カテゴリー: ファクタリング

保証ファクタリングとは?仕組み、メリット・デメリット、使い分けを徹底解説!

近年、売掛金を早期資金化する「ファクタリング」が急速に普及しています。
一般的に、「ファクタリング」という場合には売掛金の買取サービスを指すことが多いのですが、ファクタリングには様々なタイプがあります。
例えば、売掛金ではなく診療報酬や介護報酬を買い取るファクタリングがあるほか、資金調達を目的としない保証ファクタリングなどもあります。
中でも、目的の違いから特に理解しづらいのが保証ファクタリングです。
本稿では、ファクタリングのより良い利用のために、保証ファクタリングを徹底解説します。

ファクタリングとは?

 
近年、新しい資金調達方法として注目されているファクタリング。
ファクタリングといえば売掛金の早期資金化というイメージが定着しつつありますが、必ずしもそうとは限りません。
この記事のテーマである保証ファクタリングのように、資金調達を目的としないファクタリングもあるのです。
まずは、保証ファクタリングの基本から解説します。

ファクタリング=債権譲渡

 
一般的に、ファクタリングは資金調達方法の一つと考えられています。
確かに、日本で最も普及しているのは売掛金を買い取るファクタリングです。
金融庁も、ファクタリングを以下のように定義しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
この定義にある通り、ファクタリングは売掛金の早期資金化サービスとして普及しています。
この場合、法的には債権譲渡取引に分類されます。
この定義によれば、会社の所有している売掛金を、ファクタリング会社に有償譲渡することによって早期資金化するサービスといえるでしょう。
では、保証ファクタリングはどうでしょうか?
後述の通り、保証ファクタリングは売掛金の支払いを保証するものであり、早期資金化にはつながりません。
しかしながら、保証ファクタリングも法的には債権譲渡に分類されています。
国土交通省が実施している下請債権保全支援事業は、特定の場合に保証ファクタリングの保証料を助成する制度です。
この制度について、国土交通省は以下のように述べています。

第6 この通知において「保証ファクタリング事業者」とは、原則として債権の譲渡を受けるものとして債権の支払を保証し、保証債務の履行及び当該債務の回収を行う者をいう。

出典:出典:国土交通省「下請債権保全支援事業について」
これをみれば、保証ファクタリングも法的に債権譲渡の一種であることは明らかです。
保証ファクタリングと買取ファクタリングは、目的や利用が全く異なるものの、法的な括りはどちらも債権譲渡といえます。

保証ファクタリングとは?

 一口にファクタリングといっても、色々なタイプが存在します。
例えばNo.1では、以下の3種類のファクタリングサービスを提供しています

▼主なファクタリングの種類

・最も一般的な売掛金の買取ファクタリング
・診療報酬を資金化する診療報酬ファクタリング
・介護報酬を資金化する介護報酬ファクタリング
このほかにもいくつかのファクタリングがあります。
ファクタリングの種類については以下もご参照ください。
ファクタリングの種類についての詳しい説明はこちら

中でも経営効率化のために推奨されることもある「保証ファクタリング」を眼にする機会が多いです。

 保証ファクタリングは、色々なタイプがあるファクタリングの中で、仕組みや目的が大きく異なります。
もし、一般的なファクタリングのイメージをもって保証ファクタリングを利用してしまうと、期待した効果はほとんど得られず、却って資金繰りに支障をきたす恐れがあるため、注意が必要です。

 一般的なファクタリングの利用を考えている方も、保証ファクタリングの仕組みを良く理解した上で使い分けていくことが大切です。

保証ファクタリングの定義

 
ここで、保証ファクタリングの定義について確認しておきましょう。
保証ファクタリングも買取ファクタリングと同じく債権譲渡の一種ですが、定義は大きく異なります。
金融庁によれば、買取ファクタリングの定義は「売掛金の早期資金化サービス」です。
現時点では、金融庁は保証ファクタリングを明確に定義していません。
しかしながら、保証ファクタリングに関する裁判の事例などを根拠として、法的な見地からは以下のように定義されています。

「保証ファクタリング」とは、債権者である売主がその取引先である複数の買主に対して有する売掛債権(または、手形債権)について、債務不履行などの約定の事由が生じた場合に、約定の限度額の範囲において金融機関から当該債権の支払いを受けることを目的として、債権者と当該金融機関との間で締結される契約である。

出典:出典:東洋法学 第58巻第 3 号(2015年 3 月) 「委託を受けない保証」(いわゆる「保証ファクタリング」)の法的性質
簡単にいえば、保証ファクタリングの定義は「売掛金の支払保証サービス」ということです。
今後、金融庁が見解を明らかにすることで、保証ファクタリングの定義が微妙に変わってくるかもしれません。
しかしながら、「保証ファクタリング=支払保証」という定義が大きく変わることは考えにくいです。
ひとまず、保証ファクタリングの定義はこのように捉えておけば間違いないでしょう。

