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カテゴリー: ファクタリング

約束手形は銀行へいつまでに持ち込む?期限・注意点・間に合わない場合の対処法を解説

約束手形を受け取ったものの、「銀行にはいつまでに持ち込めばいいのか」「期限を過ぎるとどうなるのか」と不安に感じる方は少なくありません。持ち込み期限を誤ると、資金化が遅れるだけでなく、最悪の場合は不渡りや回収不能といったリスクにもつながります。

本記事では、「約束手形を銀行へいつまで持ち込みすべきか」という疑問に対し、基本ルールから注意点、期限に間に合わない場合の対処法までをわかりやすく解説します。

約束手形とはどのようなものなのか?銀行へ持ち込みする前に確認

まず、約束手形そのものについて解説していきます。

約束手形とは?その概要

約束手形とは、将来あらかじめ定めた日に、決められた金額を支払うことを文書で約束する証書の一種です。手形を発行する側(振出人)が、受領する側(受取人)に対して、期日到来時の支払い義務を負う形になります。「手形法」という法律によってその運用は厳格に定められています。ちなみに手形法ができたのは1932年で、100年近くそのまま改正されずに残っています(戦前の法律なのでカタカナ書き)。

約束手形制度は、企業(事業者)同士の取引において、代金の支払いを後日に回すための信用取引として広く活用されています。手形を受け取った側は、満期まで保管して支払いを受けるだけでなく、「裏書」を行うことで、別の相手に権利を移すことも可能です。

支払いの代替手段という点では小切手と共通していますが、小切手が提示と同時に支払われるのに対し、約束手形は指定された期日を迎えるまで原則として換金できません。また、約束手形は基本的に振出人と受取人の二者で成立する取引であるのに対し、為替手形は第三者である支払人が加わる三者関係となる点も大きな違いです。

約束手形の主な種類

約束手形は、使われ方や目的によって複数の区分に分けられます。代表的なものは次の通りです。

受取手形

商品やサービスの対価として取引先から受領した手形で、貸借対照表上は資産として計上されます。「裏書」や「取り立て」するにはこの手形を銀行などに差し出します。

支払手形

仕入代金などを後払いにするため、自社が発行する手形です。貸借対照表上は負債として扱われます。

商業手形

実際の売買や役務提供といった取引を根拠に発行される手形で、内容が明確なため信用性が比較的高いとされています。

融通手形

実体のある取引を伴わず、資金確保を目的として作成される手形です。信用リスクが高く、金融機関から敬遠されるケースもあります。

白地手形

金額や日付などの一部項目が空欄のまま交付され、後日受取人が補記する形式の手形です。高い信頼関係が前提となります。まさに「白紙委任」に近い形で信頼がないとできません。

裏書手形

受取人が署名などの裏書を行い、第三者へ譲渡された手形を指します。譲渡先が期日に支払いを受ける権利を持ちます。裏書の方法などは手形法に厳格に規定されています。

割引手形

約束手形の満期前に金融機関へ持ち込み、手数料を差し引いた金額で現金化された手形です。資金繰り対策、急な資金調達方法として利用されます。

不渡手形

支払期日に振出人の口座残高が不足し、決済されなかった手形です。不渡りが重なると、銀行取引停止など深刻な影響を受ける可能性があります。

不渡手形を持っていても換金できません。発行人は不渡手形2回で「事実上倒産」=銀行と取引できなくなります。

約束手形と小切手との違い

約束手形と小切手はいずれも現金決済の代替手段として利用されますが、資金が動くタイミングに大きな違いがあります。小切手は、受取人が金融機関に提示すれば、原則として即時に支払いが行われます。一方、約束手形はあらかじめ定められた支払期日が到来するまで、現金化できないのが基本です。

また、小切手は発行時点で支払資金が用意されていることが前提となるのに対し、約束手形は将来の支払いを約束する仕組みであるため、支払猶予を伴う点も異なります。このため、約束手形は長めの支払サイトを設定したい企業間取引で多く用いられます。手持ちキャッシュがなくても発行できるのが約束手形です。

