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キャッシュフローはなぜ重要?キャッシュフローの仕組みと改善方法と徹底解説

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資金繰りが苦しい、収入と支出のバランスが悪い……
このような問題に悩んでいる経営者は、キャッシュフローへの意識が不十分なのかもしれません。キャッシュフローは経営や資金繰りの安定に非常に重要であり、キャッシュフロー改善に取り組むことで、苦しい状況が驚くほど改善されるケースも多いです。
この記事では、No.1のコンサルタントがキャッシュフローについて解説します。

キャッシュフローとは?

 
 キャッシュフローという言葉は、経営者であれば誰もが知っている言葉です。
しかし、キャッシュフローの意味や意義について知らない人は少なくありません。
 キャッシュフローとは、その名の通り「現金の流れ」を意味します。
会社のお金の流れには、入ってくる流れと出ていく流れがあります。
お金が入ってくる流れ(売掛金の回収、借入れなど)がキャッシュインフロー、お金が出ていく流れ(買掛金の支払い、借入れの返済など)がキャッシュアウトフローです。
1年のはじめにキャッシュがいくらあり、1年間のキャッシュインフローとキャッシュアウトフローの結果、1年の終わりにはキャッシュがいくらになったかを表すのが「キャッシュフロー計算書」です。
これにより、「お金がどのように入ってきたか、入ってきたお金をどのように使ったか」という、貸借対照表や損益計算書では分からないお金の動きを把握できます。

資金繰りとキャッシュフローの違い

 
キャッシュフローと混同しやすいのが「資金繰り」です。
キャッシュフローはお金の流れ、資金繰りはお金のやりくりですから、確かに似ています。
しかし、キャッシュフローと資金繰りには大きな違いがあります。
それは、資金繰りは事前的な作業であり、キャッシュフローは事後的な作業ということです。
経営を続けるには、買掛先への仕入れ代金の支払いや、借入先への返済に事欠かないよう、やり繰りしなければなりません。
つまり、事前の計画に基づいて、資金繰りすることが重要です。
このように考えると、資金繰りが事前的な作業であることが分かります。
一方、キャッシュフローはお金の流れそのものを意味します。
計画的に資金繰りを行い、その結果・成果としての流れがキャッシュフローです。
お金の流れを分析し、経営の判断材料を得るのですから、キャッシュフローは事後的な作業といえます。
資金繰り表は前向きの見積もり、キャッシュフロー計算書は後ろ向きの報告ともいえるでしょう。
また、資金繰りは通常1か月単位で計画するのに対し、キャッシュフローは1年単位で分析します。
このような時間軸の違いも、キャッシュフローと資金繰りの違いといえるでしょう。

キャッシュフローと銀行評価

 
キャッシュフローと資金繰りの違いは、銀行の評価からもわかります。
銀行が会社を評価する際、キャッシュフローも資金繰りもどちらも重視される点では同じです。
しかし、より重視されるのはキャッシュフローと考えてください。

銀行はキャッシュフローを評価

 
銀行は、やり繰りに計画性があるか、最近のやり繰りはうまくいっているか、今後のやり繰りに問題はないか(売掛金や買掛金の残高に異常がないか、手元資金は潤沢かなど)を把握するために資金繰りをみます。
ただし、資金繰りはあくまでも事前的なものであり、具体的なお金の流れまでは分かりません。
具体的なお金の流れは、キャッシュフローを分析すれば分かります。
キャッシュフローをみて、会社がどのような活動をし、どのようにお金の流れを生み出しているかを把握すれば、事業活動の様子がみえてくるのです。
実際に、最近はキャッシュフローで会社を評価しようとする銀行が増えています。

