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安い手数料でファクタリングするには?利用時の注意点は?手数料を下げるコツも徹底解説

ファクタリングを利用する会社は、手数料を負担しなければなりません。
ビジネスローンよりも安い手数料で利用できることもありますが、時には大きな負担を強いられることも。
安い手数料でファクタリングせず、なおかつ無計画な利用を続けていると、資金繰りがどんどん悪化してしまいます。
そこで、できるだけ安い手数料でファクタリングすることが大切です。
この記事では、安い手数料でファクタリングするための基礎知識、手数料に関する注意点、手数料を抑えるコツなどを詳しく解説します。

ファクタリングの基礎知識

中小企業の資金調達といえば、基本的には銀行融資が中心です。
銀行融資は調達コストが安く、多額の資金を調達できるため、経常的な運転資金の調達から大規模な設備投資まで、様々な資金需要に対応した資金調達方法です。
しかしながら、銀行融資には大きな問題があります。
融資先の返済力を厳しく審査し、問題があれば融資しないのです。
あるいは、十分な担保や保証がなければ融資してくれません。
業績・財務が好調であれば、そういう時には複数の銀行から融資提案を受けることも多く、比較的容易に融資を受けられるだけに資金調達に苦しむこともありません。
しかし、業績・財務が悪化した時には、どの銀行も融資に消極的になります。
これが、「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日には傘を貸さない」と言われる理由です。
したがって、銀行融資に過度に依存している会社は、銀行から融資を受けられずに資金繰りが行き詰る危険があります。
そこで政府は、中小企業に対して資金繰りの多様化を促しています。
そのための方法として、現在政府が最も力を入れているのが「ファクタリング」です。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、売掛金を売却する資金調達方法です。
取引先に対して、商品やサービスを信用取引で販売した際には、支払期日に代金を受け取る権利として「売掛金」が発生します。
売掛金は、売上があるからこそ発生するもので、商売がうまく行っている証拠ですから、基本的に悪いものではありません。
問題は、支払期日まで待たなければ代金を受け取れないことです。
支払いまでの期間、自社が代金を立て替えている状態ですから、立て替えておく期間が長かったり、金額が大きかったりした場合には、資金繰りの大きな負担になります。
ファクタリングを利用することで、必要な資金を調達しながら、資金繰りの負担も解消できます。
売掛金の売却先はファクタリング会社です。
ファクタリング会社は、売掛先の支払能力などを審査してリスクを見積もり、リスクに応じて手数料を設定します。
売掛金の額面金額から手数料を差し引いたものが、売掛金の買取金額です。
手数料分だけ売掛金が目減りしますが、資金繰りへの効果を考えると費用対効果は抜群です。
もちろん、ファクタリングでは手数料が調達コストになるため、手数料が安いに越したことはありません。
そこで、安い手数料で利用できるように工夫したり、手数料が安いファクタリング会社を選んだりすることが重要となります。

ファクタリングの方式

安い手数料でファクタリングするためには、ファクタリングの方式について知っておく必要があります。
ファクタリング方式ごとに手数料が異なり、ファクタリング会社によって取り扱っている方式も異なるからです。
大別すると、ファクタリング方式には以下の3つがあります。

  • 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式
  • オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの手続きを全てオンラインで完結する方式

詳しくは後述しますが、方式別の手数料、資金調達スピード、利便性の違いを簡単にまとめておきます。

  • 手数料の安さ:3社間ファクタリング≧オンラインファクタリング≫2社間ファクタリング
  • 資金調達スピード:オンラインファクタリング≧2社間ファクタリング≫3社間ファクタリング
  • 利便性:オンラインファクタリング≫2社間ファクタリング≫3社間ファクタリング

ファクタリングの5つのメリット

ここまでの内容を踏まえて、ファクタリングの代表的なメリットを見ていきましょう。

1.融資とは異なる審査基準

ファクタリングと融資では、審査基準が全く異なります。
銀行融資の審査基準は、「融資先に十分な返済能力があるかどうか」です。
このため、業績・財務に問題がある会社には融資しません。
これに対し、ファクタリングの審査能力は「売掛先に十分な支払い能力があるかどうか」です。
ファクタリング会社が重視するのは、あくまでも売掛先であって利用会社ではありません。
ファクタリング会社は、利用会社から売掛金を買い取った後、支払期日に売掛金を回収することで利益を確保します。
たとえ利用会社の経営に問題があっても、支払期日に売掛先が支払いさえすればビジネスは成り立ち、安い手数料で買い取ることも可能です。
したがって、連続赤字や債務超過、税金の滞納など、銀行の審査に高確率で落ちる会社でも、ファクタリングならば利用できます。

2.無担保・無保証で利用できる

ファクタリングは売掛金を売却する資金調達方法であり、売掛金は売掛債権の一種です。
このため、ファクタリング会社に売掛金を譲渡(売却)するファクタリングは、法的には債権譲渡契約に含まれます。
銀行融資は金銭消費貸借契約ですから、返済義務を伴う契約です。
これに対して、ファクタリングは債権譲渡契約であり、返済義務が一切ありません。
したがって、ファクタリングは無担保・無保証で利用できます。
返済義務がなければ、返済不能時に備えるための担保・保証は不要であり、手数料の安い・高いにも一切関係ありません。
銀行融資を受けるにあたり、担保や保証で苦しんだ経験がある人も多いことでしょう。
ファクタリングならばその心配もありません。

3.スピーディに資金調達できる

ファクタリングの資金調達スピードは、あらゆる資金調達方法の中で最も優れています。
近年、ファクタリングの人気が急速に高まっているのも、これが大きな理由の一つです。
中小企業では十分な与信管理が難しく、資金繰り計画に疎漏があることも多いため、突発的な資金不足に悩まされることがよくあります。
資金調達方法には色々ありますが、スピーディに資金調達できる方法は限られています。
銀行融資は数週間~1ヶ月以上を要し、ビジネスローンも即日で資金調達できないケースが少なくありません。
これに対し、ファクタリングは即日での資金調達が可能です。
方式別の資金調達スピードの目安は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:最短即日
  • 3社間ファクタリング:最短1週間以上
  • オンラインファクタリング:最短数時間

「今日中に資金調達しなければ資金繰りがショートする」といったシーンでも、ファクタリングならば対応できます。

4.償還請求権がない

ファクタリング契約は「償還請求権なし」が原則です。
償還請求権とは、買い取った売掛金が回収できなくなった場合に、ファクタリング会社が利用会社に売掛金の買い戻しを求める権利を意味します。
「償還請求権あり」で有名なのが、約束手形を売却する手形割引です。
銀行に手形割引を依頼すれば、安い手数料(割引料)で資金を調達できますが、割り引いた手形が不渡りになると手形の買い戻しを求められます。
これは、手形割引が「償還請求権あり」の契約だからです。
ファクタリングには償還請求権がないため、売掛先の資金繰り悪化や倒産などによって売掛金が回収不能になっても、買い戻しを求められることはありません。
もし、その売掛金をファクタリングせずに支払期日まで待っていたら、自社が損失を被っていたはずです。
事前にファクタリングしておけば、このリスクを回避できます。
つまり、売掛金で資金調達できるだけではなく、売掛金の回収不能リスクをファクタリング会社に移転できるのです。
このように、リスクマネジメントに役立つこともファクタリングの魅力です。

