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カテゴリー: 助成金・社内制度

IT事業者が助成金活用でベテラン人材を確保するには? おすすめの助成金はこれだ!

人手不足が特に深刻なIT業界。
2030年に不足するIT人材は、最大で79万人という予測もあります。
ベテラン人材は引く手あまたで、中小のIT事業者はベテラン人材の確保に苦労することが多いです。
IT事業者がベテラン人材を確保するには、助成金活用がカギとなります。
では、IT事業者の助成金活用は、具体的にどのようなものなのでしょうか。
この記事では、IT事業者がベテラン人材を確保するための助成金活用について、具体的な制度も含めて詳しく解説します。

IT事業者とベテラン人材

 
IT業は、現在、最も成長力のある業種のひとつです。
今後も長期にわたって成長分野となるでしょう。
そこで問題になっているのが、IT事業者の人材不足です。
昨今、人材不足はもはや社会問題となっており、IT事業者に限ったことではありません。
しかしながら、IT事業者における人材不足は、一層深刻といえます。
IT技術の進歩と普及に伴い、IT事業者が担う役割は大きくなる一方です。
IT事業者が成長していくには、必要な人材(とりわけベテラン人材)を確保することが重要となります。
これは多くのIT事業者に共通することですから、当然、人材の奪い合いになるわけです。
ベテラン人材の確保に十分なコストをかけられないIT事業者は、人材不足により競争力が低下し、生き残りさえ危うくなるでしょう。
IT事業者がベテラン人材を確保していくには、助成金活用をはじめとする様々な対策を、IT事業者自身が積極的に取り組む必要があります。
無為無策で待っているだけでは、状況が改善することはありません。
経済産業省の予測によると、IT事業者の人材不足は今後ますます深刻になっていきます。
2030年、最大79万人ものIT人材が不足すると考えられているのです。

IT企業でどのように高齢の人材を活用していけば良いか?

 
「ベテラン人材」とは、熟練の人材を指します。
例えば、製造業における「熟練工」はベテラン人材です。
特定の技術を磨き、熟練といわれる人材になるには、長年の経験と実績を積む必要があります。
したがって、「ベテラン人材=高年齢者」と考える人もいるはずです。
実際に、高年齢者ほどベテラン人材の割合が高くなることは間違いないでしょう。
IT事業者でも、高年齢のベテラン人材を確保することで、人材不足の緩和が期待できます。
ここで気を付けたいのが、高年齢者でITに精通したベテラン人材を雇用することと、単なる高年齢者の雇用は全くの別問題ということです。

IT事業者で高齢者を雇用する場合、技術の習得や生産性の面からプログラミングやテストなどの業務に従事させることはあまり望ましくありません。
相応の知識や経験がなければ、全く役に立たないことも考えられます。
未経験の高年齢者を雇用するならば、やはり特定のことに精通しているベテラン人材を選ぶべきです。
IT業務のベテラン人材でなくとも、IT事業者の業務に役立つことは大いにあり得ます。
むしろこれまで自社の技術者が持ち合わせていなかった、さまざまな業界での豊富な業務知識を発揮させることが望ましいでしょう。

コンサルタントやプリセールスといった、エンドユーザーと接する業務のベテラン人材であれば、高年齢者としての経験・知見その・能力を発揮できる可能性が高いといえます。

さらに人工知能(AI)分野でのアルゴリズム検証を行う場合にも、その豊富な知識を役立てることができます。

つまりそのような人材の知見を人工知能のアルゴリズムに組み込んでいくことも有効だといえるでしょう。

高齢の人材を活用するために注意すること

 
IT事業者で高齢者人材を活用できる業務は限定的です。

また社員構成からいっても若い技術者の中で抵抗なく溶け込んで働ける人材が求められるのではないでしょうか。

さらにプログラミングはできなくても、電子メールやチャットでのコミュニケーションや、PowerPointでのプレゼンテーションを行うことは必須の条件と考えられます。

このようにIT事業者で高齢者人材を活用する場合には、自社に溶け込んで成果をいかに出せるかを考えていくことが重要だといえるでしょう。

比較的コストをかけずに雇用できる高齢労働者、これまでに培ってきた知見で自社のビジネスを良い方向に導くひとつの材料になるかもしれません。

IT事業者がベテラン人材を確保するには

 
厳しい環境の中、IT事業者はどのようにベテラン人材を確保していくべきでしょうか。
ベテラン人材確保のアプローチは色々あります。
いくつか分かりやすいものを挙げてみましょう。

