【プレスリリース】2026年版「中小企業資金使途ランキング」を公開しました
約2年分、15,891件の申し込みデータを独自解析。前向きな投資から「事業を続けるための支払い」へ、業種ごとの資金使途の違いも分析
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株式会社No.1(本社:東京都豊島区、代表取締役:濵野 邦彦)は、自社ファクタリング事業の申し込みデータ(2024〜2026年)をもとに、中小企業の資金繰りや経営実態に関する分析を行いました。株式会社No.1では中小企業を中心に、企業の経営課題、事業資金繰り課題解決に向けたファクタリング事業を展開しています。物価高や人件費の高騰、借入コストの増加など、中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しています。2026年9月、日銀が政策金利を1.0%から1.25%へ引き上げることを決定しており、資金問題にとって逆風となる懸念があります。帝国データバンクの調査によると、2025年度には建設業の倒産が2,000件を超え、人手不足倒産も過去最多の441件に達しました。こうした状況から見ても、手元資金の確保は、事業継続における優先すべき課題といえるでしょう。
そうした中、中小企業の資金調達手段となっているファクタリングの申し込みデータ(2024〜2026年)を分析してみると、利用事業者の資金使途に大きな変化が見られました。本レポートでは、実際の自社データとマクロ経済動向を踏まえ、資金使途のランキングや年次推移、業種別の特徴を詳しく解説しています。数字に基づいて経営課題をひも解き、今後の資金繰り対策のヒントとなる情報をお届けします。
<調査概要>
調査主体:株式会社No.1
調査方法:当社の申し込みデータのうち、業種欄・用途欄の自由記述をキーワードに基づき分類・集計
調査期間:2026年9月
調査対象:2024年〜2026年9月の申し込み15,891件
● 資金使途:記載があり分類できた8,420件を分析(14分類)
● 業種:記載があった10,094件を分析(17分類)
● 年別集計期間:2024年~2026年9月
※2026年9月30日公開レポートとは分類方法が異なるため反映数値は異なります。
【調査サマリー】
● 資金使途の首位は「外注費・下請支払」。2024年23.0%→2026年28.6%と、年別では調査期間中で最も高い割合に
● 「人件費・給与」も9.7%→12.4%に上昇。一方で「設備投資・修繕」は8.4%→5.4%に縮小
● 業種別では「建設(総合・土木・躯体)」の比率が上昇。人件費目的の割合は、医療・介護など労働集約型の業種で高い
※参考:日本銀行.「金融市場調節方針の変更(2026年9月金融政策決定会合)」.https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918b.pdf ,(2026-09-18).
※参考:帝国データバンク.「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」.https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260409-laborshortage-br25fy/ ,(2026-04-09).
【年別】資金使途ランキング
まずは、ファクタリングの利用事業者が、調達資金をどのようなことに充てようとしていたのかを見ていきましょう。2024年・2025年・2026年の資金使途データを、14の項目に分けてランク付けしました。
【2024年】

2024年のファクタリング利用における資金使途は「外注費・下請支払」(23.0%)と「材料・資材費」(15.4%)が上位を占めており、事業に必要な原価や各種支払いの立替・確保が調達の主目的となっていると考えられます。元請からの入金サイトと下請への支払期日にタイムラグがあり、下請への支払期日を死守するための資金調達需要が強かったことなどが考えられます。
【2025年】

2024年に3位(14.5%)だった「運転資金・事業資金(不特定)」は、2025年には16.2%まで上昇して2位へ浮上。タイミングとしては、建築基準法改正や急増する企業倒産を背景に資金繰りの切迫感が一気に強まった時期に当たります。
「借入返済・金融」も、順位の入れ替えこそないものの、3.4%から4.1%へとシェアを拡大しています。日本銀行のマイナス金利政策解除と、段階的な利上げによる短期プライムレート連動金利の上昇とも重なります。一方で、2024年に一定の割合を占めていた「設備投資・修繕」(8.4%→7.6%)や「生活費・個人」(6.7%→4.6%)は、順位を維持しながらもシェアが減少しています。
※参考:日本銀行.「金融政策の枠組みの見直しについて」.https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240319a.pdf ,(2024-03-19).
※参考:日本銀行.「長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降」.https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/prime/prime.htm ,(参照2026-09-16).
【2026年】

