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「ファクタリング=債権譲渡」ってどういうこと?ファクタリングと債権譲渡について徹底解説!
ここ数年で、ファクタリングが急速に普及しています。
ファクタリングは売掛債権(売掛金)を早期資金化する資金調達方法であり、法的には債権譲渡です。
当初、普及をけん引したのは中小企業でしたが、近年では大企業、個人事業主、スタートアップなどでも活用が広がってきました。
政府もファクタリングを推奨しており、法整備も徐々に進んでいるため、今後もさらなる普及が期待されます。
ファクタリングを活用するには、ファクタリングが債権譲渡であること、ファクタリングで債権譲渡する流れ、債権譲渡だからこそ得られるメリットなどを理解することが重要です。
この記事では、ファクタリングと債権譲渡について徹底解説します。
ファクタリングとは?
まずはファクタリングと債権譲渡の基礎知識についてみていきましょう。
売掛債権(売掛金)の早期資金化で資金調達
簡単に言えば、ファクタリングは売掛債権(売掛金)の売却による資金調達です。
信用取引を行う会社は、売掛先に商品やサービスを提供したのち、支払期日に代金を受け取ります。
売り手が買い手に請求書を発行すると、売掛債権(売掛金)が発生します。
売掛金は売掛債権の一種であり、支払期日に代金を受け取る権利のことです。
しかし、売掛債権(売掛金)はあくまでも売掛債権(売掛金)に過ぎません。
裏書譲渡できる手形とは異なり、売掛債権(売掛金)のままでは資金繰りに活用できないのが難点です。
資金繰りが苦しい会社では、売掛金の支払いを待っている間に資金繰りがショートする恐れがあります。
最悪の場合、売上はあるにもかかわらず、手元資金が枯渇して倒産します(黒字倒産)。
そこで役立つのがファクタリングです。
ファクタリングは、ファクタリング会社に売掛債権(売掛金)を売却することにより、支払期日を待たずに売掛債権(売掛金)を現金に換えることができます。
このように、売掛債権(売掛金)を早期資金化することによって、柔軟に資金調達できるのがファクタリングの魅力です。
ファクタリングは債権譲渡
多くの人は、「ファクタリング=売掛債権(売掛金)の売却」と考えていることでしょう。
ファクタリング会社の公式HPでも「売掛債権(売掛金)の売却」「請求書の買い取り」「売掛債権の早期資金化」などと謳っています。
しかしながら、厳密にいえばファクタリングは債権譲渡です。
このことは、金融庁のファクタリングの定義からも明らかです。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ここにある通り、ファクタリングは法的には債権譲渡となります。
つまりファクタリングは、「自社の売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に債権譲渡し、その対価(買取代金)を受け取る資金調達方法」です。
ファクタリングが債権譲渡であることは、ファクタリングの合法性や、様々なメリットにかかわるため、ファクタリングを理解する上で欠かせない知識といえます。
ファクタリングの合法性
ファクタリングの普及が広がっているとはいえ、銀行融資などに比べるとまだまだ歴史は浅く、マイナーな資金調達方法です。
したがって、ファクタリングが債権譲渡であることを知らない人も少なくありません。
ファクタリングが債権譲渡であることを知れば、ファクタリングが合法であることもよくわかります。
というのも、債権譲渡は民法で認められている取引だからです。
民法第466条では、債権譲渡の合法性について以下のように述べています。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
冒頭にある「債権は、譲り渡すことができる」というのは、「債権譲渡は合法である」ということです。
また、第2項にある通り、契約書に債権譲渡禁止特約を設けるなど、売掛先が債権譲渡を禁止した場合でさえ、債権譲渡の合法性は損なわれません。
「ファクタリング=債権譲渡」ですから、債権譲渡が合法である以上、ファクタリングが合法であることもおのずから明らかです。
そもそも、ファクタリングが非合法な取引であれば、政府が活用を推奨するはずがありません。
ただし、ファクタリングを装う違法業者が存在することは事実です。
その場合、ファクタリング業ではなく違法な貸金業であり、債権譲渡ではなく貸付けであるケースがほとんどです。
債権譲渡である限り、ファクタリングは100%合法と考えてください。
債権譲渡の方式は2つ
一口に「ファクタリングは債権譲渡」といっても、ファクタリングで債権譲渡する方式は2つあります。
2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で債権譲渡する方式
3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で債権譲渡する方式
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いは、債権譲渡に売掛先が関与するかどうかです。
この違いを含めて、それぞれの特徴を簡単にみていきましょう。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、売掛先が関与しない方式です。
利用会社とファクタリング会社の2社だけで債権譲渡を行います。
売掛先が一切関与しないため、簡単な手続きで債権譲渡でき、スピーディに資金調達できるのが大きなメリットです。
また、売掛先に知られず債権譲渡できることも、2社間ファクタリングならではの特徴といえます。
これにより、債権譲渡を売掛先に知られたくない場合には、2社間ファクタリングが役立ちます。
例えば、売掛先との売買契約に債権譲渡禁止特約が付いているケースや、クレジットカード債権を譲渡したいケース(債権譲渡が加盟店規約に抵触するケース)では、2社間ファクタリングで債権譲渡するのが基本です。
利便性の高さと売掛先への配慮から、多くの会社が2社間ファクタリングを選んでいます。
No.1をはじめ、最近ではオンラインファクタリングを導入するファクタリング会社も増えています。
オンラインファクタリングとは、2社間ファクタリングの手続きをオンラインで完結する方式です。
従来の2社間ファクタリングよりもさらに安全に、安く、スピーディに債権譲渡できるため、積極的に活用しましょう。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、利用会社・ファクタリング会社・売掛先の3社間で債権譲渡を行います。
2社間ファクタリングよりも安い手数料で、安全に債権譲渡できるのがメリットです。
しかし、売掛先が必ず関与するため、債権譲渡の手続きが煩雑になり、資金調達に時間がかかるのが難点です。
また、売掛先の協力が得られなければ債権譲渡が成立しないため、資金を調達できない可能性もあります。
もちろん、売掛先の信用悪化を避けるために、あえて3社間ファクタリングを避ける会社も多いです。
以上の問題をクリアできるならば、3社間ファクタリングを積極的に利用し、好条件で債権譲渡しましょう。
ファクタリングで債権譲渡する流れ
ここまで解説した通り、ファクタリングで債権譲渡することによって、手軽に資金を調達できます。
ファクタリングと債権譲渡の仕組みを理解し、手軽に資金調達できるイメージを具体的に把握するには、ファクタリングで債権譲渡する流れを知るのが一番です。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのそれぞれについて、債権譲渡する流れをみていきましょう。
※なお、債権譲渡の細かい流れはファクタリング会社によって異なります。
以下に述べる流れは、あくまでも一般的な債権譲渡の流れと考えてください。
2社間ファクタリングで債権譲渡する流れ
まず、2社間ファクタリングで債権譲渡する流れを解説します。
1.利用会社と売掛先の間で売買契約を交わす。契約に沿って商品を納入し、請求書を発行する。この時点で売掛債権(売掛金)が発生する(債権者:利用会社、債務者:売掛先)
2.利用会社からファクタリング会社に対し、2社間ファクタリングを申し込む。
3.ファクタリング会社から、債権譲渡したい売掛債権(売掛金)の情報や、調達希望額などについてヒアリングを受ける。また、ファクタリングの仕組みや債権譲渡の流れ、債権譲渡に必要な書類などの説明を受ける。
4.利用会社は必要書類を提出。書類がそろった時点でファクタリング会社は審査を実施し、債権譲渡の可否や条件を決定する。
