カテゴリー: ファクタリング
ファクタリングで業務委託契約によって債権回収必要な場合はどのようなケース?その理由も紹介
ファクタリングは売掛債権(売掛金)の有償譲渡なので、「債権譲渡契約」を利用者、ファクタリング会社間で結ぶことは当然です。しかし、実はもう1つ「業務委託契約」を結ぶことがあるのはあまり知られていません。
ファクタリングの中でも「2社間ファクタリング」の場合、利用者(事業主様)とファクタリング会社で「業務委託契約」を交わします。
なぜ、このような業務委託契約を結ぶのか、そして3社間ファクタリングは業務委託契約が不要で、2社間ファクタリングでは業務委託契約が必要なのはどのような理由からなのか、今回は説明していきます。
ファクタリング時に業務委託契約を結ぶのは2社間ファクタリング
ファクタリングと業務委託契約と聞くと、業務委託契約で仕事を請け負っている個人事業主やフリーランスが売掛債権(売掛金)回収の前提となる条件だと思われがちですが、売掛債権(売掛金)の前提となるクライアント(売掛先)との業務委託契約とは別の話になります。
今回紹介する業務委託契約は利用者(事業主様)とファクタリング会社間で結ぶものです。そしてその業務委託契約は「2社間ファクタリング」の時限定になります。債権譲渡契約以外に2社間ファクタリングで業務委託契約を結ぶ理由はどのようなものなのでしょうか?以下で解説していきます。
2社間ファクタリングの概略を説明
まず2社間ファクタリングについて改めて説明します。2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社間で行うファクタリングで、売掛先にはバレません。
利用者がファクタリング会社に売掛債権(売掛金)(「〇月△日に売掛先□から売掛金◇◇◇万円を受け取ります」という権利)を譲渡します。ファクタリング会社はその売掛債権(売掛金)を買い取ることで、利用者は「〇月△日」より前に現金を手にできます。
この再の現金は「◇◇◇万円から諸経費(手数料=ファクタリング会社の儲け)を控除したもの」になります。手数料率は10%~20%が多く、100万円の売掛債権(売掛金)ならば現金化できるのは80万円~90万円になります。
その後「〇月△日」になったら、売掛先□より売掛債権(売掛金)が利用者に振り込まれます。利用者は速やかにこの売掛金◇◇◇万円をファクタリング会社へ返済します。
当事者間の自由な契約ですべて完結し、売掛先はまったくファクタリングの事実を知らずに行えます。
ファクタリング会社が債権回収を行わないので業務委託契約で利用者が債権回収を代行する
2社間ファクタリングならば、売掛先からの売掛債権(売掛金)はそのまま利用者(事業主様)の口座に入ります。
しかし、入金された時点で「〇月△日に売掛先□から売掛金◇◇◇万円を受け取る権利」=債権はファクタリング会社に移っています。
本来、利用者(事業主様)は「〇月△日に売掛先□から売掛金◇◇◇万円を受け取る権利」を持っていないにもかかわらず、◇◇◇万円口座に振り込まれてしまいます。
これは、ファクタリング会社が◇◇◇万円売掛先から回収する業務を代行したという建付けになります。そのため、売掛債権(売掛金)◇◇◇万円の回収を「業務」として利用者(事業主様)に委託する業務委託契約が必要になります。
業務委託契約がないとどうなるのか?
もし業務委託契約を利用者(事業主様)とファクタリング会社で取り交わしていない場合、どうなるのでしょうか?