  • 就職困難な理由を抱えたベテラン人材を新規雇用する
  • 既存のベテラン人材の継続雇用に取り組む
  • 既存のベテラン人材の離職を防止する
  • 教育訓練を施しベテラン人材を育成する

これらの取り組みを積極的に行うことで、IT事業者はベテラン人材を確保しやすくなります。
このとき重要となるのが助成金活用です。
助成金活用によってコスト負担を軽減すれば、無理なくベテラン人材を確保できます。

ベテラン人材の継続雇用に助成金活用を

 
IT事業者が助成金活用でベテラン人材を確保したい場合、まず考えたいのが既存のベテラン人材をできるだけ長く雇用し続けることです。
従業員の定年年齢を延長することで、ベテラン人材を継続雇用できます。
また、高年齢者のベテラン人材を、有期雇用から無期雇用に転換することも、IT事業者の人材不足解消に役立つでしょう。
それに伴い、高年齢者の雇用管理を再構築・改善しなければならないIT事業者も少なくありません。
以上のような取り組みに際し、IT事業者は助成金活用をおすすめします。
65歳超雇用推進助成金が、IT事業者のベテラン人材の確保に役立つはずです。
65歳超雇用推進助成金には、65歳超継続雇用促進コース、高年齢者無期雇用転換コース、高年齢者評価制度等雇用管理改善コースがあります。
それぞれのコースについて、IT事業者の助成金活用をみていきましょう。

ベテラン人材の継続雇用に役立つ「65歳超継続雇用促進コース」

 
まず解説するのが、65歳超雇用推進助成金の65歳超継続雇用促進コースです。
65歳超継続雇用促進コースは、従業員の定年年齢を引き上げたIT事業者を助成します。
現在、定年年齢が低く、継続雇用を望むベテラン人材を抱えているIT事業者は、65歳超継続雇用促進コースがベテラン人材の確保に役立つでしょう。
65歳超継続雇用促進コースの助成対象となる取り組みは以下の通りです。

  • 65歳以上への定年引上げ
  • 定年の定めの廃止
  • 希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入

65歳超継続雇用促進コースの支給額は、「60歳以上の被保険者数」と「措置内容」によって変動します。
簡単にまとめてみましょう。

【65歳以上への定年引上げ】
60歳以上の被保険者数と定年の引き上げ幅に応じて15~105万円。

【定年の定めの廃止】
60歳以上の被保険者数に応じて40~160万円。

【希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入】
60歳以上の被保険者数と継続雇用の対象年齢に応じて15~100万円。

IT事業者は、従業員の平均年齢が低く、高年齢者のベテラン人材を抱えていないケースも多いです。
60歳以上の被保険者数が0人のIT事業者は、定年の引き上げや廃止に取り組んでも助成金は受給できません。
逆にいえば、60歳以上の被保険者が1人でもいれば助成金を受給できます。
助成金活用の余地があるIT事業者は、ベテラン人材を確保するためにも、ぜひ検討してみてください。

65歳未満のベテラン人材には「高年齢者無期雇用転換コース」

 
60歳以上の被保険者がおらず、65歳超継続雇用促進コースを利用できないIT事業者は、高年齢者無期雇用転換コースで助成金活用を考えましょう。
高年齢者無期雇用転換コースは、有期雇用労働者を無期雇用に転換することで受給できる助成金です。
対象年齢は、50歳以上定年年齢未満。
65歳超継続雇用促進コースよりも対象労働者の年齢が低く、IT事業者の助成金活用におすすめです。
助成金活用の全体にいえることですが、今後の助成金活用で注目したいのは「有期→無期」の転換で助成金を受給できるかどうかです。
以前、キャリアアップ助成金の正社員化コースでは「有期→正規」「有期→無期」「無期→正規」を対象としていました。
しかし、令和7年度の枠組みをみると、「有期→正規」「無期→正規」を支給対象としており、「有期→無期」の転換は対象外となっています。
ベテラン人材の確保を目的とした「有期→無期」の転換には利用できないのです。
その点、65歳超雇用推進助成金の高年齢者無期雇用転換コースは「有期→無期」で助成金を受給できるため、IT事業者のベテラン人材確保にも活用しやすいといえます。
高年齢者無期雇用転換コースの支給額は、対象労働者一人につき中小企業30万円、大企業23万円です。
1年度1事業所当たり10人まで支給を申請できます。