5.ファクタリング会社から審査結果の通知を受け、条件に問題がなければファクタリング契約を結ぶ。ファクタリング契約を締結した時点で債権譲渡が成立する(債権者:ファクタリング会社、債務者:売掛先)
6.債権譲渡の成立後、早ければ即日中に買取代金が入金される。
以上が、2社間ファクタリングで債権譲渡する流れです。
債権譲渡する流れのうち、特に注意したいのがファクタリング契約と、後日の決済です。
ファクタリング契約は3つ
2社間ファクタリングでは、債権譲渡に伴い3つの契約を交わします。
債権譲渡契約、債権譲渡登記委託契約、売掛金回収業務委託契約の3つです。
債権譲渡契約は、利用会社からファクタリング会社に売掛債権(売掛金)を売却・譲渡するための契約であり、債権譲渡の細かい条件はここに明記されています。
債権譲渡登記委託契約は、債権譲渡登記手続きをファクタリング会社に委託するための契約です。
2社間ファクタリングは債権譲渡通知・承諾が不要なため、ファクタリング会社が対抗要件を具備するには債権譲渡登記が必要になります。
したがって、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を求められるのが一般的です。
もちろんNo.1のように、債権譲渡登記の留保に対応しているファクタリング会社もあり、その場合には債権譲渡登記委託契約は不要となります。
後日の決済に注意
3つ目の売掛金回収業務委託契約は、利用会社が売掛金の回収委託を請け負うための契約です。
2社間ファクタリングには売掛先が関与しないため、売掛先は債権譲渡の事実を知りません。
したがって、支払期日になると、売掛先はいつものように利用会社に支払います。
この時点で債権譲渡は成立している(債権がファクタリング会社にある)ため、利用会社はこの代金をファクタリング会社に支払う必要があります。
つまり、売掛金を「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」の流れで回収し、利用会社は回収代行を請け負う形になるのです。
この決済が完了すれば、2社間ファクタリングの流れはすべて完了です。
なお、決済の期限は「支払期日から一週間以内」などと設定されています。
この期限を超過すると契約違反に問われ、違約金などを請求される恐れがあるため注意してください。
3社間ファクタリングで債権譲渡する流れ
次に、3社間ファクタリングで債権譲渡する流れをみていきましょう。
1.利用会社と売掛先の間で信用取引を行う。後日払いの条件で商品を納入し、請求書を発行することで売掛債権(売掛金)が発生する(債権者:利用会社、債務者:売掛先)
2.利用会社からファクタリング会社へ、3社間ファクタリングを申し込む。
3.ファクタリング会社は、債権譲渡したい売掛債権(売掛金)の情報や調達希望額、売掛先との関係などをヒアリングし、債権譲渡の流れや必要書類についても説明する。
4.利用会社が必要書類を提出すると、ファクタリング会社は審査を実施する。
5.審査結果に問題がなければ、利用会社とファクタリング会社の間でファクタリング契約を結ぶ。この時点で債権譲渡が成立する(債権者:ファクタリング会社、債権者:売掛先)
6.利用会社またはファクタリング会社から売掛先に対し、債権譲渡通知を行う。売掛先が債権譲渡承諾書に署名し、返送する場合もある。
7.債権譲渡通知・承諾手続きが完了した時点で、3社間ファクタリングが成立し、買取代金が支払われる。
3社間ファクタリングで債権譲渡する流れのポイントは以下の3つです。
事前の内諾を求められることも
3社間ファクタリングは、売掛先が債権譲渡に承諾することで成り立ちます。
逆にいえば、1~5まで手続きしても、6で売掛先が債権譲渡を認めなければ、3社間ファクタリングは成立しないのです。
そうなると、ファクタリング会社は事務コストの分だけマイナスになってしまうため、申し込みの前段階で売掛先の内諾を求めるファクタリング会社もあります。
その場合、売掛先に債権譲渡を相談しなければなりません。
ここで債権譲渡を断られてしまうと、実際に債権譲渡できず(資金調達できず)、なおかつ売掛先の信用が悪化する恐れもあるため注意が必要です。
3社間ファクタリングは債権譲渡契約のみ
3社間ファクタリングで求められる契約は、債権譲渡契約だけです。
債権譲渡登記委託契約や売掛金回収業務委託契約は必要ありません。
まず、3社間ファクタリングで債権譲渡登記委託契約が不要なのは、債権譲渡通知を行うためです。
そもそも、ファクタリング会社が対抗要件を具備するには、確定日付のある証書によって債権譲渡通知・承諾を行うのが基本です。
このことは、民法第467条に明記されています。
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第四百六十七条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
出典:出典:経済産業省「債権譲渡の通知等に関する特例」
確定日付のある証書によって対抗できない場合、債権譲渡登記によって対抗要件を具備するわけです。
3社間ファクタリングでは、内容証明郵便によって債権譲渡通知を行うため、ファクタリング会社は対抗要件を具備できます。
つまり、債権譲渡登記によって対抗要件を備える必要がないのです。
また、売掛先が債権譲渡に承諾することは、債権者が利用会社からファクタリング会社に代わること、延いては代金の支払先が利用会社からファクタリング会社に代わることへの承諾も含みます。
したがって、売掛先はファクタリング会社に直接支払うため、利用会社が売掛金の回収を代行する必要もありません。
債権譲渡に必要な書類は?
2社間・3社間を問わず、債権譲渡にはいくつかの書類が必要となります。
必要書類の内容はファクタリング会社や方式によって異なりますが、書類の作成・取得にかかる手間はごく軽微です。
特に、優良ファクタリング会社では、手元にある書類だけで申し込めるケースが増えています。
例えば、No.1のファクタリングに必要な書類は以下の4点です。
直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
成因資料(請求書・発注書・納品書など)
取引先企業との基本契約書
これらの必要書類と債権譲渡の関係についても、簡単にみていきましょう。
入金確認書類
債権譲渡によって、ファクタリング会社は回収不能リスクを負うことになります。
回収不能リスクを測るためには、入金状況の確認が欠かせません。
直近の数ヶ月間にわたり、問題なく支払いを続けている売掛先であれば、次回の支払いに遅延する可能性は低いです。
この場合、ファクタリング会社は安心して債権譲渡を受けることができます。
逆に、売掛先が数ヶ月中に支払いトラブルを起こしているならば、資金繰りに問題を抱えていることは明らかであり、回収不能リスクは大きいといえます。
この場合、ファクタリング会社が債権譲渡を拒否する可能性が高いです。
入金確認書類は、債権譲渡の可否・条件の判断に欠かせない書類であり、長期間の入金確認書類を求めるファクタリング会社もあります。
決算書
決算書も債権譲渡の基本資料です。
債権譲渡によってファクタリング会社が負うのは、回収不能リスクだけではありません。
二重譲渡や架空債権など、詐欺のリスクもあります。
二重譲渡とは、すでに債権譲渡した売掛債権(売掛金)を、さらに債権譲渡する行為です。
例えば、利用会社からファクタリング会社Aに対して債権譲渡した後、同じ売掛債権(売掛金)をファクタリング会社Bに対して債権譲渡します。
ファクタリング会社Aに債権譲渡した時点で、利用会社は債権者ではなくなっているため、ファクタリング会社Bに対する債権譲渡は成り立ちません。
二重譲渡に気づかず債権譲渡を受けた場合、売掛金を回収する際に必ずトラブルになります。
また、実在しない売掛債権(売掛金)を用いて債権譲渡することを「架空債権詐欺」といいます。
売掛債権(売掛金)自体が存在しないため、債権譲渡を受けてしまうと、回収できる可能性はゼロです。
二重譲渡や架空債権の被害を防ぐためには、決算書がひとつの手がかりになります。
したがって、ファクタリングで債権譲渡する際には、直近1~2期分の決算書を求められます。
成因資料
成因資料は、債権譲渡する売掛債権(売掛金)を裏付けるものです。
請求書・発注書・納品書などが成因資料になりますが、一般的には請求書を用います。
基本的に、ファクタリングで債権譲渡の対象となるのは、請求内容が確定している「確定債権」だけです。
請求書を提出すれば、ファクタリング会社は「請求済みである(=確定債権である)こと」がわかり、請求先や請求金額、支払期日なども把握できます。
これらの情報によって、債権譲渡に伴うリスクとリターンを測ることも可能です。
成因資料も、債権譲渡に必須の資料と考えてください。