5.手数料が安い

正しく利用すれば、ファクタリングは安い手数料で利用できます。
1~4のメリットは、どれも魅力的なものばかりです。
多くのメリットがあって、なおかつ手数料が安いのですから、政府がファクタリングを推奨するのもうなずけます。
手数料が安いことついては、下記に詳述します。

ファクタリングの手数料の仕組み

ここまでも見てきた通り、ファクタリングには手数料がかかります。
手数料は資金繰りに確実に影響するため、安いに越したことはありません。
安い手数料で利用するにはコツがありますが、その前提として、ファクタリング手数料の仕組みを知っておくことが大切です。

ファクタリング手数料率の相場

まず気になるのが、ファクタリング手数料率の相場です。
相場が分からなければ、手数料の安い・高いも分かりません。
ファクタリング会社の手数料を比較する際には、以下の相場を参考にしてください。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
  • オンラインファクタリング:額面金額の10%以下

このように、手数料率はファクタリング方式によって相場が異なります。

ファクタリング手数料はなぜ方式で変わる?

手数料率の相場を見ても分かる通り、手数料が安い場合と高い場合とで大きな差が生じます。
2社間ファクタリングの相場で考えると最大30%の手数料がかかりますが、3社間ファクタリングならば1%の手数料で利用できることもあるのです。
では、なぜファクタリング方式によって手数料の安い・高いが変わるのでしょうか。
ファクタリング手数料は、ファクタリング会社のリスクに応じて大きく変動します。
ファクタリング方式によって手数料が変わる理由について、リスクと手数料の関係を方式別にみていきましょう。

2社間ファクタリングの手数料が高い理由

2社間ファクタリングの手数料は、安い場合でも10%以上が相場です。
もちろん、これはあくまでも相場ですから、No.1のように相場より安い手数料(額面金額の5~15%)で提供している会社もあります。
しかし、他のファクタリング方式にくらべて手数料が高いのは事実。
これは、2社間ファクタリングがファクタリング会社にとってリスクが高いためです。

提出書類の粉飾リスク

利用会社の提出する書類には通帳コピー・決算書・請求書などがあります。
これらの書類の内容が良ければ、安い手数料でファクタリングできることも多いです。
しかし、2社間ファクタリングは、売掛先が関与せずに取引するため、ファクタリング会社は利用会社の提供する情報だけで判断しなければなりません。
提出書類に粉飾があっても、ファクタリング会社が100%見抜くことは困難です。
その場合、ファクタリング会社は虚偽の情報によって審査せざるを得ず、正しいリスク測定が不可能になります。
低リスクと判断して安い手数料で買い取れば、リターンに見合わない回収不能リスクを抱える恐れがあるのです。
このようなリスクを避けるためにも、2社間ファクタリングでは多少リスクを高めに見積もる場合が多く、安い手数料でのファクタリングが難しくなります。

利用会社による詐欺のリスク

ファクタリング会社が、書類の粉飾以上に気を遣うのが詐欺リスクです。
利用会社がファクタリング会社に対して詐欺を働き、事件化した例は色々ありますが、その大部分は2社間ファクタリングで起こっています。
主な詐欺行為は以下の二つです。

  • 架空債権詐欺…実在しない売掛金をファクタリングするもの。ファクタリング会社は売掛金を回収できず、損失を被る。
  • 計画倒産詐欺…利用会社が売掛金をファクタリングした後、売掛先を計画的に倒産させるもの。売掛先が倒産すれば売掛金は回収できなくなり、ファクタリング会社は損失を被る。

このうち、特に多いのが架空債権詐欺です。
例えば、提出書類のうち請求書が架空のものであっても、ファクタリング会社は売掛先に確認をとれません。
その場合、ファクタリング会社は実在しない売掛金を買い取ることになります。
当然ながら、架空の売掛金は回収できません。
したがって、手数料の安い・高いに関係なく(たとえ手数料を高く設定しても)、ファクタリング会社は買取金額分の損失を被ります。
安い手数料であれはあるほど、損失は深刻になります。
2社間ファクタリングでは詐欺リスクを織り込む必要があり、安い手数料では買い取りにくいというわけです。
特に、初回利用の会社に対しては、利用実績がないだけに詐欺リスクを警戒します。
実際に、初回利用時には手数料が高くなり、利用実績を積み重ねるうちにだんだんと安い手数料が適用されるのが一般的です。
手数料の基本設定が安いファクタリング会社でも、多かれ少なかれこの傾向があります。

債権譲渡登記が必要

2社間ファクタリングが安い手数料で利用できないのは、債権譲渡登記の影響も大きいです。
基本的に、2社間ファクタリングの際には債権譲渡登記を求められます。
これは二重譲渡を防ぐためです。
二重譲渡とは、同一の債権を複数の相手に譲渡することです。
例えば、売掛金aをファクタリング会社Aに売却した後、再び売掛金aをファクタリング会社Bに売却することをいいます。
当然ながら、売掛金aはひとつしかないため、回収できるのはファクタリング会社Aとファクタリング会社Bのどちらか一方だけです。
回収できなかった方は、手数料の安い・高いに関係なく損失は避けられません。
2社間ファクタリングでは、利用会社とファクタリング会社以外の第三者が一切関与しないため、二重譲渡が起こりやすい環境です。
そこで、二重譲渡を避けるためにも、ファクタリング会社は第三者対抗要件を具備する必要があります。
第三者対抗要件を具備する方法は、「利用会社から売掛先に対する債権譲渡通知」「売掛先による債権譲渡の承諾」「債権譲渡登記」の3つです。
2社間ファクタリングは売掛先が関与しないため、「債権譲渡登記」の一択となります。
債権譲渡登記を行うことにより、ファクタリングによる債権の移動(利用会社→ファクタリング会社)が明確になり、第三者対抗要件を具備できます。
ただし、債権譲渡登記にかかる手数料は、決して安いものではありません。
司法書士報酬と登記手数料で、10万円程度の手数料がかかります。
これが、2社間ファクタリングの手数料を大きく引き上げています。