約束手形が利用される理由

約束手形が企業取引で使われてきた背景には、資金繰りを柔軟に調整できるという特徴があります。支払側は、売上が入金される前でも取引を進められ、手元資金に余裕を持たせることが可能です。

一方、受取側にとっても、手形は信用力のある取引先から発行されていれば、将来の入金が見込める支払手段となります。さらに、満期を待たずに金融機関で割引を行うことで、早期に資金化できる点もメリットといえるでしょう。

このように、取引の円滑化と資金調整の両立を図れる手段として、約束手形は長年にわたり商取引の現場で活用されてきました。

約束手形は2026年に廃止される

約束手形についてここまで紹介しましたが、実は政府の方針により、2026年をめどに紙で発行される約束手形は利用終了となる予定です。「約束手形の事実上の廃止」となります。

手形制度自体がなくなるわけではないのですが、従来の「紙の手形」がなくなります。いつまで銀行へ手形を持ち込み、割引や取り立てが行えるかは、取引している銀行へ確認しておく必要があります。

メガバンク大手はすでに手形の発行を終了しています。

約束手形に代わり事業主様は新しい決済方法として、電子記録債権(いわゆる「でんさい」)や、インターネットを利用した銀行振込などのデジタル決済サービスへの切り替えを検討する必要があります。

請求書を発行した「売掛債権」のやり取りが今以上に活発になる可能性もあります。

これらの新しい決済手段は、書類管理や持ち込み手続きが不要になるほか、紛失や不正利用といったリスクを抑えられる点が特徴です。業務の効率化や内部統制の強化という観点でも、紙の手形より優位性があるといえるでしょう。

そのため、約束手形を銀行へ持参する際には、今後の制度変更や廃止までの流れを正しく把握しておくことが欠かせません。紙の手形に依存した取引から脱却し、電子的な決済方法へスムーズに移行できるよう、早い段階から準備を進めることが重要となります。

手形の取立と割引の違い

販売先から受け取った約束手形は銀行に持っていき換金しますが、大きく分けて「取立」と「割引」という方法があります。両者は似ているようで、実施する時期・資金が手に入るタイミング・リスク負担が大きく異なります。違いを正しく理解しておくことは、資金繰り管理において欠かせません。

両者について違いを知っておきましょう。

手形の取立

手形の取立とは、支払期日以降に行われる決済手続きを指します。受取人は、支払期日までに銀行へ手形を提出し、期日到来後に振出人の口座から資金が引き落とされることで入金を受けます。

取立の場合、支払期日を迎えるまでは現金を受け取ることはできません。その代わり、割引料のような利息負担は発生せず、支払期日に正常決済されれば、満額が入金されます。ただし、期日に振出人の資金が不足していれば不渡りとなり、回収不能となるリスクがあります。

手形の割引

手形の割引は、支払期日前に約束手形を銀行に買い取ってもらい現金化する方法です。銀行が手形を買い取り、支払期日までの期間に応じた割引料や手数料を差し引いた金額を、受取人へ先に支払います。

割引を利用すれば、満期を待たずに資金を確保できますが、多くの場合は遡求権(償還請求権)付きで行われるため、支払期日に不渡りが発生した場合、受取人が銀行へ返済する義務を負います。また、振出人の信用状況によっては、割引自体が認められないこともあります。

なお手形割引については銀行以外にも、許可された「手形割引業者」でも可能です。ただし割引料は銀行より高くなります。

手形の取立 手形の割引
いつまでに行う 支払い期日以降3営業日以内 支払い期日前
支払い時期 期日後 即時
コスト かからない 割引料(手数料)が発生
不渡り時 配収不能(不渡手形) 返済義務あり(償還請求権付き)