契約書
最後に、売掛先との基本契約書です。
契約書の取引金額や支払条件を把握し、他の資料との整合性が取れれば、ファクタリング会社はより少ないリスクで債権譲渡を受けることができます。
また、契約によっては債権譲渡禁止特約など、債権譲渡の支障となる内容が含まれていることがあります。
その場合、ファクタリング会社はリスクに備える必要があるため、その意味でも契約書の確認は重要です。
もっとも、ファクタリング会社によっては契約書を求めないケースも増えています。
実際に、No.1のオンラインファクタリングでは契約書の提出は不要です(必要書類は通帳コピー、決算書、請求書のみ)。
ファクタリングで債権譲渡する10のメリット
ファクタリングと債権譲渡の基本的な仕組み、債権譲渡する流れについて詳しく解説しました。
では、ファクタリングで債権譲渡することによって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
ファクタリングで債権譲渡する10のメリットを解説します。
1.債権譲渡で簡単に資金調達
ファクタリングで債権譲渡する最大のメリットは、簡単に資金調達できる点です。
資金調達には、大きく分けて外部資金調達と内部資金調達があります。
外部資金調達は、外部から資金を調達する方法であり、銀行や貸金業者からの借り入れ、出資、社債発行などが挙げられます。
内部資金調達は、会社の内部留保から資金を調達する方法であり、不動産や在庫の売却のほか、ファクタリングによる債権譲渡もそのひとつです。
外部資金調達と内部資金調達の大きな違いは、資金調達の柔軟性にあります。
外部資金調達の場合、調達先となる外部機関の判断によって資金調達を左右されます。
融資や出資を受けられなかったり、社債の引受人が集まらなかったり、資金調達できないことも多いです。
これに対し、外部資金調達は自社の内部留保を根拠に調達するため、外部からの影響を受けません。
中でもファクタリングは、手元に売掛債権(売掛金)さえあれば、それを債権譲渡することで簡単に資金を調達できます。
資金繰りに応じて柔軟に利用できることが、債権譲渡で資金調達する大きなメリットです。
2.銀行融資よりもハードルが低い
審査のハードルが低いことも、ファクタリングで資金調達するメリットです。
これは、銀行融資と比較するとよくわかります。
銀行融資は調達コストが安く、多額の資金調達にも対応していますが、審査が厳しいことが大きなデメリットです。
銀行は貸倒れリスクを避けるために、融資先の経営状況、とりわけ返済力を重視します。
業績が悪化している会社は、返済力に問題があるため審査に落ちる可能性が高いです。
財務内容が悪い会社も、貸倒れリスクが高いため融資審査に通るのは困難でしょう。
ファクタリングで債権譲渡する場合、審査のハードルは銀行融資よりもはるかに低いです。
というのも、債権譲渡の審査では利用会社の経営状況を重視しないためです。
ファクタリング会社は、額面金額よりも安い価格で債権譲渡を受けます。
その後、支払期日に売掛先から満額回収することによって、差額分が収益になります。
つまり、ファクタリング会社にとって重要なのは、「支払期日に無事に回収できるかどうか?」に尽きるのです。
売掛先(の支払能力)に問題がなければ、支払期日に無事に回収できる可能性が高いため、ファクタリング会社は安心して債権譲渡を受けます。
逆に、売掛先に問題がある場合には、手数料を高めに設定したうえで債権譲渡を受けるか、債権譲渡を拒否することで回収不能リスクに備えます。
したがって、売掛先に問題がなければ審査に落ちることは基本的にありません。
利用会社の経営に問題があり、銀行の融資審査に落ちてしまった場合でも、ファクタリングならば資金調達できる可能性があります。
3.債権譲渡は業歴に関係なく認められる
債権譲渡は、民法で認められています。
業種や業歴に関係なく、債権譲渡は合法な取引です。
したがって、起業したばかりの会社でも、ファクタリングで債権譲渡すれば難なく資金調達できます。
一般的に、業歴が短い会社ほど資金調達に苦労します。
銀行融資は信用と返済力を重視するため、業歴が短い会社は審査に通りません。
過去の実績・業績・財務によって、信用と返済力を示すことができないからです。
同様に、ノンバンクのビジネスローンでも、業歴が短い会社ほど不利になります。
外部資金調達ならば、その他の方法も基本的には同じです。
その点、ファクタリングは業歴を重視しません。
債権譲渡の際に重視されるのは、業歴ではなく売掛債権(売掛金)の価値です。
信用取引を行う以上、起業したばかりの会社でも必ず売掛債権(売掛金)を持っています。
その売掛金の支払人(=売掛先)に問題がなければ、ファクタリング会社は債権譲渡を受けるのです。
業歴が短く、資金調達に苦労している会社はファクタリングを活用しましょう。
たとえ創業1年未満の会社でも、ファクタリングならば調達可能です。
4.債権譲渡契約だから無担保・無保証
ファクタリングは、無担保・無保証で利用できます。
これは、ファクタリングが債権譲渡であり、借入とは根本的に異なるためです。
そもそも、担保・保証は貸倒れリスクに備えるためのものです。
不動産を担保に取ったり、信用保証協会の保証を付けたりすることによって、銀行は回収不能時のリスクを回避できます。
つまり、銀行が担保・保証を求めるのは保全が目的であって、返済義務があることが前提です。
借入れだからこそ担保・保証が重要ともいえます。
逆にいえば、返済義務がなければ担保・保証は不要です。
ファクタリングは債権譲渡取引であり、契約時には金銭消費貸借契約ではなく債権譲渡契約を結びます。
ファクタリングで債権譲渡し、調達した資金の使途は完全に自由で、返済義務もありません。
これが、無担保・無保証で資金調達できる理由です。
資金調達に悩んでいる会社は、担保・保証が不足しているケースが多いです。
そのような会社はファクタリングで債権譲渡し、資金を調達しましょう。
5.利便性が高い
利便性の高さも、ファクタリングの大きなメリットです。
ファクタリングの利便性が高い理由は3つあります。
債権譲渡によって資金調達すること
必要書類が少ないこと
オンラインで債権譲渡できること
ファクタリングは債権譲渡ですから、請求済みの売掛金があれば利用できます。
日本の企業のほとんどは信用取引を行っており、基本的には手元に売掛債権(売掛金)を持っています。
それを債権譲渡すれば簡単に資金調達できるため、ファクタリングは利便性が高いのです。
また、ファクタリングで債権譲渡する流れでも解説したように、債権譲渡に必要な書類は少なく、手元の書類だけで申し込むことができます。
銀行融資のように、事業計画書や返済計画表、資金繰り表、試算表、銀行取引一覧表など、取得・作成に手間がかかる書類は不要です。
オンラインファクタリングの登場によって、ファクタリングの利便性はさらに向上しました。
従来の2社間ファクタリングは、債権譲渡契約の手続きを対面で行うのが基本でした。
これにより、利便性を損なっていたことは否めません。
オンラインファクタリングは、申し込みから債権譲渡契約まですべてオンラインで完結します。
便利に資金調達したい場合には、ファクタリングで債権譲渡するのがおすすめです。
6.最短即日で資金調達
ファクタリングは、他の資金調達方法よりも圧倒的にスピーディに調達できます。
銀行融資ならば数週間から1ヶ月、ノンバンクのビジネスローンでも数日を要するのが一般的ですが、ファクタリングは最短即日で資金調達できるのです。
方式別の資金調達スピードの目安は以下の通りです。
2社間ファクタリング:最短即日
3社間ファクタリング: 最短1週間程度
オンラインファクタリング:最短数時間
ファクタリングがスピーディに資金調達できる理由も、「ファクタリングは債権譲渡だから」に尽きます。
資金調達スピードの決め手となるのは審査です。
銀行融資に時間がかかるのは、人の手で厳しく審査するためです。
融資担当者が厳しく審査したのちに稟議書を作成し、それを行内の複数人が回覧し、融資の妥当性を慎重に測った上で判断を下します。
担保付融資ならば担保評価が必要となり、保証付融資ならば信用保証協会の保証審査が必要となるため、さらに時間がかかります。
これに対し、ファクタリングは債権譲渡のため、融資のように厳しく審査する必要がありません。
ファクタリング会社が審査するのは売掛先の支払能力です。
さらに、ここでいう支払能力とは「支払期日(大抵は債権譲渡から1ヶ月以内)に支払えるかどうか」ですから、ごく短期間の支払能力さえ把握できれば問題ありません。
したがって、ファクタリングは簡易的かつスピーディに審査できるのです。
多くのファクタリング会社が、このようなスピード審査を行っています。
実際に、2社間ファクタリングを提供しているファクタリング会社の多くが「最短即日」を基本としています。