ベテラン人材の雇用管理に役立つ「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」

 
高年齢者の継続雇用や無期雇用化によってベテラン人材を確保したい場合、雇用管理に悩むIT事業者も多いことでしょう。
雇用管理の改善にはコストがかかるわけですが、その負担を嫌うIT事業者も少なくないのです。
そのようなIT事業者は、助成金活用によって負担を軽減しましょう。
65歳超雇用推進助成金の高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、以下の措置を実施するIT事業者に対し、経費の一部を助成しています。

  • 高年齢者の職業能力を評価する仕組みと賃金・人事処遇制度の導入または改善
  • 高年齢者の希望に応じた短時間勤務制度や隔日勤務制度などの導入または改善
  • 高年齢者の負担を軽減するための在宅勤務制度の導入または改善
  • 高年齢者が意欲と能力を発揮して働けるために必要な知識を付与するための研修制度の導入または改善
  • 専門職制度など、高年齢者ない適切な役割を付与する制度の導入または改善
  • 法定外の健康管理制度(胃がん検診等や生活習慣病予防健診)の導入

これらは、IT事業者がベテラン人材を活用する場合にも効果的な措置といえるでしょう。
助成金の支給対象となるのは、上記の措置に必要な専門家に対する委託費やコンサルティング料、機器・システム・ソフトウェアなどの導入に要した経費です。
助成金額は、導入経費に対して中小企業は60%、中小企業以外は45%となります。

助成金活用で両立支援!ベテラン人材の離職を防ぐ

 
IT事業者の従業員の平均年齢は低く、若いベテラン人材もたくさんいます。
そこで重要となるのが、「若さゆえの離職の防止」です。
IT事業者に限らず、若い時期のライフイベント(結婚・出産・介護など)をきっかけに、ベテラン人材が離職することがあります。
特別な休暇制度を導入したり、職場復帰を支援したりすることによって、ベテラン人材の離職を防ぐことができれば、IT事業者の人材不足は大幅に解消されるでしょう。
この時、助成金活用におすすめなのが両立支援等助成金です。
両立支援等助成金には複数のコースがありますが、ここではIT事業者のベテラン人材確保に特に役立つものとして、出生時両立支援コース、育児休業等支援コース、介護離職防止支援コースを解説します。

出生時両立支援コース

 
若い男性のベテラン人材を抱えているIT事業者には、両立支援等助成金の出生時両立支援コースがおすすめです。
日本では、男性労働者が育児休業を取得するケースはまだまだ低く、改善の機運が年々高まっています。
業界の風習に大きく左右されるところですが、IT事業者は新しい産業であり、ベテラン人材にも若い人が多いだけに、育児休業の取得しやすさを重視する人も少なくありません。
育児休業の取得に消極的なIT事業者は、それだけでベテラン人材の離職を招いたり、ベテラン人材の新規雇用に苦労したりする可能性があります。
この流れは長期的に続くと考えられるため、早い段階で対処しておくのが望ましいでしょう。
出生時両立支援コースは、男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境・業務体制の整備に取り組み、実際に男性労働者が育児休業を取得させたIT事業者に助成金を支給するものです。
また、男性の育児休業取得率がアップした場合にも助成金を受給できます。
出生時両立支援コースの支給額は以下の通りです。

  • 第1種(男性の育児休業の取得):男性労働者が子の出生後8週間以内に、連続5日以上の育児休業を取得した場合、1人目に20万円、2人目・3人目に10万円を支給
  • 第2種(男性の育児休業取得率の上昇):男性労働者の育児休業取得率が、申請年度の前年度に比べて30ポイント以上上昇して50%以上を達成した場合に、60万円の助成金を支給

第1種の助成金活用は3人目まで、第2種の助成金活用は1回限りですから、それほど大きな金額を受給できるものではありません。
「将来的なベテラン人材の確保を見据えて男性の育児休業に取り組み、ついでに助成金も受給できる」と考えましょう。