キャッシュフローが企業価値を左右する

 
銀行評価と企業価値はほぼイコールであり、企業価値を高めるにはキャッシュよりもキャッシュフローが重要です。
キャッシュが潤沢な会社は資金繰りも良好ですが、それだけでは企業価値が高いとはいえません。
例えば、多額の借入れによってキャッシュが潤沢なだけで、稼ぐ力がなければ企業としての価値は低いといえます。
企業価値が高いのは、将来の長期にわたり、継続的にキャッシュを生み出せる会社です。
銀行も、「キャッシュをたくさん持っている会社」よりも、「キャッシュフローが大きい会社」を高く評価します。
「キャッシュが大きく、キャッシュフローが小さいA社」と「キャッシュが小さく、キャッシュフローが大きいB社」であれば、銀行はB社を高く評価するでしょう。
銀行の融資審査では返済力を重視します。
銀行が返済力とみなすのは、本業から生み出される利益を返済原資だけです。
キャッシュフローが小さいA社は、返済力が低いといえます。
手元資金を返済力とみなして融資するケースもありますが、手元資金が同じ水準を保つとは限りません。
キャッシュフローがある程度確保できなければ、いくらキャッシュが大きくても融資審査に通らない可能性が高いです。
B社は、将来的に生み出されるキャッシュフローが大きく、返済力は高いといえます。
この場合、手元のキャッシュが乏しくてもあまり問題にはなりません。
キャッシュフローが大きいということは、お金の回転が早いことを意味します。
お金の回転が早いほど儲ける機会が増え、結果的にキャッシュの増加につながり、返済力はさらに高まるでしょう。
このように、キャッシュフローの大きさは企業価値の高さに直結し、延いては銀行評価の高さにもつながるのです。

キャッシュフローと企業価値

 
キャッシュフローによる企業価値を、簡単な例でみてみましょう。
キャッシュフローが永遠に一定であると仮定した場合、キャッシュフローを利益率で割ることにより、キャッシュフローから企業の現在価値を算出できます。
例えば、年間のキャッシュフローが250万円、利益率が5%の場合、この会社の現在価値は5000万円です。
上記の通り、キャッシュフローが大きいほど企業価値が高くなり、キャッシュフローが小さいほど企業価値が低くなります。
利益率5%で年間のキャッシュフローが500万円の場合、現在価値は1億円。
利益率5%で年間のキャッシュフローが100万円の場合、現在価値は2000万円。
あくまでも簡易的な計算ですが、このようにみるとキャッシュフローと企業価値の関係がよくわかるでしょう。
より正確に計算する場合、年金原価計数表を用います。
同じく利益率を5%、年間のキャッシュフローを500万円として計算してみましょう。
今後10年間(係数7.722)にわたって毎年500万円のキャッシュフローを生み出す場合、企業の現在価値は500万円に7.722をかけた3861万円。
年間500万円のキャッシュフローを生み出す年数を30年間(係数15.372)とすれば、起業の現在価値は7686万円。
このように、より長期間にわたってキャッシュフローを生み出せる会社ほど、企業価値が高くなることが分かります。
銀行が高く評価するのも、キャッシュフローが大きく、キャッシュフローを生み出せる(と期待できる)期間が長い会社です。
銀行融資に苦労している会社は、キャッシュフローを改善することによって、銀行の姿勢が変わることも少なくありません。

キャッシュフローの良し悪し

 
よく「キャッシュフローが良い」「キャッシュフローが悪い」などといいますが、キャッシュフローの良し悪しはどのように判断するのでしょうか。
簡単に言えば、本業の売上に伴うキャッシュフローがしっかり確保できていれば「キャッシュフローが良い」といえます。
ここでポイントとなるのが、「本業の売上に伴うキャッシュフロー」という点です。
会社にとって、キャッシュフローが増えるのは良いことですが、キャッシュフローは売上だけではなく借入れによっても生じます。
経営のためには借入れも大切なことですが、より重要なのは借入金の使い道です。
借入れによってキャッシュフローが増加し、借入金を有効活用した結果、将来的にキャッシュフローがさらに増加する場合、この借入れは「良いキャッシュフロー」といえます。
しかし、借入れによってキャッシュフローが増加しても、借入金の使い方が悪く、将来的なキャッシュフローが増えない、あるいは減少するならば、その借入れは「悪いキャッシュフロー」といえるでしょう。
つまり、キャッシュフローの良し悪しは、キャッシュフローの一時的な増減よりも長期的な増減によって判断すべきであり、その決め手となるのが「本業の売上に伴うキャッシュフロー」というわけです。
当然、キャッシュフローの改善に取り組む会社は、売上の増加によるキャッシュフローの増加を目指す必要があります。

キャッシュフローはなぜ重要?

キャッシュフローをしっかりと把握しておくことは、経営において非常に重要なことです。これは、

  • 黒字でも、現金がなければ倒産する
  • 赤字でも、現金があれば倒産しない

という事実を考えると明らかです。

黒字倒産とは?

