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【ご注意ください】給料ファクタリングの違法性と悪徳業者について解説

給料ファクタリング違法性


給料日前にお金が足りなくなったとき、「給料ファクタリング」という言葉を目にすることがあるかもしれません。
本記事では、給料ファクタリングの違法性について、法律や最高裁の判断をもとに解説します。

まず初めに、「給料ファクタリング」は違法です。
法律上、給料をファクタリングすることはできません。
悪質な業者にご注意ください。
※株式会社No.1では、「給料ファクタリング」は一切行っておりません。

給料ファクタリングは「給与ファクタリング」とも呼ばれ、両者は同じものです。
本記事では「給料ファクタリング」に表記を統一します。

では、会社員(あるいは公務員)が会社から毎月受け取る給料を、ファクタリングで現金化することはできるのでしょうか。

結論から言うと、給料ファクタリングはできません。
給料ファクタリングと称するサービスは、実質的には無登録の貸金業(ヤミ金融)にあたり、違法です。

ファクタリングについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
ファクタリングを徹底解説|ファクタリング初心者必見

給料ファクタリングはできない!その理由を解説

最初に述べたように、給料ファクタリングはできません。
それはなぜでしょうか?

通常のファクタリングは、事業者が持つ売掛債権を売却するものです。
たとえば「4月の売上30万円の売掛金について、5月末の入金を待たずに、その売掛金を受け取る権利を売却する」というファクタリングは合法です。

それなら、「4月分の給料と残業代、合計30万円を受け取る権利を、5月25日の給料日を待たずに売却する」のも同じではないか、と思われるかもしれません。
しかし、両者はまったく異なるのです。

給料ファクタリングで想定される事例

給料ファクタリングは、「自分の給料をカタにして前借りする」方法に似ています。

「毎月の給料を受け取る権利」を事前にファクタリング会社に買い取ってもらって現金化し、給料日が来たら、受け取った給料をファクタリング会社に支払います。

会社員や、雇用関係のあるアルバイトには毎月一定の給与所得があります。
その給料債権を支払日(給料日)前にファクタリング会社に買い取ってもらい、対価として現金を手に入れる、という仕組みです。

「給料の前借り」と似たイメージですが、形式上はお金を借りるのではなく、「給料を給料日に受け取る権利」(給与債権)を給料日前にファクタリング会社に買い取ってもらって現金化するものです。
融資ではなく、中古ゲームなどの買取に近い構図とされています(ただし後述のとおり、最高裁はこれを実質的な「貸付け」と判断しています)。

当然ながら、ファクタリング会社に買い取ってもらう金額は実際の給料よりも安くなり、その差額が手数料となります。

事例で見てみましょう。

給料ファクタリングでイメージされる事例
Aさん 会社員 月給30万円 給料日毎月25日
B社 給料ファクタリングを行っている業者
3月上旬、お金が必要になったが手持ちの現金がない
3月5日 給料ファクタリングを実施し、B社に「25日に給料30万円を受け取る権利」を買い取ってもらう
3月5日 現金21万円を入手(手数料率30%)
3月25日 買取額21万円+手数料9万円(給料の30%)、合計30万円をB社に支払う

このようなイメージになります。
しかし、このような給料ファクタリングはできません。

給料を受け取る大原則とファクタリングの相違

会社員や公務員が受け取る給料は、事業者が稼ぐ「事業所得」ではなく「給与所得」です。

給料には支払いの原則(賃金支払いの5原則)があり、「通貨で」「直接」「全額」「毎月1回以上」「一定期日に」支払わなければなりません。

労働基準法第24条第1項は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定し、同条第2項で、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うことを定めています。

給料ファクタリングを3社間ファクタリングで行った場合、会社は給料を労働者(ファクタリングを利用した人)ではなく、ファクタリング会社に支払うことになります。
これは当然、「直接払い」の原則に反するため違法です。

直接払いの原則により、労働者の法定代理人や親、家族であっても、原則として本人に代わって給料を受け取ることはできません。
ましてや、ファクタリング会社に支払うことは許されません。

