありません。
あくまでも売掛先を重視するため、融資の見込みがないタイミングでファクタリングが非常に役立ちます。

2.開業後間もない

1の「融資の見込みがないタイミング」にも関連しますが、開業後間もないタイミングもファクタリングに適しています。
開業したばかりの会社は業歴が短いため信用がありません。
ある程度の業歴があれば業績・財務の推移を知ることができ、融資の可否も判断できるわけですが、開業後まもないタイミングではそれがありません。
したがって、開業してから比較的うまく経営している会社でも、銀行から融資を受けるのは困難です。
特に、開業1年目の会社は第1回目の決算を迎えておらず、銀行が融資審査に用いる決算書も提出できないため、融資を受けられる可能性はほぼゼロです。
大抵の場合、公的金融機関の創業融資によって手元資金を確保し、軌道に乗るまでの資金繰りを間に合わせることとなります。
しかし、事業が軌道に乗るまでの道のりは長く、計画通りに進まないことも少なくありません。
そのうち、手元資金が枯渇して資金繰りが回らなくなれば経営は破綻します。
開業してから軌道に乗るまでの間に資金繰りに行き詰り、銀行融資も受けられず、起業5年以内に倒産する企業の割合は60%にも上ります。
開業後間もない会社が資金調達する際には、ファクタリングがおすすめです。
ファクタリングは利用会社よりも売掛先の信用を重視するため、開業後間もない会社でも利用できます。
開業後に取引を始めた売掛先の売掛金を売却し、資金繰りの維持に役立てましょう。
ただし、中には「開業1年未満の会社は不可」とするファクタリング会社もあるため注意が必要です。

3.担保・保証がなくて困っている

中小企業が銀行から融資を受ける際には、担保・保証が大きな役割を果たします。
不動産担保を提供したり、信用保証協会の保証を受けたりすることで融資を受けられるのです。
そもそも銀行が返済能力を重視するのは、元金を確実に回収するためです。
融資先の返済能力に多少問題があっても、担保・保証によって回収できる金額の範囲内で融資すれば、万が一の場合にも銀行が損失を被る心配はありません。
逆に言えば、返済能力に欠けており、なおかつ担保・保証が不足している会社は融資を断られる可能性が高いです。
また、担保価値は常に変動するものであり、保証枠も信用保証協会の判断によって減額される恐れがあります。
担保・保証による調達余力が目減りしたことにより、期待していた融資が受けられなくなることも珍しくありません。
そのようなタイミングでもファクタリングが役立ちます。
ファクタリングは無担保・無保証が原則です。
担保・保証付きのファクタリングは実質的に貸付けとみなされ、貸金三法の縛りを受けることとなります。
これを避けるために、違法業者を除く全てのファクタリング会社は無担保・無保証で対応しているのです。
担保・保証の余力を温存するために、ファクタリングを活用する会社も増えています。

4.資金調達方法を多様化したい

「資金調達方法を多様化したい」と考えているならば、ファクタリングを取り入れるタイミングになるでしょう。
資金調達方法には銀行の融資、ノンバンクの融資、出資、社債発行、株式上場、手形割引、リースバックなど様々な方法がありますが、このうち資金調達の軸にすべきは銀行融資です。
銀行融資は多額の資金を調達でき、調達コストも安いため、他の資金調達方法に比べて優れています。
銀行から安定して融資を受けられるならば、資金繰りに行き詰ることはほぼないでしょう。
しかし、資金調達方法を銀行融資一本に依存してしまうと、銀行から融資を断られた場合に資金繰りが破綻する危険があります。
日本の中小企業は、銀行融資への依存度が高いことが問題視されており、資金調達方法の多様化を求められています。
その一環として、政府もファクタリングの活用を推奨しているわけです。
資金調達方法を多様化する際に重要となるのが、根本的に異なる資金調達方法を選び、組み合わせることです。
例えば銀行融資とファクタリングを組み合わせる場合、銀行融資は外部資金調達、ファクタリングは内部資金調達という点で異なります。
「融資によって資金調達できる根拠(自社に返済能力があること)」と「ファクタリングによって資金調達できる根拠(売掛先に支払能力があること)」は、互いに干渉しません。
したがって、銀行融資が受けられない状況でもファクタリングによって資金調達でき、資金繰りの安定性が高まります。
もちろん、銀行融資とファクタリングのどちらも利用できる状況であれば、その時々で最適な選択をすることによって経営メリットも高まります。

