カテゴリー: ファクタリング
リバースファクタリングとは?メリットやデメリット、役立つシーンを徹底解説!
「買掛金の支払サイトが短い」
「支払サイトと回収サイトのギャップが大きい」
「買掛金の支払いが集中している」
こんなお悩みはありませんか?
買掛金が資金繰りを圧迫している会社には、リバースファクタリングがおすすめです。
リバースファクタリングは、買掛金の支払いを先延ばしできるファクタリングです。
この記事では、リバースファクタリングの基礎知識、メリットとデメリット、役立つシーンなどについて詳しく解説します。
リバースファクタリングとは?
あまりメジャーではありませんが、ファクタリングの一種に「リバースファクタリング」というものがあります。
「ファクタリング」はそれなりに知られていますが、「リバースファクタリング」はまだまだ知名度が低いです。
まずは、リバースファクタリングの基礎知識から解説します。
買掛金に対するファクタリング
「リバース」は「反対向き」「逆戻し」などを意味する言葉です。
では、「リバース+ファクタリング」とはどういうことでしょうか。
基本的に、ファクタリングは売掛金を売却することによって、代金の回収を前倒しするものです。
これをリバースする、つまり「売掛金の対極にある買掛金」を、「前倒しではなく先延ばしにする」、これがリバースファクタリングです。
リバースファクタリングを初めて知る人は、とりあえず「リバースファクタリング=買掛金の先延ばしサービス」 という認識で問題ありません。
リバースファクタリングの流れ
売掛金の早期資金化は理解しやすいですが、買掛金の先延ばしはよくわからない、という人も多いでしょう。
そのような人は、リバースファクタリングの流れから考えるのがポイントです。
リバースファクタリングの基本的な流れは以下の通りです。
- リバースファクタリングの利用会社(以下、利用会社)が、買掛先から商品や原材料を仕入れる。この時、代金は後日の支払いとする。
- 支払期日に合わせて、買掛先は請求書を発行する。利用会社に買掛金が発生する。
- 買掛先から受け取った請求書を、利用会社からファクタリング会社に提出する。
- ファクタリング会社が買掛先に買掛金を決済する。
- 後日、利用会社はファクタリング会社に買掛金と手数料を支払う
一般的なファクタリングとどう違う?
リバースファクタリングは、一般的なファクタリングとどう違うのでしょうか。
ここでいう「一般的なファクタリング」とは、ファクタリング会社に売掛金を売却することで資金を調達する「買取ファクタリング」のことです。
リバースファクタリングの流れを踏まえて、一般的なファクタリングとリバースファクタリングの違いを見ていきましょう。
目的が違う
最大の違いはファクタリングの対象です。
一般的なファクタリングは売掛金に対してファクタリングしますが、リバースファクタリングは買掛金に対してファクタリングします。
利用会社の目線で考えた場合、売掛金は債権(支払期日に代金を受け取る権利)であるのに対し、買掛金は債務(支払期日に代金を支払う義務)です。
一般的なファクタリングは、代金を受け取る権利を売却するため、資金を調達できます。
しかし、リバースファクタリングの対象である買掛金は、債務であり負債です。
負債を好んで買い取る業者はありません。
リバースファクタリングは資金調達のためではなく、負債である買掛金を一時的に立て替えてもらうサービスなのです。
これによって、利用会社の資金繰りがラクになります(詳しくは後述します)。
3社間ファクタリングが必須
一般的なファクタリングには、以下の2つの方式があります。
- 2社間ファクタリング:利用会社とファクタリング会社の2社間で取引する方式
- 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、取引先の3社間で取引する方式
上記の流れを見ればわかる通り、リバースファクタリングは3社間ファクタリングが必須です。
買掛金をファクタリング会社が支払うため、必ず買掛先が関与する必要があります。
もっとも、これはほとんど問題になりません。
一般的なファクタリングでは、売掛金を譲渡することで資金を調達するため、売掛先から資金繰り難を疑われるリスクがあります。
売掛先の信用低下を防ぐために、2社間ファクタリングを選ぶ会社が多いです。