2社間ファクタリングでも同様です。
ファクタリングは「お金を受け取る権利を譲渡する」ものですが、「給料を受け取る権利」を譲渡したとしても、会社は本人に直接給料を支払わなければならず、譲り受けた業者は会社に支払いを請求できません(最高裁昭和43年3月12日判決)。
そのため2社間の場合は、給料日に本人が受け取った給料を業者に支払う、つまり実質的に借金を返済するのと同じ形にならざるを得ません。

あくまで、給料を受け取るのは「本人」です。
したがって、給料ファクタリングがファクタリングの法的な建付けと相容れないことは、下記の最高裁決定を待たなくても分かるのです。

給料ファクタリングについての最高裁の判断

政府(経済産業省・金融庁など)は、事業者の資金調達手段として売掛債権の活用を推進する立場であり、ファクタリングそのものを否定してはいません。
しかし、例外があります。

金融庁は「ファクタリングの利用に関する注意喚起」を公表し、利用者に注意を呼びかけています。
主なポイントは次のとおりです。

  • 給料ファクタリングは貸金業に該当するため、無登録の業者を利用しない
  • 事業者向けファクタリングでも、実質的に貸付けにあたる契約には注意する
  • 高額な手数料に注意する
  • 悪質な取立てなどのトラブルに注意する

特に給料ファクタリングについて、金融庁は「貸金業に該当する」との見解を示しています。

この見解を決定づけたのが、最高裁の決定です。
最高裁によって、給料ファクタリングはNGということが決定的になりました。
いわば最高裁による「ダメ押し」です。

事件:令和4年(あ)第288号 貸金業法違反、出資法違反被告事件
決定:令和5年2月20日 最高裁判所第三小法廷決定

第三小法廷決定(全文)|裁判所ウェブサイト

事案の内容:被告人が「給料ファクタリング(給与ファクタリング)」と称して、労働者である顧客から、その使用者に対する賃金債権(給料日前の債権)を額面から大幅に割り引いた金額で譲り受け、その対価として金銭を交付していた事案です。
顧客が給料日に業者へ支払う(買い戻す)ことが前提とされており、実質的には顧客が返済を負う仕組みでした。

主な争点:このような「給料債権の譲渡」を名目とした金銭の交付が、形式上は「債権の譲渡」であっても、実質的には「貸付け」にあたり、無登録で貸金業を営んだことになるか(貸金業法)、また出資法上の「貸付け」にあたるか、という点です。

最高裁の結論:この取引は、貸金業法第2条第1項にいう「貸付け」、および出資法第5条第3項にいう「貸付け」に当たると判断されました。
つまり、契約上は「債権譲渡」の形式をとっていても、実質的な内容や運用実態から、貸金業の登録義務や高金利規制の対象になるということです。

つまり、最高裁が「給料ファクタリングは、実質的にはファクタリング(債権の売買)ではなく貸付けである」と判断したわけです。
そのため、貸金業の登録なく給料ファクタリングを行えば、貸金業法違反(無登録営業)となります。
また、手数料を金利に換算すると出資法の上限金利を大きく超えることが多く、出資法違反にも問われます。

というわけで、給料ファクタリングが可能なおすすめのファクタリング会社はありません。
おすすめどころか、違法なのです。

「給料ファクタリングOK」というファクタリング会社があれば、おすすめどころか、ヤミ金融や反社会的勢力を疑ってください。
給料ファクタリングは違法なのです!

「給料担保融資」もできない!その理由を解説

給料ファクタリングが違法であることは、最高裁の決定で確定しました。

では、給料を受け取る権利を売却(ファクタリング)するのではなく、「給料を受け取る権利を担保に融資を受ける」ことはできるのでしょうか?