オンラインファクタリングの場合、債権譲渡契約を含むすべての手続きをオンラインで行うため、最短数時間での資金調達も可能です。
No.1のオンラインファクタリングでも、最短60分入金(申し込みから債権譲渡、入金まで60分以内に完了)の実績が多数ございます。
7.債権譲渡で貸倒れリスクを回避
貸倒れリスクに備えたい場合にもファクタリングが役立ちます。
ファクタリングで債権譲渡する際、契約条件は原則として「償還請求権なし」です。
償還請求権とは、債権譲渡した売掛債権(売掛金)が回収できなくなった場合、ファクタリング会社から利用会社に買い戻しを求める権利のことです。
「償還請求権あり」ならば買い戻しを求められる可能性があり、「償還請求権なし」ならば買い戻しを求められることはありません。
債権譲渡契約では、償還請求権の有無を必ず取り決めます。
受取手形を資金化する手形割引も債権譲渡の一種ですが、手形割引は「償還請求権あり」のため、債権譲渡した後に手形が不渡りになれば買い戻す必要があります。
これに対し、ファクタリングは原則的に「償還請求権なし」のため、債権譲渡後に回収不能になっても、利用会社は一切責任を負いません。
回収実務や貸倒損失などはすべてファクタリング会社が負担します。
本来、売掛金の貸倒れリスクは利用会社が負担すべきものです。
貸倒れリスクを回避するためには、すべての売掛先に対して与信管理を徹底しなければなりません。
しかしながら、人手不足が深刻化する昨今、与信管理のために専門の人材を雇用することは難しく、多くの中小企業で与信管理が不十分な状況です。
売掛金の貸し倒れは資金繰りの悪化に直結し、最悪の場合(大口の売掛先が倒産した場合など)には連鎖倒産の危険もあります。
ファクタリングで債権譲渡すれば、貸倒れリスクをファクタリング会社に移転できます。
万が一の備えになるだけではなく、与信管理負担の軽減にもつながるため一石二鳥です。
8.売掛先に知られず債権譲渡できる
売掛先に知られず債権譲渡できることも、ファクタリングのメリットといえるでしょう。
ファクタリングでなければ、債権譲渡の事実を売掛先に知られるのが普通です。
というのも、債権譲渡を行った際には、売掛先に対して債権譲渡通知を行うためです。
債権譲渡通知を行わない場合、対抗要件を具備するには債権譲渡登記が必要となり、手間とコストがかかります。
それを避けるためにも、債権譲渡の通知・承諾によって対抗要件を具備するのです。
したがって、一般的な債権譲渡取引では、売掛先に知られず債権譲渡することは不可能といえます。
一方、2社間ファクタリング(オンラインファクタリングを含む)は売掛先が関与しないため、売掛先が債権譲渡の事実を知ることはありません。
これにより、売掛先の信用悪化リスクを避けることができます。
ファクタリングは、銀行融資などに比べるとまだまだマイナーな資金調達方法です。
悪質業者が摘発され、ファクタリングへの注意喚起がなされることもあり、ファクタリングに対して違法なイメージを持つ人も少なくありません。
売掛先の経営者の中にも、「ファクタリング=債権譲渡=合法」とは考えず、「ファクタリング=違法(あるいはグレー)」と考える人がいるはずです。
そのような売掛先にファクタリングで債権譲渡したことを知られると、
「経営が悪化していて、まともな方法では資金調達できないのか?」
「違法行為に加担しているのではないか?」
などの信用悪化を招く恐れがあります。
実際に、ファクタリングで債権譲渡したことを知られた結果、取引が減少した例もあるのです。
2社間ファクタリングならば、その心配はありません。
契約違反などの特殊な場合を除けば、売掛先に債権譲渡を知られるリスクはゼロです。
9.債権譲渡は信用情報に残らない
ファクタリングで債権譲渡しても、信用情報などの記録には残りません。
これも、ファクタリングならではのメリットです。
ビジネスローンは記録が残る
ビジネスローンで資金調達する場合、信用情報には必ず記録が残ります。
全国信用情報センターでは「法人貸付情報」を保有しています。
これは、法人のビジネスローンの借入・返済の状況を記録するものです。
信用情報センターの会員(金融機関、信販会社、消費者金融業者など)が法人に対して行った取引は逐一報告・登録されるため、銀行系・信販系・消費者金融系を問わず、ビジネスローンの利用歴はすべて記録されると考えてください。
ビジネスローンを利用している会社は、銀行から融資を受けにくくなります。
ビジネスローンは金利が高く、資金繰りの負担になるため、銀行はビジネスローンでの借入れを嫌うのです。
融資環境を維持するには、ビジネスローンでの資金調達は避けたほうが無難です。
ファクタリングで債権譲渡した場合、信用情報に記録が残ることはありません。
基本的に、ファクタリング会社は信用情報センターに加盟しておらず、債権譲渡に関する情報を報告・登録することもないからです。
したがって、銀行融資への悪影響も避けられます。
銀行融資を受けられない場合、次善策としてビジネスローンを検討する人も多いでしょうが、ファクタリングでの資金調達を優先すべきです。
債権譲渡が記録に残るパターン
ちなみに、債権譲渡であっても記録に残る場合があります。
最近徐々に普及している「でんさい割引」が好例です。
でんさい割引とは、電子記録債権である「でんさい」を債権譲渡し、期日前に資金化するサービスです。
でんさい割引で資金を調達すると、取引金融機関を通じてでんさいネットの記録原簿に譲渡記録が行われます。
取引金融機関が記録を請求する以上、銀行はでんさい割引の事実を把握しているわけです。
当然ながら、金融機関に融資を申し込んだ際には、でんさい割引で資金調達した事実も審査の材料になります。
悪材料になるとは限りませんが、好材料になることは少ないでしょう。
債権譲渡に関する記録は、残らないに越したことはないのです。
「債権譲渡の記録が残るでんさい割引」と「債権譲渡の記録が残らないファクタリング」を比較しても、ファクタリングのメリットがよくわかります。
10.債権譲渡で資金繰りを改善できる
意外と知られていないのが、ファクタリングで債権譲渡すれば資金繰りが改善することです。
資金繰りの改善・悪化には様々な要素が絡みますが、売掛債権(売掛金)の影響は非常に大きいです。
手元の売掛金が増加すれば資金繰りが悪化し、手元の売掛金が減少すれば資金繰りが改善します。
そもそも売掛債権(売掛金)は、取引先に代金の後払いを認めることによって発生します。
これは、一時的に自社が代金を立て替えていることにほかならず、売掛金には立替金としての側面があるのです。
売掛金の増加は立替金の増加ですから、資金繰りが悪化するのも当然といえます。
逆に、売掛金の減少は立替金の減少を意味し、資金繰り改善につながります。
資金繰り悪化に悩んでいる会社は、売掛金の残高の推移を確認してみてください。
売掛金が増加しているならば、それが資金繰り悪化の原因と考えられます。
その場合、資金繰り改善も容易です。
ファクタリングで債権譲渡すれば、売掛金の所有権(債権)はファクタリング会社に移るため、手元の売掛金を減らすことができます。
これにより、資金繰りを改善できるというわけです。
資金繰りを改善したい会社は、ファクタリングで債権譲渡するのがおすすめです。
ファクタリングで債権譲渡する際の5つの注意点
ファクタリングには多くのメリットがありますが、ファクタリングで債権譲渡する際には注意すべき点があります。
主な注意点は以下の5つです。
1.債権が時効になっていないか?
売掛金などの債権(以下、売掛債権という)には実は「消滅時効」という請求できる期限が存在します。
つまり売掛債権は、一定の期間、権利を行使しない状態だと消滅してしまうのです。
特に、企業間の取引での売掛債権は、商事消滅時効という、民法に定められた時効よりも、短期に消滅してしまうのです。
これは債権譲渡を行っても継続してしまいます。
そのため、譲渡債権の消滅時効が迫っている場合には、債権譲渡を受ける前にいつ時効期限が到来するかを調査する必要があるのです。
2.二重に譲渡されていないか?
譲渡を検討している対象の売掛債権が、別の債権者に対して二重に譲渡されていないかどうかを確認することは必須のポイントです。
なぜなら、他の企業が先に「債権譲渡の第三者対抗要件」を取得した場合には、他社に劣後する譲受人として、当該債権について権利主張をすることができないからです。
例えば複数のファクタリング業者に意図的に同一の売掛債権でファクタリングを行うなどがこれにあたります。
この対策として行われるのが「債権譲渡登記」です。
これによって法務局に債権譲渡を行った事実が登記され、これによりその債権が他人に事前に譲渡されていないかを確認することができるのです。
3.債権は有効ですか?