そもそも「倒産」とは、現金不足によって資金繰りが続かなくなることです。現金が不足したため手形の不渡りを起こせば、銀行取引の停止処分を受けます。当座預金取引ができなくなるほか、融資も受けられなくなるため、ほぼ間違いなく資金繰りが回らなくなります。つまり、事実上の倒産です。
手形の不渡りだけではなく、買掛金の支払い不能も同様です。資金不足により仕入先に支払いができず、信用を損なってしまうと、取引先が自社から手を引いて事業が続かなくなります。その結果、経営が破綻することを倒産というのです。
たとえ黒字であっても、現金がなければ倒産します。例えば、数ヶ月後に入金予定の100億円の売掛金があり、帳簿の上では大きな黒字を計上していても、入金されるまでの期間で資金繰りがショートしたり、売掛先の経営難によって予定通り入金されなかったりすれば、黒字でも倒産するのです。これが「黒字倒産」です。

赤字でも現金さえあれば……

逆の場合を考えてみましょう。
赤字とは、支出が収入を上回ることです。業績の悪化によって赤字になる場合もあれば、売掛先の倒産によって多額の貸し倒れが発生し、一夜にして黒字から赤字に転落する場合もあります。
しかし、赤字がどれだけ大きくとも、資金繰りが回れば経営は続けられます。極端に言えば、手形の不渡りを起こして銀行取引停止処分を受けても、手元資金が潤沢であれば資金繰りを回すことができ、不渡りから2年後には銀行取引停止処分が解除されて再び平常運転へ……ということも可能なのです。極端な例ですが、「現金さえあれば赤字でも倒産しない」ということがよく分かるはずです。
もちろん、これは理論的な話であって、現実的にはほぼあり得ません。手元資金の枯渇によって手形の不渡りを起こしているのですから、不渡り後も資金繰りを回せるほど手元資金が潤沢、ということはあり得ないからです。
現実的な例を挙げるならば、飲食店などは現金商売であり、日銭が入ります。これによって支払いができ、赤字でも資金繰りが続くケースがよくあります。
日本企業の約70%は赤字であるとされます。もし「赤字=倒産」であれば、日本経済は大混乱に陥るはずですが、実際にそうなっていません。莫大な数の赤字企業が、何らかの方法によって資金を確保して資金繰りを回し、倒産を回避しているのです。
この事実からも、「赤字でも現金さえあれば倒産しない」ことがわかるでしょう。

キャッシュ・イズ・キング

キャッシュフローの重要性はここにあります。

  • 商売がうまくいっているのに、入金までの資金繰りが続かず黒字倒産してしまう
  • 一時的な業績悪化によって赤字になったとき、黒字に転換するまでの資金繰りが続かずに倒産してしまう

といったことを避けるためには、現金が欠かせません。現金をしっかり確保するには、現金の流れを細かく把握し、維持・改善を意識しながら経営する「キャッシュフロー経営」が重要なのです。

キャッシュフロー計算書を理解する

 
キャッシュフローを知る上で欠かせないのが、キャッシュフロー計算書です。
キャッシュフロー計算書は、営業キャッシュフロー、財務キャッシュフロー、投資キャッシュフローによって構成されます。
ポイントは、キャッシュフローが「お金の流れ」を表すのに対し、キャッシュフロー計算書は「お金の余剰(不足)」を表すということです。

キャッシュフロー計算書の仕組み

 
キャッシュフロー計算書を構成する三つのキャッシュフローを簡単に説明すると以下の通りです。

  • 営業キャッシュフロー:本来の事業活動によるキャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー:本業以外の投資活動(証券投資、不動産投資、設備投資など)によるキャッシュフロー
  • 財務キャッシュフロー:借入れや社債発行など、財務活動によるキャッシュフロー

これら三つのキャッシュフローから、年間のキャッシュの増減額、キャッシュの期首残高、キャッシュの期末残高を計算するのがキャッシュフロー計算書です。

まずは営業キャッシュフローに注目

 
営業キャッシュフロー・投資キャッシュフロー・財務キャッシュフローのうち、最も重要なのは営業キャッシュフローです。
営業キャッシュフローは、本業の営業活動でお金が動いた結果、どれだけお金が残ったかを表します。
本業のお金の動きには、売上の入金、仕入代金や外注費の支払い、人件費その他の諸経費の支払いなどがあります。
それらを合算し、差引差額としていくら残ったかを示すのが営業キャッシュフローです。
営業キャッシュフローがプラスであれば、本業の営業活動が黒字であったことを意味し、営業キャッシュフローがマイナスであれば、本業の営業活動が赤字であったことを意味します。
当然ながら、営業キャッシュフローが大きいほど、収益力が高いといえます。
キャッシュフローの改善にあたり、営業キャッシュフローがマイナスであれば、最優先で取り組むべきです。

