カテゴリー: ファクタリング

ファクタリングで債権譲渡通知が必要な場合は何?債権譲渡通知される場合とされない場合の違いは?

ファクタリングは迅速な資金調達方法として、近年盛んに用いられています。売掛債権(売掛金)の有償譲渡、売却によって資金調達する方法ですが、その際に「債権譲渡通知」というステップを経ることがあります。

ファクタリングにおける債権譲渡通知とはどのようなものなのでしょうか?またどのようなケースで債権譲渡通知が必要なのでしょうか?

今回は債権譲渡通知にまつわる内容について解説してきます。

債権譲渡通知とは何?

債権譲渡通知とは、ファクタリング会社が売掛先に「債権者の売掛債権(売掛金)を譲渡されました。したがって、私どもファクタリング会社が貴社から売掛債権(売掛金)をもとの債権者に代わって回収します」という通知です。

譲渡人(ファクタリング申込人、債権者)は売掛債権(売掛金)を譲渡した旨を債務者(売掛先)に通知(その後債務者が承諾)しなければ、譲渡を債務者(売掛先)に対抗できません。

また、債務者以外に対抗するためには、「確定日付のある証書」によって債務者に通知(または債務者が承諾)しなければ第三者に対抗できません。

債権譲渡通知「確定日付のある証書」を行うことによって債務者(売掛先)に新しい債権者を認識させるだけではなく、債務者(売掛先)が元債権者(依頼主)とファクタリング会社(新しい債権者)に二重弁済してしまうことを防ぎます。

事例を考えてみましょう。

A社:依頼主、債権者 B社に対して売掛債権(売掛金)を有する(100万円)
B社:債務者、売掛先 A社に対して売掛債権(売掛金)を期日に支払う義務を有する(第3債務者と呼ばれることもある)
C社:ファクタリング会社、A社から売掛債権(売掛金)を譲渡される、A社の売掛債権(売掛金)を買い取る

「A社がB社から期日に売掛債権(売掛金)100万円を受け取る権利」をC社に譲渡(売却)するのがファクタリングです。

ファクタリングは民法上の契約行為であり、A社(債権者)がC社(ファクタリング会社)に売掛債権(売掛金)を譲渡する場合、必ずしもB社に連絡する必要はありません。B社が知らなくてもファクタリング契約、債権譲渡契約は成立します。

しかし、B社(債務者)が債権譲渡について知らなければならないケースがあります。それは3社間ファクタリングのケースです。

3社間ファクタリングでは、売掛先(債務者、この場合B社)がファクタリングについて同意したうえで契約し、売掛債権(売掛金)についてはA社(債権者)を介さずに、期日にC社(ファクタリング会社)が直接B社より100万円を回収します。

その前の段階で「3社間ファクタリングを契約します。そのためB社様におかれましてはA社からC社への債権譲渡についてお知らせします。売掛債権(売掛金)を受け取る権利はA社からC社に移りましたので、B社様におかれましては、支払い期日にはA社ではなくC社にお支払いください」

というお知らせをしてB社(債務者)の同意を得ます。このお知らせが債権譲渡通知になります。債権譲渡通知を出すのはファクタリング会社(C社)ではなく、債権者(売掛債権(売掛金)譲渡人、A社)になります。

A社~C社で完結する場合、債権譲渡通知は通常の信書(郵便)などで構いませんが、A社~C社以外にも債権譲渡について知らしめる場合「確定日付のある証書」が必要になります。

2社間ファクタリングは債権譲渡通知なしでできますが、3社間ファクタリングは債権譲渡通知が必須です。3社間ファクタリングの場合、ファクタリングの事実がバレるのは、この債権譲渡通知を売掛先(債務者)が受け取るからです。

そこで、「譲渡禁止特約付きの売掛債権(売掛金)なのだから、債権譲渡はNGだ!」と債務者が主張すると、法的争いになることがあります。

3社間ファクタリングの流れを確認し債権譲渡通知がどこに入るかチェック

一方「3社間ファクタリング」の場合の決済方法は2社間ファクタリングとは大きく異なります。

3社間ファクタリングは、債権者、債務者(売掛先)、ファクタリング会社、この3者それぞれの同意、合意が必要になります。

途中でファクタリング会社から売掛先(債務者)に債権譲渡通知を送ることで債務者(売掛先)もファクタリングの事実を知っていることが大きな違いになります。

債権譲渡通知によって3社間ファクタリングが成立し、これにより売掛債権(売掛金)買い取り後の返済不能、返済遅延リスクが下がります。

返済リスクが下がるので、3社間ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングよりも低く設定されています。