事業者の売掛債権や在庫などを担保に融資を受ける「ABL(動産・売掛金担保融資)」も普及してきています。

ファクタリングがダメでも、融資ならOKということであれば話は変わります。
ただし、融資を業として行うには、銀行業の免許か貸金業の登録が必要です。

特別な許認可なしに開業できるファクタリングと比べて、融資の参入障壁はとても高いのです。

では、銀行や消費者金融が「給料担保融資」を行っているかというと、行っていません。
給料を担保に融資を受けることもできないのです。

先に述べたとおり、労働基準法第24条では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められています。
これは、会社(使用者)が賃金を支払う際には、必ず労働者本人に直接支払う義務があることを意味します。

そのため、銀行や消費者金融などの第三者に給料を支払うよう求める譲渡や担保の設定をしても、会社はこれに応じることができません。
賃金の支払先は労働者本人に限られるため、給料債権は担保として機能しないのです。

また、給与は労働者の生活を支えるものであるため、法律でも手厚く保護されています。
たとえば、給料のうち原則として手取り額の4分の3(手取り額が44万円を超える場合は33万円)は、差押えが禁止されています(民事執行法第152条)。
さらに、労働基準法第17条では、前借金と賃金を相殺することも禁じられています。

給料の差押えは、貸金の返済や損害賠償などについて、債権者が判決や公正証書などの「債務名義」を得たうえで、裁判所の手続きを経て行うものです(税金などの滞納処分を除く)。
しかも、差し押さえられるのは原則として手取り額の4分の1まで(養育費などの場合は2分の1まで)です。
給料をすべて差し押さえてしまうと、生活できなくなるからです。

このように、生活の糧である給料は法律で強く保護されています。
当事者間の契約である融資(金銭消費貸借契約)で給料債権を担保にとることが、実務上できないのはこのためです。

結論として、給料ファクタリングも給料担保融資もできません。

給料ファクタリングをうたう悪徳業者に注意

給料ファクタリングが違法であるにもかかわらず、現在も「給料ファクタリング」や、名称を変えた同様のサービスで利用者を勧誘する業者は存在します。
こうした業者は、ほぼ100%が悪徳業者、ヤミ金融、反社会的勢力の類です。

次のような特徴がある業者には、十分に注意してください。

  • 「給料ファクタリング」「給与の先払い」「給料の前払い」などをうたっている
  • 「審査なし」「ブラックOK」「即日現金化」など、手軽さを過度に強調している
  • SNSやメッセージアプリで勧誘してくる
  • 手数料が給料の数十%に及ぶなど、極めて高額である
  • 支払いが遅れると、自宅や勤務先への連絡などで執拗に取り立ててくる

お金に困っているときほど、「すぐに現金が手に入る」という言葉は魅力的に聞こえます。
しかし、一度でも利用すると、高額な手数料の支払いに追われ、次の給料日も同じ業者を頼らざるを得なくなるという悪循環に陥りがちです。

すでに給料ファクタリングを利用してしまい、高額な請求や取立てに困っている場合は、一人で抱え込まずに、金融庁の「金融サービス利用者相談室」や警察の相談窓口(#9110)、弁護士などの専門家に相談してください。

給料ファクタリングは違法!悪徳業者には絶対に手を出さないで

冒頭から説明しているように、給料ファクタリングや給料担保融資は違法であり、利用できません。

給料ファクタリングは、形式上は「債権の売買」をうたっていても、最高裁が実質的には「貸付け」にあたると判断しています。
貸金業の登録なく行えば貸金業法違反となり、高額な手数料は出資法違反にも問われます。

給料日までお金がなく困っているときは、つい「給料ファクタリング」の宣伝につられてしまうかもしれません。
しかし、そうした業者にひっかかると、ずっと「食い物」にされてしまうでしょう。
給料ファクタリングでおすすめできる会社はゼロです!

「給料ファクタリングは違法」ということを正しく理解し、悪徳業者には絶対に手を出さないようにしてください。

【監修】株式会社No.1 編集局長
保有資格:貸金業務取扱主任者
20代はノンバンクにて法人融資を中心とした営業に従事。
その後、不動産担保融資の会社でキャリアを重ね、金融業界で幅広い経験を積む。
2018年に株式会社No.1へ入社。
これまでの実務経験と専門知識を活かし、中小企業の経営課題解決に向けた支援を行っている。

総合フリーダイヤル0120-700-339

名古屋支店直通052-414-4107

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