使い込みのリスク

2社間ファクタリングの際、さらに厄介なのが使い込みのリスクです。
ファクタリングは債権譲渡取引ですから、売掛金を売却することで債権者が利用会社からファクタリング会社に変わります。
しかし、2社間ファクタリングでは売掛先が一切関与しないため、売掛先はファクタリングの事実はもとより、債権者が変わったことを知りません。
したがって、支払期日になると売掛先は利用会社に代金を支払います。
その後、利用会社がこの代金をファクタリング会社に振り込むことで、2社間ファクタリングの手続きは全て完了です。
つまり、2社間ファクタリングの売掛金回収は「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」の流れで行われます。
この流れがスムーズにいけばよいのですが、利用会社が資金繰りに行き詰まっている場合、ファクタリング会社に支払うべき代金を使い込んでしまうことがあります。
これが「使い込み」というものです。
利用会社が代金を使い込んでしまうと、ファクタリング会社は代金を回収できなくなります。
手数料が安いほど未回収の金額が大きくなり、損失が膨らむのです。
だからこそ、2社間ファクタリングの契約では売掛金回収業務委託契約を結びます。
使い込みはこの契約に違反する行為であり、法的には横領罪にあたります。
もっとも、利用会社を訴えて事件化したところで、ファクタリング会社は損失を回復できるとは限りません。
2社間ファクタリングの仕組み上、どうしても使い込みのリスクはつきまといます。
安い手数料では使い込みのリスクをヘッジできないため、2社間ファクタリングの手数料は高いのです。

スピード対応と手数料の関係

また、2社間ファクタリングを利用する会社のほとんどがスピードを重視するため、審査に費やせる時間も限られています。
ファクタリングのメリットでも述べた通り、2社間ファクタリングの資金調達スピードは最短即日です。
例えば、午前中に申し込みと必要書類の提出が終わったならば、速やかに審査を実施し、ファクタリング契約を締結次第、買取代金を振り込むという流れです。
2社間ファクタリングが安い手数料で対応できない原因のひとつは、この流れのうち「速やかに審査を実施」という点にあります。
数時間で審査を完了するには、必要最低限の書類だけを参考として、簡易的に審査せざるを得ません。
もちろん、簡易審査によるリスク測定の精度は、ファクタリング会社によって大きく異なります。
業歴が長く、審査ノウハウが豊富な優良ファクタリング会社であれば、簡易審査でもそれなりに精度が高いです。
したがって、簡易審査でありながら、相場よりも安い手数料でファクタリングできることが多いです。
とはいえ、時間をかけて審査する場合に比べて、簡易審査の精度が低いことは間違いありません。
この問題を解消するために手っ取り早いのは、手数料を高めに設定することです。
簡易審査によってリスクを10と判断したならば、余裕をもって11以上のリスクを見積もり、手数料を多めに取ることでヘッジを図ります。
新規開業のファクタリング会社など、審査能力・ノウハウの低い業者ほど安全余裕率を大きくとるため、安い手数料から遠ざかります。

3社間ファクタリングの手数料が安い理由

方式別の手数料相場から分かる通り、3社間ファクタリングは2社間ファクタリングよりも手数料が安いです。
2社間ファクタリングの手数料が「10~30%」、3社間ファクタリングの手数料が「1~10%」ですから、大幅に安いことがわかるでしょう。
相場だけでいえば、3社間ファクタリングよりも2社間ファクタリングの方が安い手数料になることはありません。
なぜ3社間ファクタリングの手数料は安いのでしょうか。

売掛先に請求内容を照会できる

なんといっても、3社間ファクタリングには売掛先が必ず関与します。
売掛先から事前に内諾を得ている場合も多く、ファクタリング会社が売掛先と直接連絡を取っても差し支えありません。
これにより、書類の粉飾によるリスクを大幅に軽減できます。
3社間ファクタリングの手数料が安い第一の理由はここにあります。
ファクタリングの審査では、請求内容(支払期日や請求金額など)が特に重要です。
請求書の情報に虚偽があればリスクになりますが、売掛先に請求内容を照会すれば虚偽のリスクはほぼ避けられます。
もちろん、売掛先に照会したからといって100%見抜けるわけではありません。
例えば、利用会社と売掛先が共謀して請求内容を改ざんした場合。
しかし、そのようなケースは現実的に考えにくいです。
資金調達したいのは利用会社であり、売掛先は3社間ファクタリングに協力するだけの立場です。
請求内容の改ざんによって利益を得るのは利用会社だけで、売掛先には一文の利益にもなりません。
それどころか、請求書の改ざんは私文書偽造罪にあたります。
何の利益もない売掛先が、利用会社と共謀して罪を犯すことはほぼあり得ません。
だからこそ、ファクタリング会社は売掛先に請求内容を照会することで、虚偽があれば見抜くことができ、虚偽でないとしても正確な情報をもとに審査できます。
3社間ファクタリングは、書類の粉飾リスクを大幅に軽減でき、安い手数料でファクタリングできるというわけです。

詐欺のリスクが小さい

3社間ファクタリングは、利用会社による詐欺のリスクも小さいです。
詐欺のリスクがなくなれば、それだけ安い手数料でファクタリングできます。
3社間ファクタリングの詐欺リスクが小さく、手数料が安い理由については、架空債権詐欺を考えるとよくわかります。
架空債権詐欺は、実在しない売掛金を譲渡・売却する行為です。
「売掛先は実在するが、売掛金が実在しないパターン」と「売掛先も売掛金も実在しないパターン」のふたつが考えられます。
3社間ファクタリングの仕組みでは、どちらのパターンも通用しません。
「売掛先は実在するが、売掛金が実在しない」という場合、利用会社は売掛先から内諾を得ることができません。
そもそも売掛金が存在しないため、利用会社から3社間ファクタリングへの協力を要請されても、売掛先は内諾しようがないのです。
内諾が不要のケースでも、やはり通用しません。
ファクタリング会社が売掛先に請求内容を照会すれば、その売掛金が存在しないことはすぐにバレてしまいます。
また、3社間ファクタリングの手続きでは、売掛先に対する債権譲渡通知・承諾手続きが必須です。
存在しない売掛金について譲渡通知を受けたり、譲渡承諾を求められたりしても、売掛先は対応のしようがありません。
「売掛先も売掛金も実在しないパターン」も同様です。
売掛先が実在しなければ、売掛先から内諾を得ることはできず、ファクタリング会社と売掛先が連絡を取ることもできず、債権譲渡通知・承諾手続きも成り立ちません。
つまり、利用会社・ファクタリング会社・売掛先の3社間取引が成立しないのです。
3社間ファクタリングで架空債権詐欺をやり遂げることはほぼ不可能といえます。
もちろん、詐欺リスクはほかにもありますが、ファクタリングにおける詐欺被害は架空債権詐欺が大多数を占めています。
つまり、「3社間ファクタリング=架空債権詐欺が起こりにくい=詐欺リスクが小さい」ということです。
詐欺リスクが小さくなれば、その分だけ安い手数料でファクタリングできます。