譲渡を考えている債権が有効かどうかを確認することも重要です。
たとえば、次のような債権は、債権譲渡自体の効力が無効となる、もしくはすでに債権が存在しないものとされてしまうような場合もあるのです。
・譲渡禁止特約が付いている。
企業間の取引での売掛債権にはあらかじめ、「債権譲渡禁止特約」が交わされていないかを確認することは重要なことです。
譲渡禁止特約とは、当事者となる企業間において、他の企業に債権を譲渡しないことを取り決める契約で、この特約に反する譲渡は原則的には効力が生じないのです。
・ 既に支払い済みの債権である。
債権がすでに弁済済み、つまり支払済みの債権でないかということも確認しておきましょう。
譲渡の対象となる債権が、既に支払いされている場合には、債務者は、支払ってしまっている以上、たとえ取立てを受けても支払いに応じる必要はありません。
つまり譲受人は、当たり前ですが既に債権が支払われてしまっている場合には、債務者に対して支払を請求することができないのです。
・公序良俗に違反する取引である。
債権のもととなった取引が、公序良俗に違反するものかどうかも重要なポイントです。
つまり取引内容が公序良俗に反する場合には、債権自体が無効となってしまい、譲渡を受けたとしても、支払の請求ができないこともあるのです。
ファクタリングはあくまで債権売買契約であり、そのベースとなっているのがこの債権譲渡の考え方です。
ですからファクタリングの利用を検討する際には、その請求書、売掛債権の内容を十分に検討することが必要不可欠になるでしょう。
4.債権譲渡に伴う手数料負担
法的なポイント以外に注意したいのは、資金繰りへの負担です。
ファクタリングで債権譲渡する際には手数料がかかります。
ファクタリング会社は、売掛債権(売掛金)の額面金額から手数料を差し引いて買い取るため、手数料の分だけ売掛金が目減りするのです。
手数料が安ければ資金繰りへの影響は軽微ですが、手数料が高ければ資金繰りが悪化する危険があります。
だからこそ、債権譲渡に伴う手数料負担には十分に注意してください。
他の資金調達方法に比べて、ファクタリングの調達コスト(手数料)は高いといわれます。
方式別の手数料率の相場は以下の通りです。
2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
オンラインファクタリング:額面金額の10%以下
1ヶ月後に回収予定の売掛金を、手数料率10%の条件で債権譲渡した場合、月利10%、年利120%の負担に相当します。
銀行融資の利率が年利2%程度、ビジネスローンの利率が年利15%程度であることを考えると、ファクタリングの手数料の高さがよくわかるでしょう。
手数料負担に無関心であれば、資金繰り悪化は避けられません。
手数料を抑えるためには、優良ファクタリング会社を選ぶのが基本となります。
優良ファクタリング会社は、他の業者よりも手数料率が安い傾向があるのです。
一例として、No.1のファクタリングは以下の条件でご利用いただけます。
2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
オンラインファクタリング:額面金額の2~8%
相場の手数料率と比べて、おおむね半額以下の設定です。
5.悪質業者で債権譲渡しない
最後に、悪質業者に注意してください。
ファクタリングはここ数年で急速に普及してきたため、法整備が追い付かない状況です。
例えば、ファクタリング業を開業する際には、登録や免許などは必要ありません。
このため、ファクタリング業を装う違法業者が後を絶たないのです。
このような違法業者は、ファクタリング(債権譲渡)を装って違法な貸し付けを行うため、金融庁は「ヤミ金」と断定しています。
実際の被害の事例をみても、年利数百%~千%超の高金利設定や違法な取り立てなど、ヤミ金の手口とほぼ同じです。
違法業者を利用すると、債権譲渡によって資金調達しているつもりが、違法金利の借金を背負うことになり、経営への悪影響は避けられません。
ファクタリングを経営に活かすには、悪質業者を避けることが大前提となります。
最も簡単なのは、優良ファクタリング会社を利用することです。
優良ファクタリング会社の特徴のひとつは「業歴が長い」ということですが、これは「ファクタリング=債権譲渡」の基本に則り、合法的なサービスを続けてきたからこそ、長期にわたって経営を続けることが出来たのです。
この一点だけでも、違法行為とは無縁であることがわかります。
ファクタリングで債権譲渡した会社の事例
ファクタリングで債権譲渡することにより、様々なメリットが期待できます。
自社でも債権譲渡の活用がみえてきた、という人も多いことでしょう。
債権譲渡のイメージを具体化するには、ファクタリングの実例を知るのが一番です。
ここでは、No.1のファクタリングで債権譲渡した実例を紹介します。
債権譲渡で資金調達を多様化したA社の例
ファクタリングで債権譲渡するメリットの筆頭に、簡単に資金を調達できることを挙げました。
債権譲渡によって資金を調達するファクタリングは、他の資金調達方法と多くの点で異なります。
特に、融資とは根本的に違うことから、資金調達の多様化に効果的です。
最初に紹介するのは、債権譲渡で資金調達の多様化に成功したA社の事例です。
新社長の空回り
当時、A社は経営者が代替わりしたばかりでした。
先代の頃、経営状況は可もなく不可もなしといったところ。
条件面はさておき、銀行融資を断られることはありませんでした。
しかしながら、A社はメインバンクとの一行取引。
その他の方法で資金を調達したことはほとんどなかったようです。
銀行融資への依存度が高く、なおかつ一行取引というのは、資金繰り的には極めて危険な状況です。
メインバンクから融資を拒否された場合、資金繰りが行き詰まってしまいます。
先代は、よほど銀行交渉が巧みだったのでしょう。
代替わりから間もなく、この問題が露呈しました。
A社の社長は、国立大学で経営を学んだこともあり、「自分の代になったら・・・」という気持ちが常にあったそうです。
経営者の座に就くやいなや、社長は経営の改善・刷新に着手しました。
しかし、大学で学んだ高度な理論が、経営の現場で必ず通用するとは限りません。
思ったように成果が表れず、むしろ逆効果になることも。
コスト削減を目指したはずが、却ってコスト高になる。
綿密な計画を立てた投資計画も早々に破綻。
交渉力の欠如が目立ち、新規取引は減少、既存取引も縮小。
経営は徐々に悪化していき、ついに赤字なってしまいました。
メインバンクで融資謝絶
この時も、A社は一行取引のままでした。
取引銀行を増やす努力はしたものの、うまくいかなかったようです。
銀行員からみれば、社長の経営努力が空回りし、ちぐはぐになっていることが分かったのでしょう。
都市銀行、地方銀行、信用金庫など、多くの銀行をあたったものの、新規融資を引き出すことはできませんでした。
メインバンクに融資を依頼したところ、反応は芳しくありません。
社長は、資料を念入りに作成し、融資担当者に黒字回復の見通しを説明しました。
しかし、これまでも「机上の空論」で経営の悪化が続いてきたのですから、銀行員が納得しないのも当然でしょう。
A社はメインバンクから融資を断られ、資金調達の道を完全に断たれてしまいました。
債権譲渡で資金調達を多様化
赤字によって手元資金の流出を招いたため、A社の資金繰りはかなり危険な状態でした。
メインバンクが手を引いた以上、その他の銀行から融資を受けるのはほぼ不可能です。
ビジネスローンは調達可能額が少ないため、選択肢から除外しています。
ここで、社長の知識が役に立ちました。
社長が大学で学んでいたころ、日本でもファクタリングが少しずつ広がっていました。
「債権譲渡で調達できる新しい方法」ということで、社長は詳しく研究したことがあったのです。
銀行融資は消費貸借であるのに対し、ファクタリングは債権譲渡。
審査基準が全く異なるため、債権譲渡ならばA社でも調達可能ということに社長は気付きました。
複数のファクタリング会社を比較し、No.1で債権譲渡することに。
弊社スタッフがヒアリングしたところ、銀行融資への依存が問題になっていることは明らかでした。
社長自身も、債権譲渡で資金調達を多様化し、融資に依存しない資金繰りを目指したいとのこと。
多様化のカギは「債権譲渡で簡単に資金を調達できること」です。
3社間ファクタリングは債権譲渡のハードルが高いため、2社間ファクタリングをご利用いただくことに。
ファクタリングで債権譲渡することについて、社長は十分な知識をもっています。
先代の頃から、長い間取引を続けている売掛先も多く、売掛金の内容が良かったことも幸いしました。
売掛金の信用が高いほど債権譲渡はスムーズになるため、資金調達を多様化にはもってこいです。
申し込みから契約まで、一連の手続きをスムーズに進めることができました。
A社のその後
資金調達方法が「融資だけ」から「融資+債権譲渡」になったのですから、A社の資金調達は多様化したといえます。
その後、A社は主にファクタリングで債権譲渡することによって、資金繰りをつなぎました。
社長は改善策の修正に没頭し、徐々に経営は改善。
今では、メインバンクとの取引の再開しただけではなく、複数のサブバンクと取引しています。
もちろん、銀行融資に依存することなく、ファクタリングで債権譲渡することも忘れていません。
債権譲渡で調達コストを削減したB社の例
ファクタリングで債権譲渡する際には、手数料の負担に注意しなければなりません。
ファクタリングは手数料率が高く、無計画に利用すれば資金繰りが悪化する恐れがあります。