3社間ファクタリングの流れは以下のようになります。

12月5日 A社のB社に対する200万円の売掛金を190万円でC社が買い取り(手数料10万円)打診
12月6日 A社がB社に債権譲渡通知を送付
12月7日 B社が債権譲渡通知を見てファクタリングに同意
12月8日 C社がA社の売掛債権(売掛金)を190万円で買い取り、入金
12月30日 B社からの200万円の売掛金はA社を介さず直接C社に入金(A社に振り込まれない)
ファクタリング完了

売掛金の回収は、A社を介さず、B社とC社間で行われます。

ファクタリング会社は3社間ファクタリングの手続きの中で、債権譲渡通知を出すことで、元の債権者からの売掛金回収漏れ、遅延リスクを回避できます。

債権譲渡通知を出した売掛先から直接支払いを受けることができます。回収漏れがこれでなくなります。

債権譲渡通知を出すことで、3社間ファクタリングによる支払い過程が透明化し決済について、非常に安定したシステムだと言えます。

債権譲渡通知の作成方法

債権譲渡通知は書面でなされます。電話で「売掛債権(売掛金)を譲渡しました」と伝えても債権譲渡通知にはなりません。債権譲渡通知には以下の事柄を記します。

譲渡された債権を具体的に書く

債権者と債務者(売掛先)間には複数の売掛契約が存在している場合もあります。

今回ファクタリングするのが、いつ、どの契約で生じた売掛債権(売掛金)か明示します。期日、金額、売掛債権(売掛金)の支払日も書きます。

譲受人(ファクタリング会社)の情報

売掛債権(売掛金)の譲渡先であるファクタリング会社の情報を書きます。

具体的には、ファクタリング会社の住所、会社名、代表者名を記載します。

債権譲渡が実行された日

債権譲渡自体は、債権者とファクタリング会社の自由な意思表示によります。あくまで3社間ファクタリングの場合、債権譲渡通知によって売掛先の同意が必要になっているだけで、2社間ファクタリングならそれは不要です。

債権者とファクタリング会社で、実際に譲渡契約を交わした日を書きます。契約書にサインした日付になります。

債権者と債務者の情報

債権譲渡通知の最後の部分に、譲渡人(債権者、依頼主)と債権譲渡通知の被通知人(債務者)の住所・氏名を書きます。

これで債権譲渡通知の体裁が整います。あとは、「確定日付のある証書」が必要な場合、内容証明郵便などで作成します。これは、ファクタリング会社と相談しながら進めてください。

債権譲渡通知のメリット、デメリット

債権譲渡通知のメリットとデメリットは、3社間ファクタリングのメリットとデメリットとほぼ同じです。

権利がファクタリング会社に移ったことを明確にすることで、ファクタリング会社は安心して売掛債権(売掛金)を買い取れます。二重譲渡されるリスクも大幅に減らせます。

しかし、債権者とすれば、債権譲渡通知を売掛先に出すことで100%ファクタリングの事実がバレます。3社間ファクタリングのデメリットそのもので、「経営がよくないのでは?」「勝手に権利関係をいじられると困る」というように、売掛先の心証を悪くしてしまう可能性があります。

債権譲渡通知を留保してもらうためには、2社間ファクタリングを目指すしかありません。それは高い手数料と引き換えです。債権譲渡通知を送ることで得られるファクタリング会社のメリット(回収漏れリスク回避)と、債権譲渡通知を送らないことで得られる債権者のメリットをどう考えるかで自ずと方向性が見えてくるはずです。

債権譲渡通知と債権譲渡登記は違うことに注意

債権譲渡通知と債権譲渡登記は異なります。債権譲渡通知は、債権者が第三者に変更されたことを債務者(売掛先)に対して知らせる通知書類です。

「確定日付のある証書」が必要な場合、内容証明付き郵便や公証役場での書類作成などでも構いません。また、債権譲渡登記をして、その登記簿謄本を送っても構いませんが、登記には時間がかかるため、最終的な債権譲渡の証拠にはなるものの、迅速性が必要なファクタリングにおいては、

  • 当事者でよいならば通常の信書
  • 第3者にも対抗するならば「確定日付のある証書」
  • 最終的に権利を確定させたいならば債権譲渡登記

となります。

通常の3社間ファクタリングの場合、よほど高額になるなど特別な場合を除き、債権譲渡登記まで(その時点で)必要とはなりません。迅速性が大切なファクタリングですので、内容証明郵便などに対応できるようにしておきましょう。

なお、「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律」により、債権譲渡通知がこの法律に基づく認定を受けた事業者の情報システムで行われた場合も「確定日付のある証書」とみなされるようになりました。

債権譲渡登記は債権譲渡通知の「最終形態」ではありますが、これは通常の債権譲渡通知ではここまで求めないというのが正解になります。

2社間ファクタリングで絶対に債権譲渡通知がないとは言えない!?