5.資金調達を急いでいる

資金調達を急いでいるタイミングで、ファクタリングほど役立つ方法はありません。
数ある資金調達方法の中でも、ファクタリングは最もスピーディな資金調達方法です。
資金調達の軸となる銀行融資は、数週間~1ヶ月以上を要します。
ノンバンクのビジネスローンには「即日融資」を謳っているものがありますが、数百万円単位の事業性融資であれば即日融資の可能性は低く、数日を要するのが一般的です。
その他の方法も、資金調達までにある程度時間がかかります。
これに対し、ファクタリングは最短数時間~即日で資金を調達できます。
ファクタリングの方式には2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、2社間ファクタリングではオンラインの活用も可能です。
ファクタリングの資金調達スピードは、方式によって以下のように異なります。

  • 2社間ファクタリング:利用会社とファクタリング会社の2社間で取引する方式。最短即日で資金調達できる。
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式。最短1週間程度での資金調達が一般的。
  • オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの手続きを全てオンラインで完結する方式。最短数時間で資金調達できる。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの最大の違いは、売掛先の関与にあります。
2社間ファクタリングは売掛先が関与しないため、手続きも簡単であり、多くのファクタリング会社が即日対応を基本としています。
2社間取引をオンライン化する場合、必要書類が少ないこと、契約時の対面取引が不要であることなどにより、最短数時間での資金調達が可能です。
実際に、No.1のオンラインファクタリングサービスでは、最短60分入金の実績が多数ございます。
「今日中に資金を調達したい」「今週末に支払いが迫っている」といったタイミングであれば、資金ショートを避けるためにもファクタリングを活用してください。

6.負債を増やしたくない

銀行やノンバンクから融資を受けて資金調達すると、負債が増えてしまいます。
財務的に健全な会社であれば、負債が多少増加したところで大した問題はありません。
しかし、財務健全性に不安のある場合、負債の増加が財務の悪化をもたらします。
そもそも、借入金は返済義務のある「他人資本」であり、これに対して資本金や利益剰余金などの返済義務のないお金を「他人資本」といいます。
融資を受けると、借入多分だけ他人資本が増加するのに対し、自己資本は一定のままです。
このため、他人資本の増加は相対的に自己資本比率の低下を招きます。
自己資本比率が低くなると(=他人資本比率が高くなると)、借入先など外部機関からの影響を受けやすくなり、経営の安定性が損なわれます。
当然、自己資本比率が低い会社は銀行からの評価も悪くなり、融資環境の悪化は避けられません。
また、借入金が増え過ぎた結果、負債総額が資産総額を上回った状態を「債務超過」といい、これは会社の資産を全て売却しても負債を返済できない状態です。
債務超過の会社も、融資を受けられる見込みはほぼゼロです。
したがって、銀行融資を資金調達の軸としつつも、負債が増え過ぎないようにコントロールする必要があります。
ファクタリングは資産の売却であり、借入れではないため負債が増加しません。
負債が増加しなければ自己資本比率の低下や、債務超過の心配もないのです。
負債を増やさずに資金調達したい場合、これもファクタリングのよいタイミングとなるでしょう。