しかしながら、ファクタリングでうまく債権譲渡すれば、調達コストを削減できることも事実。
ファクタリングで債権譲渡し、調達コストの削減に成功した例を紹介します。
ビジネスローンの問題点
B社は、調達コストの負担に悩んでいました。
以前、銀行から融資を断られた際、安易にビジネスローンを利用したことが原因です。
B社の借入先は、消費者金融系列のビジネスローンでした。
ビジネスローンは金利の高さで有名です。
上限金利は借入総額によって変動しますが、ビジネスローンは100万円以上の借入れになることも多く、その場合は年利15%が上限となります。
消費者金融系列では、上限ギリギリの金利に設定されることも珍しくありません。
さらに、複数社から借り入れた場合、一社あたりの借入総額が小さくなり、金利の上限が上がることもしばしばです。
B社も、ノンバンク3社から合計200万円を借入れた結果、それぞれ金利は年18%に。
これにより、高額の利息を支払うこととなりました。
ビジネスローンで信用が悪化
当初、B社はビジネスローンの利用を限定的に考えていました。
銀行から融資を受ければビジネスローンはすぐに返せる、それまでの辛抱と考えていたのです。
この考え方は、甘かったといえます。
確かに、銀行で融資を受けることができれば、ビジネスローンの返済は容易でしょう。
しかし現実的には困難です。
なぜならば、ビジネスローンは銀行評価の悪化につながるためです。
この時点で、B社は銀行融資を断られています。
「返済力に問題あり」として、融資審査に落ちたわけです。
そのB社が、ビジネスローンで資金を調達し、利息負担でさらに資金繰りが悪化しているのですから、銀行が「ますます貸せない」と考えるのは当然でしょう。
いくつかの銀行に融資を申し込んだものの、軒並み融資謝絶。
もはや、B社の調達先はビジネスローンだけになってしまいました。
返済負担が増加
しばらくの間、ビジネスローンで借入れと返済を繰り返し、資金繰りを維持したB社。
これにより信用が高まり、ビジネスローンの借入枠は増えていきました。
もっとも、借入額が増えれば支払利息も増えるため、簡単に借りるわけにはいきません。
しかし、調達先が限られるB社は、ビジネスローンでの調達が常態化していき、調達コストの負担はどんどん膨らんでいきました。
このままではいずれ破綻する、しかしその元凶であるビジネスローンの返済は容易ではない…
B社にはこれが大きな悩みでした。
B社の状況が変わったのは、ファクタリングがきっかけです。
B社の社長は、「ビジネスローンだけではまずい」と考え、他の資金調達方法を模索していました。
このとき、知り合いの社長からファクタリングのことを聞いたのです。
債権譲渡で資金調達すれば、ビジネスローンから抜け出せるかもしれない。
そう考えた社長は、No.1に問い合わせることにしました。
債権譲渡でビジネスローンを完済
ヒアリングを行ったところ、B社の問題は明らかでした。
もちろん、ビジネスローンによる支払利息です。
もっといえば、ビジネスローンに依存している体質そのものに問題があります。
No.1からは、資金調達をビジネスローンからファクタリングに切り替えることをおすすめしました。
ただし、現状のビジネスローンを放置(借り入れずに返済のみ)するだけでは、今後数年間にわたって利息の負担に苦しみます。
そこで提案したのが、ファクタリングで債権譲渡し、ビジネスローンを圧縮・完済することです。
ファクタリングは、債権譲渡によって資金を調達します。
したがって、ファクタリングで調達できる上限は、債権譲渡できる(手元にある)売掛金の総額によって決まります。
B社は信用取引の比率が高く、回収サイトも比較的長かったため、手元には多額の売掛金がありました。
それをファクタリングで債権譲渡すれば、まとまった資金を調達でき、ビジネスローンを大きく減らせると考えたのです。
大企業と多額の信用取引を行っていることも幸いしました。
B社はファクタリングで債権譲渡し、多額の資金調達に成功。
この資金を返済に充てるわけですが、複数のビジネスローンを均等に返済していくのではなく、負担の大きいものから優先的に完済していくようアドバイスしました。
これにより、ビジネスローンの支払利息は急速に減少していき、数回の債権譲渡で完済することができました。
債権譲渡で調達コストを削減
ファクタリングで債権譲渡することで、B社は調達コストの削減に成功したといえます。
もし、B社がファクタリングを活用せず、その後もビジネスローンを使い続けていたならば、膨大な調達コストを支払ったことでしょう。
早期にファクタリングを取り入れ、「債権譲渡→返済を前倒し」の流れを作ったことで、それを回避できました。
ファクタリングにも手数料がかかり、一時的な負担が生じることは事実です。
しかし、トータルコストで考えた場合、調達コストの削減に役立ちます。
ビジネスローンを完済すれば、銀行評価の改善も期待できます。
B社も、ビジネスローンを完済したことで、銀行融資のスタートラインに立つことができました。
今では銀行融資を受けられるようになり、融資とファクタリングの二本柱で資金繰りを回しています。
債権譲渡?担保活用?C社の例
売掛金は、ファクタリングで債権譲渡することで資金を調達します。
しかし、売掛金の活用はファクタリングだけではありません。
売掛金を担保活用することでも資金を調達できます。
債権譲渡と担保活用はどちらが良いのでしょうか?
C社のファクタリング事例が参考になります。
担保・保証不足に悩む
C社は、銀行融資を軸に資金繰りを回してきました。
経営内容が特に良いというわけではありません。
銀行から融資を受ける際には、担保・保証の利用が当たり前でした。
コロナ禍において、C社は特別枠で保証付融資を受けたそうです。
2025年現在、特別措置のほとんどは打ち切られています。
C社でも、2024年からコロナ融資の返済が始まりました。
特別枠の返済が終わらない限り、C社は新たに保証付融資を受けることはできません。
また、事業的に不動産を所有することがなく、不動産担保融資も利用できません。
無担保・無保証融資はもとより不可能です。
しかし、担保・保証が不足していることは事実。
事実は事実として、銀行に相談することにしました。
売掛債権担保融資を勧められる
あわよくば無担保・無保証で…と考えていたものの、銀行としては担保・保証が欲しいところ。
そこで銀行員が提案したのは、売掛金の担保利用です。
近年、政府は売掛金の担保活用を推奨しています。
売掛債権担保融資やファクタリングがその代表です。
売掛債権担保融資は、売掛債権を担保とすることで融資を受ける仕組みです。
売掛債権担保融資はあくまでも融資、ファクタリングは債権譲渡という点で異なりますが、どちらも債権譲渡契約を結ぶ点は同じです。
C社のメインバンクも、売掛債権担保融資に力を入れているのかもしれません。
売掛債権担保融資を前向きに検討しつつ、その他の債権譲渡について調べていたところ、C社はファクタリングの存在を知りました。
ファクタリングで債権譲渡することに
C社は、売掛債権担保融資よりもファクタリングに魅力を感じました。
どちらも債権譲渡でありながら、ファクタリングで債権譲渡したほうがメリットは大きいと感じたのです。
例えば償還請求権の有無。
売掛債権担保融資の債権譲渡契約は償還請求権付きですから、担保にした売掛金が回収不能になった場合、C社は買い戻さなければなりません。
一方、ファクタリングの債権譲渡契約には償還請求権がなく、回収不能リスクの回避につながります。
さらに掛け目の有無。
売掛債権担保融資には掛け目があり、中央値は85%です。
C社が銀行から提示された掛け目も85%でした。
売掛金の額面金額が1000万円の場合、85%の掛け目を適用すれば融資上限は850万円です。
売掛債権担保融資で債権譲渡すれば、額面金額のうち85%しか活用できません。
ファクタリングも、業者の方針やファクタリングの種類によっては掛け目があります。
しかし、通常のファクタリングならば掛け目なしで債権譲渡できるのが一般的です。
掛け目がなければ、額面金額の100%を債権譲渡できます。
つまり、掛け目ありで債権譲渡するより、掛け目なしで債権譲渡したほうが、効率的に資金調達できるのです。
このほか、資金調達スピードや利便性などを比較しても、ファクタリングのほうが優れています。
C社は売掛債権担保融資を見送り、ファクタリングで債権譲渡することを決めました。
掛け目なしで債権譲渡
売掛先への配慮から、C社は2社間ファクタリングを申し込むことに。
申し込みの際、売掛債権担保融資とファクタリングの違いについても質問がありました。
それぞれのメリット・デメリットをお伝えしたところ、「やはりわが社にはファクタリングが合うだろう」とのこと。
銀行が担保活用を勧めたことからも分かる通り、C社は優良債権を多数所有していました。
当然、審査に問題はなく、手数料率も5%でご案内。
また、No.1のファクタリングは掛け目なしで債権譲渡するため、額面金額の全体を活用できます。
調達コストだけが唯一の気がかりであったところ、思わぬ好条件でファクタリングできたことで、社長は「やはりファクタリングでよかった」と思ったそうです。
現在も、C社は担保・保証に余裕がない状況が続いています。
当面はファクタリングで債権譲渡しつつ、資金繰りを回していくとのことです。
債権譲渡にオンラインを活用したD社の例
C社の事例でも述べた通り、債権譲渡には色々あります。
ファクタリングと売掛債権担保融資のほか、手形割引も債権譲渡の一種です。
全て債権譲渡ですが、ファクタリングが特に優れているのは利便性。