保証ファクタリングの法的根拠

 
さて、保証ファクタリングを利用する上で気になるのが法的根拠です。
ファクタリングの普及が急速に進んでいるとはいえ、融資などに比べるとまだまだマイナーです。
最も普及している買取ファクタリングでさえ、正しい理解が浸透していません。
また、ファクタリングに関する法整備が不十分であることから、悪質業者が紛れ込んでいることも事実。
このため、ファクタリングを危険なもの、違法なものと考える人もいます。
しかしながら、買取ファクタリング・保証ファクタリングを問わず、ファクタリングは合法です。
上記の通り、国土交通省は保証ファクタリングを債権譲渡としています。
これこそ、保証ファクタリングの法的根拠にほかなりません。
民法では、債権譲渡について以下のように定めています。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
これをファクタリングに当てはめると、「債権は、(保証ファクタリングによって)譲り渡すことができる」ということです。
このように、法律では債権譲渡を明らかに認めています。
保証ファクタリングも法的に債権譲渡の一種ですから、民法第466条によって合法性は担保されるというわけです。
もっとも、保証ファクタリングに関する裁判事例や法律家の考察をみると、保証ファクタリングは一概に債権譲渡と言い切れない、保証ファクタリングは破産法が根拠になりうる、といった意見もあるようです。
とはいえ、現時点では「保証ファクタリング=債権譲渡」という解釈が一般的であること、そして保証ファクタリングが合法であることは間違いありません。
保証ファクタリングを利用した会社が法律に抵触することはなく、保証ファクタリングを提供している業者も合法的に営業しています。

保証ファクタリングの仕組み
保証ファクタリングとは、売掛金の回収を保証するファクタリングサービスであり、簡単にいえば保険のようなものです。
 保証ファクタリングを利用しておくと、売掛先が倒産して売掛金の回収が不可能になった場合に、ファクタリング会社によって売掛金の支払いが保証されます。
 つまり、保証ファクタリングは、ファクタリング会社に保証料を支払って売掛金に保険をかけることにより、貸し倒れリスクを回避できるサービスです。

保証ファクタリングと一般的なファクタリングの違い
 保証ファクタリングと一般的なファクタリング(買取ファクタリング)の最大の違いは、ファクタリングを利用する目的にあります。
 一般的に、ファクタリングといえば「売掛金の買取」として知られています。
ファクタリング手数料を支払うことで売掛金を買い取ってもらい、スピーディに資金を調達することが目的です。これを買取ファクタリングといいます。
 したがって、買取ファクタリングの主な目的は「資金調達」であるといえます。
 これに対し、保証ファクタリングの主な目的は「貸し倒れリスクの回避」です。
保証ファクタリングを利用しても、買取ファクタリングのように即座に売掛金を回収できるわけではなく、資金調達を目的として利用することはできません。
 このような目的の違いを認識しておくと、保証ファクタリングの特徴がよくわかると思います。

どのような場合に保証される?
 保証ファクタリングでは、ファクタリング契約の際に保証上限額を取り決めます。
売掛先の経営破綻が確認されると、契約した保証上限額の範囲内で、ファクタリング会社から保証が行われます。

 保証ファクタリングを利用した会社が、売掛金の保証を受けられるのは、売掛先が法的な経営破綻、または事実上の経営破綻に至ったことが確認されたときです。
経営破綻した売掛先から売掛金を回収することはできないため、ファクタリング会社の保証が適用されます。
 逆に、売掛先が支払い期日に遅れて回収が難航していても、売掛先が完全な経営破綻状態にはなく、売掛金回収の見込みが残っている段階では、保証を受けることはできません。
 したがって、保証の条件はかなり厳格に決められています。
保証される主な条件は以下です。

▼保証される条件

・破産、会社更生、民事再生、特別清算などの法的倒産手続きが開始された場合
・6ヶ月以内に手形の不渡りを2回起こして手形交換所の取引停止処分を受け、事実上の経営破綻に至った場合
・本店事務所の閉鎖、全ての営業活動の廃止など、事業活動が完全に停止し、事実上の経営破綻に至った場合

保証ファクタリングの特徴

 
保証ファクタリングの理解を深めるには、他のファクタリングとは異なる特徴を知るのがよいでしょう。
保証ファクタリングの大きな特徴は、ファクタリングの方式と手数料、そして契約にあります。

保証ファクタリングの方式

 
ファクタリングにはいくつかの方式があります。
ファクタリングの方式を大きく分けると以下の2つです。

  • 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの大きな違いは「売掛先の関与」にあります。
2社間ファクタリングは売掛先が一切関与しません。
このため、売掛先にファクタリングの利用を知られることがなく、手続きやスピードにもすぐれています。
3社間ファクタリングは売掛先が関与する方式です。
売掛先の協力がなければ成り立たず、手続きがやや煩雑になり、スピードにも難があります。
買取ファクタリングの場合、利用会社の状況や目的にあわせていずれかを選んで利用します。
これに対し、保証ファクタリングは基本的に2社間ファクタリングの一択です。
なぜ「保証ファクタリング=2社間ファクタリング」かといえば、そもそも保証ファクタリングを3社間で行う意味がないためです。
買取ファクタリングであれば、3社間で取引することによって健全性が高まり、コスト削減にもつながります。
特に、売掛先から債権譲渡承諾を得ることにより、ファクタリング会社は売掛先から直接売掛金を回収できるようになり、回収時のリスクを大幅に軽減できます。
つまり、3社間の買取ファクタリングは、買い取った売掛金を「売掛先→ファクタリング会社」の流れで回収することに意味があるわけです。
保証ファクタリングは、売掛金の買い取り(早期資金化)ではなく支払保証です。
売掛金の支払いはあくまでも「売掛先→利用会社」であり、売掛先が支払えない場合にファクタリング会社が支払いを保証します。
このため「2社間で回収するか、3社間で回収するか」という考え方自体が成り立たず、あえて3社間で取引する意味もありません。
だからこそ、保証ファクタリングは2社間ファクタリングが基本となります。