銀行への持ち込みはいつまで?基本ルール

約束手形を銀行に持ち込みする際は、「支払期日」を基準に、割引なのか、取立なのかを正しく区別することが重要です。いつまでに銀行へ約束手形を持ち込みするのか、とても重要です。

約束手形は現金のように自由に換金できるものではなく、時点によって銀行での取り扱いが大きく異なります。

原則となる「支払期日」

約束手形には必ず支払期日が記載されており、この日を境に扱いが分かれます。銀行による決済や不渡りの判断は、支払期日以降にのみ行われるのが原則です。したがって、手形の銀行への持ち込みの際は、期日前か期日後かを前提に対応が変わります。

銀行窓口への持ち込み期限の考え方

約束手形の金額を受け取る取立を行うためには、約束手形の受取人(事業者:売主)が、手形に記載された期日に銀行へ手形を持っていき換金します。

銀行に取立を依頼すると、支払期日に振出人(約束手形を発行した人)の口座から代金が引き落とされ、受取人の口座に入金されることになります。期日その日だけでなく、期日前に取立を依頼することもできます。ただし、割引ではないので、入金されるのは期日到来後になります。

支払期日を迎える前に現金を確保したい場合には「割引」が利用されます。銀行や手形割引業者が手形を引き取り、満期までの期間に応じた費用を差し引いたうえで、代金を先に支払います。

この仕組みを使えば、入金を待つことなく資金を手元に用意できるため、資金繰りを円滑にしたい場面や、急な支払いに対応したいときに役立ちます。

期日前でも必ず現金化できるわけではない

手形割引は、振出人の信用力や取引内容をもとに銀行が可否を判断します。信用度が低い場合や条件が合わない場合、割引が認められないこともあります。

また、多くの割引は遡求権(償還請求権)付きで行われるため、支払期日に不渡りとなった場合、受取人が返済義務を負う点にも注意が必要です。

割引料・手数料と会計処理

手形割引した場合、支払期日までの日数に応じた割引料(実質的な利息)や、所定の事務手数料が発生します。支払期日までの期間が長いほど、実際に受け取れる金額は少なくなります。

借方 貸方
当座預金 990,000円 受取手形 1,100,000円
手形売却損 110,000円

手形割引する場合の仕訳はこのようになります。

約束手形はいつまで銀行に持ち込めるのか?

約束手形を銀行で換金する場合、いつまでに持ち込みすれば良いのでしょうか?こちらも、取立と割引で変わりますので、それぞれ記述します。

約束手形の取立はいつまでに持ち込みできる?

約束手形を取立目的で銀行持ち込みする場合、支払期日を含めて3営業日以内に約束手形を呈示する必要があります。

ただし、支払場所に記載された銀行以外(取引銀行など)へ持ち込む場合は、支払期日を含めて2営業日以内と、より短い期間が適用されることがあります。

この支払呈示期間は手形法で定められた重要なルールで、期限を過ぎると銀行が取立に応じない可能性があります。支払銀行が遠方にある場合は、郵送や事務処理にかかる日数も考慮し、余裕を持って手続きを進めることが大切です。

約束手形の割引はいつまで銀行に持ち込みできる?

手形割引については、法律で「いつまで」と明確に定められているわけではありません。一般的には、支払期日を迎える前であれば割引自体は可能とされています。

ただし実務上は、期日までの残り日数が少ない手形ほど、銀行や割引業者が慎重になる傾向があります。支払直前の手形は、振出人の信用状況が短期間で変化するリスクがあるためです。その結果、割引料が高く設定されたり、割引そのものを断られたりするケースもあります。

また、2024年11月以降は、約束手形の決済期間(いわゆる手形サイト)が原則60日以内に制限されるため、期日間近の手形は、事実上割引しにくくなる可能性があります。

法的な期限はなくても、実際には金融機関の審査基準に左右されるため、割引を検討する場合は早めの判断が望まれます。

支払期日を過ぎた約束手形はどうなる?

約束手形で最も慎重な対応が求められるのが、支払期日後の扱いです。いつまでも約束手形は換金できるわけではありません。

期限後に持ち込めるか?