最悪のケースを考えると、業務委託契約を結ばない場合、売掛債権(売掛金)が利用者(事業主様)の口座に入金された後、「売掛金を送金・返済する義務はない」と言われてしまう可能性があります。つまり、ファクタリング会社が売掛先から売掛債権(売掛金)を回収できなくなるリスクが生じてしまいます。
もちろん、ファクタリング契約(債権譲渡契約)の中に、「利用者(甲)は〇月△日に売掛金◇◇◇万円をファクタリング会社(乙)に返済する」と記載がある可能性が高いのですが、それだけでは抗弁される可能性もあります。
「甲が売掛債権(売掛金)◇◇◇万円を本来の権利者乙に変わって回収する業務を行う」という業務委託契約があれば、「回収する義務がある」→「返済できない」→「委託された回収業務を履行していない」という流れで、債務不履行を主張しやすくなります。
債務不履行だけではなく、返済するという契約をしたのにウソをついた、謀ったということで詐欺などの刑事告発もしやすくなります。
ファクタリング会社の売掛債権(売掛金)回収不能リスクを下げるためにも2社間ファクタリングの場合、債権回収の業務委託契約が必要になります。
業務委託契約がないとファクタリングは無効?
業務委託契約がなくてもファクタリング自体は有効です。ファクタリングは融資と異なり当事者間の自由な意思表示に基づく民法上の契約なので、当事者で「しっかり売掛先から入金されたら利用者が返済します」という合意ができれば問題ありません。
ファクタリング契約自体も契約書への署名捺印は必須ではなく、当事者間で口頭での合意ができれば有効になります。そうはいっても、証拠が残らないのはいろいろ両者にとって不都合なので、証拠を残す意味でも紙の(あるいは電子)契約書を取り交わします。
債権回収の業務委託契約についても、書面であることは要件ではありません。しかし、トラブルを防ぐ意味でも業務委託契約書を取り交わすと当事者は安心できます。
2社間ファクタリングでも、1時間程度で入金が完了するオンラインファクタリングでは、業務委託契約に署名捺印するコストを省略し、オンライン契約、あるいは契約項目にチェックすることで契約書に代えるケースもあります。
その際、回収業務を委託しますという内容もおそらく含まれているはずです。この回収業務委託契約に同意できないと2社間ファクタリングをファクタリング会社は行わないでしょう。
実際に業務委託契約書を取り交わすかどうかは別にして、売掛債権(売掛金)の回収について、利用者(事業主様)が行うことについて業務委託契約することが、2社間ファクタリングの前提になることをぜひ知っておいてください。
この業務委託契約に同意できない場合、後述の3社間ファクタリングにならざるを得ません。当然、3社間ファクタリングのデメリットについて引き受けていただくことになります。
3社間ファクタリングで業務委託契約を結ぶ必要がない理由
2社間ファクタリングでは業務委託契約が必要ですが、3社間ファクタリングでは業務委託契約が不要です。その理由を解説します。
3社間ファクタリングの場合、売掛債権(売掛金)の回収は利用者ではなく債権譲渡されたファクタリング会社の業務になります。
利用者はすることがなく、ファクタリングして調達した資金はそのまま、売掛債権(売掛金)回収はファクタリング会社が行い、利用者がファクタリング会社に返済する工程がありません。
利用者が行う業務は何もなく、ファクタリング会社が全部代行するため、業務委託契約を交わす意味がないからです。業務がないのに、ファクタリング会社が利用者に債権回収業務について業務委託契約を交わすのはあり得ません。
したがって、3社間ファクタリングの場合、業務委託契約は不要です。もちろん、「3社間ファクタリングは資金化までに時間がかかる」「売掛先にファクタリングがバレる」「手数料は2社間ファクタリングと比較して安い」など諸条件を比較して、2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかを決めることになります。
そこまで業務委託契約の有無は関係ないかもしれません。
これが2社間ファクタリングと3社間ファクタリングにおける業務委託契約の有無の理由になります。
業務委託契約以外の契約についても押さえておこう
ファクタリングの際に行われる契約は債権回収の業務委託契約だけではありません。
その他の契約についても簡単に押さえておきましょう。