しかし、リバースファクタリングは資金調達が目的ではありません。
買掛先としても、ファクタリング会社が支払人になるため、代金を確実に回収できるメリットがあります。
リバースファクタリングならば、3社間ファクタリングでも何ら問題ありません。
利用会社が審査対象に
審査の仕組みも異なります。
一般的なファクタリングの場合、主な審査対象は売掛先です。
ファクタリング会社は、売掛金を額面より安く買い取り、支払期日に満額回収することで利益を得ています。
そこで重要となるのが、売掛先の支払い能力です。
売掛先の支払い能力に問題がなければ、トラブルなく回収できる可能性が高いため、安心して買い取ることができます。
逆に、売掛先の支払い能力に問題があれば、回収不能リスクが高いため買い取ることはできません。
このように、ファクタリング会社は「代金の回収先」によって審査対象を変えます。
リバースファクタリングの場合、ファクタリング会社が立て替えた資金を、後日利用会社が支払います。
つまり、代金の回収先は買掛先ではなく利用会社です。
したがって、審査でも利用会社の支払い能力を重視します。
利用会社が信用力(支払い能力)に問題を抱えている場合、リバースファクタリングを利用できない可能性が高いです。
リバースファクタリングのメリット
一般的なファクタリングには、「資金繰りに必要な現金を調達できる」という分かりやすいメリットがあります。
一方、現金の調達に役立たないリバースファクタリングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
リバースファクタリングには、以下のメリットがあります。
支払いを先延ばしできる
リバースファクタリングの最大のメリットは、買掛金の支払いを先延ばしできることです。
ファクタリング会社への支払期日を、買掛先への支払期日をよりも後に設定できるためです。
例えば、1ヶ月後に支払予定の買掛金を、2ヶ月後に支払う条件でリバースファクタリングした場合、支払サイト※を1ヶ月から2ヶ月に延ばすことができます。
資金繰りと買掛金には、以下の関係があります。
- 買掛金が減少すれば、資金繰りが苦しくなる
- 買掛金が増加すれば、資金繰りがラクになる
そもそも買掛金とは、自社が支払う代金を、一時的に(支払期日までの間)買掛先に立て替えてもらうものです。
一時的とはいえ、現金が出て行く流れを止めることができ、資金繰りが回りやすくなります。
買掛金が減少することは、支払サイトが短くなることを意味します。
お金が出て行く流れが活発化するのですから、当然ながら資金繰りの悪化は避けられません。
逆に、買掛金の支払サイトが長くなれば、手元の買掛金は増加し、お金が出て行く流れが緩やかになります。
これによって、資金繰りが改善するというわけです。
リバースファクタリングによって支払いを先延ばしすれば、資金繰りの改善につながります。
※買掛先に対する債務が発生してから、代金を支払うまでの期間
資金調達と同じ効果がある
リバースファクタリングによって買掛金の支払いを先延ばしすることは、資金調達と同じ効果があります。
リバースファクタリングは現金を調達するものではなく、お金が入ってくることはありません。
しかし、出て行くお金を減らすことによって、資金調達と同等の効果が得られます。
例えば、買掛金50を1ヶ月後に支払う場合、手元資金が0であれば、50の資金調達が必要です。
リバースファクタリングによって、この支払いを2ヶ月後に先延ばしすれば、手元資金が0のままでも資金繰りは回ります。
どちらも、「資金繰りを回す」という目的を達成できます。
リバースファクタリングには、実質的に資金調達と同等の効果があるのです。
経理コストを削減できる
経理負担に悩んでいる場合にも、リバースファクタリングが役立ちます。
支払いは会社の生命線です。
銀行への返済や買掛先への支払いに遅れると、信用を大きく損なうこととなります。
そうならないためにも、買掛金を適切に管理しなければなりません。
業種によっては、自社の業務を複数の外注先にアウトソーシングし、多数の買掛金が発生することもあります。
この場合、買掛金の管理は煩雑になり、経理負担の増加は避けられません。
そこで、リバースファクタリングが役立ちます。
複数の買掛金を、同じ条件でまとめてリバースファクタリングすれば、自社はファクタリング会社に対する支払いだけを管理すれば良いため、経理負担を大幅に削減できます。