保証ファクタリングの手数料

 
保証ファクタリングと買取ファクタリングでは、手数料の仕組みも異なります。
買取ファクタリングの場合、「ファクタリング手数料」などの名目で請求するのが一般的です。
ファクタリング会社によっては、案件ごとに事務手数料や出張費などの諸経費を請求することもあります。
このことから、買取ファクタリングの手数料は「買取手数料(=売掛金の買い取りに伴う手数料)」とも呼ばれます。
買取手数料の相場は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
  • オンラインファクタリング:額面金額の10%以下

これに対し、保証ファクタリングの手数料は「売掛金の支払保証に伴う手数料」であり、いわば保証料として支払うものです。
保証ファクタリングの手数料について、専門家は以下のように述べています。

保証ファクタリングの対価として、債権者から金融機関に対して一定の金銭(保証料と称されることが多い)が支払われること

出典:出典:東洋法学 第58巻第 3 号(2015年 3 月) 「委託を受けない保証」(いわゆる「保証ファクタリング」)の法的性質
ここに「金融機関」とあるのは、この文書が金融機関の保証ファクタリングを前提としているためであって、ファクタリング会社の保証ファクタリングについても同様です。
このように、買取ファクタリングでは買取手数料を支払い、保証ファクタリングでは保証料を支払うという違いがあります。
また、買取手数料は額面金額と手数料率で計算するのに対し、保証ファクタリングの保証料は保証金額・保証機関・保証料率で計算します。
保証料率の設定はファクタリング会社によって異なりますが、年1~4%が相場です。
買取ファクタリングの手数料率を年利に換算すると、保証ファクタリングの保証料率よりもはるかに高くなります。
この意味において、保証ファクタリングは他のファクタリングに比べて手数料が安いことが特徴といえるでしょう。
保証ファクタリングの具体的なコストについては、後程詳しく解説します。

保証ファクタリングの契約

 
保証ファクタリングは、契約も特徴的です。
買取ファクタリングの場合、有償譲渡によって売掛金を早期資金化することから、債権譲渡契約が軸となります。
このほか、取引の形態によって債権譲渡登記に関する契約や、売掛金の回収に関する契約を結ぶことも多いです。
保証ファクタリングも債権譲渡取引の一種ですが、定義としては「売掛金の支払保証」です。
このため、保証ファクタリングの契約は保証契約が軸となります。
もっとも、実際の手続きでは「保証ファクタリング契約」などの名目で契約することが多いようです。
保証ファクタリングの契約に関して、専門家も以下のように述べています。

(保証ファクタリングを申し込み、審査に通った後)売主(債権者)は、金融機関との間で、取引先の信用度に基づいて決定される保証料率による保証料を支払って、保証ファクタリング契約を締結する。

出典:出典:東洋法学 第58巻第 3 号(2015年 3 月) 「委託を受けない保証」(いわゆる「保証ファクタリング」)の法的性質
このように、買取ファクタリングと保証ファクタリングでは契約が異なるため、初めて利用する際には戸惑うかもしれません。
しかしながら、後述の通り、保証ファクタリングは主に銀行系・ノンバンク系のファクタリング会社が手掛けるサービスですから、悪質業者のリスクはほぼゼロです。
基本的には、ファクタリング会社の説明に沿って契約すれば問題ないでしょう。

保証ファクタリングの利用の流れ

 
ここからは、保証ファクタリングの利用の流れについてみていきましょう。
保証ファクタリングの一般的な流れは以下の通りです。

1.保証ファクタリングの申し込み

 
まず、保証ファクタリングに申し込む必要があります。
ファクタリング市場の拡大に伴い、ファクタリング会社の数は増える一方です。
しかし、その多くは買取ファクタリングを専門とする業者であり、保証ファクタリングには対応していません。
保証ファクタリングを提供しているのは、主に銀行系ファクタリングとノンバンク系ファクタリングです。
対応しているファクタリング会社の数が少なく、詳しい条件を公開していないパターンも多いです。
したがって、申し込み前の段階で比較検討できる部分は限られているため、ファクタリング会社にはあまり迷わない(迷う余地がない)でしょう。
利用会社は、取引先の中から保証ファクタリングの対象としたい売掛先を選んでから保証ファクタリングを申し込みます。

2.保証ファクタリングの基本契約を結ぶ

 
保証ファクタリングは、申し込みの段階で保証取引基本契約を結ぶのが一般的です。
この時点では審査を受けておらず、実際に保証ファクタリングを利用するかどうか、利用する際の条件はどうかなど、あらゆることが決まっていません。
ここで結ぶのはあくまでも基本契約であり、一定期間にわたって保証を行うこと、保証対象の全てに共通の条件などを取り決めるものです。
このことからも分かる通り、保証ファクタリングは長期契約が基本となります。
契約期間は個々の契約で異なるものの、買取ファクタリングのような(売却した売掛金を回収すれば契約終了)短期契約ではありません。