7.信用情報の悪化を避けたい

銀行融資が受けられない状況で資金調達する場合、問題になりやすいのが信用情報の悪化です。
特に、ノンバンクから借り入れている会社は、銀行からの評価が著しく低下します。
最初から融資の見込みがないタイミングを除いて、ノンバンクからの借入れはできるだけ避けるべきでしょう。
現実的に資金調達は必要、しかし信用情報の悪化を避けたい…
このようなタイミングも、ファクタリングが役立ちます。
ノンバンクからの借入れとは異なり、ファクタリングの利用は信用情報に何ら影響しません。
銀行から融資を受ける際には借入金の内訳明細を提出する必要があり、これによってノンバンクからの借入れが必ずバレます。
一方、ファクタリングを利用した場合に生じる帳面上の変化は、「売掛金の減少」と「現金の増加」だけです。
これは、支払期日を待って(ファクタリングを利用せずに)売掛金を回収した場合と同様の動きですから、銀行やファクタリングの利用を把握することはできず、信用情報も悪化しません。

8.手軽に資金調達したい

大抵の資金調達方法は、資金を調達するまでに何かと手間がかかるものです。
銀行融資はその最たるもので、融資担当者と定期的に接触し、資金調達に備えて事前に融資を打診し、融資を申し入れる際には担当者や支店長と面談するほか、提出する資料も多岐にわたります。
これに対し、ファクタリングは非常に手軽な資金調達方法です。
「なにかひとつ、手軽に資金調達できる方法を確保しておきたい」と考えた時が、ファクタリングを利用するタイミングになります。
ファクタリングの方式はいくつかありますが、2社間ファクタリングは手続きが簡素であり、手軽に資金を調達できます。
ただし、通常のファクタリングは契約時に対面する必要があり、これが唯一のハードルとなっていました。
最近では、オンラインファクタリングが登場したことにより、この問題も解消されています。
オンラインファクタリングは、申し込みから契約まで全てオンラインで完結する方式です。
クラウド契約を用いるため、契約時の対面も一切不要です。
例えばNo.1では、弁護士ドットコム株式会社のクラウド契約サービス「CLOUDSIGN」を利用しています。
手軽な資金調達方法を求めている会社には、オンラインファクタリングを強くおすすめします。

9.資金繰り悪化に悩んでいる

ここまでは、主にファクタリングの機能面から、ファクタリングが役立つタイミングを解説してきました。
このほかにも9~11のように、ファクタリングを適切なタイミングで活用すれば、経営改善の特効薬にもなり得るのです。
例えば、資金繰り悪化に悩んでいるタイミングでは、ファクタリングが役立ちます。
会社の資金繰りが悪化する原因は様々ですが、大なり小なり回収サイトが絡んでいるものです。
回収サイトとは、売掛金が発生してから回収するまでの期間を意味します。
支払期日が遠いほど回収サイトは長期化し、資金繰りが悪化します。
回収に時間がかかるということは、手元に未回収の売掛金が増えていくということです。
売掛金ばかり増えてなかなか現金が入ってこないのですから、資金繰りの悪化は避けられません。
逆に言えば、回収サイトの長期化によって資金繰りが悪化している場合、回収サイトを短縮することで資金繰りが大幅に改善します。
上記の通り、ファクタリングは資金調達スピードに優れており、2社間ファクタリングならば最短即日で売掛金を現金化できます。
回収サイトが長い売掛金も、ファクタリングを使えば即座に回収でき、実質的な回収サイトを大幅に短縮できるのです。
ポイントは、手元の売掛金のうち、回収サイトが長い売掛金を優先的にファクタリングすることです。
これにより、資金繰り改善効果を高めることができます。