3社間ファクタリング→債権譲渡通知あり、2社間ファクタリング→債権譲渡通知なし、として説明してきましたが、2社間ファクタリングで「債権譲渡通知を送ってはいけない」という決まりはありません。

ファクタリングは当事者間の自由な意思表示による民法上の契約です。2社間ファクタリングはそこに売掛先が介在しないから「2社間」(債権者とファクタリング会社)なのですが、2社間ファクタリングで返済期日に返済できない場合、プレッシャーをかけるために、売掛先からの回収目的ではなく、返済しない債権者にプレッシャーをかけるため(ある意味懲罰的)に、売掛先へ債権譲渡通知を送る可能性があります。

「売掛債権(売掛金)は当社(ファクタリング会社)に譲渡されているのですが、元債権者から返済がないのです」的なことを伝え、売掛先の債権者への心証を悪くするように「仕向ける」わけです。

ある意味、売掛先から債権者に圧力をかけて返済してもらう流れになります。

これはファクタリング契約で「返済がない場合、売掛先に債権譲渡通知を送ります」と記載があれば、完全に合法な行為になります。長い契約書に小さく書いてあれば、債権者が見落としてしまうかもしれません。

あるいは売掛先の二重譲渡の疑いがある場合、もう1つ(2つ?)のファクタリング会社に対抗するため、「当社が債権者から売掛債権(売掛金)を譲渡されました」という証明(対抗要件具備)のため、売掛先にファクタリング会社が債権譲渡通知を送ることがあります。これは、対債務者(売掛先)ではなく、対他のファクタリング会社への対応のためです。

2社間ファクタリングをしているのに債権譲渡通知を送られた場合、もはや債権者とファクタリング会社の関係は破綻していると言えます。いわば「最後通牒」であり、こうなるとそのファクタリング会社とは取引継続できないでしょう。

このような例外的な2社間ファクタリングでの債権譲渡通知についてはありうると押さえておきましょう。

債権譲渡通知付きの3社間ファクタリングも債権譲渡通知なしの2社間ファクタリングも株式会社No.1がおすすめ

ファクタリングにおける債権譲渡通知は

債権譲渡通知なし:2社間ファクタリング
債権譲渡通知あり:3社間ファクタリング

という区別になります。債権譲渡通知なしの2社間ファクタリングは売掛先にバレませんが、手数料が高く、期日に返済できないと貴社が債務不履行になります。

債権譲渡通知ありの3社間ファクタリングは、売掛先にファクタリングの事実がバレます。それによって、心証が悪くなるなどデメリットもありますが、手数料が安く、ファクタリング会社が勝手に売掛先から回収してくれるので、貴社の落ち度はなくなります。

それぞれのメリットとデメリットを勘案して判断ください。なお、債権譲渡通知は債権譲渡登記とは異なり、法務局での法的手続きではありません。債権者側に特段の手間、コストは発生せず、あくまで債権譲渡通知は3社間ファクタリングの際の同意を得るためのステップととらえてください。

債権譲渡通知を禁止するならば、3社間ファクタリングはできません、高い手数料を払って2社間ファクタリングとなります。

「株式会社No.1」は歴史と実績があるファクタリング会社です。債権譲渡通知をして売掛先に知られても、怪しい会社だとは思われず納得して3社間ファクタリングについて同意してくれるはずです。そのあたりは信用してください。

株式会社No.1の3社間ファクタリングについても、一部オンラインでできます。債権譲渡通知については郵送対応となりますが、貴社と当社の面談や書類提出などはWEB上で完結します。

当社店舗にお越しいただかなくても大丈夫ですので、遠隔地にお住まいの方もぜひ株式会社No.1のファクタリングをご利用ください。

債権譲渡通知についても迅速に売掛先に発送し同意を得ます。迅速性と手数料の安さ、株式会社No.1の3社間ファクタリングならば両立も可能です。是非ご検討をお願いします。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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