支払期日を過ぎた手形でも、銀行へ持ち込むこと自体は可能です。ただし、注意が必要です。約束手形の提出期限を過ぎてしまった場合、最初に取るべき対応は、手形を発行した相手方へ連絡を入れ、事情を丁寧に説明することです。状況次第では、同条件の手形をあらためて発行してもらえるケースもあり、その場合は通常どおり銀行での取立や割引手続きが可能になります。

また、支払方法自体を見直し、手形ではなく小切手での決済に変更してもらうという選択も考えられます。小切手は銀行へ渡した後すぐに決済されるため、資金化までの時間を短縮できる可能性があります。

さらに、振出人が応じてくれるのであれば、手形を介さず銀行振込による直接支払いを依頼するのも現実的な対応策です。

一方で、期限を過ぎた原因が手形の紛失である場合は、警察への遺失物届の提出に加え、支払地を管轄する簡易裁判所へ公示催告の申立てを行う必要があります。除権決定を得ることで、手形の無効化や再発行手続きが進められます。

なお、記載事項の誤りや形式上の不備が見つかった場合は、その内容を振出人に伝え、正しい条件で作成し直してもらう対応が求められます。

手形は実物の「紙」なので、なくしてしまう捨ててしまうということがあり得ます。そうしたことも紙の手形廃止の流れに沿っています。

不渡り扱いになるケース

支払期日に振出人の口座残高が不足していた場合、手形は不渡りとして処理されます。不渡り情報は金融機関を通じて共有され、振出人の信用に重大な影響を及ぼします。

不渡りが一定回数(2回)発生すると、銀行取引停止処分を受ける可能性があり、事実上の倒産状態に陥ることもあります。受取側にとっても、回収不能リスクが高まり、今後の取引条件や与信判断に悪影響を与える要因となります。

約束手形をいつまで銀行に持ち込みすべきか?まとめ

以上まとめると以下のようになります。

約束手形は手形に書かれている期日後に額面を受け取る「取立」と、期日以前に割引料を銀行に支払って換金する「割引」があります。

割引が銀行のほか「手形割引業者」でも可能です。手形割引業者の場合、割引料(手数料)は割高になります。

取立の場合、銀行には期日前~期日から3営業日以内に持ち込みしてください。期日前に持ち込みしても換金は期日後になります。

割引の場合は期日前ならば原則大丈夫ですが、あまり直近だとマイナス査定になる可能性があります。

なお、2024年より約束手形の支払いサイトは60日以内となっています。

また、紙の手形(約束手形)自体2026年度末に廃止されるため、多くの企業が手形決済から「でんさい」や請求書払いに切り替えています。

新規取引先で手形取引を求められることはほぼないはずです。既存取引先もあと1年ほどで手形取引はなくなりますので、いつまでも続く支払い方法ではありません。

手形に変わる売掛債権売却の手法も覚えておこう

約束手形の換金は遠くないうちになくなります。「でんさい」など新しい手法も導入されつつありますが、例えば、請求書払いをしている場合、その請求書を「売掛債権」と見なして、期日到来前に売却する手法も近年盛んになっています。

手形割引と似た手法ですが、この売掛債権売却=ファクタリングについても知っていただくと経営上の選択が広がるはずです。

今回詳細は書きませんが、ぜひ手形割引以外の換金手法についても知っておいてください。

約束手形を銀行に持ち込みする手間よりもはるかに簡単に、完全オンラインでできます。

よろしくお願いいたします。

【監修】株式会社No.1 編集局長
保有資格:貸金業務取扱主任者
20代はノンバンクにて法人融資を中心とした営業に従事。
その後、不動産担保融資の会社でキャリアを重ね金融業界で幅広い経験を積む。
2018年に株式会社No.1へ入社。
これまでの実務経験と専門知識を活かし、中小企業の経営課題解決に向けた支援を行っている。

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