10.与信管理に悩んでいる

与信管理に悩んでいるならば、ファクタリングを活用する良いタイミングといえるでしょう。
与信管理とは、売掛先の情報を逐次把握し、与信限度額や回収サイトの設定、売掛金の請求・回収などを管理することです。
与信管理が不十分であれば、売掛先の信用に応じた取引ができません。
支払能力に対して過大な与信限度額を設定した結果、深刻な回収不能リスクを負う危険性があります。
また、回収サイトが徐々に長期化したり、請求漏れが発生したりすることにもつながり、資金繰りに様々な悪影響をもたらします。
したがって与信管理は、信用取引を行っている全ての会社にとって必要不可欠です。
しかしながら、十分な与信管理を行っている中小企業は決して多くありません。
与信管理のためには、信用調査会社を依頼して売掛先の情報を把握し、その情報を分析して与信に反映する必要があります。
与信管理のスキルを持っている人材がこれを担うわけですが、人材不足が社会問題になっている昨今、適切な人材を確保できている中小企業はごく少数です。
その結果、専門知識を持っていない経理担当者や経営者自身が与信管理に当たり、与信管理の問題を引き起こします。
人材の確保が困難である以上、与信管理をアウトソーシングするのが問題解決の最短ルートです。
ファクタリングを利用することで、与信管理をアウトソーシングできます。
なぜならば、ファクタリングは「償還請求権なし」が原則だからです。
償還請求権とは、ファクタリングした売掛金が回収できなくなった場合、ファクタリング会社から利用会社に買い戻しを求める権利のことです。
この権利がない以上、回収不能時の損失は全てファクタリング会社が負担します。
利用会社から見れば、売却した売掛金については一切与信管理を行う必要がなくなります。
これは、本来利用会社が行うべき与信管理を、実質的にファクタリング会社にアウトソーシングしていることにほかなりません。
特に効果的なのが、額面金額が大きい売掛金を優先的にファクタリングすることです。
これにより、売掛金額の大部分について回収不能リスクがなくなり、与信管理の負担を大幅に軽減できます。

11.財務を改善したい

最近、経営コンサルタントの中にも、ファクタリングの財務維持・改善効果に目を向ける人が増えています。
したがって、財務悪化に悩んでいるならば、これもファクタリングの利用に適したタイミングです。
「6.負債を増やしたくない」でも解説した通り、ファクタリングは借入れではないため負債を増加させずに資金を調達できます。
これは、財務を維持しながら資金を調達できるということです。
また、ファクタリングはオフバランス化にも役立ちます。
オフバランス化とは、遊休資産などを売却することで財務諸表から資産を減らす取り組みです。
これによって、保有するリスクの軽減や資産効率の改善が期待できます。
あらゆる資産には保有するリスクが付きまとい、売掛金にしても回収不能に陥るリスクをはらんでいます。
このリスクを避けるためにも、ファクタリングによって売掛金を手放し、回収不能リスクをファクタリング会社に転嫁するのが効果的です。
さらに、額面金額が大きい売掛金や、回収サイトが長い売掛金を意識的にファクタリングすることで、資産効率の改善につながります。
そもそも信用取引は、現金という資産を活用して事業を回し、その結果として売掛金という資産が発生するわけです。
この売掛金の回収がスムーズであればあるほど、先行コストとして支払った現金の効率が高まります。
このように考えると、ファクタリングで資産効率が改善する理由がわかるでしょう。
ファクタリングによって、「オフバランス化に取り組まず、資産効率が悪い財務状況」から「オフバランス化に取り組み、資産効率が良い財務状況」へと改善できるのです。

12.物価高や為替の影響で出費がかさむ

コロナ禍以降、経済の先行きは不安定な状況が続いています。
物価高や円安の影響を受け、資金繰りが苦しい会社も多いことでしょう。
原油高になればガソリン代が上がるため、運送業の資金繰りは大きな負担を強いられます。
円安になれば海外からの輸入コストが上がるため、原材料を輸入に頼っている製造業の資金繰りは苦しくなります。
昨今のように急激な物価高や為替変動で出費がかさむタイミングでは、銀行融資のように調達に時間がかかる資金調達方法はあまり役に立ちません。
そこで、ファクタリングの活用をおすすめします。
ファクタリングは資金調達スピードに優れており、短期間の変動によって突発的な資金需要が発生した場合にも役立ちます。
また、商品価格や為替の変動は予測が困難ですから、柔軟性に優れた資金調達方法を選ぶべきです。
ファクタリングは必要な時に必要な額だけ調達できるため、経済動向に合わせた利用に適しています。