2026年は、毎月の支払いのためのファクタリングの申し込みが増えた年です。首位の「外注費・下請支払」は28.6%と調査期間中で最高値を更新。「人件費・給与」も12.4%へ上昇し、事業運営のための支払いによって現場の必須コストが圧迫されている傾向が顕著です。また政策金利のさらなる利上げに伴う借入金利上昇や、金融機関による与信厳格化がなされた時期と重なり「借入返済・金融」(5.2%)が増加して順位を一つ上げています。一方で「設備投資・修繕」(5.4%)や「生活費・個人」(3.1%)は2年連続低下、順位も落としています。
※参考:日本銀行.「2025年12月金融政策決定会合での決定内容」.https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k251219b.pdf ,(2025-12-19).
※参考:日本銀行.「金融市場調節方針の変更(2026年6月金融政策決定会合)」.https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616c.pdf ,(2026-06-16).
※参考:金融庁.「2026 事務年度金融行政方針」.https://www.fsa.go.jp/news/r8/202609/strategic_priorities_2026_main.pdf ,(参照2026-09-16).
資金使途構成の変遷
ファクタリングの資金使途を大分類・細分類に分けて考えると、約2年間で以下のような変化が見られます。
大分類から見える変化
こちらは半期ごとのデータです。

2024年下期から2026年下期にかけて、ファクタリングの資金使途は「外注費・下請支払」や「人件費・給与」へ明確に集中してきています。主要な使途である「外注費・下請支払」(22.5%→31.1%)や「人件費・給与」(9.5%→12.0%)は、それぞれ上昇傾向にあります。その一方で「設備投資・修繕」(8.2%→5.7%)や「生活費・個人」(6.6%→1.9%)のシェアは大きく低下しており、前向きな投資や個人補填から事業維持のための決済へと利用目的が純化している状況です。
また他の項目では「材料・資材費」(15.1%→13.0%→15.1%)が微減した後回復し、トータルで見ると維持傾向で推移している他、「商品仕入れ」(7.8%→7.0%→8.0%)も伸び悩む動きを見せています。
細分類から見える特徴
同一カテゴリ内であっても、細かな項目ごとに見ていくと異なる動きが見られます。

2024年下期から2026年下期の間に「外注費・下請支払」カテゴリでは、「下請け・職人・協力業者への支払い」(2.0%→3.1%)や「外注費(その他業種)」(2.4%→3.0%)など、多くの項目でシェアが増加している傾向にあります。ここでも、現場の必須コストが圧迫されていることが分かります。

同期間に「人件費・給与」カテゴリでは「給与・給料」(5.7%→8.4%)が顕著に増加。波はありますが「人件費(一般)」(2.2%→3.6%→2.3%)も、増えている年があります。また「賞与」(0.2%→0.4%)や「日当・日払い・アルバイト代」(0.2%→0.3%)、「社会保険料・労働保険」(1.1%→0.5%)などその他の項目は、横ばいから微減で推移しており、項目ごとの伸び方の差が明らかです。事業継続のためにはカットできない項目に、資金需要が偏っている様子がうかがえます。

「材料・資材費」カテゴリでは「内装・リフォーム用材料費」(2.5%→2.3%)や「住宅・建築工事用資材費」(1.5%→3.4%)を中心に高水準な割合を維持しており、「土木・外構・解体工事用資材費」(3.1%→1.8%)などの一部項目で減少・沈静化が見られながらも、全体としては安定推移を見せています。他の項目の増加に押されながらも、従来の資金需要は残り続けているのでしょう。