3.保証ファクタリングの審査

 
ファクタリング会社は、保証希望先に対して保証審査を実施します。
保証ファクタリングは2社間ファクタリングのため、売掛先は一切関与しません。
保証希望先に対する信用調査も、ファクタリング会社が独自に行います。
直接的な調査は不可能なため、保証ファクタリングの信用調査は全て側面調査です。
例えば、保証希望先に関するデータを信用調査会社から取り寄せたり、信用情報機関のデータを照会したりすることで審査を行います。
このため、保証ファクタリングの利用を売掛先に知られる心配はありません。
保証審査の目的は、保証の請負の可否、請け負う場合の条件(保証料率と保証上限)を判断することです。
上記の通り、保証ファクタリングでは保証先が倒産(あるいは実質的な倒産)に陥った場合に支払いを保証します。
保証先が倒産することは、ファクタリング会社にとっては損失を意味するため、「倒産のリスクが高い」と判断すれば審査には通りません。
「倒産の懸念がある」と判断した場合、その程度によって保証の可否を判断します。
深刻な懸念でなければ、保証料率を高めに設定したり、保証上限額を小さく設定することで保証を請け負うことも多いです。

4.保証ファクタリングの契約

 
保証審査が完了すると、ファクタリング会社から利用会社に審査結果が通知されます。
審査に問題がなく、保証条件に合意すれば保証ファクタリング契約を結びます。
保証ファクタリングの申し込み時に結んだのは、すべての保証に共通する基本契約です。
ここでは、今回申し込んだ保証希望先についての個別保証契約を結びます。
ただし、個別保証契約の内容や適用範囲はファクタリング会社によって大きく異なる場合があります。
保証先ごとに異なる条件で契約を結ぶこともあれば、すべての保証先に対して包括的に契約を結ぶこともあるのです。
保証先が少数であれば前者のパターン、保証先が多数であれば後者のパターンになる傾向があります。

5.保証料の支払い、保証開始

 
保証ファクタリング契約の締結後、保証料を支払うことで保証が開始されます。
ファクタリング会社によって、保証料の支払いと保証開始の流れが若干異なる場合があるようです。
専門家の見解の中には、「保証料の支払い→保証ファクタリング契約の締結→保証開始」とするものもあります。
しかしながら、保証料率や支払条件は保証ファクタリング契約の中で決めるものであり、保証ファクタリング契約を締結前に保証料を支払うことは考えにくいです。
したがって、基本的には「保証ファクタリング契約の締結→保証料の支払い→保証開始」という流れになるでしょう。

6.保証履行

 
契約の期間中に保証先が倒産し、売掛金を回収できなくなれば、ファクタリング会社から支払い保証を受けることができます。
ただし、保証を受けるためには、保証ファクタリング会社に保証の履行を請求しなければなりません。
保証ファクタリングを利用しているからといって、保証金が自動的に支払われることはないのです。
保証履行事由はほとんどの保証ファクタリングで共通していますが、ファクタリング会社ごとの設定や保証履行事由によって、請求の流れや必要書類は異なります。
ファクタリング会社に問い合わせ、案内に従って請求するのがよいでしょう。

保証ファクタリングのメリット
 一般的な買取ファクタリングのイメージばかりを持っていた人には、即日で資金調達できない保証ファクタリングのメリットがあまり分からないかもしれません。
 確かに即日資金調達には使えないものの、保証ファクタリングには色々なメリットがあります。

貸し倒れリスクの回避
 既に述べた通り、保証ファクタリングを利用することで貸し倒れリスクを回避することができます。
このメリットの大きさは、具体的な数字で考えると分かりやすいです。

 例えば、利益率10%のビジネスを営んでいる会社が100万円の利益を得るためには、1,000万円の売上をあげる必要があります。
しかし、1,000万円の売上を得たとしても、売掛先が倒産してしまえば売上は得られず、1,000万円の貸倒損失が発生します。
 さて、この貸し倒れ損失を取り戻すためには、いくらの売上が必要でしょうか。
利益率10%ですから、1億円の売上が必要になります。
 このように、売掛先が倒産して貸倒損失が発生してしまうと、それを取り戻すためにさらに多くの売上が必要となり、キャッシュフローが大きく悪化する危険があります。
 
 保証ファクタリングを利用していると、このリスクを大幅に軽減できます。
保証ファクタリングでは、売掛金の額面を100%保証するのではなく、いくらかディスカウントしたものを保証上限額として設定し、その範囲内で保証を行います。
 例えば、1,000万円の売掛金のうち900万円を上限に保証するといった契約です。

 この場合、売掛先が倒産してもファクタリング会社から900万円が保証されるため、貸倒損失は100万円で済みます。
これを取り戻すには再び1,000万円の売上が必要になるだけで、キャッシュフローの悪化は起こりません。

 保証上限額は売掛先の信用調査によって決まるため、この例のようなケースばかりではありません。
とはいえ、本来ならば全額が貸倒損失になるべきところを、大部分を保証してもらえるメリットは非常に大きいといえます。