買掛先との交渉材料になる
ここまで、主に利用会社のメリットを取り上げてきました。
しかし、リバースファクタリングは買掛先にも以下のメリットがあります。
- ファクタリング会社が支払うことで、代金を確実に回収できること
- リバースファクタリングの条件によっては、本来の支払期日よりも早く回収できること
リバースファクタリングの条件は、柔軟な設定が可能です。
例えば、30日後に支払予定の買掛金を、
- ファクタリング会社から買掛先に対して15日後に支払う
- 利用会社からファクタリング会社に対して60日後に支払う
といった条件でファクタリングすることもできます。
この場合、買掛先は代金を早期回収でき、利用会社は支払いを先延ばしできるため、買掛先と利用会社の双方にメリットがあります。
リバースファクタリングの主な審査対象は利用会社であり、手数料も利用会社が負担するため、買掛先にとってはいいことづくめです。
利用会社は、このメリットを材料にして、
- 仕入れ単価の引き下げ
- 与信限度額(掛買いの限度額)の引き上げ
などを交渉することも可能です。
リバースファクタリングのデメリット
以上のようなメリットがある一方で、リバースファクタリングにはデメリットもあります。
主なデメリットは以下の3つです。
手数料がかかる
リバースファクタリングにも手数料がかかります。
ただし、一般的なファクタリングに比べると手数料は安いです。
ファクタリングの方式には、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があり、方式によって手数料が異なります。
手数料の相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのどちらを選ぶかによって、手数料負担が大きく変わります。
リバースファクタリングは、買掛先が必ず関与するため3社間ファクタリングしか選べません。
したがって、手数料相場も3社間ファクタリングの1~10%です。
一般的なファクタリングに比べて安いとはいえ、手数料負担を考慮したうえで利用する必要があります。
利用できるファクタリング会社が少ない
ファクタリングが急速に普及している昨今、ファクタリング会社の数は多く、会社選びが難しいといわれるほどです。
しかし、ファクタリング会社のほとんどは買取ファクタリングしか取り扱っていません。
ファクタリングの種類は様々ですが、最も普及しているのは買取ファクタリングです。
逆に言えばそれ以外のファクタリングの普及率は低く、リバースファクタリングも例外ではありません。
リバースファクタリングを提供しているのは、一部の中小ファクタリング会社のほか、銀行系ファクタリング会社に限られます。
ファクタリング会社が多いほど、ファクタリング会社選びは難しくなります。
しかし、選択肢が多ければ自社に適したファクタリング会社が見つかる可能性も高いです。
リバースファクタリングのように、提供しているファクタリング会社が非常に少ない場合、そもそも自社に適したファクタリング会社が見つからない可能性があります。
でんさいを利用する場合がある
銀行系ファクタリング会社でリバースファクタリングを利用する場合、でんさいの導入が必要です。
でんさいとは「電子記録債権」の略称であり、売掛債権の情報を電子的に記録するものです。
銀行系ファクタリング会社のリバースファクタリングは、でんさいの利用を前提としています。
しかし、でんさいは自社だけで利用できるものではなく、自社と買掛先の双方がでんさいを導入していることが必須です。
買掛先がすでにでんさいを導入していれば問題ありませんが、そうでない場合には導入を依頼しなければなりません。
買掛先がでんさいの導入を拒否すれば、リバースファクタリングは利用できません。
リバースファクタリングはこんな会社におすすめ
最後に、リバースファクタリングが適している会社を紹介します。
リバースファクタリングの利用を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
支払サイトが短い会社
買掛金の支払サイトが短いほど、資金繰りは苦しくなります。
支払サイトに悩んでいる会社には、リバースファクタリングがおすすめです。
特に、売掛金の回収サイトとのギャップが大きい場合、リバースファクタリングの効果が高まります。