キャッシュフロー計算書の具体例

 
キャッシュフロー計算書について、少し具体的にみてみましょう。
例えば、営業キャッシュフローが500万円、投資キャッシュフローが-1000万円、財務キャッシュフローが300万円の場合、キャッシュの増減額は-200万円です。
キャッシュの期首残高が500万円であれば、期末残高は300万円となり、年間で200万円減少しました。
営業キャッシュフローはプラス(本業が順調)、財務キャッシュフローもプラス(資金調達も順調)、それでもキャッシュが減ったのは、投資キャッシュフローが大きくマイナスになっていることです。
投資キャッシュフローがマイナスだからといって、必ずしも悪いわけではありません。
適切な設備投資によって生産力を増強し、将来的にキャッシュフローが増えるならば、投資キャッシュフローが大幅なマイナスでも問題ないでしょう。
しかし、投資キャッシュフローのマイナスが過剰投資によるものであれば、将来のキャッシュフローにはつながらないため、何らかの対策が必要です。
このように、キャッシュフロー計算書を分析すれば、キャッシュの増減の様子から、キャッシュフローの良し悪しが分かります。

キャッシュフロー計算書の良し悪し

 
キャッシュフロー計算書の良し悪しは、営業キャッシュフロー・投資キャッシュフロー・財務キャッシュフローの組み合わせによって判断します。
これら三つのキャッシュフローには、望ましい組み合わせと、望ましくない組み合わせがあるのです。
最も望ましいのは、営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローがマイナスという組み合わせです。
この場合、キャッシュフロー計算書から以下のことが推測できます。

  • 営業キャッシュフロー:本業が順調であり、投資活動と財務活動の不足を営業活動でカバーしている
  • 投資キャッシュフロー:設備投資など、将来のための投資活動にしっかり取り組んでいる
  • 財務キャッシュフロー:借入金をしっかり返済している

逆に、最も望ましくないのは、営業キャッシュフローがマイナス、投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローがプラスの組み合わせです。
この場合、以下のような状況が考えられます。

  • 営業キャッシュフロー:本業が赤字になっている
  • 投資キャッシュフロー:将来につながらなければ更なるキャッシュフローの悪化に
  • 財務キャッシュフロー:借入金が増えている。本業が赤字のため返済不能の危険も

ほかにも組み合わせは色々考えられますが、最も注目すべきは営業キャッシュフローです。
営業キャッシュフローのマイナスは、本業がうまくいっていないのですから、基本的には悪いと考えてください。
また、営業キャッシュフローのマイナスは、キャッシュフロー全体の悪化につながりやすいです。
例えば、本業の不振を挽回すべく、大規模な設備投資に踏み切ったものの、大して成果が得られないケースです。
この場合、営業キャッシュフローは依然としてマイナスのまま、投資キャッシュフローは大幅なマイナスとなります。
大規模な投資活動には借入れがつきものですが、これは投資キャッシュフローのマイナスを財務キャッシュフローのプラスで補っているわけです。
財務キャッシュフローのプラス分は、将来の営業キャッシュフローから返済していかなければなりません。
投資の成果が出なければ、借入金の返済に行き詰まり、最悪の場合には倒産します。
キャッシュフローを改善するということは、キャッシュフロー計算書をよくするということです。
キャッシュフロー計算書をよくするポイントを、簡単にまとめておきます。

  • 営業キャッシュフローのマイナスをプラスにする。プラスを大きくする。
  • 投資キャッシュフローのマイナスを適正に保つ。無意味な投資を避け、将来の営業キャッシュフローを増やす投資を心がける。
  • 財務キャッシュフローのプラスは、他の事業活動のマイナスを補うことが目的。無計画な調達を避け、必要がなければマイナスになる(返済する)ようを心がける。

キャッシュフローの改善方法6選

資金繰りが苦しいということは、収入と支出のバランスが悪い、お金の流れがうまくいっていない、つまりキャッシュフローが悪いことを意味します。
よく「資金繰りを改善しましょう」といわれますが、これはお金のやりくりがうまくいくように、お金のやりくりが苦しくなる原因を取り除き、ラクになるように工夫することです。具体的には、中長期的な資金繰りを予測し、やりくりが苦しくなりそうなタイミングを把握し、それに備えて資金を調達するといったことを指します。
これは、「キャッシュフローを改善しましょう」ということでもあります。キャッシュフロー改善とは「お金の流れをよくする」ということであり、具体的には、