与信管理をファクタリング会社に任せられる
 ファクタリング会社に与信管理を任せられるのも、非常に大きなメリットです。
 ほとんどの会社が掛取引をしています。
掛取引をする以上、与信額の設定や売上回収のために与信管理を行う必要がありますが、多くの中小企業では十分な与信管理ができていません。
 これは、与信管理にノウハウが必要であることや、手間がかかることが原因です。
 与信管理は、決して簡単なものではありません。
ほとんどの会社には十分な与信管理ノウハウがなく、与信管理業務に人材を振り分けられるほど、労働力の余裕もない会社がほとんどです。
自社で与信管理ができるのが理想ですが、現実的には困難な場合が多いのです。
 自社では無理がある業務や、自社でやろうとすれば効率が低下してしまう業務などは、アウトソーシングするべきです。
保証ファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社に与信管理を任せることができます。
 保証ファクタリングを提供しているファクタリング会社では、貸し倒れの際に保証を行うだけではなく、それに付随して与信管理やその周辺業務を手掛けています。
具体的には以下の与信管理業務を委託できるのです。

▼委託できる主な与信管理業務

・特定少数の取引先に売上が集中しているが、現在設定している与信限度額は適正か?(与信限度額を引き下げるべきか?いくらまで引き上げてもよいか?)
・売掛先から取引の拡大を持ち掛けられたが、与信限度額はいくらが適正か?(いくらまでの取引を許容して良いか?)
・売掛先が遠方にあるため営業マンが頻繁に足を運べず、経営状況の変化を掴めない。(懸念すべき材料があればすぐに知りたい。与信限度額の引き下げなども提案してほしい)
 特に、売掛先の情報を逐一把握できるのが魅力的です。
例えば、三井物産クレジットコンサルティング株式会社の保証ファクタリングでは、売掛先の信用状況の常時モニタリングを依頼できます。
特に重要性・緊急性の高い情報が発生した場合には、毎日情報を受け取ることも可能です。

 自社で与信管理する場合、重要・緊急の情報を即座にキャッチすることは難しく、大きな変化が起きたからといって毎日調査し続けることも現実的ではありません。
 それをアウトソーシングできることは、保証ファクタリングの大きなメリットです。

ファクタリング会社に安心感がある
 このほか、保証ファクタリングを提供しているファクタリング会社は大手が多いため、安心感があることもメリットといえるでしょう。
以下のような、東証一部上場の大企業の子会社が多数あります。

▼保証ファクタリングを扱っている主な会社

・出光クレジット株式会社(出光興産の子会社)
・りそな決済サービス株式会社(りそなホールディングスの子会社)
・三井物産クレジットコンサルティング株式会社(三井物産の子会社)
 このようなファクタリング会社に保証ファクタリングを依頼する場合、少なくともファクタリング会社を装って違法営業している悪徳業者を利用する危険は避けられます。
 また、上記の通り保証ファクタリングの大きなメリットは与信管理のアウトソーシングにありますが、大手ファクタリング会社は金融業としての経験やノウハウがしっかりしているため、充実したサービスが期待できます。

積極的な事業展開が可能に

 
営業拡大や、新規事業展開を検討している会社には、保証ファクタリングが役立つかもしれません。
保証ファクタリングは積極的な事業展開と相性が良いのです。
営業活動に力を入れ、新規顧客を獲得していくにあたり、与信管理が問題になります。
新規顧客は取引の経験がないだけに、経営者の責任能力、資金繰りの状況、支払い能力などを十分に把握できません。
どの程度まで信用できるかが不明なのです。
もちろん、信用調査などによってある程度までは把握できますが、取引先が悪い情報を隠していることも考えられます。
新規事業展開にも同じことが言えます。
全く異なる分野に進出したり、全く新しいエリアに進出したりする場合、ほとんど全てが新規取引になるわけです。
したがって、営業拡大や新規事業展開の場合、契約条件は厳しく設定する必要があります。
例えば、与信限度額を低く設定する、一部を現金取引にする、支払いサイクルを短く設定するといった方法が一般的です。
とはいえ、与信管理の徹底は容易ではありません。
与信管理のために社内体制を整備したり、与信管理専門の人材を確保したり、与信調査にコストを掛けたり、なにかと負担になるものです。
慎重になりすぎると事業展開が遅れ、展開そのものが不首尾に終わる可能性があります。
かといって、与信管理を軽視すれば回収不能リスクに対処しきれず、本末転倒の結果になりかねません。
そこで、保証ファクタリングが役立ちます。
新規取引先の保証を依頼し、保証審査の結果に応じて契約をコントロールすれば、回収不能リスクは軽減できます。
保証ファクタリングの審査の結果と保証条件から、新規取引先の信用度を測ることができ、それに応じて与信限度額を大幅に引き上げたり、低く抑えたりすることも可能です。
これにより、積極的な事業展開が可能になるというわけです。
このように、事業拡大を目指す会社には保証ファクタリングが役立ちます。

保証料が安い

 
保証ファクタリングは、保証料が安いこともメリットです。
少なくとも、買取ファクタリングで支払う手数料よりも安くなるのが普通です。
このことは、買取ファクタリングの手数料率と保証ファクタリングの保証料率を比較するとよくわかります。
1ヶ月後に回収予定の売掛金を手数料率20%で早期資金化する場合、手数料率を年利換算すると240%になります。
これに対し、保証ファクタリングの保証料率は年1~4%が相場です。
手数料率と保証料率を比較すると、保証ファクタリングの安さが分かると思います。
実際に支払う買取手数料と保証料を比較しても、保証ファクタリングの方が安いです。
簡単に比較してみましょう。
額面金額1000万円の売掛金を手数料率20%で早期資金化する場合、利用会社が支払う買取手数料は200万円です。
保証ファクタリングは、保証金額・保証料率・保証期間中によって保証料が決まります。
例えば、保証上限を1000万円として、90日間にわたって保証料率3%で保証を受けるとしましょう。
この場合、保証料は「1000万円×3%×90日÷365日≒73,972円」です。
買取ファクタリングと保証ファクタリングでは、利用目的やメリット・デメリットが異なるため、一概にどちらが高い、あるいは安いとはいえません。
しかしながら、単純にコストだけを比較した場合、保証ファクタリングの方が安いといえます。