育児休業等支援コース

 
育児休業が必要なのは、男性ばかりではありません。
むしろ女性の方が育児休業を必要としています。
若い女性のベテラン人材を雇用しているIT事業者は、育児休業と職場復帰を支援するかどうかによって、ベテラン人材の確保が大きく変わってくるでしょう。
両立支援等助成金の育児休業等支援コースは、男性・女性を問わず、労働者の円滑な育児休業・職場復帰に取り組むIT事業者におすすめの助成金です。
育児休業等支援コースは、同一労働者の育休取得時と職場復帰時にそれぞれ30万円を支給します。
受給要件は以下の通りです。

【育休取得時】

  • 育児休業取得・職場復帰の支援の方針を社内に周知すること。
  • 労働者と面談を行い、育休復帰支援プランを作成・実施すること。
  • 対象労働者が育児休業を取得する前日までに業務を引き継ぎ、連続3ヶ月以上の育児休業を取得させること。

【職場復帰時】

  • 対象労働者の育児休業中の業務に関する情報や資料を提供すること。
  • 育児休業の終了前に、上司または人事担当者が面談を行い、その結果を記録すること。
  • 対象労働者を原職に復帰させ、6ヶ月以上にわたって継続雇用すること。

育児休業等支援コースは「連続3ヶ月以上の育児休業取得」というように、休業の期間が長いことが特徴です。
ベテラン人材に3ヶ月以上も抜けられては困る…というIT事業者もあるでしょう。
もっとも、育児休業等支援コースの支給の上限は有期・無期1人ずつですから、助成金活用によって正規のベテラン人材が長期休業になるということはありません。
とはいえ、負担のわりに支給額が小さいことは否めません。
助成金活用の際には、受給による負担軽減よりも、職場環境の改善・整備を軸に考え、将来的なベテラン人材の定着や新規雇用の促進につなげていきましょう。

介護離職防止支援コース

 
日本はすでに高齢化社会であり、今後ますます深刻化していくことでしょう。
若い世代のベテラン人材が、親の介護のために離職を余儀なくされるケースも増えています。
この場合、ベテラン人材は不本意ながら離職することが多く、IT事業者の配慮によって介護離職を防止できることも多いです。
そこで、IT事業者の助成金活用に役立つのが、両立支援等助成金の介護離職防止支援コース。
介護離職防止支援コースは、労働者の介護休業の取得と職場復帰に取り組むIT事業者を支援する助成金です。
介護離職防止支援コースの支給額は、IT事業者が取り組む内容と、その成果によって変動します。
支給要件と支給額について詳しくみていきましょう。

介護休業

 
IT事業者は、円滑な介護休業の取得・職場復帰に取り組むことで助成金を受給できます。
介護休業は連続5日以上取得すること、そして職場復帰後の継続雇用が要件です。
助成金の支給額は、介護休業取得者1人当たり40万円
なお、介護休業を連続15日以上取得させた場合、受給額は60万円にアップします。

介護両立支援制度

 
介護両立支援制度を導入し、実際に制度を利用した場合に助成金を受給できます。
対象となる介護両立支援制度は以下の8つです。

  • 所定外労働の制限制度
  • 時差出勤制度
  • 深夜業の制限制度
  • 短時間勤務制度
  • 在宅勤務制度
  • フレックスタイム制度
  • 法を上回る介護休暇制度
  • 介護サービス費用補助制度

以上の介護両立支援制度1つ導入し、実際に従業員が利用した場合には、制度利用者1人当たり20万円の助成金を支給します。
さらに2つ以上導入・利用した場合には、制度利用者1人当たり25万円を支給。
合計60日以上の制度利用は、前者は30万円、後者は40万円に増額されます。
単に介護休業の取得・職場復帰支援を周知するだけでなく、具体的な制度を設けた方が、ベテラン人材としても利用しやすいものです。
ベテラン人材の介護離職防止に取り組むIT事業者は、制度化も踏まえて助成金活用を考えましょう。