13.売上が急速に伸びている

ここまで、ファクタリング活用のタイミングとして、対処療法的で後ろ向きな事由ばかり挙げてきました。

  • 融資が絶望的
  • 担保・保証がない
  • 資金ショートの危機が迫っている
  • 資金繰りや財務の悪化に悩んでいる

たしかにこれらのタイミングはファクタリングに適していますが、ファクタリングは積極的な利用も可能です。
分かりやすいのが、売上が急速に伸びているタイミング。
売上の拡大は基本的に良いことですが、急速に伸びた際には資金繰り難に陥ります。
例えば100の売上を得るために50の先行コストがかかる場合、売上が200に伸びると単純計算で先行コストは100になります。
実際には、売上を伸ばすために宣伝広告費などの営業費用が増えるため、先行コストが一時的に膨らむことが多いです。
また、新規顧客獲得のために契約条件を妥協し、回収サイトが長期化することも珍しくありません。
その結果、資金繰りの維持に必要な運転資金が増加します。
運転資金とは、先行コストの支払いと売上の回収のギャップを埋めるための資金です。
売上の拡大によって生じる増加分を増加運転資金といいます。
増加運転資金は銀行融資でも調達できますが、売上が急速に伸びた場合には銀行での資金調達が間に合わず、先行コストの支払いが間に合わなくなる恐れがあります。
売上が伸びたために資金繰りがショートし、黒字倒産を招くことも。
それを避けるためにもファクタリングが役立ちます。
売上が増加すれば手元の売掛金も増加するのですから、ファクタリングで調達できる資金も増えていきます。
売上が増加するほど、ファクタリングの調達余力も拡大していくのですから、売上の増加も怖くありません。

14.大型の案件を受注した

売上が伸びていく、これは事業が波に乗っているということですから、従来よりも大型の案件を受注する機会が増えてきます。
大型の案件は小型の案件に比べて先行コストも大きくなるため、資金繰り悪化には要注意です。
ただし、これも基本的には「13.売上が急速に伸びている」と同じアプローチで対処できます。
大型の案件を受注したタイミングでは、増加運転資金をファクタリングによって調達するのがおすすめです。
あらかじめ先行コストを確保すれば、大型案件の受注が容易になるでしょう。
これまで採算の悪い小型案件に悩まされてきた会社も、好採算の大型案件を積極的に受注することで採算を大幅に改善できます。
また、ソフト開発や建設工事などの場合、大型かつ長期の案件も多いです。
ファクタリングの中には、注文を受けた段階で利用できるサービスもあります。
これによって受注段階でファクタリングすれば、長期案件に先立ってまとまった資金を調達でき、資金繰りの不安がなくなります。

15.新規取引先を増やしたい

売上を伸ばすためには、既存の取引先との取引高を増やすか、新規取引先を開拓する必要があります。
既存の取引先の購買力には限界がありますから、新規取引先の開拓がベターです。
新規取引先を増やしていくタイミングでも、ファクタリングが役立ちます。
新規取引先を開拓する際に何が難しいかといえば、第一に新規取引先の獲得、第二に与信管理です。
営業活動によって新規取引先を獲得しても、その取引先の経営が危険な状況にあれば、いたずらに回収不能リスクを高めるだけです。
経営に大きな問題がなくとも、これから取引を始める段階ですから、自社と取引先の間に何ら信頼関係はありません。
取引先を重ねるうちに徐々に信用が高まり、それに応じて与信限度額を引き上げていくのが定石です。
しかし、「10.与信管理に悩んでいる」でも解説した通り、与信管理は大きな負担になります。
また、信用に応じて徐々に…という流れですから、取引拡大に時間がかかるのも難点です。
そこで、新規取引先の売掛金をファクタリングするのがおすすめです。
ファクタリングには償還請求権がないため、ファクタリングした売掛金については一切のリスクを回避できます。
つまり、回収不能リスクをファクタリング会社に転嫁することで、新規取引先の与信管理を軽減できるのです。
回収不能リスクがなくなれば、与信限度額を積極的に引き上げることができ、新規取引先との取引をスムーズに拡大できます。