支払サイトが短く、回収サイトが長い場合、資金繰りは一段と苦しくなります。
例えば、支払サイトが30日、回収サイトが60日の場合、資金繰りはどうなるでしょうか。
売掛金の回収1回につき、買掛金の支払いが2回のペースですから、資金繰りはかなり苦しくなるはずです。
これを改善するには、支払サイトを長くするか、回収サイトを短くする必要があります。
リバースファクタリングを利用することで支払サイトを60日に長期化すれば、支払サイトと回収サイトのギャップを埋めることができます。
これに加えて、買取ファクタリングを併用するのもよいでしょう。
買取ファクタリングは、売掛金の売却によって資金を調達すると同時に、回収サイトの短縮にも効果的です。
リバースファクタリングと買取ファクタリングを併用し、「支払サイト:30日/回収サイト:60日」の条件から「支払サイト:60日/回収サイト:30日」にするなど、条件の大幅な改善も可能です。
買掛金の支払額が大きい会社
仕入れ条件によっては、買掛金の支払いが短期間に集中することがあります。
季節性のビジネスでも、特定の時期に仕入れが集中し、買掛金の支払額が跳ね上がることが珍しくありません。
このほか、売上拡大局面に入った会社では、買掛金の支払額が急速に伸び、資金不足に陥ることが多いです。
このような場合、資金繰りのコントロールが難しくなります。
支払増加に備えて現金を確保できればよいのですが、そのようなやりくりは簡単ではありません。
そこで、リバースファクタリングが役立ちます。
リバースファクタリングを利用すれば、買掛金の支払日を柔軟に設定できます。
これにより、短期間に集中している支払いを分散することも可能です。
例えば、300万円の支払いが30日後に控えている場合、このうち150万円をリバースファクタリングで60日後の支払いとすることで、1ヶ月あたりの負担を50%軽減できます。
資金ショートの危険がある会社
資金ショートの危険がある会社も、リバースファクタリングの利用がおすすめです。
資金ショートとは、手元資金が枯渇して借入金の返済や買掛金の支払いができなくなることです。
「資金ショート=倒産」ではありませんが、実質的な経営破綻に陥ることは珍しくありません。
資金ショートの結果、手形の不渡りを起こせば銀行取引が停止になります。
取引先からの信用を失い、事業が立ち行かなくなる可能性も高いです。
そうならないためにも、手元資金をしっかり確保すること、そして手元資金の流出を防ぐことが重要です。
リバースファクタリングによって買掛金の支払いを先延ばしすれば、手元資金の流出を抑えることができ、資金ショートの危険を遠ざけるのに効果的です。
もちろん、近い将来に資金ショートの危険がある場合にも、リバースファクタリングによって避けることができます。
具体的には、以下のような場合です。
- 手元資金:100
- 買掛金の支払い:20日後に200
- 売掛金の回収:25日後に100
この状況では、20日後の支払いに現金が100足りません。
それから5日後、100の売掛金を回収すれば支払えるのですが、タイミングがわずかにずれているため、このままでは資金ショートに陥ります。
買掛先にお願いして、支払いを5日遅らせることも考えられますが、買掛先からの信用低下は避けたいところ。
そこで、リバースファクタリングによって、買掛金の支払いを遅らせるのです。
買掛金の支払いを売掛金の回収日以降にずらすことで、資金ショートを避けることができます。
まとめ:買取ファクタリングとリバースファクタリングの併用を!
リバースファクタリングは、買掛金の先延ばしに効果的です。
手元資金の流出を遅らせることができるため、支払サイトの改善、支払時期の分散、資金ショートへの対策など、様々なシーンで役立ちます。
さらなる資金繰り改善のためには、リバースファクタリングと買取ファクタリングの組み合わせが重要です。
リバースファクタリングと買取ファクタリングは、利用目的や効果が逆向きであることから、併用よりも使い分けに注目しがちです。
しかし、リバースファクタリングで買掛金に働きかけると同時に、買取ファクタリングで売掛金に働きかけることによって効果が倍加します。
買取ファクタリングをご利用の際には、ぜひNo.1にお任せください。
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