債権譲渡登記が不要

上記の通り、「3社間ファクタリング」と「債権譲渡通知・承諾」は必ずセットです。
ファクタリング会社が第三者対抗要件を具備するには、「売掛先への債権譲渡通知」「売掛先からの承諾」「債権譲渡登記」のいずれかが必要となります。
このうち、3社間ファクタリングでは「売掛先への債権譲渡通知」「売掛先からの承諾」が極めて容易です。
売掛先が関与し、場合によっては内諾している(3社間ファクタリングに協力的)ため、大抵は債権譲渡通知・承諾手続きもスムーズにいきます。
これにより、ファクタリング会社は簡単に第三者対抗要件を具備でき、わざわざ債権譲渡登記を行う必要はありません。
もちろん、司法書士報酬や登記手数料もかからず、約10万円のコストを削減できます。
「債権譲渡登記不要」というだけで10万円も安いのですから、3社間ファクタリングの手数料が安い理由がよくわかります。

使い込みのリスクがない

使い込みのリスクがないことも、手数料が安い理由です。
3社間ファクタリングであっても、書類の粉飾や詐欺などのリスクはゼロではありません。
しかし、使い込みのリスクに限っては確実にゼロになります。
3社間ファクタリングでは、売掛先が債権譲渡に承諾するわけですが、この「承諾」は「売掛金の譲渡(ファクタリングの利用)を認めること」だけではありません。
売掛金の譲渡を認めるということは、「譲渡によって債権者が変わることを認める」ということです。
売掛債権の取引は、債権者と債務者の相対取引が基本となります。
つまり、債権譲渡承諾は「売掛先は債務者として、新たな債権者であるファクタリング会社と相対取引を行うことを認める」という意味を含むのです。
債権譲渡が完了した以降は、「売掛先⇔利用会社⇔ファクタリング会社」という関係ではなく、あくまでも「売掛先⇔ファクタリング会社」という関係において取引します。
したがって、売掛金回収の流れも「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」ではなく「売掛先→ファクタリング会社」です。
ファクタリング会社は、支払期日に売掛先から直接回収するため、利用会社による使い込みのリスクもゼロとなります。
これにより、使い込みのリスクに備える必要がなくなり、その分だけ安い手数料でファクタリングできるというわけです。

審査に時間をかける

最後に、審査の影響をみていきましょう。
3社間ファクタリングは、資金調達するまでに1週間程度を要します。
債権譲渡通知書を内容証明郵便で送ったり、債権譲渡承諾書の返送を行ったりする必要があるため、これだけでも「即日対応不可」です。
突発的な理由によって即日対応を必要とする会社は、はじめから2社間ファクタリングを利用します。
また、時間がかかるとはいえ、銀行融資にくらべると圧倒的にスピーディです。
したがって、3社間ファクタリングを利用する会社の多くは、さほどスピードを重視していません。
これにより、3社間ファクタリングは審査に時間をかけることができるため、安い手数料でファクタリングできます。
さらに、売掛先に照会することによって、書類の情報も正確に把握しているのです。
売掛先の関与のもと、正しい情報によって時間をかけて審査すれば、リスク測定の精度が高まります。
ファクタリング会社の中には、信用調査会社からデータ(売掛先の決算内容など)を取り寄せて審査するため、その場合にはかなり正確な分析もできます。
審査の精度が高いほど、手数料は安いです。
リスクに見合う手数料を設定でき、精度の低さを割高な手数料によって補う必要はなくなります。
つまり、3社間ファクタリングは、審査結果に基いて適正な手数料を設定でき、割高な手数料を取られることがありません。
内容が良い売掛金は安い手数料でファクタリングでき、内容が悪い売掛金もそれなりに安い(割高ではない)手数料でファクタリングできます。

オンラインファクタリングの手数料が安い理由

オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングをオンライン化した仕組みです。
したがって、基本的には2社間ファクタリングの特徴を引き継いでいるのですが、手数料が安い点で大きく異なります。
2社間ファクタリングの手数料の相場が「10~30%」であるのに対し、オンラインファクタリングの手数料相場は「10%以下」であり、大幅に安いのです。
オンラインファクタリングの手数料が安い理由をみていきましょう。

オンラインで手続きを効率化

オンラインファクタリングの手数料が安い理由として、手続きの効率化が挙げられます。
オンラインファクタリングは、申し込みから契約まで全てオンラインで完結でき、ファクタリング会社にとって事務効率が非常に高い仕組みです。
手続き全体の効率化につながるのはもとより、特に手数料への貢献度が高いのは契約のオンライン化です。
オンライン化によって、利用会社とファクタリング会社の双方において、契約時の負担が大幅に軽減されます。
従来の2社間ファクタリングでは、対面取引や郵送取引によって契約するのが一般的でした。
利用会社とファクタリング会社の位置関係が遠い場合、対面契約の負担が大きく、事務効率が悪化します。
ファクタリング会社の労働力には限りがあるため、複数の買い取りを同時進行で行う場合、対面契約は特に大きな負担です。
郵送取引も、書類の作成や送付によって事務効率の低下を招きます。
これに対し、オンラインファクタリングはクラウド契約を用いてオンラインで契約するため、負担がほとんどありません。
事務効率が改善すれば、安い手数料でファクタリングする余地も出てくるというわけです。

AIで審査を効率化

オンラインファクタリングの手数料が安い理由のうち、AIの活用も見逃せません。
あらゆる産業でAIの活用が進んでいる昨今、ファクタリング業界でもAIを導入する業者が増えています。
特に、オンラインファクタリングではAIによる審査が広がってきています。
ファクタリングにおけるAI審査は、融資におけるスコアリングシステムのようなものです。
銀行は融資担当者の手によって綿密な審査を行いますが、ノンバンクはスコアリングシステムによって機械的に審査を行います。
これと同じように、従来のファクタリングは担当者の手で審査を行うのが一般的でしたが、オンラインファクタリングではAIで機械的に審査するケースが増えているのです。
AI審査は、提出書類の数値を用いて機械的に審査を行い、ファクタリングの可否や条件(特に手数料の安い・高い)を瞬時に判断します。
これによって、よりスピーディな資金調達が可能になるだけではなく、ファクタリング会社の負担が軽減され、手数料の引き下げも可能というわけです。
だからこそ、オンラインファクタリングは2社間ファクタリングに比べて安い手数料で利用できます。