16.海外企業と取引を始める

国内の経済成長が停滞している昨今、海外市場に目を向ける中小企業が増えています。
海外向けの輸出に取り組むことで、業績を大きく伸ばす中小企業も少なくありません。
しかし、海外企業との取引には多くの困難が伴います。
その最たるものが回収サイトの長期化です。
国内と海外では商習慣が異なるため、現地の基準に合わせることで回収サイトが長期化することが珍しくありません。
実際、日本国内の平均的な回収サイトは1~2ヶ月ですが、中国国内の平均的な回収サイトは2~3ヶ月が一般的です。
また、商品の海外輸送自体にも時間がかかるため、取引完了までにかかる期間も長くなります。
したがって、商品の輸出から売掛金の回収までに4ヶ月以上、場合によっては半年以上を要するケースもあります。
当然ながら、資金繰り悪化は避けられません。
このほか、言語の違いや法律の違い、さらには現地の売掛先に対する与信管理の難しさなどから、売掛金の回収が難航したり、回収不能に陥ったりするリスクもあります。
そこで、海外企業と取引を始めるタイミングでもファクタリングが役立ちます。
ただし、通常のファクタリングは国内取引の売掛金だけを対象としており、海外企業の売掛金は対象外です。
というのも、売掛先が海外企業の場合、ファクタリングのスキームも大きく異なるからです。
海外企業を調査・審査するために、現地の金融機関やファクタリング会社との連携も欠かせません。
現地の金融に精通していなければ、国際取引のファクタリングは不可能です。
このため、海外企業の売掛金をファクタリングする際には「国際ファクタリング」を利用します。
国際ファクタリングを提供しているのは、メガバンク系列のファクタリング会社だけです。
海外展開を始めるならば、国際ファクタリングの利用もセットで考えるのが良いでしょう。

17.売掛先がファクタリングに好意的

ファクタリングを利用するにあたり、手数料の負担が気になっている人も多いはずです。
そのような人は、手数料が安い3社間ファクタリングを利用するのが良いでしょう。
方式別の手数料率の目安を比較してみましょう(No.1の場合)。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%

3社間ファクタリングには売掛先が関与しますから、売掛先がファクタリングに好意的であれば、ファクタリングを利用する良いタイミングとなります。
ただし、信用リスクには十分に注意してください。
日本でファクタリングの普及が始まったのはごく最近のことです。
まだまだファクタリングを知らない人も多く、中にはファクタリングが違法と思い込んでいる人もいます。
現在、ファクタリングの普及スピードに対して法整備が追い付いておらず、ファクタリング業者への規制もほとんどない状況です。
例えば、新規にファクタリング業を始めるにあたり、許認可や資格などは全く必要ありません。
貸金業を始める際には貸金業法の縛りを受け、高いハードルをクリアして金融庁の貸金業登録を受ける必要があります。
無登録で営業している業者がいわゆる「ヤミ金業者」であり、貸金業法違反として摘発されます。
ファクタリング業の規制が非常に緩いことから、摘発を逃れることを目的として、ヤミ金業者がファクタリングを装っているケースがあります。
もちろん、実際には違法な貸付けを行っているのですから、このような業者が摘発されることもしばしばです。
このため、正規のファクタリング会社と、ファクタリングを装うヤミ金業者を混同してしまい、「ファクタリング=違法行為」と考える人もいるのです。
売掛先の中にも、これに近いイメージを抱く人がいるかもしれません。
その場合、ファクタリングの利用が知られてしまうと、「違法な手段でしか資金調達できないほど経営が悪化している」という疑いを生み、信用を大きく損なう恐れがあります。
これを避けるためにも、利用会社の多くは売掛先が関与しない2社間ファクタリングを選びます。
ただし、2社間ファクタリングは手数料が高いため、調達コストのことを考えると3社間ファクタリングを利用したほうが効率的です。
もし、売掛先がファクタリングに対して十分な理解があり、好意的であるならば、3社間ファクタリングを検討してみてください。