ファクタリング契約
ファクタリングそのものの契約です。この契約により、債権者(利用者、事業主様)はファクタリング会社に売掛金を譲渡し、その対価として資金を受け取ります。
契約内容は以下の通りです。
- どの売掛債権(売掛金)を対象にするか
- 譲渡価格(買取価格)とファクタリング手数料の金額
- 支払い条件、入金日
- 償還請求権の有無
特に重要なのは「償還請求権」の有無です。ファクタリングでは償還請求権がないノンリコース契約が基本ですが、ひょっとすると償還請求権ありの請求を強いられてしまうかもしれません。
償還請求権はファクタリングにおいて売掛債権(売掛金)が回収不能となった場合、ファクタリング会社がその損失を補填するために元の債権者(利用者、事業主様)に対して支払いを請求する権利のことです。償還請求権付きのファクタリングは融資であるという判例も出ており、注意が必要です。
債権譲渡契約
債権譲渡契約は、特定の売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に正式に譲渡する契約です。ファクタリング契約に含まれることもあります。これにより、法的に債権(「〇月△日に売掛先□から売掛金◇◇◇万円を受け取る権利」)が債権者からファクタリング会社に移転します。
契約内容は以下の通りです。
- 譲渡される売掛債権(売掛金)の詳細、内容
- 譲渡日、譲渡価格(買取金額)
- 売掛先への通知の有無
- 譲渡に関する義務や罰則
3社間ファクタリングの場合、売掛先への通知「有」になります。
秘密保持契約
ファクタリング契約や業務委託契約の際に、機密情報や個人情報の漏洩を防ぐために結ばれる契約です。売掛先の情報などは外部に漏らしてはいけません。
法的承諾契約
ファクタリングにおいて、必要な法的手続きを行うための承諾を得る契約です。あまり聞かない契約で、他の契約に盛り込まれていることもあります。特に債権譲渡に関する法的手続きを円滑に進めるために必要です。
何かあったら、訴えます。管轄裁判所はどこです。など法的措置に関する定めを記載していきます。
ファクタリングは迅速性が重要なので、上記全部の契約を行うところは少ないですが、契約があればいざというときに安心できます。
ただし、償還請求権など、利用者(事業主様)に不利な条項が盛り込まれる可能性もあります。ファクタリングは民法上の契約なので、事業主様に不利な内容でも、公序良俗に反する内容などでなければ有効な合意のある契約になります。
事前にしっかりチェックをお願いします。
株式会社No.1は迅速な2社間ファクタリングを実現!業務委託契約も簡便で売掛債権(売掛金)譲渡が可能!
ファクタリング、特に2社間ファクタリングの場合、「売掛債権(売掛金)を回収する義務」もファクタリング会社に移行します。しかし、それでは3社間ファクタリングと同様に売掛先にバレてしまいます。
2社間ファクタリングはバレずに迅速な資金調達が可能なのがメリットです。それを可能にするには「売掛債権(売掛金)を回収する義務」を業務として利用者に委託することが必要です。
そのため業務委託契約を交わして、利用者に売掛債権(売掛金)回収義務を負わせて、スムーズな資金回収とファクタリング会社への返済をしてもらいます。
株式会社No.1の2社間ファクタリングは紙で業務委託契約書を交わさなくても、独自のシステム「Easy factor」によってオンライン上で債権回収の業務委託契約を利用者(事業主様)と交わします。
紙の契約書は必ずしも業務委託契約の要件ではありません。迅速な資金調達とスムーズな返済を両立できるシステムになっています。
「債権譲渡契約以外の契約も交わすのか・・・」と悩まず、2社間ファクタリングを速やかに実現するために「そういう契約(業務委託契約)もあるのか」という認識でいてください。
みなさまにご負担をおかけするものではなく、2社間ファクタリングとしてやっていただくことの証拠を作ることが目的です。
2社間ファクタリングのメリットは大きく、業務委託契約を結んで速やかに回収した売掛債権(売掛金)を返済していただければ問題ありません。
ぜひ株式会社No.1をご利用ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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