債権譲渡登記が不要

オンラインファクタリングは2社間ファクタリングの一種であり、売掛先が関与しません。
したがって、「書類の粉飾」「詐欺」「使い込み」といったリスクがあります。
これらのリスクは、手数料の安い・高いにも確実に反映されます。
事務効率の改善だけでは、大幅に安い手数料でファクタリングすることはできません。
オンラインファクタリングの手数料が大幅に安いのは、債権譲渡登記が不要なためです。
従来の2社間ファクタリングは債権譲渡登記を求められることが多く、そのために10万円程度のコストがかかります。
これでは、安い手数料でファクタリングすることは困難です。
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングの一種ではあるものの、「債権譲渡登記不要」が基本となっています。
「債権譲渡登記不要」というだけで、10万円も安い手数料でファクタリングできるのですから、オンラインファクタリングの手数料が安い理由がよくわかるでしょう。

ファクタリング手数料の安い・高いを左右する要素

ファクタリング手数料の安い・高いは、ファクタリング方式によって大きく変わってきます。
もっとも、手数料が変わる根拠は方式そのものにあるのではなく、方式ごとの手続きの違いに起因する「手数料の内訳」が異なるためです。
そこで、安い手数料でファクタリングするには、手数料の内訳と、項目別の影響を知っておく必要があります。

ファクタリング手数料のパターンは2つ

まず、ファクタリング会社によって手数料の捉え方が異なります。
大きく分けると以下の2パターンです。

  • 全ての経費をひとまとめにして、「ファクタリング手数料」として請求するケース
  • 案件ごとに諸経費を算出し、細かく請求するケース

優良ファクタリング会社でよく見られるのは、前者のパターンです。
ファクタリングには色々な費用がかかりますが、それらをひとまとめにして「ファクタリング手数料」と捉え、「手数料率は額面金額の〇%」とします。
この場合、「諸経費込み」「その他経費0円」で利用できるため、コストを管理しやすく、結果的に安い手数料でファクタリングできることも多いです。
また、後者のパターンも少なくありません。
優良ファクタリング会社の中にも、諸経費を細かく請求する業者があります。
諸経費があまりかからない場合、安い手数料でファクタリングできることもありますが、逆の場合には手数料が高くなります。
どちらが安い手数料になるか、一概には言えません。
いずれの場合にせよ、ファクタリングである以上は業者によって手続きが大きく変わることはなく、手数料の内訳も似通っています。
だからこそ、手数料の内訳を知っておくことが大切です。

ファクタリングの手数料の内訳

2社間ファクタリングの場合、多くのファクタリング会社に共通する内訳は以下の通りです。

    1. 買取手数料
    2. 登記コスト
    3. 出張費
    4. 事務手数料
    5. その他手数料
    6. 掛け目

それぞれの項目について、特徴・目安・影響などをみていきましょう。

手数料を左右する項目①買取手数料

内訳の中でも、ファクタリング手数料の安い・高いを特に左右するのが買取手数料です。
買取手数料は、読んで字のごとく「売掛金を買い取るための手数料」です。
詳しく言えば、「その売掛金に期待できる収益と回収不能リスクを勘案し、リスクヘッジのために請求する手数料」といえます。
ファクタリング会社にとって、収益性が高く、リスクが低い売掛金は優良債権ですから、安い手数料でも買い取りたいと考えます。
例えば、診療報酬債権はファクタリング会社にとって優良債権です。
この場合、売掛先は社保・国保といった公的機関であり、回収不能リスクはほぼゼロのため、安い手数料でも十分に買い取る価値があります。
しかし、収益性が低く、リスクが高い売掛金であれば、安い手数料で買い取ることはできません。
例えば、額面金額が少額であればあるほど、ファクタリング会社の手数料も少額になります。
ファクタリング会社が買い取るためには、少なくとも「買取手数料>事務コスト」でなければなりません。
また、回収不能リスクが高い場合、リスクに見合うだけのリターンがなければ、ビジネスとして成り立ちません。
したがって、収益性やリスクに問題がある場合には、手数料率を引き上げる必要があり、安い手数料ではファクタリングできないというわけです。
2社間ファクタリングの手数料相場に大きな開きがある(10~30%)のも、これが主な理由です。
売掛金の内容が良ければ買取手数料が低く設定されるため、安い手数料でファクタリングできます。
逆に、売掛先の内容が悪ければ、そもそも買取りを拒否されるか、ファクタリングできても買取手数料が高く設定されるため、安い手数料ではファクタリングできません。
安い手数料でファクタリングするには、買取手数料を抑えるためにも売掛金・売掛先の選び方に工夫が必要です(詳しくは後述)。

手数料を左右する項目②登記コスト

安い手数料でファクタリングするには、債権譲渡登記の有無が大きなカギとなります。
ファクタリング方式のうち、2社間ファクタリングは債権譲渡登記を求められることが多いです。
これに伴い、10万円程度のコストがかかります。
このコストを安いと考えるか、高いと考えるかは、調達する金額によって大きく変わります。
ファクタリングする金額が大きければ、債権譲渡登記による影響は軽微です。
例えば、額面金額5000万円の売掛金を買取手数料率10%でファクタリングする場合、買取手数料は500万円となります。
このとき、その他の手数料として債権譲渡登記に10万円かかったとしても、手数料の合計は510万円。
全体の手数料率は10.2%であり、登記コストの占める割合は0.2%に過ぎません。
しかし、額面金額50万円を買取手数料率10%でファクタリングする場合、買取手数料は5万円です。
そこへ債権譲渡登記費用として10万円を支払うと、手数料の合計は15万円となります。
債権譲渡登記によって、手数料率が10%(買取手数料のみ)から30%(買取手数料+登記費用)に跳ね上がるのです。
ファクタリングの利用金額が小さいほど、債権譲渡登記コストの負担が大きくなるため、安い手数料では利用できません。
安い手数料でファクタリングするには、まとまった金額をファクタリングするか、もしくは債権譲渡登記不要の業者・方式を選ぶのがポイントです。

手数料を左右する項目③出張費

契約時に対面で取引するならば、出張費を考慮しなければなりません。
対面契約は、利用会社がファクタリング会社の営業所を訪問するか、ファクタリング会社のスタッフが利用会社まで出張することによって行います。
前者の場合、経営者自身がファクタリング会社を出向くため、交通費(実費)がかかります。
後者の場合、交通費(実費)に加えて、出張対応に伴う手数料(スタッフの人件費など)を請求するのが一般的です。
利用会社とファクタリング会社が近ければ、出張費もさほどかからず、安い手数料でも利用しやすいです。
しかし遠方の場合、出張費が膨らむため安い手数料では利用しにくくなります。
出張費による手数料の違いを簡単に比較してみましょう。

  • 近い場合:額面金額500万円、手数料率10%、出張費1万円⇒合計手数料11万円(手数料率11%)
  • 遠い場合:額面金額100万円、手数料率10%、出張費5万円⇒合計手数料15万円(手数料率15%)