  • キャッシュ・イン(お金が入ってくる流れ)がスムーズになれば、キャッシュ・アウト(出ていくお金の流れ)もスムーズになる(無理なく支払いができる流れをつくる)
  • キャッシュ・インに問題が起きた時、キャッシュ・アウトが滞らないためにも、手元資金を十分に確保しておく(資金調達方法の多様化に努める)
  • キャッシュ・アウトを減らし、キャッシュ・インをできるだけ手元に留めておく(経費削減によって支出を減らし、利益の留保に努める)

といったことを意味します。「資金繰り」と「キャッシュフロー」では意味がかなり違いますが、「資金繰り改善」と「キャッシュフロー改善」ではかなりの部分で共通することが分かるでしょう。
したがって、資金繰り改善に取り組む会社は、資金繰りの観点から改善を図ると同時に、キャッシュフローの観点からも改善を図ることがポイントといえます。
ここでは、キャッシュフロー改善の方法を6つ、簡単にみていきましょう。

1.資金調達方法を多様化する

キャッシュ・インが豊富であれば、キャッシュ・アウトが滞ることはありません。しかし、業績が悪化したり、売掛先が倒産して売掛金が回収不能になったりすれば、キャッシュ・インが減少し、キャッシュ・アウトをカバーできなくなる可能性も出てきます。
そうならないためにも、日ごろから手元資金を厚くしておくこと、そして柔軟に資金を調達できる体制を作っておくことが大切です。キャッシュ・インの留保はもちろんのこと、積極的に銀行融資を受けて現金を確保する、ファクタリングをはじめとする様々な資金調達ルートを確保しておく、といったことがキャッシュフロー改善に役立ちます。

※ファクタリング…支払い期日前の売掛金をファクタリング会社に売却し、早期資金化する資金調達方法

2.回収サイトを短縮する

資金繰り改善では、回収サイトの短縮が重要だといわれます。売上をできるだけ早いタイミングで回収できるようになれば、収入と支出のズレを埋めることができ、資金繰りショートの危険が減るからです。
これは、キャッシュフロー改善でも同じです。回収サイトを短縮すれば、キャッシュ・インのタイミングが早くなります。回収サイトの短い取引先が増えると、短期間に多くのキャッシュ・インがあるため、キャッシュ・アウトで困ることが少なくなります。
既存の取引先と交渉して回収サイトを短縮する、新規取引先との契約では短めの回収サイトを前提として取引を開始する、といった取り組みを意識しましょう。
また、回収サイトの長い売掛金は、ファクタリングで早期資金化するのもおすすめです。これにより、契約上の回収サイトが長くとも、実質的には回収サイトが短縮されます。

3.支払サイトを延長する

支払いサイトの延長も、回収サイトと並行して進めるべき取り組みです。
支払いサイト、つまり支払いまでの期間が短ければ、キャッシュ・アウトが短期間で発生します。回収サイトが長く支払いサイトが短い状態は、キャッシュ・インがうまく流れず、一方でキャッシュ・アウトが激しく流れている状態といえます。
河川であれば、雨が少なく、源流から流れ込む水が乏しく、一方で河川の水が海にどんどん流れ出している状態です。この状態が続けば、やがて枯渇します。
これを防ぐには、流出速度を遅らせるのが効果的です。支払いサイトを延長すれば、キャッシュ・アウトが穏やかになり、キャッシュフローが改善されます。
具体的な方法のひとつとして、法人クレジットカードの活用がおすすめです。法人クレジットカードを作り、細かい支払いをクレジットカードで決済することにより、まとまったキャッシュ・アウトを先送りできます。

4.与信管理を徹底する

与信管理が甘い会社では、キャッシュフロー悪化の危険があります。与信管理とは、

  • 取引先の信用力に応じて、信用取引で販売する金額や回収サイトを設定する
  • 回収不能を避けるために、取引先の状況と信用力の変化を厳しくチェックし、取引に細かく反映していく
  • 支払い期日に合わせて正確に請求する、支払い期日に少しでも遅れたら厳しく督促をかける、場合によっては法的手段を早急に講じるなどにより、回収不能の防止に努める