「商品仕入れ」カテゴリにおいては「商品仕入れ(卸売・小売)」(2.5%→2.4%)などの物品仕入れが一定を保っている一方で、「仕入れ(IT・広告・制作)」(0.7%→0.6%→0.9%)が2026年に入って増加の動きを見せています。

「借入返済・金融」カテゴリでは、先述した借入金利の上昇や金融機関による与信厳格化を背景に、「ファクタリング乗換・他社弁済」(1.1%→2.0%)や「クレジットカード・分割払い」(0.9%→1.6%)が急増。大きくシェアを減らす項目もなく、既存契約の乗り換えや決済資金の穴埋めという新たな需要が、浮き彫りになっています。
業種別用途の違い

業種別のシェアは上位を建設業が大きく占めており、3つの業種を合算すると、全体の半数近くに達しています。また「医療・介護・福祉」や「人材・営業代行・BPO」、「飲食」といった人的サービスを主とする業種のシェアを合算すると、全体の9%程度となり、比較的安定していることが分かります。
この2点について、深掘りしてみましょう。
利用は建設業の中でも「総合・土木・躯体」に集中

利用事業者の業種は「建設(総合・土木・躯体)」分野に集中しており、そのシェアは2024年から2026年にかけて + 6pと大きく伸びています。一方、同じ建設関連でも「建設(電気・空調・設備工事)」は同水準を維持し、「建設(内装・塗装・防水・屋根)」は – 1.7pの減少傾向を見せています。
なお「建設(総合・土木・躯体)」の使途内訳を見ると「外注費・下請支払」が + 7.8pと最多の伸びを見せており、次いで「借入返済・金融」が + 2.3p、「人件費・給与」が + 1.2pです。反面「生活費・個人」は – 4.0p、「設備投資・修繕」は – 3.5pとそれぞれ低下しています。
この背景には、業種特有の構造的な資金ギャップが存在します。元請からの入金サイト(翌々月末等)に対し、下請・職人への支払期日(10日・末日等)が先行するため、資金不足が発生しやすい状況にあるのです。特にとび・解体・塗装などの職別工事業では、人手不足倒産の急増も重なり、資金繰りのリスクが一段と高まっているでしょう。
そのため、下請や職人への支払期日を死守することや、工期遅延時のつなぎ資金を確保することを目的とした資金調達ニーズが、より強まっていると考えられます。
人件費需要は労働集約型サービス業で顕著

最低賃金の引き上げに伴い、近年は「給料日直前の資金確保」が定常化しています。全国平均最低賃金が3年間で1,055円→1,121円→1,177円と引き上げられ、負担するコストが増加した結果、特に影響の強い労働集約型サービス業での調達需要に変化が生じているようです。
例えば「医療・介護・福祉」では「人件費・給与」の調達割合が全業種の中で最も高く、2024年から2026年までの3年間で30.5%→37.8%→32.6%と推移しています。これは高い人件費率に加え、診療・介護報酬の入金サイトが翌々月となるタイムラグが主な要因です。
また「人材・営業代行・BPO」では「人件費・給与」(22.0%→23.2%)と「外注費・下請支払」(18.0%→19.2%)が需要の軸を占めています。主な要因には「売り上げ入金の前に給与支払いが発生する」という業種特有の資金構造に、近年の賃上げ圧力が重なったことが挙げられるでしょう。
さらに「飲食」においては「人件費・給与」(8.7%→18.5%)が急増しています。加えて2024年には多かった「商品仕入れ」(34.8%→23.1%)が減少し、「材料・資材費」(13.0%→15.4%)が増加する傾向にあることから、原材料費の高騰と人件費増というダブルパンチに直面する事業者が増えていると予想されます。
※参考:厚生労働省.「最低賃金について」.https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001687973.pdf ,(参照2026-09-16).
※参考:厚生労働省.「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html ,(2026-09-03).
資金使途から見える経営課題と解決策
今回の調査では、ファクタリングの資金使途が設備投資などの「前向きな投資」から、外注費や人件費、材料費といった「事業を続けるための支払い」へ移っていることが分かりました。実態を見ても、ファクタリングの申し込みは月内の給料日や支払期日直前である月末月初に集中しており、即時性へのニーズが高まっていると考えられます。売り上げの入金を待つ間の支払いをどのようにして乗り切るかが、多くの事業者にとって共通の課題になっているようです。
資金繰りに不安がある場合は、まず公的な制度や金融機関への相談を検討しましょう。税金や社会保険料には納付の猶予制度がある他、日本政策金融公庫の融資や自治体の制度融資、信用保証協会の保証付き融資といった選択肢も存在します。取引先に相談し、支払いや入金の条件を見直すことも有効です。
その上で、急な支払いへのつなぎとしてファクタリングを選択するときは、信頼のおけるファクタリング会社を利用しましょう。契約を検討するときは、手数料を年率に換算してコストを把握し、必ず書面で詳細を確認してください。償還請求権(売掛先が売掛金を支払えないときにファクタリング利用者が買い戻す義務)の有無や、ファクタリング会社の所在地・実績などが公開されているかどうかも重要です。ファクタリングを装った違法な貸付けも報告されているため、条件が不透明な業者を利用するのは避け、不明点のない状態で契約を進めましょう。
専門家コメント