業務代替支援

 
介護休業の取得・職場復帰にあたり、業務代替支援に取り組む場合にも助成金活用が可能です。
これは、介護休業取得者、または介護両立支援制度のうち短時間勤務制度の利用者について、代替要員で業務をカバーすることで助成金を受給できます。
介護休業の取得にあたり、代替要員を新規雇用(派遣を含む)した場合の支給額は20万円。
他の従業員を代替要員とし、手当などを支給した場合には5万円の助成金を支給します。
なお、連続15日以上の介護休業を取得した場合、前者は30万円、後者は10万円に支給額がアップします。
ただし、短時間勤務制度の利用にあたり、既存の従業員を代替要員とする場合の支給額は
3万円です。
ベテラン人材が介護休業を取得してしまうと、どうしても業務が回らなくなるIT事業者もあるでしょう。
その場合、ベテラン人材の新規雇用する、あるいは既存のベテラン人材がカバーすることで対処できるかもしれません。
もっとも、ベテラン人材の業務であることから、新規雇用よりも既存のベテラン人材を活用するのが現実的でしょう。
いずれにせよIT事業者の負担軽減に役立つため、助成金活用を検討してみてください。

就職困難なベテラン人材を雇用する

 
ベテラン人材の不足が困難なIT事業者は、広い視野でベテラン人材の雇用を考えるべきです。
高年齢者のベテラン人材だけでなく、就職困難なベテラン人材の雇用も考えてみましょう。
その際、助成金活用に適しているのが特定求職者雇用開発助成金です。

特定求職者雇用開発助成金とベテラン人材

 
特定求職者雇用開発助成金は、継続雇用を前提に就職困難者を新規雇用する場合に助成金を受給できます。
雇用系の助成金は多々ありますが、その中でも特に支給額が大きいのが特徴です。
特定求職者雇用開発助成金の対象となる「就職困難者」とは、以下の求職者を指します。

  • 高齢者・障害者・母子家庭の母など
  • 発達障害者・難治性疾患患者
  • 就職氷河期を含む中高齢者
  • 生活保護受給者

これらの中から、ベテラン人材が見つかる可能性もあります。
例えば、高いITスキルを持つベテラン人材でありながら、子供の養育のために就職に困難を抱えている母子家庭の母。
また、IT事業者に勤めていたベテラン人材が、難治性疾患のために離職することもあるでしょう。
ITのベテラン人材が、身体的な障害によって就労難に陥るケースもあります。
近年、支援の風潮が高まっている発達障害者も同様です。
発達障害者の中には、ITに関して一般のベテラン人材と同等、あるいはそれ以上の能力を持つ人材が少なくありません。
そのようなベテラン人材を活用できれば、IT事業者に大きなプラスになるはずです。

成長分野等人材確保・育成コースで助成金活用を

 
特定求職者雇用開発助成金には複数のコースがあり、雇用対象者によって助成内容が変わります。
IT事業者の助成金活用におすすめしたいのは、成長分野等人材確保・育成コースです。
成長分野等人材確保・育成コースは、成長分野(デジタル・グリーン分野)の業務に従事させる事業者を対象として、就職困難者を雇用した場合に助成金を支給します。
IT事業者はデジタル分野ですから、成長分野等人材確保・育成コースの対象です。
具体的には、情報処理・通信技術者、データサイエンティスト、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナーなどを「成長分野の業務」とみなします。
成長分野等人材確保・育成コースの支給額は以下の通りです。

  • 母子家庭の母、高年齢者、生活保護受給者など…中小企業90万円(45万円×2期)、大企業75万円(37.5万円×2期)、ただし短時間労働者の場合には中小企業60万円(30万円×2期)、大企業45万円(22.5万円×2期)
  • 就職氷河期世代を含む中高年層の不安定雇用者…中小企業90万円(45万円×2期)、大企業75万円(37.5万円×2期)
  • 身体・知的障害者、発達障害者、難治性疾患患者…中小企業180万円(45万円×4期)、大企業75万円(37.5万円×2期)、ただし短時間労働者の場合には中小企業120万円(30万円×4期)、大企業45万円(22.5万円×2期)
  • 重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者…中小企業360万円(60万円×6期)、大企業150万円(50万円×3期)、ただし短時間労働者の場合には中小企業120万円(30万円×4期)、大企業45万円(22.5万円×2期)