以上のように、出張費によって手数料が大きく変わることが分かります。
債権譲渡登記と同様、ファクタリングする金額が小さいほど出張費の負担が大きくなり、安い手数料ではファクタリングできません。
したがって、安い手数料でファクタリングするには、まとまった金額をファクタリングするか、出張費無料のファクタリング会社を選ぶか、対面不要の方式を選ぶのがポイントです。

手数料を左右する項目④事務手数料

一部のファクタリング会社では、事務手数料を請求しています。
もっとも、事務手数料の影響はさほど大きくありません。
一般的に、事務手数料はファクタリングする金額によって変動します。
ある業者では、事務手数料を以下のように設定しています。

  • 買取金額100万円以下:事務手数料1万円
  • 買取金額101万円~200万円:事務手数料2万円
  • 買取金額201万円~300万円:事務手数料3万円
  • 買取金額301万円~400万円:事務手数料4万円
  • 買取金額500万円以上:事務手数料5万円

(原文ママ、買取金額401万円~500万円未満の事務手数料は記載なし)
ファクタリング金額が安いほど事務手数料も安い設定のため、トータルでの手数料率にもさほど影響しません。
ファクタリング金額が極端に安い場合を除けば、手数料率に占める事務手数料の割合は1~2%です。
とはいえ、手数料が安いに越したことはありません。
No.1をはじめ、事務手数料を無料としているファクタリング会社はたくさんあります。
特に大きなメリットがない限り、あえて「事務手数料あり」の業者を選ぶ必要はないでしょう。
事務手数料を削減すれば、それだけ安い手数料で利用できます。

手数料を左右する項目⑤その他手数料

ファクタリングの際には、その他の手数料として印紙代や振込手数料がかかります。
これらの手数料は基本的に安いため、トータルの手数料にもほとんど影響しません。
ファクタリング契約に伴う債権譲渡契約書は課税文書(第15号文書)に該当するため、契約書には収入印紙を張り付ける必要があります。
ファクタリング金額が大きいほど印紙代も大きくなりますが、1000万円のファクタリングでも印紙代は2000円に過ぎません。
振込手数料は、ファクタリング会社から利用会社の口座に買取代金を振り込む際、そして支払期日後に利用会社からファクタリング会社に決済する際の手数料です。
振込手数料は数百円程度ですから、ほとんど影響はありません。
印紙代は、紙の契約書に張り付けるものですから、電子契約ならば不要です。
したがって、オンラインファクタリングならば、印紙代の分だけ安い手数料で利用できます。
とはいえ、印紙代や振込手数料の影響は極めて小さいため、あまりこだわる必要はないでしょう。

手数料を左右する項目⑥掛け目

ファクタリング会社によっては、掛け目を設定する場合があります。
「掛け目」は手数料ではないものの、手数料を左右する要素です。
掛け目は仕組みであり、銀行の担保付き融資の際に用いられます。
担保価値を算定した後、その担保価値に対する融資上限を決めるのが「担保掛目」といわれるものです。
担保資産によって掛け目の目安は異なりますが、銀行の不動産担保融資の場合、掛け目は実行ベースで55%、上限で70%が目安となります。
売掛債権担保融資であれば、売掛金の掛け目は実行ベース・上限ともに85%が目安です。
ファクタリングは融資ではなく、そもそも担保の概念がないため、業者によって掛け目の有無、掛け目率などが大きく異なります。
一般的な買取ファクタリングでは掛け目を設定しないケースも多いのですが、診療報酬ファクタリングでは掛け目を設定するケースが少なくありません。
安い手数料でファクタリングするならば、掛け目の影響も考慮しましょう。
掛け目を設定する場合、ファクタリングの手数料は掛け目部分に対してかかります。
例えば、額面金額100万円、手数料率10%の場合、掛け目の有無によって手数料は以下のように変動します。

  • 掛け目あり(掛目率80%):額面金額100万円のうち、買取対象は掛け目部分の80万円。手数料は8万円
  • 掛け目なし:額面金額100万円のうち、買取対象は100万円。手数料は10万円

掛け目がある場合には額面金額の一部を控除したうえで買い取り、控除した部分は売掛金回収後に返還されます。
手数料率が一定であれば、買取金額が小さくなった分だけ安い手数料でファクタリングできるというわけです。
ただし、必ずしも掛け目があったほうが良いとは限りません。
「掛け目によって安い手数料でファクタリングできる」ということは、「掛け目によって(ファクタリングできない部分が生じるため)安い手数料でファクタリングできる」ということです。
これは、売掛金の一部が資金調達に活用できなくなることを意味します。
極端にいえば、額面金額100万円・手数料率10%・掛け目率10%の場合、手数料は1万円ですが、調達できる金額はたったの9万円です。
確かに手数料は安いものの、額面金額の一部を資金繰りに活用できないデメリットを考えるべきでしょう。
もちろん、掛け目率がある程度高く設定され、なおかつ掛け目を設けることによって全体の手数料率が下がるならば、資金繰り・資金調達の効率は高まります。
したがって、利用する業者が掛け目を設定する場合、資金調達・資金繰りの効率をよく考えるべきです。
効率的に、なおかつ安い手数料でファクタリングできるならば、検討する価値があります。

3社間ファクタリングならば売掛先も関与し、審査にも時間をかけることができるため、安い手数料でファクタリングできます。

固定制と変動制

なお、ファクタリング手数料には固定制と変動制があります。
変動制は、ファクタリング会社の負うリスクによって手数料が変動する仕組みです。
案件ごとにリスクを見積もった結果、「この売掛金はリスクが低い」「これは収益性が高く優良案件だ」などと判断した場合には、安い手数料を設定します。
売掛先が行政や大企業であれば、ファクタリング会社はローリスクと判断するため手数料も安いです。
売掛先の信用力が優れているならば、変動制を選んで安い手数料を目指しましょう。
固定制のファクタリング会社は、主に個人事業主向けファクタリングなどで見られます。
これは、どのような売掛金でも一律の手数料でファクタリングする仕組みです。
「一律設定の手数料で買取可能」もしくは「買取不可能」の二択で、リスクに応じて手数料が変動するものではなく、様々な売掛金に対応する柔軟性もありません。
ただし、「変動制ならば11%や12%になるところを、固定制のため10%でファクタリングできた」といったこともありますから、場合によっては安い手数料で利用できます。

ファクタリング手数料は安い?