とりわけオンライン活用は注目に値します。
債権譲渡にオンラインを活用したD社の例をみていきましょう。
手形と債権譲渡
D社は、長らく手形取引を行ってきました。
手形取引の習慣が根強い業界に属していたためです。
手形も売掛債権の一種であり、債権譲渡することで資金繰りに活用できます。
例えば裏書譲渡。
受取手形に裏書きし、債権譲渡することで支払いに充てることができます。
特に現金の必要がなければ、D社も裏書譲渡を使うことがありました。
現金を調達するには、裏書譲渡ではなく手形割引を利用します。
銀行や手形割引業者に手形を譲渡し、期日前に資金化するのです。
手形割引も債権譲渡の一種といえます。
D社にとって、手形の裏書・割引などの債権譲渡は、ごく当たり前のものでした。
しかしここ数年、手形取引は急速に減少しています。
経済産業省は2026年までに紙の手形の廃止を目指しており、従来の手形取引から電子債権取引や信用取引に移行する会社が増えているのです。
手形取立の減少
現在も手形取引がなくなったわけではありませんが、D社でも信用取引が増えています。
信用取引で発生した売掛金は、手形と同じようには活用できません。
裏書きや割引といった仕組みは紙の手形を前提としており、売掛金は裏書きも割引もできないのです。
売掛金もファクタリングで債権譲渡すれば、支払期日を待たずに資金化できます。
手形割引とファクタリングは類似の仕組みといえるでしょう。
しばらくはD社も、「手形は割引」「売掛金はファクタリング」と使い分けていくでしょうが、いずれ手形は廃止されます。
手形で取引していた部分を電子債権取引にするか、それとも信用取引にするか。
電子債権に魅力を感じたのは最初だけでした。
電子債権は導入のハードルが高く、自社と取引先の双方が導入して初めて成り立つ仕組みです。
電子債権を導入する取引先は少なく、したがってD社が取り入れるべき理由もあまり見当たりません。
D社も、手形取立から信用取引への移行が進んでいきました。
オンラインで債権譲渡する魅力
ファクタリングを利用してみて、D社が魅力を感じたのはオンラインで債権譲渡できることです。
手形割引は、紙の手形を譲渡します。
券面としての実体があり、債権譲渡には「手形の受け渡し」がつきものです。
銀行にせよ手形割引業者にせよ、手形の券面を営業所に持ち込んだり、郵送したりすることで初めて債権譲渡が成り立ちます。
地方で経営しているD社には、これが負担になっていました。
資金調達を急ぐ場合、銀行よりも手形割引業者のほうが適しています。
しかし、D社の近所には手形割引業者の営業所がなく、受け渡しが負担になっていたのです。
ファクタリング会社も、No.1をはじめ優良業者は都市部に集中していますが、債権譲渡の障害にはなりません。
というのも、ファクタリングはオンラインで債権譲渡できるためです。
オンライン完結のファクタリングは普及が始まったばかりで、提供しているのは一部の優良業者に限られます。
D社が選んだのは、No.1のオンラインファクタリングサービス「Easy factor」です。
Easy factorは、商談にZoomを利用するほか、契約には弁護士ドットコム株式会社のクラウド契約システム「CLOUDSIGN」を利用しています。
これにより、申し込みから契約まで、一切の手続きをオンラインで完結できるのです。
もちろん、ファクタリング会社の営業所に出向いたり、契約書類を郵送したりする必要ありません。
D社も、オンラインで申し込み、オンラインで商談し、オンラインで書類提出、オンラインで契約…というように、全てオンラインで手続きしました。
オンラインファクタリングは、従来のファクタリングよりも必要書類が少なく、手数料や資金調達スピードにも優れています。
D社は初回利用でしたが、手数料率5%の条件で、お申し込みから数時間後には入金の運びとなりました。
D社の資金調達の変化
手形割引は債権譲渡が負担になる、ファクタリングはオンラインで簡単に債権譲渡。
この利便性の差が、D社には衝撃だったそうです。
それまで、D社の資金調達は「手形割引を中心とし、ファクタリングで補完」でしたが、ファクタリングの利便性を知ってからは「ファクタリングを中心とし、手形割引で補完」になりました。
「手形取引がさらに減少し、手形割引を使えなくなったら…」という不安も、ファクタリングによって解消できました。
債権譲渡で資金繰りを改善したE社の例
ファクタリングで債権譲渡することにより、資金繰りを改善できます。
とはいえ、使い方次第で改善効果が大きく変わるため注意が必要です。
債権譲渡で資金繰りを改善した例をみてみましょう。
売上・利益率の悪化に悩む
E社では、資金繰りに余裕がない状況が続いていました。
売上が振るわず、利益率も下がっているのが大きな原因です。
本業で得られる利益が減少するということは、手元に残るお金が減ることを意味します。
営業キャッシュフローが悪いということです。
とはいえ、E社は売上・利益率の悪化には、根本的な理由がありました。
E社が属するのは、いわゆる斜陽産業。
先細りしていく中で熾烈な競争が起こり、生き残るためには不利な条件で契約することもやむを得なかったのです。
生き残るためにも、E社は極端な売上主義に走っていきました。
これにより営業部が暴走。
営業担当者が契約の獲得を最優先し、契約条件の妥協が当たり前になったのです。
確かに売上は伸びたものの、資金繰りは更に悪化しました。
特に問題になったのが、回収サイトの長期化と運転資金の増加です。
E社の業種では、平均的な回収サイトは1ヶ月程度です。
これに対し、E社の回収サイトは1.5ヶ月まで長期化していました。
新規契約で支払条件の妥協が相次いだことが原因です。
当然、E社の資金繰りは悪化しました。
そして、売上が伸びたことによる運転資金の増加。
運転資金が増加しても、回収サイトが短ければさほど問題にはなりません。
E社の場合、運転資金が急激に増加し、さらに回収サイトが長期化しています。
資金繰り悪化は想像以上で、手元資金は急速に目減り。
資金繰りを維持するためには、増加運転資金の調達が必要です。
融資を断られる
E社が、銀行に増加運転資金の融資を依頼したところ、融資謝絶。
営業に計画性がないこと、資金繰りが危険な状態にあること、斜陽産業のため将来性が乏しいことなど、いろいろな理由で審査に落ちたと考えられます。
特に問題視されたのは資金繰りでしょう。
E社の資金繰りは極端に悪く、黒字倒産の危険もあります。
増加運転資金を融資し、一時的に資金繰りを回すことができても、根本的に資金繰りを改善しない限り危険な状態は変わりません。
銀行が「貸倒れリスクが高い」と判断するのも当然だったのです。
銀行融資を断たれたE社は途方にくれました。
これまで、融資以外の資金調達方法はあまり使ってこなかったのです。
ビジネスローンも検討しましたが、資金繰りがさらに悪化するため見送り。
資金調達の視点を「融資ありき」から「融資以外」に向け、E社はファクタリングで債権譲渡することを考えました。
ファクタリングは債権譲渡取引ですから、銀行融資を受けられないE社でも調達できます。
しかし、それ以上に魅力的だったのが、ファクタリングの資金繰り改善効果です。
ファクタリングで債権譲渡すれば資金繰りが改善する―
そう聞いたE社は、迷わずファクタリングの利用を決めました。
業者選びに失敗する
この時、E社はファクタリングの経験がありません。
業者選びについてもよく知らず、インターネットで検索して、目についた業者に申し込みました。
2社間ファクタリングだけを取り扱う、中小のファクタリング会社だったようです。
もとより2社間ファクタリングを希望していたE社。
少ない書類で申し込み、スムーズに手続きは進んでいきました。
審査の結果、提示された手数料率は30%。
2社間ファクタリングの手数料の相場について、よくいわれるのは「20~30%」というものです。
実際には高いのですが、E社の社長には知識がなく、単に「相場の範囲内だから」という理由で受け入れてしまいました。
「初回利用だから」という気持ちもあったことでしょう。
実際のところ、30%はかなり高いといえます。
ただでさえ利益率が低いE社が、債権譲渡のたびにこのような手数料を支払っていれば、資金繰りの悪化は火を見るよりも明らかです。
しかし、「ファクタリングのデメリットは手数料の高さ」「債権譲渡はそんなもの」という思い込みから、E社は悪条件でファクタリングを繰り返しました。
業者の乗り換え、資金繰りの改善
しばらく経ってから、E社はファクタリングの利用を後悔しました。
資金繰りが改善するどころか、どんどん悪化していることに気づいたのです。
債権譲渡の結果、E社の資金繰りが悪化したのは当然といえます。
そもそも、ファクタリングで資金繰りが改善するのは、債権譲渡によって手元の売掛金が減少し、負担が減るためです。
手数料が高くなるにつれ、この効果は薄れていきます。
債権譲渡で資金繰りを改善するには、あくまでも
「債権譲渡による資金繰り改善>支払手数料による資金繰り悪化」
が大前提です。
E社の場合、債権譲渡の改善効果と手数料の負担が完全に逆転していました。
「手数料を抑えなければ…」
そう考えた社長は、No.1に乗り換えることを決意しました。
ヒアリングしたところ、社長の希望は「債権譲渡で資金繰りを改善したい」とのこと。
さらに深くきいてみると、「債権譲渡で資金繰りを改善し、銀行融資につなげたい」とのことでした。
そこで、資金繰り改善効果を重視し、手数料が安いオンラインファクタリングをご提案。
No.1のオンラインファクタリングは、額面金額に対して2~8%を基本としています。
