カテゴリー: ファクタリング
譲渡禁止債権のファクタリングは可能!?民法改正で流れが変わったことをチェック!
ファクタリングは売掛債権の有償譲渡です。ファクタリングには融資のように銀行法、貸金業法、利息制限法のような法律の細かい規制を受けません。
当事者間の自由な契約、自由な合意が尊重されるファクタリングですが、その契約の中で、売掛債権を他人に譲渡することを禁止する特約を付けた「譲渡禁止債権」も有効なのでしょうか?
譲渡禁止債権が有効ならば、他人への譲渡、つまりファクタリングができないことになります。ファクタリングについて規制する法律はありませんが、民法の一般条項で譲渡禁止債権は認められています。
民法の規定はファクタリングも適用されますので、この場合どのように解釈すればよいのでしょうか?実は譲渡禁止債権のファクタリングについて風向きが変わりつつあります。どのように変わりつつあるのか解説します。
2020年までは譲渡禁止債権のファクタリングは不可!
ファクタリングは当事者間の契約が優先され、民法で譲渡禁止契約が認められていたため、譲渡禁止債権をファクタリングすることは、譲渡禁止契約に反しており無効でした。
譲渡禁止債権を付した売掛債権をファクタリングした場合、ファクタリング会社に過失はないので、その際はファクタリングが無効になり、ファクタリングの買い取り代金はファクタリング会社に返金しなければなりません。
例えば、100万円の譲渡禁止債権をファクタリングして80万円で買い取ってもらった場合、その80万円はファクタリング会社に返金します。手数料も返ってきませんので、事前の資金調達としては失敗します。売掛金入金日になれば100万円入ってきますが、少なくとも手数料分はマイナスになるので、何のためにファクタリングで期日前に現金化したのかがわからなくなります。
当事者間の合意優先なので、譲渡禁止債権についても、債権者(依頼人)と債務者(取引先、売掛先)の「譲渡しない」という契約をすれば、その解除をしない限り有効です。
しかし、譲渡禁止債権優先の流れが変わりつつあります。
2020年民法改正によって譲渡禁止債権のファクタリングも可能になるかも
譲渡禁止債権のファクタリングはできない、行っても無効になると書きましたが、実は2020年に民法(債権法)が改正され、以下の2つの取り扱いが変わりつつあります。
- 「譲渡禁止特約」の取り扱い
- 「将来債権」の取り扱い
ファクタリングは何度も言うように、銀行法や貸金業法のような特別法がなく、民法や商法の一般条項が適用されるので、この改正は非常に大きな理由を持ちます。
2020年に改正した民法(債権法)で譲渡禁止債権について関係する部分を抜き出しました。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。
4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。引用…民法(法令検索)
「譲渡禁止特約」の取り扱いが変わった変更点
従来の民法では、取引契約の中に、債権の譲渡を禁止する「譲渡禁止特約」が付いている譲渡禁止債権の譲渡、つまりファクタリングは「無効」とされていました。
譲渡禁止特約付きのものは売却できず、ファクタリング会社も譲渡禁止債権の買い取りは拒否してきました。
しかし、民法が改正したことによって、譲渡禁止特約付きの場合の債権譲渡でも「有効」とされる可能性が出てきました。
ファクタリング会社は新しい民法の規定を適用して、譲渡禁止債権も買い取る可能性があります。
ファクタリング会社の独自ルールで「譲渡禁止特約付きは引き続き買い取りしません」ということはできますが、法的なお墨付きがなくなりました。
何が変わったのか?譲渡禁止債権買い取り可能な根拠
譲渡禁止債権のファクタリングが可能になる根拠は、民法466条2項「当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」です。
当事者が譲渡禁止の意思表示(譲渡禁止特約)をしても、その債権譲渡は妨げられない→可能であると読めます。
しかし、譲渡禁止債権のファクタリングが100%確実にOKになったわけでもなさそうです。同民法466条3項で「譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ」とあります。この場合の債務者は売掛先(取引先)で第三者がファクタリング会社になります。
売掛先はファクタリング会社への債権譲渡を拒める、と読めます。
・譲渡禁止債権のファクタリングも効力を妨げられない
・売掛先はファクタリング会社への売掛債権譲渡(譲渡禁止債権)を拒める
この2つの規定を両立させるために出せる結論は
「事前に売掛先にファクタリングを通知し了解を得ればOK」
というものです。売掛先へファクタリングについて知らせ、了解が得られればファクタリングができる、ということになります。
譲渡禁止債権のファクタリングは3社間ファクタリングのみ可能
売掛先にファクタリングについて知らせなければ譲渡禁止債権のファクタリングできない、ということは、知らせないで行う2社間ファクタリングはできないことになります。
譲渡禁止債権のファクタリングが可能なのは、売掛先にファクタリングの事実を知らせる3社間ファクタリングのみになることを知ってください。
3社間ファクタリングのみということは、多少現金化までに時間がかかり、取引先にバレるということです。また、「譲渡禁止債権のファクタリングを希望してきた。この会社の経営状態は悪いのでは?」と邪推されるリスクもあります。
ノーリスクでの譲渡禁止債権のファクタリングは難しい、しかし民法(債権法)改正によって可能なケースが出ていると理解してください。ファクタリング会社によっては、今まで通り譲渡禁止債権のファクタリングはできない、というところもあります。
譲渡禁止債権のファクタリングの相談も受けます!ファクタリングの申し込みはNo.1まで!
譲渡禁止債権のファクタリングはまだ受け付けていないファクタリング会社もあります。法律上も、売掛先にファクタリングの旨を通知した時に拒否されれば買い取りはできません。
したがって、どうしても資金調達が必要で譲渡禁止債権のファクタリングを希望する場合、しっかり対応しているファクタリング会社を選んでください。
「株式会社No.1」は経験と実績があるファクタリング会社です。迅速な資金調達をモットーにしています。
真に必要である場合、譲渡禁止債権であっても貴社を応援するために可能な限り対応します。譲渡禁止特約の内容にもよりますが、まずはお問い合わせください。
民法(債権法)解説でより使いやすくなったファクタリングのメリットを活かしましょう。
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