この通り、成長分野等人材確保・育成コースの支給額は、他のコースよりも高額です。
これまで就職困難者を雇用したことがないIT事業者は、適切な配慮や職場環境の整備に悩み、ベテラン人材でも敬遠してしまうことがあります。
しかし、このように高額の助成金を受給できれば、対処も容易になるはずです。
ベテラン人材を幅広く募集するためにも、助成金活用をおすすめします。

教育訓練でベテラン人材を育てる

 
IT事業者が助成金活用を通してベテラン人材を確保するには、教育訓練もひとつの手です。
ベテラン人材とは、専門知識を有し、経験を積み、IT業務に精通している人材を指します。
誰しも、初めからベテラン人材ではなく、知識や経験を積んでベテラン人材になっていくのです。
現在、IT事業者が雇用している従業員の中には、ベテラン人材とはいえない人も多いことでしょう。
また、新規雇用する場合、初めからベテラン人材を雇い入れるのでなければ、雇用後に時間をかけてベテラン人材に育てていく必要があります。
IT事業者が従業員の教育訓練に積極的に取り組めば、従業員が成長してベテラン人材となり、人材不足の解消に役立つはずです。
とはいえ、教育訓練にはコストがかかります。
助成金活用でコスト負担を軽減し、ベテラン人材を育てていくのが賢明です。
IT事業者が教育訓練に取り組む際、助成金活用におすすめなのが人材開発支援助成金です。
人材開発支援助成金には複数のコースがあります。
そのうち、IT事業者のベテラン人材確保に役立つのは、人への投資促進コースと、事業展開等リスキリング支援コースです。

IT事業者に特化した「高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練」

 
人材開発支援助成金の人への投資促進コースは、以下の5つのメニューによって構成されています。

  • 定額制訓練
  • 高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練
  • 自発的職業能力開発訓練
  • 情報技術分野認定実習併用職業訓練
  • 長期教育訓練休暇等制度

IT事業者の助成金活用には、まず高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練を検討してください。
高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練は、高度デジタル人材等の育成のために、訓練を実施することで助成金を受給できます。
IT事業者において、「高度デジタル人材=ベテラン人材」といっても過言ではないでしょう。
現在、既に雇用している従業員は、IT未経験者ではないものの、ベテラン人材といえるほどのスキルや知識、経験がありません。
そのような従業員に高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練を施し、ベテラン人材へと育てていくのです。
助成の対象となるのは、DX推進や成長分野などでのイノベーションを推進する高度人材の育成訓練です。
資格取得費用も助成対象となるため、ベテラン人材に欠かせない資格の取得にも役立ちます。
高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練の助成区分は、訓練の内容によって二通りに分かれます。
ITスキル標準・DX推進スキル標準レベル3・4となる訓練を実施したIT事業者は、以下の助成金を受給できます。

  • 経費助成…中小企業は75%、大企業は60%
  • 賃金助成…中小企業は1000円、大企業は500円(1人1時間当たり)

さらに、国内外の大学院で訓練を実施したIT事業者も助成の対象です。
その場合の支給額は以下の通り。

  • 経費助成…中小企業・大企業ともに75%
  • 賃金助成…国内大学院の場合に限り、中小企業・大企業ともに1000円(1人1時間当たり)

IT事業者がベテラン人材を育てるには、時に高額の受講料や資格試験費用を負担しなければなりません。
大学や大学院で訓練する場合、1人当たり100万円以上かかることもしばしばです。
その点、高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練の支給上限は、高度デジタル人材訓練が2500万円、成長分野等人材訓練が1000万円となっています(1事業所1年度当たり)。
支給上限が高く設定されているため、複数のベテラン人材に育てる際にも活用しやすいです。

IT未経験者には「情報技術分野認定実習併用職業訓練」を

 
IT事業者が新規雇用する場合、「ベテラン人材」「IT経験者だがベテラン人材ではない」「IT未経験者」のいずれかになります。
人材不足が深刻化する中、ベテラン人材は引く手あまたです。
好条件を提示できず、ベテラン人材を雇用できないIT事業者は、IT未経験者を雇用し、ベテラン人材に育てていくことも考えるべきでしょう。
そこで助成金活用を考えたいのが、人への投資促進コースの情報技術分野認定実習併用職業訓練です。
情報技術分野認定実習併用職業訓練は、IT経験者を対象とする助成金です。
IT分野未経験者の即戦力化のための訓練を実施することで、助成金を受給できます。
情報技術分野認定実習併用職業訓練そのものは、即戦力化を目指すものであって、ベテラン人材を目指すものではありません。
とはいえ、IT人材が未経験からベテラン人材に成長していく過程では、必ず「経験はあるがベテラン人材ではない」という時期があるのです。
この時期をいかに短縮するかが重要であり、その上で即戦力化が大いに役立ちます。
即戦力化のための訓練は、OFF-JTとOJTを組み合わせて行います。
情報技術分野認定実習併用職業訓練の支給額は以下の通りです。