資金調達方法によって、それぞれ調達コストが違うわけですが、ファクタリングの手数料は安いといえるのでしょうか。
これは、見方によって解釈が異なる問題であり、一概には安いとも高いとも言えません。
ポイントとなるのは、考え方の軸を手数料率におくか、手数料におくかです。

ファクタリングの手数料率は高い

手数料の金額ではなく、単純に手数料率だけで考えるならば、ファクタリングの手数料は決して安いものではなく、むしろ高い方です。
このことは、ファクタリングの手数料率を年利に換算すると良く分かります。

  • 銀行融資:年利2~3%(信用保証協会の保証付きであれば、融資総額に対し1%前後の保証料を支払う)
  • ビジネスローン:年利15~20%
  • 2社間ファクタリング:年利換算60~180%
  • 3社間ファクタリング:年利換算6~60%
  • オンラインファクタリング:年利換算60%以下

(※ファクタリングは、相場の手数料率を年利換算。回収サイト2ヶ月の売掛金を売却した場合を仮定)
3社間ファクタリングやオンラインファクタリングならば、ビジネスローンよりも安い手数料率で利用できることもありますが、全体的にみるとやはり高い設定です。

ファクタリングの手数料は安い

手数料率ではなく手数料で考えた場合、ファクタリングの手数料は安いといえます。
ここでいう「手数料」とは、年利換算の手数料率ではなく、資金調達にかかる調達コストの合計のことです。
銀行融資・ビジネスローン・ファクタリングの手数料を具体的に比較してみましょう。

  • 銀行融資:借入総額1000万円、年利2%、3年返済の場合⇒手数料の合計(完済までに支払う利息の合計)31万1336円
  • ビジネスローン:借入総額1000万円、年利15%、3年返済の場合⇒手数料の合計(完済までに支払う利息の合計)247万9508円
  • ファクタリング:調達額1000万円(額面金額1053万円の売掛金を売却)、手数料率5%の場合⇒手数料の合計(契約時に一括で支払う手数料)53万円

これらの手数料を安い順に並べると銀行融資・ファクタリング・ビジネスローンです。
手数料率5%の設定は、3社間ファクタリングやオンラインファクタリングならば十分にあり得ます。
売掛金の回収予定が1ヶ月後の場合、手数料率の年利換算は60%となり、銀行融資やビジネスローンの年利よりもはるかに高いといえます。
しかし、トータルの手数料を比較すると、年利換算60%のファクタリングは、年利15%のビジネスローンに比べて約200万円も安いのです。
これは、銀行融資と比べても遜色ない水準です。
借入総額1000万円・3年返済の場合、年利3.39%以上になると、銀行融資のトータルコストは53万円を超えます。
信用金庫などの小規模な金融機関では、年率3%程度の金利設定は珍しくありません。
さらに信用保証協会の保証付き融資を受ける場合、借入総額に対して1.5%程度の保証料がかかります。
借入総額1000万円・年利3%・3年返済・保証料率1.5%の場合、トータルコストは61万9232円(合計利息46万9232円、保証料15万円)です。
つまり、条件によっては銀行融資よりもファクタリングのほうが安いことがあり得るのです。

さらに、ファクタリングには多くのメリットがあるため、メリットとデメリットを総合的に考慮した上での「コスパ」ということであれば、十分に安いといえます。

ファクタリング手数料の注意点

ファクタリング手数料が安いかどうかを判断するうえで、いくつか注意すべき点があります。

手数料率の上限と下限をチェック

手数料の設定が変動制の場合、表記に注意してください。
変動制というからには、方式や審査結果に応じて手数料が変動し、安い・高いの差が出てきます。
このとき、変動する範囲、つまり手数料率の上限と下限を明確に表示しているファクタリング会社を選びましょう。
「手数料率の上限と下限が明確」というのは、例えば「1~10%」のように、最も安い場合と最も高い場合が明記されていることです。
優良業者として紹介されているファクタリング会社の中にも、手数料率の下限だけを表示し、上限を明記していないケースが珍しくありません。
「業界最安水準 1.5%~」のように、手数料率の下限だけを表示することで安さをアピールしているわけですが、上限が明確ではないところに落とし穴があります。
確かに手数料率1.5%といえば安いに違いないのですが、審査の結果「30%」と言われてしまう可能性も十分にあるわけです。
その点、「5~15%」のように下限・上限ともに明記されていると、少なくとも15%超の手数料が適用されることはないのですから、安心して利用でき、手数料が本当に安いファクタリング会社を選ぶこともできます。

分かりにくい表記に注意

手数料率の上限と下限が明記されていても、それだけで判断してはいけません。
特に注意したいのが、方式別に手数料率の上限・下限を明記せず、全てひとまとめにして表示しているケースです。
実際に、それなりに知名度の高いあるファクタリング会社では、手数料率を「2~20%」と表示しています。
このファクタリング会社は、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの両方を取り扱っており、オンラインファクタリングには非対応です。
2社間ファクタリングの相場は10~30%であり、どんなに安くてもせいぜい5%が限界ですから、この「2~」はおそらく3社間ファクタリングの手数料を意味するものでしょう。
また、3社間ファクタリングは高くても10%が相場であり、ここにある「~20%」の表示は2社間ファクタリングの手数料率と推測できます。
つまり、このファクタリング会社の「2~20%」という表示は、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの手数料率をひとまとめに表示したものです。
これでは、実際にはどの程度の手数料率が適用されるか分からず、安い手数料で利用できるとも限りません。
ファクタリングをよく知らない経営者ならば、「2~20%」に隠された意味も分からず利用し、手数料率が割高になっても気づかないでしょう。
このようなファクタリング会社は顧客への配慮に欠けるため、避けた方が賢明です。

手数料率の変動に注意

ファクタリング会社によっては、利用額に応じて手数料率が変動する場合があるため、これにも注意が必要です。
実際に、あるファクタリング会社では以下のように設定しています。

  • 100万円以下:10%~
  • 101~500万円:5%~
  • 501~1000万円:2%~
  • 1001万円以上:別途ご相談ください

これは、手数料率の上限を表示しておらず、なおかつファクタリング方式による違いも不明であり、かなり不親切なケースです。
ファクタリングをあまり知らない人がこのような設定を見れば、「手数料が分かりにくい」というよりも「まとめてファクタリングした方が安い」というイメージを抱くでしょう。
「2%~」という安い手数料で利用するために、あえて501万円のファクタリングを申し込んだところ、手数料が20%や30%になってしまった…といった可能性も否定できません。
知名度が高いファクタリング会社の中にも、このように設定するファクタリング会社があるため要注意です。

安い手数料でファクタリングするコツ

手数料の表示に注意すれば、相場よりも手数料が安いファクタリング会社を選ぶことができます。
手数料率の上限・下限が相場より低く、なおかつその範囲内でいかに安く利用するか。
ファクタリングを活用する上では、この工夫が非常に大切です。
そこで、安い手数料でファクタリングするコツをいくつか紹介します。