といった取り組みのことです。
与信管理を徹底すれば、回収不能リスクを避けられます。つまり、「入ってくるはずの売上が入ってこない」というトラブルにより、キャッシュ・インが減ることを避けられるのです。
実際には、人手不足によって十分な与信管理が難しい、信用調査能力が不十分であるといった理由から、中小企業では与信管理が甘くなるケースがほとんどです。
この場合にも、ファクタリングが役立ちます。No.1でもそうですが、ほとんどのファクタリング会社は償還請求権なしファクタリングサービスを提供しています。このため、売掛先の倒産などによって、ファクタリングした売掛金が回収不能になっても、買い戻し義務がありません。
これは、貸し倒れリスクをファクタリング会社に移転できるということでもあります。ファクタリングすれば回収不能に備える必要がなくなり、与信管理も不要になるのです。
売掛金を確実に資金化し、キャッシュ・インの流れを円滑化できるため、キャッシュフロー改善に効果的です。

5.経費を削減する

経費削減もキャッシュフロー改善に効果的です。経費が減ることはキャッシュ・アウトが減ることにほかなりません。キャッシュが枯渇する危険を避けられ、キャッシュ・インの留保も増えるはずです。
また、経費削減に取り組む中で、派生的に様々な改善効果を享受できます。
例えば、経費を削減する方法の一つに、「在庫管理の改善」があります。在庫管理を見直し、製造に必要な原材料を正確に仕入れる、売れる分だけを正確に仕入れる(製造する)といったことができれば、仕入れに伴う経費を削減できます。
また、仕入れの数量を減らすことにより、在庫管理コストも削減できます。これにより、

  • 倉庫の整理や品質管理に必要な人手が減って労務費を削減できる
  • 倉庫サイズの縮小によって倉庫賃料を削減できる

といったように、複数のポイントでコストを削減できるのです。
このほか、ファクタリングの活用によって与信管理コストを削減するなど、これまで気付かなかったところで削減効果が生まれることもあります。
ひとつひとつの取り組みによって削減できる金額は小さくとも、全体ではかなり大きな削減が可能です。
経費を大幅に削減できれば、キャッシュ・アウトも大幅に減り、キャッシュフロー改善が加速します。

6.リスケジュールを行う

最後に、やや消極的な方法ですが、キャッシュフロー改善効果が高い方法としてリスケジュールが挙げられます。
リスケジュールとは、資金繰りが苦しく借入金の返済ができなくなった(無理に返済を続けると確実に破綻する)場合に、銀行に返済の猶予を依頼することです。リスケジュール中は元金の返済を据え置き、利息だけを支払うことが認められます。
これによりキャッシュ・アウトが大幅に減るため、キャッシュフローが格段に良くなります。
リスケジュールを認めることにより、銀行は元金の回収が遅れます。しかし、その期間中も利息は受け取ることができ、また下手に倒産に追い込むと多額の損失を被るため、経営再建を支援して確実に回収するほうが賢明です。したがって、リスケジュール交渉は比較的容易です。
ただし、リスケジュール中は融資を受けられなくなります。経営悪化によってリスケジュールした会社に、追加融資を出してさらなるリスクを負うはずがありません。
したがって、リスケジュールにあたっては、

  • 1.キャッシュ・アウトが減ることによって期待できるキャッシュフローの改善
  • 2.銀行融資が受けられなくなり、キャッシュ・インが減ることによって生じるキャッシュフローの悪化

のどちらが大きいかを慎重に比較することが重要です。比較の結果、1.の方が大きければリスケジュールする価値はありますし、2.の方が大きければリスケジュールは避けるべきです。
また、実際にリスケジュールに踏み切った際には、銀行融資以外の資金調達しか使えなくなるため、ここでもファクタリングの積極的な活用が求められます。

まとめ:キャッシュフローでお悩みの方はNo.1にご相談ください

キャッシュフローは、経営において非常に重要な要素です。キャッシュフロー経営に取り組めば、自社の経営悪化が深刻な局面でも経営を続け、経営再建に取り組むことができます。
キャッシュフロー改善を進める際には、ぜひファクタリングの活用をおすすめします。キャッシュフローの改善策でも紹介した通り、ファクタリングは様々な効果によってキャッシュフロー改善に役立ちます。
No.1には資金繰り専門のコンサルタントが在籍しており、キャッシュフロー改善を目指したファクタリングの提案も可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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