  • 経費助成…中小企業は60%、大企業は45%
  • 賃金助成…中小企業は800円、大企業は400円(1人1時間当たり)

さらに、情報技術分野認定実習併用職業訓練は一定の要件(賃金要件・資格等手当要件)を満たすことで助成金が上乗せされます。
経費助成の上乗せは15%、賃金助成の上乗せは中小企業が200円、大企業が100円です。
なお、情報技術分野認定実習併用職業訓練の支給上限は、1事業所1年度当たり2500万円となっています。
こちらも支給上限が高く設定されているため、IT未経験者をまとめて雇用し、訓練することも十分に可能でしょう。

なお、人材開発支援助成金の人への投資促進コースは、令和4~8年度の期間限定助成です。
教育訓練に取り組みたいIT事業者は、助成金活用を急ぎましょう。

ベテラン人材のさらなる活躍に「事業展開等リスキリング支援コース」

 
IT事業者が人材不足を解消するには、既に雇用しているベテラン人材の活用も重要となってきます。
ベテラン人材にさらなる専門知識や技能を習得させ、対応できる範囲を広げることで、IT事業者のベテラン人材確保は円滑になるでしょう。
例えば、専門的な知識と技能を要する業務A・Bがあったとします。
自社のベテラン人材①が対応できるのは業務Aだけという場合、業務Bをこなせるベテラン人材②を獲得するのが一つの手段です。
しかし、ベテラン人材①に教育訓練を施し、業務Bに必要な知識・技能を身に着けさせれば、新たにベテラン人材②を雇用する必要はなくなります。
ベテラン人材を新規雇用するよりも、こちらのほうがはるかに堅実でしょう。
そこで役立つのが、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースです。
事業展開等リスキリング支援コースは、新たな事業の立ち上げなど、事業展開に伴って必要となる知識・技能を習得させるための訓練を助成します。
具体的な訓練内容は、以下のいずれかです。

  • IT事業者の新規事業展開にあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識・技能を習得するための訓練
  • IT事業者が、自社内のDX化やグリーン・カーボンニュートラル化を推進するにあたり、必要となる専門的な知識・技能を習得するための訓練

以上の訓練によって専門知識・技能を身に着けることで、普通の人材をベテラン人材に育てたり、ベテラン人材の活躍の幅を広げたりするのに役立ちます。
事業展開等リスキリング支援コースの支給額は以下の通りです。

  • 経費助成…中小企業75%、大企業60%
  • 賃金助成(1人1時間当たり)…中小企業1000円、大企業500円
  • 経費助成・賃金助成を合算した助成限度額…受講者1人当たり50万円、1事業所1年度当たり1億円

まとめ:IT事業者のベテラン人材確保には助成金活用を!

この記事では、IT事業者がベテラン人材を確保するための助成金活用について解説しました。
IT事業者は特に深刻なため、ベテラン人材の確保に役立つ助成金がたくさんあります。
IT事業者がベテラン人材を確保できるかどうかは、助成金活用にかかっているといえるでしょう。
IT事業者が助成金活用の際、気を付けたいのが資金繰りです。
助成金は原則として後払いであり、取り組みに必要な経費が先行します。
先行コストの負担に耐えられず、助成金活用が頓挫すれば元も子もありません。
そうならないためにも、先行コストを織り込んで資金繰り計画を立てることが重要です。
ベテラン人材を確保するべく、助成金活用を考えているIT事業者様は、No.1までお気軽にご相談ください。
No.1では、売掛金の買い取りによる資金繰り支援を行っており、助成金活用を含めたコンサルティングにも定評があります。
経験豊富なスタッフが丁寧にヒアリングを行い、お客様ごとに最適な助成金活用を提案します。

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