業種によっては保証料の補助を受けられる

 
冒頭でも少し触れましたが、国土交通省は下請債権保全支援事業を実施しています。
これは、下請建設企業等(元請建設企業から建設工事を請け負っている下請建設企業、元請建設企業に資材を供給している資材業者)が、保証料の助成を受けられる制度です。
これにより、保証料の33%の助成を受けることができます(ただし年率1.5%を上限)。
例えば、保証上限1000万円、保証日数90日、保証料率3%の場合、支払う保証料は73,972円です。
このとき、保証料33%の助成を受けることにより、実質的な保証料の負担を49,561円に抑えることができます。
33%ものコストを削減できるのですから、大きなメリットといってよいでしょう。
助成を受けられる業種・業者は限られますが、利用できる場合には積極的に活用しましょう。

売掛先に保証ファクタリングの利用を知られない

 
徐々に普及してきたとはいえ、ファクタリングにネガティブなイメージを抱く人も少なくありません。
売掛先に保証ファクタリングの利用を知られると、信用が悪化する恐れがあります。
また、保証ファクタリングは買取ファクタリングとは異なり、支払保証を目的とするものです。
当然ながら、回収不能の懸念がある売掛先を選んで保証を依頼します。
売掛先によっては、そのように不安視されること自体、不快に感じるかもしれません。
保証ファクタリングの審査では信用調査を行うため、「痛くもない腹を探られた」と感じる人もいるでしょう。
したがって、売掛先にはできるだけ知られずに利用したいところです。
その点、保証ファクタリングは全く問題ありません。
すでに解説した通り、保証ファクタリングは2社間で取引します。
売掛先が一切関与しないため、保証ファクタリングの利用を売掛先に知られることはありません。
以下の通り、保証ファクタリングの秘匿性は専門家のお墨付きです。

(保証ファクタリングの特徴のひとつは)保証ファクタリングの履行として金融機関が弁済するまでは、当該債務者には保証ファクタリングの存在は知らされないこと

出典:出典:東洋法学 第58巻第 3 号(2015年 3 月) 「委託を受けない保証」(いわゆる「保証ファクタリング」)の法的性質
ここにあるように、保証が履行された場合に限って、保証ファクタリングの利用が通知されます。
保証ファクタリングの利用を売掛先に知られるわけですが、ほとんど問題にはなりません。
というのも、保証が履行されたということは、売掛先が倒産したことを意味します。
倒産した以上、その売掛先との取引は消滅するため、信用がどうなろうと何ら影響はないのです。

保証ファクタリングのデメリット
 メリットだけではなく、保証ファクタリングのデメリットもしっかり押さえておきましょう。

資金調達に利用できない

 
資金調達に利用できないことは、保証ファクタリングの最大のデメリットといえます。
保証ファクタリングは、あくまでも売掛金の支払保証を受けるものであって、売掛金の早期資金化を目的とするものではありません。
これが、保証ファクタリングがなかなか普及しない理由といえます。
ファクタリングを利用する会社の多くは、銀行から融資を受けられない、緊急の資金調達を必要としている、といった問題を抱えています。
特に多いのが、銀行融資を受けられずにファクタリングを利用するケースです。
業績が悪化している、赤字決算になった、債務超過状態に陥っている、税金を滞納している、リスケジュール中である、業歴が短い、担保・保証が不足しているなど、銀行融資を受けられない理由は様々です。
これらの状況では、すべての銀行から融資を断られ、ノンバンクの審査にさえ落ちることが珍しくありません。
それでも、資金繰りを回すには現金が必要です。
このような場合、手元の売掛金さえあれば資金を調達できる買取ファクタリングが役に立ちます。
保証ファクタリングは何の役にも立ちません。
保証ファクタリングを使えるのは、手元資金が潤沢で資金繰りに余裕があり、資金調達をほとんど必要としておらず、なおかつ万が一に備えて回収不能リスクを軽減したい会社だけです。
ごく一部の優良企業を除き、このような状況は考えにくいです。
保証ファクタリングが全く役に立たないわけではありませんが、実際に役立てることは難しいといえます。

保証料がかかる
 保証ファクタリングには保証料がかかります。
 保証ファクタリングでは、売掛金額の価値をいくらか低く見積もって保証上限額を決めるため、この減額分を保証料と勘違いしてしまう人がいます。
例えば、1,000万円の売掛金に800万円の保証をつけるとき、差額分の200万円が負担のように思えてしまうのです。
 しかし、これはあくまでも保証限度額を決めているだけで、差額の200万円がファクタリング会社の売上になるわけではありません。
貸し倒れになった場合、満額の1,000万円ではなく、800万円までの保証に抑えられるだけであって、ファクタリング会社の売上とはなんら関係ありません。
 ファクタリング会社の儲けは保証料です。
保証料は以下などを総合的に見て決めています