18.助成金を活用したい

通常、ファクタリングは不足資金を調達し、資金ショートの回避するために利用されます。
しかし、より積極的な活用方法として、助成金とファクタリングを組み合わせる動きも活発化しています。
近年、政府は働き方改革の一環として助成金の拡充に意欲的です。
助成金の活用を考えているならば、ファクタリングを利用する良いタイミングとなります。
そもそも助成金は、一定の取り組みによって厚生労働省が定める要件をクリアした場合に支給されるものです。
受給のための取り組みは、新規雇用、正社員転換、生産性の向上、業務効率の改善、IT化など様々ですが、経営改善に役立つものばかりです。
しかし取り組みが先、支払いは後ですから、取り組みのためのコストはあらかじめ自社が負担する必要があります。
先行コストの問題さえ解消してしまえば、社労士のアドバイスに沿って取り組むことで、要件を満たすことは難しくありません。
そこで、手元資金に不安のある会社では、ファクタリングで手元資金を厚くした上で助成事業を開始するのがおすすめです。
助成金を受給すれば、先行コストの一部分または大部分を取り戻すことができ、政府の支援を受けながら経営を改善できるようなものです。
助成金を活用するかどうかによって、長期的には大きな差が出てくることでしょう。

19.コンサルティングを利用したい

経営改善のためにコンサルティングの利用を検討しているタイミングでも、ファクタリングが役立ちます。
この場合、考えられるルートは以下の2つです。

  • コンサルティング専業の会社に依頼する
  • ファクタリング事業とコンサルティング事業を手掛けるファクタリング会社に依頼する

前者の場合、長期目線で支援せずに安易なリスケを推奨するコンサルタントも多いため、利用には注意が必要です。
後者であれば、このような前者のようなずさんな支援を行う会社は少数です。
というのも、ファクタリング会社がコンサルティングを行う場合、経営改善のコンサルティングと、それに伴うファクタリングの活用に同時に取り組みます。
これによって、ファクタリング会社はコンサルティングだけではなくファクタリングでも利益を得ることができ、利用会社としても経営改善の効率化が期待できるのです。
また、経営改善目標を達成した後もファクタリングを継続利用する会社が多いため、ファクタリング会社にとってコンサルティングは優良顧客を獲得する目的も兼ねています。
このように、ファクタリング会社のコンサルティングは、利用会社とファクタリング会社のwin-winの関係を前提に成り立っています。
コンサルティング能力も申し分なく、中小の優良ファクタリング会社の中には、コンサルティングに強みを持つ会社が少なくありません。
No.1でもコンサルティングに力を入れており、ファクタリングを活用した経営改善を得意としています。
ファクタリング会社にコンサルティングを依頼すれば、利用会社の事情を踏まえて最適なファクタリングプランの提案を受けたり、長期的な経営改善を前提としてファクタリングを活用したりと、様々な支援が期待できます。
ファクタリングの利用に悩んでいる会社は、ひとまずコンサルティングを依頼してみて、ファクタリングの活用を模索するのも一つの手です。

ファクタリングが不向きなタイミングは?