税理士法人加藤税理士事務所 代表税理士 加藤大輔
今回のデータで目を引くのは、「外注費・下請支払」(23.0%→28.6%)と「人件費・給与」(9.7%→12.4%)という、先送りのできない支払いの割合がそろって上がっている点です。外注費や給与は、売上の入金より先に出ていくお金です。受注が増えるほど立て替える金額も膨らむため、業績が伸びている会社ほど手元資金が足りなくなる、という状況は珍しくありません。
こうした負担を和らげる第一歩は、月ごとの資金繰り表を作ることだと考えます。損益計算書が黒字でも、入金と支払いの時期がずれれば資金は不足します。「いつ、いくら入り、いくら出るか」を数カ月先まで見える形にしておけば、資金が不足する時期と金額を前もって把握できます。そうすれば、取引先との支払条件の相談や金融機関への融資の申し込みなど、打てる手が増えます。急な資金調達に頼る場面を減らすことにもつながります。
もう一点気になるのが、「借入返済・金融」を目的とした申し込みの増加(3.4%→5.2%)です。内訳を見ると、他社ファクタリングの乗り換えや弁済、クレジットカード・分割払いの支払いに充てる申し込みが増えています。返済のための資金調達が続くと、手数料や利息の負担が重なり、資金繰りはかえって厳しくなります。複数の調達手段を併用している場合は、一度全ての支払い予定と負担額を書き出し、顧問税理士や金融機関に相談して全体を見直すことをおすすめします。
一方で、「設備投資・修繕」は8.4%から5.4%へ下がりました。目の前の支払いを優先せざるを得ない状況がうかがえますが、必要な更新や投資を先送りし続けると、将来の生産性や競争力に影響しかねません。日々の資金繰りを安定させることは、投資に回す余力を取り戻すための土台でもあります。
ファクタリングは、入金と支払いのずれを埋める手段として有効な場面があります。大切なのは、あくまでつなぎの手段と位置づけ、資金繰り表と組み合わせて計画的に使うことだと考えます。
会社情報
会社名:株式会社No.1
代表者:代表取締役 濵野 邦彦
所在地:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目18−1 Hareza Tower 20F
設立:2016年1月
主な事業:
企業向けファクタリング業務
経営に関する各種コンサルティング業務
企業経営上の各種リスクの調査・分析の委託ならびに、リスクの評価及びリスク回避の相談の受託業務
コーポレートサイトURL:https://no1service.co.jp
株式会社No.1の各サービスの紹介は下記からご覧ください。
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