審査の結果、手数料率5%で債権譲渡となりました。
E社のその後
E社は資金繰りの改善、延いては経営改善のために様々な取り組みを実施しました。
ファクタリング手数料を抑えつつ、債権譲渡で資金繰りを改善。
新規契約で回収サイトが長期化すれば、「債権譲渡で早期回収→回収サイトの短縮→資金繰りの維持」を心がけました。
また、コスト削減や業務効率化、助成金の活用などにも取り組み、利益率の改善も図りました。
このとき、先行コストは債権譲渡で調達しています。
弊社からも、資金繰り改善効果が高まるよう、額面金額が大きい売掛金、回収サイトが長い売掛金など、負担の大きいものから債権譲渡するようアドバイス。
E社の資金繰りは、短期間のうちにみるみる改善していきました。
これによって銀行評価も徐々に回復。
短期借入での苦労はなくなり、増加運転資金も融資で調達できるようになっています。
債権譲渡で資金ショートを回避したF社の例
ファクタリングは法的に債権譲渡です。
融資に比べて審査が容易であり、スピーディに調達できます。
緊急の資金調達にファクタリングを利用し、資金ショートを回避した例をみてみましょう。
無計画な資金繰り
F社は、いつも資金繰りに余裕がありませんでした。
社長のどんぶり勘定が原因です。
資金繰りへの意識が低く、いつも行き当たりばったりでやり繰りしています。
商品に競争力があるだけに、売上や利益率は申し分なく、銀行融資も受けられる状況です。
ただし、資金繰りに計画性がないため、しばしば資金ショートの危険に見舞われます。
それでもF社の経営が破綻しないのは、債権譲渡をうまく活用しているためです。
資金ショートに陥る典型例
F社に資金ショートの危険に陥るパターンは、たいてい決まっています。
上記の通り、社長は資金繰り計画を立てていません。
お金の流れにも無頓着で、経理に丸投げしています。
手元にいくらお金があるのか、いつ入金があるのか、支払いはいつか、どのタイミングで資金が不足するのか。
これらを詳細に把握しておらず、ぼんやりとしたイメージがあるだけです。
したがって、F社では以下のような問題がよく発生します。
- 手元資金が十分にあると思っていたが、実際には枯渇状態。支払期日が迫ってから初めて気づいた。
- 売掛金の管理がずさんなため、請求漏れや支払いの遅延が起こりやすい。入金予定がずれ、資金不足に陥った。
- 資金が不足している時期を把握しておらず、直前になってから気が付いた。銀行融資では間に合わない。
このような問題が起こるたび、F社はファクタリングで債権譲渡することで資金ショートを回避しています。
債権譲渡でスピーディに調達
F社が債権譲渡する際には、2社間ファクタリングが基本です。
資金ショートが迫っているタイミングで申し込むことが多く、「明日までに」「今週中に」といったニーズに対応するには、3社間ファクタリングでは間に合いません。
最近、F社はオンラインファクタリングを取り入れました。
「2社間ファクタリングは役立つが、債権譲渡契約が面倒だ」
社長からこのようにご相談いただいたため、オンラインファクタリングをおすすめしたのです。
利用の流れや条件をご案内したところ、利便性・スピード・手数料など様々な点でメリットがあると知り、すぐに利用を決めました。
オンラインでの債権譲渡は初めてですが、利用歴があるため手続きはスムーズに進みました。
No.1のオンラインファクタリングでは、債権譲渡契約にCLOUDSIGNを利用しています。
F社はすでにCLOUDSIGNを導入しており、債権譲渡契約もすぐに結ぶことができました。
債権譲渡・資金調達に要したのは約2時間。
余裕をもって資金ショートを回避でき、社長は大満足だったようです。
債権譲渡で回収不能リスクを軽減したG社の例
ファクタリングの債権譲渡契約には償還請求権がありません。
これが回収不能リスクの軽減につながります。
債権譲渡で回収不能リスクを軽減した事例を紹介します。
償還請求権付きで債権譲渡
G社の取引は、手形取引と信用取引が混在しています。
G社にとって、債権譲渡で資金を調達することは当たり前でした。
裏書譲渡や手形割引によって、手形を債権譲渡することが多かったのです。
数年前からは、銀行にすすめられて売掛債権担保融資も利用しています。
売掛債権担保融資は、手形や売掛金などを広く対象としており、不動産を持たないG社が融資を受けるには好都合な仕組みでした。
もっとも、不満がないわけではありません。
手形割引にせよ、売掛債権担保融資にせよ、債権譲渡による資金調達です。
なおかつ、「償還請求権あり」で債権譲渡することになります。
償還請求権がある以上、債権譲渡後も回収不能リスクが残ります。
手形割引で債権譲渡した後、不渡りになればG社は買い戻さなければなりません。
売掛債権担保融資に伴い、銀行に債権譲渡したものが回収不能になれば、やはり買い戻しを求められます。
売掛債権担保融資の場合、回収不能の部分を即座に返済できずとも、新たな債権譲渡によって担保を充当するなど、銀行と相談しながら対処できます。
問題は手形割引です。
不渡りになった手形を買い戻すということは、債権譲渡で調達した資金を返還することにほかなりません。
債権譲渡後、調達した資金をそのまま取っておけば問題ありませんが、大抵は資金繰りに使った後です。
そのため、買い戻しに応じることができず、銀行の信用を失ってしまうケースもあります。
G社も、この点に不満を抱いてきました。
手形割引の審査に落ちる
ある時、G社は窮地に立たされました。
いつものように、銀行に手形割引を依頼したところ、審査に落ちてしまったのです。
手形自体に問題がなかったことから、おそらく償還能力を問題視されたのでしょう。
債権譲渡の際に償還請求権を付けるのは、銀行などの譲受人がリスクに備えるためです。
しかし、償還請求権がリスク軽減に役立つかどうかは、譲渡人の償還能力によります。
償還能力が十分であれば、買い戻しに応じることができるでしょう。
逆に、償還能力がなければ、いくら買い戻しを求めたところで無意味です。
償還請求権はあっても「ない袖は振れぬ」というわけで、結局譲受人が損失を被ります。
G社が審査に落ちた理由もここにあったはずです。
当時G社では、売掛先の倒産によって巨額の損失が発生していました。
銀行から赤字補填資金を調達し、倒産は免れたものの、経営が悪化したことは明らかです。
赤字補填資金を融資する際、銀行は慎重に審査したことでしょう。
もちろん、償還能力の大幅な低下も把握済みです。
問題は手形ではなく、G社の経営にあります。
同じ銀行で別の手形を割り引いても、別の銀行で同じ手形を割り引いても、債権譲渡は難しいでしょう。
売掛債権担保融資も、債権譲渡の際には「償還請求権あり」ですから、償還能力を問題視される可能性が高いです。
つまりG社は、これまでのように債権譲渡で資金を調達できなくなったのです。
ファクタリングは「償還請求権なし」
そこでG社は、ファクタリングで債権譲渡することを考えました。
手形割引や売掛債権担保融資と同じく、ファクタリングも債権譲渡による資金調達です。
しかし、ファクタリングの債権譲渡契約は「償還請求権なし」が原則となります。
「償還請求権がなければ、償還能力を問題視されることもないはず・・・」
そう考えたG社は、No.1のファクタリングを利用することにしました。
お問い合わせの際、手形割引や売掛債権担保融資では債権譲渡できなかったこと、おそらく償還能力に問題があったことをお話しいただきました。
ファクタリングには償還請求権がなく、G社でも債権譲渡できることを説明したところ、すぐに利用を決定。
同じ債権譲渡でも、ファクタリングは支払期日前の売掛金だけを対象としており、手形には対応していません。
また、売掛債権担保融資に活用している売掛金は、すでに銀行に債権譲渡しているため対象外(ファクタリングで債権譲渡すれば二重譲渡となる)です。
相談の結果、G社の手元にある売掛金のうち、売掛債権担保融資と無関係の部分をファクタリングすることにしました。
審査に問題はなく、当日中に債権譲渡契約を締結。
もちろん、「償還請求権なし」の債権譲渡ですから、回収不能リスクの軽減にも効果的です。
元々、G社が手形割引の審査に落ちたのは、売掛金の回収不能で多額の損失を被ったことが原因です。
回収不能リスクを軽減するには、手形割引や売掛債権担保融資で債権譲渡するよりも、ファクタリングで債権譲渡したほうがよいと考えました。
その後G社は、手形割引から信用取引への移行を進め、債権譲渡の際にはファクタリングを利用。
「償還請求権あり」の債権譲渡を減らすことで、回収不能リスクの大幅な軽減に成功しました。
まとめ:ファクタリングはNo.1におまかせ
ファクタリングは債権譲渡の一種であり、100%合法な取引です。
また、債権譲渡だからこそ、ファクタリングには多くのメリットがあります。
借入れではなく債権譲渡だからこそ、銀行融資よりも確実に、手軽に、無担保・無保証で資金を調達できます。
簡易審査でスピーディに資金調達できるのも、ファクタリングが債権譲渡だからです。
このほか、貸倒れリスクを回避できる、信用が悪化しない、資金繰りを改善できるといったメリットも、すべて「ファクタリング=債権譲渡」に起因します。
ファクタリングが債権譲渡であることを知れば、ファクタリングをより立体的に理解することができ、活用の幅も広がることでしょう。
ファクタリングをご希望の方は、No.1までお気軽にご相談ください。
ファクタリングなら株式会社No.1 詳細情報
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