▼保証料が決まる主な要因

・売掛先の信用状況
・売掛金額
・保証期間(支払い期日までの期間)
 保証料率は保証する売掛金ごとに異なり、ファクタリング会社によっても変わります。
基本的には1~4%が相場といわれますが、上記に挙げた出光クレジットなどの大手ファクタリング会社でさえ、保証料率をあらかじめ「〇~〇%」と明記することなく、審査に応じて取り決めるとしています。
したがって、依頼前に「大体これくらいだろう」と考えすぎないほうがよいでしょう。
 

保証ファクタリングが受けられないこともある
 このほか、売掛金によっては保証ファクタリングを受けられないこともあります。
保証ファクタリングは、保証料を受け取ることで売上を得ていますが、売掛金が支払われずに保証が必要になれば保証料など簡単に吹き飛んでしまいます。
 例えば、1,000万円の売掛金を3ヶ月間、保証料率3%で保証する場合、

  1,000万円×3ヶ月×3%=90万円
の保証料が得られます。
しかし売掛先が倒産したために800万円の保証を支払うことになれば、ファクタリング会社は710万円の損失を被ることになるのです。
 保証上限額の引き下げや保証料率の引き上げによって対応できる売掛金ならば、保証を受けられる可能性が高いです。
しかし、売掛先の信用状況が悪すぎる場合には、保証上限額や保証料率ではリスクをコントロールできないため、保証を断るのが普通です。

保証履行事由が厳しい

 
保証履行事由が厳しく、いざというときに頼りにならないことも、保証ファクタリングの大きなデメリットといえます。
保証ファクタリングの保証履行事由を簡単にいえば、「保証先の倒産」です。
逆にいえば、保証先が倒産しない限り、支払保証を受けることはできません。
例えば、保証履行事由のひとつに「6ヶ月以内に手形の不渡りを2回起こして手形交換所の取引停止処分を受け、事実上の経営破綻に至ること」があります。
あくまでも「6ヶ月以内に2回の不渡り」が条件であり、「6ヶ月以内に1回の不渡り」では保証は履行されません。
極端にいえば、6ヶ月ごとに1回のペースで不渡りを繰り返しても、保証履行事由には該当しないのです。
当然ながら、単なる支払い遅延も保証の対象外です。
期日通りに支払うかどうかは、倒産するかどうかに直接関係ありません。
むしろ、売掛金の支払いを遅らせることで延命を図れば、倒産は先延ばしできます。
保証先の経営が悪化して売掛金の支払いが遅れた場合、資金繰り計画に狂いが生じるでしょう。
資金繰りに余裕がなければ、支払い遅延によって資金ショートを引き起こすかもしれません。
そんな時こそ、ファクタリング会社から支払保証を受けたいところですが、いくら支払いが遅れたところで、売掛先が倒産しなければ保証は履行されないのです。
これでは何のために保証ファクタリングを利用しているのか分かりません。

保証ファクタリングがおすすめの会社
 すぐに資金調達が必要な会社は、保証ファクタリングではなく一般的な買取ファクタリングを利用してください。
No.1にご相談いただければ、即日での対応も可能です。

 しかし、今は買取ファクタリングが必要な会社も、いずれ保証ファクタリングが役立つ機会があるかもしれません。
 保証ファクタリングが特におすすめの会社は、「回収サイトが長い会社」、「与信管理に困っている会社」の2つです。

回収サイトが長い会社
 回収サイトをできるだけ短縮し、支払いサイトをできるだけ延長することが資金繰り改善の基本です。
 このため、回収サイトが長くて困っている会社では、売掛先との交渉や買取ファクタリングの活用によって回収サイトを短縮していくべきです。
 しかし、すでに回収サイトの短縮に十分取り組んでいる会社や、業種特有の慣例・商習慣によって回収サイトが長くならざるを得ない会社もあるでしょう。
 そのような会社には、保証ファクタリングがおすすめです。
回収サイトが長いということは、支払いを待っている期間中に売掛先の経営が悪化するリスクも高いということです。
保証ファクタリングによって、このリスクにあらかじめ対処しておくのは効果的な使い方です。

与信管理に困っている会社
 回収サイトに悩んでいない場合でも、「信管理の難しさに悩んでいる」、「信管理にかかるコストや労働力に悩んでいる」といった会社は多いと思いますが、そのような会社も保証ファクタリングがおすすめです。

 保証ファクタリングのメリットで解説した通り、保証ファクタリングを利用することで与信管理をアウトソーシングすることが可能です。
与信管理のプロに任せてしまえば、与信管理に伴う悩みの大部分を解消できるはずです。
 新規取引先開拓や新規事業展開など、与信管理が難しい局面でも安心して事業に専念できるため、積極的に事業を拡大していきたい会社にもおすすめです。

保証ファクタリングよりも買取ファクタリングを選ぶべきケース

 
ここまでの解説を読んで、
「結局、保証ファクタリングってどうなの?」
「買取ファクタリングで十分な気がするけど・・・」
と感じた人もいることでしょう。
保証ファクタリングと買取ファクタリングは根本的に異なるため、一概にどちらを利用すべきとは言えません。
状況と目的によって使い分けることが必要です。
保証ファクタリングよりも買取ファクタリングが役立つのは、以下のような場合です。