上記の通り、ファクタリングは様々なタイミングで役立ちますが、逆にファクタリングが不向きなタイミングはあるのでしょうか。
ファクタリングが特に適さないタイミングを3つ紹介します。

1.資金繰りに余裕がある

まず、資金繰りに十分な余裕がある場合は、ファクタリングは不向きです。
手元資金が潤沢であれば焦る必要はなく、時間をかけて資金を調達できます。
銀行とじっくり交渉し、好条件で融資を引き出すことも可能でしょう。
もちろん銀行融資以外にも、資金繰り的にメリットの大きい資金調達方法を模索すべきです。
ファクタリングにこだわるべきタイミングではありません。

2.複数行から融資提案を受けている

問題なく銀行融資を受けられる会社にも、ファクタリングは不向きでしょう。
例えば、複数行から融資提案を受けているタイミング。
業績が好調、財務も健全、将来性も十分であれば、会社が融資を依頼せずとも、銀行の方から融資を提案してきます。
このような会社は貸し倒れリスクが低く、ローリスクで金利収入を得ることができる優良顧客です。
将来的に事業が拡大すれば資金需要は高まり、さらなる貸付けも可能です。
もちろん、代表者や従業員個人への住宅ローン、振込手数料、為替手数料など、金利以外の収益も期待できます。
そこで銀行は、早いうちから関係を深め、融資シェアを伸ばし、あわよくばメインバンクの座を勝ち取りたいと考えて融資を提案してくるのです。
銀行の方から「借りてください」と言ってくるのですから、融資条件も良好です。
相場よりも安い金利、なおかつ無担保・無保証のプロパー融資ということも珍しくありません。
このような場合、積極的に借り入れて手元資金を厚くしておくのが吉です。
あえて融資を見送り、ファクタリングを選ぶ必要はありません。

3.大型の資金調達が必要

最後に、大型の資金調達が必要となるタイミングでは、ファクタリングが向いていないことが多いです。
その理由は、主に3つ。

  • 手元の売掛金だけではカバーできないかもしれない
  • 資金繰りが悪化する恐れがある
  • 調達コストが大きすぎる

手元の売掛金の総額は、あくまでも売上に依存します。
信用取引の割合が100%であれば、1000万円の売上によって得られる売掛金は1000万円です。
大型の設備投資などでは、月商をはるかに上回る金額を借り入れることもよくあります。
その場合、手元の売掛金をファクタリングするだけでは十分な金額を調達できません。
もちろん、必要額の一部をファクタリングで調達し、残りを融資で調達するというアプローチも考えられます。
しかしながら、手元の売掛金の大部分をファクタリングすると、その後の一定期間にわたって入金がほぼゼロになってしまいます。
この時調達した資金は設備投資などに投入しているのですから、資金が不足してもファクタリングに回せる売掛金がなく、資金繰りが行き詰る可能性が高いです。
さらに、調達コストの観点からもファクタリングは不向きです。
ファクタリングの手数料率は銀行の借入金利に比べて高く、年利換算で100%超になることもあります。
多額の資金を調達するとなれば、手数料として支払う金額も大きくなり、資金繰りが悪化する危険があるのです。
基本的に、ファクタリングは短期的・小中規模の資金調達に適していると考えましょう。

まとめ:自社に適したタイミングでファクタリングを

ファクタリングはメリットの多い資金調達方法で、どのような会社でも活用できます。
ただし、適切なタイミングで利用することが大切です。
資金繰り計画に落とし込んだ上で「適切なタイミング」があるのですから、タイミングが適切であれば資金繰りへの効果も高くなります。
そのためには、あるタイミングで慌ててファクタリングを利用するのではなく、日頃からファクタリングの活用を模索し、「ここ」というタイミングを見定めておく必要があります。
しかしこれは、ある程度ファクタリングの経験を重ねなければ難しいことも事実です。
ファクタリングのタイミングでお悩みの方は、ぜひNo.1までご相談ください。
経験豊富なスタッフがヒアリングを実施し、最適なファクタリングプランをご案内します。

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