3社間ファクタリングを利用する

最も簡単なのが、手数料が安いファクタリング方式を選ぶことです。
相場からも分かる通り、3社間ファクタリングは2社間ファクタリングに比べて大幅に安い手数料で利用できます。
ただし、3社間ファクタリングは売掛先が関与するため、売掛先の協力がなければファクタリングできません。
売掛先から資金繰り難を疑われたり、資金調達に予想以上の時間がかかったりと、なにかと不便です。
とはいえ、安い手数料で利用できるのは事実ですから、売掛先がファクタリングに協力的であれば3社間ファクタリングを活用しましょう。

オンラインファクタリングを利用する

3社間ファクタリングよりも簡単なのが、オンラインファクタリングを利用することです。
手続きのオンライン化によって、ファクタリング会社の事務負担が大幅に削減されます。
審査から契約までの流れが非常にスピーディになり、ファクタリング会社は短時間で多くの買取業務をこなせるようになりました。
生産性が飛躍的に向上したことにより、ファクタリング会社は安い手数料でも採算を確保できるようになり、10%以下の手数料でもファクタリングできるようになったのです。
審査結果によっては、3社間ファクタリング並みの安い手数料で利用できます。
従来の2社間ファクタリングはオフラインの2社間取引であるのに対し、オンラインファクタリングはオンラインの2社間取引です。
どちらも売掛先は関与せず、手続きのオフライン・オンライン以外はほとんど変わりません。
したがって、2社間ファクタリングを利用する場合には、オンラインファクタリングを選んだほうが確実に安い手数料で利用できます。

信用力の高い売掛先を選ぶ

ファクタリング手数料は、売掛金の買い取りによってファクタリング会社が負うリスクに左右されます。
このため、ファクタリング会社のリスクが低い売掛金を売却すれば、より安い手数料で利用できる可能性が高いです。
分かりやすいのが、自治体や大企業の売掛金です。
売掛先が自治体や大企業であれば、その売掛金が回収できなくなる可能性は極めて低く、ファクタリング会社は安い手数料で買い取ることができます。
もちろん、売掛先が一般的な中小企業でも、このアプローチは可能です。
取引している売掛先の中から、長期にわたって取引しており、これまで支払トラブルを起こしたことがない売掛先を選べば、ファクタリング会社はリスクが低いと判断します。
できるだけ信用力が高い売掛先を選び、安い手数料でファクタリングしましょう。

まとまった金額をファクタリングする

ごく軽微な資金需要であれば、少額ファクタリングでも資金繰りは回ります。
その場合にも、できるだけまとまった金額をファクタリングし、安い手数料を目指しましょう。
ファクタリング手数料は、ファクタリング会社が負うリスクだけではなく、採算性にも左右されます。
売掛金の買い取りにあたって、ファクタリング会社には様々な事務負担が生じますが、この負担は買取金額によって大きく変わるものではありません。
例えば、額面金額1万円のファクタリング(A)と、額面金額1億円のファクタリング(B)を比較した場合、「Aに必要な労力は1だが、Bには10000の労力が必要」といったことにはならないのです。
金額が変化しても、事務負担があまり変化しないとなれば、金額の大きい売掛金ほどファクタリング会社の採算性はアップします。
採算性が高くなれば、手数料を引き下げる余地も大きくなり、安い手数料でファクタリングできるというわけです。
資金繰り計画の全体をよく見渡し、余裕を持って現金を確保するという気持ちでファクタリングすれば、より安い手数料で利用できます。

ファクタリング会社の継続利用と乗り換え

大抵のファクタリング会社は、継続利用の会社を優遇します。
このため、同じファクタリング会社を使い続けることも、安い手数料で利用するポイントです。
現在、ファクタリング市場は急速に拡大しており、ファクタリング会社の数も急増しています。
しかし、まだまだ普及率は低く、ファクタリングを活用している会社もさほど多くありません。
このため、ファクタリング会社間の競争が激化しており、それぞれのファクタリング会社は新規顧客とリピーターの獲得に力を入れています。
新規顧客の獲得、リピーターの獲得、いずれにしても手数料は非常に重要です。
安い手数料を打ち出さなければ、新規に利用してもらうことは難しく、リピート率も低くなってしまいます。
本当に手数料が安いファクタリング会社は、新規利用の際にも手数料が安く、継続利用によってますます安くなる傾向があります。
したがって、現在利用しているファクタリング会社で「手数料が高い」と感じているならば、すぐに乗り換えを検討しましょう。
乗り換え利用の会社が安い手数料で利用できるよう、キャンペーンを実施しているファクタリング会社もあります。

手数料が安いファクタリング会社をお探しの方はNo.1へ!

ファクタリング市場が拡大している現在、ファクタリング会社の数は非常に多く、悪質業者が紛れ込んでいることも事実です。
また、同じ優良ファクタリング会社でも、それぞれ手数料その他の条件が異なり、得意とする業種や買取金額などの強みも異なります。
ファクタリング会社ごとに特徴を比較し、より手数料が安いファクタリング会社を選ぶことが重要です。
しかし、資金調達を急いでいる場合には、慎重に比較することも難しいでしょう。
そこで、手数料が安いファクタリング会社をお探しの方は、ぜひNo.1をご利用ください。
No.1は、東京都に本社を、名古屋・福岡に支社を構えるファクタリング会社です。
2016年に設立し、今年で6年目を迎えます。
No.1の強みは、ファクタリング手数料が安いこと、オンラインファクタリングをはじめとする多種多様なファクタリングに対応していること、資金繰り専門のコンサルタントが在籍していることです。
ファクタリング方式別の手数料率は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
  • オンラインファクタリング:額面金額の2~8%

資金調達スピードにも優れ、特にオンラインファクタリングならば最短60分での入金実績が多数ございます。
ファクタリングをご利用の際には、No.1のコンサルタントが丁寧にヒアリングを行います。
手数料重視のお客様には、安い手数料でご利用いただけるファクタリングプランの提案も可能です。
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乗り換えをご検討中の方は、ぜひご利用ください。

まとめ:正しくファクタリングを知り、安い手数料で活用を

この記事では、ファクタリングと手数料の基本的な知識と、安い手数料で利用するための注意点やコツを解説しました。
ファクタリングは、自社の資産(流動資産である売掛金)を売却することによって資金を調達する「内部資金調達」です。
銀行融資などの「外部資金調達」であれば、外部機関の判断に左右されるため、調達コストを引き下げることも困難です。
しかしファクタリングならば、経営者が正しい知識を身につけることで、安い手数料へと近づけていくことができ、資金繰りへの効果が高まります。
ぜひ、安い手数料でファクタリングすることを心掛けましょう。
No.1では、お客様がより安い手数料でご利用いただけるよう、様々な工夫を重ねてまいりました。
ファクタリングをご利用の際には、ぜひNo.1にご相談ください。

総合フリーダイヤル0120-700-339

名古屋支店直通052-414-4107

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