資金を調達したい

 
保証ファクタリングは資金調達には使えません。
資金を調達したい場合には買取ファクタリングを利用してください。
買取ファクタリングは、資金調達方法として非常に優れています。
融資とは審査基準が異なるため、銀行の融資審査に落ちた会社でも資金を調達できます。
業績悪化はもちろんのこと、連続赤字や債務超過、税金滞納、リスケ中など、銀行融資が絶望的な状況でさえ調達可能です。
また、業歴を問わず利用できること、無担保・無保証で利用できることなども、買取ファクタリングの大きな魅力です。
さらに、スピーディな資金調達にも力を発揮します。
ファクタリング方式別の資金調達スピードは以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:最短即日
  • 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
  • オンラインファクタリング:最短数時間

No.1のファクタリングサービスも、スピード対応に定評があります。
特に、オンラインファクタリングでは最短60分入金の実績が多数ございます。

買取ファクタリングでもリスクを回避できる

 
保証ファクタリングは、回収不能リスクの回避に役立ちます。
では、買取ファクタリングは回収不能リスクに役立たないかといえば、そんなことはありません。
買取ファクタリングも回収不能リスクの回避に効果的です。
買取ファクタリングは、原則的に「償還請求権なし」で契約します。
償還請求権とは、譲渡した売掛金が回収できなくなった場合、譲受人が譲渡人に買い戻しを求める権利のことです。
買取ファクタリングには償還請求権がないため、ファクタリングした売掛金が回収できなくなっても、利用会社はなんら責任を負いません。
回収不能による損失は全てファクタリング会社が負担します。
このように、買取ファクタリングも回収不能リスクの回避に役立ちます。
場合によっては、保証ファクタリングよりも効率的です。
簡単な例で考えてみましょう。
額面金額1000万円に対して保証ファクタリングを申し込み、審査の結果、保証上限は800万円、保証日数90日・保証料率5%になったとします。
この場合、保証料は約10万円です。
売掛先が倒産した場合に限って800万円の支払保証を受けられますが、保証ファクタリング契約の際に保証料を支払っているため、実質的な回収総額は790万円となります。
次に、額面金額1000万円の買取ファクタリングを申し込み、手数料率15%で早期資金化したとしましょう。
この場合に振り込まれる買取代金は、手数料150万円を差し引いた850万円です。
その後、(倒産、経営悪化、経理のミスなど、理由を問わず)売掛金が回収不能になっても買取代金を返還する必要はありません。
このように比較すると、保証ファクタリングよりも買取ファクタリングの方が、効率的にリスクを軽減できるといえます。

資金繰りを改善したい

 
資金繰りの悪化に悩んでいる会社は、買取ファクタリングのほうが役立つ場合が多いです。
資金繰り悪化の原因は様々ですが、売掛金が原因になっているケースが少なくありません。
原則として、手元の売掛金が増加すれば資金繰りが悪化し、手元の売掛金が減少すれば資金繰りが改善します。
売掛金の増加によって資金繰りが悪化している場合、保証ファクタリングは役に立ちません。
保証ファクタリングを利用したところで、手元の売掛金が減少することはないのです。
もちろん、保証ファクタリングを利用すれば、回収不能による資金繰り悪化を防ぐことができます。
とはいえ、これは「資金繰りの悪化防止に役立つ」というだけで、「資金繰りの改善に役立つ」とはいえません。
資金繰りの悪化が深刻であれば、常に資金ショートと隣り合わせです。
この場合に必要なのは「資金繰りの悪化防止」ではなく「資金繰りの改善」であり、保証ファクタリングは無意味です。
買取ファクタリングならば、確実に資金繰りを改善できます。
ファクタリング会社に売却した分だけ、手元の売掛金が減少し、資金繰りが改善するのです。
資金繰りを手っ取り早く改善したい場合、まずは買取ファクタリングを利用しましょう。
買取ファクタリングで資金繰りをコントロールしつつ、支払い条件の見直しを交渉することで資金繰りは更に改善します。
資金繰りを十分に改善した後、保証ファクタリングによって資金繰りの悪化を防止すれば、資金繰りはさらに安定するでしょう。

まとめ:ファクタリングのことならNo.1におまかせ

 ファクタリングには様々な種類があり、それぞれ目的が異なります。
中でも、保証ファクタリングは、「売掛金の早期資金化」ではなく「貸し倒れリスク回避」を目的とするため、一般的な買取ファクタリングとは全く異なるサービスです。
 まずは、買取ファクタリングと保証ファクタリングの違いをしっかり理解し、自社に必要なものを適切に活用していくことを心がけてください。
 No.1では、保証ファクタリングを提供していませんが、一般的な買取ファクタリングをはじめとする数種のファクタリングサービスを提供しています。

ファクタリングについての詳しい説明はこちら

 経営支援コンサルティングも請け負っているため、「自社の資金繰りにとって、保証ファクタリングと買取ファクタリングのどちらが役立つ?」といった相談にも丁寧にお応えします。
 どうぞ、お気軽にご相談ください。

総合フリーダイヤル0120-700-339

名古屋支店直通052-414-4107

福岡支社092-419-2433

受付時間 平日 9:00 ~ 20:00( 土日祝休 )

   

お知らせ

   

お知らせ 一覧へ

DX認定

株式会社No.1は「DXマーク認証付与事業者」として認められました。

to top